JP2016113531A - 非水系インクジェットインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性及び印刷画質に優れた画像を形成できると共に、インクの異物発生を抑制して、長期保存安定性に優れる非水系インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る非水系インクジェットインク組成物は、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む溶剤と、ピグメントオレンジ−43(PO−43)を含む顔料と、を含有し、インク中に含有するNa量が5ppm以上200ppm以下であることを特徴とする。R1O−(R2O)m−R3・・・・・(1)(一般式(1)中、R1及びR3は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。ただし、R1及びR3の少なくとも何れかは、炭素数1以上5以下のアルキル基である。R2は、炭素数2又は3のアルキレン基を表す。mは1〜6の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、非水系インクジェットインク組成物に関する。
記録ヘッドのノズル孔からインクの微小な液滴を吐出させ記録媒体に付着させて、画像や文字を記録するインクジェット記録装置が知られている。また、かかる記録に用いるインクとして、例えば、色材、界面活性剤、水、有機溶剤等の種々の成分を含むインクジェット用インク組成物が知られている。また、インクジェット用インク組成物においては実質的に水を含まない非水系インクジェットインク組成物の開発も行われている。
このような、非水系インク組成物は、塩化ビニル系の記録媒体への適応性が良好であり、例えば屋外の看板等のいわゆるサイン用途の記録に用いられることが多い。しかしながら、非水系インクジェットインク組成物を、サイン用途に使用する場合には、記録物の耐候性が不十分となる場合があった。すなわち、サイン用途の記録物は、雨や日光等にさらされる屋外環境で使用されることが多く、屋内での使用よりも高い耐候性が求められている。
一方、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクに加えてオレンジインク(特色インク)を備えることで、ガマットの広い色再現が可能であるが、オレンジインクの顔料の耐候性が他のインクと比べて劣ることが分かってきた。そこで、オレンジインクの耐候性を向上させる観点から、比較的耐候性に優れているピグメントオレンジ43(PO43)をオレンジインクの顔料として含有する水系インク組成物や非水系インク組成物、インクセットが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2009−173853号公報 特開2004−70048号公報 特開2011−89043号公報
しかしながら、PO43を含有する非水系インク組成物を長期保管しておくと、インク中に異物が発生することが明らかとなった。インク中に異物が発生すると、インクジェットプリンターのインクを吐出するノズルが目詰まりし、ノズル抜けが発生するなどの不具合が起こり得る。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記の課題の少なくとも一部を解決することで、耐候性及び印刷画質に優れた画像を形成できると共に、インクの異物発生を抑制して、長期保存安定性に優れる非水系インクジェットインク組成物を提供するものである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る非水系インクジェットインク組成物の一態様は、
下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む溶剤と、
ピグメントオレンジ−43(PO−43)を含む顔料と、
を含有し、
インク中に含有するNa量が5ppm以上500ppm以下であることを特徴とする。
O−(RO)−R ・・・・・(1)
(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。ただし、R及びRの少なくとも何れかは、炭素数1以上5以下のアルキル基である。Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を表す。mは1〜6の整数を表す。)
適用例1の非水系インクジェットインク組成物によれば、耐候性及び印刷画質に優れた画像を形成できると共に、インクの異物発生が抑制され、長期保存安定性にも優れたものとなる。
[適用例2]
適用例1の非水系インクジェットインク組成物において、
インク中に含有するCa量が、5ppm以上200ppm以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の非水系インクジェットインク組成物において、
前記PO−43の含有量が、インク組成物の全量に対して、1質量%以上10質量%以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
前記一般式(1)で表される化合物の合計の含有量が、インク組成物の全量に対して、10質量%以上90質量%以下であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
前記溶剤として環状エステルをさらに含むことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
さらに、塩化ビニル樹脂を含むことができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
前記Na量が、50ppm以上500ppm以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
前記Naを電解質分として含有することができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例の非水系インクジェットインク組成物において、
インク中に含有するイオン性塩素が、50ppm以上800ppm以下であることができる。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.非水系インクジェットインク組成物
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、溶剤と、顔料と、を含み、インク中に含有するNa量が5ppm以上500ppm以下である。本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、揮発性の溶剤(主に有機溶剤)を主成分とし、記録媒体上に付着させた後、加熱あるいは常温により溶剤を乾燥させて固形分を定着させて記録を行うインクである。したがって、放射線(光)を照射して硬化させる光硬化型インクとは異なるインクである。
本発明における「非水系」インクジェットインク組成物とは、インク組成物を製造する際に水を意図的に添加しないという程度の意味であり、インク組成物を製造中または保管中に不可避的に混入する微量の水分を含んでいても構わない。
以下、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.溶剤
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含有される溶剤は、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む。
1.1.1.一般式(1)で表される化合物
O−(RO)−R ・・・・・(1)
(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。ただし、R及びRの少なくとも何れかは、炭素数1以上5以下のアルキル基である。Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を表す。mは1〜6の整数を表す。)
ここで、炭素数1以上5以下のアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基であることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基が挙げられる。また、炭素数2又は3のアルキレン基としては、エチレン基(ジメチレン)、プロピレン基(トリメチレン又はメチルエチレン)が挙げられる。なお、上記一般式(1)に示す化合物は、アルキレングリコールアルキルエーテルである。上記一般式(1)で表される化合物は、1種単独で含有されてもよいし、2種以上含有されてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(176℃)(「DEGMEE」又は「MEDG」と略記することがある。)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(162℃)(「DEGdME」と略記することがある。)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(175℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(189℃)(「DEGdEE」又は「DEDG」と略記する
ことがある。)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)(「DEGmME」と略記することがある。)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(207℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(259℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(212℃)(「DEGBME」と略記することがある。)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(256℃)(「DEGdBE」と略記することがある。)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(210℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(222℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(276℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(216℃)(「TriEGdME」又は「DMTG」と略記することがある。)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(242℃)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(274℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(215℃)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(290℃)(「TetraEGmBE」又は「BTG−H」と略記することがある。)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(275℃)(「TetraEGdME」と略記することがある。)、等が挙げられる。なお、上記例示における括弧内の数値は、沸点を示す。
非水系インクジェットインク組成物の乾燥性と印刷画質をより高くすることができる観点から、これらの化合物のうち、沸点が170℃以上の化合物を用いることが好ましい。沸点が170℃以上の化合物を組み合わせることで、非水系インクジェットインク組成物の乾燥性と、形成される画像における濡れ広がりや凝集ムラ(顔料の凝集等)を抑制することができる。
上記一般式(1)で表される化合物の、非水系インクジェットインク組成物の全量に対する含有量(複数種を使用する場合にはその合計量)は、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上75質量%以下、特に好ましくは40質量%以上70質量%以下である。
また、上記一般式(1)で表される化合物のうち、引火点が140℃以下の化合物の非水系インクジェットインク組成物の全量に対する含有量(複数種を使用する場合にはその合計量)は、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは40質量%以上70質量%以下である。
1.1.2.環状エステル
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、溶剤として環状エステル(環状ラクトン)を含有してもよい。非水系インクジェットインク組成物は、環状エステルが含有されることにより、記録媒体の記録面(例えば塩化ビニル系樹脂を含む記録面)の一部を溶解して記録媒体の内部に非水系インクジェットインク組成物を浸透させることができる。このように記録媒体の内部にインクが浸透することで、記録媒体上に記録した画像の耐擦性(摩擦堅牢性)を向上させることができる。換言すると、環状エステルは、塩化ビニル系樹脂との親和性が高いため、非水系インクジェットインク組成物の成分を記録面に浸潤させやすい(食い付かせやすい)。環状エステルがこのような作用を有する結果、これを配合した非水系インクジェットインク組成物が、屋外環境等の厳しい条件下であっても、耐擦性に優れた画像を形成できるものと考えられる。
環状エステルとは、ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する1つの分子において、当該分子内で、該ヒドロキシル基と該カルボキシル基とが脱水縮合した構造を有する化合物である。環状エステルは、炭素原子を2個以上、酸素原子を1個含む複素環を有し、当該複素環を形成する酸素原子に隣接してカルボニル基が配置された構造を有し、ラクトンと総称される化合物である。
環状エステルのうち、単純な構造を有するものとしては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンなどを例示することができる。なお、環状エステルの複素環の環員数には特に制限が無く、さらに、例えば、複素環の環員には任意の側鎖が結合していてもよい。環状エステルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物によって形成される画像の耐擦性をより高める観点からは、上記例示した環状エステルのうち、3員環以上7員環以下の環状エステルが好ましく、5員環または6員環の環状エステルを用いることがより好ましく、いずれの場合でも側鎖を有さないことがより好ましい。このような環状エステルの具体例としては、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが挙げられる。また、このような環状エステルは、特にポリ塩化ビニルとの親和性が高いので、ポリ塩化ビニルが含有される記録媒体に付着された場合に、耐擦性を高める効果を極めて顕著に得ることができる。
環状エステルを配合する場合における、非水系インクジェットインク組成物の全量に対する含有量(複数種を使用する場合にはその合計量)は、5質量%以上50質量%以下であり、好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
1.1.3.その他の溶剤
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、溶剤として、上記一般式(1)で表される化合物や環状エステルの他に、以下のような化合物を用いることができる。
そのような溶剤としては、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等)等が挙げられる。
また、溶剤として、(多価)アルコール類を含有してもよい。(多価)アルコール類としては、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールや、2−メチルペンタン−2,4−ジオールなどが挙げられる。
非水系インクジェットインク組成物に、(多価)アルコール類を含有させる場合の合計の含有量は、記録媒体上での濡れ拡がり性及び浸透性を向上させて濃淡むらを低減させる効果や、保存安定性及び吐出信頼性を確保する観点から、非水系インクジェットインク組成物の全質量に対して、0.05質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.
1質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。(多価)アルコール類の含有量が上記範囲内にあることで、インクの濡れ性、浸透性、乾燥性が良好となり、良好な印刷濃度(発色性)を備えた画像が得られる場合がある。また、(多価)アルコール類の含有量が上記範囲内にあることで、インクの粘度を適正にすることができ、ノズルの目詰まり等の発生を低減できる場合がある。
また、非水系インクジェットインク組成物にはアミン類を配合してもよく、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール等のヒドロキシルアミンが挙げられ、1種または複数種を用いることができる。アミン類を含有させる場合の合計の含有量は、非水系インクジェットインク組成物の全質量に対して、0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることがさらに好ましい。
また、溶剤として、ラウリン酸メチル、ヘキサデカン酸イソプロピル(パルミチン酸イソプロピル)、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、炭素数2〜8の脂肪族炭化水素のジカルボン酸(炭素数はカルボキシル基の炭素を除く)を炭素数1〜5のアルキル基でジエステル化した二塩基酸ジエステル、並びに、炭素数6〜10の脂肪族炭化水素のモノカルボン酸(炭素数はカルボキシル基の炭素を除く)をアミド化した(アミド窒素原子を置換している置換基がそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基である)アルキルアミド(N,N−ジメチルデカンアミド等)等が挙げられる。
ここで例示したその他の溶剤は、一種又は複数種を、非水系インクジェットインク組成物に対して、適宜の配合量で添加することができる。
1.2.顔料
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、顔料として、C.I.ピグメントオレンジ−43(PO−43)を含む。
PO−43は、CAS登録番号4424−06−0の顔料であり、化学名は、ビスベンゾイミダゾ[2,1−b:2’,1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリン−8,17−ジオン、又は、1,8−(1H−ベンゾイミダゾール−2,1−ジイルカルボニル)−5,4−(1H−ベンゾイミダゾール−2,1−ジイルカルボニル)ナフタレンである。PO−43は、ペノリン構造を有し、一般名として「ペノリンオレンジ」が与えられている。PO−43の色相としては、鮮やかな赤味のオレンジである。なお、「C.I.」は、カラーインデックスの略である。
PO−43は、市販品を利用することもでき、例えば、Clariant社の「Hostaperm Orange」、「PV Gast Orange GRL」、DIC株式会社製「Fasogen Super Orange 6200」、東洋インキ株式会社製「Lionogen Orange GR−F」等として入手することができる。
PO−43をインクに添加する場合には、顔料分散体を調製してからそれをインクに添加することが望ましい。顔料分散体の製造方法は、特に制限はなく、例えばPO−43、媒体、その他の任意成分を投入し、高速ディスパー等で分散する方法等が挙げられる。さらに、必要に応じて、ビーズミルやロールミル等で分散してもよい。そして、最終的に得られた顔料分散体に含まれ得る一定以上の大きさの粒子を除去するため、フィルターろ過や遠心分離を行う。また、フィルターろ過を行う際は、必要に応じて、顔料分散体に含まれる粒子の粒子径を所定の粒子径となるように調整するようにフィルターの孔径(メッシ
ュの大きさ)を適宜選択してもよい。もっとも、フィルターろ過は、顔料分散体の調製段階で行ってもよいが、インクを調製する段階で行ってもよいし、顔料分散体及びインクの調製時のそれぞれの段階で行ってもよい。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含有されるPO−43の体積平均粒子径は、好ましくは100nm以上400nm以下であり、より好ましくは150nm以上300nm以下である。ここで顔料の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により評価することができる。具体的には、インク化した検体(顔料)を、DEGdEE(ジエチレングリコールジエチルエーテル)にて1000ppm以下となるように希釈し、これをレーザー回折・散乱測定装置(例えば、マイクロトラックUPA250(日機装株式会社製))を用いて20℃の環境下で、メディアン径D50の値を読み取ることにより測定することができる。したがって、異なる体積平均粒子径を有するPO−43を混合して使用する場合においても、それぞれの体積平均粒子径及び混合物の体積平均粒子径を測定することもできる。
体積平均粒子径の異なるPO−43を混合して使用する場合においても、各PO−43の好ましい体積平均粒子径は、100nm以上400nm以下であり、下限はより好ましくは150nm以上であり、上限はより好ましくは350nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下である。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、顔料として、体積平均粒子径が100nm以上400nm以下であるC.I.ピグメントオレンジ−43(PO−43)を含むことにより、耐候性、印字安定性、耐擦性を含む総合的な性能のバランスを良好にすることができる。
PO−43の体積平均粒子径は、市販のものが上記範囲にあればそのまま使用することができるが、以下のようにして体積平均粒子径を調節することができる。すなわち、溶剤(一部又は全部)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波破砕及び/又はジェットミル等で、かかる混合物(顔料分散溶剤)を適宜に処理することにより、粒子径の分布や体積平均粒子径を調節することができる。
また、PO−43の体積平均粒子径の調節方法としては、一次粒径として小さい顔料を用意して、これを溶剤(一部又は全部)に混合する際に、分散剤(後述)の添加量を変えて分散を行うことを採用できる。すなわち、分散剤を十分添加すれば一次粒子同士の凝集が防げられて一次粒子とあまり変わらない粒径で分散でき小さい一次粒子径に基づく体積平均粒子径とすることができ、逆に分散剤の添加量を少なくすることにより、一次粒子を凝集させて二次粒子の粒径に基づく体積平均粒子径とすることができる。なお、この場合には、出発する顔料の一次粒子径は、より小さいものを用いると体積平均粒子径の調節の自由度が高まるためより好ましい。さらに、体積平均粒子径の調節の自由度を高めたい場合には、入手した顔料を一旦上記のようにボールミル等によって粉砕し、より小さなものにしてから、分散剤による平均粒子径の調節を行ってもよい。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物の全量に対する、PO−43の含有量は、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上6質量%以下、特に好ましくは1質量%以上5質量%以下である。PO−43の含有量が上記範囲にあることで、発色性に優れた特色のオレンジインクが得られる。また、このインクによって形成された画像は、耐候性が良好となる。
一方、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、上述のPO−43以
外の色材をさらに含有してもよい。そのような色材としては、PO−43と類似する色相の顔料及び染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス番号で、C.I.ピグメントオレンジの番号が与えられている顔料や、C.I.ピグメントレッドの番号が与えられているものなどが挙げられる。
1.3.ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、及びイオン性塩素(Cl)
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含まれるNa量は、5ppm以上500ppm以下、好ましくは50ppm以上500ppm以下、より好ましくは50ppm以上400ppm以下である。上限は、さらに300ppm以下であるとより好ましく、200ppm以下であると特に好ましい。非水系インクジェットインク組成物に含まれるNaは、PO−43の製造時に含まれる不純物に由来するものであると推測される。この不純物に由来する電解質分が経時または温度によって顔料から脱離する。そして、脱離したNaがClなどと結び付くことにより、結晶析出化して異物が発生するものと考えられる。
Na量が前記範囲内にあれば、非水系インクジェットインク組成物に含まれるNa量が十分に少量であるため、長期保存の場合でも異物の発生を抑制することができる。Na量が500ppmを超えると、長期保存によりNaがClなどと結び付いて、異物が容易に発生してしまう。一方、Na量を5ppm未満とするには、PO−43を過剰に洗浄する必要があるなど、精製工程によりコストアップとなるので好ましくない。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含有するCa量は、好ましくは5ppm以上200ppm以下である。上限は150ppm以下がより好ましく、100ppm以下が一層好ましく、下限は10ppm以上がより好ましい。Caは、Naほど異物の影響は大きくないが、Clなどと結び付くことにより、結晶析出化する傾向が認められる。そのため、Ca量が前記範囲内にあることにより、長期保存の場合でも異物の発生をさらに効果的に抑制することができる。
本発明における「Na量」とは、Na原子及びNaの両方を含めた合計量のことをいう。また、本発明における「Ca量」とは、Ca原子及びCa2+の両方を含めた合計量のことをいう。なお、Na、Ca以外の金属については、本発明者らの研究により、長期保存における異物発生への影響が極めて小さいことが分かっている。
非水系インクジェットインク組成物に含まれるNa及びCaの含有量は、ICP発光分析装置(ICP−AES)を用いて測定することができる。ICP発光分析装置としては、例えば株式会社島津製作所製の型式「ICPS−8000」等を使用することができ、必要に応じ、測定前に有機溶媒の除去や有機化合物の分解などの前処理を行う。
上述のように、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物では、電解質分として含まれているNaやCa2+がClと結び付くことにより、結晶析出化すると推測される。そのため、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に含まれるイオン性塩素の含有量は、50ppm以上800ppm以下とすることが好ましい。上限は600ppm以下がさらに好ましい。イオン性塩素は、塩素イオンや塩化物塩などの電解質分としてインク組成物に含まれる塩素である。インク組成物中に含まれるイオン性塩素の含有量は、インク組成物に含む塩素が全てイオン性塩素であればインク組成物を燃焼試験して測定してもよいし、例えばイオン性塩素が顔料分散液に起因する場合、顔料分散液を燃焼試験して塩素の含有量を測定し、これからインク組成物に対するイオン性塩素の含有量を求めてもよい。
非水系インクジェットインク組成物に含まれるイオン性塩素の含有量は、イオンクロマ
ト装置を用いて測定することができる。イオンクロマト装置としては、例えば株式会社島津製作所製の型式「PS3500DD」等を使用することができ、必要に応じ、測定前に希釈、固相抽出除去、液液抽出などの前処理を行う。
非水系インクジェットインク組成物に含まれるNa、Caや塩素の含有量を前記範囲内とするためには、例えば、原材料であるPO−43について、不純物として含まれる上記金属塩の含有量が少ないものを選択する方法の他に、合成されたPO−43の精製工程で精製の程度を調整することによって調整することもできる。
精製工程での精製程度の調整は、例えば以下のようにして行うことができる。所定温度範囲の溶剤と粗原料である顔料とを接触させて、溶剤に不純物を移行し、粗原料である顔料から不純物を除去した後、必要に応じて溶剤と顔料との混合物を冷却する。その後、フィルタープレス、多機能ろ過機、ヌッチェなどの一般的なろ過装置にてろ過し、不純物が除去された顔料と、粗原料から溶出した不純物を含む溶剤とに分離する。上記の混合物の冷却温度としては、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下にするとよい。また、必要に応じて、所定量の新たな溶剤を用いて、残渣物である顔料をかけ洗いする。この際に使用する溶剤の種類としては、不純物の除去に使用した溶剤と同じ種類の溶剤が好ましい。また、溶剤の使用量としては、特に限定はなく、残渣に残存する、不純物を溶解した溶剤を新たな溶剤に置換できる程度でよい。
その後、純水、脱イオン水などの水を用いて、顔料をさらに洗浄してもよい。また、当該水に代えて、あるいは、水による洗浄後に、溶剤を用いて顔料を洗浄してもよい。この場合の溶剤としては、不純物を除去するために使用する上述の溶剤を用いてもよいし、顔料分散体を調製する際に使用する溶媒を用いてもよい。
このようにして、水もしくは溶剤で洗浄した後、または、水で洗浄した後に溶剤で洗浄した後の顔料と媒体を含むものを顔料分散体として得ることができる。この顔料分散体は、精製されたPO−43と、水及び/又は溶剤を含むものである。また、当該顔料分散体の性状としては、特に限定はなく、液状、ペースト状など適宜選択することができる。また、顔料分散体中の顔料(固形分)の含有率は、特に限定はなく、例えば20〜60質量%とすることができる。さらに、必要に応じて、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、防錆剤、保湿剤等を添加してもよい。
1.4.その他の成分
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、さらに塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、界面活性剤、分散剤等、以下に説明する成分を含んでもよい。
1.4.1.塩化ビニル系樹脂
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物に使用し得る塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル及び酢酸ビニルに由来する構成単位を含む共重合体(以下、「塩酢ビ共重合体」ともいう。)が挙げられる。塩酢ビ共重合体は、前記一般式(1)で表される溶媒に溶解させることができる。その結果、前記一般式(1)で表される溶剤に溶解した塩酢ビ共重合体により、塩化ビニル系樹脂を含有する記録媒体の表面にインクを強固に定着させることができる。
塩酢ビ共重合体は、常法によって得ることができ、例えば、懸濁重合によって得ることができる。具体的には、重合器内に水と分散剤と重合開始剤を仕込み、脱気した後、塩化ビニル及び酢酸ビニルを圧入し懸濁重合を行うか、塩化ビニルの一部と酢酸ビニルを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルを反応中に圧入しながら懸濁重合を行うことができる。
塩酢ビ共重合体は、その構成として、塩化ビニル単位を70〜90質量%含有することが好ましい。上記の範囲であれば、インクジェットインク組成物中に安定して溶解するため長期の保存安定性に優れる。さらには、吐出安定性に優れ、記録媒体に対して優れた定着性を得ることができる。
また、塩酢ビ共重合体は、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位とともに必要に応じて、その他の構成単位を備えていても良く、例えば、カルボン酸単位、ビニルアルコール単位、ヒドロキシアルキルアクリレート単位が挙げられ、とりわけビニルアルコール単位が好ましく挙げられる。前述の各単位に対応する単量体を用いることで得ることができる。カルボン酸単位を与える単量体の具体例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。ヒドロキシアルキルアクリレート単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらの単量体の含有量は本発明の効果を損なわない限り限定されないが、例えば単量体全量の15質量%以下の範囲で共重合させることができる。
また、塩酢ビ共重合体は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソルバインCN、ソルバインCNL、ソルバインC5R、ソルバインTA5R、ソルバインCL(以上、日信化学工業社製)などが挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されないが、好ましくは150〜1100、より好ましくは200〜750である。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記の範囲である場合、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物中に安定して溶解するため、長期の保存安定性に優れる。さらには、吐出安定性に優れ、記録媒体に対して優れた定着性を得ることができる。なお、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、比粘度を測定し、これから算出されるものであり、「JIS K6720−2」に記載の平均重合度算出方法に準じて求めることができる。
また、塩化ビニル系樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは10000〜50000、より好ましくは12000〜42000である。なお、数平均分子量は、GPCによって測定することが可能であり、ポリスチレン換算とした相対値として求めることができる。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物中における塩化ビニル系樹脂の含有量は、例えば0.05質量%以上6質量%以下、好ましくは0.5質量%以上4質量%以下とすることができる。塩化ビニル系樹脂の含有量が前記範囲であると、前記一般式(1)で示される溶媒中に溶解した塩化ビニル系樹脂によって、塩化ビニル系記録媒体に対して優れた定着性が得られる。塩化ビニル系樹脂としては上記の塩酢ビ共重合体以外にも、少なくとも塩化ビニルに由来する構成単位を含む樹脂であれば使用できる。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物においては、塩化ビニル系樹脂と前記一般式(1)で示される溶剤とを質量基準で、1:5〜1:40となる量比で含むことが好ましい。前記量比の範囲内であれば、前記一般式(1)で示される溶剤中に前記塩化ビニル系樹脂を容易に溶解させることができるので、塩化ビニル系樹脂を含有する記録媒体の表面へのインク定着性を向上できると共に、ノズルの目詰まりが起こりにくくなる。
1.4.2.アクリル系樹脂
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物には、前記ビニル系樹脂の他に
、画像のインク塗膜の密着性を向上させる観点から、アクリル系樹脂を添加してもよい。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレンアルキル(メタ)アクリレート樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂などが挙げられる。
上記のアクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、アクリペットMF(商品名、三菱レイヨン社製、アクリル樹脂)、スミペックスLG(商品名、住友化学社製、アクリル樹脂)、パラロイドBシリーズ(商品名、ローム・アンド・ハース社製、アクリル樹脂)、パラペットG−1000P(商品名、クラレ社製、アクリル樹脂)などが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味するものとし、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味するものとする。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物中におけるアクリル系樹脂の含有量は、例えば0.5質量%以上10質量%以下、好ましくは0.5質量%以上6質量%以下とすることができる。アクリル系樹脂の含有量が前記範囲であると、塩化ビニル系記録媒体に対して優れた定着性が得られる。
1.4.3.界面活性剤
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物には、前記有機溶媒の他に、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる観点から、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体を添加してもよい。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物中における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。
1.4.4.分散剤
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、顔料の分散安定性を向上させる観点から、通常のインク組成物において用いられる任意の分散剤を用いることができる。このような分散剤の具体例としては、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7
000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、Solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製「ソルスパース」)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、分散剤としては、金属石鹸、塩基性基を有する高分子分散剤等を用いることもでき、塩基性基を有する高分子分散剤が好ましい。特に、塩基性基としてアミノ基、イミノ基又はピロリドン基を有するものが好ましい。塩基性基を有する高分子分散剤として、ポリアルキレンポリアミン、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、変性ポリウレタン、ポリエステルポリアミン等を用いることができる。
塩基性基を有する高分子分散剤の具体例としては、BYKChemie社製の「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイドリン酸塩)」、「Anti−Terra−204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイドリン酸塩と酸エステル)130(ポリアマイド)を挙げることができる。また、アビシア社製のソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルポリイミン)、17000、18000、19000(ポリエステルポリアミン)、11200(ポリエステルポリイミン)を挙げることができる。また、ISP社製のV−216、V−220(長鎖アルキル基を持ったポリビニルピロリドン)を挙げることができる。
本実施の形態に係るインク組成物において、前記分散剤を使用する場合の含有量は、含有される顔料に応じて適宜選択することができるが、インク組成物中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
1.4.5.その他
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、上記の成分の他にも、塩化ビニル系樹脂及びアクリル系樹脂以外の樹脂、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
塩化ビニル系樹脂及びアクリル系樹脂以外の樹脂としては、例えば脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン系樹脂、石油樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリオレフィン、テルペン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR・SBR・MBR等の各種合成ゴム、およびそれらの変性体等を用いてもよい。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
1.5.用途及び効果
本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、一般式(1)の溶剤を含む溶剤インクであることにより、塩化ビニル系記録媒体などのフィルムメディアに記録した時の画質が優れるため、屋外で展示するサイン用途などに特に好適となる。塩化ビニル系記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含有するものであれば特に限定されない。塩化ビニル系樹脂を含有する記録媒体としては、硬質もしくは軟質の塩化ビニル系フィルムまたはシート等が挙げられる。本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、塩化ビニル系樹脂基材における無処理表面への画像の記録を可能ならしめるものであり、従来の受容層を有する記録媒体のごとく、高価な記録媒体の使用を不要とする優れた効果を有するが、インク受容層により表面処理された基材であっても適用できることは言うまでもない。
また、屋外で展示するサイン用途などに適用した場合、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、PO−43を含有するので、画像の耐候性がとりわけ良好となる。
また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの各色インクと、特色のオレンジインク(本実施の形態に係るインク組成物)とを組み合わせたインクセットとすることで、ガマットの広い色再現が可能となり、その色再現が長期に亘り保持される。
さらに、本実施の形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、所定のNa量とすることで、長期保管による異物の発生を抑制することができる。これにより、インクジェットプリンターのノズルの目詰まりを防止し、吐出信頼性を高めることができる。
2.実施例及び比較例
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
2.1.インク組成物の調製
2.1.1.顔料の製造
500mLの容器にイオン交換水120mL、塩酸18g、酢酸6.8g、ポリオキシアルキレンアルキルアミン2gを投入して、混合、撹拌した。次に、2,5−ジクロロアニリン16gを投入した後、氷を加えて液温を約5℃に調節し、亜硝酸ナトリウム6gを投入して容器内の液温を10℃以下に保持しつつ、30分間撹拌してジアゾ化液を得た。
一方、300mLの容器にイオン交換水200mL、2−アセトアセチルアミノ−6−エトキシベンゾチアゾール23.5gを投入して30分間撹拌した。その後、水酸化カリウム5.2gを添加して30分間撹拌し、反応液を得た。
上記で得られたジアゾ化液をろ紙(No.5C)でろ過し、ろ液を2Lの容器に投入した。ろ液にスルファミン酸1g、酢酸ナトリウム15gを投入した後、液温を25℃、pHを2.0〜3.0に調整した。液温を25℃に保持しつつ、上記の反応液を投入して60分間撹拌した。次に、液温を90℃に昇温してから30分間撹拌した後、30%水酸化ナトリウム水溶液を投入してpHを8.5にした。最終的に得られた反応液をろ過し、残渣をイオン交換水にて洗浄した後、80℃にて乾燥した。乾燥させた残渣をサンプルミルで粉砕し、粉末状の顔料(粗原料)を得た。
このようにして得られた粗原料を105℃で加熱乾燥した。この粗原料50gを、450mLのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に投入した後、撹拌しながら、80℃まで昇温した後(昇温時間は約1時間)、80℃で2時間撹拌した。その後、30℃以下に
なるまで冷却してから、ヌッチェでろ過した。ろ別した残渣を、イオン交換水2Lにて洗浄し、ろ別した残渣を、顔料とイオン交換水を含むペースト状の顔料分散体として得た。その後、105℃で加熱乾燥させたものを、サンプルミルで粉砕し、粉末状のPO−43を得た。
上記の作製方法で得られたPO−43について、イオン交換水による洗浄回数を増やすことで、所望の金属イオン量となるように調整を行った。また、顔料の合成に用いた材料によっても、含まれる不純物としての金属の含有量は異なる。このようにして合成した種々の顔料を、さらに洗浄回数を異ならせることで、金属含有量の異なる実施例及び比較例の顔料(PO−43、PO−61、PO−71)をそれぞれ得た。
なお、Na量、Ca量、及びFe量の測定は、インクを密閉式のマイクロウェーブ湿式分解装置(株式会社アクタック、型式スピードウェーブ2)で酸分解した後、ICP発光分光分析装置(株式会社島津製作所製、型式「ICPS−8100」)を使用して定量した。また、塩素量の測定は、後述の顔料分散液を燃焼分解後、純水を吸収して、イオンクロマト装置(株式会社島津製作所製、型式「PS3500DD」)を使用して定量し、これとインク組成物に対する顔料分散液の添加量からインク組成物中の塩素量として算出した。
2.1.2.顔料分散液の調製
上記で得られた顔料及び、分散剤としてソルスパース37500(ルーブリゾール社製)を用い、当該顔料100質量部に対して67〜200質量%の範囲で分散剤の添加量を変えて顔料を分散させて分散液を調製した。分散媒としては、各インク組成例ごとに溶剤として最も含有量の多い溶剤を分散媒として用い顔料分散液とした。
2.1.3.インク組成物の調製
上記で調製された顔料分散液を用いて、表1〜表2に示す材料組成にて顔料種及び金属含有量の異なるインク組成物を調製した。各インク組成物は、表中に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて2時間混合撹拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。なお、表1〜表2中の組成欄の数値は、質量%を示す。
2.2.評価試験
2.2.1.保存安定性の評価
各インクの初期粘度を測定後、密閉容器に入れて、60℃の環境下で1週間放置した。放置後、室温(RT)にて1日間放置し、孔径が10μmの金属フィルター上に10ccろ集した。フィルター上をマイクロスコープVHX−900(キーエンス株式会社製)を用いて、ろ集物の内容を確認し、下記基準に基づき判定をした。
<判定基準>
○:異物の発生が認められない。
△:わずかに異物の発生が認められる。
×:多量に異物の発生が認められる。
また、異物採取後に、放置インクの粘度測定を行い、粘度変化率(%)を下記式によって算出し、下記基準に基づき判定した。
<判定基準>
○:粘度変化率が1%未満。
△:粘度変化率が1%以上、2%未満。
×:粘度変化率が2%以上。
2.2.2.印刷画質(凝集ムラ)の評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−S70650」)を用いて、実施例及び比較例の各インク組成物を塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に100%濃度で記録解像度720×720dpiのベタ印刷をして、25℃65%RH(相対湿度)の環境下にて60分間乾燥させた。その後、目視及び光学顕微鏡を用いて印刷面の凝集印刷ムラを観察し、下記基準に基づき判定した。
<判定基準>
○:凝集ムラが認められない。
△:若干の凝集ムラが認められる。
×:凝集ムラが目立つ。
2.2.3.耐候性の評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−S70650」)を用いて、実施例及び比較例の各インク組成物を、塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に、記録解像度720×720dpiでベタ印刷を行い、記録物を得た。得られた記録物をキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に投入し、「光照射40分間」→「光照射+水降雨20分間」→「光照射100%60分間」→「水降雨60分間」のサイクル試験を行った。キセノンウェザーメーターの実施条件については、以下の通りである。このサイクル試験を8週間連続して行った後、記録物を取り出した。取り出した記録物について、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてOD値を測定し、OD値残存率(%)を求め、下記基準に基づき判定した。
<判定基準>
○:OD値残存率が90%以上。
△:OD値残存率が80%以上、90%未満。
×:OD値残存率が80%未満。
<キセノンウェザーメーターの実施条件>
温湿度 :40℃50%RH
照射強度:300〜400nm、60W/m
2.3.評価結果
実施例及び比較例に係るインク組成、評価結果を表1〜表2に示す。
Figure 2016113531
Figure 2016113531
なお、表1〜表2に示した略称又は商品名は、以下の通りである。
<顔料>
・PO−43:C.I.ピグメントオレンジ43
・PO−64:C.I.ピグメントオレンジ64
・PO−71:C.I.ピグメントオレンジ71
<環状エステル>
・γ−ブチロラクトン:商品名、関東化学株式会社製)
・σ−バレロラクトン:商品名、キシダ化学株式会社製)
<溶剤>
・DEGMEE:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、商品名「ハイソルブEDM」、東邦化学工業株式会社製、引火点64℃)
・DEGdME:ジエチレングリコールジメチルエーテル、商品名「ジエチレングリコールジメチルエーテル」、東京化成工業株式会社製、引火点56℃)
・DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル、商品名「ジエチレングリコールジエチルエーテル」、東京化成工業株式会社製、引火点71℃)
・DEGBME:ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、商品名「ハイソルブBDM」、東邦化学工業株式会社製、引火点94℃)
・TriEGdME:トリエチレングリコールジメチルエーテル、商品名「トリエチレングリコールジメチルエーテル」、キシダ化学株式会社製、引火点113℃)
・TetraEGdME:テトラエチレングリコールジメチルエーテル、商品名「テトラエチレングリコールジメチルエーテル」、東京化成工業株式会社製、引火点141℃)
・TetraEGmBE:テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、商品名「ブチセノール40」、KHネオケム株式会社製、引火点177℃)
・エクアミドM100:商品名、出光興産株式会社製、アミド系溶剤
・AF−7:商品名、JX日鋼日石エネルギー株式会社製、ナフテン系炭化水素溶剤
・パルミチン酸イソオクチル:商品名「IOP」、日光ケミカルズ株式会社製、脂肪酸エステル
<分散剤>
・ソルスパース37500:商品名、ルーブリゾール社製、ポリエステルポリアミド樹脂<界面活性剤>
・BYK340:商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤
<定着樹脂>
・ソルバインCL:商品名、日信化学工業株式会社製、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
実施例1〜9によれば、本発明の非水系インクジェットインク組成物を用いることにより、耐候性及び印刷画質に優れた画像を形成できることが分かった。また、本発明の非水系インクジェットインク組成物は、異物の発生を抑制する効果があり、保存安定性にも優れていることが分かった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む溶剤と、
    ピグメントオレンジ−43(PO−43)を含む顔料と、
    を含有し、
    インク中に含有するNa量が5ppm以上500ppm以下である、非水系インクジェットインク組成物。
    O−(RO)−R ・・・・・(1)
    (一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。ただし、R及びRの少なくとも何れかは、炭素数1以上5以下のアルキル基である。Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を表す。mは1〜6の整数を表す。)
  2. インク中に含有するCa量が、5ppm以上200ppm以下である、請求項1に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  3. 前記PO−43の含有量が、インク組成物の全量に対して、1質量%以上10質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物の合計の含有量が、インク組成物の全量に対して、10質量%以上90質量%以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  5. 前記溶剤として環状エステルをさらに含む、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  6. さらに、塩化ビニル樹脂を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  7. 前記Na量が、50ppm以上500ppm以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  8. 前記Naを電解質分として含有している、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  9. インク組成物の全量に対するイオン性塩素の含有量が、50ppm以上800ppm以下である、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
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