JP2016114358A - 電波式水位計 - Google Patents

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【課題】電波式水位計の真下方向以外の複数の観測地点を計測可能とする。【解決手段】水面上の観測地点Gに送信波を放射して反射波を受信するアンテナ1と、アンテナ1による送信波の放射方向を可変する方向可変部11と、アンテナ1による受信結果に基づいて観測地点Gの水位および水面の流速を算出する演算手段とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、電波式水位計に関する。
現在、電波を用いて水位を計測する電波式水位計には、水面より高い場所に位置する構造物に設置され、真下方向に電波を放射し、真下方向の水面の水位を計測するものが存在する。例えば、下記特許文献1には、電波を真下方向に放射することによって、使用済燃料を収容可能な使用済燃料ピット内に貯水される冷却水の水位を計測する電波式水位計が開示されている。
特開2013−205059号公報
しかしながら、上記従来技術では、河川の水位を計測する場合、河川の観測地点によって水位が異なるにも関わらず、電波式水位計による電波の放射方向が真下方向に固定されているため、河川における水位の異なる複数の観測地点を計測できないという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電波式水位計の真下方向以外の複数の観測地点を計測可能とする、ことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、水面上の観測地点に送信波を放射して反射波を受信するアンテナと、アンテナによる送信波の放射方向を可変する方向可変部と、アンテナによる受信結果に基づいて観測地点の水位を算出する演算手段とを具備する、という手段を採用する。
本発明では、第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、演算手段は、アンテナによる受信結果に基づいて水位に加えて、観測地点の流速を算出する、という手段を採用する。
本発明では、第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、アンテナは、多周波CW方式に基づく送信波を観測地点に放射する、という手段を採用する。
本発明によれば、水面上の観測地点に送信波を放射して反射波を受信するアンテナと、アンテナによる送信波の放射方向を可変する方向可変部と、アンテナによる受信結果に基づいて観測地点の水位を算出する演算手段とを具備し、方向可変部によってアンテナによる送信波の放射方向を可変することができるので、電波式水位計の真下方向以外の複数の観測地点を計測することができる。
本発明の実施形態に係る電波式水位計Aの設置状況を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電波式水位計Aの機能ブロック図である。 本発明の実施形態における変調信号、送信信号、反射信号及びビート信号を模式的に示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る電波式水位計Aの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における角度EL及び水位Lを示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る電波式水位計Aは、多周波CW方式に基づいて送信波を水面上の観測地点Gに向けて放射し、該送信波の反射波の受信結果に基づいて観測地点Gの水位及び流速を計測する。例えば、電波式水位計Aは、図1に示すように、河川に架かると共に土手に固定される橋の欄干等に設置される。つまり、電波式水位計Aは、観測地点Gが存在する河川の水面より橋の高さに土手の高さを加えた高さ分だけ高い位置に設置される。
電波式水位計Aは、図1及び図2に示すように、アンテナ1、サーキュレータ2、デバイダ3、第1アンプ4、発振器5、チューニング電圧部6、ミキサ7、第2アンプ8、ノイズフィルタ9、ADコンバータ10、雲台11、角度センサ12、演算制御部13及び筐体14から構成されている。なお、雲台11は、本実施形態における方向可変部である。また、演算制御部13は、本実施形態における演算手段である。
アンテナ1は、例えばパラボラアンテナであり、方形状をした筐体14の側面(前面)に固定されている。アンテナ1は、サーキュレータ2から入力される所定周波数の送信信号に基づいて送信波を観測地点Gに放射する一方、該送信波の反射波を受信し、反射信号としてサーキュレータ2に出力する。
ここで、送信信号がアンテナ1に給電されることによって発生する送信波は、送信信号と同様に所定周波数を有する電波である。この送信波が観測地点Gで反射して発生する上記反射波は、観測地点Gにおける水面の流速に応じて送信波の周波数がドップラーシフト(周波数偏移)した信号である。また、この反射波は、上記流速以外の水面の状態や伝搬経路(アンテナ1と観測地点Gとの間の空間)の状態に応じて送信波に各種のノイズ成分が重畳した電波である。
サーキュレータ2は、デバイダ3から入力される送信信号をアンテナ1に出力し、アンテナ1から入力される上記反射信号をミキサ7に出力する方向性結合器である。デバイダ3は、第1アンプ4から入力される送信信号をサーキュレータ2とミキサ7とに分配する分配器である。第1アンプ4は、発振器5から入力される送信信号を所定の増幅度で増幅し、デバイダ3に出力する増幅器である。
発振器5は、チューニング電圧部6から入力される制御電圧に基づいて送信信号を生成する電圧制御型発振器である。すなわち、発振器5は、チューニング電圧部6から入力される制御電圧を変調信号(図3参照)として受け付け、当該制御電圧(変調信号)に基づいて周波数変調された周波数変調信号を送信信号(図3参照)として発生する。本実施形態における制御電圧(変調信号)は、一定周期で繰り返す3段の階段状信号であり、よって送信信号は、異なる3つの周波の正弦波信号が所定の順番かつ所定の周期で時系列的に並ぶ周波数変調信号(FM変調信号)である。発振器5は、このような送信信号を第1アンプに出力する。なお、図3におけるF1、F2、F3は、3つの周波数である第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3を示している。また、Fd1、Fd2、Fd3は、第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3各々に対応するビート周波数Fd1、Fd2、Fd3を示している。
チューニング電圧部6は、演算制御部13による制御に基づいて上記制御電圧、つまり3段の階段波を一定周期で繰り返す変調信号を発生して発振器5に出力する。ミキサ7は、サーキュレータ2から入力される反射信号と、デバイダ3から入力される送信信号とをミキシング(アナログ乗算処理)する一種のアナログ乗算器である。このミキサ7は、反射信号と送信信号とを乗算することにより、反射信号の周波数と送信信号の周波数との差分周波数、つまり上記ドップラーシフト(周波数偏移)に起因するドップラー周波数の信号(ビート信号)と、反射信号の周波数と送信信号の周波数との加算周波数の信号とを主成分とするミキシング信号を生成して第2アンプ8に出力する。
第2アンプ8は、ミキサ7から入力される上記ミキシング信号を所定の増幅度で増幅する増幅器である。この第2アンプ8は、自らが増幅したミキシング信号をノイズフィルタ9に出力する。ノイズフィルタ9は、第2アンプ8から入力されたミキシング信号から上記ビート信号のみを取り出すアナログフィルタである。このノイズフィルタ9は、上記ビート信号をADコンバータ10に出力する。ADコンバータ10は、上記ノイズフィルタ9から入力されるビート信号をデジタル変換して演算制御部13に出力する。
雲台11は、筐体14の下面に設けられており、筐体14の向きを可変することによりアンテナ1の方向を可変する装置(方向可変部)である。すなわち、この雲台11は、橋の欄干と筐体14との間に備えられており、筐体14を方向設定自在に支持する。また、この雲台11は、例えばモータ等の駆動装置を備えたものであり、演算制御部13から入力される制御指令に基づいて筐体14の向き(アンテナ1の方向)を設定する。
角度センサ12は、上記雲台11に設けられており、筐体14の向き(アンテナ1の方向)を検出し、当該方向を示す角度検出信号を演算制御部13に出力する。すなわち、この角度センサ12は、水平面内におけるアンテナ1の方向(水平角)と垂直面内におけるアンテナ1の方向(仰角)とを検出し、これら水平角及び仰角を角度検出信号として演算制御部13に出力する。
演算制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び電気的に相互接続された各部と各種信号の送受信を行うインターフェイス回路等から構成されている。この演算制御部13は、上記ROMに記憶された演算制御プログラムに基づいて雲台11の動作を制御すると共に、上記演算制御プログラム及びADコンバータ10から入力されるビート信号(デジタル信号)に基づいて観測地点Gにおける川の水位及び流速を演算する。なお、詳細については後述するが、演算制御部13は、ADコンバータ10からビート信号を取り込むことにより、多周波CW方式に基づいて観測地点Gにおける川の水位及び流速を演算する。
筐体14は、樹脂あるいは金属等からなる方形状の容器である。この筐体14は、上記サーキュレータ2、デバイダ3、第1アンプ4、発振器5、チューニング電圧部6、ミキサ7、第2アンプ8、ノイズフィルタ9、ADコンバータ10及び演算制御部13を収容する。また、筐体14は、上述したように側面(前面)にアンテナ1が固定され、また雲台11を介して橋の欄干に支持されている。
次に、このように構成された電波式水位計Aの動作について図3、図4及び図5を参照して説明する。
電波式水位計Aでは、演算制御部13が演算制御プログラムに基づいて雲台11を制御することで、アンテナ1の方向を所望の方向に設定する。例えば、演算制御部13は、予め規定された河川上の複数の観測地点Gを計測できるように、演算制御プログラムに基づいて雲台11を制御する。すなわち、雲台11は、演算制御部13から入力される制御指令に基づいて動作することにより、送信波が各観測地点Gに所定の順番で順次放射されるようにアンテナ1の方向を順次設定する。そして、演算制御部13は、各々の観測地点Gにおけるビート信号を取り込むことにより、各々の観測地点Gにおける水位及び流速を演算する。
すなわち、演算制御部13は、チューニング電圧部6を作動させることによりアンテナ1から3つの周波数(第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3)の正弦波が時系列的に並ぶ送信波を観測地点Gに向けて放射させ、当該送信波の観測地点Gにおける反射波をアンテナ1で受信させる。
この反射波は、送信波の第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3が水の流速に応じてドップラーシフトすることにより、周波数F1±fd1、F2±fd2、F3±fd3を有する電波となる。なお、川の上流に向けて送信波を放射した場合には、周波数F1±fd1、F2±fd2、F3±fd3における「±」がプラス(+)となり、川の下流に向けて送信波を放射した場合には、周波数F1±fd1、F2±fd2、F3±fd3における「±」がマイナス(−)となる。
そして、この反射波に基づく反射信号がアンテナ1からサーキュレータ2、ミキサ7、第2アンプ8、ノイズフィルタ9で処理されることによりビート信号が取り出され、ADコンバータ10においてデジタル信号に変換される(ステップS1)。このビート信号は、送信信号(送信波)の周波数と反射信号(反射波)の周波数との差分周波数、つまり、図3に示すようにビート周波数fd1、fd2、fd3が時系列的に並んだ信号である。なお、ビート周波数fd1は、第1周波数F1のドップラー周波数である。また、ビート周波数fd2は第2周波数F2のドップラー周波数である。また、ビート周波数fd3は第3周波数F3のドップラー周波数である。
演算制御部13は、ADコンバータ10からビート信号のデジタル信号が入力されると、当該ビート信号を3つのビート周波数fd1、fd2、fd3に対応する部位(データ部位)毎に分離する(ステップS2)。そして、演算制御部13は、分離した3つのビート周波数fd1、fd2、fd3に対応する部位(データ部位)毎にフーリエ変換処理を施すことにより、各データ部位に含まれる複数の周波数成分の振幅(強度)と位相とを求める。
すなわち、各データ部位に含まれる3つのビート周波数fd1、fd2、fd3は各々に純粋に1つの周波数ではなく、所定の周波数幅を有する周波数帯域を有する。3つのビート周波数fd1、fd2、fd3が周波数帯域となる理由は、アンテナ1から放射される送信波が観測地点Gの川面の広がりを持った領域(照射領域)に照射され、この広がりを持った照射領域で反射した反射波がアンテナ1で捉えられるからである。
演算制御部13は、フーリエ変換処理によって各データ部位に含まれる複数の周波数成分の振幅(強度)と位相とを求めると、データ部位毎に、最も振幅(強度)が大きい周波数成分の位相、つまり第1位相φ1、第2位相φ2、第3位相φ3を特定する(ステップS3)。なお、データ部位毎の最も強度の強い周波数成分は、周波数fm1、fm2、fm3各々であるとする。つまり、第1位相φ1は、周波数fm1の周波数成分の位相である。また、第2位相φ2は、周波数fm2の周波数成分の位相である。また、第3位相φ3は、周波数fm3の周波数成分の位相である。
また、周波数fm1は、ビート周波数fd1に対応するデータ部位に含まれる周波数成分である。また、周波数fm2は、ビート周波数fd2に対応するデータ部位に含まれる周波数成分である。また、周波数fm3は、ビート周波数fd3に対応するデータ部位に含まれる周波数成分である。
続いて、演算制御部13は、上記ステップS3の処理において得られた第1位相φ1、第2位相φ2及び第3位相φ3に基づいて位相差Δφを求め、位相差Δφを下記式(1)に代入してアンテナ1と観測地点Gとの距離Rを求める。さらに、演算制御部13は、距離R及び下記式(2)に基づいて高さHを求める。高さHは、水面からアンテナ1までの高さである(図5参照)。
R=Δφ/4π×c/ΔF (1)
H=R×sin(EL) (2)
また、上記式(1)には、位相差Δφ以外にも、光速c及び送信周波数差ΔFを代入する。送信周波数差ΔFとは、第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3お互いの周波数差である。本実施形態では、3つの送信周波数である第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3と、周波数fm1、fm2、fm3各々に対応する3つの第1位相φ1、第2位相φ2及び第3位相φ3とが存在する。そのため、それぞれ3つのうち2つを使用して、上記式(1)の演算を行う。具体的には、第1周波数F1から第2周波数F2を引いた周波数差を送信周波数差ΔFとする場合、ビート周波数fd1に対応する第1位相φ1からビート周波数fd2に対応する第2位相φ2引いた差を位相差Δφとして、上記式(1)の演算を行う。つまり、送信周波数差ΔFを算出するために使用される2つの送信周波数に対応する2つの位相を使用して、位相差Δφを算出する。
この際、3つのうち2つを使用する組み合わせを複数使用して、上記式(1)の演算を行い、組み合わせに応じた複数の距離Rを算出し、複数の距離Rの平均値を、上記式(2)に代入して高さHを求めるようにしてもよい。また、複数の組み合わせを使用して複数の距離Rを求めた際に、異常な距離Rが得られた場合には、異常な距離Rを排除した上で、距離Rの平均値を求めるようにしてもよい。
また、位相差Δφについては、負の値とならないようにすることが望ましい。そのために、例えば、上流に向けて送信波を放射して計測する場合には、位相差Δφとして、「φ1−φ2」、「φ1−φ3」、「φ2−φ3」の3通りをそれぞれ使用する。一方、下流に向けて送信波を放射して計測する場合には、「φ2−φ1」、「φ3−φ1」、「φ3−φ2」の3通りをそれぞれ使用する。
また、位相差Δφは、360度を超えると、正確に計測されない。これは、演算制御部13が位相差Δφの10度と370度とを区別することができないためである。そのため、遠方の観測地点Gの高さHを算出する場合には、送信周波数差ΔFを小さくすることによって位相差Δφを小さくし、高さHを算出するようにする。一方、近傍の観測地点Gの高さHを算出する場合には、遠方の観測地点Gの高さHを算出するよりも位相差Δφが360度を超えにくいので、送信周波数差ΔFを大きくすることによって位相差Δφを大きくして、高さHを精度良く算出するようにする。
そして、演算制御部13は、下記式(3)に基づいて水位Lを算出する(ステップS4)。なお、水位Lは、平均海面からの高さを基準高さKとした場合によるものである(図5参照)。
L=K−H (3)
また、演算制御部13は、周波数fm1、fm2、fm3を使用し、下記式(4)に基づいて河川の観測地点Gにおける流速Vを求める(ステップS5)
fd=2×F×V×cos(EL)/c (4)
上記fdは、上記データ部位で最も強度の強い周波数成分、つまり、周波数fm1、fm2、fm3のいずれか1つである。また、上記Fは、送信周波数、つまり、第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3のいずれか1つである。また、角度ELは、図5に示すように、河川の水面に対する送信信号の放射の仰角、つまり、垂直面内におけるアンテナ1の方向(仰角)である。演算制御部13は、角度センサ12から入力される角度検出信号に基づいて上記角度ELを求める。
本実施形態では、3つの送信周波数である第1周波数F1、第2周波数F2及び第3周波数F3と、3つの周波数fm1、fm2、fm3とが存在するため、それぞれ3つのうちの1つを使用して、上記式(4)の演算を行う。すなわち、演算制御部13は、第1周波数F1と周波数fm1とを式(4)に代入して第1の流速V1を算出し、第2周波数F2と周波数fm2とを式(4)に代入して第2の流速V2を算出し、第3周波数F3と周波数fm3とを式(4)に代入して第3の流速V3を算出する。
そして、演算制御部13は、これら第1〜第3の流速V1、V2、V3の平均値を最終的な流速Vとする。なお、このように第1〜第3の流速V1、V2、V3を求める場合、異常な流速(例えば第3の流速V3)が得られた場合には、異常な流速を除いた2つの流速(例えば第1、第2の流速V1、V2)の平均値を最終的な流速Vとしてもよい。
そして、演算制御部13は、ステップS4の処理で求めた水位Lと、ステップS5の処理で求めた流速Vとを記録、表示あるいは外部に出力する(ステップS6)。これによって、河川を管理する管理担当者に、河川の水位L及び流速Vを通知することができる。
このような本実施形態によれば、雲台11によってアンテナ1による送信波の放射方向を可変することができるので、電波式水位計Aの真下以外の複数の観測地点Gを計測することができる。また、本実施形態によれば、上述した河川あるいは海等の水面に対して、水位Lと流速Vとを1つの装置によって計測することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)本実施形態では、多周波CW方式に基づいて水位L及び流速Vを算出したが、多周波CW方式ではなく、例えば、FM−CW方式に基づいて水位L及び流速Vを算出するようにしてもよい。また、多周波CW方式として、3つの周波数に限定されず、2つ、あるいは4つ以上の周波数を使用するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、アンテナ1の正面方向から得られる周波数に基づいて上記水位L及び流速Vを算出する場合には、算出するために使用する周波数を、角度EL、河川表面の流れの向きと電波式水位計Aの向きとの角度差、河川表面の状況(波、降雨時の雨が河川表面に与える波、風が作る波あるいは河床が作る波等)、電波式水位計Aと観測地点Gとの距離等の各種要因に基づいて変更するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、パラボラアンテナをアンテナ1として採用したが、本発明はこれに限定されない。例えばフェーズドアレイアンテナをアンテナ1として採用してもよい。具体的には、複数のアンテナ素子を縦方向及び横方向にアレイ状に配列した2次元フェーズドアレイアンテナをアンテナ1として採用する。
このような2次元フェーズドアレイアンテナを採用することによって、雲台11によって送信波の放射方向を可変するのではなく、上記各アンテナ素子に給電する送信信号の位相を可変することによって送信波の放射方向を可変することができる。すなわち、この場合には、アンテナ1(2次元フェーズドアレイアンテナ)が方向可変部をしても機能する。また、送信波の指向性についても十分に絞り込むことができる。なお、上記アンテナ素子については、演算制御部13から入力される制御指令に基づいて制御される。
A…電波式水位計、1…アンテナ、2…サーキュレータ、3…デバイダ、4…第1アンプ、5…発振器、6…チューニング電圧部、7…ミキサ、8…第2アンプ、9…ノイズフィルタ、10…ADコンバータ、11…雲台、11…雲台、12…角度センサ、13…演算制御部、14…筐体、G…観測地点

Claims (3)

  1. 水面上の観測地点に送信波を放射して反射波を受信するアンテナと、
    前記アンテナによる前記送信波の放射方向を可変する方向可変部と、
    前記アンテナによる受信結果に基づいて前記観測地点の水位を算出する演算手段とを具備することを特徴とする電波式水位計。
  2. 前記演算手段は、前記アンテナによる受信結果に基づいて前記水位に加えて、前記観測地点の流速を算出することを特徴とする請求項1に記載の電波式水位計。
  3. 前記アンテナは、多周波CW方式に基づく送信波を前記観測地点に放射することを特徴とする請求項1または2に記載の電波式水位計。
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