JP2016113943A - 圧縮機 - Google Patents

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東 洋文
Hirofumi Azuma
洋文 東
弘樹 安藤
Hiroki Ando
弘樹 安藤
増田 正典
Masanori Masuda
正典 増田
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Abstract

【課題】ベース部材に対する弁座の接合耐久性を向上し、弁体と弁座との衝突音を低減可能な圧縮機を提供すること。【解決手段】本発明に係るロータリ圧縮機10は、金属製のフロントヘッド40と、吐出弁200と、を備えている。吐出弁200は、マフラー空間S1側のフロントヘッド40上に配置されフロントヘッド吐出孔41cに対応する孔91が形成された樹脂製の弁座シート90と、弁座シート90に着座可能な吐出弁体100と、を有する。弁座シート90は、弁体が当たる頂部92と、頂部92から下方に延びる延長部93と、延長部93から横に張り出す側方延伸部94と、を有し、少なくとも延長部93の下面93aおよび側方延伸部94の下面94aにおいてフロントヘッド40と接合されている。弁座シート90は、接合部分に表面処理が施されたフロントヘッド40と一体成形される。【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、圧縮機の吐出弁において弁体と弁座が衝突する音による騒音が問題となる場合がある。
そのため、例えば、特許文献1(実開昭63−132888号公報)に記載の圧縮機では、吐出孔のまわりに形成された取付溝に、弾性を有する環状の弁座が取り付けられた構成が用いられている。
また、特許文献2(実開昭63−48981号公報)に記載の圧縮機では、四フッ化エチレン樹脂によって形成された弁座であって、吐出孔に挿嵌する挿入筒部と、シリンダヘッドにおける吐出孔の吐出チャンバー側開口縁に係合するフランジ部とを備えた弁座が用いられている。
しかしながら、特許文献1では、吐出孔が形成されているベース部材と弁座との接触面積が小さく、弁体の開閉動作によってベース部材から弁座がはがれるおそれがある。
また、特許文献2では、吐出孔が形成されているベース部材と弁座は、主として冷媒吐出方向に沿った面で接合していて冷媒の吐出流が弁座の挿入筒部の下端面に当たるので接合耐久性に難がある。
そこで、本発明の課題は、ベース部材に対する弁座の接合耐久性を向上し、弁体と弁座との衝突音を低減可能な圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、内部に圧縮室と高圧空間を内包する圧縮機であって、金属製のベース部材と、吐出弁と、を備えている。ベース部材は、圧縮室で圧縮された高圧冷媒が圧縮室から高圧空間へと吐出される吐出孔が形成されている。吐出弁は、高圧空間側のベース部材上に配置され吐出孔に対応する孔が形成された樹脂製の弁座シートと、弁座シートに着座可能な弁体と、を有する。弁座シートは、弁体が当たる頂部と、頂部から下方に延びる延長部と、延長部から横に張り出す側方延伸部と、を有し、少なくとも延長部の下面および側方延伸部の下面においてベース部材と接合されている。弁座シートは、接合部分に表面処理が施されたベース部材と一体成形される。
このように、弁座シートが、少なくとも延長部の下面および側方延伸部の下面においてベース部材と接合されていることにより、弁座シートが、弁体と当たる頂部よりも広い面積でベース部材に接合される。そのため、弁座シートのベース部材との接触面積が広くなり、弁体の衝突によって弁座シートがベース部材から剥がれることが抑制される。
また、樹脂製の弁座シートが、高圧空間側の表面処理が施されたベース部材上に配置されているので、弁座シートが冷媒の吐出流に対向するように配置されておらず、冷媒流によって弁座シートがベース部材から剥がれることを抑制できる。
また、樹脂製の弁座シートを用いているため、弁体が衝突するときの騒音を低減できる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、ベース部材の接合部分には、表面処理によって凹凸が形成されている。
これにより、金属製のベース部材と樹脂製の弁座シートの接合部分の面積を広くでき、また、ベース部材の凹部に樹脂が入り込むことになり接合強度を向上することができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第1観点または第2観点に係る圧縮機であって、ベース部材と弁座シートは、射出成形によって一体成形されている。
これにより、金属製のベース部材と樹脂製の弁座シートを接合することが出来る。
特に、表面処理と組み合わせることによって、より接合強度を向上させて一体成形できる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、弁座シートの頂部から延長部の下面までの厚みは、ベース部材の弁座シートが配置されている部分の厚み以上である。
これにより、弁体が弁座シートの当たる際の振動を効果的に抑制でき、衝突音をより小さくすることが出来る。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、ベース部材は、高圧空間側の吐出孔の周縁に形成された段差部を有している。弁座シートの側方延伸部は、段差部に納められている。
これにより、ベース部材及び弁座シートの全体の厚みを薄くすることが出来るため、死容積を減らし、圧縮機の容積効率を向上することが可能となる。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、側方延伸部は、延長部から外側に向かってのみ形成されている。
これにより、吐出孔の周縁に弁座シートの頂部が配置されることになるため、延長部の内側にも側方延伸部が形成されている場合と比べて、死容積を減らし、圧縮機の容積効率を向上することが可能となる。
本発明の第7観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、吐出孔は、長孔形状である。
このように、吐出孔を長孔形状とした場合、円形状と比較すると死容積を低減することができるものの、長孔形状の吐出孔に対応して金属を加工して弁座形状を形成することは困難である。しかしながら、弁座シートを樹脂で形成することにより、吐出孔を長孔形状とした場合にも、吐出孔に対応した形状の弁座シートを容易に形成することができる。
本発明の第8観点に係る圧縮機は、第1の観点に係る圧縮機であって、弁座シートを形成している樹脂は、エラストマー、エンジニアリングプラスチック、又はスーパーエンジニアリングプラスチックである。
このような樹脂製の弁座シートを用いているため、騒音を低減できる。
なお、弁座シートを形成する樹脂としてのエンジニアリングプラスチックは、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PBT)などが用いられる。また、弁座シートを形成する樹脂としてのスーパーエンジニアリングプラスチックは、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
本発明の第1観点に係る圧縮機では、弁座シートが、少なくとも延長部の下面および側方延伸部の下面においてベース部材と接合されていることにより、弁座シートが、弁体と当たる頂部よりも広い面積でベース部材に接合される。そのため、弁座シートのベース部材との接触面積が広くなり、弁体の衝突によって弁座シートがベース部材から剥がれることが抑制される。また、樹脂製の弁座シートが、高圧空間側の表面処理が施されたベース部材上に配置されているので、弁座シートが冷媒の吐出流に対向するように配置されておらず、冷媒流によって弁座シートがベース部材から剥がれることを抑制できる。また、樹脂製の弁座シートを用いているため、騒音を低減できる。
本発明の第2または第3観点に係る圧縮機では、接合強度を向上することができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機では、接合強度を向上することができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機では、衝突音をより小さくすることが出来る。
本発明の第5から第7観点に係る圧縮機では、死容積を減らし、圧縮機の容積効率を向上することが可能となる。
本発明の第8観点に係る圧縮機では、騒音を低減できる。
本発明に係る実施の形態のロータリ圧縮機の縦断面図。 吐出弁を含むフロントヘッドの平面図。 図2におけるフロントヘッドのIII-III断面図。 (a)図3の弁座シートの周辺の拡大図、(b)図4(a)の弁座シートの平面図。 図3の弁座シートの周辺の拡大図。 本発明に係る実施の形態の変形例の弁座シートを示す断面図。 本発明に係る実施の形態の変形例の弁座シートを示す断面図。
<第1実施形態>
以下に、本発明の一実施形態に係るロータリ圧縮機10およびロータリ圧縮機10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
(1)全体構成
図1は、ロータリ圧縮機10の縦断面図である。ロータリ圧縮機10は、1シリンダ型のロータリ圧縮機であって、ケーシング11と、ケーシング11内に配置される駆動機構20と、圧縮機構30および吐出音低減機構39とを備えている。ロータリ圧縮機10は、ケーシング11内において、圧縮機構30および吐出音低減機構39が、駆動機構20の下側に配置される。
本実施形態に係るロータリ圧縮機10は、例えば、空気調和装置の室外機に使用され、空気調和装置の冷媒回路の一部を構成する。ロータリ圧縮機10は、冷媒回路を流れる冷媒ガスを圧縮する。ロータリ圧縮機10で圧縮される冷媒としては、例えばR32、R22、R410Aおよび二酸化炭素などが用いられる。
(2)詳細構成
(2−1)ケーシング
ケーシング11は、円筒形状の胴部11aと、ボウル形状の頂部11bと、ボウル形状の底部11cによって形成されている。頂部11bは、胴部11aの上端部と気密を保つように接続されている。底部11cは、胴部11aの下端部と気密を保つように接続されている。
ケーシング11は、ケーシング11の内部空間および外部空間の圧力および温度変化による変形、破損が起こり難い剛性部材で成形されている。ケーシング11は、胴部11aの円筒形状の軸宝庫が鉛直方向に向くように配置されている。ケーシング11の内部空間の下部には、潤滑油が貯留されている。潤滑油は、ケーシング11の内側に存在する摺動部の潤滑性を向上させるために用いられる冷凍機油である。
(2−2)駆動機構
駆動機構20は、ケーシング11の内部空間の上部に収容されており、圧縮機構30を駆動する。駆動機構20は、駆動源となるモータ21と、モータ21に取り付けられる駆動軸22とを有する。
モータ21は、駆動軸22を回転させるためのモータであり、主として、ロータ23と、ステータ24とを有している。ロータ23は、駆動軸22を挿嵌されており、駆動軸22とともに回転する。ロータ23は、積層された電磁鋼板と、ロータ本体に埋設された磁石によって構成されている。ステータ24は、ロータ23の径方向外側に所定の空間を介して配置されている。ステータ24は、主として、ステータコア24aと、インシュレータ24bとを有する。インシュレータ24bは、ステータコア24aの鉛直方向の両端面に取り付けられている。ステータコア24aは、電磁鋼から形成される部材であり、略筒形状である。ステータコア24aの軸方向は、鉛直方向と略一致している。ステータコア24aの外周面が、胴部11aの内周面11dと溶接等により固定されている。ステータコア24aには、複数のティースが形成されている。ティースにはインシュレータ24bとともに導線が巻き付けられており、コイル24cが形成されている。
ロータ23とステータ24の間には、エアギャップ26と呼ばれる隙間が形成されている。ステータ24の外周面には、鉛直方向に沿ってコアカット(図示せず)と呼ばれる溝が形成されている。モータ21の上下の空間は、エアギャップ26およびコアカットを介して連通している。
駆動軸22は、ロータ23に挿嵌されている。駆動軸22は、圧縮機構30のローラ31に挿通しており、ロータ23からの回転力を伝達可能な状態でローラ31に嵌っている。駆動軸22は、ロータ23の回転に従って回転し、圧縮機構30のローラ31を公転させる。すなわち、駆動軸22は、モータ21の駆動力を圧縮機構30に伝達する機能を有している。
(2−3)圧縮機構および吐出音低減機構
圧縮機構30は、ケーシング11内の下部側に収容されている。圧縮機構30は、アキュムレータ80から吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機構30は、ロータリ型の圧縮機構であり、主として、フロントヘッド40のフロントヘッド円板部41の下部と、シリンダ50と、ローラ31と、リアヘッド60とにより構成されている。また、圧縮機構30は、フロントヘッド40と、シリンダ50と、リアヘッド60によって囲まれて形成された圧縮室S2を有している。
吐出音低減機構39は、圧縮機構30の上方、且つ駆動機構20の下方に配置されている。図2は、フロントヘッド40の平面図であり、図3は、図2のIII-III間の矢示図である。
吐出音低減機構39は、主として、フロントヘッド40のフロントヘッド円板部41の上部に配置される弁座シート90および吐出弁体100から構成される吐出弁200と、フロントヘッド40とともにマフラー空間S1を形成するマフラー70とから成る。吐出弁200は、圧縮機構30の圧縮室S2と吐出音低減機構39のマフラー空間S1との境界(詳細にはマフラー空間S1と後述するフロントヘッド吐出孔41cの内部空間S3との境界)である吐出部A(図3参照)に位置している。
(2−3−1)シリンダ
シリンダ50は、略円板状の金属製の鋳造部材であり、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入する吸入孔32と、吸入孔32から吸入される冷媒が流入する圧縮室S2とが形成されている。吸入孔32は、圧縮室S2からシリンダ50の外周部に向かって貫通しており、シリンダ50の外周端において開口している。圧縮室S2内には、圧縮室S2内に流入した冷媒を圧縮するためのローラ31などが収容されている。
(2−3−2)フロントヘッド
フロントヘッド40は、金属製の鋳造部材であり、図1および図2に示すように、シリンダ50の上面を閉塞するフロントヘッド円板部41と、フロントヘッド円板部41のフロントヘッド開口41aの周縁から上方向に伸びる軸受けとしてのフロントヘッドボス部42とを有している。フロントヘッドボス部42の軸方向に対する垂直断面の外周は正円形状である。
フロントヘッド円板部41には、図2および図3に示すように、上方が開口した凹状の弁体収容室47と、弁体収容室47に連通するフロントヘッド吐出孔41cとが形成されている。フロントヘッド吐出孔41cは、平面視において長孔形状であり、フロントヘッド吐出孔41cからは、圧縮室S2におけるローラ31の回転駆動によって圧縮された冷媒が断続的に吐出される。
フロントヘッド吐出孔41cから吐出された冷媒は、弁体収容室47に導かれる。弁体収容室47には、フロントヘッド吐出孔41cの出口を開閉する吐出弁体100と、吐出弁体100の開放を規制する押さえ部材300とが設けられている。吐出弁体100の基端部101は、ボルト44によって弁体収容室47の底面47aに固定されている。また、押さえ部材300の基端部301もボルト44によって吐出弁体100の上側に固定されている。
フロントヘッド円板部41の上部には、フロントヘッド吐出孔41cを取り巻く環状の弁座シート90が形成されている。
弁体収容室47の底面47aには、フロントヘッド吐出孔41cの周囲に上方が開口した凹状の弁座配置凹部47bが形成されている。この弁座配置凹部47bに弁座シート90が配置されている。
図4(a)は、図3の弁座シート90近傍を示す拡大図であり、図4(b)は、弁座シート90の平面図である。なお、図4(a)では、説明をわかりやすくするために吐出弁体100は省略している。
弁座シート90は、主に、孔91と、頂部92と、延長部93と、側方延伸部94とを有している。孔91は、弁座シート90の中央に形成されており、フロントヘッド吐出孔41cの上方に位置し、平面視においてフロントヘッド吐出孔41cと重なっており、フロントヘッド吐出孔41cと同様の長孔形状である。
頂部92は、吐出弁体100が当接する部分であり、孔91の周縁91eの全周に渡って形成されている。延長部93は、頂部92から弁座配置凹部47bの底面47sまで下方に伸びた部分であり、その下面93aが底面47sと接合されている。延長部93の内周面93sは、フロントヘッド吐出孔41cの内周面41sと水平方向の位置が一致している。すなわち、延長部93はフロントヘッド吐出孔41cの内側に突出しておらず、圧縮室S2から吐出される冷媒の吐出流(白抜き矢印参照)に対向する位置には配置されていない。
側方延伸部94は、延長部93から外側に向かって横に張り出している。側方延伸部94の下面94aは底面47sと接合されている。側方延伸部94の下面94aは、延長部93の下面93aと同一平面上であって、下面94aと下面93aによって弁座シート90の下面90aが構成されている。すなわち、本実施の形態の弁座シート90は、下面90a全体で、弁座配置凹部47bの底面47sと接合されている。
また、側方延伸部94の外周縁部94eは、弁座配置凹部47bの外縁部47eと接合されている。このように、側方延伸部94は、弁体収容室47の底面47aに形成された段差部である弁座配置凹部47bに収まっている。
弁座シート90の厚み、すなわち、頂部92から延長部93の下面93aまでの厚みd1は、フロントヘッド円板部41の弁座シート90が配置されている部分の厚みd2以上になるように弁座シート90およびフロントヘッド円板部41は構成されている。ロータリ圧縮機10の全体の大きさによって異なるが、d1は例えば1.5〜2mm程度の値であり、d1+d2は2〜3mm程度の値である。なお、フロントヘッド円板部41の弁座シート90が配置されている部分の厚みd2は、底面47sからフロントヘッド円板部41の圧縮室S2側の面41dまでの厚みともいえる。
フロントヘッド吐出孔41cの内部空間S3の圧力が吐出弁体100の上のマフラー空間(高圧空間)S1の圧力よりも小さいときに、図3に示すように、吐出弁体100が弁座シート90の頂部92に密着する。このときの吐出弁体100の状態が閉状態である。
弁座シート90は、樹脂によって形成されており、樹脂としては、エラストマー、エンジニアリングプラスチック、またはスーパーエンジニアリングプラスチックなどが用いられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、100℃以上の耐熱性があり49Mpa以上の引っ張り強度を有する高機能樹脂が用いられ、例えば、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PBT)が用いられる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、エンジニアリングプラスチックよりも高い150℃以上の耐熱性を有する高機能樹脂が用いられ、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
なお、フロントヘッド40と弁座シート90は、インサート成形で一体化して形成されることによって接合されている。ここで、インサート成形を行う前に、フロントヘッド40の弁座シート90との接合部分(弁座配置凹部47bの底面47sおよび外縁部47e)に、化成処理によって粗面化処理が行われて径20〜50nmの複数の凹部が形成される。化成処理には、例えばリン酸マンガンが用いられる。このように、弁座シート90との接合部分に表面処理を施すことによって凹凸が形成され、フロントヘッド40と弁座シート90の間における接触面積を増やすことができるため、接合強度を向上できる。
なお、図3に示すように、底面47aには、基端部101が固定されている部分と弁座配置凹部47bの間に段差47adが形成されており、吐出弁体100の基端部101が固定されているフロントヘッド円板部41の上面の高さ位置は、弁座シート90の頂部92の高さ位置と同じとなっている。
吐出弁体100は、圧縮室S2において冷媒が圧縮されると、その先端部102がフロントヘッド吐出孔41cから吐出される高圧冷媒に押し上げられる(図5の白抜き矢印参照)。そして、吐出弁体100が押し上げられることにより、吐出弁体100が開状態となって、フロントヘッド吐出孔41cは開放される。
また、フロントヘッド円板部41の外周近傍には、図2に示すように、ボルト43(図1参照)を挿嵌するボルト孔41bが設けられている。
(2−3−3)リアヘッド
リアヘッド60は、金属製の鋳造部材であり、シリンダ50の下面を閉塞するリアヘッド円板部61と、リアヘッド円板部61の中央開口の周縁部から下方に延びる軸受けとしてのリアヘッドボス部62とを有する。フロントヘッド円板部41、リアヘッド円板部61およびシリンダ50は、圧縮室S2を形成する。フロントヘッドボス部およびリアヘッドボス部62は、円筒形状のボス部であり、駆動軸22を軸支する。
(2−3−4)マフラー
マフラー70は、図1および図3に示すように、フロントヘッド40の周縁部の上面に取り付けられている。マフラー70は、フロントヘッド円板部41の上面およびフロントヘッドボス部42の外周面とともにマフラー空間S1を形成し、冷媒の吐出に伴う騒音の低減を図っている。マフラー空間S1と圧縮室S2とは、フロントヘッド吐出孔41cを介して連通されている。
また、マフラー70には、フロントヘッドボス部42を貫通させるマフラー開口と、マフラー空間S1から上方のモータ21の収容空間へと冷媒を流すマフラー吐出孔とが形成されている。
なお、マフラー空間S1、モータ21の収容空間S4、吐出管25が位置するモータ21の上方の空間S5、圧縮機構30の下方の潤滑油が溜まっている空間S6などが、全てつながっており、圧力が等しい高圧空間を形成している。
(3)動作
ロータリ圧縮機10では、圧縮機構30のローラ31の偏心運動によって圧縮された冷媒が、圧縮機構30の圧縮室S2からフロントヘッド吐出孔41cの内部空間S3を介して吐出部Aからマフラー空間S1に導かれる。マフラー空間S1に導入された冷媒は、マフラー70のマフラー吐出孔からマフラー空間S1の上方の空間へと排出される。マフラー空間S1の外部へ排出された冷媒は、モータ21のロータ23とステータ24との間の空間(エアギャップ26およびコアカット)を通過して、モータ21を冷却した後に、吐出管25から冷凍装置の高圧冷媒配管へと吐出される。
(4)特徴
(4−1)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10は、内部に圧縮室S2とマフラー空間S1を内包する圧縮機であって、金属製のフロントヘッド40と、吐出弁200と、を備えている。フロントヘッド40には、圧縮室S2で圧縮された高圧冷媒が圧縮室S2からマフラー空間S1へと吐出されるフロントヘッド吐出孔41cが形成されている。吐出弁200は、マフラー空間S1側のフロントヘッド40上に配置されフロントヘッド吐出孔41cに対応する孔91が形成された樹脂製の弁座シート90と、弁座シート90に着座可能な吐出弁体100と、を有する。弁座シート90は、弁体が当たる頂部92と、頂部92から下方に延びる延長部93と、延長部93から横に張り出す側方延伸部94と、を有し、少なくとも延長部93の下面93aおよび側方延伸部94の下面94aにおいてフロントヘッド40と接合されている。弁座シート90は、接合部分である底面47sおよび外縁部47eに表面処理が施されたフロントヘッド40と一体成形される。
このように、弁座シート90が、少なくとも延長部93の下面93aおよび側方延伸部94の下面94aにおいてフロントヘッド40と接合されていることにより、弁座シート90が、吐出弁体100と当たる頂部92よりも広い面積でフロントヘッド40に接合される。
すなわち、弁座が単なるOリング形状のような場合には頂部92と同程度の面積でフロントヘッド40と接合することになり、そのような場合と比較すると、本実施の形態では、側方延伸部94の下面94aにおいてもフロントヘッド40と接合されているため、弁座シート90のフロントヘッド40との接触面積が広くなる。そのため、吐出弁体100の衝突によって弁座シート90がフロントヘッド40から剥がれることが抑制される。
また、樹脂製の弁座シート90が、マフラー空間S1側の表面処理が施されたフロントヘッド40上に配置されているので、弁座シート90が冷媒の吐出流に対向するように配置されておらず、冷媒流によって弁座シート90がフロントヘッド40から剥がれることを抑制できる。すなわち、弁座シート90がフロントヘッド吐出孔41cより内側には形成されていないので、冷媒の吐出流が弁座シート90にスムーズに流れ、冷媒流によって弁座シート90にフロントヘッド40からはがれる方向にかかる力が低減される。
また、樹脂製の弁座シート90を用いているため、吐出弁体100が衝突するときの騒音を低減できる。
(4−2)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、フロントヘッド40の接合部分(弁座配置凹部47bの底面47sおよび外縁部47e)には、表面処理によって凹凸が形成されている。
これにより、金属製のフロントヘッド40と樹脂製の弁座シート90の接合部分の面積を広くでき、また、フロントヘッド40の凹部に樹脂が入り込むことになり接合強度を向上することができる。
(4−3)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、フロントヘッド40と弁座シート90は、射出成形によって一体成形されている。
これにより、金属製のフロントヘッド40と樹脂製の弁座シート90を接合することが出来る。特に、(4−2)の表面処理と組み合わせることによって、より接合強度を向上させて一体成形できる。
(4−4)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、弁座シート90の頂部92から延長部93の下面93aまでの厚みd1は、図4(a)に示すように、フロントヘッド40の弁座シート90が配置されている部分の厚みd2以上である。
これにより、吐出弁体100が弁座シート90の当たる際の振動を効果的に抑制でき、衝突音をより小さくすることが出来る。
(4−5)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、フロントヘッド40は、マフラー空間S1側のフロントヘッド吐出孔41cの周縁に形成された弁座配置凹部47bを有している。弁座シート90の側方延伸部94は、弁座配置凹部47bに納められている。
これにより、フロントヘッド40及び弁座シート90の全体の厚みを薄くすることが出来るため、死容積を減らし、ロータリ圧縮機10の容積効率を向上することが可能となる。
(4−6)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、側方延伸部94は、延長部93から外側に向かってのみ形成されている。
これにより、フロントヘッド吐出孔41cの周縁に弁座シート90の頂部92が配置されることになるため、延長部93の内側にも側方に伸びた側方延伸部が形成されている場合と比べて、死容積を減らし、ロータリ圧縮機10の容積効率を向上することが可能となる。
(4−7)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、フロントヘッド吐出孔41cは、長孔形状である。
このように、フロントヘッド吐出孔41cを長孔形状とした場合、円形状と比較すると死容積を低減することができるものの、長孔形状の吐出孔に対応して金属を加工して弁座形状を形成することは困難である。しかしながら、弁座シート90を樹脂で形成することにより、フロントヘッド吐出孔41cを長孔形状とした場合にも、フロントヘッド吐出孔41cに対応した形状の弁座シート90を容易に形成することができる。
(4−8)
本実施の形態に係るロータリ圧縮機10では、弁座シート90を形成している樹脂は、エラストマー、エンジニアリングプラスチック、又はスーパーエンジニアリングプラスチックである。
このような樹脂製の弁座シート90を用いているため、騒音を低減できる。
(5)変形例
(5−1)
上記実施の形態の弁座シート90は、延長部93の下面93aと、側方延伸部94の下面94aが同一平面上に位置していたが、同一平面上でなくてもよい。図6は、延長部93´の下面93a´が、側方延伸部94の下面94aよりも圧縮室S2側に位置する構成の弁座シート90´を示す断面図である。この場合、フロントヘッド吐出孔41cの周囲における弁座配置凹部47bの底面47s´に、さらに、凹部47tが形成されている。この凹部47t内に延長部93´の下面93a´が配置される。この場合、弁座シート90´は、凹部47tの外縁部47wとも接合されるため、弁座シート90´とフロントヘッド40との接触面積をより増やすことが可能となる。
(5−2)
上記実施の形態の弁座シート90では、延長部93の外側に向かってのみ側方延伸部94が設けられていたが、延長部93の内側にも側方延伸部が設けられていてもよい。図7は、側方延伸部94に加えて延長部93から内側に伸びた内側方延伸部96が形成された弁座シート90´´を示す断面図である。内側方延伸部96の下面96aと、延長部93の下面93aと、側方延伸部94の下面94aが同一面上に位置している。そして、これら下面96a、93a、94aが、弁座シート90´´の下面90a´´を構成している。
(5−3)
上記実施の形態のフロントヘッド吐出孔41cは、長孔形状であったが、楕円形状、円形状であってもよい。その場合、弁座シート90の孔91もフロントヘッド吐出孔41cと同様の形状となる。
(5−4)
上記実施の形態のロータリ圧縮機10は、1シリンダ型であったが、2シリンダ型の吐出口に対しても、本実施の形態の弁座シート90などの構成は適用可能であり、フロントヘッドにかぎらずリアヘッドに用いてもよい。
本発明の圧縮機は、ベース部材に対する弁座の接合耐久性を向上し、弁体と弁座との衝突音を低減可能な効果を有し、ロータリ圧縮機等として有用である。
10 ロータリ圧縮機(圧縮機)
11 ケーシング
11a 胴部
11b 頂部
11c 底部
11d 内周面
20 駆動機構
21 モータ
22 駆動軸
23 ロータ
24 ステータ
24a ステータコア
24b インシュレータ
24c コイル
25 吐出管
26 エアギャップ
30 圧縮機構
31 ローラ
32 吸入孔
39 吐出音低減機構
40 フロントヘッド(ベース部材)
41 フロントヘッド円板部
41a フロントヘッド開口
41b ボルト孔
41c フロントヘッド吐出孔(吐出孔)
41s 内周面
42 フロントヘッドボス部
43 ボルト
44 ボルト
47 弁体収容室
47a 底面
47b 弁座配置凹部(段差部)
47e 外縁部
47s 底面
47s´ 底面
47t 凹部
50 シリンダ
60 リアヘッド
61 リアヘッド円板部
62 リアヘッドボス部
70 マフラー
80 アキュムレータ
90 弁座シート
90a 下面
90a´´ 下面
90´ 弁座シート
90´´ 弁座シート
91 孔
91e 周縁
92 頂部
93 延長部
93a 下面
93a´ 下面
93s 内周面
93´ 延長部
94 側方延伸部
94a 下面
94e 外周縁部
96 内側方延伸部
96a 下面
100 吐出弁体(弁体)
101 基端部
102 先端部
200 吐出弁
300 押さえ部材
A 吐出部
S1 マフラー空間(高圧空間)
S2 圧縮室
S3 内部空間
S4 収容空間
S5 空間
S6 空間
d1 厚み
d2 厚み
実開昭63−132888号公報 実開昭63−48981号公報

Claims (8)

  1. 内部に圧縮室(S2)と高圧空間(S1)を内包する圧縮機(10)であって、
    前記圧縮室で圧縮された高圧冷媒が前記圧縮室から前記高圧空間へと吐出される吐出孔(41c)が形成された、金属製のベース部材(40)と、
    前記高圧空間側の前記ベース部材上に配置され前記吐出孔に対応する孔(91)が形成された樹脂製の弁座シート(90、90´、90´´)と、前記弁座シートに着座可能な弁体(100)と、を有する吐出弁(200)と、
    を備え、
    前記弁座シートは、前記弁体が当たる頂部(92)と、前記頂部から下方に延びる延長部(93、93')と、前記延長部から横に張り出す側方延伸部(94、96)と、を有し、少なくとも前記延長部の下面および前記側方延伸部の下面において前記ベース部材と接合されており、
    前記弁座シートは、接合部分(47e、47s)に表面処理が施された前記ベース部材と一体成形される、
    圧縮機(10)。
  2. 前記ベース部材の接合部分には、前記表面処理によって凹凸が形成されている、請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記ベース部材と前記弁座シートは、射出成形によって一体成形されている、
    請求項1又は2に記載の圧縮機。
  4. 前記弁座シートの前記頂部から前記延長部の下面(93a、93a´)までの厚み(d1)は、前記ベース部材の前記弁座シートが配置されている部分の厚み(d2)以上である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記ベース部材は、前記高圧空間側の前記吐出孔の周縁に形成された段差部(47b)を有し、
    前記弁座シートの前記側方延伸部は、前記段差部に納められている、
    請求項1に記載の圧縮機。
  6. 前記側方延伸部(94)は、前記延長部から外側に向かってのみ形成されている、
    請求項1に記載の圧縮機。
  7. 前記吐出孔は、長孔形状である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  8. 前記弁座シートを形成している樹脂は、エラストマー、エンジニアリングプラスチック、又はスーパーエンジニアリングプラスチックである、
    請求項1に記載の圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107489614A (zh) * 2017-09-20 2017-12-19 广东美的暖通设备有限公司 涡旋压缩机
CN112228313A (zh) * 2020-10-16 2021-01-15 姜文平 一种压缩机排气阀组件
CN115003915A (zh) * 2020-01-30 2022-09-02 富士通将军股份有限公司 回转式压缩机

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