JP2016113900A - パティキュレートフィルタの再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気温度の低い運転領域でもパティキュレートフィルタを支障なく良好に再生し得るパティキュレートフィルタの再生方法を提供する。【解決手段】排気温度の低い運転領域でのパティキュレートフィルタ15の強制再生実施時に、一部の気筒1の燃料噴射を停止して減筒運転を実施すると共に、その休止している気筒1にて圧縮上死点付近で排気弁4を強制的に開作動して圧縮圧力を開放することによりエンジン負荷を増加し、残りの稼働している気筒1にて前記エンジン負荷の増加によるトルク低下を補償し得るよう燃料噴射量を増加させて燃料噴射を実施し且つポスト噴射による燃料添加を併せて行う。【選択図】図1

Description

本発明は、パティキュレートフィルタの再生方法に関するものである。
自動車のディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート(Particulate Matter:粒子状物質)は、炭素質から成る煤分と、高沸点炭化水素成分から成るSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とし、更に微量のサルフェート(ミスト状硫酸成分)を含んだ組成を成すものであるが、この種のパティキュレートの低減対策としては、排気ガスが流通する排気系路の途中に、パティキュレートフィルタを装備することが行われている。
この種のパティキュレートフィルタは、コージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造となっており、格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされていない流路については、その出口が目封じされるようになっており、各流路を区画する多孔質薄壁を透過した排気ガスのみが下流側へ排出されるようにしてある。
そして、排気ガス中のパティキュレートは、前記多孔質薄壁の内側表面に捕集されて堆積するので、目詰まりにより排気抵抗が増加しないうちにパティキュレートを適宜に燃焼除去してパティキュレートフィルタの再生を図る必要があるが、通常の自動車用エンジンでは、パティキュレートが自己燃焼するほどの高い排気温度が得られる機会が少ないため、酸化触媒を一体的に担持させた触媒再生型のパティキュレートフィルタが採用されている。
即ち、このような触媒再生型のパティキュレートフィルタを採用すれば、捕集されたパティキュレートの酸化反応が促進されて着火温度が低下し、従来より低い排気温度でもパティキュレートを燃焼除去することが可能となるのである。
ただし、斯かる触媒再生型のパティキュレートフィルタを採用した場合であっても、排気温度の低い運転領域では、パティキュレートの処理量よりも捕集量が上まわってしまうので、このような低い排気温度での運転状態が続くと、パティキュレートフィルタの再生が良好に進まずに該パティキュレートフィルタが過捕集状態に陥って排圧上昇によりエンジン性能に悪影響を及ぼす虞れがある。
そこで、パティキュレートフィルタの前段に、フロースルー型の酸化触媒を別途配置し、パティキュレートの堆積量が増加してきた段階で前記酸化触媒より上流側の排気ガス中に燃料を添加してパティキュレートフィルタの再生を図ることが考えられている。
つまり、パティキュレートフィルタより上流側で燃料を添加すれば、その添加された燃料により発生したHCガスがパティキュレートフィルタの酸化触媒上で酸化反応し、その反応熱により触媒床温度が上げられてパティキュレートが焼却され、パティキュレートフィルタの再生化が図られることになる。
この種の燃料添加を実行するための具体的手段としては、圧縮上死点付近で行われる燃料のメイン噴射に続いて圧縮上死点より遅い非着火のタイミングでポスト噴射を追加することで排出ガス中に燃料を添加すれば良い。
近年、この種のパティキュレートフィルタは、自動車だけでなくクレーンやショベル等といった建設機械にも適用することが検討されており、例えば、パティキュレートフィルタを挟んだ前後の差圧、エンジン回転数や負荷から算出されるパティキュレートの推定発生量と推定処理量との差の累積値等に基づいてパティキュレートの堆積量を推定し、その推定値が所定値を超えている条件で作業中にパティキュレートフィルタの再生を自動的に行うことが考えられている。
尚、燃料添加によるパティキュレートフィルタの再生に関連する先行技術文献情報としては本発明と同じ出願人による下記の特許文献1や特許文献2等がある。
特開2003−155914号公報 特願2003−222040号公報
しかしながら、作業中にパティキュレートフィルタの再生制御が自動的にかかったとしても、その作業の断続状況によっては、必ずしもパティキュレートフィルタの再生が完了まで到らないこともあるため、そのような状況が繰り返されることでパティキュレートフィルタ内のパティキュレートの堆積量が増加してくる虞れがあった。
このため、パティキュレートフィルタ内に多量のパティキュレートが溜ってしまった場合には、作業時間外でも運転者の意思(適切なフラグ立てによる自動制御としても良い)によりパティキュレートフィルタの再生を任意に実施できるようにする必要があるが、作業時間外にアイドリング状態でパティキュレートフィルタを再生しようとしても、排気温度が低過ぎてHCガスの酸化触媒上での十分な酸化反応が期待できなかった。
例えば、自動車の場合には、アイドリング中に排気ブレーキを閉じて排気圧力を高めることでエンジン負荷を増加し、排気ガスの昇温化を図るという手法が既に提案されているが、建設機械の場合には、自動車のような排気ブレーキが実装されておらず、排気ブレーキを新たに備えて排気絞りを実施したとしても、アイドリング状態では大幅な排気ガスの昇温化は望めないため、パティキュレートフィルタの再生を完了するまでに時間がかかるという問題がある。
また、排気系路から排気ガスの一部を吸気系路へ再循環するEGR系路がエンジンに備えられている場合に、パティキュレートフィルタを再生するために排気ブレーキを閉じると、EGR系路へ高濃度のHCガスが回り込んでEGRクーラ内にHC重合によるデポジット(不完全燃焼生成物)が発生し易くなり、該EGRクーラにおける冷却効率の低下や詰まりを招く虞れもある。
尚、前段の酸化触媒の入側に排気系路内に燃料を直噴する燃料添加弁を別途新設し、EGR系路への高濃度のHCガスの回り込みを防ぐという対策も考えられるが、このような燃料添加弁の新設は多大なコストアップを招いてしまうため、既存の燃料噴射装置をそのまま利用したポスト噴射による燃料添加を利用することが望まれている。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、排気温度の低い運転領域でもパティキュレートフィルタを支障なく良好に再生し得るパティキュレートフィルタの再生方法を提供することを目的としている。
本発明は、前段に酸化触媒を装備したパティキュレートフィルタを排気系路途中に介装し、エンジンの各気筒への燃料噴射時にポスト噴射を追加して排気ガス中に燃料添加を行い、その添加燃料が前段の酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により後段のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを焼却して該パティキュレートフィルタの強制再生を図る方法において、排気温度の低い運転領域でのパティキュレートフィルタの強制再生実施時に、一部の気筒の燃料噴射を停止して減筒運転を実施すると共に、その休止気筒にて圧縮上死点付近で排気弁を強制的に開作動して圧縮圧力を開放することによりエンジン負荷を増加し、残りの稼働気筒にて前記エンジン負荷の増加によるトルク低下を補償し得るよう燃料噴射量を増加させて燃料噴射を実施し且つポスト噴射による燃料添加を併せて行うことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、排気温度の低い運転領域でパティキュレートフィルタを強制再生するにあたり、一部の気筒の燃料噴射が停止され且つその休止気筒にて圧縮上死点付近で排気弁が強制的に開作動されて圧縮圧力が開放される結果、次の膨張行程におけるピストンを押し下げる力の発生が少なくなって、圧縮行程で得た制動力が有効に作用することでエンジン負荷が増加し、この負荷増加によるトルク低下が残りの稼働気筒における燃料噴射量の増加により補償されるので、この燃料噴射量の増加により排気温度を高めることが可能となり、しかも、負荷増加によるトルク低下が補償されるので、ドライバビリティー(運転者の意志にかなった応答性や円滑性が得られるかどうかのフィーリング)の悪化も回避される。
そして、この際に稼働気筒にてポスト噴射による排気ガス中への燃料添加が併せて実行される結果、この燃焼添加により生成された高濃度のHCガスが前段の酸化触媒で支障なく酸化反応して反応熱を生じ、この反応熱により酸化触媒を通過する排気ガスが大幅に昇温され、その昇温した排気ガスがパティキュレートフィルタに導入されて該パティキュレートフィルタの触媒床温度が高められ、これによりパティキュレートが良好に燃焼除去されてパティキュレートフィルタの強制再生が図られる。
尚、エンジンのみでエンジン負荷の増加を図ることが可能であるので、従来の如き排気ブレーキを閉じて排気圧力を高めるような必要がなくなり、EGR系路へ高濃度のHCガスが回り込むことでEGRクーラ内にHC重合によるデポジット(不完全燃焼生成物)が発生して冷却効率の低下や詰まりを招く虞れを未然に回避することが可能となる。
更に、本発明において、パティキュレートフィルタの強制再生をアイドリング状態で実施する場合には、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下を補償して通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と等しくなるようエンジン回転数を増加させることが好ましい。
このようにすれば、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下が補償され、エンジン回転変動の周波数が通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と変わらなくなるので、エンジンの振動を運転者や乗員が体感し難くなり、しかも、時間当たりの燃料の総噴射量が増えることで排気温度が更に高められることになる。
また、本発明においては、エンジン動力で作業用ユニットを駆動して各種作業を行う産業用エンジンを対象とし、作業時間外のアイドリング状態でパティキュレートフィルタの強制再生を実施するようにしても良く、このようにすれば、パティキュレートフィルタの再生のためだけに排気ブレーキを新たに備えなくて済み、しかも、排気ブレーキを用いた場合よりも短時間のうちに効率良くパティキュレートフィルタの再生を完了させることが可能となる。
上記した本発明のパティキュレートフィルタの再生方法によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、エンジンのみでエンジン負荷を意図的に増やし且つそのトルク低下を燃料噴射量の増加により補償してドライバビリティーの悪化を招くことなく排気温度を必要温度まで高めることができるので、排気温度の低い運転領域でもパティキュレートフィルタを支障なく良好に再生することができ、これによりパティキュレートフィルタが過捕集状態に陥る虞れを確実に回避し得て、排圧上昇によるエンジン性能への悪影響等を未然に防止することができる。
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタの強制再生をアイドリング状態で実施しても、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下を補償し、エンジン回転変動の周波数を通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と変わらないようにすることができるので、エンジンの振動を運転者や乗員が不快な振動として体感し難くすることができ、しかも、時間当たりの燃料の総噴射量を増やして排気温度をより効果的に高めることもできる。
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタの再生のためだけに排気ブレーキを新たに備える必要をなくすことができ、しかも、排気ブレーキを用いた場合よりも短時間のうちに効率良くパティキュレートフィルタの再生を完了させることもできる。
本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。 図1の制御装置における制御手順を示すフローチャートである。 通常運転時のエンジン回転変動を合成波形で示すグラフである。 本形態例でのエンジン回転変動を合成波形で示すグラフである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、本形態例においては、エンジン動力で作業用ユニットを駆動して各種作業を行う産業用エンジンを対象とし、作業時間外のアイドリング状態(排気温度の低い運転領域)でパティキュレートフィルタの強制再生を実施する場合を例に説明している。
図1中における符号の1は気筒、2は燃焼室、3はピストン、4は排気弁、5は排気系路を夫々示し、排気行程でプッシュロッド6により基端を押し上げられてロッカーシャフト7を中心に傾動するロッカーアーム8の先端によりクロスヘッド9を介し両方の排気弁4が押し下げられて開作動され、これにより燃焼室2から排気系路5へと排気ガス10が掃気されるようになっている。
また、前記各ロッカーアーム8の上方位置には油圧ユニット11が配設され、該油圧ユニット11により一部の気筒1について圧縮上死点付近で排気弁4が強制的に開作動されて圧縮圧力が開放されるようになっており、例えば、1番から6番までの6つの気筒1を備えた直列6気筒エンジンの場合、4番から6番までの半分の気筒1について圧縮上死点付近での排気弁4の強制的な開作動が実施されるようになっている。
ここで、4番から6番の気筒1を選定しているのは、6つの気筒1の燃焼行程が、クランクシャフトに掛かる負荷が均等化するよう1番→5番→3番→6番→2番→4番の順番となっているので、4番から6番までの半分の気筒1を休止させると、稼働する1番から3番までの気筒1がクランクシャフトが120°回転するたびに燃焼することになってバランスが良いからである。
尚、ここに図示しているような排気弁4を強制的に開作動させる機構は、圧縮圧開放型エンジンブレーキとして以前より知られているものであり、通常の排気行程で両方の排気弁4がロッカーアーム8の先端によりクロスヘッド9を介し押し下げられて開作動される際に、前記ロッカーアーム8の基端が上方の油圧ユニット11に備えられたマスターピストン12を押し上げ、前記油圧ユニット11内に穿設された油通路13に圧力を発生させて別の気筒1の上方にあるスレーブピストン14を従動させて下降せしめ、該スレーブピストン14により当該気筒1のロッカーアーム8の先端側上部を押し下げてクロスヘッド9を介し両方の排気弁4を開作動し得るようにしてある。
即ち、排気行程となっている別の気筒1のマスターピストン12の作動により、圧縮上死点付近となっている気筒1のスレーブピストン14が従動されるよう行程タイミングの合う気筒1相互のスレーブピストン14とマスターピストン12との間が油通路13で接続されており、該油通路13には、該油通路13の油圧の保持・開放を切り替えるための作動油供給手段であるソレノイドバルブ16及びコントロールバルブ17を介し作動油18(エンジンオイル)が供給されるようになっている。
ここで、ソレノイドバルブ16は、制御装置19からの制御信号16aにより作動油18の供給・遮断を行い、コントロールバルブ17は、ソレノイドバルブ16が開いた状態で前記油通路13の油圧が保持されるよう逆止弁として機能し且つソレノイドバルブ16が閉じた状態では前記油通路13の油圧をリリーフ口20へと開放するよう機能するものである。
つまり、制御信号16aによりソレノイドバルブ16を開けておくと、コントロールバルブ17が逆止弁として機能して油通路13が閉じるので、各気筒1の夫々が異なるタイミングで圧力上死点付近となった際に、排気行程にある別の気筒1の排気弁4を開作動するためのプッシュロッド6の押し上げによりロッカーアーム8を介しマスターピストン12が押し上げられて油通路13に圧力が発生し、圧縮上死点付近にある気筒1のスレーブピストン14が従動されて排気弁4が開作動されるので、燃焼室2内から排気系路5へと圧縮空気が開放されて次の膨張行程におけるピストン3を押し下げる力の発生が少なくなり、圧縮行程で得た制動力が有効に活用されることになる。
また、制御信号16aによりソレノイドバルブ16を閉じておけば、コントロールバルブ17により油通路13の油圧が開放され、油通路13内には圧力が発生しないので、スレーブピストン14が従動されなくなり、排気弁4は通常の開弁操作により排気行程でのみ開作動されて圧縮上死点付近では開作動されなくなる。
そして、このように排気弁4を強制的に開作動させることが可能な4番から6番までの気筒1については、後述するアイドリング状態でのパティキュレートフィルタ15の強制再生実施時に、インジェクタ21による燃料噴射が前記制御装置19からの制御信号21aにより停止されて減筒運転が実施され且つ前記排気弁4の強制的な開作動が前記制御装置19からの制御信号16aにより実施されてエンジン負荷の増加が図られるようにしてあり、残りの稼働している1番から3番までの気筒1では、前記エンジン負荷の増加によるトルク低下を補償し得るよう燃料噴射量を増加させて燃料噴射が実施され且つポスト噴射による燃料添加が併せて行われるようになっている。
しかも、本形態例においては、減筒運転により4番から6番までの半分の気筒1が休止してエンジン回転変動の周波数が約1/2に低下することを補償し、通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と等しくなるようエンジン回転数が2倍に増加されるようになっている。
即ち、一般的な4ストロークの直列6気筒エンジンの場合、エンジンが2回転する間に6回の燃焼が行われるが、減筒運転により4番から6番までの半分の気筒1が休止すると、エンジンが2回転する間に燃焼は3回に減り、エンジン回転変動の周波数が約1/2に低下してしまうことになるので、エンジン回転変動の周波数が通常時と等しくなるようにエンジン回転数を2倍に増加している(図3及び図4参照:図3は通常運転時の回転変動の合成波形を横軸にクランク角度をとって示したものであり、図4は本形態例の制御を採用して運転した時の回転変動の合成波形を横軸にクランク角度をとって示したものである)。
このようにエンジン回転変動の周波数の低下を補償しているのは、減筒運転によりエンジン回転変動の周波数が約1/2に低下することに加え、1回当たりの爆発力(燃料噴射量)が増えることになると、エンジンの振動を運転者や乗員が不快な振動として体感し易くなってしまうからである。
また、図1に示すエンジンでは、燃焼室2から排気系路5へと掃気された排気ガス10がターボチャージャ22のタービン22aを駆動してから前段の酸化触媒23及びパティキュレートフィルタ15へ導かれるようになっていると共に、前記タービン22aを駆動する前の高圧の排気ガス10の一部がEGRパイプ24を介し吸気系路25に再循環されるようになっている。
前記EGRパイプ24には、再循環される排気ガス10を冷却するためのEGRクーラ26と、排気ガス10の再循環量を制御するためのEGRバルブ27とが装備されており、また、前記吸気系路25には、前記ターボチャージャ22のコンプレッサ22bにより過給された吸気28が流れるようになっている。
尚、排気系路5における酸化触媒23の入側には、排気温度を検出する温度センサ29が配置されており、該温度センサ29の検出信号29aが前記制御装置19に入力されて前記酸化触媒23の入側の排気温度が監視されるようになっている。
この制御装置19におけるパティキュレートフィルタ15の強制再生に関する制御手順は図2のフローチャートに示す通りであり、先ずステップS1で温度センサ29からの検出信号29aに基づき排気温度TEが酸化触媒23の反応可能温度TDOC(活性下限温度)以下であるか否かが判定される。
このステップS1での判定が「YES」であればステップS2へと進み、このステップS2において、エンジン回転数NEが通常のアイドリング状態におけるエンジン回転数NEiを2倍にした値以下であるか否かが判定される。
このステップS2での判定が「YES」であればステップS3へと進み、エンジン回転数NEが前記アイドリング状態でのエンジン回転数NEiを2倍にした値となるようにエンジン回転数NEが上げられ、先のステップS2での判定が「NO」であれば、ステップS3を飛ばして次のステップS4に進むようになっている。
このステップS4においては、4番から6番までの半分の気筒1の燃料噴射が停止され且つ圧縮上死点付近で排気弁4が強制的に開作動されて圧縮圧力が開放されることによりエンジン負荷が増加され、次のステップS5において、残りの1番から3番までの稼働している気筒1にて前記エンジン負荷の増加によるトルク低下を補償し得るよう燃料噴射量を増加した燃料噴射が実施されると共に、ポスト噴射による燃料添加が併せて実施される。
この際、4番から6番までの半分の気筒1が休止しているため、1番から3番までの気筒1におけるポスト噴射は、通常の全ての気筒1でポスト噴射を行う場合の約2倍の噴射量で実施されることになる。
次いで、パティキュレートフィルタ15が所定温度以上で所定時間以上保持されたか否かを判定するといった手法によりパティキュレートフィルタ15の再生完了の判定が成されるまでステップS6で判定が繰り返され、パティキュレートフィルタ15の再生完了の判定が下されたら次のステップS7へと進むようになっている。
このステップS7においては、1番から3番までの気筒1におけるポスト噴射が停止され、次のステップS8にて4番から6番までの気筒1における圧縮圧力の開放が停止されて通常の燃料噴射が再開され、更に、次のステップS9にてエンジン回転数NEが再生制御開始前のエンジン回転数NERに戻されることになる。
一方、先のステップS1での判定が「NO」であれば、従前通りの強制再生を実施するだけで良いので、ステップS10へと進んで、1番から6番までの全ての気筒1でポスト噴射による燃料添加が実施され、パティキュレートフィルタ15の再生完了の判定が成されるまでステップS11で判定が繰り返され、パティキュレートフィルタ15の再生完了の判定が下されたら次のステップS12へ進んで前記ポスト噴射が停止されることになる。
而して、このように制御装置19による制御を実行すれば、アイドリング状態でパティキュレートフィルタ15を強制再生するにあたり、4番から6番までの半分の気筒1の燃料噴射が停止され且つその休止された4番から6番の気筒1にて圧縮上死点付近で排気弁4が強制的に開作動されて圧縮圧力が開放される結果、次の膨張行程におけるピストン3を押し下げる力の発生が少なくなって、圧縮行程で得た制動力が有効に作用することでエンジン負荷が増加し、この負荷増加によるトルク低下が残りの1番から3番までの稼働している気筒1における燃料噴射量の増加により補償されるので、この燃料噴射量の増加により排気温度を高めることが可能となり、しかも、負荷増加によるトルク低下が補償されるので、ドライバビリティー(運転者の意志にかなった応答性や円滑性が得られるかどうかのフィーリング)の悪化も回避される。
そして、この際に1番から3番までの稼働している気筒1にてポスト噴射による排気ガス10中への燃料添加が併せて実行される結果、この燃焼添加により生成された高濃度のHCガスが前段の酸化触媒23で支障なく酸化反応して反応熱を生じ、この反応熱により酸化触媒23を通過する排気ガス10が大幅に昇温され、その昇温した排気ガス10がパティキュレートフィルタ15に導入されて該パティキュレートフィルタ15の触媒床温度が高められ、これによりパティキュレートが良好に燃焼除去されてパティキュレートフィルタ15の強制再生が図られる。
尚、エンジンのみでエンジン負荷の増加を図ることが可能であるので、従来の如き排気ブレーキを閉じて排気圧力を高めるような必要がなくなり、EGRパイプ24(EGR系路)へ高濃度のHCガスが回り込むことでEGRクーラ内にHC重合によるデポジット(不完全燃焼生成物)が発生して冷却効率の低下や詰まりを招く虞れを未然に回避することが可能となる。
更に、本形態例においては、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下を補償して通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と等しくなるようエンジン回転数を増加させているので、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下が補償され、エンジン回転変動の周波数が通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と変わらなくなる結果、エンジンの振動を運転者や乗員が体感し難くなり、しかも、時間当たりの燃料の総噴射量が増えることで排気温度が更に高められることになる。
従って、上記形態例によれば、エンジンのみでエンジン負荷を意図的に増やし且つそのトルク低下を燃料噴射量の増加により補償してドライバビリティーの悪化を招くことなく排気温度を必要温度まで高めることができるので、排気温度の低い運転領域でもパティキュレートフィルタ15を支障なく良好に再生することができ、これによりパティキュレートフィルタ15が過捕集状態に陥る虞れを確実に回避し得て、排圧上昇によるエンジン性能への悪影響等を未然に防止することができる。
また、パティキュレートフィルタ15の強制再生をアイドリング状態で実施しても、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下を補償し、エンジン回転変動の周波数を通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と変わらないようにすることができるので、エンジンの振動を運転者や乗員が不快な振動として体感し難くすることができ、しかも、時間当たりの燃料の総噴射量を増やして排気温度をより効果的に高めることもできる。
更に、本形態例のように、エンジン動力で作業用ユニットを駆動して各種作業を行う産業用エンジンを対象とし、作業時間外のアイドリング状態でパティキュレートフィルタ15の強制再生を実施するようにした場合でも、パティキュレートフィルタ15の再生のためだけに排気ブレーキを新たに備える必要をなくすことができ、しかも、排気ブレーキを用いた場合よりも短時間のうちに効率良くパティキュレートフィルタ15の再生を完了させることもできる。
尚、本発明のパティキュレートフィルタの再生方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本形態例に関する説明では、エンジン動力で作業用ユニットを駆動して各種作業を行う産業用エンジンを対象とした場合で説明しているが、自動車用エンジンにも同様に適用することが可能であり、更には、アイドリング状態ではない排気温度の低い運転領域でのパティキュレートフィルタの強制再生実施時にも適用可能であること、また、直列6気筒エンジンへの適用に限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 気筒
4 排気弁
5 排気系路
10 排気ガス
15 パティキュレートフィルタ
23 酸化触媒
24 EGRパイプ(EGR系路)

Claims (3)

  1. 前段に酸化触媒を装備したパティキュレートフィルタを排気系路途中に介装し、エンジンの各気筒への燃料噴射時にポスト噴射を追加して排気ガス中に燃料添加を行い、その添加燃料が前段の酸化触媒上で酸化反応した時の反応熱により後段のパティキュレートフィルタ内の捕集済みパティキュレートを焼却して該パティキュレートフィルタの強制再生を図る方法において、排気温度の低い運転領域でのパティキュレートフィルタの強制再生実施時に、一部の気筒の燃料噴射を停止して減筒運転を実施すると共に、その休止気筒にて圧縮上死点付近で排気弁を強制的に開作動して圧縮圧力を開放することによりエンジン負荷を増加し、残りの稼働気筒にて前記エンジン負荷の増加によるトルク低下を補償し得るよう燃料噴射量を増加させて燃料噴射を実施し且つポスト噴射による燃料添加を併せて行うことを特徴とするパティキュレートフィルタの再生方法。
  2. パティキュレートフィルタの強制再生をアイドリング状態で実施する場合に、減筒運転によるエンジン回転変動の周波数低下を補償して通常のアイドリング状態におけるエンジン回転変動の周波数と等しくなるようエンジン回転数を増加させることを特徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタの再生方法。
  3. エンジン動力で作業用ユニットを駆動して各種作業を行う産業用エンジンを対象とし、作業時間外のアイドリング状態でパティキュレートフィルタの強制再生を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載のパティキュレートフィルタの再生方法。
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