実施の形態1.
図1〜図77は、本発明の実施の形態1に係るものであり、家電機器、統合管理装置(電力指令装置)及びその運転管理システムについて示してある。
(定義)
本発明で「家電機器」EEとは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいい、後述するキッチン内家電機器KP、TV受像機75等の映像機器、空気調和機7、空気清浄機141や空気脱臭機等の環境改善機器、電気ストーブ等の暖房機器、電気掃除機、電気洗濯機(乾燥機能付きを含む)、お風呂に使用される給湯機器(給湯タンク付きを含む)を含む。
本発明で家電機器EEの「識別情報」とは、家電機器EEを特定するための情報で、家電機器EEに固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報である。例えば、具体的には、以下のようなものが識別情報に含まれるが、これらには限定されない。なお、家電機器EEについては、あとで詳しく説明する。
(1)家電機器の製造者名
(2)型名
(3)形式番号
(4)定格消費電力
(5)購入年月日(製造業者や販売業者の品質保証期間の起算日になる場合が多い)
(6)使用開始年月日(食器洗い乾燥機では、法定点検時期の起算日になる)
(7)品質保証書番号
前記(6)の法定点検とは、2009年4月1日から改正・施行された「消費者生活用製品安全法」で新設された「長期使用製品安全点検制度」による点検をいう。なお、この法律とは別の「電気用品安全法」では、技術基準省令の改正により、長期使用製品安全表示制度が創設されており、消費生活用製品のうち、特定の製品にいついては、設計上の標準使用期間と経年劣化について、消費者に対し適切な保守点検を促すように注意喚起等の表示が義務化されている。そこで、その標準使用期間の参考となるように、消費者に対して表示する「製品の製造日」や製造年月から起算した「経過年数」の情報を、家電機器EEの「識別情報」に含めても良い。
また後述する空気調和機7等の「特定家電機器」(環境改善機器)SP1であるかどうかも識別情報の一部であり、電力指令装置9と相互に無線通信を行う場合、その電力指令装置9側にこの識別情報が、特定家電機器(環境改善機器)SP1側から提供される。
本発明で「環境情報」とは、後述する統合環境検知部202及び空気清浄機141で、それぞれ検出する「環境データ」それ自体と、そのような環境データに基づいて作成した「環境評価情報」を総称したものをいい、家屋の居住快適性に影響する以下のような種類の情報を含むが、これに限定されない。
(1)温度情報
(2)湿度情報
(3)塵埃飛散度(単位容積あたり)情報
(4)花粉飛散量情報
(5)光量(可視光線量)情報・・言い換えると居住空間の明るさの情報である。
(6)騒音情報・・・居住空間の静けさの情報である。
なお、空気清浄機141では、室内気温と室内湿度(相対湿度)の2つの情報しか取り扱わない。
本発明で「環境データ」とは、計測された温度や湿度等の物理的状態を示すデータそれ自体をいう。例えば気温35℃は環境データに該当する。その気温35℃に基づいて、何らかの評価基準や計算処理等を経て分類やランク付け、又はその他加工をされた情報は「環境評価情報」に該当する。例えば、「室温は高い」、「標準気温」というような情報が前記「環境評価情報」に該当する。
本発明で「暑さ指数(WBGT)」とは、熱中症予防対策として日本の環境省が、その予測値と実況値を公表しているものである。この暑さ指数は労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO(国際標準化機構)等で国際的に規格化されているものである。なお、日本の公益財団法人の「日本体育協会」では「熱中症予防運動指針」、日本生気象学会では「日常生活に関する指針」を公表している。また暑さ指数について、労働環境に関するISO規格や日本工業規格がある。
また本実施の形態1では、「環境情報の利用」とは、後述する各種家電機器EEが前記環境情報をその家電機器EEの、効率的運転又は効果的運転又は環境に配慮した運転に利用することをいい、以下のような例を含む。
(1)温度高い場合、電気炊飯器の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。
(2)湿度の場合、家電機器EEの1種である除湿機を動作させる。または換気扇を運転開始する。空気調和機3の運転開始又はその運転条件(目標とする室温など)を変える。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛量している場合、空気清浄機141を動作させる。または換気扇を運転開始する。
(4)花粉飛散量の場合、空気清浄機141の運転を開始する。
(5)比較的直径や長さが大きく、床に落下する土埃や衣類の埃等の場合、自走式電気掃除機を運転開始させる。
(6)光量(可視光線量)の場合、照明器具76を点灯させる。
(7)騒音の場合は、騒音がない状態から、深夜などの静寂な時間帯と判断し、ブロワーモーターの運転音や走行音が発生する自走式電気掃除機の運転や、洗濯乾燥用ドラムを回転させる電気モーターの運転音が発生する洗濯乾燥機の運転を避ける。
なお、気温と湿度の関係で、いわゆる「不快指数」を算出し、空気調和機7の運転を開始することも含む。
さらにまた本実施の形態1では、環境情報の利用により、以下のように居住者の利便性が向上する。
(1)居住環境を良くするために家電機器EEの使用について、アドバイス情報が出る(例えば、空気調和機7や、換気扇、空気清浄機141などにおいて)。このアドバイス情報により、居住者の利便性、快適性が確保される。
(2)現在、運転中の家電機器EEが分かる。
(3)離れた居住空間の人の存在・不存在が分かる。
(4)高い温度で、かつ湿度も高い、快適ではない居住空間が分かる。
(5)室内運動をする際に、運動に不向きな居住空間が分かる。
(6)電力指令装置9から、警報を出すために、室温の上限値を設定しておけば、その設定値を超えた部屋があることを知ることが分かり、離れた部屋の環境も知ることができる。
本発明で、電力消費源とは、電気エネルギーを消費する電気駆動源、加熱源等をいう。当該電気駆動源とは電動送風機や電動圧縮機等をいう。また加熱源とは、輻射式ヒーターや高周波発振器(マグネトロン)、誘導加熱コイル等を含む。
本発明で「電力指令装置」9とは、2つ以上の電気機器、家電機器の通電を制御して、1つの家庭や家屋、複数の部屋からなる居住エリア等の総電力使用量が所定の量を超過しないように抑制する装置をいう。抑制の手段としては、例えば(予め定めた家電機器の優先順位に従って選定された家電機器の)電力量を減少させること、電力の供給自体を遮断することである。
本発明で「統合管理装置」とは、2つ以上の電気機器、家電機器と有線(ケーブル等)又は無線通信で接続され、当該電気機器、家電機器の個々について通電は制御(遮断や電力量の抑制)する場合はあっても、1つの家庭や家屋、居住エリア等の総電力使用量を監視し、それを超えないような総電力制御動作を行わないものをいう。従って、有線や無線通信で電力指令装置9に接続される空気調和機7と誘導加熱調理器2、炊飯器3があり、その電力指令装置9に空気清浄機141が追加で接続された場合、空気清浄機141は前記電力指令装置9と(情報の授受は行っても)、その総電力制御動作の影響を受けない場合には、空気清浄機から見た場合、前記「電力指令装置」は、厳密には「電力指令装置」ではなく、「統合管理装置」である。
本発明で「運転管理装置」とは、統合管理装置と電力指令装置を総称したものをいう。なお、以下の説明では、基本的に特に電力制御動作の説明で必要でない限り、「統合管理装置」の用語を用いる。
前記第1の特定家電機器(環境改善機器)SP1は、室内空間の快適性を維持、向上させるためのものであるので、燃焼後の空気を室内に排出しないが暖房用の熱を発生する電気ヒーター式ストーブや空気調和機3は環境改善機器の1種である。一方、室内空間の快適性維持・向上が本来の目的ではなく、室内空間に熱を与えてしまう電熱加熱調理器等のような家電機器EEを「第2の特定家電機器SP2」という場合がある。
さらにまた、複数の家電機器EEの中で、統合管理装置9から、電力削減要請信号AS2や電力削減指令信号AS3を受信するものを「第1の家電機器」いう場合があり、またその第1の家電機器と区別するために別の家電機器を「第2の家電機器」という場合がある。
さらに環境改善機器SP1は、居住空間内の空気の温度、湿度、質を改善する効果のあるものをいう。空気の質を向上させると有害物質や塵埃の含有量が少なく、清浄な空気となる。悪臭を除去する脱臭機能付きの空気清浄機や空気調和機は、環境改善機器の1種である。
本実施の形態1では、「在宅検知手段」10とは、以下のような手段を含むが、以下の実施の形態の説明では全ての手段については詳しく説明せず、代表的な手段についてのみ詳しく説明する。
(1)住宅の入口(玄関)の外側に設置された電子錠(図示せず)とその電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段。
(2)居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で、あるいは近距離通信やその他通信手段で統合管理装置9に直接読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(3)居住者が保持している携帯用電話等の情報通信端末機器87等に記録された個人特定情報を、近距離通信やその他通信手段で直接統合管理装置9に読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(4)個人が固有している身分証やIDカード等、情報通信端末機器87等に記録された個人特定情報を、特定の家電機器EEに読み込ませ、又は個人だけが知っているID番号やパスワードを家電機器EEに読み込ませたり、入力キーによって入力したりして、その個人特定情報やパスワードを統合管理装置9側にて解読し、読み込ませた本人が在宅していると判定する手段。
本実施の形態1では、「居住者」とは、後述する1つの家屋に居住する者をいい、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等を含むが、後述する居住空間HAに所定期間だけ臨時で宿泊する訪問者や、生活を共にするその他の者を含んでいる。1つ又は複数の居住空間を1人又は数人で借用している者も含む。なお、家電機器EEを使用した場合には、居住者を「使用者」と呼び、また睡眠時間、睡眠時間帯を計測する場合には、その対象者を「睡眠者」と呼ぶ場合がある。
本実施の形態1では、「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋を意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅でも、1つの家屋の場合と同様に商用電力の上限が1つの電力遮断機器(ブレーカーBK)で一元管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
本実施の形態1において、後述する誘導加熱調理器2の「記憶装置」(記憶部)とは、特に明記ない限り、制御装置33の記憶部33RとNFC記憶部320の一方又は両方をいうものとする。
本実施の形態1において、「家電機器側の位置情報」とは、居住空間HAの中のどの部屋に、家電機器が存在しているのかを示す情報(コード)であり、例えば居間はコード001、キッチンはコード002、寝室は003、のように事前に電力指令装置9の制御部125によってルール化されており、電力指令装置9の制御対象になる家電機器EEの場合には、その家電機器の識別情報とともに当該位置情報が電力指令装置9に登録される。
キッチンの厨房家具の中に設置されて使用されるビルトイン式の誘導加熱調理器2や、壁に固定して使用される空気調和機7のように、最初の設置位置が変化しない(非可搬式)家電機器EEの場合は、そのまま永続的に位置情報を利用できる。
しかしながら、自走式電気掃除機や空気清浄機141のように、使用者が任意の場所に持ち運び容易な(可搬式)家電機器EEの場合には、統合管理装置9と無線通信を行った場合に、その最新の位置が統合管理装置9によって割り出される。割り出された結果で、ある居住空間に空気清浄機141があって運転された場合には、その時の居住空間の識別コードが、その空気清浄機141の運転のデータ(例えば、運転開始時刻と終了時刻)と対になって、統合管理装置9の制御部125の記憶部(後述する第2の記憶部)125Bに記憶されるようになっている。言い換えると、その後に別の居住空間において、その空気清浄機141を再度運転すると、別の居住空間の識別コードがされて制御部125の記憶部125Bに記憶される。
統合管理装置9と電気的接続又は通信セッションが確立した家電機器について、その位置を統合管理装置9側から特定する技術は色々提案されている。例えば最近のものでは、日本国特許公開2014−79036号公報には、新規に導入した家電機器と電源タップとの関係情報を管理するために、従来では家電機器の使用者が手動で情報を手動登録しなければならないという課題があったことを解決するために、電源タップに家電機器を接続した際、電源タップからは機器接続検知イベントを、また家電機器からは起動完了イベント通知を行い、2つの通知を受信した、家電機器(情報家電)管理装置は、どの情報端末が、どのコンセント口に挿されたかの候補情報をテーブルに登録する。その後、家電機器管理装置より電源タップに対し、該当コンセントに対する電源OFF指示を行い、相関関係を仮定した情報家電との通信状態をモニタする。電源OFF指示の結果、相関関係を仮定した家電機器との通信が切れたた場合には、再度、該当コンセントに対する電源ON指示を行うとともに、仮定した相関関係が正しいものとして家電機器、及び接続コンセントの登録を行う。これにより、家電機器管理装置では、人手を介さずに自動的にコンセントと家電機器との正しい接続関係を検知し、自動登録処理を行うことが可能となる技術を提案している。つまり、コンセント口を把握することで、家電機器の使用される場所の特定が可能となる。
従って、この実施の形態1の説明では、空気清浄機141やその他個々の可搬性家電機器の最新の位置を把握する手段についての詳細な説明は省略する
本発明で、家電機器EEの「異常」とは、家電機器EEを構成する各種動力源・機能部品(例えば、モーター、電磁弁、電動アクチュエータ)、電気部品(例えばヒーターや温度検出素子、スイッチ、半導体集積回路)等に、正常な使用時に想定されない電流値や電圧値、温度、回転数、振動、不快な音等の物理現象、計測値が検出され、「故障」が発生する前兆を示す状態をいう。後述する誘導加熱調理器2の「異常」とは、例えば、1つのインバーター回路33Rの入力側回路で異常に高い又は低い電流値が検出された状態や、前記誘導加熱源となる1つの(誘導)加熱コイル2RCや被加熱物である金属製の鍋が異常に高い温度になったことが検出された状態をいう。また、表示手段の1つである表示画面129が、異常な高温度になったことが検出された状態も異常の1つである。
本発明で、家電機器EEの「異常監視データ」とは、前記した「異常」を示す温度や電圧、電流等の各種物理的状況を示す情報をいう。
本発明で、家電機器EEの「異常判定」とは、前記した「異常監視データ」に基づいて、異常であると当該機器が判定すること、あるいは異常監視データに基づいて統合管理装置9が当該機器に異常が発生したと区分することをいう。
本発明で、後述する健康管理機器410と運動計測機器311の「異常」とは、前記家電機器EEの「異常」と同様であり、健康管理機器410と運動計測機器311を構成する各種動力源・機能部品(例えば、モーター、電磁弁、電動アクチュエータ)、電気部品(例えば温度検出素子、スイッチ、半導体集積回路)等に、正常な使用時に想定されない電流値や電圧値、温度、回転数、振動、不快な音等の物理現象、計測値が検出され、「故障」が発生する前兆を示す状態をいう。
(第1の発明、第2の発明)
実施の形態1は、第1の発明、第2の発明を実施した例を示すものである。
本実施の形態1において、後述する電力指令装置9の「動作情報」とは、図45〜図47に示しているような、1つの家庭に設定されている上限の総電力量を示す情報101、現在使用している使用電力量を示す情報102、前記総電力量と使用電力量の差を表す情報103、前記電力指令装置9が制御対象にしている家電機器EEを具体的に特定する情報107、当該家電機器EEの使用状態を示した情報108、各家電機器EEで使用されている電力量の情報(例えば1分間の平均電力量)等をいうが、これに限定されるものではない。
本実施の形態1において、「家電機器側の電力制限情報」とは、電力指令装置9から家電機器が受けた電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいい、後述する電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、誘導加熱調理器2に対するある時点の電力削減指令信号AS3について「受信時刻:2014年11月15日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。なお、この家電機器側の電力制限情報は、家電機器、例えば誘導加熱調理器2側で受信した場合、その誘導加熱調理器2全体の制御を統合する制御装置32の記憶装置32Rに時系列で記憶されており、主電源をON又はOFFしても消えない。主電源をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
本実施の形態1において、誘導加熱調理器2における異常発生判定結果を報知する報知手段とは、後述する表示部(表示画面)129と音声合成装置28の双方又は何れか一方をいうものとする。
本実施の形態1において、統合管理装置9における異常発生判定結果を報知する報知手段とは、後述する表示盤100の表示画面100Aを含むものとする。TV受像機75の液晶表示画面75Dも報知手段になる場合がある。
図1は、本実施形態1の電力制御システムが適用された1つの家屋の例を示している。このような戸建ての家庭ではなく、マンション等の集合住宅であっても本発明は適用できる。
図1において、HA1は1つの家屋の居住空間を示す。HA2は前記居住空間HA1と壁SBで仕切られた隣の居住空間を示す。なお、居住空間を総称する場合にはHAを符号として使用する。なお、居住空間はこの図1には示していないが、そのほかに「寝室」や「居間」、「浴室」等があり、またトイレのある部屋もある。これ以外の部屋があっても良い。
全ての居住空間HAには、家屋の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計300を介して家屋の内部に引き込まれている。27は前記200Vの商用電源EPに分電盤(以下、「ブレーカー」という)BKを介して接続された電源線(主幹線)である。前記電源線には、テレビジョンの受像機(以下、「TV受像機」という)75、空気調和機7、照明器具76、台所用電気機器(キッチン内家電機器)KPがそれぞれ接続されている。なお、図1においては、TV受像機75、空気調和機7、照明器具76、キッチン内家電機器KPは、それぞれ1つしか示されていないが、複数個あっても良い。
9はブレーカーBKを介して電力が供給される電力指令装置であり、居住空間HA2(キッチン)の壁面等のように、家族が容易に接近できる場所に壁掛け状態で設置されているか、又は床面の上に置いてある。なお、その他の家電機器として、食器洗い乾燥機6(図23参照)や自動洗濯衣類乾燥機(図示せず)、その他の家電機器も複数あるが、これらは後で説明する。
この実施の形態1の説明では、以下「第1の家電機器」とは、前記食器洗い乾燥機6を除いたキッチン内家電機器KPをいう。
図1において、SLは居住空間HAの天井を構成する壁面を示す。204は、居住空間HA2の室内の気温と湿度を検出する複合センサー(温度・湿度センサー)であり、環境センサーの1種である。205は、居住空間HA1の室内気温と室内湿度を検出する温度・湿度センサーであり、環境センサーの1種である。206は、家屋の外部空間(外壁の外側面等)に設置された温度センサーであり、環境センサーの1種である。
前記温度センサーや湿度センサーは、測定された温度や湿度を無線又は電気信号で後述する統合管理装置(電力指令装置)9の環境検知部202に送信する機能を有している。またその電源は充電された電池でも良いし、前記電源線27からの電力でも良い。またこれらセンサーの消費電力は1W(ワット)〜数ワット程度の小さいものであるため、前記電源線27からの電力で運転する場合でも、電力指令装置9の電力制限対象にはしていないので、所定のタイミングで電力指令装置9へ計測データを継続的に送信している。
図示していないが、この他に、環境センサーの1種として、空気中の花粉の飛散量を測定する花粉センサーと、室内の騒音の大きさを検知する騒音センサーと、室内の明るさを検知する照度センサーとが、各居住空間内のそれぞれ適当な位置に設けてある。また前記温度・湿度センサー205の他に、室外の気温と湿度を検知する温度センサーや湿度センサーを設けても良く、花粉センサーを室内だけではなく室外(例えば家屋の外壁表面や窓の外枠、ベランダ等)にも設置しても良い。なお、この環境検知部202自体は、前記電力指令装置9の本体9Aと離れた場所、あるいは別の居住空間に設置しても良く、その本体9Aと無線又は有線で接続され、本体9Aに内蔵された制御部125の制御を受けて環境検知情報を取得しているので、本発明の実施の形態1では「電力指令装置9の一部分」と定義する
図1及び図6において、207は、人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間HA1の中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。208は、同じく人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間HA2の中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。なお、この他の居住空間HAにもこのような人感知センサーを設置しても良い。これら人感知センサー207、208は、人が居るかどうかを検出した結果を、無線又は電気信号で後述する統合管理装置9の人検知部203に送信する機能を有している。またその電源は事前に充電された電池でも良いし、前記電源線27から分岐して供給される電力でも良い。またこれらセンサーの消費電力は1W〜数W程度の小さいものであるため、前記電源線27からの電力で運転する場合でも、電力指令装置9の電力制限対象にはしていないので、所定のタイミング(例えば10秒毎)で電力指令装置9へ計測データを継続的に送信している。
引き続いて図1を説明する。77は、前記TV受像機のチューナ(図示せず)に接続されている屋外アンテナ、99Aは、前記統合管理装置9に接続されたルーターAであり、このルーターAは、統合管理装置9を電力会社やその家屋の地域に情報を発信する地域地震情報提供機関等の外部機関78Aにインターネット等の広域通信回路網(「通信ネットワーク」又は「インターネット」と称する場合がある)98を介して接続している。
99Bは、前記TV受像機75に接続されたルーターBであり、このルーターBは、前記TV受像機75を、前記広域の通信回路網98を介して外部機関78Bに接続している。この外部機関78Bは、例えば放送番組を提供する放送局や、医療・健康情報を提供する公的機関や民間会社等であるが、これら以外であっても良い。前記2つの外部機関78A、78Bは別々のものも、また同じ機関であっても良い。
次に図2を参照しながら、この家庭の外部の通信環境を説明する。なお、この実施の形態1の統合管理装置9は、ルーターA99Aを介して外部機関78Aにネットワークで接続されているが、一般にホーム・ゲートウエイと呼ばれる機器を使用しても良い。この場合のホーム・ゲートウエイとは、インターネット接続やデジタル放送,IP電話などの各種デジタル情報メディアと、統合管理装置9や家電機器などの端末機器との間に設置する家庭内用の機器をいい、それら統合管理装置9等をネットワーク化して制御したり,通信・放送メディアから受け取ったりした情報をそれら統合管理装置9や家電機器に伝達する役割を担うものである。常時接続型のブロードバンド・サービスで,インターネット接続に加えてIP電話やコンテンツ配信サービスを提供している際に,事業者がこのような家庭の居住者(使用者)に貸し出すルーターを「ホーム・ゲートウエイ」と称する場合が多い。
前記統合管理装置9は、図1では広域通信回路網98を介して外部機関78Aに接続されていたが、実際にはこの図2に示すように、広域通信回路網98は、98Aと98Bの2つから構成されており、また中継サーバー88と、それぞれの広域通信回路網98A、98Bを介して外部機関78AのASP(「アプリケーション・サービス・プロバイダー」のことをいう)サーバー89Aにアクセスする。このASPサーバー89Aには、データベース89Bが設けられており、多数の住宅に対応して後述する各種情報を記憶するように構成されている。
前記ASPサーバー89Aは、以下、「情報サーバー」と呼ぶ。この情報サーバーは、各種家電機器EEの主に制御手段及び情報提供手段として機能するもので、家電機器EEの製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置しており、家電機器EEに関する各種サービスを、通信回路網98A、98Bを介して利用者に提供するものである。
前記情報サーバー89Aには、このサーバーのホストコンピュータとして機能する中央演算処理装置89CPと、通信回路網98に接続されて情報の授受を行う第12の通信手段である通信部89IFと、前記家電機器EEのアプリケーション・ソフトウェアを記憶し、また改善ソフトウェアを蓄積している改善ソフトウェア(対策プログラム)提供部89Sと、家電機器EEの使用者を特定する利用者特定用データベース(「使用者情報データベース」ともいう)89Uと、家電機器EEの製造業者(メーカ)が提供した技術情報を蓄積したメーカ側情報データベース89Mと、が設けられている。
前記情報サーバー89Aは、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているもので良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種情報通信端末機器87、各家庭等にあり情報通信機能を備えた前記統合管理装置9、あるはその他パーソナル・コンピュータ等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウェアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。なお、ウェブ・ブラウザは、「インターネットブラウザ」、又は「WWWブラウザ」ともいい、「World Wide Web」の利用に供するブラウザである。
前記利用者特定用データベース89Uには、加熱調理器2、空気調和機7等の家電機器EEや健康管理機器410、運動計測機器311A等の利用者からの、所謂ユーザー登録により受け付けた情報として例えば情報サーバー89AへのログインIDやパスワードなどの利用者固有情報、ルーターA99Aのネットワークアドレス(MACアドレス)などの設定情報、特定の家電機器EEのネットワークアドレスや種類、型名といった固有の情報(前記した「識別情報」を含む)が記憶されている。つまり、多数の家庭にある各前記家電機器EEの使用者情報を、検索可能な状態で蓄積する機能を備えている。
前記アプリケーションデータベース89Bには、居住空間HAの外部、例えば居住者の勤務先や外出先等の遠隔地から、統合管理装置9又は家電機器EEを遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。これにより、後述する情報通信端末機器87から情報サーバー89Aにアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記遠隔制御を実現することができる。
前記情報サーバー89Aには、家電機器EEの特定の機種モデルに対応して、家電機器EEの動作プログラムの内容を改善した「改善ソフトウェア」が保管してあり、それを統合管理装置9が広域通信回路網98を介して入手した場合、当該改善ソフトウェアは、統合管理装置9の入出力部124C(第2の通信部)を介して家電機器EE側へ提供される。なお、ここでいう「改善ソフトウェア」は、「対策ソフトウェア」ともいう。改善ソフトウェアは、1回作成されるだけではなく、必要に応じ、さらに改善したバージョン・アップ版が用意される場合がある。
この実施の形態1でいう情報通信端末機器87とは、使用者が気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の交換等を行える端末機器のことである。電話はできないが、インターネットで情報をダウンロードしたり、メールを送信したり、遠隔操作信号を発信できる機器は「携帯用通信機器」と呼び、これら「携帯電話端末器」と小型のパーソナル・コンピュータ等のような「携帯用通信機器」を総称して「情報通信端末機器」と呼んでいる。スマートフォンと呼ばれる高性能型の小型情報通信端末器もこの情報通信端末機器87の1種である。
本実施の形態1における情報通信端末機器87は、各家電機器EEの入出力部に数センチメートル程度接近させ(又は接触させても良い)、近距離通信で信号の授受をさせる機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)としてとして知られている無線通信の国際規格技術のことである。
このNFCの通信では、家電機器EE側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。例えば図27に示しているように誘導加熱調理器2では、当該NFCタグは、NFC用の通信制御IC(以下、「NFC制御回路」という)321と、この制御回路に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けると前記制御回路のための電力が発生するアンテナ322と、前記NFC制御回路に接続されているマイクロチップメモリー(以下、「NFC記憶部」320という)とから構成されている。他のキッチン内家電機器KPや空気清浄機141でも同様な構成を備えている。
一方、情報通信端末機器87側では、そのNFCタグを介して家電機器EEの1つである前記NFC記憶部320からデータを読み取る(ステータス情報を取得)こと、さらには、逆に情報通信端末機器87側から制御データ(制御コマンド)を前記家電機器(誘導加熱調理器2)のNFC記憶部320へ送り、誘導加熱調理器2の制御装置32が、前記NFC記憶部320に記憶された前記制御コマンドに従って制御動作することができる(このような形式のNFCタグを、「アクティブ・タグ」と呼ぶ場合がある)。誘導加熱調理器2以外の家電機器EEでも同様な構成を備えている。
この実施の形態1のNFCは、家電機器EEの内部記憶装置にある情報を、情報通信端末機器87側で読み出す機能(このような機能のNFCタグを、「単純タグ」と呼ぶ場合がある)だけではなく、家電機器EE側の動作も情報通信端末機器87からの制御コマンドによって起動できる機能まで保有している。言い換えると、情報通信端末機器87は、家電機器EEからの各種情報の読み出しだけではなく、NFC記憶部320への書き込み機能を有しており、リーダーとライターの2つの機能を保有している。
NFCの利点は、一般的には通信で交換できるデータの形式を制限しておらず、テキストデータは勿論、動画やXMLデータ等を交換できる点にあると言われている。
図2において、広域通信回路網98Bには、中継サーバー88、通信回路網98Aを介して情報通信端末機器87の基地局80が接続されており、情報通信端末機器87から基地局80を介して情報サーバー89AやルーターA99Aにアクセスすることができるようになっている。つまり、この家庭の居住者が所有している情報通信端末機器87を、図2に示すように離れた場所にある勤務先の施設79の中のように外出先から広域通信回路網98Aに接続すれば、情報サーバー89Aにアクセスすることができ、統合管理装置9又は電気機器EEの制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードすることにより、家庭から離れた施設79から遠隔制御することができる。但し、この実施の形態1においては、情報通信端末機器87から電気機器EEに対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。これは家電機器EEの中には、電熱調理器等のように高熱を発するもの(第2の特定家電機器SP2)もあるため、家屋の外から多くの人が利用する通信回路を経由して遠隔操作することは、安全面を考慮して採用していない。その代わり、全て統合管理装置9を経由した操作となるようにしている。
家屋の内部では、情報通信端末機器87はTV受像機75を操作できるように制限してある。遠隔制御の内容は後で詳しく説明する。また後述するNFC用無線入出力部182Bを介して、NFC通信機能を有する家電機器、例えば誘導加熱調理器2との間で情報を授受できるようになっている。
図3は、本実施形態1の電力制御システムが適用された統合管理装置9や健康管理機器等のハードウエアの構成例を示している。この図3において、9Aは、前記電力指令装置9の本体で、外形は箱形状をしている。この本体9Aの内部には、後述する電力制御部121、使用限度設定器96や、比較器92、優先順位設定手段95など、図22に示す電力指令装置9の構成要素が全て格納されている。但し、使用限度設定器96の表示盤100は、図3に示すように本体9Aから取り外し自在に構成してあり、装着時には本体9Aの前面に形成した凹部9Cの中に格納されるようになっている。100Aはその表示盤100の表示画面、109はTV受像機7に内蔵された記憶装置(大容量メモリー)で、例えばDVDや各種半導体メモリー、又はハードディスクドライブ装置(HDD)等である。また、表示盤100は、その前面中央部全体に表示部と操作部入力117(図6参照)とを有し、その表示部を形成する表示画面100Aの表面は、例えばタッチパネルからなっており、情報を表示する表示部としての機能と、画面に触れることにより使用者からの入力が行われる操作部としての機能とを有している。表示盤100の表示画面100Aには、電力使用情報が表示される。
図3において、75RはTV受像機75を操作するリモコン、410Aは前記健康管理機器410の一種である血圧測定器(以下、「血圧計」という)である。87は、小型のマイクロコンピューターを内蔵した高速デジタル通信のできる情報通信端末機器であり、通信回線を介して電話できることは勿論、電話会社等の通信サービス業者78Cが提供しているサーバーや前記情報サーバー89Aにそれぞれ接続でき、また他人との電子メール交換も可能であり、また各種の映像や音楽、コンテンツ、情報等をダウンロードすることもできる。この情報通信端末機器87は歩数計を内蔵しており、使用者がこの情報通信端末機器87を携帯して歩くことで、その歩数をカウントすることができる。またその歩数情報は内蔵された赤外線等の送信手段を介して前記統合管理装置9の健康管理処理部116にインプットすることができる。これについては後で詳しく述べる。
図3において、118は、前記統合管理装置9の本体9Aの前面で、凹部9Cの上部に設置した確認ボタンである。表示盤100を本体9Aから取り外した状態で、確認ボタンを押すと、本体9A側から所在確認信号が無線で発信され、これを受信した表示盤100の受信回路(図示せず)が起動し、電子ブザー(図示せず)にて特定の音を発するようになっており、仮に表示盤100の所在が居住空間HAの中で不明でも、前記確認ボタン118によって容易に探し出すことができる。
図3において、119Aは緊急遮断ボタンであり、緊急遮断ボタン119Aが押されると、ルーターA99A、ルーターB99B、統合管理装置9、照明器具76及び前記TV受像機75以外の全ての(使用中の)家電機器(キッチン内家電機器KPを含む)の電源を速やかに遮断できる。従って表示盤100が本体9Aに取り付けられていない場合に、TV受像機75などの電気機器で緊急地震情報等の発令を知り、直ぐに電気を切りたい場合に便利である。
表示盤100自体には、内部に充電池(図示せず)が内蔵されている。その充電池は、前記統合管理装置9の本体9A前面の凹部9C壁面に対応して、その本体9Aの内部に非接触充電装置(図示せず)が設置されているので、前記表示盤100を統合管理装置9の本体9A前面の凹部9Cに挿入して保持させておけば、その状態で充電が自動的に行われる。
119Bは、使用限度設定器96の表示画面(表示盤)100側に設けた緊急遮断ボタンであり、前記緊急遮断ボタン119Aと同じ機能を有し、これを押すと、統合管理装置9、照明器具及び前記TV受像機75以外の全ての(使用中の)家電機器(キッチン内指令機器KPを含む)の電源を速やかに遮断できる。
図4及び図5は、前記TV受像機75と統合管理装置9の内部構成を示すブロック図である。
TV受像機75は、ROM(Read Only Memory)75Aと、RAM(Random Access Memory)75Bと、画像処理部75Cと、液晶表示画面75Dと、マイクロコンピューターで構成されたシステム制御部75Eと、商用電源EPに前記ブレーカーBKを介して接続された電源供給部75Gと、4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mと、これら入出力機能デバイスと電源供給部75Gとの間へ介挿される電力制御用半導体素子の1種としての、パワーFET(Field Effect Transistor)75Sと、外部ネットワーク通信デバイス75N、とで構成されている。
前記システム制御部75Eは、前記ROM75AとRAM75Bに格納された制御プログラムに従って、TV受像機各部分の信号処理演算及び前記した4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの制御を行う。
前記4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mについて説明する。
75Jは、前記室外アンテナ77から地上波、衛星波等の放送波を受信するチューナー・デバイスである。75Kはビデオ再生・録画のためのビデオ・デバイスである。
75Lは、LAN接続した機器からの情報を処理するLAN接続デバイスである。75Mは、パーソナル・コンピュータ(以下「パソコン」という)が接続されるPC接続デバイスである。なお、この他の種類の入出力機能デバイスをさらに設けても良い。例えばSDカード等の半導体記録媒体であるカード型メモリーが使用される場合に備えて、カードデバイスを設けても良い。
前述したように、電源供給部75Gの出力端子と4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの各電源入力端子との間に、パワーFET75Sがそれぞれ挿入されている。そして、パワーFET75SのON・OFF制御をシステム制御部75Eの出力信号で制御する構成となっている。前記4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの各電源を使用者が任意に遮断できるようになっている。具体的にはTV受像機75の特定部分に、各入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mを個別に電源遮断できる選択スイッチ(図示せず)を設けるか、又は液晶表示画面75Dに、いわゆるオンスクリーン・スイッチを設けて、前記したリモコン75Rで選択できるようになっている。
前記外部ネットワーク通信デバイス75Nと電源供給部75Gとの間には、前記したパワーFET75Sは介在していない。つまり、システム制御部75Eが、使用者の操作によって前記外部ネットワーク通信デバイス75Nの電源供給を任意に遮断できないよう制御しており、TV受像機75の主電源が入れられている場合は、仮に液晶表示画面75Dが駆動されずに、何も映像が表示されない状態においても常にTV受像機75は前記外部ネットワーク通信デバイス75Nによって、家屋の外部にある広域通信回路網98を介して外部機関78Bに接続されていることになる。
これにより外部機関78Bから緊急的な情報、例えば夏場の日中において、この家庭の総電力量を早急に削減(ピークカット)して欲しいという要請情報がTV受像機75に届いた場合、あるいは緊急地震情報が気象庁や居住地域を担当する地域の防災センターや地震警報センター等から届いた場合等に、それら情報をこの居住空間HMにいる居住者が早期に知ることができる。なお、TV受像機75を視聴していない場合であっても、緊急遮断情報が発信された場合、当該情報で起動され、情報を報知するようにしたTV受像機は従来から色々提案されているので、ここでは具体的な説明を省略する。
前記した4つの入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mのように、入出力信号の機能毎に、最新のデジタル信号処理技術や半導体技術を適用して専用回路がLSIで構成されるようにして、高機能でありながらも比較的安価にTV受像機75を構成できるようにしているが、高機能を搭載したLSIを多用しているため、TV受像機75が消費する電力も大きくなるという懸念がある。そこで、この実施の形態1においては、使用者がTV受像機75に搭載された入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mを常にすべて使用することはないとの観点から、使用せずに電力供給が不要な入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの電源をOFFにすることができるようにしている。つまり使用者が各入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの電源供給のON/OFF制御を行うことができるため、使用者で積極的な消費電力削減が可能となる。その電源ON/OFF制御をするために前記パワーFET75Sを各入出力機能デバイス75J、75K、75L、75Mの電源回路に挿入している。
この構成であるから、電力指令装置9の電力関連情報、例えばその時点における家庭内の総電力使用量や、外部から電力削減要請を受けていることを示す情報等を、前記電力指令装置9の表示画面部(表示盤)100で表示するのではなく、家族が集まっている居間等にあるTV受像器7で表示させる場合も、TV受像機7ではチューナー・デバイス75Jやビデオ・デバイス75K等の入出力機能デバイスへの電源はOFFにしたままで良い。このためTV受像機75を電力制御に利用する場合でもTV受像機75の消費電力を最小限度に抑制できるという利点がある。
図4及び図5において、124Aは、TV受像機75のPC接続デバイス75Mに電力制御装置9を接続する入出力部(第5の通信部)、125は電力指令装置9のホストコンピュータ機能を有する制御部であり、電力指令装置9の電力制御部121(その他、図22に示す比較器92、優先順位設定手段95など各構成要素)を集中的に制御し、家電機器に対して、電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令する。
図4及び図5において、149は記憶装置であり、電力制御のための後述する2つの半導体メモリー95A、96Aを含んだものであり、後述する電力制御部121関係の情報と健康管理情報、運動管理情報は、それぞれ固有のアドレスで別々の記憶エリアに記憶されている。なお、記憶装置149の中には、図22に示すように、加熱調理器2から送信された異常監視データや、後述する異常判定手段133の異常判定結果を示すデータ等を保存する異常記憶手段134も内蔵している。
前記記憶装置149は、各種のRAM(ランダム・アクセス・メモリー)や、ハードディスクでも良い。また、USBメモリー、CD、DVD、光カードなどでも良く、電源を切った場合でも記憶内容が保持される不揮発性のものであれば、他の方式のメモリーでも良い。前記メモリー96Aには、ブレーカーBKに設定された電力上限値の情報や、各種家電機器EEの消費電力量を制限するための電力量上限値のデータ、さらには居住者毎に設定された電力上限値等の情報が、それぞれ記憶されている。
図6において、124Bは、前記ルーターA99Aから通信を受け取り、またそのルーター99Aを介して広域通信回路網98Aに電力指令装置9からの情報を発信する入出力部(第3の通信部)である。この第3の通信部については、あとで詳しく述べる。
図5、図6において、202は、前記温度・湿度センサー204、205,206で測定された温度や湿度の情報を受け取る環境検知部である。203は人感知センサー207、208の人感知情報を受け取る人感知部である。なお、図示していないが、前記した各居住区間HA1、HA2には、その空間における塵埃飛散度を検知するセンサーと、花粉飛散量のセンサーと、光量(可視光線量)を検知する照度センサーと、騒音センサーとを、それぞれ設置しており、それら各種環境センサーの検知情報を前記環境検知部202が受け取る構成になっている。
前記照度センサーは、居住空間が明るいか暗いかを見分けるためのものであり、例えば前記人感知部203がある居住空間に人がいないと判断している状況で、照度センサーが明るい状態であることを示している場合、居住者が照明器具76を点灯したままの状態であることを忘れている可能性が考えられる。そこでこのような場合は、電力指令装置9の制御部125は、その時点での総電力使用量が使用限度設定器96で設定された上限値よりも十分に余裕のある少ない量であったとしても、電気エネルギーの無駄を無くすという観点から照明器具76の消灯を使用者に(表示盤100やTV受像機75の表示画面75Dを通じて)勧告する。その後、電力指令装置9の制御部125は消灯指令信号を当該照明器具に発する(但し、当該照明器具を電力指令装置9の電力削減対象機器になるように、接続しておくことが必要)。
図6において、10は在宅検知手段(在宅検知部ともいう)であり、前記人感知部203からの人の存在を検知しているかどうかの検知信号を受ける構成になっている。
また居住空間HAの共通した出入口である玄関(図示せず)の外側には、電気錠19が設置されており、その電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)に基づいて、居住者が帰宅したことを検知する個人認証手段29を備えている。この個人認証装置29では居住者からのパスワードの入力に基づいて、居住者であるかどうかを判定するが、その判定結果を前記在宅検知手段10に送信する構成になっている。
玄関のドアを電子的にロックしている前記電子錠と個人認証手段については、既に多くの構成例が提案されているので詳しく説明しないが、本実施の形態1においては、各居住者A〜Dの4名にそれぞれ固有のパスワードが割り当てられている。例えば、全ての居住者には「4桁の(共通の)数字の後に数字2文字」というルールでパスワードを決めるように指示されている。居住者Aのパスワードは「123401」、居住者Bのパスワードは「123402」、居住者Aのパスワードは「123403」となっている。なお、このパスワードは、玄関ドアの電子錠の所に設置してある10個の入力キー(テン・キー)で入力する。
図6において、121は、電力指令装置9において家電機器EEの電力制御機能を集中して行う電力制御部であり、この内部構成は、図22を参照しながら後で述べる。
124Fと124Rは、表示盤100と電力指令装置本体9Aとの間の信号授受を行う一対の入出力部である。124Fは、第13の通信部、124Rは第14の通信部ともいう。
図6において、124Cは、家電機器EEの各使用電力制御手段8A〜8Eと個々に無線通信を行うための入出力部(第2の通信部)である。なお、家電機器EEの各使用電力制御手段8A〜8Eが、第1の通信部を構成するものである。
140は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路(以下、「計時部」という)であり、商用電源又は電池(図示せず)から常に電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものであり、電力指令装置9の製造段階又は設置段階で正しい日時にセットされている。従って、電力指令装置9の色々な動作(開始と終了のそれぞれ)を事前に所定の日時に予約設定することができる。後述する異常記憶手段134の中に事前に記憶させておいた「異常判定のための判定基準データ」は、1日1回、例えば深夜に情報サーバー89Aからの最新情報に書き換えられるが、これは、後述する制御部125の中の動作プログラムに、前記計時部140の日時データに基づく自動更新機能を入れてあるからである。それによって毎日夜中の12時に電力指令装置9は自動的に情報サーバー89Aにアクセスし、メーカ側情報データベース89Mの中に蓄積された最新の「異常判定基準データ」や「異常時対応助言情報」等の有益な情報を取得して異常記憶手段134の中の古いデータと入れ替え、常に最新の情報を保存する動作が自動的に実行される。
前記異常記憶手段134に記憶させてある各種異常判定基準データや注意情報等の自動更新は、前記したように。所定期間毎に更新する方法の他に、例えば誘導加熱調理器2から異常監視データを受信した都度に実行するようにしても良い。誘導加熱調理器2から異常監視データを受信して、異常判定手段133で異常の有無を判定することに備えて、最新データに更新しておけば、常に最新情報に基づき的確な異常判定を行うことができる。
家電機器EEの「識別情報」には、「製品の製造日」や製造年月から起算した「経過年数」の情報を含めても良いと述べたが、前記計時部140があることによって、家電機器の経過年数や日数の情報も自動的に計算され、表示画面100Aや誘導加熱調理器2の表示部129等に適時表示されることも可能になっている。なお、そのような自動計算機能を発揮させるためには、家電機器EEの設置時に、当該家電機器の製造年月等の固有情報を統合管理装置9にインプットする必要がある。この統合管理装置9には後述する第4の通信部427(図19参照)があるので、家電機器の製造年月等の固有情報を、情報通信端末機器87やその他情報処理端末器経由で、統合管理装置9にインプットする作業を容易に行える。
居住者が、前記パスワード入力して居住空間HAの中に入った後、玄関から逆に外に出る際には、パスワード入力は必要ないが、前記人検知部203が、所定の時間(例えば30分間)に亘って全ての居住空間HAから人の存在を検知できない場合は、在宅検知手段10が、全ての居住者が外出しているものと判断し、それまでに入力した全ての居住者のパスワード入力記録を取り消し、在宅状態から留守状態へ検知情報を変更する。このため、この後で居住者が帰宅した場合は、再度パスワード入力が必要となる。
玄関から外出する際に、各居住者が外出することを前記個人認証装置にインプットするようにすれば、更に在宅状態の検知は正確になる。また前記したように、パスワードの入力を省略するため、生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段に変えたり、居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で個人認証装置に直接読み込ませたりするという方法でも良いが、詳しい説明は省略する。
図6において、427は、NFCのための無線入出力部やその他通信方式等による無線入出力部(第4の通信部)である。この中の1つにはNFC用の無線入出力部427Dがある(図19参照)。この無線入出力部427Dは、前記情報通信端末機器87の無線通信部(「無線入出力部」ともいう。図示せず)が所定の距離(約10センチメートル)まで接近した場合に、情報の授受が行える通信確立状態となり(1つの通信セッションの開始となる)、情報の授受が行えるための入出力部となる。なお、この無線入出力部427Dは、統合管理装置9における表示盤100の(使用限度設定器96の)操作入力部117の外周近傍に、常時「NFC」の文字を表示し、設置位置が明確になるように設けてある(図19参照)。
図7は、図1〜図5の統合管理装置9の主要部分の構成を一部縦断面図で示すブロック図である。
図7において、9Aは前記した前記統合管理装置9の本体。148Aは、凹部9Cの中の上部と下部にそれぞれ2個以上形成した凸部、148Bは、その凸部148Aと対向する位置にそれぞれ設けた凹部であり、前記表示盤100が凹部9Cの中の所定位置に挿入されると、これら凸部148Aと凹部148Bが嵌り合い、表示盤100を簡単には抜けないように保持される。またこの凸部148Aと凹部148Bが嵌り合ったことは、凸部148Aと凹部148Bに設けた感知スイッチ(例えば磁石と、その磁力を感知して信号が出るスイッチの組み合わせ)によって、前記制御部125によって検知される。
前記制御部125は、表示盤100の表示画面100Aにて表示すべき表示信号と、表示盤100に内蔵した音声ガイド装置(図示せず)に対する音声指令信号を、それぞれ無線によって表示盤100側へ出しているので、表示盤100が前記統合管理装置9の本体から離れたとしても、居住空間HMの内部であれば、十分に表示信号と音声指令信号が到達する。また逆に表示盤100側からも入力信号が無線で統合管理装置9の本体側へ送信され、その信号は前記制御部125によって認識される。これら無線信号の授受は、図6に示した一対の入出力部124F(第13の通信部)と、124R(第14の通信部)を介して行われる。なお、図6及び図7に示すように、この統合管理装置9の本体9Aに対して、電力会社等の外部機関78Aから広域通信回路網98と前記ルーター99Aを介して当該家屋のある地域の電力使用状態、特に電力が逼迫している情報等が提供される。つまり、統合管理装置9の本体9Aは、電力会社やその他公共機関からの電力削減要請の信号等を自動的に受信できるようになっている。
図8及び図9は、統合管理装置9の健康管理処理部116と各種の健康管理機器410の構成を示すブロック図である。図8及び図9において、126は、前記健康管理処理部116に対して使用者が各種情報や指令を入力する操作部である。例えば、後述する健康管理機器の計測データを読み込ませる場面では、図19に示すように表示画面100Aにオンスクリーン・スイッチ(後述する「アイコン」と同じ)を表示し、このオンスクリーン・スイッチを選択することで入力操作を行えるようにしている。つまり、前記表示画面100Aは、電力制御装置9の使用限度設定器96の操作入力部117のように、使用者が前記健康管理処理部116に対して、各種情報や指令を入力するために使用できる。なお、オンスクリーン・スイッチは、表示画面に使用者が触れることで入力ができる、例えば静電容量検知型のタッチ式のキーに代えても良い。
図8及び図9において127は、後述する健康管理機器410の計測データを処理するデータ処理部であり、被測定者別にメモリー(RAM)139に記憶し、またメモリー139から読み出した計測データを処理して所定値以上の計測値がある場合には、注意情報などを付加し、またその計測データを、表やグラフ等の図形変換用信号にする。ROM138には計測データの処理形式や統計のための計算プログラム等の処理プログラムが格納されている。
データ処理部127では、図13に示すように、使用された健康管理機器を特定するコードや、計測した計測データの種類(例えば血圧)、被測定者を特定する情報、測定日時、計測値、異常有無等の情報がマトリックス状のデータになるように処理し、メモリー139に一時的に保存し、また統合管理装置9の記憶装置149にも計測データを移して記憶させておける。
データ処理部127において、例えば血圧計のデータの場合は、正常域を135〜85mmHgと規定しておき、この範囲を超えた血圧データが健康管理機器410側から提供された場合は、そのデータに注意情報(注意コード)を付帯情報として付ける方法であるが、健康管理機器410側で同様に使用者が正常域や正常値を設定しておき、それを超えた場合又はそれ以下である場合には、健康管理機器410側から何らかの付帯情報を付けてデータ処理部127に送信しても良い。これらは事前にデータ処理部127と健康管理機器側のデータ処理の方法を統一しておけば良いので詳しい説明は省略する。
136は、統合管理装置9本体9Aとの入出力部、137は健康管理機器の計測データを受信する情報受信部である。図8において、健康管理機器は、例えば血圧計410A、心電計410B、心拍数計410C、体温計410D、体重計410E、体脂肪計410F、尿検査機器410Gの7つの計測機器からなっており、各計測機器410A〜410Gにより以下の7つの計測データを測定するものである。
図8の410Bは心電計である。心電図は心臓の電気的な活動の様子をグラフの形に記録することで、心疾患の診断と治療に役立てることができ、医療機関等の日常診療で広く利用されている。この心電計にも測定結果をグラフで表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
図8の410Cは心拍数計である。心拍数は、一定の時間内に心臓が拍動する回数をいう。通常は1分間の拍動の数をいう。心臓が血液を送り出す際に、動脈に脈拍が生じるので、この回数を数えると脈拍数あるいは単に脈拍と呼ぶ場合がある。前記血圧計で同時に測定できるので、実際には血圧計と一体構造になっている場合が多い。またこの心拍数計にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
図8の410Dは体温計である。この体温計にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
410Eは体重計である。この体重計にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
図8の410Fは体脂肪計である。この体脂肪計にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。なお、体脂肪計は、人体に占める脂肪の割合(体脂率)を測定する計器であり、体内の脂肪の量(あるいは体重にしめる脂肪の比率)を測定する機器であり、脂肪とそれ以外の人体構成成分ではインピーダンスが異なることを用いた測定法で手軽に体脂肪率を測ることができるものが市場に提供されているなお、人体のインピーダンスを求めるための電極板に体重を検知する素子を取り付けて体重も同時に測定できるようにしたものも知られている。なお、またこの体脂肪計にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
図8の410Gは、尿検査機器である。一般に尿検査では、大きく、色や比重など尿をそのまま調べる尿検査法と尿中の成分を調べる方法があるが、この実施の形態1においては、尿の成分検査の内、酸性であるかアルカリ性であるかどうかを測定する。尿が酸性・アルカリ性のどちらに偏っていてもよくないと言われているためである。なお、食生活で、野菜不足の人の尿は酸性になりやすいと言われているが、本発明によれば、このような健康管理情報を家庭で調理する主婦等が統合管理装置9を通じて知ることができる。なお、この尿検査機器410Gは、例えばトイレの便器に予め一体に組み込んでおくと便利である。なお、またこの尿検査機器にも測定結果を数字で表示する液晶表示部などの表示部が備えられている。
健康管理機器410は、前記7つの計測機器410A〜410G以外の計測機器を利用しても良い。各機器は複数のものが合体し、複合機能を有する形態であっても良い。なお、この尿検査機器410Gは前記したようにトイレの便器に取り付けられているため、血圧計410Aのように使用者が自由に持ち運びできないので、計測データを統合管理装置9の表示盤100に内蔵された健康管理処理部116に向けて無線で伝送する発信部(図示せず)を内蔵している。なお、健康管理機器410にも、前記情報通信端末機器87のように、NFC機能を設けることにより、統合管理装置9の表示盤100に内蔵された健康管理処理部116に近距離通信で計測データを伝送するようにしても良い。
図9において、運動計測機器311は、室内ランニングマシン311Aと、走行カロリー消費計測器311Bの2つから構成されている。室内ランニングマシン311Aは、居住空間HMに置かれてあり、被測定者(使用者)がランニングした時間と、被測定者の体重との積によって計算されるようになっている。例えば体重65kgの人が毎分120mの速度で1時間ジョギングした場合は、約480キロ・カロリーを運動によって消費すると言われているので、このようなカロリー消費計算プログラムが内蔵されており、体重データを被測定者が入力して運動開始すると、運動終了後に自動的に消費カロリーを算出するものである。
走行カロリー消費計測器311Bも、室内ランニングマシン311Aと同様の原理を使って被測定者の消費カロリーを算出する。なお、体重測定機能を有している場合には、被測定者が体重の数値をインプットしなくとも自動的にカロリーを計算できる。なお、これら室内ランニングマシン311Aと、走行カロリー消費計測器311Bにも、運動した結果で消費したカロリーを数字で表示する液晶表示部などの表示部がそれぞれ備えられている。
図9において、312は(手動式の)電気掃除機であり、この掃除機には本来の吸塵機能の他に、移動計測機能があり、結果的に消費カロリーを算出できるようになっている。
前記掃除機312の本体の内部には、掃除機の前方への移動量と、後方への移動量を積算する移動量計測計(図示せず)と、この計測計による移動距離と前記掃除機本体の重量との情報に基づいて運動によって消費されるカロリーを算出する演算部(図示せず)と、がそれぞれ内蔵されている。
前記移動量計測計は、掃除をする使用者の、掃除動作に伴う消費カロリーを算出するものである。
掃除機の本体の内部には、前記演算部で算出した消費カロリーのデータを、前記統合管理装置9の健康管理処理部116に対し、自動的に無線で送信する機能がある。
図10は、健康管理機器410の代表例として血圧計410Aの構成を示したブロック図である。図10において、154は血圧の測定部、155は測定された血圧を数字等で表示する表示部、156は血圧の測定開始等を指令する操作部で、被測定者を特定できるように、測定前に被測定者の健康管理用識別データ(例えば3桁の数字)をインプットする入力キー(図示せず)を備えている。血圧計410Aは、使用者の手首や腕等に計測帯を巻いたり、計測筒の中に腕を挿入したりして動脈の血圧を測るものであって、前記測定部154と操作部156に加え、時計回路147、表示部155、メモリー213、制御部220、発信部314A、受信部314Bを有している。
前記メモリー213は、電源を切った場合でも記憶内容が消えないタイプの半導体メモリーである。前記発信部314Aは、例えば赤外線信号や特定小電力無線信号等によって外部に対して、前記メモリー213内部に蓄積した血圧測定データを送信するものである。また前記制御部220は、前記測定部154で測定された血圧データに、前記健康管理用識別データ(コード)と、時計回路147から送られた血圧測定日時のデータとをセットにしてメモリー213に記録するものである。
血圧とは、心臓の収縮期と拡張期の血圧をいい、それぞれ収縮期血圧(または最高血圧)、拡張期血圧(または最低血圧)と呼ぶ。そして測定結果は、140mmHg(水銀柱ミリメートル)のように表示される。なお、単位の「mmHg」を省略し、最高血圧値と最低血圧値を同時に表示し、140−80のように表示するものでも良い。また血圧の測定結果を数字で表示する液晶表示画面などの表示部155が備えられている。
健康管理機器410の代表例として血圧計410Aの構成を説明したが、前記した心電計410B、心拍数計410C、体温計410D、体重計410E、体脂肪計410F、尿検査機器410Gも基本的な構成は同じである。なお、これら各種健康管理機器の測定データをUSBコードやUSBメモリー、SDカードなどのような相互接続性の良い接続手段や記録カードで外部に情報を伝達するようにしても良い。図19に示した表示画面100Aでは、健康管理計測データの新規データ登録を行う場合、赤外線入出部427Aと、USBメモリー入出力指示部427Bと、無線で測定データを読み込める入出部427Cがあり、またNFC用無線入出力部427Dが表示画面100Aの外側(右下)部分にあるので、これらのインターフェース手段を介して情報授受できることを示している。つまり、健康管理機器410の計測データを、統合管理装置9の内部にある健康管理処理部116に読み込ませる場面では、前記した操作入力部117を表示盤100の画面100Aに接近させて交信させることができる。なお、前記したように、健康管理機器410自体にNFC通信機能があれば、前記したNFC用無線入出力部427によっても血圧値等の計測データを制御部125経由で健康管理処理部116に読み込ませることができる。
図11は、TV受像機75の画面例とリモコンの概要図である。図11において、TV受像機75にはテレビ用ポータルサイトが表示された状態であって、リモコン75Rに設けられた特定の電源ON用ボタンを1回押圧すると、TV受像機75が起動され、システム制御部75Eは液晶表示画面75DにTV用ポータルサイトを表示する。ここで、TV用ポータルサイトとは、主にインターネットへの接続機能を持ったTV向けに様々なサービスを提供することを目的としたポータルサイトのことをいう。
図11に示したように、TV用ポータルサイトには、例えば「ニュース」、「天気予報」、「交通情報」、「地震・津波情報」などの略方形の枠で囲まれたアイコン(オンスクリーン型の入力スイッチ)411によるポータルサイトのメニューが表示される。また、別のアイコンとして、「健康管理情報」と表示された特別アイコン412と、「電気エネルギー管理」と表示された特別アイコン413と、「すまいの環境情報」と表示された特別アイコン419が、それぞれ表示されている。これら3つの特別アイコンは、他の通常のアイコンよりも特別に目立つように大きく、また目立つ色で表示しても良い。なお、ここでいうアイコンとは、表示画面上に表示され、特定の機能の選択が行われるものであり、図形だけではなく、文字でその特定機能を表現している場合も含む。また図12の例のように、「健康管理情報」というように、文字で目的・機能を表示しただけの入力表示部(「タブ」又は「見出し」と呼ばれる場合もある)417、418,419もアイコンに含むものとする。
図11に示したように、TV受像機75の液晶表示画面75Dに「電気エネルギー管理」と表示された特別アイコン413方向に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、図11に示すように、リモコン75Rが赤外線信号を発信し、それをTV受像機75が検知して「電気エネルギー管理」の画面を選択したことになるので、液晶表示画面75Dには「電気エネルギー管理」と表示された専用の画面が表示される。なお、リモコンからの赤外線信号が特定のアイコンのみに照射されて入力信号が発生するのではなく、リモコンで特定のアイコンを選択した上で、リモコンが赤外線信号を発したことが検知され、その選択されていたアイコンが選択されたことになる。このようなアイコン自体は周知であるので、詳しい動作原理の説明は省略する。
一方、液晶表示画面75Dに「健康管理情報」と表示された特別アイコン412に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、図12に示す液晶表示画面75Dには、「健康管理情報」と表示された専用の画面が表示される。そこでさらにリモコン75Rを操作すると、図12に示したような健康管理情報412の一種として、被測定者のある日時の血圧測定データが表示される。被測定者が事前に設定した目標範囲を超えていた場合、あるいは最高血圧値が135mmHgを超過し、又は最低血圧値が85mmHgを下回った場合には、注意喚起のために、血圧を改善するためのアドバイスや注意文が同時に表示される。この注意文やアドバイスは、健康管理処理部116のROM138に事前に格納されている場合と、健康管理機器410側のメモリー213に事前に格納されている場合の何れでも良い。なお、前記情報通信端末機器87で外部の医療専門機関の参考情報などを入手し、情報通信端末機器87から電力制御装置9に向けて広域通信回路網98Aを経由して情報を伝え、その情報を健康管理処理部116に格納し、当該情報を必要な都度読み出すように設定しておいても良い。
さらに、リモコン75Rを操作すると、図13に示したように、特定の期間中に測定した居住者全員(居住者は、被測定者AとBの2名以外にも2名居るが、図13では2名分だけ表示)の測定結果が一覧表形式で液晶表示画面75Dに表示される。なお、ここで被測定者Aとは後述する居住者Aのことをいい、被測定者Bとは後述する居住者Bのことをいう。
図13において、LS1は、健康管理機器410を特定するための機器コードを表示した欄、LS2は、測定の種類を示す欄、LS3は被測定者を特定する欄であり、アルファベットや数字、あるいは愛称など被測定者が特定できればどういう形式でも良い。LS4は健康管理機器で代謝データを測定した日時の欄、LS5とLS6は計測値の欄であり、これは代謝データの種類によっては1つ又は3つ以上になる場合がある。LS7は、測定データが正常範囲を超えるような異常値、あるいは異常値に近い注意段階にある場合、それに応じて所定記号が付けられる欄である。
図13に示しているように、計測結果で異常範囲にある場合には、「異常有無」の欄(LS7)に「E」という記号の注意データが示される。この記号が付された情報は、以下「注意データ」と呼ぶ。なお、リモコン75Rを操作して特定の被測定者だけの計測データを表示させることも可能である。健康管理情報412は、例えば計測データを含むこれらLS1〜LS7に示す情報を意味する。
一方、図12に示した液晶表示画面75Dに「すまいの環境情報」と表示された特別アイコン419側に向けて、リモコン75Rの特定のボタン(入力決定ボタン)を押すと、液晶表示画面75Dには、図14に示したような環境情報専用の画面が表示される。
図17、図18では、TV受像機75のリモコン75Rで、各種アイコン411、414、417,418等の選択を行っているが、家屋の中では、前記情報通信端末機器87でも行えるようになる。情報通信端末機器87から基地局80を介して情報サーバー89Aにアクセスすることができるようになっているから、前記情報サーバー89AにあるTV受像機75の制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードすれば、居住空間(家屋)の内部においてTV受像機75の制御に使用することができる。また前述したように、この実施の形態1においては、外出先等から情報通信端末機器87によって家電機器EEに対する直接的な遠隔操作はできないようにしてあるが、家屋の内部では、TV受像機75以外の他の家電機器EEとして、誘導加熱調理器2や空気清浄機141の操作をできる。そのため、それら各家電機器EEの入出力部に情報通信端末機器87を接近させ(接触させても良い)、近距離無線通信(NFC)で情報、指令信号の授受をさせることができる。
図14において、470は、居間の環境情報を表示するエリア、471は、キッチンの環境情報を表示するエリア、472は、寝室の環境情報を表示するエリア、473は、浴室の環境情報を表示するエリアであり、このすまいの環境情報の表示画面を表示した際に、TV受像機75のシステム制御部75Eによって仮想的に形成される。仮想的とはエリア個々が物理的に独立したものではなく、システム制御部75Eの制御プログラムによって液晶表示画面75Dの画像表示エリアが、区分けされた状態をいう。なお、各表示用エリア470〜473には、対応する居住空間の名称が「居間」、「キッチン」等の文字で表示される。
図14において、474は、室内の気温または湿度の少なくも何れか一方を文字で表示した温度・湿度表示部、475は、居住空間が使用者の予め定めた室温と気温の範囲にある場合に現れる快適マークで、星型マークの3つが最高、2つが中程度の快適、1つは3段階の快適度の内の最も低い場合を示す。このマークに代えて文字で表示しても良い。このマーク475は快適性を示す情報の一種である。なお、この快適度は、使用者が何時での変更可能であり、例えば冬と夏、あるいは居住している地方の実情に合せて居住者が自由に決めることができる。なお、初期設定では気温26℃、湿度50%未満に快適(3段階)の範囲のデフォルト値が設定してある。
476は、前記快適条件を外れるような気温と湿度であって、不快状態又はそれに近い状態にある場合に表示される注意マーク(表示情報)である。三角形のマーク1つは、「やや不快」、三角形のマーク2つは「不快」を意味する。このマーク476も快適性を示す情報の一種である。なお、日本では、気温と湿度で算出する不快指数を用いる場合がある。例えば、気温29℃、湿度70%で不快指数80である。この不快指数が75を越えると人口の10%が不快に感じ、80を越えると全員が不快になると言われているが、注意マーク476を1つ表示する場合は不快指数75未満、2つ表示する場合は不快指数75以上、と定義して表示させるようにしても良い。
前記三角形のマーク476が1つの場合は、「やや不快」、2つの場合は「不快マーク」であるとしているが、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合、不快指数は80を超え、室内に居ても熱中症になる危険性がある。特に、熱中症の発症現場を見ると、65歳以上の男性、女性とも室内が圧倒的に多いということが分かっている(参考文献:日本の環境省の「熱中症環境保健マニュアル」:2011年5月改訂版)。
そこで、環境検知部202は、気温29℃で、湿度70%になった時点で「第1次警報」レベルの信号を前記制御部125に送り、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で「第2次警報」レベルの信号を制御部125に対して送る。制御部125は、人検知部203が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第1次警報」を出された場合は、以下に示す「第1次警報」を出すための処理を行う。
対策1:統合管理装置9の表示盤100の表示画面100Aで警報出す。
対策2:TV受像機75を視聴している状態であれば、その表示画面75Dに文字で警報出す。
前記対策1、対策2の動作指令を出してから5分以内に、気温29℃未満か、湿度70%未満に改善されない場合は、当該居住空間にいる人が暑さを体感していない場合も想定されるので、この場合は、制御部125は次に示す「第2次警報」を出すための処理をする。
対策3:当該居住空間にある環境改善機器の内、冷房能力(気温上昇抑制効果)のある空気調和機7を強制的に運転開始する(例えば、その時の室内目標温度は27℃)。
この実施の形態1で、空気調和機7が居住空間にある場合とは、居住空間の内部に装置自体があることは勿論含む。また居住空間の外部に装置自体があっても良いが、処理された空気が居住空間内へ供給される場合も含むものである。空気調和機7が居住空間に無い場合又は電源コードのプラグが接続口から抜かれている等、運転不能であることが分かった場合は、他の環境改善機器(後述するが、例えば換気装置や空気清浄機等)を運転開始する。
熱中症を防止するために室内の空気を対流させることも効果があることは知られている。そこで本発明の実施の形態では、居住空間の外にいる居住者(例えば、居住者AやB)に対して、環境状態が健康上で危険であることを報知する。具体的には報知情報は、統合管理装置9の入出力部124B(第3の通信部。図6参照)からルーター99Aを介して屋外の広域通信回路網(通信ネットワーク)98に通信で送られ、居住者Bの情報通信端末機器87に届くようにする。居住者Bが遠隔操作で電力制御装置9を経由して空気調和機7の運転を行うようにするが、これが出来ない場合には、近親者や介護ヘルパー派遣事務所などに連絡して直接居住空間に出向いて貰うこともできる(この場合、玄関の電子錠の開錠方法は、居住者Bがその訪問者に伝える)。
前記制御部125は、前記第2次警報信号を受けてから所定時間内に気温と湿度が第1の所定値未満の状態に改善しない場合、居住空間の外にいる居住者に対して、環境状態が危険であることを報知する。この構成であるから、環境改善機器の使用に不慣れな高齢者や子供が1人で部屋にいる場合でも、その環境を前記検知部202が見守り、屋内居住空間での安全性を高めることが期待できる。
また、環境検知部202は、「第1次警報」を出したかどうかに関係なく、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で直ちに「第2次警報」を制御部125に対して出す。制御部125は、人検知部203が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第2次警報」を出された場合は、前記した対策3の処理を指令する。対策3を指令してから以後1分経過毎に環境検知部202は、当該警報を出した居住空間の最新環境条件を計測して監視する。
図14と図15において、上記のように強制的に運転開始された空気調和機7等の環境改善機器)SP1は、居住空間の環境条件が、居住者の定めた所定の条件になった場合には、制御部125が前記使用限度設定器96に指令を出し、環境改善機器SP1の運転を自動停止させる。あるいは環境改善機器の運転を30分継続したら、自動停止させることでも良い。必要以上に運転すると省エネの観点から好ましくないからである。
図14において、477は、前記注意マーク476の近傍に文字で暑さ又は寒さを表示する寒暖表示部である。図14では、寝室と浴室には、それぞれこの寒暖表示部として「暑い」と表示されている。
478は、前記統合管理装置9の人検知部203によって人がいないと判定された場合に表示される不在マーク(不在表示情報)である。図14では、寝室と浴室には誰も居ないことがこの液晶表示画面75Dによって容易に分かる。
図14において、479は、居住空間の空気に影響を与え、快適性を維持・改善できる機能を備えた家電機器EE、例えば空気調和機7や、空気清浄機141、換気装置(図示せず)等の運転状況を示す第1の特定電気機器(環境改善機器)SP1の運転表示部である。
空気清浄機141の内部構造は図示していないが、一般的に、吸気口と排気口を備えた箱状の本体と、この本体の内部に設置され、前記吸気口から室内の空気を吸引し、前記排気口から排出する電動送風機(電動ファン)と、前記吸気口から排気口に至る通風路を横切るように設置された塵埃除去用のフィルターとから構成されている。通風路を通過する空気に、マイナスイオンを放出したり、水の粒子から作られ、カビ菌やアレル物質、臭いの抑制に効果があると言われる微粒子イオンを放出したりする機能を備えたものなら、さらに好適である。また、換気装置は、キッチンの誘導加熱調理器2の真上の位置に設置されるフード付換気扇が代表的なものである。
480は、居住空間が快適性高く、室内の運動に適しているかどうかを文字で表示する運動注意マーク(運動注意表示情報)である。このマークは全ての居住空間の表示エリア470〜473に表示させても良いが、少なくとも居住空間に前記統合管理装置9の健康管理処理部116に無線又は有線で情報を送信した健康計測機器、例えば前記室内運動計測機器311A、311Bがある場合には、その機器のある居住空間の表示エリアには、前記運動注意マーク480が表示される。この図14では運動注意マーク480は、文字で「運動不適」と表現されている。なお、この運動注意マーク480は、運動計測機器311も兼ねている電気掃除機312も対象である。従って、寝室の表示エリア472では電気掃除機312を運転することは適当でないことが図14の表示内容から居住者には分かる。
前記図12〜図16に示したTV受像機75の表示画面75Aの構成、つまり表示される情報とその配置等は、表示盤100の表示画面100Aでも同様に表示される。但し、20〜60インチの画面サイズの液晶表示画面75Dの有効表示面積に比較して、10〜15インチの画面サイズの表示画面100Aでは、数分の1以下と狭いので、全く同じ内容が同じ大きさで表示される訳ではない。当然ながら表示される文字のサイズは小さくなるが、前記した温度・湿度表示部474、快適マーク475、注意マーク476、運動注意マーク480、後述する変動表示部483、不適環境表示部484、花粉飛散量表示部485、運転表示部482は、何れも表示される。これによりTV受像機75の液晶表示画面75Dと表示盤100の表示画面100Aとの間で、表示される情報の較差が生じないようにして、キッチンでも居間でも同じ情報を確認できるようにしている。なお、これら各種情報の表示画面100Aでの表示は、前記制御部125の表示用制御プログラムによって実行される。
図15は、図14に示した環境情報の画面構成の変形例である。
図15において、特徴的な構成は、詳細な情報を見るためのアイコン481A〜481Dを、各表示エリア470〜473毎に設けていることにある。また前記第1の特定家電機器(環境改善機器)SP1の運転表示部479に加え、居住空間の空気に放熱してそれを高温化する可能性があるなどの悪影響を及ぼす可能性のある第2の特定家電機器SP2、例えば電気炊飯器3の運転の状況を示す運転表示部482を設けたことである。
図15において、483は、温度又は湿度が所定の変化率以上変化(上昇又は下降)していることを示す変動表示部である。例えば2分間に気温が1℃以上上昇している場合、又は下降している場合には「上昇中」又は「下降中」とそれぞれ表示される。
図15において、484は、居住者の健康に適当ではなく、前記第1の特定家電機器SP1、つまり環境改善機器の運転によって改善できるような物理的環境にあることを示す不適環境表示部である。図15では、空気中1リットル中に含まれる所定直径以上の塵埃が所定数以上ある場合を示している。例えば、起床後に寝具を移動させたり、叩いたりした場合には一時的に埃が空気中に舞い上がって滞留している状態になるので、このような場合にはこの不適環境表示部に何らかの文字や記号等が現れる。この不適環境表示部485も、特定の居住空間の快適性を示す情報の一種である。
図15において、485は、家屋の外の空気中に飛散している花粉の量が多いかどうかを表示する花粉飛散量表示部であり、花粉アレルギーの人達にとっては外出を控えたりする判断材料にもなり、有益な情報である。なお、この花粉飛散量表示部の基礎データは、日本の気象庁やその他気象専門機関、TV放送局などから提供されるので、前記した花粉センサーの情報に加え、あるいはその花粉センサーを設ける代わりに、それら外部機関からの情報を利用しても良い。そのような外部情報は外部機関78A、78Bから電力制御装置9又はTV受像機75が取得する。
次に、図15の表示画面の状態で、さらにリモコン75Rを操作して、例えば前記アイコン481Bを選択してキッチンの情報表示を指令すると、図16に示すように画面構成が切り替わる。
図16において、486は、キッチンに設置された換気扇(図示せず)が運転されているかどうかを示す表示部、487は、同じくキッチンに設置された電気冷蔵庫(図示せず)の冷蔵運転モードが「強」、「中」、「弱」の3段階の何れにセットされているかどうかを示す運転強度表示部である。この運転強度は、冷蔵庫の消費電力量に大きく影響を与えることは既に周知であるので、詳しい説明は省略する。
図16に示すように、前記キッチン用の表示エリア471は、その面積が自動的に最大限度まで拡大される。このような拡大表示は前記システム制御部75Eの制御プログラムによって液晶表示部75Dの表示形態が変更された結果である。488は、前記表示エリア471の右側周辺に確保した余白部であり、ここには、居間の環境情報を見ることを選択するアイコン490、寝室の環境情報を見ることを選択するアイコン491、及び浴室の環境情報を見ることを選択するアイコン492が、それぞれ表示されているので、それらアイコンのどれか1つを選択すれば、居間や寝室、浴室の環境情報も詳しく液晶表示画面75Dに表示させることができる。
図16において、489は、アドバイス情報を表示するアドバイス情報表示部であり、ここには家電機器、特に第1の特定家電機器SP1の運転可否やその運転条件に関するアドバイス情報などが、居住空間の現在の状況に応じて文字で表示されるので、居住空間の環境をより適切に管理できるという効果が期待できる。図16は、キッチンの湿度が上昇している事態を改善するアドバイスとして、換気扇の運転を勧めている例である。つまり環境改善機器の1つである換気扇でキッチン内の空気の浄化を勧告している。
これらのアドバイスの基礎データは、前記健康管理処理部116の記憶手段である記憶装置149に格納されている。またTV受像機75の記憶装置(大容量メモリー)109にも同じものが格納されているので、TV受像機75で環境情報を見る場合には、記憶装置109からシステム制御部75Eが情報を引き出して液晶表示画面75Dに送り、表示させる。この際に、統合管理装置9の制御部125が、各種家電機器EEの運転情報を一括してリアルタイムで収集しているので、この制御部からの情報が液晶表示画面75Dの表示に利用される。
一方、統合管理装置9の液晶表示盤100で環境情報を見る場合には、記憶装置149から制御部125が情報を引き出して液晶表示盤100に送り、表示させる。なお、各種家電機器EEの運転状態の情報は、統合管理装置9の制御部125が一括してリアルタイムで収集しているので、この制御部からの情報が液晶表示画面100Aの表示に利用される。
図11に示したように、TV用ポータルサイトに「地震・津波情報」のアイコン411が表示されている場合、及び一般のテレビ番組を視聴している場合に、突然に前記「地震・津波情報」のアイコン411が表示された場合、リモコン75Rでそのアイコンを選択すると、図17に示すように、「電気緊急遮断」という特別アイコン414と、「緊急地震・津波情報受信」という特別アイコン415が表示される。この場合、「電気緊急遮断」のアイコン414を選択すると、統合管理装置9の本体9Aの場所まで使用者が行かなくとも、緊急遮断指令がTV受像機75から統合管理装置9に送信され、数秒以内に所定範囲の各種家電機器EEの電力供給は遮断される。後述する「専用電気機器」であっても同様に、数秒以内に電力供給は遮断される
なお、前述したように、この電気緊急遮断では、避難通路になる廊下や各部屋、浴槽などの照明器具76と、TV受像機75、及び統合管理装置9、ルーターA99A、ルーターB99Bの電力遮断は行われない。また、2つの特別アイコン414、415は、特別アイコン412,413、419と同様に、他の通常のアイコンよりも特別に目立つように大きく、また目立つ色で表示しても良い。
図18は、TV受像機75で、一般のテレビ番組を視聴している場合の液晶表示画面75Dの正面図を示したものである。この図18のように、一般の番組視聴中でも、液晶表示画面の右下隅には、「電気エネルギー管理」という特別アイコン418が常に表示される。なお、この表示を使用者が消すこともできる。
図12、図14、図15、図16、図18において、417は健康管理情報の専用画面に切り替えるためのアイコンであり、タブ形状で示されている。418は前記したように、電気エネルギー管理の専用画面に切り替えるためのアイコンであり、四角形な枠形状で示されている。
図14〜16において、232は、図11に示したTV用ポータルサイトの初期画面に戻るためのアイコンである。
図19は、統合管理装置9における表示盤100の表示画面100Aとその周辺部を正面から見た図である。この図19の場面で、420は、インフォーメーション・キーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者に参考になる電力削減情報、健康関連情報や、健康管理を効果的に進めるための情報がこの表示画面100Aの中にその都度表示される。その場合、表示面積を確保するため、前記血圧計410Aなどの計測データは表示しないようになっている。
421は、ヘルプモードキーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者の入力操作に参考になる情報が表示されるとともに、別途設けた音声ガイド装置(図示せず)によって、正しい操作方法が音声で報知される。例えば血圧データが表示されている場合も、その周辺位置にこのキーが表示されるので、そのキーを押した場合、血圧データの見方や、正常な範囲の解説などが模式図や文字で表示画面100Aに表示される。
図19において、427Dは前記したNFC用の無線入出力部である。427Aは、赤外線通信用の入出力部である。427Bは、USBコードを介して情報を入出力できる入出力部で、図示していない接続口にUSBコードのコネクタを差し込むようになっている。427Cは、無線通信用の入出力部である。これら3つの入出力部を介して、例えばパーソナル・コンピュータ等の情報処理機器や前記した情報通信端末機器87から情報を統合管理装置9の記憶装置149に書き込むことができる。また逆に、情報を引き出すことができる。これら3つの入出力部427A〜427Cと、NFC用の無線入出力部427Dを総称して「第4の通信部」427と呼ぶ場合がある。
情報の書き込みを行う場合には、まず3つの入出力部427A〜427Cの部分に指を触れると、表示画面100Aに書き込みと読み込みの2つの選択キーの表示が出る。そこで書き込みの選択キーだけに触れると、これを制御部125が検知し、書き込みの準備を行うので、この後、適当な情報通信端末機器87の通信部(例えば赤外線通信部)を、その入出力部427Aに向けて、送信動作させれば良い。なお、NFC用の無線入出力部427Dの場合も同様である。情報通信端末機器87で読み込む場合は、無線入出力部427Dに、後述する無線入出力部182(図21参照)を接近させれば、所定の通信状態が確立した段階で情報の読み込みが行える。
図14、図16、図18におけるアイコン417を選択し、健康管理の画面を表示させた上で、「登録」というアイコン(図示せず)を選択すると、図19に示すように、新規データ登録というアイコン(入力キー)426と、既存の計測データを読み出して表示させるというアイコン(入力キー)425が表示される。
そこで新規登録のアイコン426を選択して、例えば血圧計410Aを表示盤100に接近させて、血圧計410Aの方の送信ボタンを押すと、血圧計410Aのメモリー213に格納されていた計測データが、健康管理処理部116の受信部129からRAM139に移され、記憶される。なお、前に述べたように、これら各種健康機器の測定データは、図19に示しているように、赤外線送信と、USBメモリーと、無線送信の何れでも健康管理処理部116は読み込める。また、NFCのための無線入出力部427を介して各種健康管理機器410の測定データは、健康管理処理部116に読み込ませることができる。なお、USBメモリーを挿入するための接続口(図示せず)が、統合管理装置9の本体9Aの前面や側面に設けてある。
健康管理処理部116は、健康管理機器410から計測データが送り込まれた場合、その都度、データ全体を統合管理装置9に送信する。その際に計測結果で異常範囲にある場合には、健康管理処理部116は、異常のあったデータ(例えば最高血圧値)と被測定者、測定日時等の(図13に一例を示している)データ全体を統合管理装置9に送信する際に、特別のコード(以下、「異常値コード」という)を追加して統合管理装置9に送信する。これにより前記「注意データ」は、途中で消えることなく、その後も保存される。なお、異常値コードは、健康管理機器410の種類に応じて異なっており、また1つの健康管理機器410、例えば血圧計410Aで、最高血圧値と最低血圧値の両方に別々のコードを付すなど、健康管理機器410の計測対象に応じて複数個用意してある。
なお、健康管理処理部116は、計測データと異常値コードとを、前記PC接続デバイス75Mを介してシステム制御部75Eに送付し、最後にはTV受像機75の記憶装置(大容量メモリー)109(図5参照)に格納される。大容量メモリーは、計測された健康管理データが毎日10件以上送信されても、最低1年間のデータを十分格納できるように例えば数十ギガ程度の記憶容量を有している。なお、この大容量メモリーにはTV受像機75で受信した放送番組の記録映像・音声も格納されるが、TV受像機75の側からの情報と、健康管理処理部116からの情報は明確に区分けされて格納してあり、双方は独立して記録更新したり、削除したりすることが可能になっている。
この記憶装置109(大容量メモリー)を物理的に分離できる2つの部分から構成し、第1の部分にはTV受像機75の側からの映像情報を、また第2の部分には健康管理処理部116からの情報を格納するようにしても良い。このようにすれば、第1、第2の部分を修理や交換する場合に、他方への影響を最小限度にでき、便利である。
次に、誘導加熱調理器2や電気炊飯器3を含む家電機器EEの電力制御システムについて説明する。最初に、図23に示した、1つのキッチン内にて使用されるシステムキッチン(流し台)1を中心に説明する。
前記システムキッチン(「流し台」、「厨房家具」ともいう)1の外殻を構成する筐体1Aの内部には、以下に説明する5つの家電機器を組み込んで構成されている。すなわち、そのキッチン内家電機器KPとして、左右2つの加熱口(第1の加熱口2L及び第2の加熱口2R)を有する誘導加熱調理器2と、電気ジャー炊飯器3と、グリル調理器(電気魚焼き器)4と、電気ヒーター付きの電子レンジ(以下「オーブンレンジ」という)5と、食器洗い乾燥機6を備えている。
「キッチン内家電機器」KPは、これらキッチン内にある複数の家電機器3、4、5を総称したものである。また電気ジャー炊飯器3は、以下では単に「炊飯器」と呼ぶことがある。グリル調理器4は単独で構成されている場合もあるが、この実施の形態1では前記誘導加熱調理器2の中に一体的に組み込まれ、電熱と誘導加熱方式を併用した複合式の誘導加熱調理器の1つの加熱部として構成されている。従って、誘導加熱調理器2の主電源回路を遮断すると、前記グリル調理器4に対する電源供給も同時に遮断される構成になっている。なお、ここでは、冷蔵庫や換気扇等のその他のキッチン内家電機器は記載していない。
本発明の実施の形態1でいう「時間帯別の電気料金区分情報」について説明するが、その前に、家庭用電気料金制度について実例を説明する。
2014年1月1日時点の、東京電力株式会社の個人向け(家庭用)電気料金制度では、電力量料金単価を2つの季節と3つの時間帯に分けて設定している。これにより、季節や時間帯によって料金単価が異なるため、熱効率の高い家電機器を朝晩時間に使用することや、昼間に使用する家電機器を夜間時間や朝晩時間に移して使用するという工夫で、電気料金の低減が可能になると推奨している。
ここで、「季節料金」とは、「夏季」と、「その他の季節」とに分けてあり、「夏季」は毎年7月1日から9月30日、「その他の季節」は毎年10月1日から翌年6月30日までである。
一方、3つの時間帯に分けた「時間帯別料金」制度は、次の通りの時間帯で区分されている。
「昼間時間」:毎日午前10時から午後5時まで。1kWhあたりの電力量料金単価(税込)は、「夏季」で37.56円、「その他季節」で30.77円。
「朝晩時間」:毎日午前7時から午前10時までと毎日午後5時から午後11時までの2つ。1kWhあたりの電力量料金単価(税込)は25.20円。
「夜間時間」:毎日午後11時から翌朝の午前7時まで。1kWhあたりの電力量料金単価(税込)は11.82円。
つまり、電気料金単価を見ると、夜間時間が最も安く、その次に朝晩時間が安い。最も高いのは昼間時間であることが分かる。
この実施の形態1でいう「時間帯別の電気料金区分情報」とは、上記のような「時間帯別別料金」制度の情報であり、その一種としては、上記のような1kWhあたりの電力量料金単価である。また他の一種としては、「夜間時間が最も安い、その次に朝晩時間が安い。最も高いのは昼間時間である」という情報である。つまり、例えば上記電気料金制度で言えば、「毎日午後11時から翌朝の午前7時までの夜間時間までは、1日の内で最も安い」という情報が時間帯別の電気料金区分情報になる。必ずしも1時間あたりの電気料金自体を具体的に示したものでなくとも良く、一定の基準(たとえば昼間時間の料金)と比較して、安い時間帯であるのか高い時間帯であるのかが使用者に容易に判断できる情報で良い。
また、この実施の形態1で説明する誘導加熱調理器2では、加熱手段が通電される開始時間を使用者が設定するが、通電終了時間を設定しない場合があるので、厳密にいうと時間帯を設定しない場合がある。しかしながら、この実施の形態1で説明する誘導加熱調理器2では、
(1)最大連続加熱時間を60分に自動設定してあり、調理の途中で特定の操作をしない限り60分経過すると、自動的に加熱動作終了するという制御を採用しているので、加熱開始時刻を設定すれば、時間帯を設定したことになる。
(2)誘導加熱の調理メニュー(例えば、「揚げ物」、「茹で」、「煮込み」、「湯沸し」など)の中には、経験上、15分〜30分未満で終わるもの(例えば「湯沸し」)と、そうではなく1時間以上も加熱継続するものがあり、また使用する電力も大小色々あるので、使用される電力値が500W以上で、かつ30分以上加熱継続されると推定される調理メニュー(以下、「特定メニュー」という)を事前に選定し、その特定メニューを実施する場合に、上記した時間帯別電気料金の情報が表示されるようにしている。
前記のように構成している理由は、短時間で、かつ使用する電力が小さい調理メニューの場合には、その都度時間帯別電気料金の情報を表示させても、実際にそれを利用する頻度は少なく、表示させる意義が小さいからである。これによって、加熱調理器の制御プログラムを簡略化し、使用者の操作も複雑化しないという利点が期待できる。なお、特定メニューとしては「茹で」や「煮込み」、「炊飯」が選定されているが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
7は、前記した通り。家庭用の空気調和機で、上記キッチン内家電機器KPが設置された台所に設置される場合もあるが、この実施の形態1では、他の部屋(例えば居間)に設置されている例で説明する。なお、空気調和機は1台であるとは限らず、複数の部屋にそれぞれ設置され、合計数台の場合もあるが、以下の説明では1台の場合で説明する。なお、この空気調和機には、電力指令装置(統合管理装置)9との通信を実現できるいうに、使用電力制御手段8Eが組み込まれている。これにより電力指令装置9との間で、要求電力や使用許可電力等の情報交換が行われ、電力指令装置9が許可した使用電力内で使用電力制御手段8Eが空気調和機7の電力を制御するようになっている。
また、前記空気調和機7と、食器洗い乾燥機6及び電気ヒーターによる温風を供給して衣類を強制的に回転させながら乾燥させる(電気式)洗濯乾燥機(乾燥機と洗濯機が一体になったもの)又は衣類乾燥機(何れも図示せず)は、「第2の家電機器」である。これらは、それぞれ電気エネルギーを消費するモーター部(動力源)を有し、かつ互いに独立して電源が投入・遮断可能であり、後述する電力指令装置9から電力削減指令を受け取る構成になっている。
前記「第2の家電機器」には、消費電力を消費するモーターと、電気エネルギーを消費する加熱部とを備え、その加熱部によって温風を発生させる機器も含む。例えば前記した洗濯乾燥機では、洗濯してまだ乾燥していない衣類を収容する通気性のある籠状の容器(「ドラム」ともいう)と、この容器を回転駆動するモーター部(動力源)と、前記容器に供給される温風の熱源となる電気ヒーター(加熱源)とを備えたものが一般的である。なお電動圧縮機(動力源)を備えたヒートポンプ方式で空気中の熱を回収して温風にする方式もある。
前記キッチン内家電機器KPは1つのブレーカーBKを介して交流200V電源EPと接続されている。各キッチン内家電機器1〜3、5と電力指令装置9は、赤外線又は無線信号を送信・受信する関係に接続されており、各キッチン内家電機器1〜3、5の各使用電力制御手段8A,8B,8C,8Dと電力指令装置9との間で、要求電力、各調理器の調理状況や使用許可電力等の情報伝達が行われ、電力指令装置9が許可した使用電力内で各使用電力制御手段8A〜8Dが各キッチン内家電機器1〜3、5の電力を制御するようになっている。
この実施の形態1では、使用電力制御手段8A〜8Dは、中心周波数帯が無線LAN関連規格の一つである「国際標準規格IEEE 802.11b」で定める2.4GHzのISM帯と呼ばれる周波数帯域を利用するものである。なお、この誘導加熱調理器100では実際の使用中心周波数は2.412GHz(2512MHz)〜2.472GHzに設定されている。
キッチン内家電機器KPには、他にオーブントースターや卓上のホットプレート、湯沸し器(電気ポット)など、何れも最大定格電力が1000W程度の機器があるが、説明を簡略化するため、具体的には図示しない。なお、各キッチン内家電機器1〜3、5と前記電力指令装置9との間は、電力線搬送技術を利用して電力線を兼ねた信号線で接続し、制御するようにしても良い。
(誘導加熱調理器2)
前記誘導加熱調理器2は、図24と図25に示すように、互いに独立して動作可能な誘導加熱部が左右に2つある、いわゆる2口のビルトイン式誘導加熱調理器であり、正面右側にある操作パネル13には、主電源スイッチ11の操作ボタン11Aと、左側にある第1の加熱口2L、右側にある第2の加熱口2Rの、それぞれの電力調整用のダイヤル12L、12Rとが設けられており、使用者は、電源スイッチ11を投入して調理状況にあわせて電力調整ダイヤル12L、12Rを操作して調理を行うようになっている。つまり、この電力調整ダイヤル12L、12Rによって第1の加熱口2Lと第2の加熱口2Rにおける誘導加熱時の火力調節が、互いに独立して行える。なお、この誘導加熱調理器2の定格消費電力(最大消費電力)は5800Wである。
ビルトイン式誘導加熱調理器では、据置き型の誘導加熱調理器とは異なり、電源線27に接続されたコンセント(電源接続口)に対して、誘導加熱調理器2から引き出された電源コードの電源プラグは、一般家庭の使用者が簡単には着脱できないように、専門の設置業者が据付工事をしているので、電源スイッチ11の直前までは常に商用電力(例えば200V)が供給されている状況にある。
前記第1の加熱口2L及び第2の加熱口2Rの上方は耐熱強化ガラス板で形成されたトッププレート14で覆われ、このトッププレートの下方空間には、前記第1の加熱口2L及び第2の加熱口2Rの加熱源となる円環状の加熱手段(誘導加熱コイル2LC、2RC)が設置されている。
2Cは、誘導加熱調理器2の本体2A外郭を構成する箱状の本体ケースで、前記トッププレート14は、その周囲が額縁状の金属製フレーム15で覆われて、このフレームによって本体ケース2Cの上面部に固定されている。
前記本体2Aの上面前部には、各種の調理条件の設定値、警報や異常情報を表示する表示手段としての液晶表示基板を備えた等の中央表示部16、同様に誘導加熱時の火力値や火力レベル(強、中、弱など)等を表示する液晶表示基板を備えた左表示パネル17L及び右表示パネル17R、左加熱口2Lの加熱時間や油調理時の油温度を液晶文字や複数の発光ダイオード(発光体)などで表示する左表示部18L、同じく右加熱口2Lの加熱時間や油調理時の油温度を表示する右表示部18R、並びに、加熱動作の開始等の操作をするための上面操作部26が設置されている。
前記上面操作部26は、誘導加熱調理器2の駆動条件を入力するためのものであるが、ここでいう「駆動条件」とは、例えば、後述する第1の加熱口2Lの誘導加熱コイル2LCに対して印加する高周波電流値等のように、加熱能力、火力を決める条件のことである。またそのような高周波電流の供給時間、周波数等の物理的条件も駆動条件の一種である。言い換えると、後述する2つのインバーター駆動回路33L、33Rやグリルヒーター駆動回路34を駆動する条件である。
前記トッププレート14の下面に近接して前記中央表示部16、右表示パネル17R、左表示パネル17L、左表示部18L及び右表示部18Rがそれぞれ設置されている。
前記中央表示部16、左表示パネル17L及び右表示パネル17R、左表示部18L、右表示部18Rは、図27に示す表示部駆動回路35によって表示動作が制御される。
次に図27に基づいて前記表示部駆動回路35について説明する。なお、この図27では、表示手段としては前記中央表示部16だけを図示しているが、左表示パネル17L及び右表示パネル17R、左表示部18L、右表示部18Rも、それぞれ中央表示部16と同様に制御される。
この実施の形態1において、前記中央表示部16は、全ての加熱源に共通で用いられるものであるため、統合表示手段とも呼ばれる。全ての加熱源とは、第1、第2の加熱口2L、2Rと、前記グリル調理器4のグリル庫22内部に複数個設置した輻射式電気ヒーター、例えばシーズヒーター34Hである。
前記中央表示部16を構成している表示画面129は、周知のドットマトリックス型液晶表示画面である。また高精細(320×240ピクセルの解像度を備えているQVGAや640×480ドット、16色の表示が可能なVGA相当)の画面を実現でき、文字を表示する場合でも多数の文字を表示することができる。液晶表示画面は1層だけではなく、表示情報を増やすために上下2層以上で表示するものを使用しても良い。また、単純マトリクス駆動方式を用いたSTN(SUPER TWISTED NEMATIC)液晶によって構成しても良い。
この実施の形態1において、表示画面129の表示領域は、縦(前後方向)約40mm(又は約80mm)、横約100mm(又は約120mm)の大きさの長方形である。
図27において、35は表示部駆動回路である。この表示部駆動回路は前記制御装置32と接続されている。
表示部駆動回路35は、表示用メモリー35A、表示コントローラー35B、インターフェース35C、電源35D、コモンドライバー35E、およびセグメントドライバー35Fを備えている。
表示部駆動回路35は、電源35Dからの電力により動作し、インターフェース35Cにより制御装置32の内蔵メモリー32Rから表示用の画像情報を取得する。
表示用メモリー35Aは、制御装置32から取得した画像情報を記憶する。
表示コントローラー35Bは、表示用メモリー35Aに記憶された画像情報を読み出し、この画像情報に基づいて、コモンドライバー35Eおよびセグメントドライバー35Fを継続的に駆動する。コモンドライバー35Eおよびセグメントドライバー35Fは、表示画面129の各画素に対応して設けられた互いに交差する電極に電圧を印加することで液晶を駆動する。このように、表示部駆動回路35は、表示用メモリー35Aに記憶された画像情報を、必要な都度表示画面129に表示させる。また右表示パネル17R、左表示パネル17L、左表示部18L及び右表示部18Rについても表示用の画像情報や発光用の駆動電流が供給される。なお、表示コントローラー35Bによって表示画面129に表示させる情報は、後述するように異常の種類や原因等が分かるように、文章化されたテキストデータも含まれる。
例えば2つの誘導加熱手段(誘導加熱コイル2LC又は2RC)の何れかが、異常発生によって制御装置32により緊急停止されたあと、制御装置32の指令によって表示部駆動回路35は異常発生の表示を行うが、その際に異常検知手段ESの検知出力から制御装置32は異常内容を分析し、異常の種類(例えばトッププレート14の異常高温状態や、インバーター回路33Rの電圧異常など)と対応した原因等が分かるように、事前に分類された情報を中央表示部16に表示させるが、そのような表示の基礎となる文章(テキストデータ)は前記表示用メモリー35Aに事前に格納されている。なお、この実施の形態1では、異常判定があった場合、制御装置32は(例えば駆動中の誘導加熱手段が左側の加熱コイル2LCであった場合)左側の加熱コイル2LCの駆動を緊急停止し、供給電力をゼロにするが、定格最小電力(例えば電力値は200W)での駆動を継続するという方法でも良い。
図27において、321は所定の位置(図25に示された2つのNFC用入出力部401L、401R)に配置されたNFCタグの一部を構成するNFC用の通信制御IC(NFC制御回路)である。322は、このNFC制御回路321に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けるとNFC制御回路321のための電源となる誘導電力を発生させアンテナである。320は、前記NFC制御回路321に接続されているマイクロチップメモリー(前述した「NFC記憶部」と同じ)である。なお、2つのNFC用入出力部401L、401Rに対して、前記アンテナ322、NFC制御回路321及び前記NFC記憶部320は、それぞれ専用に1つずつ設けているので、例えば第1の加熱口2Lの加熱調理中に発生した当該加熱口2Lに関係する異常の監視情報は、左側のNFC用入出力部401Lを経由しないと情報通信端末機器87では取得できない。しかし、前記した識別情報は左右どちらのNFC用入出力部401からでも取得できる。このような識別情報の取得は、異常発生時だけではなく、運転停止中や運転開始直後など色々可能であるが、詳しい説明は後で述べる。
323は、前記2つのNFC用入出力部401L、401Rを構成するアンテナ322の部分近傍を囲むように設置された発光ダイオード素子(LED)である、このLEDによって上面操作部26においては、前記アンテナ322の部分近傍を囲むように下方から四角の枠状に照らされるため、使用者には前記アンテナ322部分が容易に分かるが、そのようなLED323は、制御装置32によって表示部駆動回路35の動作と連携するようになっているため、近距離通信(NFC)機能のある情報通信端末機器87等で、詳しい異常内容と対処方法等の情報が得られる旨表示することに同期して、表示部駆動回路35により所定タイミングで点灯される。具体的に点灯するタイミングは、図63における「異常発生報知区間ET3」の最初の時点である。なお、消えるタイミングは、異常発生報知区間ET3の終わり、つまり主電源を切った時点までであるが、点灯から一定時間経過後、LEDを自動消灯する構成にしても良い。
後述する図32において、統合管理装置9に登録した居住者以外の居住者が、誘導加熱調理器2を使用しようとした場合、「使用不可」という文字による表示情報PUは、この表示用メモリー35Aに記憶されているものであり、統合管理装置9からの所定の信号を制御装置32が受けた場合、その制御装置32からの指令で表示コントローラー35Bが、当該表示PUを表示画面129に表示させる。さらに、後述するヘルプモードキー111の操作時に、前記表示画面129の正しい見方や操作方法が、模式図と文字で表示画面129全体に表示される際の表示や、電力削減が強制的に行われたことを文字で示す削減表示部36C(図36参照)等も、前記「使用不可」の表示情報PUと同様な処理で表示画面129に表示されるものである。
表示部駆動回路35は、制御装置32を構成するマイクロコンピューターとは別の、専用のマイクロコンピューターによって構成されているが、同じマイクロコンピューターで構成しても良い。
(誘導加熱調理器2の基本動作)
次に、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器2の誘導加熱の基本動作について、図28〜図30を参照しながら説明する。
図29に示したフローチャートは、誘導加熱調理器2の基本的な動作ステップを示すものである。図29において、主電源スイッチ11の操作ボタン11Aを使用者がタッチして、電源を入れる(ST1)。すると制御装置32に電源が印加され、制御装置32は、温度検出回路150から温度情報を得て、調理器の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを自己チェックする(ST2)。また、2つの誘導加熱コイル2LC、2RCに高周波電流を供給するインバーター回路33L、33Rの一次側と二次側にそれぞれ設置した電流計又は電圧計によって、異常な電流が流れていないかどうかの自己チェックも行われる。
この実施の形態1でいう「異常検知手段」ESは、前記温度検出回路150、インバーター回路33L、33Rの一次側と二次側にそれぞれ設置した電流計又は電圧計などの電気センサー(図示せず)から構成されている。図26で説明するように、トッププレート14上の被加熱物Nの温度や、そのトッププレート14の温度、グリル庫22内部の雰囲気温度、インバーター回路33L、33R、中央表示部16等を検知するために複数個の温度センサー(図示せず)を配置しているが、それら温度センサーの検出温度も前記温度検出回路150に伝達されるので、それら温度センサーも実施の形態1でいう「異常検知手段」の一部を構成している。
異常が発見されない場合、制御装置32は、中央表示部16等の表示部駆動回路35を起動し、中央表示部16には異常がないので、調理を開始できること、またこれと同時に、音声合成装置38によって、中央表示部16で表示した内容と同様な内容を音声で報知する(ST3)。また、健康管理情報の内、特定の注意情報(例えば、最高血圧値が上限値を超えている)があるか場合には、中央表示部16等の表示手段でも良いが、図25に示しているように、専用の注意情報ランプ430を点灯させて使用者へ報知する。なお、図26ではこのランプ430は図示していない。
健康管理情報に前記した特定の要注意データが加わった時点、すなわち、健康管理処理部116から統合管理装置9に当該要注意データが移された時点から一定期間内は、誘導加熱調理器2の主電源を入れる度に、上記のように専用の注意情報ランプ430を点灯させて使用者へ報知する。これにより要注意データの存在を測定者に確実に伝えることができるという効果が期待できる。例えば前日に血圧を測定し、最高血圧が上限値を超える状態であった場合、その当日から7日間は、専用の注意情報ランプ430を点灯させて使用者へ要注意データのあること報知するというように設定してあるが、この注意喚起期間は使用者が適宜長く、あるいは短く設定できることでも良い。
前記注意情報ランプ430は、押しボタン式のスイッチと、そのスイッチの押しボタン部を下方から光で照らす発光ダイオード(LED)等の光源とから構成されており、点灯している状態から、さらに押しボタン部が使用者で押されると、前記中央表示部16には、注意情報の概要が示される。例えば、被測定者Aで、最高血圧値が140mmHgを超えた計測結果が、昨夜と一昨日の2日連続していることが表示される。この表示は一定時間(例えば10秒以内)で自動的に消え、次のステップST4に進む。
その後、中央表示部16は、金属製鍋等の被加熱物Nを使用したい加熱口2L、2Rの上に置くように、使用者に動作を促す文字を表示する(ST4)。
この状態で、中央表示部16の表示画面には、図32に示しているような第1の表示情報210Aが現れ、「電力削減対象」という文字が表示され、この加熱調理器2の運転中に後述する電力削減要求信号を受ける可能性のある対象機器であること示す。
ここで使用者が、左加熱口用操作部81における、入/切ボタン81cを押すと、左側の第1の加熱口2Lを選択したことになる。
また右側にある入/切ボタン82cを押すと、右側の第2の加熱口2Rを選択したことになる(ST6)。そこで誘導加熱のメニューを選択するステップST7に進むことになる。例えばその後揚げ物ボタン81aを押せば揚げ物調理を選択したことになり、また3kWボタン81bを押せば、最大火力(3kW)で湯沸しを行うことができる。
一方、中央部にあるスタート/停止ボタン83bを押すと、グリル調理器4を選択したことになる(ST5)。つまり、電気輻射熱の加熱源を利用した加熱調理を選択したことになる。電気輻射熱の加熱源を利用した加熱調理を選択したあとは、ロースター調理、グリル調理又はオーブン調理の何れかを選択するステップST9A、ST9B、ST9Cに進む。
また、使用者が本体2Aの前面操作部42に設置された左加熱口の電力調整用ダイヤル12Lを回転操作させることによって、その回転操作信号が、制御装置32に送信される。制御装置32は、受信した回転操作信号に基づいて、インバーター回路33Lの出力を調節し、使用している第1の加熱口2Lの誘導加熱コイル2LCによる誘導加熱の火力を調整させる。その際、制御装置32は、その火力の強弱を、左加熱口2L用の表示部17Lに例えば火力値をそのまま示して表示させる。
そして、使用者は、加熱調理終了後、再び入/切ボタン81cを押下することによって、誘導加熱動作を終了させることができる。スタート/停止ボタン83bを押せばグリル調理器4の電気輻射熱による加熱動作を終了させることができる。
また、使用者によって、被加熱物Nが第2の加熱口2Rの上方に設置された場合も、同様に、第2の加熱口2Rの下部の本体ケース2C内部に設置された加熱手段(誘導加熱コイル2RC)によって誘導加熱を実施することができる。その際、使用者による入/切ボタン82c及び電力調整用ダイヤル12Rの操作、並びに、表示部17Lの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び電力調整用ダイヤル12Lの操作、並びに、前記第1の加熱口2L用の左表示パネル17Lの表示動作と同様である。
前記した2つの誘導加熱コイル2LC、2RCに高周波電流が供給されて本格的に誘導加熱が開始された後、前記インバーター回路33L、33Rの一次側と二次側にそれぞれ設置した電流計又は電圧計によって、異常な電流が流れていないかどうかの監視が行われる。また電気ヒーター(シーズヒーター)34Hに電源が供給されて電気輻射熱調理が開始された後も、その駆動回路34に異常電流や異常な電圧が発生していないかどうかの監視が行われる。つまり、誘導加熱と電気輻射熱調理の何れにおいても、電気的な異常状態の有無の監視が制御装置32によって実施されている。さらに制御装置32は、温度検出回路150から温度情報を得て、調理器の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを監視している。これら異常監視について詳しくは、あとで述べる。
図30に示したフローチャートは、誘導加熱調理を行う場合の基本的な動作ステップを示すものである。図30において、ST7は誘導加熱のメニューを選択するステップで、図29で説明したとおりである。
誘導加熱調理では、最初に加熱調理メニューの選択が行われる。加熱調理メニューとしては前記したように例えば、「揚げ物」、「茹で」、「煮込み」、「湯沸し」など複数ある。ここで調理メニューの選択が行われると、後述する電力制御装置9に対して、所定の起動情報が送信され、電力指令装置9では加熱調理器2によって誘導加熱調理が開始される段階にあることが分かる(ST10)。すると誘導加熱調理器2は電力指令装置9から時間帯別電気料金の情報を取得し(ST11)、その情報を内部のメモリーに格納する。なお、このような時間帯別電気料金は、毎日変更されるものではないので、数日置きに取得しても良く、その数日間は内蔵メモリーに記憶した情報をその都度利用するようにしても良い。
誘導加熱調理器2は、中央表示部16の表示画面に時間帯別電気料金の情報を表示し、また後述する音声合成装置38によって、次の操作方法が音声で報知される。具体的には加熱調理器を使用する時間に変更がなければ、後述するスタートキー212を押すように音声でガイドされる(ST12)。
次に誘導加熱調理器2で使用時間帯に変更がなければ、その後、設定取消操作があったかどうかのチェックが行われ(ST15)、取消の入力操作が無ければ誘導加熱動作開始のステップST16に進む。使用時間帯の変更があった場合は、電力制御装置9に対して、新たな使用時間帯の情報が送信される(ST14)。そしてその変更後の使用時間帯に対応した電気料金情報が中央表示部16の表示画面に表示される。なお、前記ステップST10では、例えば「茹で」調理の場合は45分間というように、予め定めた標準時間が電力制御装置9に送信されるが、使用者が使用開始時刻と終了時刻の両方を入力し、例えば特定の時間帯(30分間)に設定した場合は、前記ステップST14で電力制御装置9に使用予定の時間帯情報が送信される。
図31に示したフローチャートは、誘導加熱調理を行う場合の基本的な動作ステップを示すものである。図31において、ST20は誘導加熱のメニューを選択する最初のステップで、図29で説明した選択ステップST7と同じである。前記したように「茹で」や「煮込み」などの「特定メニュー」を選択した場合は、次に中央表示部16の表示画面に時間帯別電気料金の情報が表示される(ST22)。次に加熱開始時間又は加熱終了時間の設定が行われ(ST23)、火力や温度が必要な場合はそれらを設定し(ST24)、使用する時間帯に適用される時間帯別電気料金の情報を最終的に確認し(ST25)、それで良ければスタートキー212を押すことで調理条件の確定が行われ、誘導加熱動作が開始される(ST26)。
一方、図31に示したフローチャートのように、非特定メニューを実施する場合には、上記した時間帯別電気料金の情報が表示されないようになっており、具体的には火力や温度が必要な場合はそれらを設定し(ST28)、それで良ければスタートキー212を押すことで調理条件の確定が行われ、誘導加熱動作が開始される(ST29)。なお、誘導加熱動作が開始される前に、誘導加熱の終了時間を予約しても良い。これは一般にタイマー調理と呼ばれており、調理開始前にタイマーを設定(例えば15分間)すると、誘導加熱開始時点から上記15分間が減算され、15分経過時点で自動的に誘導加熱が終了する。
図32〜図39は、前記表示画面129の表示例を示したものである。
主電源スイッチの操作ボタン11Aを押した場合、最初に図32の画面が表示される。つまり、誘導加熱とグリル庫22による調理メニューの選択用として、左の誘導加熱選択キー128N1L、右の誘導加熱選択キー128N1R、グリル調理選択キー128N2、オーブン調理選択キー128N3の各キーが一斉に(一覧状態に)表示される。オーブン調理とは前記グリル庫22内部の雰囲気温度を所定温度に高め、調理することをいう。例えばケーキを焼くことが一例である。この後、左側の誘導加熱選択キー128N1Rを押せば誘導加熱が、グリル調理選択キー128N2を押せばグリル調理のメニュー画面に切り替わる。なお、左側の誘導加熱選択キー128N1Rを押す代わりに、左加熱口用操作部81の、揚げ物ボタン81aや3kWボタン81bを押しても良い。
図32において、前記4つのキー128N1(L、R)、128N2〜N3は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式の入力キーを採用しており、使用者がキー表面に対応した位置の、表示画面129の上面を覆うガラス製トッププレート14の上面に軽く触れることで制御装置32に対する有効な入力信号が発生するものである。図11等に示したアイコン411〜413とは異なったものである。なお、キー128N1Lと128N1Rの2つを指す場合、符号として128N1を用いる。
前記各種入力キー128N1〜128N3の部分(区域)を構成する前記トッププレート21表面には、キーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の表示画面129には、それら入力キーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形をその都度表示する構成し、その表示画面129に触れた場合、その触れた位置にあるキーが選択されたことになる。
36Aは、メニュー選択表示部、36Bは、使用者にメニューの選択を促すことを文字で知らせる表示部である。これらメニュー選択表示部36A、表示部36Bは、入力キー機能は有していないので、これら表示部にタッチしても制御装置32には何の入力もされない。
111は、ヘルプモードキーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者の操作に参考になる情報が表示されるとともに、別途設けた音声合成装置38(図26参照)によって、正しい操作方法が音声で報知される。なお、何度もこのキーを押した場合、この表示画面129の見方や操作方法が、模式図と文字で表示画面129全体に表示される。112は、インフォーメーション・キーであり、これにタッチした場合、その都度、使用する被加熱物Nの情報や調理方法、上手に調理する注意点などを詳しく表示画面129に文字で表示する。36Cは、図36に示すように、電力削減が強制的に行われたことを表示画面129の上に文字で示す削減表示部である。
図32において、210Aは、誘導加熱調理器2が電力削減要求信号を受ける可能性のある対象機器であること示す第1の表示情報であり、図32の例では表示画面129の中に長方形の枠で、白抜き文字等によって「電力削減対象」と表示されているが、この表示は非特定メニューの一種である「湯沸し」を選択した直後に表示され、「湯沸し」を選択する前は表示されていない。その後、この「湯沸し」を実行中に、実際に電力が削減された場合には後述する第3の表示情報210Cとなり、「電力削減中」と表示しても良い。何れにしても使用者がこの第1の表示情報210Aを見ることによって、この誘導加熱調理器は電力が強制的に削減される可能性のあることを知ることができる。
図32において、PUは、後述する「専用使用者」として電力指令装置9に登録した居住者以外の居住者が、誘導加熱調理器2を使用しよとした場合、最初に表示される「使用不可」の表示情報である。この表示は、図29の表示画面129等の表示手段の起動ステップ(ST2)で表示される。この「専用使用者」による使用制限表示が出た場合、図29に示した動作ステップは、それ以後に進まない。つまり、使用制限表示が出た場合は、その表示画面129に示された、前記4つのキー128N1(L、R)、128N2〜N3の何れに、使用者が触れても入力は無効になる(通電装置32に入力信号として認識されない)。但し、後述する図62の動作説明図の居住者Cのように、専用使用者(居住者B)に対して、この誘導加熱調理器2を自分に使用させて欲しいと許可を求める場合、そのような許可を求めるかどうかを選択する「許可申請用キー」(図示せず)を、この表示画面129に表示させても良い。そのような「許可申請用キー」(図示せず)を専用使用者でない居住者が操作すると、誘導加熱調理器2から特定の信号が電力指令装置9に送信され、電力指令装置9から情報通信端末機器87が接続される外部の広域通信回路網98に照会情報が発信される。
図32において、428は、統合管理装置9を通じて情報通信端末機器87や外部機関78A、78B等からの情報の取得をブロック(拒否)することを制御装置32(図26参照)に指定する受信拒否キー(アイコン)である。この受信拒否キー428を押した場合、統合管理装置9には、受信拒否信号が送信され、この受信拒否信号の受信を制御部125が検知した場合、情報通信端末機器87や外部機関78A、78B等からの情報の取得をブロック(拒否)する送信規制を実施する。但し、この受信拒否キー428を押しても、電力指令装置9からの対象機器登録信号AS1、電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3(図55参照)の受信を拒否することはできない。あくまでも情報の発信源が、情報通信端末機器87や外部機関78A、78B等からの情報だけに限定されている。外部機関78から電力逼迫情報を電力指令装置9が受信し、その情報に応じて統合管理装置9の制御部125が発信することを決定した前記電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3は、この受信拒否キー428を押しても、受信は拒否できない。この受信拒否キー428を押すと、後述する支援キー429が表示画面129に表示されなくなるので、屋外遠隔地等にいる情報通信端末機器87の所持者に操作情報等の助言を求めることができなくなる。
図32において、429は、外部に対して支援要請用の指令信号を発する支援キー(アイコン)であり、前記ヘルプモードキー111やインフォーメーション・キー112に使用者が触れたあとに続いてこの支援キー429にタッチすると、この図31の表示画面129の情報が統合管理装置9を通じて、予め統合管理装置9に登録してある情報通信端末機器87に対して送信される。このため、その場面で使用者の操作に参考になる情報の提供を、屋外遠隔地等にいる情報通信端末機器87の所持者に求めることができる。
統合管理装置9を通じて支援キー429が押されたことを知った情報通信端末機器87の所持者は、電話やメール等によってその誘導加熱調理器2の使用者に助言を与えることができる。なお、ヘルプモードキー111やインフォーメーション・キー112を操作せず、支援キーだけを操作して支援情報を得るように操作を簡略化しても良い。
図33は、誘導加熱調理器2で「湯沸し」を開始する直前の前記表示画面129の表示例を示したものである。210Bはこの湯沸しの実行中、その外部から所定の電力削減要請信号AS2を受けている状態を示すための第2の表示情報である。図33の例では前記表示画面129の中に図32のように表示されていた第1の表示情報210Aが消え、代わりにそれと同一位置に「電力削減要請受信中」と白抜きの文字で第2の表示情報210Bが表示されたことを示している。
図33において、211Rは、前記表示画面129の上面を覆うガラス製トッププレート14に形成された入力キーであり、これを押すと図32の表示画面129の表示状態まで戻る。211Nは、同じく入力キーであり、この部分にタッチすると図34の表示状態まで進む。
図34において、212は、前記表示画面129の上面を覆うガラス製トッププレート14に形成された入力キー(「スタートキー」とも言う)であり、これにタッチすると第1の加熱口2Lにて誘導加熱調理が開始される。図35は湯沸し動作が開始されたあとの表示画面129の表示状態を示している。211Sは(湯沸し動作の)停止用の入力キーである。
前記各種入力キー211R、211N、211S、212、428、429は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式の入力キーを採用しており、使用者がキー表面に対応した位置の、表示画面129の上面を覆うガラス製トッププレート14の上面に軽く触れることで制御装置32に対する有効な入力信号が発生するものである。すなわち、前記各種入力キー211R、211N、211S、212、428、429の部分(区域)を構成する前記トッププレート14表面には、キーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の表示画面129には、それら入力キーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形をその都度表示する構成になっている。
図36において、210Cは、誘導加熱調理器2で「湯沸し」の誘導加熱調理メニューを実行している運転中に、その誘導加熱調理器2の外部から所定の電力削減要求信号を受けて実際に電力が削減された状態であること示す第3の表示情報であり、この図36の例では前記表示画面129の中に表示された第1の表示情報210A(図31参照)又は第2の表示情報210B(図33〜図35参照)が消え、代わりにそれと同一位置に「電力削減」と白抜きの文字で表示されたものである。
図37において、210Dは、電力削減が回避されていることを示す第4の表示情報であり、前記第1の表示情報210Aが消えた後、ほぼ同じ位置に「電力優先」と白抜きの文字で表示されるものである。使用者がこの第4の表示情報210Dを見ることによって、この誘導加熱調理器では現在行なっている加熱調理中に電力が強制的に削減されることなく、電力量が維持されていることを知ることができる。つまり、この誘導加熱調理器には、後述する優先加熱工程としての「優先調理メニューの実行時間帯」があるので、その時間帯にある場合、「電力優先」という第4の表示情報210Dが表示画面129の右側位置に現れる。図37では「茹で」の調理メニューが実施されている場合である。
図33〜図35における各種キー128A2、128A3、128B1、128B3、128C2は、表示画面129の所定位置に「湯沸し」等のようなキーの入力機能を示す文字の真上の前記トッププレート14の下面に、接着又は蒸着された透明電極等で入力電極が形成されている。前記5つのキーに対応した表示画面129の所定位置に「湯沸し」等のようなキーの入力機能を示す文字が表示されていない場合は、そのキーは入力機能が無効になっているので、仮に使用者がその部分に触れても入力動作は全く行えない。なお、図35や図36のように、加熱動作が開始されたあとも、その選択された調理メニューの入力キー128A2、128A3は表示されたままになっているが、この時に再度これらキーに触れても、表示画面が不用意に別の画面に変化しないよう、前記制御装置32で制御される。
次に、時間帯別電気料金情報と誘導加熱調理器の使用時間帯の情報の表示例について、図37〜図39を参照して説明する。なお、図37の表示例は、前記支援キー429を表示させていない例であるが、図38では支援キー429を表示させた場合を示している。図31の表示画面129の段階で、キー(アイコン)428にタッチすれば、図38のように、前記支援キー429が自動的に表示されたままとなる。なお、図39の段階は、既に茹での調理開始されたあとであるため、支援情報求める可能性少なく、キー(アイコン)428は表示されない(図39の場面に切り替わった段階で、キー428は消える)。
図37において、215は茹で調理メニューを選択した場合に中央表示部16の表示画面129に現れる加熱開始時刻表示部である。この時刻は後述する時計回路240からの現在時刻を前記制御装置32が読み出して表示する。
216は茹で調理を開始する時間を表示する時刻表示部であり、特に使用者が変更しない限り、その時点の時刻が選択されて表示されるようになっている。この時刻も後述する時計回路240からの情報に基づいて前記制御装置32が表示画面129に表示する。217は、時間帯別電気料金区分の表示情報である。この図36の例では、適用される電気料金が中程度の時間は23時までという表示部218Mと、適用される電気料金が安い(低い)の時間は23時以降という表示部218Lと、の2つが表示されている。
三角形のマーク219は、現在使用開始した場合に、前記電気料金区分のどこが適用されるのかを表示したものであり、この図37の例では、現在22時50分であるので、23時からの「夜間時間」に近いが、まだ夜間時間に入っていないので、1kWhあたりの電力量料金単価(税込)は相対的に高い(23.13円)が、23時になると「朝晩時間」が適用されて1kWhあたりの電力量料金単価(税込)は安くなる(9.17円)ことが、直感的に理解できる。なお、1kWhあたりの電気料金単価自体を表示しても良いが、実際に使用している電力量が正確でないと、誤解を招くおそれがあるので、この実施の形態1では、「高」、「中」、「低」の3段階表示にしている。
図37において、211Rは1つ前の表示画面に戻る場合にタッチする戻りキー、230は加熱時間を1分単位で遅らせる(後ろへシフトさせる)キーであり、231は加熱時間を30分単位で遅らせる(後ろへシフトさせる)キーである。
これら2つのキーも表示画面129を覆うガラス製トッププレート14に形成された静電式接触感知式の入力キーである。キーの機能を示す文字(1分シフト、30分シフト)は表示画面で表示される。図37において、例えば加熱開始時刻(22時50分)を23時にしたい場合は、前記キー230に10回タッチすれば良い。その次に、キー211Nにタッチすれば図38に示す表示に切り替わり、調理条件を確定させて加熱動作開始したい場合は、スタートキー212にタッチすれば良い。図37の画面に戻る場合はキー211Rに触れれば良い。
図24に戻って誘導加熱調理器2を説明する。図24において、本体2Aの上面後部には、後述するグリル調理器4のグリル庫22内に空気を取り込むための吸気口20、及び、グリル庫22内の被調理物から発生する煙等を排出するための排気口21が形成されている。吸気口20は、本体2Aの内部空間に送風機(図示せず)で室内空気を取り込むものであるが、その取り込まれた空気の一部は、前記誘導加熱コイル2LC、2RCの冷却用に使用され、冷却後の空気は前記排気口21から室内へ放出される。また、図25で示されるように、本体2Aの内部空間には、誘導加熱調理器2の動作全般を制御する制御装置32が備えられている。
(グリル調理器4の構成)
次に、図24、図25を参照しながら、グリル調理器4の構成について説明する。
誘導加熱調理器2の本体2Aの左下側内部にグリル調理器4が収容されている。このグリル調理器4は、少なくとも、本体2Aの前面部の左側に開閉可能に設置されたグリル扉28、そのグリル扉28で前面開口部が開閉自在に閉鎖された調理空間であるグリル庫22、そのグリル庫22の底部に載置された受け皿23、その受け皿23の上に置かれ、上側に魚等の被調理物25を載置するグリル網24によって構成されている。グリル扉28には、そのグリル扉を開閉するためにユーザーが手を掛けるための取っ手28Aが設置されている。
また、グリル庫22と排気口21とを連通させ、吸気口20から取り込まれた空気を被調理物25から発生する煙と共に、グリル庫22から排気口21を介して外部に排気するための排気ダクト(図示せず)が、グリル庫22の後方に接続されている。
(上面操作部26の構成)
次に、図25を参照しながら、上面操作部26の構成について説明する。
図25で示される誘導加熱調理器2の平面視において、上面操作部26は誘導加熱調理器2の上面の手前側に、横方向に長く帯状に配置されている。つまり前記トッププレート14の前方端部よりも更に手前側で額縁状の金属製フレーム15の前方辺の直後位置に配置されている。
図25において、上面操作部26は、左側から、左加熱口2Lの加熱動作を操作するための左側の第1の加熱口用操作部81、グリル加熱動作を操作するためのグリル庫用操作部83、及び、右側の第2の加熱口2Rの加熱動作を操作するための右加熱口用操作部82を備えている。この上面操作部26に、前記注意情報ランプ430が一対設けてある。
また前記NFC用入出力部401L、401Rが2箇所設けてある。右側にあるNFC用入出力部401Rは、右側の第2の加熱口2Rの異常監視データを読み取るためのものであり、左側にあるNFC用入出力部401Lは、左側の第1の加熱口2Lの異常監視データを読み取るためのものである。誘導加熱調理器2共通の識別情報は、左右のNFC用入出力部401L、401Rの何れでも読み取ることができる。
左側のNFC用入出力部401Lを「第10通信部」、右側のNFC用入出力部401Rは「第11通信部」と呼んで区別する場合があり、また両者を総称する場合は「第11通信部」という。
これらNFC用入出力部401L、401Rは、前述したように、図27に示した発光ダイオード素子(LED)323によって下方から照らされる構成になっており、制御装置32の指令を受けて表示部駆動回路35によってそれらLEDが適宜タイミングで点灯するが、少なくとも第1の加熱口2Lに関係する電気回路や電気部品で異常が発生した場合は、左側の入出力部401Lが照らされ、第2の加熱口2Rに関係する電気回路や電気部品で異常が発生した場合は、右側の入出力部401Rが右側のLED323によって照らされることにより、使用者は、情報通信端末機器87によって異常内容を示す情報を正確に読み出すことができる。
図25でNFC用入出力部401、401Rは、破線で示した枠になっているが、これはNFC用アンテナ322の位置を模式的に示したもので、アンテナ322の大きさは、図25で示したものとは実際は異なっており、また上面操作部26には外観上、NFC用アンテナは直接目視できないため、発光ダイオード素子(LED)が点灯していない状態でもNFC用入出力部401L、401Rのアンテナの位置が分かるように、上面操作部26の外殻を構成する半透明の構造板(図示せず)の表面には、何らかの文字と図形で、NFC用入出力部401L、401Rのアンテナの位置を示してある。
前記左加熱口用操作部81は、揚げ物ボタン81a、3kWボタン81b及び入/切ボタン81cによって構成されている。また、右加熱口用操作部82は、揚げ物ボタン82a、3kWボタン82b及び入/切ボタン82cによって構成されている。そして、グリル用操作部83は、グリルメニューボタン83a、スタート/停止ボタン83b、左矢印ボタン83c、右矢印ボタン83d、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fによって構成されている。
また、スタート/停止ボタン83bには、スタート/停止ボタンLED84が備えられている。また、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dには、矢印ボタンLED85が備えられている。そして、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fには、時間ボタンLED86が備えられている。
上記の各ボタン及び各LEDの機能についての詳細については後述する。
なお、図25で示される上面操作部26を構成する各ボタンの種類及び配置は、一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
(誘導加熱調理器2の制御部)
図26において、27は200Vの商用電源EPにブレーカーBK介して接続された電源線、11は使用者によって開閉操作される主電源スイッチ、31はこの主電源スイッチを介して電気エネルギーが供給される電源回路、32はこの電源回路から所定の定圧電流が供給されるマイクロコンピューターを中心に構成される制御装置である。前記マイクロコンピューターは、入力部と、出力部と、記憶部と、CPU(演算制御部)の4つの部分から構成され、その記憶部には、各種調理メニューに対応した通電制御プログラムが予め記憶(格納)されている。また、前記マイクロコンピューターの記憶部(ROM、RAM)とは別に、異常監視情報を記録する大容量の記憶装置32Rを内蔵している。
前記したように、誘導加熱と電気輻射熱調理の何れにおいても、電気的な異常状態の有無の監視が制御装置32によって実施されている。さらに制御装置32は、異常検知手段ESの一部を構成する温度検出回路150から温度情報を得て、調理器の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを監視している。例えば前記中央表示部16の表示画面129は、液晶表示基板で構成されているが、比較的熱に弱いので、所定温度(例えば60℃)を超えないように温度検出回路150を通じて監視しており、前記所定温度を超えた時点で異常予備状態と制御装置32によって判定される(なお、60℃〜65℃の範囲にある場合に限る)。この異常予備状態では直ちに加熱動作は停止せず、本体ケース2Cの内部空間を冷却している電動送風機(冷却ファン)の送風能力を上げることで改善する)。しかし65℃を超えた時点で異常状態と制御装置32によって判定され、直ちに加熱動作を停止するため、例えば駆動しているインバーター回路33L(後述する)の電源供給を遮断する。
そして、少なくともこのような異常予備状態から緊急停止までの期間における誘導加熱調理器の主要な部分(一例として前記した中央表示部16の温度)の異常監視データが、制御装置32の記憶部32Rの中に、時系列で順次格納される。なお、記憶部32Rに記憶される異常監視データは、主電源スイッチ11を入れた時点から取得開始され、調理を停止するまでの電気的、物理的変化の履歴が反映されたものとなる。そのため、その後選択した調理メニュー(後述する、「湯沸し」、「煮込み」、「揚げ物」など)や、誘導加熱の火力の情報も、時系列で記録される。途中で異常状態が原因で緊急停止した場合は、その時点まで異常監視データが前記記憶装置32Rに保存されることになる。
またこの実施の形態1では、より広範囲にわたって誘導加熱調理器2の動作を監視してデータを取得するため、異常予備状態の前の時点から監視している。具体的には図64で詳しく説明するが、主電源を入れてから誘導加熱調理を緊急停止するまでの期間(図64では、「異常監視データ取得区間ET1」と呼んでいる)の監視データを制御装置32が取得できるようにしている。なお、監視データの総量を減らすため、運転情報信号L1から監視データを制御装置32が取得するのではなく、加熱動作開始の運転情報信号(加熱調理開始予告信号)L4又は、加熱調理開始許可信号KSが届いた時点から開始しても良い。
33Lは、前記左側の誘導加熱コイル2LCに高周波電流を供給するためのインバーター回路である。誘導加熱コイル2LCは共振コンデンサー等が接続された周知の共振回路の中に接続されている。
33Rは、前記右側の加熱手段(誘導加熱コイル2RC)に高周波電流を供給するためのインバーター回路である。加熱手段(誘導加熱コイル2RC)は共振コンデンサー等が接続された周知の共振回路の中に接続されている。
そしてこれら2つのインバーター回路33L、33Rは、前記制御装置32によって互いに独立して駆動されるようになっている。
34は前記グリル調理器4のグリル庫22内部に複数個設置した輻射式電気ヒーター、例えばシーズヒーター34Hを駆動する駆動回路である。前記シーズヒーター34Hは例えばグリル庫22の内部の天井付近と底面付近にそれぞれ水平に設置されており、前記グリル網24を上方と下方から加熱できるように構成されている。
37は、前記グリル庫22から排気口排気口21に至る排気ダクト(図示せず)の入口部又はその途中に設置された触媒(図示せず)を加熱することによって、グリル庫22から放出される煙の除去作用を促進するための触媒ヒーターであり、触媒(図示せず)を加熱することで酸化還元作用を促進する。
38は、電子的に作成した音声を合成する音声合成装置であり、使用者に対する操作の案内や、異常発生時の報知などをスピーカー39から音声でその都度報知する。
150は温度検出回路である。この温度検出回路は、前記誘導加熱コイル2LC、2RCによって加熱されるトッププレート14上の被加熱物Nの温度や、そのトッププレート14の温度、グリル庫22内部の雰囲気温度、インバーター回路33L、33R、中央表示部16等を検知するための複数個の温度センサー(図示せず)から温度検知情報を受け取り、温度検出結果を制御装置32に送る。前記温度センサー(図示せず)は赤外線センサーのような非接触型、あるいはサーミスタのような接触型の何れであっても良く、それらを単独で、又は組み合わせて使用している。
41は、前記グリル庫22の内部に高温蒸気を供給する蒸気供給装置であり、高温蒸気によってグリル庫22で蒸し調理ができる。42は前記操作パネル13に設けた前面操作部であり、前記主電源スイッチ11の操作ボタン11Aと、2つの電力調整用のダイヤル12L、12Rとをそれぞれ有している。
240は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路であり、後述する主電源スイッチ11に繋がる電源回路31とは別の専用電源(内蔵電池)BT1から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、常に制御装置32から求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものであり、この誘導加熱調理器の製造段階で正しい日時にセットされている。従って、誘導加熱調理器2の主電源を切り、その後再度主電源を投入しても、この時計回路の時刻情報を影響受けず、常に最新の正しい時刻を制御装置32に伝える機能がある。
この時計回路240があるため、前記制御装置32の記憶装置32Rに記録される異常監視情報も、常に正確な時間が同時に記録されて保存されることになる。従ってNFC用入出力部401L、401Rから情報通信端末機器87によって外部に読み出される異常監視データには、前記した発生時刻情報が付加されている。これにより後でデータを分析する際に、時間経過が正確に把握できる。
241は地震発生時の揺れを検知する感振機器であり、所定の震度(加速度)以上を感知した場合、振動感知信号を前記制御装置32に送り、制御装置32ではその信号を受けて地震発生と判断し、使用中の全ての加熱手段の電源を瞬時に遮断する動作を行う。なお、この緊急遮断情報は、後述する電力指令装置9にも瞬時に発信され、運転中の他の家電機器(特に、電気熱源を内蔵しているもの)がある場合、電力指令装置9が、それら家電機器の電源も一斉に緊急遮断する。
次に、図24及び図25に示す誘導加熱調理器2による油調理について説明する。油調理とは天ぷら、コロッケ等を作るための揚げ物調理のことである。なお、この揚げ物調理は、前記した特定調理メニューとして選定されていない。
使用者は、食用油が入れられた油鍋を左加熱口2Lに置く。そして、使用者が上面操作部26に配置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、油鍋の加熱動作が開始される。次に、使用者は揚げ物ボタン81aを所定回数押下することによって、油鍋に入れられた油の量を制御装置32にインプットし記憶させる。そして、左側の電力調整用ダイヤル12Lを回転操作することによって、目標とする油温度を設定する。この際、設定された油の量及び油温度は、例えば、左表示部18Lに数字で表示させるものとすればよい。そして、使用者は、油調理終了後、再び入/切ボタン81cを押下することによって、油調理を終了させることができる。
揚げ物調理は、前記したように目標となる油温度まで自動的に温度上昇するように、制御装置32によって火力が調節されるが、これを調理メニューでは「自動揚げ物」と呼ぶ。また手動で火力を調節しながら揚げ物を調理することもできるが、それは「手動揚げ物」という。以下の説明では特に明示しない限り、揚げ物調理とはこの「自動揚げ物」のことを指す。
また、使用者によって、油鍋が右側の第2の加熱口2Rに設置された場合も、同様に、油鍋の誘導加熱を実施することができる。その際、使用者による入/切ボタン82c、揚げ物ボタン82a及び右側の電力調整用ダイヤル12Rの操作、並びに、右表示部18Rの表示動作については、前述の入/切ボタン81c、揚げ物ボタン81a及び左側にある電力調整用ダイヤル12Lの操作、並びに、左表示部18Lの表示動作と同様である。
なお、揚げ物調理の開始時点では、中央表示部16の表示画面には、前記した第1の表示情報210Aが現れていて、「電力削減対象」という文字が表示されている。
次に、揚げ物調理における通電制御パターンについて説明する。なお、第1の加熱口2Lの場合で以下説明するが、右側にある第2の加熱口2Rでも同じ制御パターンで実行される。
(自動)揚げ物調理の調理メニューを使用者が選択すると、制御装置32は、図50に示すように、予熱工程、揚げ物調理工程、火力アップ工程を順次実行する。また前記中央表示部16の表示画面には、前記した第4の表示情報210Dが現れ、「電力優先」という文字が表示される。このため、この揚げ物調理中には、後述する電力削減要求信号を受けても電力を優先的に確保する調理器であることが使用者に認識できる。
予熱工程では、使用者が設定した目標の油温度が180℃である場合、予熱工程では所定の火力値(最大1500W)でインバーター回路33Lが駆動開始され、急速に油の温度は室温(例えば20℃)から目標温度T1の180℃まで上昇する。
この温度上昇は、前記した温度検出回路150によってリアルタイムで監視されているので、目標温度T1(第1の温度)の180℃になったことが温度検出回路150によって検出されると、制御装置32は、誘導加熱量、つまりインバーター出力を調節して、目標温度をそのまま維持しようとする(このような温度検出情報に基づいて、目標温度に近づけようと高周波火力を自動的に調節する動作を以下、「温度フィードバック制御」という)。
またこの「温度フィードバック制御」の工程に入ると、前記中央表示部16の表示画面では、前記した第1の表示情報210Aによる「電力削減対象」の文字が消え、代わりに第4の表示情報210Dが現れ、「電力優先」という文字が表示される。このため、表示画面129を使用者が見れば、この揚げ物調理の重要な「揚げ物調理工程」は、後述する電力削減要求信号を受けても電力を優先的に確保する動作が行われることを容易に認識できる。
また音声合成装置38を介して使用者に「油の温度が適温になりました。具材を投入してください」というような音声ガイドを行う。
使用者が具材、例えば冷凍されていたコロッケを油の中に入れると、その油は冷たい具材によってその投入時点から急速に冷やされるので、図47に示すように温度が急降下する。しかし、温度検出回路150はこのような温度降下の動きを監視しているので、直ちにインバーター回路33Lの火力を所定の火力1500W又は1800Wに上げて駆動するので、油の温度は再び上昇する(温度フィードバック制御)。このようにしてして再び目標温度T1に至った段階で直ちに(または所定時間経過したら)揚げ物工程から火力アップ工程に移行する。
図48は、誘導加熱調理器2の「自動揚げ物調理」における加熱工程図を示したものである。
図48の火力アップ工程では、前記目標温度T1よりも高い第2の温度T2の225℃と、これより更に高い上限温度(第3の温度)T3の230℃間に油の温度が維持されるように制御装置32はインバーター回路33Lを制御する。図48に示すように火力値は900W程度で間欠駆動される。この第3の温度T3になった以降の工程を「揚げ物仕上げ工程」と呼び、揚げ物をカラッと仕上げるために重要な工程である。このような火力アップ工程で十分な火力を投入して調理しないと、揚げ物がうまくできないことになる。なお、揚げ物工程は所定の時間内に制限されていないので、使用者が入/切ボタン81cを押下すれば、揚げ物調理は全て終了する。
図48に示すように(自動)揚げ物調理の調理メニューにおいて、前記揚げ物調理工程から火力アップ工程までを「優先調理メニューの実行時間帯」と定義しており、この実行時間帯には外部からの操作や指令によって電力の削減が行われないようにしている。つまり、この誘導加熱調理器2の制御装置32は、実行中の調理メニューが、前記「優先調理メニューの実行時間帯」にあるかどうかを常に把握し、もしその実行時間帯にある場合には、その旨を外部に報知する機能を有している。また、前記中央表示部16の表示画面129では、第3の表示情報210Cが「電力優先」という文字を表示し続け、電力を優先的に確保する動作が制御装置32によって自動的に行われることが分かる。
次に、お湯沸かし動作について説明する。この「湯沸し」のメニューも前述したように前記特定調理メニューとして選定されていない。
使用者は、水が入れられた鍋や、やかん等の被加熱物Nを第1の加熱口(左加熱口)2Lに載置する。そして、使用者が上面操作部26に設置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、加熱動作が開始される。次に、使用者は3kWボタン81bを所定回数押下することによって、加熱時間を設定する。この際、設定された加熱時間は、例えば、左表示部18Lに表示させるものとすればよい。そして、加熱動作開始後、設定された加熱時間が経過した後、自動的に加熱動作が終了する。
また、使用者によって、水の入れられた鍋又はやかん等の被加熱物Nが右側の第2の加熱口2Rに置かれた場合も、同様に、誘導加熱を実施することができる。その際、使用者による入/切ボタン82c及び3kWボタン82bの操作、並びに、右表示部18Rの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び3kWボタン81bの操作、並びに、左表示部18Lの表示動作と同様である。
(誘導加熱調理器2のグリル調理器4における加熱動作)
次に、図24〜図26を参照しながら、本実施の形態1における加熱調理器2のグリル庫22における加熱調理動作について説明する。
使用者は、まず、グリル扉28の取っ手28Aを掴んで手前に引っ張り、受け皿23及びグリル網24をグリル庫22内から外側に引き出す。次に、使用者は引き出したグリル網24の上に魚等の被調理物25を載置する。
次に、使用者は、再び、取っ手28Aを掴んで本体2Aのグリル庫22奥側に押し込み、受け皿23及びグリル網24をグリル庫22内に引き込んで、グリル扉28を閉める。そして、使用者は、上面操作部26に配置されたグリルメニューボタン83aを所定回数押下することによって「姿焼き」、「グリル」及び「オーブン」等のグリルメニューを選択する。
次に使用者によって「姿焼き」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
使用者は、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、被調理物25の焼き色を設定する。この焼き色の設定操作信号は、制御装置32に送信され、制御装置32は、その設定操作信号に基づいて、中央表示部16にその設定された焼き色を表示させる。
使用者は、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「姿焼き」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、使用者によるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置32に送信され、制御装置32は、その押下操作信号を受信すると、先程受信した焼き色の設定操作信号に基づいて、被調理物25の調理時間を計算する。次に、制御装置32は、ヒーター駆動回路34(図26参照)に対し、グリル庫22内に設置されたヒーター34Hに通電させ、そのヒーターによって、設定された焼き色となるように被調理物25を加熱させる。そして、制御装置32は、加熱動作を開始してから、計算した調理時間経過後に、加熱動作を終了させる。
次に、使用者によって「グリル」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
使用者は、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、被調理物25に対する加熱動作の火力を設定する。この火力の設定操作信号は、制御装置32に送信され、制御装置32は、その設定操作信号に基づいて、中央表示部16にその設定された火力を表示させる。
次に、使用者は、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、被調理物25に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置32に送信され、制御装置32は、その設定操作信号に基づいて、中央表示部16にその設定された加熱時間を表示させる。
使用者は、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「グリル」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置32に送信され、制御装置32は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路34に対し、グリル庫22内に設置されたヒーター34Hに通電させ、そのヒーターによって被調理物25を加熱させる。そして、制御装置32は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。
次に、使用者によって「オーブン」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
使用者は、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、被調理物25に対する加熱動作の加熱温度を設定する。この加熱温度の設定操作信号は、制御装置32に送信され、制御装置32は、その設定操作信号に基づいて、中央表示部16にその設定された加熱温度を表示させる。
次に、使用者は、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、被調理物25に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置32に送信され、制御装置32は、その設定操作信号に基づいて、中央表示部16にその設定された加熱時間を表示させる。
使用者は、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「オーブン」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、使用者によるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置32に送信され、制御装置32は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路34に対し、グリル庫22内に設置されたヒーター34Hに通電させ、設定された加熱温度の下に、ヒーター34Hによって被調理物25を加熱させる。そして、制御装置32は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。なお、この「オーブン」のグリルメニューでは、前記グリル庫22の内部雰囲気温度が使用者の設定した加熱温度になるように制御装置32はヒーター34Hの火力を自動的に制御する(温度フィードバック制御)。
(炊飯器3の構成)
この実施の形態1における炊飯器3は、図22、図23、図40、図41、図42、図43に示すように、箱型の炊飯器本体ケース41と、蓋体42と、蒸気処理装置50から構成されている。その蓋体42又は前記本体ケース41の表面には、使用者が操作する操作部43があり、その操作部には、炊飯開始ボタン44を有しており、周知のように炊飯開始ボタン44が押されると自動的に炊飯をスタートし、吸水工程を経て沸騰工程で一気に炊き上げ、ご飯を炊ける調理器である。なお、炊飯後は一定の時間(例えば7時間)は保温ヒーター(図示せず)によってご飯は所定の温度(例えば70℃)を維持するように保温される。炊飯器3は、使用者が自由に持ち運びできるので、システムキッチン1以外の場所で使用することも可能である。
前記炊飯器3の本体ケース41は平面形状が縦長の長方形又は正方形を有している。本体ケース41の内部には、上面が開口した平面形状円形の磁性金属製の内釜40と、この内釜の上面開口を開閉自在に閉塞するよう前記本体ケース41の後部の一側縁部にヒンジ機構で支持された前記蓋体42と、前記内釜40を加熱する加熱手段45を備えている。この加熱手段は、誘導加熱方式のヒーターが用いられ、線径が数十ミクロン程度の細い銅線を多数束ねて撚り線構造にし、円板(環状)形状にした誘導加熱コイルが実際の加熱体となる。この加熱コイルは前記内釜40の外側底面に広い範囲で密着又は微小間隙を置いて対面するように設置されている。
前記蓋体42の内側には、その蓋体42を閉塞した時、内釜40の上面と蓋体42の間から蒸気が外部に漏れなくする為の環状のゴム製蓋シール材を具備した良熱伝導性金属からなる円形の内蓋46が着脱自在に固定されている。この内蓋46の一部には、内釜40で発生した蒸気を外部に排出するための蒸気発生口47が形成されている。
前記蓋体42には、その上面に臨むように液晶表示部49(図41〜図43参照)が収納されている。この液晶表示部の表示画面には、炊飯開始前の各種条件設定情報や、実行されている炊飯工程の情報などが視覚的に認識できるよう、文字や記号、イラストなどで表示される。また加熱手段45の動作状態や炊飯に参考となる関連情報(異常使用を注意する目的や異常運転状態の発生を知らせる目的のものを含む)も前記液晶表示部49の表示画面にて適宜表示される。
図41において、54Aは、後述する「炊飯工程」の中の「強火」工程を実行している状態であることを表示する第6の表示情報であり、文字で「沸騰中」と表示される。54Cは第7の表示情報であり、前記した第4の表示情報210Dと同様に、不用意な電力削減は問題があるので、電力を優先的に確保する(炊飯工程の強火加熱)工程に入っていることを示すためである。なお、誘導加熱調理器2の第1の表示情報210Aと同様に、電力が削減される可能性のあることを示す第5の表示情報54B(図示せず),また同じく第3の表示情報210Cと同様に、電力が削減されたことを示す第8の表示情報54D(図示せず)が液晶表示部49に表示される場合もある。
図41において、143は、液晶表示部49の中に現れる受信表示部である。この受信表示部は、情報サーバー89Aや情報通信端末機器87等から電力指令装置9が炊飯器3を受信先に指定した情報を受信した場合、家庭の外部から何らかの情報が届いていることを文字や図形等で表示する部分である。炊飯器3の主電源が入れてない状態でも、電力指令装置9が炊飯器3のための外部からの情報を記憶保持しており、炊飯器3の主電源スイッチを入れて、電力指令装置9との間で無線通信が開始された最初の段階で、その電力指令装置9から炊飯器3側へ送信される。その送信を受信した直後に外部からの情報は自動的に音声で報知される。
43は、図41に示すように炊飯器の操作部であり、炊飯動作を開始する「炊飯開始ボタン」44、炊き上がった米飯を一定の所定の温度で保温するモードを開始する「保温キー」55B、通常の炊飯やおかゆや炊き込みご飯などの各種炊飯メニューの選択を行う「メニューキー」55C、白米や玄米など炊飯するお米の種類を選択して入力する「お米キー」55D、炊飯器3の状態と次に必要な操作を音声にて報知したり報知する音量を調整したり音声モードの入り切りを行う「音声ナビゲージョン用キー」55E、予約炊飯機能の設定を行う「予約キー」55F、各種入力操作やモードを取り消し又は切る「切/取消キー」55G、炊き方(炊き加減)の「ふつう」、「かため」、通常炊飯とは異なる「おかゆ」をそれぞれ選択できる「炊き方キー」55Hを、それぞれ備えている。
これら各キーは、使用者が押すことによって内蔵された電気接点が閉じられ、入力信号が発生するような機械的スイッチ又は前記した誘導加熱調理器2の静電容量式のタッチ式スイッチの何れでも良く、また組合せて使用しても良い。
56は、一度押すことによって消費電力を所定量だけ減らすことができる節電スイッチである。例えば、予熱工程でこの節電スイッチを押すと、最初の数分間だけ消費電力が減らせるが、その分予熱工程の所要時間が長くなるので、液晶表示部49の表示画面にはその旨注意事項が表示され、また前記音声ガイド(ナビゲージョン)用キー55Eをその都度押さなくても「節電モードを選択しました。予熱工程の時間が数分間延びます」というような案内が行なわれる。
48は、一端が前記蒸気発生口47に接続され、終端部に蒸気排出口53が形成された蒸気ダクトであり、蓋体42の中を貫通するように設置されている。
前記蒸気処理装置50は、蒸気発生口47から排出される蒸気を復水する処理を行うための水が貯蔵できる上面が開口した水タンク(図示せず)と、その水タンクの上面開口部を開閉自在に覆うタンク蓋51とを有している。
52は、前記タンク蓋51に、前記蒸気排出口53に対応する位置に設けた蒸気導入口である。この導入口の下方には、その導入口に連通した連通管(後述する)を設けている。前記蓋体42を閉じた状態では、前記内蓋46によって内釜40の上面開口部が密閉されるとともに、前記蒸気導入口52が前記蒸気排出口49に密着状態に接触する。
前記連通管(図示せず)は、前記タンク蓋51の下面に上端部が固定され、水タンク(図示せず)の中の水中に大部分が没するように垂直に設置されている。その連通管の下端は、水タンクの中に溜めた水の水面から一定深さ位置(H)位置に位置するように、その垂直方向の長さと水タンクの大きさ(高さ)との関係が考慮されている。これにより前記連通管の下端開口から放出された蒸気が、水タンク内の水に十分に接触し、水に戻るようにしている。
従って、前記一定の深さ位置(H)は、最大火力で加熱手段45が通電された場合でも、蒸気発生口47から発生する蒸気の全てを復水できるように設定されており、高温の蒸気が前記連通管の下端開口から水中に出た段階で、蒸気気泡が水中を吹き上がる速さと、蒸気が冷えて水に戻る速さとから決定される。
ここでいう「蒸気」とは、後述する「炊飯工程」と「むらし工程」において内釜40内部で発生し、連通管に導かれる蒸気のことをいうが、この実施の形態では、「吸水工程」〜「保温工程」までの蒸気は全て回収可能である。なお、保温工程とは、この実施の形態では、「むらし工程」の終了後7時間までをいうが、この時間の長短は適宜変更可能である。
なお、前記蓋体42を閉じた状態では、前記蒸気ダクト48の末端部にある蒸気排出口53のシール材が、前記タンク蓋51の蒸気導入口52に密着状態に接触し、蓋体42の内部を通過する高温の蒸気が途中で外部に連通することなく水タンク(図示せず)の連通管の内部まで確実に連通するようにしている。
予約炊飯機能の設定を行う前記予約キー55Fを押した場合は、図42に示すように予約設定用の操作部に変化する。
この炊飯器3は、炊飯動作の完了時間を設定する第1の電気機器の1つである。この炊飯器で炊飯動作終了時刻(終了予約時刻A)を設定することができる。
250,251は、図42に示すように炊飯動作の終了時間の予約(以下、「予約炊飯」という)の時に蓋体42の上面で、前記液晶表示部49の左隣に表示される一対の時間設定キーであり、静電式タッチスイッチである。このスイッチは入力機能が有効である場合に、その下方に設けた発光ダイオードの光でキーの輪郭部と三角図形が浮かび上がって目視できるようになっている。一方のキー250は時間を遅らせるもので、他方のキー251は時間を遡らせるためのものである。
上矢印のマーク219は、図37、図38に示したものと同様に、現在使用開始した場合に、前記電気料金区分のどこが適用されるのかを表示したものである。この近傍には「現在」という文字が一緒に(液晶表示部49の画面に)表示される。また253は、前記マーク219を基点として所定時間後の位置に表示される炊飯完了時刻表示マークであり、その近傍には「炊飯完了」という文字が液晶表示部49の画面に表示される。現在時点のマーク219で炊飯を開始すると、炊飯完了時刻表示マーク253は約40分後の位置に表示される。但し、これは3合のお米を炊いた場合であり、炊飯量の大小によって時間は変化する。
図42において、254は電気料金区分が変化する境界の時刻表示情報である。つまり17時から23時までは前記したように「朝晩時間」の料金が適用され、23時を過ぎると翌朝7時までは「夜間時間」の料金になり、「低料金」になることが、この時刻表示と電気料金区分情報218Mとによって使用者には容易に理解できる。なお、最大で10時間まで後の予約炊飯をセットできるようになっている。
前記一対の時間設定キー250,251の内、例えば一方のキー250にタッチすると、炊飯開始時刻を30分単位で遅らせることができ、それに伴って前記マーク253は図43に示すように右側へ移動する。253Aはそのマークの位置に応じた時刻表示情報である。例えば現在午後10時(22時)の時刻表示253Aが出ている状態から、キー250を何回かタッチすると、30分ずつ炊飯完了時間を30分ずつ遅らせることができ、午前6時という時刻表示が出るところまで移動させれば、炊飯開始時刻は明らかではないものの、使用者が求める時刻(午前6時)までに炊飯を終えるような予約ができる。
55Kは予約を確定させるキーであり、前記予約キー55Fと同じ位置に入力機能が「予約確定」に切り替えられて形成される。(炊飯動作の完了時刻の)予約確定後はこのキー55Kは炊飯完了までの間、ずっと継続して光った状態になる(下方に設置した発光ダイオードの光で照らされるため)。
次に炊飯器3の制御手段60について図44を中心に説明する。
制御手段60は、電源部61と制御部62とから構成されている。制御部62は1つ又は複数のマイクロコンピューターを中心に構成されている。マイクロコンピューターは、入力部と、出力部と、記憶部と、CPU(演算制御部)の4つの部分から構成され、前記電源部61を介して直流電源が供給され、加熱手段45と液晶表示部49とを制御する中心的な役目を果たすものである。
前記制御部62には、加熱手段45の動作条件として内釜40底面の温度と米飯の温度との相関テーブル、各炊飯メニュー(白米、無洗米の選択、炊き加減の「ふつう」、「かため」、通常炊飯とは異なる「おかゆ」)、がそれぞれ記憶されている。さらに炊飯を行う工程として「予熱工程」、「炊飯工程」、「むらし工程」及び「保温工程」という4つの工程を順次実行するような制御プログラムが記憶されている。なお、ここでいう「動作条件」の一つとして通電条件があり、この通電条件とは、加熱手段45の電気的、物理的な条件を言い、加熱手段45の通電時間、通電量、通電パターン(連続通電、断続通電、通電率等)等を総称したものである。
図44において、温度検知手段63は、圧縮バネ等により内釜40の底面に下方から圧接され、内釜40底面の温度を検知しその検知信号を出力するもので、サーミスタ式温度センサーを使用している。43は前記本体1の蓋体42上面前方部に設けた操作部で、図41に示しているように、蓋体42の表面に形成された複数個の前記押圧式のキー55D、55H等を操作することにより、加熱手段45の動作条件を設定することができる。また前記した操作部43(図41の操作部43)は、液晶表示部49の手前に配置されている。前記炊飯開始ボタン44は、その液晶表示部49の斜め右前方位置に設けてある。
図44において、65はタイマー等で構成される計時手段(時計回路)で、これが出力する計時信号が前記制御部62に入力されるとともに、前記液晶表示部49に対して現在時刻や設置時刻情報が出力されるので、それら時刻が液晶表示部49の表示画面上に表示される。なお、この計時手段は、炊飯器の電源コードを引き抜いても、炊飯器に内蔵された電池によって長期間稼動するようになっている。なお稼動時に電波時計のように外部からの時刻情報を得て、現在時刻にズレが無いように自己修正する機能を持たせても良い。
図44において、66は前記水タンクの中に貯められた水の量を水位で検知する水位センサーで、水タンクの水位を、光や重量その他の物理条件で把握するものであり、本体ケース41の前方部の水タンクと対向する部分に設けるか、または水タンクが乗せられる底板67の前方部上面に設置してある。
図44において、68は前記水タンクの中に貯められた水の温度を検知する水温センサーで、水タンクの側壁を介して水温を検知するように、本体ケース41の前方部の水タンクと対向する部分に設けるか、または図40に示すように水タンクが乗せられる底板67の前方部上面に設置してある。
次に、炊飯器3の炊飯動作について説明するが、予約炊飯ではなく、使用者が直ぐに炊飯を始める場合について説明する。
この実施の形態1の炊飯器は、図49に示すように、予熱工程、炊飯工程、むらし工程及び保温工程という4つの工程を順次実行するように前記制御部62に制御プログラムを持っている。
まず、本体ケース41から取り外した水タンクのタンク蓋51を取外し、水タンクの中に外部から水を入れる。そして、内釜40内に米と水を規定量入れ、本体ケース41の蓋体42上面にある炊飯開始ボタン44を押圧して炊飯を開始する。これにより、加熱手段45が加熱され炊飯を行う。この最初の段階では、まだ吸水工程であるので、電力が削減される可能性のあることを示す第5の表示情報54B(図示せず)が液晶表示部49に表示されている。これによりこの炊飯器を使用する最初の段階で外部からの指令によって電力削減動作が行われる家電機器であることが使用者には分かる。
図49において、予熱工程H1において加熱手段45は最初強火力となるよう連続通電パターンで通電が開始されるが、内釜40内部の温度が所定の温度(55℃)に達したことを温度検知手段63が検知すると、この情報が制御部62に入力され、55℃を維持するように通電量が抑制され、また通電が間欠的になるので、ほぼ蒸気は発生せず、水タンクにおける蒸気処理(復水処理)も行われていない。この55℃維持の状態を一定時間以上続ける。55℃になった時点からの経過時間を計時手段65が計測し、この計時信号が前記制御部62に入力されて予熱工程の終了時間が制御される。
次に、炊飯工程H2に入ると、最初の強火工程H2Aでは、加熱手段45の火力が強くなり徐々に内釜40内の水温が上昇し内釜40内の水が沸騰に達する。沸騰が激しくなり蒸気量が増すと、内釜40の中は大気圧よりも圧力が上昇し、内釜40内で発生した蒸気は、その圧力により押出されて蒸気発生口47から蓋体42の内部の蒸気ダクト48で構成された密閉空間に入る。その後蒸気ダクト48から蒸気処理装置となる水タンクへ蒸気が噴出する。つまり炊飯工程H2は、最大火力、例えば1300Wで加熱される強火工程H2Aと、その後の、弱火工程H2Bの2つから構成されている。
前記炊飯工程に入ると、第5の表示情報54B(図示せず)が液晶表示部49から消え、代わりに第7の表示情報54Cが液晶表示部49に表示される。これにより電力が優先的に確保されて炊飯動作が行われていることが使用者には分かる。なお、音声合成装置等の音声ガイド(ナビゲージョン)手段によって同じ趣旨を音声で報知しても良い。
前記第5の表示情報54B(図示せず)、第6の表示情報54A、第7の表示情報54C、あるいは電力削減要請を受けていることを示す第9の表示情報54E(図示せず)を、例えば前記液晶表示部49の周囲近傍位置に「発光するボタン」のような表示物で表示し、液晶表示部49の中には表示しないようにしても良い。
そして、蒸気処理装置となる水タンク内に流れ込んだ蒸気は、連通管(図示せず)の下端開口から水中へと噴出し、そこで水タンクの中の水と接触して熱を水に奪われ結露して水に戻る。
このようにして、蒸気が処理されることにより、内釜40から発生した蒸気が外部に漏れるのを防止し、炊飯時の蒸気が直接室内空間に放出され、不快な湿気の増加を防ぐことが可能となる。
そして、炊飯工程の途中の時点(これは沸騰状態に至った時点からの経過時間を前記制御部62が見ていることで実現している)からは加熱手段45の火力は弱火工程H2Bになり、終わりになると水蒸気化して放出されてしまっている内釜40内部にあった水分が少なくなり、内釜40内部温度はそれまで100度強であった状態から130℃程度まで急上昇する。するとこのような急激な温度上昇を前記温度検知手段63が検知し、制御部62に温度検知情報を入力するから制御部62は炊飯完了と判断する。
また前記弱火工程H2Bに入った時点で、液晶表示部49に表示されていた第7の表示情報54Cは消える。なお、この弱火工程や前記予熱工程で、電力制御装置9から電力削減要請信号を受けた場合は、そのことを表示するための第9の表示情報54E(図示せず)が前記液晶表示部49に表示される。
するとこの段階からむらし工程H3に入り、炊飯が進行していくと、時間の経過に伴い蒸気発生量が徐々に少なくなり、炊飯が終了すると、内釜40内が冷えて圧力が低下する。なお、これにより、蒸気ダクト48内部の圧力が低下するが、タンク蓋51の下方にあって、水タンク(図示せず)の中の水中に大部分が没している連通管(図示せず)の上部には、逆止弁(図示せず)があるので、その逆止弁から外部の空気が吸い込まれ、内釜40内の圧力は元の大気圧に近い状態まで戻るので、水タンク内の水が蓋体42側に吸い上げられて蓋体42の側に流れるという事態を防止できる。
なお、炊飯中に発生する蒸気量は、米の種類(白米、無洗米等)、炊き方(かたさ、粘り)、メニュー(通常の炊飯や、おかゆ)等の組合せにより異なるが、いずれの場合においても、確実にその調理メニューを終了するまでの過程で蒸気処理を行い、炊飯完了後の水タンク内の水温も、やけどしない温度、例えば55℃以下となるように、水タンク内の水容量は設定されている。
炊飯完了後は保温工程H4に移行し、前記加熱手段45とは別に設けた保温ヒーター(図示せず)によって内釜40の温度は所定温度、例えば70℃に維持される。
前記したように、蒸気は炊飯工程H2とむらし工程H3で主に発生するので、本発明の実施の形態1では、これら工程における放出される蒸気量を計算や実験等で確かめ、また水タンクの水量と水位を設定した。仮に十分な水量があっても、水中の浅い位置で蒸気を水中に噴出させると、十分に蒸気と水とが接触できない状態のまま蒸気が泡状のまま上昇して水面から大気に放出されてしまうということが分かった。そこで、この実施の形態1では水位センサー66により、炊飯工程の最初の吸水工程開始前に前記制御部62は水位センサー66の検知情報から水タンク内部の水量が十分であるかどうかの判定を行っている。
さらに、前記タンクに貯められた水の温度を検知する水温センサー68を有しているから、当該水温センサーの出力により前記制御部62は水タンク内の水の温度が所定温度よりも高いかどうかを判断できる。もし異常に高い場合には、前記制御部62は加熱手段45に通電開始の動作を実行しないので、予熱工程さえ実行しない。
さらに一旦炊飯工程に入ってしまった後では、炊飯完了時まで前記水タンクの水温が所定の温度範囲になるように設定されているが、何らかの原因(例えば調理器の設置空間の室温が急激に上昇した場合)で前記水タンクの水温が所定温度よりも高くなってしまった場合でも、それを水温センサーが検知できるようになっており、そのような場合には、前記制御部62は加熱手段45の通電条件を変え、実質的な火力を弱める動作を実行するように前記制御部62の制御プログラムは設定されている。但し、この火力抑制の程度は本来の炊飯動作、炊き上がりに支障が出ない範囲で行われる。また火力を弱める手段として供給電力量自体を減らすことや通電率を下げることなど適当な手段を用いれば良い。
この実施の形態1では、炊飯開始時に水温35℃以下の場合は炊飯動作開始され、35℃超の場合は炊飯操作に入らないようになっている。これは炊飯終了時に水タンクの水温の温度が異常高温領域にならないように考慮したものである。
前記炊飯器で、炊飯性能に最も大きな影響を与えるのは、炊飯工程H2の最初の強火工程H2Aである。そこでこの炊飯器3では、制御部62は、この強火工程H2Aを「優先調理メニューの実行時間帯」に指定している。つまり実行中の調理メニューが、この「優先調理メニューの実行時間帯」にあるかどうかを常に把握し、もしその実行時間帯にある場合には、その旨を使用電力制御手段8Bを通じて電力指令装置9に報知する機能を有している。これによって不用意に電力削減が行われることを防止している。またこの強火工程H2Aに入ると、第7の表示情報54Cが液晶表示部49に表示され、電力が優先的に確保されて炊飯動作が行われていることが使用者には分かる。
なお、この実施の形態1の炊飯器は、炊飯中に発生する蒸気を、前記蒸気処理装置50によって回収するタイプのものであったが、そのような蒸気処理装置50を備えず、炊飯中に蒸気を室内空間に放出するタイプのものであっても良い。
(オーブンレンジ5)
図23において、オーブンレンジ(前記電気ヒーター付きの電子レンジ)5は、例えば2450メガヘルツ(MHz)の周波数の電波が導入される金属製加熱室(図示せず)と、この加熱室を収容した電子レンジ本体ケース(図示せず)と、前記加熱室の取り出し口を開閉自在に密閉するドア70とから構成されている。70Aはドア70の取っ手である。
前記オーブンレンジ5の本体ケースの右部前面には、使用者が操作する操作部71があり、その操作部には電源スイッチ72と、スタートボタン73と、加熱時間設定用ダイヤル(タイマー設定用)74とを有しており、加熱時間設定用ダイヤル74で加熱時間を設定し、スタートボタン73を押すと、設定されたパワーを設定時間出力して調理を完了する調理器である。なお、加熱室内に置いた被加熱物の温度を赤外線センサーなどの感熱素子(図示せず)で検知し、被加熱物の温度が目標の温度まで上昇したら電波の発振源の駆動を自動的に停止するように構成したものでも良い。
(食器洗い乾燥機6)
本発明の実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の基本構成について説明する。
図23において、食器洗い乾燥機6は、外郭を形成する本体(図示せず)と、この本体内部に収納される洗浄部(図示せず)から構成されている。
前記本体は箱形状であり、前面には洗浄槽(図示せず)の前面壁と一体に連結された前扉167があり、また洗浄槽の外側には、各種機能部品の外側を被うカバー(図示せず)がある。
この前扉167の前面上部には、使用者が洗浄槽(図示せず)を本体から引き出すときに手をかける取っ手167Cや、食器洗い乾燥機6の各種操作を行う操作部179が備えられている。この種の食器洗い乾燥機6では、電動機(動力源)によって駆動されるポンプにより、圧力を高めた温水が食器に向けて噴射され、食器を洗浄する構成になっている。また洗浄のあと、洗浄槽の中の水や湯を排出し、電気ヒーターで洗浄槽の中の空気を加熱し、食器の乾燥を促進するものがあるため、その電気ヒーターが加熱源となる。
(空気調和機7)
本発明の実施の形態1に係る空気調和機7の基本構成について説明する。
図45において、空気調和機7は、上記キッチン内電気機器KPが設置された台所に設置される場合もあるが、この実施の形態1では他の部屋(例えば居間)に設置されている。なお、この空気調和機には、電力制御装置9の使用電力制御手段8Eが組み込まれている。これにより電力制御装置9との間で、要求電力、各調理器の調理状況や使用許可電力等の情報伝達が行われ、電力制御装置9が許可した使用電力内で使用電力制御手段8Eが空気調和機7の電力を制御するようになっている。
前記空気調和機7は、居住空間HAの外部に設置された室外機330と、居住空間内部に設置される室内機331と、とから構成されている。室内機331と室外機330を閉ループ状に連結している冷媒配管によって密閉状態の環状の冷媒回路KCが構成されている。
室外機330側の冷媒回路KCの中には、圧縮駆動源となるモーター(図示せず)によって圧縮動作が行われる電動圧縮機332と、四方弁333と、室外熱交換器334と、電動膨張弁335が設けてある。
336A、336Bは、室内機220側の冷媒配管と室外機200側の冷媒配管をそれぞれ連結した接続部である。
337は、室外熱交換器334へ送風する室外ファンで、モーター337Mにより回転駆動される。338は、室外気温を検出する外気温度検出手段である。
339は、室外制御部であり、前記外気温度検出手段338や室外熱交換器温度検出手段338からの温度検出情報に基づき前記モーター337Mや電動圧縮機332、四方弁333と、電動膨張弁335等を制御する。
室内機331は、室内熱交換器340の近傍に配置された室内ファン341と、このファンを駆動させるモーター341Mと、部屋の空気や壁の温度を検出する室内温度検出手段342と、室内制御部343と、室内制御部343及び室外制御部339の両者に200Vの商用電源を供給する電源部344と、をそれぞれ有している。343Rは、リモコン7Rの入力結果に基づく操作信号(例えば赤外線信号)を受信する受信部である。なお、空気調和機7の制御装置347は、室内制御部343及び室外制御部339の両者を総称したものである。
前記室外制御部339には、コントロール回路基板(図示せず)がある。この回路基板には、前記200Vの商用電源を直流に変換するコンバーター部(図示せず)と、このコンバーター部で整流により直流電源化された電源を基にして動作するインバーター部(図示せず)とを有し、前記インバーター部では前記室外制御部201からの駆動信号を受けて周波数が制御された交流電源が前記電動圧縮機332に出力されるので、電動圧縮機332はその回転数が変更されるようになっている。
前記インバーター部は前記室外制御部339に内蔵されたマイクロコンピューター339Mを中核とする制御回路の制御下に置かれている。なお、前記マイクロコンピューター339Mは、室外制御部339に配され、前記電源部344から電源が供給される定電圧回路(図示せず)から駆動用の電源を供給されている。前記マイクロコンピューター339Mの内部又は外部には、制御プログラムを書込んだリードオンリーメモリー(ROM。図示せず)があり、またマイクロコンピューター339Mの外部には電気消去書込み可能な不揮発性メモリー(図示せず)に空気調和機7全体の制御用データが書込まれている。なお、このマイクロコンピューター339Mの機能を保有する電子回路を実装した基板は、室内制御部343側に配置しても良い。
室外制御部339は、そのマイクロコンピューター339Mが、リードオンリーメモリーに書込まれた制御プログラムと、前記不揮発性メモリー(図示せず)に書込まれた制御用データの内容を参照しながら前記インバーター部を通じて電動圧縮機332の運転を制御する。
345は、室内機331の本体外殻ケース等に設けた操作部であり、その近傍には操作結果を表示したり、室内温度や冷房・暖房の設定温度を表示したりする液晶表示画面を備えた表示部346を備えている。なお、この空気調和機7では、冷房、暖房、除湿、送風の、少なくとも4つの運転モードを選択できるように、モード選択スイッチ(図示せず)が前記操作部345に設けてある。
この空気調和機7の室外制御部339には、最大負荷時に定格の冷房能力を確保するよう、電流容量が設定されている。最大負荷未満の負荷状況においては、その負荷状況に応じて電動圧縮機332の運転電流の上限値を下げる。
空調負荷の1つの検出方法として、室外制御部339には室外気温センサー338からの温度検出情報が供給され、検出した室外気温で負荷状況を判定する。これにより、例えば冷房時においては、室外の気温が低い状態、つまり運転負荷が低い場合には、室温の安定性や、省エネルギーの観点から、その負荷に応じた冷房能力になるので、消費電力を少なくして運転することができる。なお、前記室外気温センサー338は、図1に示した環境センサー(室外気温センサー)206の情報を用いても良い。この場合、室外気温は室外気温センサー206から電力制御装置9の環境検知部202に送られるので、この空気調和機7は、その環境検知部202からの温度情報を用い、その室外気温値に基づいて負荷状況を判定する。
また室内制御部343には、室内温度検出手段342からの温度検出情報が供給され、検出した室内気温で負荷状況を判定する。これにより、例えば冷房時においては、室内の気温が低くい場合、あるいは室内温度が低いことに加え、冷房目標温度も低い場合、つまり運転負荷が低い場合には、室温の安定性や、省エネルギーの観点から、その負荷に応じた冷房能力になるので、消費電力を少なくして運転することができる。つまり、一般にこの種の空気調和機7の消費電力の大半は、前記電動圧縮機332が消費するので、その電動圧縮機の運転速度を落とせば消費電力が少なくなる。例えば冷房時において、室外温度35度、室内温度31度の状態から、26度の(室内)目標温度を使用者が設定した場合と28度の温度を設定した場合、前者の場合が冷房負荷は大きいので、電動圧縮機332の運転速度は大きくなる。
またこの空気調和機7は、内蔵したタイマー(図示せず)を利用して、運転開始時刻を設定できる電気機器の1つであるので、例えば冷房動作の動作開始時刻(開始予約時刻A)を使用者が設定できるようになっている。このため、居住者が留守中に、自動的に冷房を始めることができる。
さらに、この空気調和機7は、内蔵したタイマー(図示せず)を利用して、運転終了時刻を設定できる電気機器の1つであるので、例えば冷房動作の動作終了時刻(終了予約時刻A)を使用者が設定できるようになっている。このため、居住者が在宅中に冷房開始し、その後居住者が外出している間に、終了予約時刻を迎えると、自動的にその冷房運転を停止させることができる。
図28において、7Rは赤外線信号等を空気調和機7の室内制御部343の受信部(受光部)に向けて放射するリモコンユニット(以下、「リモコン」という)である。なお、このリモコンにおいても、冷房、暖房、除湿、送風の、少なくとも4つの運転モードを選択できるように、モード選択スイッチ(図示せず)が設けてある。
(情報通信端末機器87の内部構成)
図21において、情報通信端末機器87は、液晶表示画面180Aを有する表示部180と、使用者が操作する複数の入力キーを有する操作入力部(操作部)181と、無線インターフェース部(第6の通信部)182と、姿勢検知部183と、マイクロコンピューターを内蔵した制御部184と、操作場面に応じた複数種類の合成音声を出力し、かつ必要に応じて情報通信端末機器87を振動させる小型バイブレータを内蔵した報知部193と、を備えている。このバイブレータが音声を出す(鳴動)するときに、それと同期して振動させることができ、これにより使用者に表示部180だけでは確実に操作状況等を伝えることができない状況でも、音と振動でそれを補うことが期待できる。
第6の通信部182は、2つの入出力部から構成され、その1つは、前記広域通信回路網(通信ネットワーク)98との間で所定の通信を行う無線インターフェース部182Aであり、他の1つは、前記統合管理装置9の近距離無線通信用入出力部427及び誘導加熱調理器2の近距離無線通信用入出力部401L、401Rを構成するアンテナ322(図27参照))との間で近距離無線通信する無線インターフェース部182Bである。無線インターフェース部182Aを「第7の通信部」、無線インターフェース部182Bを「第8の通信部」と呼んで区別する場合がある。
前記表示部180、操作部181と、無線入出力部182、姿勢センサー183、制御部184、報知部193は、図示していないが、信号回路で相互に接続されている。前記姿勢検知部183には、ジャイロセンサーを備えており、使用者が情報通信端末機器87を(左右・前後方向に)傾ける際の姿勢を検出して、当該姿勢を示す信号を前記制御部184に出力する。
制御部184は、大きく分けて中央演算処理装置(CPU)185と半導体記憶素子を主体に形成された記憶部186とを備える。CPU185は、記憶部186の中にあるROM、RAM部187に格納されている制御プログラムに従って、情報通信端末機器87全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータを前記ROM、RAM187部から読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM、RAM187部に格納したりする。
前記記憶部186には、家電機器EE(実施の形態1においては、少なくとも誘導加熱調理器2)のためのアプリケーション・ソフトウェアを格納することができるアプリケーション処理部188がある。このアプリケーション処理部188は、また統合管理装置9の表示盤100のためのアプリケーション・ソフトウェアも格納する。アプリケーション・ソフトウェア部188のソフトウェアは、情報通信端末機器87の外部からインストールされたものでもよいし、情報通信端末機器87の出荷時から記憶部186に格納されているものでもよい
前記情報通信端末機器87は、前記情報サーバー89Aから、通信回線を経由して所望のアプリケーション・ソフトウェアをダウンロードし、前記記憶部186のアプリケーション・ソフトウェア部188に格納することができるようになっている。
前記CPU185が上記のアプリケーション・ソフトウェア部188に従って処理を実行することによって、所定の受信処理部189、送信処理部190、通信確立部191、表示制御部192、選択確定部193、の各機能が実現される。これら各部分の動作について後で説明する。
(電力指令装置9)
この実施の形態1の中心装置となる電力指令装置9について、以下図22を参照しながら説明する。図22は、図6に示した電力制御部121の内部構成と家電機器EEとの対応関係を示している。
電力指令装置9は、キッチン内家電機器KPの各使用電力制御手段8A、8B、8C、8Dと、各家電機器の調理状況や使用許可電力等の情報伝達が行われる構成になっている。そして、電力指令装置9が許可した使用電力内で各使用電力制御手段8A〜8Dが各キッチン内家電機器KPの電力を制御するようになっている。
各使用電力制御手段8A,8B,8C,8Dは、キッチン内家電機器KPに内蔵されたものでも良いし、アダプター形式でキッチン内家電機器KPの電源回路部にそれぞれ取り付けたものでも良いが、この実施の形態1では、前記したように電力指令装置9の外郭を構成する箱形状の1つの本体9Aに全て内蔵させている。なお、これら使用電力制御手段8A〜8Dは、後述する主電源スイッチ11に繋がる電源回路31とは別の専用電源(内蔵電池)BT2から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。なお、主電源スイッチ11に繋がる電源回路31(図26:誘導加熱調理器2の場合)から分岐させた電源で駆動されるようにしても良いが、電源回路31から分岐させたものでは、その回路の電源が遮断された以後は、電力指令装置9との交信は行えないことになる。
そこで、後述する異常発生時の(家電機器EEの)自動停止後も、その影響を受けず、電力指令装置9と無線通信で信号を授受できるようにしておくには、別の電源に接続されるようにした方が良い。
前記したように空気調和機7や食器洗い乾燥機6の電力も電力指令装置9によって一括して制御されるようになっている。また、前記「アダプター」とは、個々の家電機器とその電源との間に設けられる制御機器をいう。例えばこの実施の形態1でいう「アダプター」とは、特開2004−139834号公報、特開2011−205821公報、特開2011−109792公報、特開2011−61999公報、特開2011−24327公報に示されるようなアダプターをいい、電源プラグと接続口を有し、その接続口に通電を制御すべき電気機器の電源側を接続する。
電力指令信号をアダプターが無線や有線通信手段によって受け取ると、制御すべき家電機器の電源供給を制限し、又は遮断する。このように既存の家電機器にアダプターを接続し、そのアダプターに電力指令装置9から電力指令信号を送り、その信号によってアダプターが家電機器を制御するので、既存の家電機器でも、その家電機器の電源側と電力指令装置9との間に別体に形成したアダプターという部品を介在させることで、電力指令装置9によって電力を集中制御できる利点が得られる。
前記電力指令装置9の電力制御部121は、使用電力制御手段8A〜8Eと、前記した要求電力加算器91と、比較器92と、要求電力超過量判定手段93と、使用電力削減幅決定手段94と、優先順位設定手段95と、前記健康管理処理部116と前記使用限度設定器96とを制御する制御部125と、第2の通信部124Cと、電力検出器313と、誘導加熱調理器2の異常発生有無を判定する異常判定手段133と、異常判定手段のための異常関連の各種データの記憶手段134と、前記表示盤100の操作入力部117、及びルーター99Aを介して広域通信回路網(通信ネットワーク)に接続される入出力部(第3の通信部)124Bと、から構成されている。
要求電力加算器91とは、キッチン内家電機器KPと空気調和機7の各使用電力制御手段8A〜8Dからの要求電力と、空気調和機7の使用電力制御手段8Eからの要求電力とを合計する機能を有する。
さらに比較器92は、要求電力加算器91が加算した合計電力とブレーカーBKの第1の上限容量(例えば、8000W)とを比較するものである。そしてこの比較器92の比較結果から合計電力の超過量を判定し、合計電力が8000W以下であれば出力せず、合計電力が8000Wを超えれば、その超過量を出力するものが、前記要求電力超過量判定手段93である。
使用電力削減幅決定手段94は、要求電力超過量判定手段93からの出力がなければ(すなわち、超過量が0)、要求電力と同じ使用可能電力を各キッチン内家電機器KPの使用電力制御手段8A〜8Dと、空気調和機7の使用電力制御手段8Eとに対しそれぞれ返信するものである。もし、超過量の出力があれば、この合計電力の超過量と予め定めた優先順位に従って、各キッチン内家電機器KPと空気調和機7に対する使用電力の削減幅を決定し、これら各キッチン内家電機器KPと空気調和機7の使用電力制御手段8A〜8Eに返信する。
優先順位設定手段95は、内蔵した半導体不揮発性メモリー95Aに予め登録されている「優先順位」を読み出し、使用電力削減幅決定手段94に電力削減の「優先順位」情報を送信するものである。
制御部125は、電力制御部121の動作全体を統合的に制御し、また健康管理処理部116も制御する。
前記異常記憶手段134には、例えば、誘導加熱調理器2が異常であるかどうかを、前記異常判定手段133が判定動作する場合に必要となる各種異常判定基準データや異常内容に対応した適切な対応に関する助言や注意情報を記憶させてあり、この記憶内容は、制御部125の指令によって適宜更新される。つまり第3の通信部124Bを介して提供される情報サーバー89Aからの(例えば、誘導加熱調理器2の)最新の異常判定基準データ等の有益な情報が適宜追加・更新される構成になっている。
図22においては、電力指令装置9には、家電機器EEの1つである誘導加熱調理器2の専用の、異常判定手段133しか示していないが、他の家電機器EEに対応して、前記異常判定手段133と異常記憶手段134に対応した手段を設けても良い。また説明を簡略化するため、図22においては、異常電力指令装置9には、運動計測機器311や健康管理機器410のための異常判定処理手段を具体的に図示していないが、前記異常判定手段133と異常記憶手段134に対応した手段を有しており、異常状態を判定する機能を備えている。
なお、健康管理機器410は、電池式のものもあるが、仮に前記商用電源EPで駆動されるものであってもこの電力指令装置9によって、消費電力を制限されたり、遮断されたりしない構成である。
図1及び図3に示した電力量計300は、電力会社の交流200V電力が単相3線式の電力線301(図22参照)で供給される。前記電力線301は、第1相、第2相及び第3相の3本から構成されているが、その第1相と第2相には、電流クランプ302がそれぞれ挿入され、ブレーカーBKの電源側(上流側)で電流値を検出している。なお、電流クランプ302は、電力量計300とブレーカーBKの間に設置している。
313は、前記電流クランプ302からの電流から消費電力を計算する電力検出器であり、この出力は電力指令装置9の比較器92に入力される。
315は、前記キッチン内家電機器KP、空気調和機7及び食器洗い乾燥機6以外の、家庭内で使用される移動可能な(つまり、可搬式の)小型家電機器である。例えばヘヤードライヤー、電気アイロン、電気掃除機など1000W程度を内蔵するヒーターやモーターによって電気エネルギーを消費するものであり、前記した使用電力制御手段8A〜8Eのような自己電力制限手段を有していないものである。
図22では、電力指令装置9に定格最大電力情報や名称などが登録できない機器ということから「未登録機器」と表示している。この未登録機器は1台だけが使用されるものではなく、同時に複数台が使用される場合もある。この未登録機器315は、電力指令装置9によって直接電力量が減少させられたり、増加されたりする制御対象機器になっていないので、前記ブレーカーBKを経由して供給される電力をそのまま使用する。前記した健康管理機器410もこの「未登録機器」の一種になる。なお、在宅医療や介護のために酸素吸入器やその他電気式医療器具を使用する場合は、それらも「未登録機器」にして、電力量が不意に制限されたりしないようにする。なお、前記空気清浄機141をこの未登録機器として接続しても良い。
前記使用電力削減幅決定手段94は、ブレーカーBKの容量(8000W)を超えないように、かつ「優先順位」の低いキッチン内家電機器KPと空気調和機7の使用電力制御手段8A〜8Eへは使用電力を減らすように、電力要求のあった各キッチン内家電機器KP、空気調和機7に対する使用電力の削減幅を決定するものである。なお、ブレーカーBK自体に最初から設定されている定格容量(前記したように例えば8000W)は、「第1の上限容量」と呼ぶ場合がある。
前記「優先順位」とは、限られたブレーカーBKの第1の上限容量(8000W)内で、調理性能、調理作業性を維持するための電力を必要とするキッチン内家電機器KPに優先して供給するための順位であり、電力を削減しても使用者への影響が少ないキッチン内家電機器ほど順位が低くなるように予め登録したもので、「第1の家電機器」の中では炊飯器3、誘導加熱調理器2、電子レンジ5の順で電力確保の優先度が定められており、これによって使用者の作業性が損なわれるのを防止している。但し、この優先度を決定する過程では、前記した「優先調理メニューの実行時間帯」を持ったキッチン内家電機器KPでは、その「優先調理メニューの実行時間帯」が現実に行われている場合、その実行時間帯が経過するまでの間は、当該キッチン内家電機器KPの電力を前記電力指令装置9が削減することはない。
電力削減が回避されていることを示す第4の表示情報210D、第6の表示情報54Cのような表示情報を、「第1の家電機器」全部に個々に設けても良い。同様に電力削減対象機器であることを示す第1の表示情報210Aや第4の表示情報54Aを、「第1の家電機器」全部にそれぞれ設けても良い。
空気調和機7を始めとする「第2の家電機器」にも、同様に電力削減対象機器であることを示す表示情報と、実際に電力が削減されていることを示す表示情報をそれぞれ設けても良い。さらに電力削減要請を受けていることを示す第2の表示情報210Bに対応するような表示手段を、誘導加熱調理器2以外の第1の家電機器や第2の家電機器に設けても良い。空気調和機7では、室内機(図示せず)の表面に見えるように設けることや、それを制御する室内リモコン7Rの表示画面(室内温度や運転モード名が表示される画面)に設けると良い。
単一のキッチン内家電機器KPにおいて、複数個の加熱手段(加熱口)があり、その1つが「優先調理メニューの実行時間帯」にあって現実に調理実行中であり、他の加熱手段では、「優先調理メニューの実行時間帯」にない場合、前記「優先調理メニューの実行時間帯」にある加熱手段については電力が維持され、前記他の加熱手段の電力が削減対象になるものである。
また「第2の家電機器」の中では電力確保の優先度は、空気調和機7、食器洗い乾燥機6の順で電力確保の優先度が定められており、これによって使用者の作業性が損なわれるのを防止している
空気調和機7は、キッチン内には設置していないが、同じブレーカーBKを介して電力が遮断される構成になっているので、「第1の家電機器」の炊飯器3、誘導加熱調理器2よりは低い順位に設定されている。そして同じ第2の家電機器の分類である前記食器洗い乾燥機6よりも優先度は高く設定されている。なお、「第2の家電機器」として衣類の洗濯乾燥機を含んでいるが、説明を簡略化するため、以下では詳しい説明は割愛する。
使用限度設定器96は、前記比較器92の比較基準となる合計電力値を、指定電力値に変更するように指令する機能を有するものである。これは使用者が任意で、8000Wよりも小さい第2の上限容量を設定するものであって、例えば7500W、7000W、6500Wの中の1つの電力値を選択できるようになっている。なお、図22では前記指定電力値を「指定容量」と記載してある。この指定容量は「第2の容量」と呼ぶ場合がある。なお、指定容量は、本発明でいう「第2の上限容量」(例えば、7500W)に相当するが、本発明では必ずしも「第2の容量」の絶対値を使用者が認識できることは必須の条件ではない。例えば前記定格容量(第1の上限容量)の「98%相当」(言い換えると2%減)のように、「第2の上限容量」を「第1の上限容量」に対して、希望する比率に設定することでも良い。
99Aは、図1で説明したルーターAである。これにより統合管理装置9は家屋の外部の電力会社やその他の外部機関78Aのサーバーに接続される。このため、例えば官公庁やその地域の電力会社などから、電力逼迫情報などが送信された場合、その情報は使用限度設定器96の表示盤100に表示される。
使用限度設定器96とその表示画面100Aについては後で詳しく説明する。
電力逼迫情報とは、各家庭の使用電力を強制的に下げる指令と、強制的ではなく任意で下げて欲しいという要請レベルの指令の少なくとも2種類がある。なお、通信手段97は、統合管理装置9側の情報を外部の前記広域通信回路網等へ送信する送信機能も有している。従って、この家庭の居住者が、住宅の外部において広域通信回路網98に情報通信端末機器87でアクセスし、この家庭の電力使用状態を知ることができ、また逆に外部から前記使用限度設定器96に対して、電力の上限値をインプットすることができる。
次に、図45、図46を参照しながら、統合管理装置9の表示盤100について説明する。
図45、図46は、前記表示盤100に内蔵されている使用限度設定器96に対する入力手段を兼ねた表示画面100Aの詳細を示すものである。
図45、図46において、101はその家庭で使用が許されているブレーカーBKの定格容量(第1の上限容量:8000W)の値を数字で示す最大許容電力情報、102は現在使用しているその家庭の使用電力量を数字で示す現在使用電力表示情報である。103は、最大許容電力値に対して現在使用している電力値との余裕度を示す電力余裕値表示情報である。なお、この図44に示すように、余裕値を「600W」のように数字でそのまま示す方法の他に、例えば、「余裕度 大」、「余裕度 小」のように余裕の程度を文字で示す方法でも良い。
104は、広域通信回路網98から電力逼迫情報などを、ルーター99Aと第3の通信部124Bを介して受信した場合、ランプが点灯する電力削減要請報知部、105は現在時刻の表示情報、106は、前記比較器92の比較基準となる合計電力値を、指定電力値に変更するように指令する使用限度設定器96の設定キー及び各設定キーの内容を示す表示情報である。
図44、図45の状態では、8000Wキーのみが白抜き文字で表示されているので、電力使用限度はブレーカーBKの既定容量と同じ8000Wである。図44に示すように、設定キーは全部で4つあり、8000W用の設定キー106A,7500W用の設定キー106B、7000W用のキー106C、6500W用のキー106Dから構成されている。
これら設定キーは、静電容量式などのタッチ式キーで構成されており、タッチして入力可能な場合のみ、そのキーの輪郭と機能の一部を示す文字(例:6500W)が目視できるように表示されるものである。言い換えると入力ができない状態では、入力キー自体が表示されないか、あるいは殆ど目視で確認できない程度薄く表示される。実際には、表示画面100Aの表面を覆うガラス板に、静電容量式の入力キーが形成されており、所定位置のキーをタッチすれば、そのキーに対応した入力信号が使用限度設定器96に与えられる。
107は、前記電力指令装置9が電力供給量の制御対象にしている家庭内の家電機器EEを表示する使用状態表示情報であり、誘導加熱調理器2の名称情報107Aや炊飯器3の名称情報107Bなどが一覧形式で表示される。この使用状態表示情報107においては、左側に表示されたものほど、電力確保の面で、優先度が高い機器になっている。108は電力が使用されている場合、つまり現在使用されている場合は、点灯する使用表示部である。図45では、誘導加熱調理器2、炊飯器3、空気調和機7、照明器具が使用されていることが分かる。なお、使用表示情報108の近傍に表示された数値は、使用されている電力量であり、例えば1分毎に、過去1分間における平均電力値が表示される。なお、家庭内家電機器EEの優先度を設定すると、その優先度が最も高い順に左から右に、その設定された各家電機器の名称が表示されるような画面表示構成にしても良い。そうすれば使用者は優先順位の高い家電機器を直ぐに認識できる。
112Hは、誘導加熱調理器2のインフォーメーション・キー112と似た機能のインフォーメーション・キーである。このインフォーメーション・キー112Hに使用者が触れると、その場面で使用者に参考になる電力関連情報や、電力を効率的に使用する調理方法や空調機の温度設定方法などの情報がこの表示画面100Aの中にその都度表示される。その場合、表示面積を確保するため、前記現在時刻の表示情報105や電力余裕値表示情報103は表示しないようになっている。なお、表示画面100Aの中に、誘導加熱調理器2等の家電機器EEや運動計測機器311、健康管理機器410について、異常発生や故障の表示がされた場合において、このインフォーメーション・キー112Hを押すと、前記異常記憶手段134の中に蓄積されている異常発生や故障の情報データベースから、特定の誘導加熱調理器2や運動計測機器311、健康管理機器410等に関する故障や、異常内容が詳しく文字で表示される。
111Hは、誘導加熱調理器2のヘルプモードキー111と似た機能のヘルプモードキーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者の操作に参考になる情報が表示されるとともに、別途設けた音声ガイド装置(図示せず)によって、正しい操作方法が音声で報知される。
何度もこのキー111Hを押した場合、この表示画面100Aの見方や使用限度設定方法などが、模式図と文字で表示画面100A全体に表示される。なお、表示画面100Aの中に、誘導加熱調理器2等の家電機器EEや運動計測機器311、健康管理機器410について、異常発生や故障の表示がされた場合において、このヘルプモードキー111を押すと、前記異常記憶手段134の中に蓄積されている異常発生や故障の場合の「対処方法、改善アドバイス関係情報データベース」から、特定の誘導加熱調理器2や運動計測機器311、健康管理機器410等に関する適正な使用方法や使用環境、再度運転開始する場合の注意事項等の内容が詳しく文字で表示される。また例えば、異常検知によって緊急停止していた誘導加熱調理器2やその他家電機器がある場合は、それを安全に再度使用開始する場合の注意事項、確認事項や、特殊な入力操作を操作入力部117で行って使用者が加熱調理器等を再起動できることが説明される。
一方、誘導加熱調理器2の主電源スイッチ11をONし、表示画面129が起動した最初の段階、つまり、また使用する加熱源や調理メニューを選択していない段階で、前記ヘルプモードキー111を操作すると、誘導加熱調理器2の基本的な使用方法の案内が表示画面129に出る。この場合、使用者が事前に設定しておけば、ヘルプモードキー111を操作した段階で、誘導加熱調理器2は電力指令装置9に対して、前記異常記録手段134の中にある最新データ(情報サーバー89Aから自動的に入手して蓄積したもの含む)の提供を要求する。
例えば、前回の使用時に、故障には至らなかったが、不適正な操作を行った場合、例えば、消費電力を上げ、火力を上げる操作キーと、逆に火力を下げる操作キーを同時に押した場合、そのような不適正履歴は、誘導加熱調理器2の制御装置32の記憶装置32Rに残っている場合には、その制御装置32から、不適正操作したことが表示画面129にて表示されるが、仮に誘導加熱調理器2の制御装置32の記憶装置32Rに残っていない場合(使用者が、操作履歴を残さないという設定をした場合も含む)でも、上記のような不適正操作は情報サーバー89A側から指摘される。例えば、1回の加熱調理(主電源スイッチ11をONし、加熱調理し、最後にOFFしたことを1回とする)期間中で、同じ不適正操作は制御装置32で積算(カウント)して記憶装置32Rに記録されている。
また不適正操作は電力指令装置9にもその都度送信され、異常記憶手段134の中にある異常発生や故障の場合の「対処方法、改善アドバイス関係情報データベース」蓄積される。そのため、同じ不適正操作を2回した場合、そのような不適正操作を2回した段階で、制御装置32又は電力指令装置9から即座に使用者へ警報等の指摘が行われる。さらに、その際に、他の家庭でも同様な操作を行ったことに起因して何らかの不具合が発生した事例があれば、そのような事例も示して、不適正操作をしないように注意喚起する情報が情報サーバー89Aから提供される。従って、各家庭の使用者は、メーカにその都度問い合わせをすることなく、誘導加熱調理器2のトラブル発生を自動的に回避するような行動が期待できる。
図45において、57は、在宅管理メニュー選択キーであり、前記使用限度設定器96の表示画面100Aに設けられる。この在宅管理メニュー選択キーは、前記すまいの環境情報の画面選択入力部となるアイコン419と同じように、使用者が表示画面を切り替える際にタッチする部分である。この在宅管理メニュー選択キーをタッチすると、居住者全員の現時点での在宅又は不在の状況が一覧表で示された専用の表示画面に切り替わる(図62参照)。従って、この表示画面の前で家族全員の在宅状況を知ることができる。
図46は、図45の状態で誘導加熱調理器2の名称情報107Bに使用者が触れた場合、最初に現れる画面の状態を示したものである。図46に示しているように、誘導加熱調理器2が現在煮込み加熱動作を行っており、使用終了する推定時刻が12時50分であることが分かる。つまり現時点からさらに15分間調理が継続することが分かる。113Sは使用開始時刻表示情報、113Eは終了予測時刻表示情報である。
このように表示盤100の表示画面100Aでは、個々の家庭内家電機器の設置場所まで行って確認しなくとも、この表示画面で使用している家電機器の状態の概要が分かる。
図47は、図46の画面に切り替わってから自動的に所定時間後、例えば10秒後に現れる画面の状態を示したものである。図47のように、誘導加熱調理器2が現在煮込み加熱動作を行っており、進行度を示すマーク114、115が表示されることによって、現在まだ途中段階であることが分かる。なお、調理の進行に伴って前記マーク114が右側に順次増えて行き、最終的には終了予測時刻表示情報113の左側端位置まで、全てこのマーク114が並んだ状態になる。
次に図63を参照しながら、別の場面における表示盤100の表示画面100Aを説明する。
58Aは、在宅している居住者の入力画面に切り替える選択キーで、これにタッチすると、居住者毎に、その在宅や留守状況の修正や、事前に留守となる時間、帰宅予定時刻、不在期間(月日)等を入力することができる入力画面に切り替わる。58Bは、居住者が動作開始時刻や終了を事前に予約できる家電機器(例えば、炊飯器)の設定や、居住者の専用電気機器を設定するための入力画面に切り替える選択キーで、これにタッチすると、居住者毎に、その居住者の予約電気機器や専用電気機器を指定して入力することができる入力画面に切り替わる。
図63において、59Aは、家族全員を特定する氏名や愛称等が表示される家族名欄、59Bは、居住者毎に現在在宅しているかどうかを記号や文字で表示する在宅状況表示欄であり、図63の例では、在宅の場合は「○」印、不在の場合は「△」印で表示されている。59Cは、居住者毎に帰宅予定時刻を表示する帰宅予定時刻表示欄、59Dは、居住者毎に、予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)の設定がある家電機器を特定できるように、文字や記号、イラストなどで専用電気機器を表示する予約機器表示欄である。これらの構成によれば、家族全体の在宅状況や帰宅予定時刻を統合管理装置9の表示画面100Aで容易に確認することができるという効果が得られる。
図63において、59Eは、居住者毎に、専用家電機器の設定がある場合、その家電機器を特定できるように、文字や記号、イラストなどで専用家電機器を表示する専用機器表示欄である。59Fは、居住者毎に、使用している専用家電機器の使用電力値と上限電力値とを表示する電力値表示欄である。
ここでいう電力とは瞬間的な最高電力ではなく、例えば1分間の平均電力値でも良い。また、居住者毎の上限電力量とは、別の入力画面において、居住者A又は居住者Bのみが設定できるようになっている。またキッチンの照明器具や、リビングの家電器具、リビングの空気調和機7などのように、色々な居住者が使用する可能性のある家電機器は、共用家電機器であるので、そのような共用家電機器を居住者A〜Bの誰が使用しても、その居住者の電力使用量にはカウントしないようにしている。仮に居住者Aが、居住者Aの寝室の空気調和機を専用家電機器に指定すれば、当該空気調和機を居住者Aが使用した場合は、当該居住者Aの上限電力量(2500W)が適用され、2500Wを超える使用はできない(電力指令装置9によって、上限電力量を超えないように制限される)。
前記制御部125によって、前記居住者毎に専用家電機器の月間電力量(kWh)が集計され、その結果は適時TV受像機の表示画面75Dや電力指令装置9の表示画面100Aで数字又は図形などで表示できるようになっている。これらの構成によれば、居住者毎に、専用電気機器の有無やその使用電力値を容易に知ることができるという効果が得られる。
この実施の形態1の特徴は、ブレーカーBKの第1の上限容量(8000W)を超えるかどうかに関係なく、使用者が前記表示盤100の表示画面100Aを見て自発的に家庭内の電力消費量を一括して削減するように制限を設けることができる点である。
すなわち、使用者は任意の時点で電力制限値を複数の中から選択できる。例えば、広域通信回路網98から電力逼迫情報などを受信した場合、電力削減要請報知部104のランプが点灯するので、これを見て自発的に設定することができる。あるいは使用者は別の情報源からの情報によって電力削減を思い立った場合、何時でも表示盤100から入力し、電力使用限度設定器96の使用電力量の上限値を変更できる。例えば前記したように、7500W、7000W、6500Wの中の1つの電力値を選択できる(前記「第2の上限容量」に任意に設定できる)。
このため、仮にブレーカーBKの第1の上限容量(例えば8000W)まで相当の余裕がある状態でも、第2の上限容量を任意に設定できる。例えば自発的に7500Wに上限値を設定し、それを超えないように電力指令装置9によって自動的に家庭内の家電機器の使用電力量を抑制することができる。なお、広域通信回路網98から受信した信号の中を自動的に選別し、特定の信号の場合は、自動的に電力指令装置9が、その時点の使用電力を5%カットするように電力削減動作を開始し、あるいは8000WのブレーカーBKの容量であった場合は、それよりも1段階下として決めてある容量、例えば7500Wに上限値を変更し、電力使用制限動作をするようにしても良い。
(電力指令装置9の電力量制御)
以上の構成を有する本実施形態1の電気機器の電力制御システムの動作について、図50に基づき説明する。まず、キッチン内家電機器KPとして数種類の家電機器EEが使用者の操作により動作を開始している状態であるとする。具体的には、炊飯器3と誘導加熱調理器2以外のキッチン内家電機器KPが先に動作開始していて、その次に炊飯器3が使用開始され、次に誘導加熱調理器2が使用開始される場合を想定する。
誘導加熱調理器2が加熱開始される直前の状態では、電力指令装置9は、既に各キッチン内家電機器KPから、所定の操作、例えば運転開始に必要とする電力の情報を受信しており、また誘導加熱調理器2からも必要な電力の要求情報を受けるので、電力指令装置9では、各キッチン内家電機器KPからの要求のあった電力値を要求電力加算器91にて集計し、集計された合計電力が比較器92にてブレーカー容量(例えば、8000W)と比較され、比較結果が要求電力超過量判定手段93に対し出力される。
要求電力超過量判定手段93では合計電力が8000W以内(=超過量が0)であれば出力せず、合計電力が8000W以上であれば超過量が使用電力削減幅決定手段94に対して出力される。使用電力削減幅決定手段94では、要求電力超過量判定手段93からの出力がなければ、要求電力と同じ使用可能電力を各キッチン内家電機器KPの使用電力制御手段8A〜8Dに対し返信し、超過量の出力があれば、この合計電力の超過量と優先順位設定手段95により設定された優先順位に従って、各キッチン内家電機器KPに対する使用電力の削減幅を決定し、これら各キッチン内電気機器の使用電力制御手段8A〜8Dに対し返信する。
電力指令装置9が、各キッチン内家電機器KPからの電力要求を受ける最初の時点は、何らかのキッチン内家電機器KPの主電源が投入された時点又は動作開始指令が行われた時点である。例えば、炊飯器3の電源コードの先端にあるプラグが電源供給口(所謂、コンセント又は電源タップ)に挿入された後、所定の操作(例えば炊飯開始キーを押す)があった時点では、その炊飯器3の定格最高電力が要求される。
ビルトイン型誘導加熱調理器3では、主電源スイッチが押されて、主電源が入った後、加熱口が選定され、火力が設定された時点(又は遅くともその火力設定が確定して加熱動作開始された時点)である。
誘導加熱調理器2は、加熱口を最初に選定した時点で、自動的にデフォルト値(初期設定値)として例えば1000Wのような特定の火力がセットされる場合もあるが、この場合はその火力1000Wに加えて誘導加熱調理器2内部電気部品(例えば、冷却用ファンのモーターの定格最高電力)の運転用電力などが加味された電力(例えば、1050W)が、電力指令装置9への要求電力になる。要求電力を送信した結果に対し、結局電力指令装置9からOKの返信がなければ、その要求電力での運転は開始されない。これは各使用電力制御手段8A〜8Dによって個々のキッチン内家電機器KPへの通電が制限されるからである。
言い換えると、使用電力制御手段8A〜8Dでは、電力指令装置9が許可した使用電力内で各キッチン内家電機器KPの個々の電力を制御し、また電力指令装置9から使用電力削減指令があると、これに従って使用電力を削減し、この削減した使用電力内で各キッチン内家電機器KPの電力を制御する。なお、複数のキッチン内家電機器KPに対して電力指令装置9は、総電力量を指示するのではなく、予め総電力量を考慮して個々のキッチン内電気機器KPに対し上限の電力量を許可する方法を採用している。このため、例えば誘導加熱調理器2には、要求電力4800Wに対し4000Wのように具体的な電力上限値が指令される。
空気調和機7を使用していた場合には、使用電力制御手段8Eは電力指令装置9に対して電力要求信号を発信し、またその結果、電力指令装置9から使用電力削減指令があると、それに従って空気調和機7の使用電力を削減する。食器洗い乾燥機6でも同様である。
このように、本実施形態1の電気機器の電力制御システムにおいては、各キッチン内家電機器KPの使用電力制御手段8A〜8Dからの要求電力の合計電力がブレーカーBKの容量を超えないように、電力指令装置9によって、予め定めた優先順位に従って各キッチン内家電機器KPに対する使用電力の削減幅を決定して各キッチン内家電機器の使用電力制御手段8A〜8Dに指令するようにしているので、使用電力がブレーカー容量を超えないように制御することができる。そして、従来のような機械的に電力制限する場合と異なり、調理性能、調理作業性を維持するための電力を必要とするキッチン内家電機器KPに優先して供給することができる。
また、電力指令装置9によって、優先順位の低いキッチン内家電機器KPへは使用電力を減らすように指令しているので、調理性能、調理作業性を維持することができる。
前記したように、キッチン内家電機器KPには優先順位が付けてある。前記したように、電力を削減しても使用者への影響が少ないキッチン内家電機器ほど順位が低くなるように、炊飯器3、誘導加熱調理器2、オーブンレンジ5の順で電力確保の優先度が定められている。言い換えると、電力を削減する場合は、オーブンレンジ5、誘導加熱調理器2、炊飯器3の順になっている。
これらの家電機器毎の優先度に従って、オーブンレンジ5だけでは電力削減量が確保できない場合は、前記した「優先調理メニューの実行時間帯」を持ったキッチン内の特定の家電機器KPの中で誘導加熱調理器2が電力削減対象になる。この場合でも、その「優先調理メニューの実行時間帯」が経過するまでの間は、当該キッチン内家電機器KPの、当該優先調理メニューを実行する加熱源の電力に限っては、例外的に前記電力指令装置9が削減することはない。この場合は、次の優先度になっている炊飯器3に電力削減指令が発せられる。
空気調和機7と食器洗い乾燥機が使用されている場合は、誘導加熱調理器2の前に、当該食器乾燥機6が電力削減対象になる。食器洗い乾燥機6だけでも不十分な場合は、空気調和機7が電力削減対象になり得る。
ここで、各キッチン内家電機器KPからの電力要求結果を、要求電力加算器91にて集計した結果、合計電力がブレーカー容量(例えば、8000W)を超えていない場合で、電力削減指令が出されない場合であった状態から、使用者が前記電力使用限度設定器96の表示画面100Aを見て自発的に使用電力上限値を下げた場合について説明する。つまり使用者が「第2の上限容量」を設定した場合について説明する。
この場合、図50のように電力制御装置9は、最初のステップ1(以下、図50と図51において、ステップを「S」と省略する)で、総電力下げの指令が外部から与えられたもの判断する(S1)。
そして、新しい上限値(例えば7000W)と、各キッチン内家電機器KPからの電力要求結果とを比較器92で比較し(S2)、上限値を超えている場合は、電力削減幅を、使用電力削減幅決定手段94によって決定する(S3)。
そして使用中のキッチン内家電機器KPに電力削減指令を発する。この指令を受けて、前記ステップS1の時点よりも前に加熱調理を開始していた前記誘導加熱調理器2は使用電力を削減する。前記電力削減幅が1000Wであった場合には、誘導加熱調理器2は合計4200Wの消費電力であった場合、例えば第1の加熱口2L単独火力は3000W、第2の加熱口2Rの単独火力は1000Wの火力で、それぞれ湯沸しメニュー(非優先調理メニューの1つ)を実行していた場合は、合計3000Wの火力まで火力を下げる(S4)ことで、消費電力を3200Wまで下げる。なお、ここで200Wは内蔵されている送風機などの電気部品の消費電力とする。その後、誘導加熱調理器2は使用電力を1000Wだけ下げたことを電力指令装置9に報知する。
電力指令装置9ではその後、各キッチン内家電機器KPからの電力要求結果を再度集計した結果(S5)、その電力要求合計値が小さく、電力削減幅1000Wを超えるような余裕がある場合、例えば、上記した新しい上限値(7000W)に対し、その時点の電力要求合計値が5900Wを超えていない場合は、1100Wの余裕があることになるから、以前に削減した誘導加熱調理器2の使用電力を元のレベルまで戻すことを誘導加熱調理器2に事前に提案(報知)する。誘導加熱調理器2では、その報知から所定時間内に特に火力を上げるような操作をしない場合、火力を安全上の観点から自動復帰させないが、使用者が復帰に同意する操作をした場合、例えば火力上げる操作をした場合、元の4000Wの(合計)火力まで復帰させる(S6)。この場合の火力を上げる操作を省略するため、誘導加熱調理器2の上面操作部26に「復帰」というキーを設け、これを1回押せば、電力に余裕がある場合、元の火力レベルに簡単に復帰するようにしても良い。
仮に、前記単一の誘導加熱調理器2において、第1の加熱口2Lが「揚げ物」調理を行っており、1800Wの最大電力を消費する「優先調理メニューの実行時間帯」にあり、一方、第2の加熱口2Rが最大2000Wの消費電力を消費する「湯沸し」(非優先調理メニュー)を行っていた場合、前記電力指令装置9から指令された前記電力削減幅が1000Wであったときには、前記湯沸しの方の第2の加熱口2Rが電力削減の対象になり、湯沸しの火力を下げて、誘導加熱調理器2としての消費電力を1000W減らす動作を行うものである。
図50の場合で、誘導加熱調理器2が使用されていない場合は、その誘導加熱調理器2による使用電力削減はできないので、優先度に従って、炊飯器3が電力削減対象になるが、電力削減幅を、使用電力削減幅決定手段94によって決定した(S3)時点で、図50に示すように、炊飯器3が「優先調理メニューの実行時間帯」にある場合は、炊飯器3は電力削減の対象にならない。
キッチン内には同じブレーカーBKを使用する、電気ポットやホットプレート、オーブントースターなどのような1000W程度を10分〜60分程度使用する比較的小型の電熱機器類が他にもあり、また電気冷蔵庫もあるので、上記のようにキッチン内で誘導加熱調理器2を4000Wで使用していた場合でも、例えば7000Wまで総電力下げるという設定(第2の上限容量を設定すること)を、使用者が前記使用限度設定器96で行った場合には、上記のように誘導加熱調理器2の使用電力が制限される場合があり得る。
次に、1台の空気調和機7、誘導加熱調理器2と炊飯器3が同時に使用されている場合で、電力指令装置9から総電力量を下げるという指令が発せられた場合について説明する。
図51において、各キッチン内家電機器KPと空気調和機7からの電力要求結果を、要求電力加算器91にて集計した結果、合計電力がブレーカー容量(例えば、8000W)を超えていない場合ではあるが、使用者が前記使用限度設定器96の表示画面100を見て自発的に使用電力上限値を下げた場合について説明する。
この場合、図51のように電力指令装置9は、最初のステップ1で、総電力下げの指令が外部から与えられたもの判断する(S1)。
そして、新しい上限値(第2の上限容量。例えば7000W)と、各キッチン内家電機器KP及び空気調和機7からの電力要求結果とを比較器92で比較し(S2)、上限値を超えている場合は、電力削減幅を、使用電力削減幅決定手段94によって決定する(S3)。
そして優先度に従って、使用中の空気調和機7に電力削減指令を発する。この指令を受けて空気調和機7は使用電力を削減する(S4)。前記電力削減幅が300Wであった場合には、空気調和機7は冷房の目標温度が26℃であったものを28℃に変更することにより、空気調和機7で最も電力を消費する電動圧縮機332(図28)の回転速度を落として、電力消費量を少なくした省エネ運転に変更される。なお、目標温度と現在の室内温度との相関関係から、電動圧縮機の回転速度を低下された場合の使用電力量は予め実験などで求めてあり、そのデータは空気調和機7側に記憶されてあるので、電力指令装置9からの電力削減要求に従って、室外制御部339に内蔵されたマイクロコンピューター339Mは、瞬時に電力削減運転のための電動圧縮機332の運転条件を決定する。
仮に、前記空気調和機7が使用されていない場合、炊飯器2と誘導加熱調理器2は、何れも直ちに電力削減対象にはならない。何故ならば、炊飯器3は強火工程(沸騰工程)H2Aを実行中であり、また誘導加熱調理器2は揚げ物調理を実行中であり、これら両者とも「優先調理メニューの実行時間帯」にあるからである。
その後、空気調和機7は使用電力を300Wだけ下げたことを電力指令装置9に報知する。電力指令装置9ではその後、各キッチン内家電機器KPや空気調和機7からの電力要求結果を再度集計した結果(S5)、その電力要求合計値が小さく、電力削減幅300Wを超えるような余裕がある場合、例えば、上記した新しい上限値(7000W)に対し、その時点の電力要求合計値が6500Wを超えていない場合は、500Wの余裕があることになるから、以前に300Wだけ削減した空気調和機7の使用電力を元のレベルまで戻すことを空気調和機7に事前に提案(報知)する。空気調和機7では、その報知から所定時間内に自動的に目標温度を26℃に下げる運転に復帰する(S6)。
空気調和機7は図51に示すように、使用電力を削減する動作を行った場合及び電力を増やす動作を行った場合、その直後にそれぞれ電力指令装置9に使用電力の情報を送信する。
このように、各キッチン内家電機器KPは、その電源投入から電源遮断までの全工程において、運転情報(調理メニューの実行や、火力の設定など)が随時電力指令装置9に送信されている。また空気調和機7でも、その電源投入から電源遮断までの全工程において、運転情報(冷房・暖房運転メニューの実行や、目標温度の設定など)が随時電力指令装置9に送信されているので、常に複数の家電機器EEの電力使用状況を把握することができる。これについて以下詳しく説明する。
図52は、誘導加熱調理器2を代表的な例として、その調理器の電源投入から電源遮断までの全工程において、運転情報(調理メニューの実行や、火力の設定など)が随時電力指令装置9に送信されている状況を示したタイムテーブルである。他のキッチン内家電機器KPや空気調和機7においても基本的に同じように運転情報を随時電力指令装置9に送信している。なお、このような運転情報は、前記したように、制御装置32による異常監視の情報としても利用される。つまり、制御装置32は、電力指令装置9に運転情報を送信するときの、その運転情報に時間等の発生タイミングが分かる時刻情報(秒単位)を付加し、制御装置32に内蔵された記憶部32Rに順次記憶させておく。なお、時刻情報は、時計回路240の時刻情報が使用される。
図52において、L1〜L7が、誘導加熱調理器2から電力指令装置9に送信される運転情報信号である。L1は、主電源投入(ON)を示す信号、L2は、加熱口を選択した情報で、図52では第1の加熱口2Lを選択した場合である。L3は、調理メニューを選択した情報であり、湯沸しや煮込み、揚げ物調理などの各種調理メニューの中から「揚げ物」を選択した場合を示す。
誘導加熱調理器2は、前記したように時間帯別電気料金情報を取得するが、この取得は誘導加熱調理器2に主電源を投入した度に毎回行われる必要はない。また図52に示すように特定メニューではない「揚げ物」の場合は、時間帯別電気料金情報を使用者には報知しない。しかし、仮に取得する場合、そのタイミングは図52でいう信号L3とL4の間である。誘導加熱調理器2は電力指令装置9に情報提供を求める信号を送信し、電力指令装置9から送信された信号を分析し、時間帯別電気料金情報を取得する。
L4は、運転情報信号の1つであり、実際にインバーター回路33Lが駆動され、誘導加熱動作が開始したいことを示す開始予告情報(「開始要請信号」ともいう)を示す。L5は、揚げ物工程が開始された情報を示す。前記したように、揚げ物調理工程から火力アップ工程までを「優先調理メニューの実行時間帯」と定義しており、この実行時間帯には外部からの操作や指令によって電力の削減が行われないようにしている。つまり、この誘導加熱調理器2が実際に「優先調理メニューの実行時間帯」にあるかどうかは、この情報L5以後であるか(但し、次の情報L6を受信していない)どうかで判定される。L6は、実際にインバーター回路33Lの駆動が停止され、誘導加熱動作が終了した情報を示す。L7は、主電源遮断(OFF)を示す情報である。これら各情報L1〜L7には、その現在時刻が秒単位まで含まれている。なお、各運転情報信号に対する電力指令装置9側からの応答信号もあるが、詳細の説明は省略する。
図52において、KSは、前記開始予告情報(「開始要請信号」ともいう)L4から短時間(通常は数秒以内)の内に、電力指令装置9から発信される「加熱調理開始許可信号」である。この信号が誘導加熱調理器2に届かない限り、誘導加熱調理器2は、実際の加熱調理動作は開始しない(前記した表示画面129等の表示機能は、この信号KSの有無には影響受けない)。
例外的には、前記制御装置32は、開始予告情報(「開始要請信号」L4を受信した旨を電力指令装置9から通知された後、所定の時間(例えば5秒間)経過しても、前記加熱調理開始許可信号KSが届かない場合、通信障害等で当該信号KSが届かないものとみなし、加熱調理開始するという特殊な制御プログラムに変更しても良い。この場合、開始予告情報L4は短時間間隔で2回発信し、2回目の発信後も加熱調理開始許可信号KSが届かない場合に限り、通信障害等で当該信号KSが届かないものとみなし、加熱調理開始する方法にすると、安全性、信頼性が高まる。
図52から明らかなように、誘導加熱調理器2の電源投入から電源遮断までの全工程においては、信号L1〜KSの間及び「優先調理メニューの実行時間帯」を除いた時間帯では、前記電力指令装置9からの電力削減要求に従って電力削減運転に対応することが可能である。信号L1〜KSの間は、調理メニューが確定していない段階であり、この直後に「揚げ物」調理が選択される可能性もあるので、電力削減を行わないに予備期間として指定している。但し、このL1〜KSの期間は、実質的に加熱動作が開始されておらず、使用電力も小さいので、このL1〜KSの期間を電力削減対象期間にしても良いが、電力削減効果は殆ど期待できない。
従って、例えば前記したように「優先調理メニューの実行時間帯」に定義されていない「湯沸し」の工程では、何時でも電力削減要求に応じて電力を削減できる。具体的には図53に示すように、調理メニューとして「湯沸し」を実行する工程で、加熱動作が開始されていても何時でも電力削減は可能である。
図54は、別の「優先調理メニューの実行時間帯」のある調理メニューを実行している状態を示したタイムテーブルである。この図54は、誘導加熱調理器2において「予熱」という調理メニューを実行した例である。情報L3は、調理メニューを選択した情報であり、この場合は各種調理メニューの中から「予熱」を選択した場合を示す。L4は、前記したように、実際にインバーター回路33Lが駆動され、誘導加熱動作が開始される加熱調理開始予告情報を示す。なお、「予熱」は、火力が最大で1500W程度必要とするが、特定メニューではない。
L5は、温度検出回路(温度検知装置)150が、被加熱物N、例えばフライパンの温度中が使用者の設定した予熱温度(例えば160℃)を検知した情報を示す。この予熱温度を検知するとインバーター回路33Lは、制御装置32によって火力が自動調節され、その予熱温度を維持するような動作を行う。
この信号L5の時点から「優先調理メニューの実行時間帯」が開始される。従って、この実行時間帯には外部からの操作や指令によって電力の削減が行われないようにしている。仮に、この「優先調理メニューの実行時間帯」において不意に火力が落とされた場合、予熱温度を維持できず、使用者が所望の温度になっていると考えて調理(例えば卵焼き)を開始した場合、フライパンの温度が例えば140℃にあると、温度が低くて調理が出来ない、という事態を招く可能性がある。
L6は、実際にインバーター回路33Lの駆動が停止され、誘導加熱動作が終了した情報を示す。L7は、主電源遮断(OFF)を示す信号である。
図54から明らかなように、誘導加熱調理器2の電源投入から電源遮断までの全工程においては、信号L1〜L4の間及び「優先調理メニューの実行時間帯」を除いた時間帯では、前記電力指令装置9からの電力削減要求に従って電力削減運転に対応することが可能である。信号L1〜L4の間は、調理メニューが確定していない段階であり、この直後に「自動煮込み」調理が選択される可能性もあるので、電力削減を行わないに予備期間として指定している。但し、このL1〜L4の期間は、実質的に加熱動作が開始されておらず、使用電力も小さいので、このL1〜L4の期間を電力削減対象期間にしても良いが、電力削減効果は殆ど期待できない。
なお、詳しくは述べなかったが、本実施の形態1の電力制御システムにおいては、電力指令装置9が炊飯器3の要求電力に対して優先順位を最も高くして、炊飯器3の要求電力を最優先で確保するようにしているので、ブレーカーBKの容量が8000Wを超えそうになっても、あるいは使用者が指定した上限の電力容量(例えば、7000W)を超えそうになっても、沸騰工程において電力が削減されることがなく、美味しいご飯を炊くことができる。
一方、前記食器洗い乾燥機6は、洗い工程中に電力が削減されると、洗浄ポンプ(図示せず)を駆動するモーターの回転力が落ち、水やお湯の供給能力が大きく低下するので、洗浄水を食器に向けて噴射する噴射ノズル(図示せず)から噴射される水流が弱くなり、米粒等の汚れが落ちにくくなる。
そこで本実施形態1においては、洗い工程に必要な電力量を下回らないように電力を維持するので、この洗い工程の時間帯は、誘導加熱調理器2や炊飯器3でいう「優先調理メニューの実行時間帯」に相当しており、電力指令装置9からの電力削減要求の対象にならない。従って、この洗い工程中は洗浄ノズル(図示せず)からの噴射水流を確保でき、汚れ落ち性能を損なわない。但し、誘導加熱調理器2や炊飯器3に比較して電力確保の優先度が低いので、ブレーカーBKの容量を超えるような事態における電力削減要請には応じることになっている。また、洗浄水の温度を高める電気ヒーター(図示せず)の消費電力は、800W程度と大きく、またこの電力を削減した場合は、洗浄液の温度を上げるまでの時間が延びるという影響が出るが、洗浄効果それ自体に大きな影響はないので、誘導加熱調理器2や炊飯器3でいう「優先調理メニューの実行時間帯」には相当しないように、食器洗い乾燥機6の制御部に事前に設定されている。
電力削減された場合、洗浄工程は一時的に停止するので、その停止によって再度電力が復帰し、洗浄工程が開始されたとしても洗浄のための洗浄水の温度が下がっている場合は、所定の温度まで洗浄液の温度を上げるように加熱する時間も要し、トータルでの運転時間は延びる。そこで洗浄工程が停止した時点で、食器洗い乾燥機6の表示部(図示せず)には洗浄を一時的に停止することを表示し、また洗浄が開始されても、所定の洗浄を完了するまでの所要時間が延びることを、具体的に時間を示して使用者に報知する。
また、「優先調理メニューの実行時間帯」以外において電力削減した分、調理時間等の運転は延長する必要があるので、例えば誘導加熱調理器2では電力削減量に応じて、設定調理時間を延長するとともに、その旨使用者に報知する。なお、電力指令装置9側では、電力削減前から信号L1〜L4等によって加熱工程の進捗を把握しているので、加熱動作終了時点を誤って判断し、電力量を誤って増大させるようなことはない。
図55は、誘導加熱調理器2等の家電機器が、電力指令装置9によって電力調整対象になっているかどうかを家電機器側において知ることができるようにした動作を時系列に説明する説明図であり、図55において、L1〜L7が前述したように、誘導加熱調理器2から電力指令装置9に送信される運転情報信号である。LMは、健康管理情報が電力指令装置9側にあるかどうかを照会する信号である。
AS1は、誘導加熱調理器2からの運転情報信号L1を受けた場合に、電力指令装置9から当該誘導加熱調理器2に対して送られる対象機器登録信号である。なお、前記運転情報信号L1には、当該誘導加熱調理器2を特定する機器コードを含んでいるので、電力指令装置9は当該誘導加熱調理器2のみに前記対象機器登録信号AS1を送信する。
対象機器登録信号AS1は、誘導加熱調理器2が電力指令装置9に電気的に接続されており、電力指令装置9からの電力指令信号を受けて供給される電力量が削減されることが有り得る機器であることを示す信号である。
電力指令装置9から発せられた前記対象機器登録信号AS1は、誘導加熱調理器2の使用電力制御手段8Aが受け、これは制御装置32を介して、図27に示す前記表示部駆動回路35のインターフェース部35Cに入る。そして対象機器登録信号AS1が来たことが表示コントローラー35Bで判別され、図32に示したような「電力削減対象」という文字が前記第1の表示情報210Aとして中央表示部16の表示画面129の中に表示される。
この対象機器登録信号AS1が来る前には、主電源が投入されているので、前記表示部駆動回路35は前記通電制御回路32によって起動され、表示画面は図32に示したように必要な情報を先に表示している。このため、図25に示しているように、表示指令スイッチを兼ねている専用の注意情報ランプ430が点灯している場合は、これを押せば、電力指令装置9にある健康管理データの内の、特に注意データが、誘導加熱調理器2の側に読み出され、表示コントローラー35Bによってこの起動済みの表示画面を利用して使用者へ報知される。なお、図55に示すLMの信号発生時点以後であっても、前記注意情報ランプ430を押せば、表示画面129に注意データを表示できる。
その後、誘導加熱動作が開始される(予告のための)運転情報信号L4が使用電力制御手段8Aを経由して電力指令装置9に送られ、加熱調理開始許可信号KSが発信され、実際にインバーター回路33Lが駆動され、さらにその後、その電力指令装置9から、その電力指令装置9に接続された全ての家電機器の総電力量を下げる要請信号(予告信号)AS2が誘導加熱調理器2に届いた場合、前記表示部駆動回路35は前記中央表示部16の表示内容を変更する。前記要請信号を受けた場合は、誘導加熱調理器2の中央表示部16には、電力を下げて欲しいことを使用者に伝えるため、前記第1の表示情報210Aを消し、その部分に第2の表示情報210Bを表示する。例えば「電力削減要請あり」又は「電力削減の要請を受けています」等のメッセージを、白抜きの文字で表示する。
ここで、電力削減要請信号AS2とは、速やかに電力を下げて欲しいと電力指令装置9が促す信号であり、この信号から所定時間以内に総電力量が下がらない場合には強制的に電力を下げる。そのため、前記した電力削減要請信号AS2を発してから所定時間内(例えば、数秒〜10秒以内)に使用電力指令手段8Aに電力削減指令信号AS3が発せられる。所定時間内に家電機器の何れかが電力を自発的に下げ、使用者が前記使用限度設定器96によって例えば7000Wまで総電力下げるという設定をしていたことに対し、十分な余裕電力が確保された場合、前記要請信号AS2は撤回され、他の家電機器の使用電力量はそのまま維持される場合があり得る。要請信号AS2は撤回された場合でも、それ以前に対象機器登録信号AS1を受信している全ての電気機器では、前記第1の表示情報210Aにより「電力削減対象」という文字が再び表示され、この状態が続く。
前記電力削減指令信号AS3が発せられた場合、前記表示部駆動回路35は前記中央表示部16の表示内容を変更し、「電力削減」等のような第3の表示情報210Cを表示画面129の中に表示させる(図36参照)。
なお、図55に示すように、総電力量を下げる電力削減要請信号AS2が届いてから実際に電力削減動作が実行されるまでの期間は「猶予期間」TSという。この猶予期間は家電機器の使用者に自発的な電力削減動作を期待し、その実行に必要な最小時間を考えて設定されている。なお、この猶予期間を例えば1秒間隔で表示するようにしても良い。例えば前記表示画面129の中に、カウントダウン形式で、10秒、9秒、8秒と残り時間を表示しても良い。また棒グラフのような図形を表示させ、それが1秒置きに短くなっていくことで猶予期間が終わりに近づいていることを使用者に視覚的に訴えても良い。
以上の説明では、前記した第1の表示情報210A、第2の表示情報210Bが誘導加熱調理器2の中央表示部16に表示される事例を示したが、他の部分に表示させても良い。また炊飯器3などの他の家電機器EEに固有の表示部に同様に表示させても良い。
以上の説明から明らかなように、実施の形態1においては、例えば誘導加熱調理器2において、その電源投入から電源遮断までの全工程においては、「優先調理メニューの実行時間帯」以外では、前記電力指令装置9からの電力削減要求に従って電力削減運転に対応することが可能であるため、誘導加熱調理器2の運転中に電力削減要求信号を受ける可能性のある対象機器であること示す文字「電力削減対象」が、前記第1の表示情報210Aとして中央表示部16の表示画面129の中に表示されている。また、電力削減要請を受けた状態にある場合は、第2の表示情報210Bが表示画面に表示される。実際に電力が削減された場合には第3の表示情報210Cが表示画面129に表示される。
さらに、「優先調理メニューの実行時間帯」においては、誘導加熱調理器2の外部から指令があっても電力削減が回避されていることが第4の表示情報210Dで表示される。このため使用者がこれら第1〜第4の表示情報を見ることによって、使用しているこの加熱調理器への電力制限指令の影響を知ることができる。言い換えると、例えば、前記対象機器登録信号AS1を、誘導加熱調理器2が受け、最初は図32に示すように、「電力削減対象」という文字が前記第1の表示情報210Aとして中央表示部16の表示画面129の中に表示されるが、誘導加熱調理器2が茹で調理を開始して「優先調理メニューの実行時間帯」の加熱動作をしている場合は、この時間帯では前記電力削減要請信号AS2が誘導加熱調理器2に届いても表示画面129には表示されず、その他音声ガイドによっても報知されない。従って茹で工程の中で慌てて火力を下げるという使用者の操作を誘発することもない。
なお、「優先調理メニューの実行時間帯」の加熱動作をしている場合は「電力削減の要請を受けていますが、重要な調理工程に入っていますので、自動的に電力を維持しております。現在の工程が終わった段階で、電力削減する場合もあります」のように音声ガイドで報知し、使用者の理解を更に深めることを併用しても良い。もちろん、このようなガイド内容を文字によって前記表示画面129に表示しても良い。
また、以上の説明では、時間帯別の電気料金区分情報と、加熱手段が通電される時間情報とを同時に表示する、と述べたが、ここでいう「同時」とは、電気料金区分情報と時間情報を使用者が見比べることができるように、ある時間以上に亘って同時に表示していることを意味しており、電気料金区分情報と、加熱手段が通電される時間情報とが、全く同時に表示開始されるということではない。
次にこの実施の形態1の特徴の一つである第1の家電機器の「動作開始時刻(開始予約時刻A)」の予約時刻を変更する場合と、第1の家電機器の「動作終了時刻(終了予約時刻A)」の予約時刻を変更する場合、の2つについて説明する。
図56に示すものは、電力指令装置9の制御部125の動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、電力指令装置9の制御部125を構成するマイクロコンピュータ(図示せず)の内部にある半導体メモリー(ROM)に格納されている。
例えば、前記炊飯器3について居住者B(使用者B)が事前に炊飯予約をし、「動作終了時刻」として20:00(午後8時)を予約してあった場合を例にして説明する。
前記居住者Bが炊飯予約後に外出し、図2に示すような遠隔地の施設79から居住者B専用の情報通信端末機器87で帰宅する予想時刻を22:00に変更した場合、その帰宅予定(予想)時間の情報が、情報通信端末機器87から発信され、広域通信回路網(通信ネットワーク)98を介して電力指令装置9に届く。具体的には入出力部124Bを経由して制御部125に届く(ステップ1。以下、図56と図57において「ステップ」は「SU」と記載する)。
すると、電力指令装置9の制御部125は、各家電機器EEから事前に取得していた予約時刻(動作開始時刻と、動作終了時刻)のある家電機器EEを特定し、その予約時刻と前記帰宅予定時刻を比較する(SU2)。
その比較結果で30分以上のズレがあるかどうかの判断が行われ(SU3)、30分以上の時間のズレがある場合には、当該家電機器に対して、その予約時刻を、前記帰宅予定(予想)時間に合せるように変更指令を出す(SU4)。そのため、前記した炊飯器3の事例では、炊飯完了予約時間は22:00に変更される。
なお、ここで30分以上のズレを閾値として設けたのは、これよりも短い時間の変更にその都度対応すると、家電機器側で無理な操作をする可能性もあるためである。例えば、炊飯器は前記したように炊飯開始から沸騰工程が終わるまで30分程度要するので、急に20分程度帰宅時間を早めたことで、「動作終了時刻」を20分繰り上げても、帰宅予定時刻前には炊飯は完了できないことになる。SU3の比較結果で30分以上のズレがない場合には、SU4はスキップし、予約時間の変更指令は発しない。
次に図57に示すフローチャート図を説明する。図57は、前記電力指令装置9の制御部125の実際の動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、前記制御部125を構成するマイクロコンピュータ(図示せず)の内部にある半導体メモリー(ROM)に格納されている。
例えば、前記炊飯器3について居住者B(使用者B)が事前に炊飯予約をし、「動作終了時刻」として20:00(午後8時)を予約してあった場合を例にして説明する。
前記居住者Bが炊飯予約後に外出し、前記したように情報通信端末機器87で帰宅する予想時刻を22:00に変更した場合、その帰宅予定(予想)時間の情報が電力指令装置9の制御部125に届く(SU1)。
すると、電力指令装置9の制御部125は、各家電機器EEから事前に取得していた予約時刻(動作開始時刻と、動作終了時刻)のある家電機器EEを特定し、その予約時刻と前記帰宅予定時刻を比較する(SU2)。具体的には炊飯器3だけが予約炊飯をセットされていた状態であれば、その炊飯器3の予約時刻(炊飯器の場合は、動作終了時刻)20:00と、前記帰宅予定時刻22:00とを比較する(SU2)。
その比較結果で30分以上のズレがあるかどうかの判断が行われ(SU3)、30分以上の時間のズレがある場合には、当該炊飯器3に対して、その予約時刻を、前記帰宅予定(予想)時刻の22:00に合せるように変更指令を出す前に、変更後の時刻に適用される電気料金単価と変更前の時刻で適用される電気料金単価を比較する(SU4)。なお、この比較時に、電気料金そのものではなく、時間帯別料金単価を基準にして「安い」「高い」という指標を用意し、その指標で比較しても良い。
前記比較結果で、料金単価が上がる方向になる場合(経済的に不利な場合)には、前記制御部125は、前記した帰宅予定(予想)時間の情報(22:00)の送信者の情報通信端末機器87に対して、電気料金上で不利な時間帯になることを報知する。例えば、「帰宅時間が遅れますので、それに合わせて炊飯器の炊飯予約時間を繰り下げますが、電気料金は「安い」から「中レベル」に上がります」というような、規定のメールを送信(SU6)し、情報通信端末機器87にそのメールが届くようにする。居住者Bがそのメールを見て、新たな帰宅予定時刻を送信してくる場合もある。
なお、前記した炊飯器3の事例では、炊飯完了予約時間は20:00から22:00に変更されるが、20時以前も22時以前も前記した「朝晩時間」であるので、変更によって電気料金上で不利にも有利にもならない。
次に、予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)のある電気機器を、帰宅予定時刻に変更した場合、特定の家電機器に設定してある「運転回避時間帯」に入るかどうかの判断が行われる(SU7)。ここでいう「運転回避時間帯」とは、例えば、前記自走式電気掃除機(「掃除ロボット」ともいう。図示せず)の場合は、深夜10時(22時)から翌朝6時までの間をいう。これは使用者(居住者)によって、前記電力指令装置9で、対象となる家電機器と時間帯を個々に設定できるが、前記自走式電気掃除機の場合は、運転によって高速回転するブロワーモーターから運転音等が発生し、居住者の睡眠は勿論、集合住宅の場合は、隣の部屋の住民に騒音で迷惑掛ける懸念があるからである。
前記した炊飯器3の事例では、「運転回避時間帯」を設定していないので、この判断ステップ(SU7)は、イエスとなり、次のステップSU8に進む。このSU8は、対象となる電気機器が、その変更後の時刻で運転される場合に、各種の環境条件に適合するかどうかの判断が行われるステップである。例えば、前記炊飯器3の場合は、図60に示すように、環境検知部202の情報に基づき、前記制御部125では、室温が2℃〜35℃の場合が「適合」と判断される。つまり、この図57に示した例のように、仮に炊飯開始時刻(例えば、21:20)の段階で、キッチンの気温が4℃であった場合、21:20から炊飯動作が開始される(最初は吸水工程が21:20から始まる)。仮に0℃であった場合、炊飯器の蒸気回収装置の水が凍結し、発生した蒸気を回収できない事態が想定されるので、このような温度帯で、炊飯開始可否を決定している。
図57に示しているように、炊飯完了から通常は保温工程に自動的に移行し、最大で7時間保温動作が継続されるが、前記した炊飯器3では、その保温工程への移行を炊飯開始前に選択でき、保温工程を止めれば保温ヒーターの通電分だけ電気消費量も減る。しかし、室温が高いと炊き上がったご飯が腐敗する懸念もあるので、図58に示すように、環境検知部202の情報に基づき、前記制御部125では、室温が2℃〜23℃の場合が「適合」と判断される。つまり例えば沸騰工程が終わって保温工程が始まる前の時点でのキッチンの室温が仮に30℃の場合は、「保温切り」のモードを選択していても、保温動作は停止されず、自動的に保温工程に移行する動作になる。
図57のSU9は、各種の家電機器が設置されている居住空間の室温やその他の環境条件から、予約時刻を変更すべきかどうかを判断する「環境条件適合可否」を判断する処理である。この判断の基礎となる「許可条件」は、電力指令装置9の制御部125で設定され、記憶装置149に予め格納されている。
図57のSU10は、補正可能性のチェック処理である。ここでは、例えば空気調和機7に関して、環境条件に適合しない場合(例えば、冷房するには室温が低すぎる場合)、目標とする室内気温を高くしたり、冷房能力を落としたりする省エネ制御に移行すれば良いので、このような運転条件(加熱量やモーターの出力、冷房能力など)を補正可能であるかどうかの判断がされる。そして補正処理可能な場合は、補正処理が行われ(SU10)、電力指令装置9の制御部125から関係する家電機器(この場合は、空気調和機7)へ運転条件の変更指令が出される。
前記ステップSU8で環境条件適合する、と判断された場合、及び省エネ制御への変更処理SU10を行った後は、予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)の変更処理が行われる。具体的には、電力指令装置9の制御部125から関係する家電機器へ動作開始時刻又は動作終了時刻の変更指令が出され(SU11)、当該電気機器は、その変更指令の通り、動作開始又は終了の時刻を変更する処理を行う。前記炊飯器2の場合、22:00に炊飯完了するように予約内容が書き換えられる。
一方、予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)の変更処理を行うと、運転回避時間帯での運転になってしまう場合には、そのような予約時刻の変更は許可できないので、不許可の回答処理SU12が行われる。実際には、電力指令装置9の制御部125から、前記不許可理由が明示された情報が発信され、この発信された情報は広域通信回路網(通信ネットワーク)98を介して情報通信端末機器87に届くことになる。従って自走式電気掃除機320を使用する予定の居住者は、自分の帰宅時間では、既に深夜に近く、騒音防止の観点で自走式電気掃除機(図示せず)の運転を開始することはできないことが電力指令装置9からの情報で理解できる。
また、前記「環境条件適合可否」を判断する処理SU8で「不適合」となり、補正処理SU10も不可能である場合も、同じステップSU12に進み、前記不許可理由が明示された情報を電力指令装置9が発信して一連の処理は終了する。なお、不許可の回答処理SU12では、電気機器の種類や環境条件によって色々な回答内容が考えられるが、それらの回答は、事前にパターン化されて記憶装置149に格納されており、適当な回答内容が制御部125でその都度選択されて、送信される。
上記回答内容は、例えば運転回避時間帯を理由にする場合は「深夜時間帯になるため運転禁止」とか、「室内気温が低いので、運転できません」など簡潔で良い。このような不許可理由を送信する目的は、居住者(使用者)の誤解を避けるためである。すなわち、帰宅時間の通知によって自動的に家電機器の予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)の変更できない場合は、そのことを報知するので、居住者(使用者)は帰宅する前の段階で不許可通知が来たことを知り、家電機器の運転状況を予測できるようになる。場合によっては不許可通知が来たことを知って帰宅時間を早め、又は電気機器の予約内容を変更する行動に繋がる。
以上述べたステップによっても、予約時刻を変更すべきという結果になった場合、制御部125は、対象となる家電機器に事前に取得していた予約時刻(動作開始時刻又は動作終了時刻)を、通知されて来た帰宅予定時刻に変更する指令を発する(図57のSU11)。
図59〜図62は、電力指令装置9の電力制御動作に関係する構成を説明するための図である。
この図59〜図62で示した電力指令装置9は、居住者の在宅を検知する在宅検知手段10と、電気機器EEの中で、前記居住者B専用の特定の家電機器(以下、「専用家電機器」という)と当該居住者Bを特定する情報とを関連付けた専用者情報を記憶した専用者情報記憶部(記憶装置149)と、前記各家電機器EEの個々の電力使用量を制限する電力使用限度設定手段96と、前記家電機器に対して運転の可否を指令する制御部125と、を備え、
前記制御部125は、前記専用家電機器から使用許可を求める信号を受信した場合、前記専用者情報記憶部の専用者情報と、前記在宅検知手段で検知した居住者情報とに基づいて、当該専用者と帰宅している居住者Bとが同一であるかどうかを判定し、同一である場合に当該専用家電機器(例えば誘導加熱調理器2)の運転開始を許可する信号を発するものである。
図59〜図62の事例は、居住者Aと居住者Bと居住者Cと居住者Dの全員が外出している状況を前提にしている。前記したように、居住者Aは父親、居住者Bは母親、居住者Cは子供(10歳)、居住者子供(7歳)である。居住者Bは外出時に前記情報通信端末機器87を携帯しているものとする。またキッチンには電気ポット(図示せず)があり、これも誘導加熱調理器2のように電力制御装置9によって消費電力量が制限される構成になっているものとする(図22でも電気ポットは図示していない)。
前記した前提条件の下で、図59について説明する。この図59は、居住者Bが最初に帰宅する状況を示したものである。電力指令装置9が実行する各種処理は、S61〜S67の符号で示している。図59〜図62において、矢印は各種報知や指令等が発せられたことを示している。その報知や指令のタイミングを、発生順にM1、M2、M3・・というように符号を付けている。なお、S61はステップ61を意味し、以下、図59〜図62において、ステップをS62、S63、S64・・・のように記載する。
まず、居住者Bが最初に帰宅し、玄関の電子錠で開錠操作をする(パスワード入力や生体情報認証など)と、玄関電子錠19から個人認証装置29に開錠操作信号が送られ(M1)、居住者Bであるかどうかの判定結果の信号が在宅検知部10に入力される。すると、在宅検知部10は、制御部125に対して居住者Bの帰宅信号を送り、記憶装置149の中の在宅者情報を更新する(この場合、全員留守状態から、居住者Bだけが在宅、という変更処理になる)(S61)。
すると、制御部125は、予め設定された共用の電気機器の内、居住空間が暗い場合には、玄関外側と内側の照明を点灯して、居住者Bが室内へ安心して進めるようにする。なお、居住空間が暗いかどうかは前記環境検知部202で検知させても良いが、帰宅時間に応じて制御部125が自動的に点灯指示しても良い。
次に、居住者Bがキッチンに行き、例えば共用の家電機器であり、定格最大電力が1000Wである電気ポット(図示せず)を使用したいと思って、そのポットの操作部を操作するか、電源コードを接続すると、最初にその電気ポットからは運転開始許可申請の信号が発せられ(M2)、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する。この判断は図59の処理(S62)で行われる。その処理では、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理が行われる。そして総電力使用量に余裕があれば、共用の家電機器側に運転開始許可の指令信号を送信する(M3)。この場合、上限の電力値を1000Wに設定している。その後、これに答える形で家電機器(電気ポット)側から運転開始情報が届き、最大電力値は850Wであることを電力指令装置9の制御部125に送信してくる(M4)。そこで電力指令装置9の制御部125は、共用の家電機器の消費電力量を、照明器具(50W)から電気ポットの消費量が加算された900Wに更新処理する(S63)。
次に電気ポットの使用が終了した後(この時点で共用家電機器の使用電力量は総計で50Wだけに戻る)で、居住者Bが専用家電機器として事前に登録してある誘導加熱調理器2を使用しようとした場合、居住者Bが図26、図29で説明したように、最初に主電源スイッチ11の操作ボタン11Aを使用者がタッチして、電源を入れると、異常がなければ、制御装置32が中央表示部16等の表示手段を起動するが、これと同時に、誘導加熱調理器2は運転許可申請を電力指令装置9に行う(M5)。つまり、図52において説明したように、誘導加熱調理器2が最初に運転情報信号L1を送信するので、この最初の運転情報信号L1は、主電源投入(ON)を示す信号である。
すると、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する。この判断は図59の処理(S63)、(S64)で行われる。その処理(S63)では、誘導加熱調理器2が専用家電機器であることから、制御部125は在宅者Bの使用権限を事前の記憶データから照合し、居住者Bに使用権があることが分かると次の処理S64に進み、前記した処理(S62)のように、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理が行われる。そして総電力使用量に余裕があれば、専用の家電機器(この場合、誘導加熱調理器2)側に運転開始許可の指令信号を送信する。この場合、誘導加熱調理器2は、最大消費電力が3000Wであるし、また居住者Bに消費電力の最大値として許可されている上限電力値が3000Wであるので、上限値は3000Wで運転許可の信号が発信される(M6)。
その後、実際に居住者Bは誘導加熱調理器2の消費電力を2000Wにして使用開始した場合、その2000Wという情報が電力指令装置9に送られ(M7)、これ以後の要求電力超過量判定手段93で利用される。そして居住者Bが誘導加熱調理器2の使用を止めると、誘導加熱調理器2側から運転終了の報知信号が電力指令装置9に送られる(M8)。そこで、制御部125は、居住者Bに関する専用家電機器の電力使用情報を更新(2000Wから0Wへ)し、この情報を記憶装置149に書き込む。
次に、居住者Bが帰宅している状態で、居住者C(子供)が帰宅した場合について、図60を参照しながら説明する。
まず居住者C(子供)が玄関の電子錠で開錠操作をする(パスワード入力や生体情報認証など)と、居住者Bの時と同様に個人認証判定結果の信号が在宅検知部10に入力され、在宅検知部10は、制御部125に対して居住者Cの帰宅信号を送り(M9)、記憶装置149の中の在宅者情報を更新する。この場合、帰宅者Bだけの状態から、居住者BとCの2名だけが在宅、という変更処理になる(S68)。
居住者Cが、何らかの共用家電機器(例えば照明器具)を使用しようとすると、その家電機器からは運転開始許可申請の信号が発せられ(M10)、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する。この判断は図60の処理(S69)で行われる。その処理では、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理が行われる。そして総電力使用量に余裕があれば、共用の家電機器側に運転開始許可の指令信号を即時送信する(M11)。この場合、上限の電力値を照明器具の定格最大電力の300Wに設定している。その後、これに答える形で家電機器(照明器具)側から点灯情報が届き、消費電力値は250Wであることを電力指令装置9の制御部125に送信してくる(M12)。そこで電力指令装置9の制御部125は、共用の家電機器の総電力量を、照明器具の電力消費量(50W)が加算された300W(照明250W+照明50W)に更新処理する(S70)。
次に、居住者Cが、専用家電機器として事前に居住者Bの名前が登録してある誘導加熱調理器2を使用しようとした場合、居住者Cが図26、図29で説明したように、最初に主電源スイッチ11の操作ボタン11Aを使用者がタッチして、電源を入れると、異常がなければ、制御装置32が中央表示部16等の表示手段を起動するが、これと同時に、誘導加熱調理器2は運転許可申請を電力指令装置9に行う(M13)。
すると、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する。この判断は図60の処理S71で行われる。その処理S71では、誘導加熱調理器2が専用家電機器であることから、制御部125は現在在宅している在宅者Bと在宅者Cの双方の使用権限を事前の記憶データから照合し、居住者Bに使用権があることが分かると、前記した処理S69のように、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理(S72)を行い、総電力使用量に所定以上(例えば、1000W)余裕があれば、専用の家電機器(この場合、誘導加熱調理器2)側に、その余裕電力(1000W)を上限にして、運転開始許可の指令信号を送信する(M14)。なお、この場合、居住者B自身が使用できる最大電力量は前記したように3000Wであるので、最大でも3000W以下の使用しか許可されない。この例では、総電力使用量に2500Wの余裕があることが判明したので、制御部125は、誘導加熱調理器2に対し、上限電力値を2500Wに設定して運転許可の信号を出す。
その後、実際に居住者B(又は居住者Bの監督の下で居住者C)は、調理の内容や加熱される調理物の量等から、誘導加熱調理器2の消費電力を2000Wにして使用開始した場合、その2000Wという情報が電力指令装置9に送られ(M15)、この情報が、これ以後の要求電力超過量判定手段93で利用される。そして居住者Bが誘導加熱調理器2の使用を止めると、誘導加熱調理器2側から運転終了の報知信号が電力指令装置9に送られる。そこで、制御部125は、居住者Bに関する専用家電機器の電力使用情報を更新(0Wから2000Wへ)し、この情報を記憶装置149に書き込む(S73)。なお、途中で火力を下げれば(例えば1000Wに)、その情報は即座に電力指令装置9に送られ、要求電力超過量判定手段93の判定処理に利用される。
次に、居住者Bが帰宅していない状態で、居住者C(子供)が帰宅した場合について、図61を参照しながら説明する。なお、この図61、図62では符号M20〜M31を使用するが、その符号M20は、前記した符号M1〜M15の一連の動作と連続していることを意味していない。
まず居住者C(子供)が玄関の電子錠で開錠操作をする(パスワード入力や生体情報認証など)と、居住者Bの時と同様に個人認証判定結果の信号が在宅検知部10に入力され、在宅検知部10は、制御部125に対して居住者Cの帰宅信号を送り(M20)、記憶装置149の中の在宅者情報を更新する(この場合、全員が留守の状態から、居住者Cだけが在宅、という変更処理になる)(S80)。
制御部125は、予め設定された共用の家電機器の内、居住空間が暗い場合には、玄関外側と内側の照明を点灯して、居住者Cが室内へ安心して進めるようにする。なお、居住空間が暗いかどうかは前記環境検知部202で検知させても良いが、帰宅時間に応じて制御部125が自動的に点灯指示しても良い。この居住者Cは明るい日中に帰宅したものとし、照明器具は何ら点灯しない。以下の説明では、最初に共用の照明器具の点灯が行われ、消費電力は200Wであるとする。
次に、居住者Cがキッチンに行き、例えば共用の家電機器である電気ポット(図示せず)を使用したいと思って、そのポットの操作部を操作するか、電源コードを接続すると、最初にその電気ポットからは運転開始許可申請の信号が発せられ(M21)、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する(S81)。その処理(S81)では、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理が行われる。そして総電力使用量に余裕があれば、共用の家電機器側に運転開始許可の指令信号を送信する(M22)。この場合、上限の電力値を1000Wに設定している。その後、これに答える形で家電機器(電気ポット)側から運転開始情報が届き(M23)、その時の最大電力値は850Wであることを電力指令装置9の制御部125に送信してくる。そこで電力指令装置9の制御部125は、共用の家電機器の消費電力量を、前記照明器具250Wから電気ポットの消費量が加算された1050Wに更新処理する(S82)。
次に、前記電気ポットの使用中、さらに居住者Cがキッチンで、居住者B専用の家電機器である誘導加熱調理器2を使用したいと思って、その主電源スイッチ11の操作ボタン11Aをタッチして、電源を入れると、異常がなければ、制御装置32が中央表示パネル16等の表示手段を起動するが、これと同時に、誘導加熱調理器2は運転許可申請を電力指令装置9に行う(M24)。
すると、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する。この判断は図61の処理(S83)で行われる。その処理(S83)では、誘導加熱調理器2が専用家電機器であることから、制御部125は現在在宅している在宅者Cの使用権限を事前の記憶データから照合し、在宅していない居住者Bに使用権があることが分かると、次の処理84に進み、居住者Cの使用許可申請を不許可にした事実を前記記憶装置149に書き込んで記録する(S84)。そして専用の家電機器(この場合、誘導加熱調理器2)側に運転開始の「不許可」の指令信号を送信する(S85)。この信号を受けると、誘導加熱調理器2は、そのような不許可の理由を前記表示画面129によって表示する。この表示はエラーコードでも良いが、使用者(この場合は、居住者C)が容易に理解できるように、文字で簡潔に表示する方が好ましい。もちろん、音声合成装置38で報知しても良い。
前記運転開始の「不許可」の送信処理(S85)を受けて不許可の通知(M25)をする際に、電力指令装置9の制御部125が、誘導加熱調理器2の表示画面129に、不許可理由を表示するときに、居住者Bに対する許可申請を必要とする場合は、誘導加熱調理器2で特定の操作、例えば、特定の入力キーやボタンを1つ又は複数同時に押すように助言する構成にし、そのような操作が行われたことを電力指令装置9の制御部125が検知した場合、あるいは前記「不許可」の送信処理(S85)の直後又は同時に、外出している居住者Bに対して、上記のような不許可処理を行ったことと、居住者Cからの使用許可申請を同意するかどうかの2点について照会する(M26)。
そしてそのような照会は、電力指令装置9の入出力部124Bからルーター99Aを介して屋外の広域通信回路網(通信ネットワーク)98に通信で送られ、居住者Bの情報通信端末機器87に届くようになっているので、居住者Bが電力指令装置9から送信された照会メール等の内容を見て、専用使用者を居住者Cに一時的に変更して良いとの回答を行った場合(M27)には、電力指令装置9では、その記憶装置149の中の専用使用者の記録が一時的に書き換えられ、また使用限度設定器96の表示画面100Aで、居住者Cへの使用権限付与が報知される(S86)。
そこで、この使用権限変更の許可信号の到着を待っていた居住者Cが、再度誘導加熱調理器2の使用開始の申請(M28)を行うと、電力指令装置9の制御部125がその申請を許可するかどうかを判断する(S87)。その処理(S87)では、要求電力超過量判定手段93で電力の超過量を判定する処理が行われる。
総電力使用量に余裕(例えば2500W)があれば、誘導加熱調理器2側に運転開始許可の指令信号を送信する。但し、この場合、居住者C自身の上限の電力値は2000W(1度に使用できる電気機器の総電力値が2000W以下であるということ)であるので、前記余裕電力量(2500W)の使用は許可させず、居住者C個人に設定されている最大電力値(2000W)が「上限」であることを電力指令装置9の制御部125は誘導加熱調理器2に送信する(M29)。
その後、実際に居住者Cは誘導加熱調理器2の消費電力を2000Wにして使用開始した場合、その2000Wという情報が電力指令装置9に送られ(M30)、これ以後、要求電力超過量判定手段93の判定処理で利用される。そしてまだ帰宅していない居住者B専用の電気機器の電力使用情報が、0Wから2000Wに更新される(S88)。まだ帰宅していない居住者Bではあるが、使用許可したので、居住者Bの電力量としてカウントされる。
こうして居住者Cが誘導加熱調理器2を使用して調理を終え、その使用を止めると、誘導加熱調理器2側から運転終了の報知信号が電力指令装置9に送られる(M31)。そこで、制御部125は、居住者Bに関する専用家電機器の電力使用情報を更新(2000Wから0Wへ)し、この情報を記憶装置149に書き込む(S89)。そして制御部125は、専用家電機器である誘導加熱調理器2に関する専用使用者を、再び居住者Bに戻す処理を自動的に行い(S90)、そのような経緯を記憶装置149に書き込む(S91)。
次に家電機器の異常監視データの取得・記録について説明する。
図64に示すものは、誘導加熱調理器2からの動作情報と加熱工程、異常監視データの関係を示す時系列説明図、図64は、電力指令装置9と、情報通信端末機器87によって誘導加熱調理器2から異常監視データや識別データを取得する動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図に示す情報通信端末機器87の基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、情報通信端末機器87の記憶部186に格納されている。
誘導加熱調理器2では、第1の加熱口2Lのみで加熱調理を行っており、第2の加熱口2Rや、その他加熱源では加熱調理していない場合を想定して以下説明する。
第1の加熱口2Lで誘導加熱する場合は、図55のフローチャート図で説明したように、最初は主電源スイッチ11を使用者が閉じ(ON状態にし)、実際にインバーター回路33Lが駆動され、誘導加熱動作の開始を使用者が指令する(図34のスタートキー212を押す)と、運転情報信号(加熱調理開始予告信号)L4が電力指令装置9に送信される。これに対応して電力指令装置9から運転開始許可信号KSが発信され、誘導加熱動作が開始される。
この後において、何らかの異常が発生した場合、異常検知手段ESによって異常発生が検知される。例えば、トッププレート14や中央表示部16(表示画面129)の温度が異常な高温になった場合、その温度によっては、最初は異常予備状態と判定され、その後に異常状態であると制御装置32によって判定される。
つまり、異常発生してから制御装置32によって異常かどうかを判定する区間ET2が必要であるが、制御装置32は異常検知手段ESからの電気的データや温度データ等から異常状態であると判定すると、直ちに誘導加熱動作を緊急停止する指令をインバーター回路33Lに出す。そしてこのような誘導加熱源の緊急停止を示す信号L6Eを電力指令装置9に送信する。この送信は信号L1〜L4と同じ手段で実行される。
この実施の形態1でいう「緊急停止」とは、インバーター回路33L等の加熱駆動源への電源を遮断することであり、制御指令を与える中枢機能を担う制御装置32自体の機能を停止させるものではない。またインバーター回路33Lやグリルヒーター駆動回路34等の加熱駆動源への電源供給を遮断した時点で、既に誘導加熱調理器2の各種部分は高温になっている可能性があるので、加熱調理動作中に、本体ケース2Cの内部空間を冷却している冷却ファン(図示せず)は、前記インバーター回路33Lやグリルヒーター駆動回路34等の加熱駆動源への電源供給を遮断した時点から、所定時間遅れて自動停止される。つまり本体ケース2Cやトッププレート14の温度が、事前に定めた温度まで下がるような冷却運転が数分又は10分程度行われる。このような温度検知は、前記した温度検出回路150によって行われる。
誘導加熱調理器2は、前記した誘導加熱動作を緊急停止する指令を出した以後、直ちに異常検知手段ESによって過去(図64に示した、「異常監視データ取得区間ET1」において連続的に取得していた監視データを、そのまま保全する。なお、ここでいう「連続的」とは、完全に連続しているという意味ではない。異常監視データの容量(データ量)をできる限り小さなものにし、記憶部32Rの記憶容量が、異常監視データに比較して十分に大きい状態を確保するため、例えば温度に関する異常監視データの取得タイミングを数秒置きや10秒置き程度にしても良い。但し、大火力(例えば3kW)で加熱調理するような場合は、急速に被加熱物Nが加熱されるので、監視タイミングを短くすると監視精度、安全性が向上する。
異常発生時まで通電されていた、誘導加熱コイル2LCが緊急停止された直後、表示用メモリー35Aは、中央表示部16等で異常発生を表示できるように、制御装置32が判定した異常の種類の情報と推定原因等が分かる情報とを一時的に記憶する。そして制御装置32の指令によって表示部駆動回路35は、異常内容の種類、推定原因等が分かる情報を中央表示部16に表示させる。そのような案内の文章(テキストデータ)は前記表示用メモリー35Aに事前に格納されたものの中から、異常内容の種類、推定原因と対応関係を定めた対応表(データテーブル)を基にして、制御装置32が表示する定型文章を検索・抽出し、表示する。さらに表示部駆動回路35は、NFC用入出力部401に対して、近距離通信(NFC)機能のある情報通信端末機器87を接近させれば、詳しい異常内容と対処方法等の情報が得られる旨表示する。これら定型的な表示の文章を表示するための対応表(データテーブル)も前記表示用メモリー35Aに事前に格納されている。
後述する2つのNFC用入出力部401L、401R)は、発光ダイオード素子(LED)323(図27参照)によって下方から照らされる構成になっているが、そのLED323は、制御装置32によって表示部駆動回路35の動作と連携するようになっているため、近距離通信(NFC)機能のある情報通信端末機器87で、詳しい異常内容と対処方法等の情報が得られる旨表示することに同期して、表示部駆動回路35により所定タイミングで点灯される。具体的に点灯するタイミングは、図63における「異常発生報知区間ET3」の最初の時点である。なお、消えるタイミングは、異常発生報知区間ET3の終わり、つまり主電源を切った時点までであるが、点灯から一定時間経過後、LEDを自動消灯する構成にしても良い。
図64において、LE1は、電力指令装置9が誘導加熱調理器2に対して異常監視データの提供を求める指令信号である、LE2は、その指令信号LE1に応答して誘導加熱調理器2が電力指令装置9に送信する異常監視データの送付信号である。
次に図65に基づいて、情報通信端末機器87が異常監視データを誘導加熱調理器2から取得する動作について説明する。
図65は、情報通信端末機器87の処理ステップを示すものである。ここで示されるステップを実行するような制御プログラムが前記中央演算処理装置(CPU)185に最初から格納されている。
図65の説明において、符号「SV」は、処理のステップを示すものである。また誘導加熱調理器2では、第1の加熱口2Lのみで加熱調理を行っていた途中で、異常が発生したため、使用者が中央表示部16に表示された表示内容(例えば、「異常が検知されたため、緊急停止しました。詳細は、NFC表示部にNFC機能付きの情報通信端末機器を接近させると情報入手できます」という説明文)を見て、異常内容を確認する場合を想定して以下説明する
最初に起動しておいた情報通信端末機器87を誘導加熱調理器2のNFC用入出力部401L(図25参照)に接近させる。すると、情報通信端末機器87は、記憶部186に格納されているアプリケーション・ソフトウェア部188起動することによって処理が開始される。
SV1において、情報通信端末機器87の通信確立部191は、情報通信端末機器87と誘導加熱調理器2の間にNFC通信セッションが確立されることを監視している。NFC通信は、13.56MHz帯の電波を利用した近距離無線通信である。
使用者が情報通信端末機器87を、誘導加熱調理器2の上面操作部26のNFC用入出力部401Lに近づけ、接近させる(例えば5cmまで)と、通信確立部191は、NFC通信セッションを確立する。
NFC通信セッションが確立されると、通信確立部191はSV1でYESと判断して、SV2に進む。SV2では、送信処理部190は、SV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、誘導加熱調理器2の異常監視データや識別情報の提供を要求するための情報を誘導加熱調理器2に送信する(SV2)。この要求情報は、図27に示したNFC記憶部320に一時的に記憶される。
続いて、SV3では、情報通信端末機器87は、SV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、誘導加熱調理器2から、使用者が表示を希望する情報を選択するための専用の表示画面を情報通信端末機器87の表示部180に表示する情報を受信する。この情報は、図65では「表示メニュー用の情報」と記載している。ここでいう「表示メニュー」とは、少なくとも図66に示すように、次の3つの情報群をいう。
(1)識別情報(製品識別情報)
(2)異常内容情報(異常内容を解説した詳細情報)
(3)アドバイス情報(製品の正しい使用方法や異常時の対処方法等を解説した情報)
表示メニュー用情報を受信すると、受信処理部189が受信内容を確認し、SV4において、制御部184は、情報通信端末機器87を鳴動させる。これにより、使用者に受信(ここでは表示メニュー用情報の受信)が終了した旨が報知される。この直後に、情報通信端末機器87はSV1で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを誘導加熱調理器2に送信する。このMACアドレスを誘導加熱調理器2側が受信することにより、以後の通信で連続性・関連性が担保するために誘導加熱調理器2側において通信機器の識別に利用される。
前記SV4の時点での報知により、使用者は、情報通信端末機器87を誘導加熱調理器2から遠ざけてよいことを知る。仮にこれを知らない場合でも、SV6のステップでは、情報通信端末機器87の表示部180に、表示メニュー用情報の受信が完了し、通信は一旦中断するように、誘導加熱調理器2から遠ざけるように、との表示が出るので、使用者の無用の混乱は回避される。これら表示部180の画面処理は表示制御部192で実行する。
情報通信端末機器87を誘導加熱調理器2からから遠ざけ、表示部180が見やすいよう自分の手元近くに移動させて、以後の操作を行うことができる。これにより、情報通信端末機器87と誘導加熱調理器携帯端末10との間の距離が、互いに電波が届く距離より大きくなると、S1で確立されたNFC通信セッションが中断される(SV7)。なお、ここまでを第1のNFC通信セッションと定義すれば、このSV7の段階は第1のNFC通信セッションの完了と言える。
仮にSV7で、NFC通信セッションが前記したようにSV7で中断しないままになった場合は、SV6の処理に戻り、使用者はNFC通信を一旦中断するように勧告される。
次に、SV8において、制御部184は、情報通信端末機器87を鳴動させる。これにより、使用者にはNFCが中断した旨が報知される。
表示制御部192は、SV3で受信された表示メニュー用情報に含まれるテキストデータを用いて、図65に示すような選択画面を生成する(SV9)。つまり、使用者が情報通信端末機器87の表示部180で最初に確認する内容は、図66に示すような表示を希望する情報の種類を3つの中から1つだけ選択するように、というものである。なお、このSV9における情報の種類の選択方法については複数あるので、図66と図67の説明の際に詳しく述べる。
SV9において、例えば「異常内容情報表示」を選択した場合、この選択結果を誘導加熱調理器2にインプットする前には、NFC通信セッションを確立する必要がある。そこで前記したように、使用者が情報通信端末機器87を、誘導加熱調理器2の上面操作部26のNFC用入出力部401Lに近づけ、通信確立部191が、NFC通信セッションの確立を確認した場合、通信確立部191はSV10でYESと判断して、SV11に進む。
この後、情報通信端末機器87はSV11で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを再び誘導加熱調理器2に送信する。このMACアドレスを誘導加熱調理器2側が再度受信することにより、誘導加熱調理器2では前回との通信の関連性が確認される。また同時に、情報通信端末機器87はSV9において選択した「異常内容情報表示」という表示指令を誘導加熱調理器2に送信する(SV11)。
続いて、SV12では、情報通信端末機器87は、SV10で確立されたNFC通信セッションを用いて、誘導加熱調理器2から、使用者が表示を指定した「異常内容」に関する情報を受信する。
この異常内容に関する情報を受信すると、受信処理部189が受信内容を確認し、SV13において、制御部184は、情報通信端末機器87を鳴動させる。これにより、使用者に指定した情報を受信(ここでは「異常内容情報」の受信)が終了した旨が報知される。
その後、制御部184は表示部180に、NFC通信セッションは切断することを表示し、使用者が所定時間内に新たな操作入力をしない限り、NFC通信セッションを自動的に遮断して一連の処理を終了する。なお、使用者が受信した前記異常監視データや識別情報を含む「異常内容情報」は、情報通信端末機器87の記憶部186に記憶されるので、使用者は後日その内容を再び読み出して表示部180に表示させることができる。
その「異常内容情報」は、情報通信端末機器87の通信機能を使って広域通信回路網経由で誘導加熱調理器2の販売会社や修理業者のサーバー等に送信することもできるし、情報通信端末機器87を修理業者等の所まで持参して、当該業者のところで異常監視データの内容を見せることができる。また、そのような場合、誘導加熱調理器2の識別情報も記録されているので、修理業者等に正確な識別情報を伝達できる。
誘導加熱調理器2における異常監視データには、前記した運転情報信号L1〜L7とKS、対象機器登録信号AS1、家電機器の総電力量を下げる要請信号(予告信号)AS2、電力削減指令信号AS3を含ませることが望ましい。これら信号を監視データに含ませ、実際の異常を示すデータ(例えば、温度や電圧値)の計測タイミングと、例えば運転情報信号L1〜L7、運転開始許可信号KSの送信タイミングや、電力削減指令信号AS3の受信タイミング等を時間的に対応付けることで、異常発生後の原因分析が容易になるからである。なお、電力指令装置9の異常判定動作については、あとで説明する。
情報通信端末機器87でSV11において「異常内容情報表示」という表示指令を誘導加熱調理器2に送信した場合、前記表示指令は誘導加熱調理器2の記憶部320に一旦記録され、その表示指令を受けてNFC制御回路321では、制御装置32の記憶装置32Rに記憶している異常監視データをNFC制御回路321側へ送信するような(異常管理)データ送信命令を出す。これに応じてこのNFC制御回路321のデータ送信命令を監視していた誘導加熱調理器2の制御装置32が、前記NFC制御回路321の送信命令を受けて動作する。つまり前に説明したように、情報通信端末機器87側から制御データ(データ送信命令という制御コマンド)を誘導加熱調理器2のNFC記憶部320へ送り、当該誘導加熱調理器2の制御装置32(「ホストコンピューター」機能を有する)が、前記NFC記憶部320に記憶された前記制御コマンドに従って制御動作するものである。
次に図66、図67に基づいて、情報通信端末機器87が異常監視データを誘導加熱調理器2から取得する場面での表示部180の表示内容について説明する。
図66は、情報通信端末機器87の表示部180の表示内容を示すものである。ここで示される表示部180の表示内容は、図65のステップSV9の段階におけるものである。
図66に示している通り、表示部180には表示を希望する情報の種類を、3つの項目の中から1つ選択するように求める画面を生成している。
この図66において、195は異常発生を知らせる文字情報、196は、使用者に表示すべき情報の種類を選択するように促す操作誘導情報、197Aは「製品識別情報表示」という表示をした選択情報、197Bは「異常内容情報表示」という表示をした選択情報、197Cは「アドバイス情報表示」という表示をした選択情報である。
この図66の表示画面で、例えば「異常内容情報表示」を選択する場合は、2つの方法がある。
第1の方法:
操作入力部181に設けた4つの方向の選択キー(タッチ式又は押しボタン式)を使用し、例えば、選択項目を下方向に順次選ぶには、下方向指定選択キー194Bを押せば良い。最初は「製品識別情報表示」の項が選択されるように、その文字情報197Aがハイライト表示等で強調された表示になっていた場合、前記した下方向指定選択キー194Bを1回押せば、「異常内容情報表示」の項が選択され、その文字情報197Bがハイライト表示等で強調された表示になる。下方向指定選択キー194Bを1回押せば、更に下方に表示されている「アドバイス情報表示」の項が選択され、その文字情報197Cがハイライト表示等で強調された表示になる。
さらに1回下方向指定選択キー194Bを1回押せば、最初に戻って「製品識別情報表示」の項が選択され、「製品識別情報表示」の文字情報197Aがハイライト表示等で強調された表示になる。以後もこのように下方向指定選択キー194Bを押せば、選択項目が巡回する。なお、同じように上方向指定選択キー194A、右方向指定選択キー194C、左方向指定選択キー194Dも操作入力部181に設けてある。なお、選択を確定するには、操作入力部181中央部にある確定キー(タッチ式又は押しボタン式)200を押せば良い。この確定キー200を押した段階で、図64に示したSV9の処理が終わる。
第2の方法:
操作入力部181に設けた4つの方向の選択キー194A〜194Dを一切使用せずに、情報通信端末機器87を水平面にした段階から、左右又は水平に傾ける動作で「製品識別情報表示」の項から「アドバイス情報表示」の項まで選択できる。前記したように、情報通信端末機器87には、姿勢検知部183を内蔵しているので、使用者が情報通信端末機器87を傾ける際の姿勢(より具体的には回転角度)を検出して、当該姿勢を示す信号を制御部184に出力する。従って、例えば下方向指定選択キー194Bを1回押すのと同様にするには、情報通信端末機器87の表示部180が最も上で、下方向指定選択キー194Bが最も下になるように傾斜させれば良い。そして所望の項が選択された段階で前記確定キー200を押せば良い。この確定キー200を押した段階で、図64に示したSV9の処理が終わる。
次に図66について説明する。
図66は、誘導加熱調理器2から情報通信端末機器87で異常監視データを表示させた場面を示している。図66において、198は異常の内容を知らせる文字情報、199Aは、異常発生個所を示した文字情報、199Bは異常の原因を示した文字情報である。201は、使用者にこの製品(誘導加熱調理器2)の異常について修理や点検の依頼先の情報を表示するかどうか使用者に判断を求める選択情報である。この201の項を選択して更に詳しい情報を求める場合には、前記右方向指定選択キー194Cを1回押せば良い。この図66には示していないが、誘導加熱調理器2を販売した時点で、製造業者がNFC記憶部320に書き込んでおいた連絡先の所在地、電話番号等の文字情報が表示部180にて表示できる。
前記した「識別情報」は、誘導加熱調理器2に固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報であるから、前記NFC記憶部320に記録しておくことが望ましいが、前記制御装置32の記憶装置32Rに「識別情報」を記憶させておくことでも良い。あるいは双方に重複して記憶させておくことでも良い。例えば、工場の製造段階で識別情報が確定する製造年月や製品(シリアル)番号、保証書番号等は、記憶装置32Rに記憶させ、製品の販売時点で確定する販売日、販売業者名等の識別情報については販売店や設置業者が、NFC用入出力部401L、401Rを介して後から情報を書き込んでも良い。
前記した実施の形態1においては、誘導加熱調理器2等の家電機器EEに関する各種サービスを、通信回路網98A、98Bを介して利用者に提供可能な情報サーバー89Aがある。そのASPサーバー89Aのデータベース89Bには、使用者を特定する利用者特定用データベースや各種家電機器EEの制御動作を決定するアプリケーション・ソフトウェアを記憶保持しているアプリケーション用データベースが設けられているから、前記情報通信端末機器87からASPサーバー89Aにアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)すれば、前記誘導加熱調理器2は勿論、その他の家電機器EEを家屋の外部の遠隔地(外出先)から遠隔制御することができる。
また誘導加熱調理器2等のキッチン内家電機器KPや空気調和機7は、電力指令装置9の本体9Aにある第2の通信部124Cとの間で、無線信号によって電力削減指令等の通信を行っているので、前記誘導加熱調理器2からの異常監視データや識別情報は、当該無線通信を利用して電力指令装置9の本体9A側へ送信し、異常判定手段133に送られて異常有無の判定に利用される。
最終的には当該本体9Aの中にある記憶装置149の中にある異常記憶手段134に自動的に格納させることもできる。これによれば、誘導加熱調理器2からの異常監視データの容量が大きく、情報通信端末機器87を介した近距離無線通信(NFC)ではデータの移動に時間を要することが懸念される場合にも、迅速に異常監視データを誘導加熱調理器2から取り出すことができる。
記憶装置149の中の異常記憶手段134に保存した異常監視データと異常判定結果は、操作入力部117からの操作によって、表示盤100の表示画面100Aに表示させることができる。そのため、使用者は、手元に適当な情報通信端末機器87やその他情報通信端末機器がない場合でも、前記表示盤100を利用して異常の内容や推定原因、その他アドバイスを確認することができる。
図19で説明したように、電力指令装置9の本体9Aにある操作入力部117には、赤外線や無線通信で情報を取り出せる入出力部(第4の通信部)427があるので、使用者や専門の修理点検業者等が、前記操作入力部117の第4の通信部427を介して、パーソナル・コンピュータや各種の情報通信端末機器等で異常監視データと異常判定結果を示す情報を読み出すことができる。なお、この場合、誘導加熱調理器2の識別情報もセットで読み出すことができる。
誘導加熱調理器2から送信された識別情報も電力指令装置9の本体9A側へ送信された後、異常監視データと異常判定結果を示す情報とセットにして記憶装置149の異常記憶手段134に自動的に格納される。なお、セットにするために、少なくとも異常判定日時順(つまり時系列)に異常記憶手段134に格納される。このようにすることで、仮に数年前に誘導加熱調理器2を購入し、既に取扱説明書や保証書等の物的な書面、資料が手元に無い場合であっても、使用者はその誘導加熱調理器2に異常が発生した段階で、異常の内容や識別情報を(異常発生日時順に)確認し、販売店やメーカに修理や点検を依頼する場合でも、的確に誘導加熱調理器2に関する事実関係を伝達でき、早期に的確な対応をすることを可能にし、使用者だけではなく、販売店やメーカ側においても利便性が向上する。
誘導加熱調理器2等の家電機器EEの識別情報は、異常監視データとは異なり、常に変化するものではないので、1回だけ記憶装置149に記憶できれば良い。従って、異常発生の都度、必ずしも識別情報を取得する必要はないが、古い記録の中から探す労力を減らすためには、異常が発生した場合に識別情報を加熱調理器側から提供することが望ましい。
以上の説明では、異常検知する加熱調理器として誘導加熱調理器2の場合について具体的に説明したが、炊飯器やオーブンレンジ等の他の加熱調理器、家電機器においてもこの実施の形態1に示した構成を適用でき、適用によって同様な効果が得られる。
次に図68〜図70について説明する。
図68は、電力指令装置9と情報通信端末機器87と誘導加熱調理器2との、相互の信号伝達及び処理ステップを示す説明図、図69は、誘導加熱調理器2の異常監視データの送信・受信を含む動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、制御装置32の記憶装置32R、又はその他の記憶装置(図示せず)に格納されている。図70は、電力指令装置9側における誘導加熱調理器2の異常判定動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、制御部125の内部にある記憶装置に格納されている。
次に、誘導加熱調理器2が運転開始されているものと仮定して、図68を参照しながら誘導加熱調理器2と電力指令装置9及び情報通信端末機器87の動作について説明する。
電力指令装置9の制御部125は、常に誘導加熱調理器2から届いている最新の運転情報信号L1〜L7を確認し、あるいは誘導加熱調理器2側に照会の信号を送信し、これに答える形で誘導加熱調理器2から送信される運転情報信号を入手し、それを分析することで、誘導加熱調理器2の最新の運転状況と、その運転条件、例えば、実際に実行している誘導加熱の火力値(消費電力値)を把握する動作を実行している。
ある段階(図68の、M40)で、誘導加熱調理器2に異常が発生し、当該誘導加熱調理器2の自己制御機能によって、異常発生のデータ取得や異常判定、緊急停止等の処理がされた場合は、その誘導加熱調理器2は、異常発生を示す特定の信号を前記電力指令装置9に送信する(M41)。これにより電力指令装置9の制御部125は、第2の通信部124Cを介して受信した異常監視データを受けて、その異常監視データの内容を異常判定手段133に送る。
異常判定手段133は、入手した異常監視データを(異常記憶手段134に格納されている)所定のルールに従って分類し、異常判定基準データとの合致有無を判別し、データ整理して、異常発生時刻データ(これは誘導加熱調理器2から受信した時刻でも良い)とともに、異常記憶手段134に記憶させる(S101)(M41Aの時点)。
次に制御部125は、異常判定手段133の判定結果を第2の通信部124Cを介して誘導加熱調理器2の第1の通信部8Aに送信する(M41Bの時点)。
次に制御部125は、異常判定手段133が「異常発生した」と判定した場合には、メール発信機能を利用して家屋の内部又は外部に存在しているNFC機能付の情報通信端末機器87(ステップS100で、登録したもの)に所定の定型メールを送信する(M42)。
次に電力指令装置9からメールによって誘導加熱調理器2の異常発生を知った居住者(ステップS100で、登録した情報通信端末機器87を所持している居住者)が、家屋の内部やその付近(屋外の庭など)に居る場合は、当該居住者は、情報通信端末機器87によって異常発生の内容を確認できる。また当該情報通信端末機器87を保持していない他の居住者も、電力指令装置9の表示盤100によって異常監視データを読み出して表示させることで、異常の発生を確認できる。具体的には、事前に登録した情報通信端末機器87を所持している居住者が、情報通信端末機器87を誘導加熱調理器2の所定箇所(第9の通信部)401Lに接近させると、当該情報通信端末機器87と誘導加熱調理器2との間で、通信セッションが確立される。
このため、電力指令装置9は誘導加熱調理器2に対し異常監視データの読み出し指令を与える(S102)。これに応答して誘導加熱調理器2は、情報通信端末機器87からの識別情報を照合する(S103)。照合の結果、所定の登録された情報通信端末機器87であると判定すると、誘導加熱調理器2は、その情報通信端末機器87に対し、記録装置32Rに一時的に記憶されている異常監視データを読み出して、それを送信する(S104)。
次に情報通信端末機器87は、その受信した異常監視データを記憶部186(図21参照)の所定エリアに記憶させる(S105)。
次に図69に示したフローチャート図について説明する。
図29において説明した通り、主電源スイッチ11の操作ボタン11Aを使用者がタッチして、電源を入れる(ST101)。すると制御装置32に電源が印加され、制御装置32は、温度検出回路150から温度情報を得て、調理器の主要な部分が異常な高温度になっていないかどうかを自己チェックする(ST102)。また、2つの誘導加熱コイル2LC、2RCに高周波電流を供給するインバーター回路33L、33Rの一次側と二次側にそれぞれ設置した電流計又は電圧計によって、異常な電流が流れていないかどうかの自己チェックも行われる。ここまでは、図29で説明した動作と同じである。
このステップST102において、制御装置32は、電力指令装置9に対して運転情報信号L1を送信する。これを受けて電力指令装置9では誘導加熱調理器2に対して、当該信号の受信確認信号を送信するが、この返信がない場合は、通信機能障害と判定する。このような信号送信と確認信号受信という一連の処理で、第2の通信部124Cの機能チェックを行う。なお、第3の通信部124B及び第4の通信部124Aについてもこの初期段階で機能チェックをそれぞれ行う。
次に、第2の通信部124Cの機能チェックの結果、問題がないとの判定を制御装置32が行う(ST103)と、表示画面129等の表示部16、18L、18Rを起動する(ST104)。次は実際に加熱調理開始の指令があったかどうかの判断を行う(ST105)。調理開始指令があったと判定された場合、ステップST106に進み、加熱動作が開始される。
異常検知手段ESは、加熱動作中の異常発生有無を監視し(ST107)、所定の検知部分から入手している電圧や温度等の情報と、使用者が設定して実行している火力値(消費電力値)等の情報を所定時間間隔で記憶装置32Rへ順次記憶させる。もし異常発生と思われる特異なデータが検出された場合は、直ぐに次のステップST108で,加熱源への電力供給を緊急停止する。
使用者が設定して実行している火力値は、加熱調理期間中に一定値に維持される場合もあるが、(規則的又は不規則に)変化する場合もある。誘導加熱調理は手動調理と自動調理に大別されるが、自動調理の場合は、誘導加熱調理器2の制御装置32側において、加熱調理の進行に応じて、調理開始からの経過時間やその時の被加熱物(金属鍋等)の温度等に応じて火力値を自動的に変化させる場合が多いので、記憶装置32Rへ順次記憶される火力値(すなわち、加熱源の駆動条件の1つ)は、時間経過とともに変化する火力値を反映したものとなる。そのため、この記録装置32Rに記録するタイミングは、一定の時間間隔である場合と、火力値が変化したタイミングである場合の、何れでも良い。
制御装置32の「異常発生」という判定を受けて、当該制御装置は、その異常発生までに記憶装置32Rに順番に、時系列で逐次蓄積して来た異常監視データ(電圧や温度等の変化の経過情報)と、使用者が設定して実行している火力値(消費電力値)等の駆動条件の変化の経過を示す情報を、セットにして電力指令装置9の第2の通信部124Cに送信する(ST109)。
制御装置32は、記憶装置32Rにおいて時系列で逐次蓄積して来た異常監視データを分析し、異常の有無を判定する(ST110)。一方、異常監視データを電力指令装置9の異常判定手段133に送信した場合には、制御装置32は最終的な判定結果を出さず、電力指令装置9から異常有無の判定結果を受けるまで期間(以下、「異常判定待ち期間」という。通常は数秒間程度)は待機し、異常判定結果を受信する(ST115)。
制御装置32が自ら異常有無判定した場合は、ステップST111に進み、判定結果が「異常あり」であった場合は、次のステップST112に進む。また、ステップST110において、制御装置32が判定した結果が「異常なし」であった場合は、調理開始のスタンバイ状態のステップ(ST105)に戻る。
制御装置32が電力指令装置9の異常判定手段133からの判定結果を受信(ST115)した場合は、ステップST111に進み、判定結果が「異常あり」であった場合は、次のステップST112に進む。また、ステップST110において、制御装置32が判定した結果が「異常なし」であった場合は、調理開始のスタンバイ状態のステップ(ST105)に戻る。
さらに、制御装置32は、「異常あり」という判定結果であった場合は、ステップST111からステップST112に進み、表示画面129にて異常の発生を表示する。同時に、音声合成装置38にて、異常発生したことにより、加熱調理を緊急停止した旨を音声で伝える。
さらに、制御装置32は、図27に示した発光ダイオード素子(LED)323を点灯させ(連続点灯ではなく、点滅でも良い)、近距離通信(NFC)用入出力部401Lの位置を使用者が容易に視認できるように強調する。
そして前記したように、制御装置32は、異常監視データの読み出し許可をNFC制御回路321に与える(ST113)。その後、情報通信端末機器87が所定の近距離まで近づけられて通信状態が確立すれば、当該情報通信端末機器87の第6の通信部182と第9の通信部401との間の近距離通信によって、記憶装置32Rに蓄積されていた異常監視データは、情報通信端末機器87側へ読み出され、当該情報通信端末機器87の記憶部186に格納される。その後、主電源スイッチ11は、自動的にOFFにされる(ST114)。
このフローチャート図では、使用者が任意のタイミングで加熱調理動作を停止できるステップを記載していないが、当然ながら任意タイミングで加熱調理は停止できる。例えば図38に示した停止用の入力キー211Sを押せば良い。また「タイマー切り調理」というメニューを選択した場合には、設定した調理時間が経過すれば、自動的に加熱調理は終了する。その場合、調理を再開するためには、再び調理開始の操作が必要となる(加熱調理開始予告信号L4が電力指令装置9へ発信され、加熱調理開始許可信号KSを受ける必要がある)。
次に図70に示したフローチャート図について説明する。
図70において、誘導加熱調理器2から異常監視データの送信を受けると、当該異常監視データは、第2の通信部124Cから異常記憶手段134に送られる(ST201)。そしてその記憶手段に異常監視データを記憶させる(ステップ202)。以下、この図70では、ステップをSTと省略する。
異常判定手段133は、入手した異常監視データを異常判定基準データと合致するかどうか照合し(ST203)、合致するかどうかを判定する(ST204)。判定の結果、異常であるとの判定をした場合(ST205)、当該判定結果に対応する対処メッセージを異常記憶手段134のデータベースの中から抽出し、この対処メッセージと、前記判定結果をセットにして、第2の通信部124Cから誘導加熱調理器2へ送信する(ST206)。
一方、制御部125は、異常判定手段133の判定結果で「異常」となった場合、その判定結果と、前記対処メッセージを表示盤100の表示画面100Aに表示させる(ST206)。つまり、誘導加熱調理器2の表示手段129を直接見ていない誘導加熱調理器2の使用者ではない居住者であっても、表示画面100Aに表示される異常発生報知を見れば、誘導加熱調理器2の異常発生を知ることができる。なお、TV受像機75を起動するように制御部125から第5の通信部124Aを経由して、所定の信号を送信し、液晶画面75を利用して異常発生を報知するようにしても良い。
その後、制御部125は、異常監視データと、誘導加熱調理器2の駆動条件及び異常判定結果を示すデータをセットにして、さらに計時部140からの日時データも対応させた形にして、異常記憶手段134の所定の記憶エリアに格納動作させる(ST207)。
なお、ステップST204で、異常監視データと異常判定基準データとが合致するかどうか照合された結果、「異常ではない」と判定された場合(ST208)は、そのような判定結果が誘導加熱調理器2へ送信される(ST209)。
この実施の形態1における健康管理機器410によれば、統合管理装置9に送信した計測データで、健康管理の関連情報も統合管理装置9の表示盤100において表示させることができるので、1つの装置で電気エネルギー管理と健康管理を図ることができる。
またこの実施の形態1における電力制御システムでは、複数の家電機器EEの電力を個々に制御して家庭内の総電力量を制限する電力指令装置9と、その電力指令装置と有線又は無線通信で接続され、その動作内容を表示する表示盤100及びTV受像機75の液晶表示画面75Dとを備え、前記電力指令装置9には、健康管理機器410で測定された代謝データ(健康管理情報)を処理する健康管理処理部116を有し、前記表示盤100は、前記電力指令装置9の動作情報と、前記健康管理処理部116で処理した代謝データ(生体データ)と、を使用者の動作に応じて切り替えて表示させるものである。またTV受像機75の液晶表示画面75Dでも、健康管理機器410で測定された計測データ(健康管理情報)と電力指令装置9の動作情報とを、使用者の動作に応じて切り替えて表示させるものである
そのため、この実施の形態1の電力制御システムによれば、1つの電力指令装置9の情報伝達システムを利用して、健康管理の関連情報も表示させることができるので、省エネ意識の向上と健康管理意識の向上を図ることが期待できる。
実施の形態1における電力指令装置は、複数の家電機器EEに対する電力使用量を個々に制御して家庭内の総電力量を制限するため、前記家電機器から動作情報を受け取り、また当該家電機器に電力制御信号を発信する使用限度設定器96と、健康管理機器410からの人体の計測データを受け取る健康管理処理部116と、前記健康管理処理部と前記使用限度設定器とを制御する制御部125と、室内気温等の環境データを収集する環境検知部202と、電力使用情報と前記健康管理処理部116にて受け取った前記健康管理機器からの計測データの情報と、環境検知部202で取得した環境データと、をそれぞれ表示する表示盤100と、を備えている構成である。
この電力指令装置によれば、複数の家電電気機器のトータルの電力使用量を一元的に管理できるとともに、健康管理機器から血圧等の計測データの計測結果と居住空間の環境データも表示させることができるので、省エネ意識の向上と健康管理意識の向上を図り、快適な居住空間にすることが期待できる。
実施の形態1における電力制御装置は、複数の家電機器EEから動作情報を受け取り、当該家電機器EEの個々に電力制御信号を発信する使用限度設定器96と、健康管理機器410から人体の計測データを受け取る健康管理処理部116と、前記家電機器410の設置された居住空間の物理的環境を計測する環境センサーから計測された環境データを受け取る環境検知部202と、前記環境検知部、前記健康管理処理部116及び前記使用限度設定器96とをそれぞれ制御する制御部125と、前記電力の使用量情報、環境データ、人体の計測データの情報と、をそれぞれ表示する表示手段100と、を備えたものである。
この電力指令装置によれば、電気エネルギー管理と健康管理を実行することができる。また室内温度や湿度等の環境データも表示させて確認できるので、居住空間の環境をリアルタイムで確認でき、健康な生活空間を提供できる。さらに、健康管理機器410を使用する居住空間の状況を、その居住空間(部屋)に行かないでも、電力指令装置9の表示手段である表示盤100によって確認できるので、利便性が向上する。
また、誘導加熱調理器2や空気調和機7、空気清浄機141等のような室内空気に影響を与える可能性のある家電機器の使用環境を電力指令装置9の表示盤100で知ることができる。
またこの電力指令装置は、空気調和機能又は空気浄化機能の少なくとも何れか一方を備えた特定電気機器SP1と、他の電気機器(家電機器EE、特定家電機器SP2)とに対する電力使用量を個々に制御するため、特定家電機器SP1と他の家電機器から動作情報を受け取り、また当該特定電気機器SP1と、他の電気機器からなる家電機器群に電力制御信号を発信する使用限度設定器96と、健康管理機器410からの人体の計測データを受け取る健康管理処理部116と、居住空間の物理的環境を計測する環境センサーから環境データを受け取る環境検知部202と、前記環境検知部202、前記健康管理処理部116及び前記使用限度設定器96と、を制御する制御部125と、前記家電機器の電力使用量情報、前記環境データ及び前記計測データの情報と、をそれぞれ表示する表示手段としての表示盤100と、を備え、
前記表示盤100は、前記特定電気機器SP1と、他の電気機器に対する電力量の上限を設定するための前記制御部125の入力操作部としての機能を備えており、かつ前記特定家電機器SP1の設置空間(例えば寝室)とは別の居住空間(例えば、キッチン)にあり、かつその入力操作部の操作によって前記特定家電機器SP1の動作情報と環境データを遠隔で表示させることができるものである。
これによれば、1つの電力指令装置9の表示盤100で、健康管理の関連情報も表示させることができるので、省エネ意識の向上と健康管理意識の向上を図ることが期待できる。
また使用者が、室内温度や湿度、塵埃飛散等の環境データもその表示盤100で表示させて確認できるので、居住空間の環境をリアルタイムで確認でき、健康な生活空間を提供できる。
さらに、健康管理機器を使用する居住空間(例えば、居間や寝室)の状況を、その個々の居住空間(部屋)に行かないでも、電力指令装置9の表示盤100によって一元的に確認できるので、利便性が向上する。
さらにまた、特定の居住空間に行かなくても特定家電機器SP1(空気調和機7や空気清浄機)の運転開始やその条件の設定が遠隔で制御できるので、家族の1人がインフルエンザ等のような他の家族へ感染させる病気の罹患者になってしまった場合には、別の部屋(例えば、キッチン)から空気質(空気の温度、湿度や、清浄度等の総称)を改善し、より快適な空間になるよう遠隔調整し、その家族を見守ることができる。
また、前記複数の家電機器EEの内、1つは誘導加熱調理器2のような加熱調理器であり、当該加熱調理器の中央表示部16では、その主電源投入後、代謝データの中で要注意データ(例:高血圧値、尿酸値)の被測定者があることを表示させていたので、調理開始前に、要注意データのある家族のことを考慮して調理方法、味付け等を工夫した調理を促すことができ、健康増進に寄与できる。
また、電力指令装置9の表示盤100においても、家族の代謝データ(計測データ)を読み出して、要注意データ(例:高血圧値、尿酸値)と、その被測定者を特定できるので、家族の健康上の注意点(高血圧など)を確認でき、調理の仕方や味付け等において、例えば塩分濃度を低減する工夫を促すことができる。
なお、個々の健康計測機器410で測定された計測データ(健康管理情報)を、一旦は情報通信端末機器87に移し、そのデータを健康管理処理部116に移しても良い。また宅外で測定したデータを情報通信端末機器87で宅内に持ち込み、そのデータを健康管理処理部116に移しても良い。何れも、健康管理処理部116へのデータの持込みの変形例である。
実施の形態1で示した電力指令装置9は、家庭内にある第1の家電機器と第2の家電機器に対する電力使用量を個々に制御して家庭内の総電力量を制限するものである。そして具体的には、前記第1、第2の家電機器が設置された居住空間の物理的環境を計測する環境センサーから計測された環境情報を受け取る環境検知部202と、居住者からの帰宅予定時刻(帰宅予想時刻を含む)情報を受信するとともに、前記環境検知部からの情報と前記帰宅時間の情報を処理する制御部125と、電力使用情報と、前記環境検知部からの環境情報と、をそれぞれ表示する表示盤100と、を備え、
前記第1の家電機器(例えば、炊飯器3)は、居住者の直接操作によって動作終了時刻を入力することで動作の開始が予約できる機能を備え、
前記制御部125は、前記居住者から受信した通信情報に示された帰宅予定時刻が、前記動作終了時刻が予約された第1の家電機器(例えば、炊飯器3)の、当該動作終了時刻(終了予約時刻A)よりも早い場合、当該第1の家電機器の動作終了時刻を、前記帰宅予定時刻より所定の時間だけ早い時刻(終了予約時刻B)に変更する指令を前記制御部125で定めた条件を満たす場合に、前記第1の家電機器に対して出力するものである。
この実施の形態1によれば、電力情報に加えて環境関連情報も表示させることができるので、省エネ意識の向上と環境意識の向上を図ることが期待できる。
また室内温度や湿度、塵埃飛散等の環境データも表示させて確認できるので、居住空間の環境をリアルタイムで確認でき、健康な生活空間を提供できる。
さらに、居住空間の状況を、その居住空間(部屋)に行かないでも、電力指令装置9の表示盤100によって確認できるので、利便性が向上する。
さらにまた、また、動作終了時刻を入力することで予約設定した第1の家電機器(炊飯器3など)の動作終了時刻を、居住者からの帰宅予定時刻を示す通信情報によって変更し、居住者が帰宅する前に動作開始させ、終了させることができる。
また、そのような第1の家電機器の使用環境を電力指令装置9の表示盤100で知ることができる。
さらに制御部125で定めた条件を満たさない限り、第1の家電機器の動作終了時刻(終了予約時刻A)を、遠隔操作で変更して運転開始しないので、第1の家電機器(例えば、炊飯器3)の無駄な電気エネルギー消費となる運転を避け、第1の家電機器本来の機能を損なわず、あるいは他の家電機器や周囲の環境にも配慮した運転をすることができる。
また実施の形態1で示した電力指令装置9は、
家庭内にある第1の家電機器と第2の家電機器に対する電力使用量を個々に制御して家庭内の総電力量を制限する電力制御部121と、前記第1、第2の家電機器が設置された居住空間の物理的環境を計測する環境センサーから計測された環境情報を受け取る環境検知部202と、居住者からの帰宅予定時刻(帰宅予想時刻を含む)情報を受信するとともに、前記環境検知部からの情報と前記帰宅時間の情報とを処理する制御部125と、電力使用情報と、前記環境検知部からの環境情報と、をそれぞれ表示する表示盤100と、を備え、
前記第1の家電機器(例えば、炊飯器3)は、居住者の直接操作によって動作終了時刻を入力することで動作の開始が予約できる機能を備え、
前記制御部125は、前記居住者から受信した通信情報に示された帰宅予定時刻が、前記動作終了時刻が予約された第1の家電機器の、当該動作終了時刻(終了予約時刻A)よりも早い場合、当該第1の家電機器の動作終了時刻を、前記帰宅予定時刻より所定の時間だけ早い時刻(終了予約時刻B)に変更する指令を前記制御部125で定めた環境条件を満たす場合に、前記第1の家電機器に対して出力するものである。
この実施の形態によれば、居住者からの帰宅予定時刻に合わせて、第1の家電機器の動作終了時刻を変更できるので、使用者の利便性が向上する。
また実施の形態1で示した電力制御システムは、第1の上限容量を超えた場合に電路遮断動作をするブレーカーBKと、このブレーカーを介して電力が供給される第1の家電機器及び第2の家電機器と、前記第1の家電機器及び第2の家電機器の総電力使用量を制御する電力指令装置9と、電力に関する情報と前記環境情報を表示する表示手段(TV受像機75、表示盤100)と、を備え、
前記電力指令装置9には、前記第1、第2の家電機器が設置された居住空間の物理的環境を計測する環境センサーから環境情報を受け取る環境検知部202と、使用者によって電力上限値が、前記第1の上限容量よりも小さい第2の上限容量に設定する使用限度設定器96とを有し、
前記電力指令装置9には、家屋の外部から帰宅予定時刻の情報を通信回線経由で受け取る入出力124Bと、前記動作開始時刻になった場合に、第1の家電機器の動作開始を許可する制御部125と、を備え、
前記制御部125は、前記居住者から受信した通信情報に示された帰宅予定時刻と、前記動作開始時刻が予約された第1の家電機器の当該動作開始時刻とを比較し、その2つの時刻が所定以上離れている場合、前記第1の家電機器に関する前記環境情報に基づき前記制御部が定めた所定の環境条件を満たした場合に、前記第1の家電機器の前記動作開始時刻を前記帰宅予定時刻に合せる動作を実行するように指令するものである。
この実施の形態1によれば、電力情報に加えて環境関連情報も表示させることができるので、省エネ意識の向上と環境意識の向上を図ることが期待できる。つまり、例えば室内温度や湿度、塵埃飛散等の環境データも表示させて確認できるので、居住空間の環境をリアルタイムで確認でき、健康な生活空間を提供できる。
さらに、居住空間の状況を、その居住空間(部屋)に行かないでも、電力指令装置9の表示盤100やTV受像機75の液晶表示画面75Dによって確認できるので、利便性が向上する。
さらにまた、また、動作終了時刻を入力することで予約設定した第1の家電機器(炊飯器など)の動作終了時刻を、居住者からの帰宅予定時刻を示す通信情報によって変更し、居住者が帰宅する前に動作開始させ、終了させることができる。
また、そのような第1の家電機器の使用環境を電力指令装置の表示盤100やTV受像機75の液晶表示画面75Dで知ることができる。
さらに制御部125で定めた条件を満たさない限り、第1の家電機器の動作終了時刻(終了予約時刻A)又は動作開始時刻(開始予約時刻A)を、遠隔操作で変更しないので、第1の家電機器の無駄な電気エネルギー消費となる運転を避け、また第1の家電機器本来の機能を損なわず、あるいは他の家電機器や周囲の環境にも配慮した運転をすることができる。
(情報通信端末機器87とリモコン7Rによる制御の優先関係)
次に図71に示したフローチャート図について説明する。
図71は、電力指令装置9と、この装置により消費電力量が制限される空気調和機7と、情報通信端末機器87との3者間における各種指令情報の授受を示した時系列説明図である。なお、各装置間の通信の遅れはゼロであるという前提で説明する。またこの図において、L1、L2・・・L6は、図55で示した誘導加熱調理器2の場合と同様に「運転情報信号」である。但し、図55の場合と信号発生タイミングは異なっている。M50〜M64は、信号発生や動作の時点を示す符号である。
図71にに示したフローチャート図は、空気調和機7において、運転の開始後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作指令を受けた場合の動作を説明したものである。このフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、室外制御部339のマイクロコンピューター339Mの不揮発性メモリー(図示せず)に格納されている。
図71において、まず空気調和機7は主電源スイッチがONしている(M50の時点)。運転情報信号L1によって電力指令装置9はそれを把握している。
次にリモコン7Rが操作され、具体的に空調運転の条件が設定されると(M51。時刻:12時30分)、空気調和機7は自身を「リモコン優先モード」に設定する。
その直後、運転情報信号L2が出て、空調運転を開始する予告信号が出る。この場合、要求電力量(例えば、1300W)の情報も含めて送信される(M52)。なお、このM51時点で、リモコン7Rから出され、リモコン信号受信部343R(図28参照)において受信する信号が、「第1のリモコン信号」である。また運転情報信号L2を「リモコン起動報知信号」と呼ぶ。
電力指令装置9(比較器92)は、上記要求電力量(例えば、1300W)と他の家電機器(例えば誘導加熱調理器2)が使用している電力量とを含めた総電力量と、ブレーカーBKの第1の上限容量(例えば、8000W)とを比較し、問題なければ、運転許可信号KSを発信する(M53)。
空調運転(例えば、冷房)が開始される。そして電動圧縮機332が室外制御部339によって電源が印加されて駆動される。運転情報信号L3が電力指令装置9に送信される(M54)。
この後、居住空間HAの外部遠隔地等にいる居住者が、持参した情報通信端末機器87によって通信ネットワーク98を介して電力指令装置9に対し、空気調和機7の運転開始や空調運転の条件(例えば運転時間や、目標の冷房温度など)を遠隔操作で設定するために動作指令情報を送信する(M55の時点。例えば時刻は12時35分)。
この動作指令情報を受けて電力指令装置9は、空気調和機7の第1の通信部(使用電力制御手段)8Eに対し、第1の動作指令信号を送信する(M56。時刻は12時36分)。
空気調和機7は、前記「第1のリモコン信号」を受けてリモコン7Rの操作を検知し、「リモコン優先モード」に設定した時点(M51の時点と実質的に同じ)から、第1の時間(例えば、10分間)が経過するまでの間は、前記「リモコン優先モード」を維持する。つまり、入力モードを「リモコン優先モード」に固定する。このため、12時40分まで「リモコン優先モード」のままである。
空気調和機7は、「リモコン優先モード」の間に情報通信端末機器87側から遠隔操作用の動作指令情報を受けたものの、それに対応した動作を行わないことを送信者側へ報知するため、外部遠隔操作優先モードは、無効であるとの通知(運転情報信号L4)を電力指令装置9へ返信する(M57)。この返信情報の中には、「リモコン優先モード」が維持されるまでの時間や、「リモコン優先モード」が解除される実際の時刻情報を含めても良い。
電力指令装置9は、「外部遠隔操作優先モード」が無効であるとの通知を受けた場合、その通知を情報通信端末機器87側へ送信する(M58)。この送信情報の中には、「リモコン優先モード」が維持されるまでの時間や、そのモードの実際の解除時刻情報を含めても良い。
空気調和機7は、「リモコン優先モード」を、M51の時点から第1の時間(例えば、10分後)に自動的に解除する(M59:時刻12時40分)。これに伴って解除を示す運転情報信号L5が送信される(M60)。この「リモコン優先モード」の解除に伴ってこの空気調和機7の入力操作モードは「外部遠隔操作許容モード」に変更される。
この後、再び情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作用の動作指令情報を送信した場合(M60:時刻12時50分)、電力指令装置9は、空気調和機7の第1の通信部(使用電力制御手段)8Eに対し、第1の動作指令信号を送信する(M61。時刻は12時51分)。
空気調和機7は、前記第1の動作指令信号を受けて(M62)から、その第1の動作指令信号に応じた運転に制御内容を変更する(M63)。なお、この後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作用の動作指令情報を何度も送信できる。最後には、空気調和機7の運転停止も遠隔で指令できる。
空気調和機7は、電力指令装置9経由で情報通信端末機器87側からの遠隔操作用の動作指令情報を受信した場合には、仮に電力指令装置9によって消費電力量を増大させる場合であっても、改めて空気調和機7から要求電力量(例えば、1300Wを、1400Wへ増加させる)の情報を含めた運転情報信号を送信しなくとも良い。その電力量の問題は、電力指令装置9の比較器92等で処理されて問題ない場合に、前記第1の動作指令信号が送信されているというルールになっているので、改めて空気調和機7から動作変更(運転条件変更)の動作情報信号を送信しなくとも良いからである。
空気調和機7は、前記第1の動作指令信号を受けて(M62)、その第1の動作指令信号に応じた運転に制御内容を変更した後、運転情報信号L6を送信する(M64)。なお、運転情報信号L6では、最大使用電力が1400Wの上限値で運転していることを示す情報を含めても良いが、既に電力指令装置9では、その上限値の下で、運転条件変更のための第1の動作指令信号を送信(M62)しているので、上限値情報を含めなくとも良い。
次に図72に示したフローチャート図について説明する。
図72は、図71に示した動作ステップの続きを示すものであり、M65はM64(図71)の後の時点を示す。またM65〜M76は、図71の場合と同様に、信号発生や動作の時点を示す符号である。
「リモコン優先モード」が解除された後の段階で、リモコン7Rが操作されると、運転情報信号L7が電力指令装置9に送信される(M65)。この運転情報信号L7は、リモコン操作があったことを示す報知信号として電力指令装置9に認識されるため「リモコン操作報知信号」と呼ぶ場合がある。
なお、この時に、リモコン7Rから出され、リモコン信号受信部343R(図28参照)が受信する信号が、「第2のリモコン信号」である。
次にM66の時点では、空気調和機7は自身を「リモコン優先モード」に自動的に復帰(再設定)させる。この時点の時刻を13時15分とする。
そしてリモコン7Rで運転条件の変更が指令されると、その変更内容によっては消費電力量が増大する可能性があるので、制御装置347の中の室外制御部339のマイクロコンピューター339Mは、要求電力量の変更(例えば、1300Wを1500W)の情報も含めて運転条件変更の予告信号(運転情報信号の1つ)を送信する(M67)。
電力指令装置9(比較器92)は、上記要求電力量(例えば、1500W)と他の家電機器(例えば炊飯器3)が使用している電力量とを含めた総電力量と、ブレーカーBKの第1の上限容量(例えば、8000W)とを比較し、問題なければ、運転条件変更許可信号CSを発信する(M68)。
電力指令装置9は、動作指令情報を受けた経緯(M61)があることから、リモコン優先モードに設定されたことを通知し、情報通信端末機器87の保持者に注意喚起しても良い(M69)。
前記運転条件変更許可信号CSを受けて、空気調和機7の室外制御部339は、電動圧縮機332や室外ファン337、室内ファン341等を制御し、例えば冷房運転時の目標室内温度を下げるような運転条件に変更する(M70)。そして運転条件変更したことを運転情報信号L9によって電力指令装置9へ通知する(M71)。
空気調和機7は、「リモコン優先モード」を、M65の時点から第2の時間(例えば、20分後)に自動的に解除する(M72:時刻13時34分)。この「リモコン優先モード」の解除に伴ってこの空気調和機7の入力操作モードは「外部遠隔操作許容モード」に変更される。なお、ここでいう「第2の時間」は20分間であり、図71で示した「第1の時間」の例(10分間)とは異なっているが、同じにしても良い。この実施の形態1では「第2の時間」を「第1の時間」よりも長く設定したのは、この「リモコン優先モード」解除以降の段階では、リモコン7Rは冷房や暖房等の目標温度を変更する場合が多いため、その変更結果が室温等の環境データに現れるには、時間が必要であると考え、第1の時間の例であった「10分間」よりも長くした。空気調和機7の空調能力や対象とする居住空間HAの容積に応じて第2の時間は適宜調整して良い。
この後、再び情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作用の動作指令情報(第3回)を送信した場合(M73:時刻14時00分)、電力指令装置9は、空気調和機7の第1の通信部(使用電力制御手段)8Eに対し、第1の動作指令信号を送信する(M74。時刻は14時01分)。
空気調和機7は、前記第1の動作指令信号を受けて(M74)から、その第1の動作指令信号に応じた運転条件に制御内容(例えば、目標室内温度)を変更する(M75)。なお、この後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作用の動作指令情報を何度も送信できる。最後には、空気調和機7の運転停止も遠隔で指令できる。
空気調和機7は、電力指令装置9経由で情報通信端末機器87側からの遠隔操作用の動作指令情報を受信した場合には、仮に電力指令装置9によって消費電力量を増大させる場合であっても、空気調和機7から要求(上限)電力量(例えば、1500Wを、1600Wへ増加させる)の情報を含めた運転情報信号を送信しなくとも良い。電力指令装置9の比較器92等で判定されて電力不足にならない場合に、前記第1の動作指令信号が送信されているというルールになっているので、改めて空気調和機7から動作変更(運転条件変更)の動作情報信号を送信しなくとも良いからである。
空気調和機7は、電力指令装置9に対して運転情報信号L10を送信し(M76)、電力指令装置9は、情報通信端末機器87側へ動作指令情報に従って、空気調和機7の運転条件を変更した旨の応答信号を送信する(M77)。
(第1の発明の実施の形態1)
以上のように、この実施の形態1においては、環境改善機器SP1の代表例である空気調和機7は、特に図71で詳しく説明したように、
情報通信端末機器87からの(遠隔操作)動作指令情報を受ける無線通信部8Eと、
リモコン7Rから運転開始指令信号(第1のリモコン信号)を受けた場合、その運転開始指令に応じて処理空気の質を改善する電動圧縮機(電気駆動源)332の運転を開始し、それを制御する制御装置347(室内制御部343、室外制御部339のマイクロコンピューター339M等を含む)と、を備え、
前記制御装置347は、
(1)前記第1のリモコン信号を受信した場合、その信号を受信して「リモコン優先モード」に設定し、その時点から第1の所定時間が経過するまでの間は「リモコン優先モード」を維持し、
(2)前記第1の所定時間が経過した場合、前記リモコン優先モードを解除する構成である。
この第1の発明の実施の形態1の空気調和機7によれば、リモコン7Rで運転開始した場合、第1の所定時間TR1が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる運転開始条件が優先され、屋外又は屋内から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに、そのまま(空調運転の条件を変更されず)運転を継続することができる。このため在室者によるリモコン7Rによる制御条件のまま、少なくとも第1の時間TR1は運転を継続するため、空気調和機7(環境改善機器)の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。そしてリモコン優先モードは使用者の操作を不要とせずに自動的に解除され、外部遠隔操作許容モードに移行する。そのため、このリモコン優先モード解除後は、情報通信端末機器87からの動作指令情報を受信すれば、それに従って空気調和機7を遠隔制御することができる。
(第2の発明の実施の形態1)
さらに、この実施の形態1の空気調和機7は、特に図72で詳しく説明したように、
情報通信端末機器87からの(遠隔操作)動作指令情報を受ける無線通信部8Eと、
リモコン7Rによって運転開始指令信号(第1のリモコン信号)を受けた場合、その運転開始指令に応じて処理空気の質を改善する電動圧縮機(電気駆動源)332の運転を開始し、それを制御するとともに、リモコン7Rによって運転条件変更信号(第2のリモコン信号)を受けた場合、電動圧縮機(電気駆動源)332の電源供給を制御し又は遮断する室内制御部343(室内制御部343、室外制御部339のマイクロコンピューター339M等を含む)と、を備え、
前記制御装置347は、
(1)前記第1のリモコン信号を受信した場合、その信号を受信して「リモコン優先モード」に設定し、第1の所定時間TR1が経過するまでの間はリモコン優先モードを維持し、
(2)前記第1の所定時間TR1が経過した場合、前記リモコン優先モードを解除し、
(3)前記リモコン優先モードを解除後において、前記第2のリモコン信号を受信した場合、その信号を受信してから第2の所定時間TR2が経過するまでの間をリモコン優先モードに設定し、
(4)前記第2の所定時間TR2が経過した場合、前記リモコン優先モードを解除し、する構成である。
この第2の発明の実施の形態1の空気調和機7によれば、リモコン7Rで運転開始した場合、第1の所定時間が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる運転開始条件が優先されるから、屋外又は屋内から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに、そのまま(空調運転の条件を変更されず)運転を継続することができる。
その後、第1の所定時間が経過したあとは、情報通信端末機器87による遠隔操作に応じて運転条件が遠隔操作され得る状態になるが、再度在室者によるリモコン7Rの操作入力(第2のリモコン信号)があった場合には、その信号を受信してから第2の所定時間TR2が経過するまでの間は、再びリモコン優先モードに設定され、リモコンにて設定された制御条件のまま、運転を継続し、又は運転を停止するため、空気調和機7(環境改善機器)の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。そしてリモコン優先モードは使用者の操作を不要とせずに自動的に解除される。
(機器側リモコン優先モード)
次に図73について説明する。この図73は、空気調和機7の動作ステップを示すものである。つまり、リモコン7Rで運転開始した場合において、その後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作指令を受けた場合の動作を説明したものである。
図73において、主電源スイッチ(図示せず)がONになっている空気調和機7の状態(ステップSU100)から説明する。
最初に、リモコン7Rを操作して空調運転(除湿や暖房等を含む)の開始を指令する(SU101)。するとステップSU101は「Yes」となり、空調運転が開始される。例えば、冷房する場合には、電動圧縮機332が室外制御部339によって電源が印加されて駆動される(SU102)。
室内制御部343に対するリモコン7Rの入力により、室内制御部は、入力モードを「(機器側)リモコン優先モード」に設定する(SU103)。次のステップSU104では、第1の時間TR1の計測のための計測が開始される。
次のステップSU105では、情報通信端末機器87側から動作指令情報を受けた電力指令装置9から、遠隔操作指令(第1の動作指令信号)を受けかどうかの判定が行われ、当該指令信号を受信した場合には「Yes」となり、次のステップSU113に進む。そのステップSU113では、リモコン優先モードになっているため、現時点では遠隔操作指令は有効ではないということを示す情報を、電力指令装置9を介して情報通信端末機器87へ送信する動作を行うものである。
。そしてステップSU106では、計測した第1の所定時間TR1が、基準時間TX(例えば10分間)に到達したかどうかの判定を行う。基準時間になったと判定された場合には、次のステップSU107に進む。
次のステップSU107では、「(機器側)リモコン優先モード」が解除される。そして次のステップSU108では、電力指令装置9を介して再度遠隔操作指令(第1の動作指令信号)を受けていないかどうかの判定が行われる。
このステップSU108で、「Yes」の場合は、次のステップSU109に進み、再びリモコン7Rによる操作入力があったかどうかの判定が行われ、当該操作入力がなかった場合には、次のステップ(SU110)では、空気調和機7で事前に設定してあるタイマー時間が経過したかどうかの判定が行われる。なお、このステップSU110は、空気調和機7が長時間連続運転されと、電気エネルギーを無駄に浪費することに繋がるために設けたものであり、このタイマーの時間は、使用者が事前に設定することでも良く、またこのタイマーを省略しても良い。
次のステップSU111では、電動圧縮機332や室外ファン337のモーター337M等への通電が停止され、空気調和機7の運転は停止され、一連の動作を終了する(SU112)。
リモコン7Rによる操作入力があったかどうかの判定ステップ(SU109)で「No」判定になった場合は、再び「(機器側)リモコン優先モード」に設定するため、ステップSU103に戻る。このステップSU103に戻った後に、再び前記ステップSU105に進んだ場合、第1の所定時間TR1は、第2の所定時間TR2に変わり、ステップSU107では、第2の所定時間TR2が基準時間TY(例えば、20分間)を超えたかどうかの判定が行われる。
(本体側優先モード)
次に図74について説明する。この図74は、空気調和機7の動作ステップを示すものである。つまり、空気調和機7を操作部345で運転開始した場合において、その後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して遠隔操作指令を受けた場合の動作を説明したものである。
基本的には図73に示した動作と同じである。操作部345で運転開始すると、ステップSU201が「Yes」となり、運転開始のステップSU202へ進む。この図74のステップSU200は、図73のステップSU100に相当し、図74のステップSU201は、図73のステップ101に相当するというように、100番だけ多い符合を付けてあり、詳細な説明は省略する。
操作部345を操作して入力したことが検知された段階で「本体側優先モード」に設定される。この「本体側優先モード」は「リモコン優先モード」と同じく、情報通信端末機器87側からの遠隔操作入力よりも優先するので、この「本体側優先モード」の期間中は、情報通信端末機器87からの遠隔操作指令が、この空気調和機7側では有効にならない。つまり、操作部で入力した運転条件に従った空調運転が、少なくとも第1の所定時間TR1は保証される。
なお、ステップSU209からステップSU204に戻った後に、再び前記ステップSU205に進んだ場合、第1の所定時間TR1は、第2の所定時間TR2に変わり、ステップSU207では、第2の所定時間TR2が基準時間TY(例えば、20分間)を超えたかどうかの判定が行われる。
(留守モード)
次に図75について説明する。この図75は、空気調和機7の動作ステップを示すものである。つまり空気調和機7をリモコン7Rで運転開始した場合において、その後、情報通信端末機器87側から電力指令装置9を介して「留守モード」の操作指令を受けた場合の動作を説明したものである。
この実施の形態1の「留守モード」とは、居住者が事前に定めた(例外的な家電機器を除く)全ての家電機器の電源を、前記在宅検知部10で居住者の在室が検知されない場合に、一括して遮断するものであり、この遮断動作は、電力指令装置9により集中して短時間の内に行われるものである。居住者が外出する場合に選択できると便利であり、また留守の期間が長期化するため、居住者が遠隔地から情報通信端末機器87を使って電力指令装置9を遠隔操作すると便利な機能の1つである。
図75に示したフローチャート図の動作ステップでは、図73と同じ「リモコン優先モード」の解除のステップSU107と、遠隔操作指令の有無判定ステップSU108の間に、留守モード設定用の指令信号であるかどうかを判定するステップSU300を設けたことが特徴である。その他のステップは、図73と同じであるので、同一又は相当ステップには同じ符合を付けて詳しい説明は省略する。
ステップSU300で「No」判定になった場合、つまり情報通信端末機器87側から留守モードの設定用の動作指令情報を受けた場合には、図76に示す留守モードの動作を行う。
次に図76について説明する。
図76に示したフローチャート図は、留守モードを設定する場合の動作ステップを示したものである。ステップSU301は、電力指令装置9を留守モードに設定する開始ステップであり、次のステップSU302では、電力指令装置9は、環境検知部202から、各居住空間HAの気温等の環境データを取得する。
次のステップSU303では、在宅感知部10が人感知センサー207、208を利用して人の存在をチェックし、人の存在を検知した場合、次のステップSU307に進み、人の存在を検知した旨の情報を、情報通信端末機器87へ送信し、それでも留守モードに設定するかどうかの判断を、次のステップSU304で求める。
次のステップSU304では、情報通信端末機器87から留守モードに設定するとの情報が再度届いた場合には「Yes」となり、所定の家電機器EEの電源は一括して遮断される(SU305)。そしてこのような一括での電源遮断を行ったことが完了した場合、次のステップSU306でそのことを示す情報を、情報通信端末機器87へ送信し、終了する(SU309)。なお、前記再度確認するステップSU304で、「No」という判断の情報が届いた場合には、留守モードの設定は中止するステップSU308に進む。
(支援情報の取得)
図32において説明したように、誘導加熱調理器2には、外部に対して支援要請用の指令信号を発する支援キー(アイコン)429があり、この支援キー429にタッチすると、図31の表示画面129の情報が電力指令装置9を通じて、情報通信端末機器87に対して送信されると述べた。
そこで、次に図77について説明する。
図77は、支援情報の提供を要請し、取得するための誘導加熱調理器2の動作を示すフローチャート図である。図77において、ST101〜ST106は、図69におけるステップST101〜ST106と同じであるので、個々のステップの説明は省略する。
図77において、ステップST250は、支援キー429を操作したかどうかの判断ステップであり、操作があった場合には、次のステップST251へ進む。ステップST251では、誘導加熱調理器2の識別情報と、運転履歴情報(ステップST101〜ST106までの情報含む)とを含む「支援要請信号」を発信する。発信は使用電力制御手段(第1の通信部)8A経由で行われる。
電力指令装置9が情報サーバー89Aから支援情報を取得した場合は、誘導加熱調理器2へ送信するので、それを受信する(ステップST252)。表示部駆動回路35では取得した支援情報を、表示用メモリー35Aに一旦記憶させ、また中央表示部16の表示画面129で表示する。同時に音声合成装置38によりスピーカー39から音声情報を出す(ST253)。
使用者は、提供された支援情報の内容を見て、支援情報が不足していること等の理由で、更に支援情報の提供を求める場合には、所定の操作をすれば、元のステップST251に戻る。なお、表示画面129で支援情報を表示した時点から一定時間(例えば、支援情報の報知から20秒間)を経過した段階で、自動的に元のステップST251又はST250に戻ることでも良い。
仮に、ステップST254で「Yes」の場合には、その後、使用者が加熱調理の停止スイッチを操作し、又はタイマー調理のタイマー設定時間が経過した段階で、加熱調理は停止する(ST255)。そして主電源スイッチ11をOFFすれば(ST256)、一連の動作は終了する(ST257)。
なお、電力指令装置9では、情報サーバー89Aから支援情報を取得した場合、その情報を誘導加熱調理器2へ送信することに加え、あるいはそれに代えて、情報通信端末機器87へ送信するように自動設定しておいても良い。このようにすれば、その情報通信端末機器87を保持している居住者が、現在誘導加熱調理器2の使用者である場合、情報通信端末機器87を手元に置いて支援情報を確認しながら、調理に臨むことができ、利便性が向上する。
(実施の形態1の総括)
以上説明した通り、実施の形態1では、第1の発明と第2の発明を適用した家電機器の1つである空気調和機7を説明した。
すなわち、実施の形態1では、環境改善機器の1つである空気調和機7によれば、リモコン7Rで運転開始した場合、第1の所定時間TR1が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる運転開始条件が優先されるので、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに運転を継続することができる。このため在室者によるリモコン7Rによる制御条件のまま、少なくとも第1の所定時間TR1は運転をそのまま継続できるため、リモコンの操作入力と情報通信端末機器87による遠隔操作入力とが干渉したり、競合したりすることを回避し、空気調和機7の使用者に無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
またその後、リモコン7Rで運転条件を変更した場合、第2の所定時間TR2が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる運転条件の変更が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに運転を継続することができる。このため在室者によるリモコン7Rによる制御条件のまま、少なくとも第2の時間TR2は運転を継続するため、空気調和機7の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
(実施の形態1の他の特徴)
誘導加熱調理器2は、電力指令装置9から電力削減指令信号を受ける第1の通信部8Aと、情報通信端末機器87との近距離通信用の入出力部401とを有し、主たる機能を発揮させる電気エネルギーで動作する加熱源2LC、2RCと、それを制御する制御装置32とを備えたものにおいて、前記制御装置32は、前記加熱源の駆動条件に関する、時間軸で変化する情報と前記加熱源の駆動中における異常監視データとを受けて異常判定する異常判定手段133を備えた電力指令装置9に送信し、かつ記憶装置32Rに記憶させるものであり、当該電力指令装置9から異常有りの判定結果を示す情報を受信した場合、前記入出力部401と通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、前記加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データを送信可能にする構成である。
このため、この構成の誘導加熱調理器によれば、異常発生時に電力指令装置9の異常判定手段133によって異常有無が判定された結果を受信し、それを記憶装置32Rに記憶させるものであり、異常有りの判定結果を示す情報を受信した場合、前記入出力部401と通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、前記加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データとを送信可能にし、情報通信端末機器87側で異常発生の内容を読み込むことができるので、情報通信端末機器に移した情報を利用して的確な修理や点検を依頼できる。
さらに別の誘導加熱調理器2は、
電気エネルギーで動作する加熱源2LC、2RCと、
前記加熱源を駆動中にその異常有無を監視する異常検知手段ESと、
電力指令装置9から電力削減指令信号を受ける第1の通信部8Aと、
前記通信部を介して受信した前記電力削減指令信号に従って前記加熱源の通電量を抑制するとともに前記異常検知手段の検知出力を受けて異常発生かどうかを判定する制御装置32と、
前記加熱源の駆動条件を入力するための操作部26と、
前記操作部の入力結果及び前記異常発生判定結果を報知する報知手段(表示部129、音声合成装置28)と、
前記本体に内蔵された近距離通信用入出力部401と、
前記加熱源の駆動条件に関する(時間軸での変化を反映した)情報と異常検知手段の異常監視データが前記加熱源の駆動中に、時系列で記録される記憶装置32Rと、を備え、
前記制御装置32は、前記異常検知手段の異常検知出力を受けた場合、前記加熱源の駆動条件の情報と前記異常監視データを電力指令装置9に送信し、
さらに前記制御装置32は、前記異常検知手段の異常検知出力を受けて異常判定した場合又は前記電力指令装置から異常有無の判定結果を示す情報を受信した場合、前記加熱源の駆動を制限(駆動停止又は最小電力値での駆動に強制的に変更)し、
前記制御装置32は、前記異常検知手段の異常検知出力を受けて異常判定した場合、及び前記電力指令装置から異常有りの判定結果を示す情報を受信した場合の何れの場合でも、異常判定結果を前記報知手段で報知するとともに、近距離通信用入出力部401を介して所定の近距離無線通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、前記記憶装置32Rに記憶された加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データとを送信可能にすることを特徴とする構成である。
このため、この形態の誘導加熱調理器2によれば、誘導加熱調理器自身で異常判定した場合と前記電力指令装置から異常有りの判定結果を示す情報を受信した場合の何れの場合でも、異常判定結果を前記報知手段で報知するとともに、近距離通信用入出力部401を介して所定の近距離無線通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、前記記憶装置32Rに記憶された加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データとを送信可能にしているので、異常発生時の状況を使用者へ確実に報知でき、また情報通信端末機器87側で、前記加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データの内容を読み込むことができるので、情報通信端末機器に移した情報を利用して的確な修理や点検を依頼できる。
さらに別の電力指令装置9としては、
加熱源又は動力源と電力削減指令信号を受信する第1の通信部8A〜8Eとを、それぞれ有する複数の家電機器EEに対し、前記電力削減指令信号を発して家庭内の総電力量を制限する電力制御部121と、
前記家電機器EEから異常発生有無を判定するための異常監視データを受け取り、異常判定結果を示す情報を出力する異常判定手段133と、
前記判定処理部133の判定基準データと前記異常監視データ及び異常判定結果の情報を記憶させる異常記憶手段134と、
前記電力制御部121の動作状態を表示する表示手段100Aを備えた表示盤100と、
前記電力制御部、異常判定手段133及び前記表示盤100を制御する制御部125と、を備え、
前記制御部125は、異常判定手段133にて異常判定の処理を行った場合、当該判定結果を示す情報を、異常監視データを送信して来た特定の前記家電機器EEに対して送信させ、
前記制御部125は、前記異常記憶手段134へ記憶させた異常監視データと判定結果を示す情報とを、前記表示盤100の表示画面100Aに表示させるための入力操作部117を備え、
前記表示盤100には、情報通信端末機器87用の近距離通信用入出力部427を備えた構成である。
このため、この形態の電力指令装置9によれば、誘導加熱調理器2等の家電機器から送信された異常監視データに基づいて異常判定した結果の情報を、家電機器側へ送信して、その異常監視データと判定結果を示す情報とを、表示盤100の表示画面100Aに表示させることができるから、この表示画面にてこの家庭の居住者や修理保守業者等が、異常判定結果を確認できる。さらに表示盤に設けた近距離通信用入出力部427を介して居住者が所持する情報通信端末機器87側で、加熱源等の駆動条件と異常監視データの内容を読み込ませることができるので、情報通信端末機器に移した情報を利用して的確な修理や点検を依頼することができる。
また実施の形態1の電力制御システムは、
無線通信用の第1の通信部8Aと、近距離通信用入出力部401と、電気エネルギーで動作する加熱源又は動力源と、を備えた家電機器EEと、
前記家電機器の第1の通信部8Aに電力削減指令信号を伝達し家庭内の総電力量を制限する電力指令装置9と、
前記近距離通信用入出力部401と通信可能な通信部182Bを有する情報通信端末機器87と、を備え、
前記家電機器EEには、加熱源又は動力源を制御する制御装置32と、異常を検知する異常検知手段ESとを有し、
前記制御装置32は、加熱源又は動力源の駆動条件と運転中における異常検知手段ESからの監視データとを記憶装置32Rに記憶させ、
前記電力指令装置9は、前記家電機器からの受信した前記駆動条件と監視データとに基づいて家電機器EEの異常を判定する機能を有し、
前記家電機器EEは、前記電力指令装置から異常ありとの判定結果を受けた場合、前記加熱源又は動力源の駆動を制限(駆動停止又は最小電力値での駆動に強制的に変更)し、かつ、近距離通信用入出力部401を介して所定の近距離無線通信状態が確立した前記情報通信端末機器87に対し、前記記憶装置32Rに記憶された前記駆動条件の情報と異常監視データとを送信可能にする構成である。
このため、この形態の電力制御システムによれば、誘導加熱調理器等の家電機器の異常監視データに基づいて電力指令装置が異常判定した場合には、その家電機器側の加熱源又は動力源の駆動を制限し、また所定の近距離無線通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、記憶装置32Rに記憶された加熱源の駆動条件の情報と異常監視データとを送信可能にしているので、異常発生時は、加熱源又は動力源の駆動を制限して安全性確保を優先させ、また情報通信端末機器87側で、前記加熱源の駆動条件と異常検知手段の異常監視データの内容を読み込むことができるので、情報通信端末機器に移した情報を利用して的確な修理や点検を依頼できる。
前記した実施の形態1では、ブレーカーBKは1つの家庭に1つ設置していた例を示したが、家屋全体の総電力を制御する主ブレーカーと、複数個の副ブレーカーとを備え、例えば第1の副ブレーカーは、空気調和機を、第2の副ブレーカーは洗濯乾燥機を、第3の副ブレーカーは台所の調理用電熱機器(炊飯器等)を、それぞれ制御するようにしたものでも良い。これによれば、主ブレーカーBKは複数個の副ブレーカーの電源を一元的に遮断することになる。このように電力供給系統を複数に分岐したものであっても本発明の実施には何ら支障はない。またその場合、分岐系統毎にその系統に流れる電流を検知し、副ブレーカーの定格容量を超えないように、前記電力指令装置9が監視するようにしても良い。
また実施の形態1においては、地震発生時の揺れを検知する感振機器241は、ビルトイン型の誘導加熱調理器2の内部に設置していた。この理由は、ビルトイン型の誘導加熱調理器2は、流し台等の厨房家具の内部に水平状態で固定されていること、また家族の走行時の床の振動等の影響を受けにくいことから、正確に地震の振動を検知できるからである。しかしながら、感振機器241を、ビルトイン型の誘導加熱調理器2の内部に設置することに代えて、キッチンの壁面に固定状態で設置される電力指令装置9の本体9Aの内部に設けても良い。あるいは、2階建ての家屋である場合、2階の部屋にある家具等と、1階のキッチン内にある誘導加熱調理器2の2箇所にそれぞれ設置しても良い。
また実施の形態1の説明においては、入/切ボタン81cのような押す操作で入力されるスイッチ(入力手段)や、第1の選択部128Aのように、静電容量が変化する接触式の入力キー、あるいは特別アイコン412,417のように、表示画面に現れる選択用のマークや枠、矢印等をリモコン75Rの操作によって選択(指定)することで入力する方式等、色々な入力手段があったが、これらを適宜組み合わせても良く、また他の方式の入力手段、例えば使用者が発する音声を家電機器側で解析し、指令内容を自動的に認識して有効な入力となる音声入力方式を採用しても良い。
また実施の形態1の説明において、電力指令装置9には使用限度設定器96を有していたが、この使用限度設定器96は電力指令装置9の本体9A内部に独立した構造物として設置されている構成に限定されない。例えば、使用限度設定器96の基本的動作を実行するソフトウェアは、他の部分のソフトウェアと同じ回路実装基板の上に取付けた半導体記憶装置の中に組み込むことでも良い。また前記記憶装置149の一部は、居住空間の外部の遠隔地に設置された情報サーバーにて構成し、その情報サーバーと電力指令装置9が通信回路網を経由して情報を授受するようなシステムで構成しても良い。例えば実施の形態3で説明した伝言内容の保存をそのような外部の情報サーバーに記録させる構成でも良い。
さらに、TV受像機75の液晶表示画面75Dにおける、電気エネルギー管理の基本的な画面構成と、電力指令装置9の表示盤100における電気エネルギー管理情報や健康管理情報等を表示の基本的な画面構成を同じデザインにしても良い。このようにすれば、アイコンとタッチ式入力ー(スイッチ)等との相違が仮にあっても、使用者が情報を見たり、画面操作したり、入力指令操作をする場合、途惑うことが少なくなる。つまり1つの見慣れた画面、使い慣れた画面となるからである。
なお、実施の形態1で説明したように、情報通信端末機器87の通信確立部191は、情報通信端末機器87と誘導加熱調理器2の間にNFC通信セッションが確立されることを監視しているので、誘導加熱調理器2が主電源を切られ、あるいは加熱調理が終了又は一時停止している期間中でも、使用者が情報通信端末機器87を、誘導加熱調理器2のNFC用入出力部401Lに接近させれば、NFC通信セッションを何時でも確立することができる。つまり、誘導加熱調理器2を使う前に、誘導加熱調理器を特定する識別情報や前回の異常時にデータを読み出し、表示させることができる。これを実現するためには、誘導加熱調理器2が異常発生で緊急して場合でも、使用者が平常的な使用を終えて停止した場合でも、前記記憶部32Rに記録した異常監視情報は、特に操作しない限り、所定回数又は所定日数分だけ誘導加熱調理器2側に保存されていることが望ましい。
異常監視データについては、少なくとも前回使用分又は前日使用分を、自動的(例えば、異常発生時に)記憶装置32RからNFC記憶部320にデータを移しておくという方法もある。このようにすると、誘導加熱源に通電を供給する前の段階から、近距離無線通信部401と所定の近距離無線通信状態が確立した情報通信端末機器87に対し、識別情報や異常監視データを提供することができ、利便性が更に向上する。
また、実施の形態1では、電力指令装置9から発せられる「電力削減要請信号」AS2とは、速やかに電力を下げて欲しいと電力指令装置9が促す信号であり、この信号から所定時間以内に総電力量が下がらない場合には強制的に電力を下げるため「電力削減指令信号」AS3を発していると説明したが、これら2つの信号が異なるものでなくとも良い。言い換えると信号自体は同じでも電力量が制限される側の家電機器EEにとって、電力削減であるか、又は電力削減指令であるかどうかの判別ができれば良い。従って、例えば電力削減要請信号AS2を家電機器EEが受けたあと、所定時間内に再び電力削減要請信号AS3を受けた場合は、後の信号で家電機器は電力削減動作が強制されたものと判定して動作するようにしても良い。また電力指令装置9と家電機器EEとの間の信号の授受をより確実にし、確実な動作指令や報知を行うため、例えば電力削減要請信号AS2と電力削減指令信号AS3は、それぞれ数秒〜1秒以下の短時間内に複数回送信し、受信側では、1秒以内に複数回受信した場合でも、1つの信号であると判定するという内部処理にしておいても良い。このようにすれば、瞬間的に通信状態が悪化しても、確実な制御動作を期待できる。
また、実施の形態1では、電力指令装置9によって消費電力が制限される誘導加熱調理器2側から、主電源投入、加熱調理開始などの動作変動がある度に、図51で説明したような運転情報信号L1〜L7が送信され、これを受けて電力指令装置9では誘導加熱調理器2の電源投入や調理メニューの選択、調理工程の進捗等を把握していたが、これに加え、電力指令装置9側から一定の時間間隔で運転状況を問い合わせるような信号を発しても良い。たとえば、電力指令装置9側から、使用電力制御手段8Aに対して、要求電力、調理状況等の情報を求める指令を数秒〜30秒間隔で出すようにしても良い。
この実施の形態1においては、外出先等から情報通信端末機器87によって家電機器EEに対する直接的な遠隔操作はできないようにしてあるが、家屋の内部では、TV受像機75以外の他の家電機器EEの操作をできる。そのため、各家電機器EEの入出力部に情報通信端末機器87を接近させ(接触させても良い)、近距離無線通信(NFC)で情報、指令信号の授受をさせることができる。
また、実施の形態1では、電力指令装置9から各種指令信号を受ける誘導加熱調理器2の使用電力制御手段8Aは、図26で説明したように、主電源スイッチ11に繋がる電源回路31とは別の専用電源(内蔵電池)BT2から電源が供給されていた。このため、誘導加熱調理器2の主電源スイッチ11が切られた以降、制御装置32との間で信号授受を行え、これによって異常発生時は勿論、異常発生によって加熱動作を緊急停止し、主電源スイッチ11が切られた以降も、電力指令装置9からの要求に応じて、誘導加熱調理器2が運転されているかどうかを示す何らかの運転情報信号を発することが可能であった。しかし、前記のような専用電源BT2を設けず、主電源スイッチ11の開放によって、使用電力制御手段8Aの電源も同時に遮断されるような構成にしても良い。
上記のように構成すると、電力指令装置9から運転状況を問い合わせるような信号を電力制御手段8Aに対して発した場合、電力制御手段8A側では何も応答信号を出すことができない。そこで電力指令装置9は誘導加熱調理器2が停止しているものという判断を行う。つまりこのように応答信号がない事実を根拠にして、電力指令装置9は誘導加熱調理器2の停止状態を離れた場所から検知するようにしても良い。
また、実施の形態1では、情報通信端末機器87からの遠隔操作情報(動作指令情報)に対応して電力指令装置9からの第1の動作指令信号を受ける電気機器EEが、空気調和機7であったが、他の環境改善機器SP1である空気清浄機141でも良く、またこれら以外の環境改善機器SP1、例えば移動式(可搬性)の除湿機や天井や壁等に固定式の除湿機、空気清浄機等でも良い。またTV受像機75に応用しても良い。TV受像機75に応用した場合、屋内にいる居住者(在室者)がTV受像機75をリモコン75Rで操作し、録画の予約設定を行った直後に、情報通信端末機器87からの遠隔操作情報(動作指令情報)に基づいて電力指令装置9からTV受像機75への第1の動作指令信号が出されたようなケースでも、屋内からのリモコン操作と屋外の情報通信端末機器87から遠隔操作の内容が干渉することを防止でき、在室者(TV受像機75の使用者)の無用な混乱を回避できる。
実施の形態2
図78〜図79は、本発明の実施の形態2に係る運転管理システムを示すものであり、第3の発明、第5の発明を実施している。実施の形態1のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
(第3の発明〜第7の発明)
実施の形態2は、第3の発明〜第7の発明の発明を実施した例を示すものである。
図78は、電力指令装置9と空気調和機7と、情報通信端末機器87との3者間における各種指令情報の授受を示した時系列説明図である。なお、各装置間の通信の遅れはゼロであるという前提で説明する。N1〜N15は、信号発生や動作の時点を示す符号である。
また空気調和機7には、図71で説明したような「リモコン起動信号」や、図72で説明した「リモコン操作信号」を発信する機能があるが、入力モードを「リモコン優先モード」に設定したり、それを自動的に解除したりする機能がない場合を想定して以下説明する。
図78に示したフローチャート図に示す基本動作プログラム(情報処理プログラム)は、室外制御部339のマイクロコンピューター339Mの不揮発性メモリー(図示せず)に格納されている。
図78において、まず空気調和機7は主電源スイッチがONしている(N1の時点)。運転情報信号L1によって電力指令装置9はそれを把握している。
次にN2の時点では、空気調和機7のリモコン7Rが操作されると、運転情報信号L2が出る(N3)。N3の時点は空気調和機7のリモコン7Rから「第1のリモコン信号」が発信された時点とは瞬時の違いであるので、「第1のリモコン信号」が発信された時点とN3のタイミングを実質的に同一と見做しても良い。
電力指令装置9の制御部125は、リモコン7Rが操作されたことを示す運転情報信号(リモコン操作報知信号、リモコン起動報知信号)L2を受けて、「(管理側)リモコン優先モード」に設定する(N4。例えば時刻は12時36分)。
電力指令装置9の制御部125は、信号L2を受けて(N3の時点)から、又は「(管理側)リモコン優先モード」設定の時点(N4)を起点として、それから第1の時間(例えば、10分間)TM1が経過する(N9時点)までの間は、前記「(管理側)リモコン優先モード」を維持する。つまり、情報通信端末機器87からの入力(受信)モードを「(管理側)リモコン優先モード」に固定する。このため、12時46分まで「(管理側)リモコン優先モード」のままである。なお、N3とN4の時間差は(瞬時で)殆どなく、第1の時間TM1に比較して無視できる程度なので、前記(管理側)リモコン優先モードを維持する第1の時間TM1の起算点は、N3又はN4の何れでも実質的な差異は生じない。
次にN5の時点では、空気調和機7から動作を開始する予告信号が出る。この場合、要求電力量(例えば、1300W)の情報も含めて送信される。
電力指令装置9では、上記要求電力(例えば、1300W)と他の家電機器EEで見込まれる消費電力量とを要求電力加算器91が加算する。
次に電力指令装置9の比較器92が、要求電力加算器91が把握した合計電力(例えば、6000W)と、ブレーカーBKの第1の上限容量(例えば、8000W)とを比較し、空気調和機7の運転開始に問題なければ、運転許可信号KSを発信する(N6)。
空調運転(例えば、冷房)が開始される。そして電動圧縮機332や室外ファン337のモーター337M、室内ファン341のモーター341M等が、室外制御部339や室内制御部343によって電源が印加されて駆動される(N7)。運転開始したことを示す運転情報信号L4が電力指令装置9に送信される(N8)。
電力指令装置9は、「(管理側)リモコン優先モード」を、M4の時点から第1の時間TM1(例えば、10分後)に自動的に解除する(N9。時刻:12時46分)。
この後、居住空間HAの外部遠隔地等にいる居住者が、持参した情報通信端末機器87によって通信ネットワーク98を介して電力指令装置9に対し、空気調和機7の運転開始や空調運転の条件(例えば運転時間や、目標の冷房温度など)を遠隔操作で設定するために動作指令情報を送信する(N10の時点。例えば時刻は12時55分)。
この動作指令情報を受けて電力指令装置9は、空気調和機7の第1の通信部(使用電力制御手段)8Eに対し、第1の動作指令信号を送信する(N11。時刻は12時56分)。
なお、第1の動作指令信号を受信した時点が、N9よりも前であった場合には、前記「(管理側)リモコン優先モード」が維持されるので、情報通信端末機器87側から遠隔操作用の動作指令情報を受けたものの、それに対応した動作を行わないことを送信者側へ報知するため、「現時点では外部遠隔操作には対応できず、入力指令操作は、無効である」との通知を情報通信端末機器87側へ送信する。この送信情報の中には、「(管理側)リモコン優先モード」が維持されるまでの時間や、その優先モードが解除される実際の時刻情報を含めても良い。
空気調和機7は、第1の動作指令信号を受けて(N11)から、その第1の動作指令信号に応じた運転に制御内容を変更する(N13)。そして変更した運転条件を示す運転情報信号L6を送信する(N14)。
電力指令装置9は、情報通信端末機器87に対し、遠隔操作に応じた運転条件に変更した旨の操作応答情報を送信する(N15)。
ところで、この実施の形態2の電力指令装置9では、実施の形態1と同様に、居住空間HAの気温や湿度等の環境データを収集する環境検知部202がある。そこで、環境検知部202は、気温29℃で、湿度70%になった時点で「第1次警報」レベルの信号を前記制御部125に送り、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で「第2次警報」レベルの信号を制御部125に対して送る。制御部125は、これら警報レベルの信号に応じて「第1次警報」や「第2次警報」を出すための処理を行う機能がある。
そこで、電力指令装置9が動作指令情報を受信した時点で、前記環境検知部202に対して制御部125が最新の環境情報の提供を要求し、その時点の最新の環境情報(実際の気温等の環境データも良い)を情報通信端末機器87に対し送信する(N12時点)。これを受けて情報通信端末機器87側から更に別の動作指令情報が電力指令装置9へ送信される場合もある。なお、前記「第1次警報」や「第2次警報」は、前記動作指令情報の受信を待たず、制御部125がその判定処理時点で直ちに送信して良い。また
前記最新の環境情報の送信は、第1の動作指令信号を受けて、制御内容を変更する時点(N13)の前に行って良いし、また第1の動作指令信号を送る時点(N11)の前でも良い。
次に図79について説明する。
図79は、図78に示す動作ステップの続きを示すものであり、電力指令装置9と空気調和機7と、情報通信端末機器87との3者間における各種指令情報の授受を示した時系列説明図である。なお、この図79でも、各装置間の通信の遅れはゼロであるという前提で説明する。N16〜N25は、信号発生や動作の時点を示す符号である。N16は、図78のN15の後の時点である。
図79のN16の時点で、空気調和機7のリモコン7Rが操作されると、リモコン操作報知信号L7が電力指令装置9に送られる(N17)。このため電力指令装置9の制御部125は、「(機器側)リモコン優先モード」に設定する(N18。時刻は例えば13時45分)。そして電力指令装置9の制御部125は、「(機器側)リモコン優先モード」設定の時点(N18)を起点として、それから第2の時間TM2(例えば、20分間)が経過する(N19時点)までの間は、前記「(機器側)リモコン優先モード」を維持する。つまり、情報通信端末機器87からの入力(受信)モードを「(機器側)リモコン優先モード」に固定する。このため、14時05分まで「(管理側)リモコン優先モード」のままである。
この後、「(機器側)リモコン優先モード」を解除する(N19。時刻は14時05分)。その後、情報通信端末機器87によって通信ネットワーク98経由で動作指令情報を受信し(N20)、電力指令装置9からは、空気調和機7の第1の動作指令信号が届く(N21の時点。例えば時刻は14時31分)。
この動作指令信号を受けて空気調和機7は、第1の動作指令信号に対応した運転条件に切り替える(N23)。
電力指令装置9が動作指令情報を受信した時点で、前記環境検知部202に対して制御部125が最新の環境情報の提供を要求し、その時点の最新の環境情報(実際の気温等の環境データも良い)を情報通信端末機器87に対し送信する(N22)。
空気調和機7は、第1の動作指令信号に対応した運転条件に切り替えたことを、電力指令装置9に対して運転情報信号L6で送信する。この信号を受けて電力指令装置9は、情報通信端末機器87に対し遠隔操作の指令情報に応答した運転を行っている旨の情報を送信する(N25)。
(実施の形態2の総括)
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、以下の構成で第3の発明を実施している。
すなわち、この実施の形態2の家電機器の運転管理装置は、図78で特に詳しく説明した通り、
情報通信端末機器87からの空気調和機7に対する動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を当該空気調和機7の無線通信部へ送信する送信部124Cと、
前記空気調和機7が、リモコン7Rによって運転開始された場合、その操作に対応して空気調和機7から出される運転情報信号(リモコン起動報知信号)L2を受け取り、また当該空気調和機7に電力削減指令信号AS2又は停止指令等の運転制御信号を送る制御装置125と、を備え、
前記制御装置125は、
(1)前記空気調和機7からのリモコン操作報知信号L7を受信した場合、リモコン優先モードに設定し、
(2)前記リモコン優先モード設定後、第1の所定時間TM1が経過するまでの間は、前記情報通信端末機器87から前記空気調和機7に対する動作指令情報を受けても、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7に対して送信しないことを特徴としている。
この第3の発明の家電機器の運転管理装置によれば、屋内にある空気調和機7について、リモコン7Rで運転開始操作した場合、第1の所定時間TM1が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる条件設定が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに空気調和機7の運転を継続するように制御できる。このため在室者によるリモコン7Rによる制御条件のまま、第1の所定時間TM1は運転を継続できるため、家電機器の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、以下の構成で第4の発明を実施している。
すなわち、この実施の形態2の第4の発明になる家電機器の運転管理装置は、図79で特に詳しく説明した通り、
情報通信端末機器87からの空気調和機7に対する動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7の無線通信部へ送信する送信部124Cと、
前記空気調和機7が、リモコン7Rによって運転条件を変更する操作をされた場合、その操作に対応して空気調和機7から出される運転情報信号(リモコン操作報知信号)L7を受け取り、また当該空気調和機7に電力削減指令信号AS2又は停止指令等の運転制御信号を送る制御装置125と、を備え、
前記制御装置125は、
(1)前記空気調和機7からのリモコン操作を示す「リモコン操作報知信号」L7を受信した場合、リモコン優先モードを設定し、
(2)前記リモコン優先モード設定後、第2の所定時間TM2が経過するまでの間は、前記情報通信端末機器87から前記空気調和機7に対する動作指令情報を受けても、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7に対して送信しないことを特徴としている。
この第4の発明の家電機器の運転管理装置9によれば、屋内にある空気調和機7について、リモコン7Rで運転条件の変更を操作した場合、第2の所定時間TR2が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる条件設定が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに空気調和機7の運転を継続するように制御できる。このため宅内のリモコン7Rによる制御条件のまま、第2の所定時間TR2は運転を継続できるから、空気調和機7の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる
以上の説明から明らかなように、この実施の形態2では、以下の構成で第5の発明を実施している。
すなわち、この実施の形態2の第5の発明になる家電機器の統合管理装置9は、図78と図79で特に詳しく説明した通り、
情報通信端末機器87から空気調和機7に対する動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7の無線通信部へ送信する送信部124Cと、
前記空気調和機7の設置空間の環境データを取得する環境検知部202と、
前記空気調和機7が、リモコン7Rによって運転開始又は運転条件変更の操作された場合、その操作に対応して家電機器から出される運転情報信号L2、L7を受け取り、また当該家電機器に電力削減指令信号AS2又は停止指令等の運転制御信号を送る制御装置125と、を備え、
前記制御装置125は、
(1)前記空気調和機7からのリモコン操作を示すリモコン報知信号L2、リモコン操作報知信号を受信した場合、リモコン優先モードを設定し、
(2)前記リモコン優先モード設定後、第1の所定時間TM1又は第2の所定時間TM2が経過するまでの期間中、前記情報通信端末機器87から前記空気調和機7に対する動作指令情報を受けた場合は、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7に対して送信せず、前記環境検知部から環境情報を取得し、当該環境情報を情報通信端末機器87に送信することを特徴としている。
この第5の発明の家電機器の運転管理装置によれば、屋内にある空気調和機7を、リモコンで運転開始等の操作した場合、第1の所定時間TM1、第2の所定時間TM2が経過するまでの間は、そのリモコンによる条件設定が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに運転を継続することができる。このため在室者によるリモコンによる制御条件のまま、第1の所定時間TM1は運転を継続する。またリモコン優先モードの解除後に、再びリモコンを操作するとリモコン優先モードに復帰し、第2の所定時間TM2はそのモードが維持されるため、空気調和機7の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
また情報通信端末機器87から空気調和機7に対する動作指令情報を受けた場合、環境情報を情報通信端末機器87に送信するので、屋外の遠隔地に居ても情報通信端末機器87によって環境状態の適否を知ることができる。
第6の発明になる家電機器の運転管理システムは、
無線通信部を備えた複数の家電機器EEと、
通信ネットワーク98を介して前記家電機器の中の特定の家電機器(空気調和機7)に対する動作指令を出す情報通信端末機器87と、
前記通信ネットワーク98に接続され、前記情報通信端末機器87から出される前記動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7の無線通信部へ送信する運転管理装置9と、を備え、
前記家電機器の少なくとも1つの空気調和機7には、当該空気調和機7に対して前記運転管理装置9と前記通信ネットワーク98を介することなく直接リモコン信号を出すリモコン7Rを有し、
前記運転管理装置9は、前記リモコン信号に従って前記空気調和機7が自動運転中である場合において、
(1)前記情報通信端末機器87から当該空気調和機7に対する前記第1の動作指令信号を出す指令情報を受信した場合、当該指令情報に応じた運転をしないことを示した情報を、前記情報通信端末機器87へ送信する管理側リモコン優先モードと、
(2)前記情報通信端末機器から当該空気調和機7に対する前記第1の動作指令信号を出す指令情報を受信した場合、当該指令情報に応じた運転をすることを示した情報を、前記情報通信端末機器87へ送信し、当該空気調和機7に第1の動作指令信号を発する管理側外部遠隔操作許容モードと、を備え、
前記リモコン7Rによって運転開始又は運転条件変更の操作がされた時点、あるいは前記リモコン優先モードに設定された時点から所定時間(TM1、TM2)が経過するまでの間は、前記管理側リモコン優先モードに固定することを特徴とするものである。
この実施の形態2の第7の発明になる家電機器の運転管理システムは、以上の説明から明らかなように、
無線通信部を備えた家電機器EE(空気調和機7を含む)と、
通信ネットワーク98を介して前記家電機器EEに対する動作指令を出す情報通信端末機器87と、
前記通信ネットワーク98に接続され、前記情報通信端末機器87から出される前記動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7の無線通信部8Eへ送信する運転管理装置9と、を備え、
前記運転管理装置9は、特定の家電機器である前記空気調和機7の設置空間の気温等を計測する環境検知部202を有し、
前記空気調和機7には、当該空気調和機7のためのリモコン信号を出すリモコン7Rを有し、
前記運転管理装置9は、前記第1の動作指令信号に従って前記空気調和機7が自動運転中である場合において、
(1)前記情報通信端末機器87から当該空気調和機7に対する前記第1の動作指令信号を出す指令情報を受信した場合、当該指令情報に応じた運転をしないことを示した情報を、前記情報通信端末機器87へ送信する管理側リモコン優先モードと、
(2)前記情報通信端末機器87から当該空気調和機7に対する前記第1の動作指令信号を出す指令情報を受信した場合、当該指令情報に応じた運転をすることを示した情報を、前記情報通信端末機器87へ送信し、当該空気調和機7のための第1の動作指令信号を発する管理側外部遠隔操作許容モードと、を備え、
前記リモコン7Rによって運転開始又は運転条件変更の操作がされた時点から所定時間(TM1,TM2)が経過するまでの間は、前記管理側リモコン優先モードに固定し、当該所定時間経過後は、前記管理側リモコン優先モードの固定を解除し、かつ前記環境検知部202から環境情報が提供された場合、当該環境情報を情報通信端末機器87に送信する構成である。
このような第7の発明の構成であるから、この家電機器の運転管理システムによれば、屋内にある空気調和機7を、リモコン7Rで運転開始又は運転条件変更の操作をした場合、在室者によるリモコンの操作直後から所定時間(TM1、TM2)が経過するまでの間は、そのリモコン7Rによる条件設定が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに運転を継続することができるので、空気調和機7の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
また当該第1の所定時間経過後は、環境検知部202から環境情報が提供された場合、当該環境情報を情報通信端末機器87に送信(図79のN22参照)するので、屋外に居ても情報通信端末機器87によって環境状態の適否を知ることができる。
実施の形態3.
図80〜図81は、本発明の実施の形態3に係る家電機器の運転管理システムを示すものであり、第7の発明を実施している。実施の形態1のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
(第8の発明)
実施の形態3は、第8の発明を実施した例を示すものである。
(情報通信端末機器87とリモコン7Rによる制御の優先関係)
図80は、電力指令装置9と空気調和機7と、情報通信端末機器87との3者間における各種指令情報の授受を示した時系列説明図である。なお、各装置間の通信の遅れはゼロであるという前提で説明する。N30〜N51は、信号発生や動作の時点を示す符号である。図78と図79におけるN1〜N25とは連続した関係にはない。
図80において、まず空気調和機7は主電源スイッチがONしている(N30の時点)。運転情報信号L1(図示せず)によって電力指令装置9はそれを把握している。
次にN31の時点では、空気調和機7のリモコン7Rが操作されると、電力指令装置9に向けて運転情報信号L2が発信される(図示せず)。空気調和機7は、第1のリモコン信号を受けてリモコン優先モードに設定する(N31。例えば時刻は12時30分)。
そして空気調和機7は、「(機器側)リモコン優先モード」設定の時点(N31)を起点として、それから第1の時間(例えば、15分間)TR1が経過する(N38の時点。予定時刻12時45分)までの間は、前記「(機器側)リモコン優先モード」を維持する。つまり、入力(受信)モードを「(機器側)リモコン優先モード」に固定する。
空調運転が開始される(N32)。なお、実施の形態1で述べたように、空気調和機7から運転開始する予告信号が出て、それに対して電力指令装置9からは、空気調和機7の運転開始に問題なければ、運転許可信号KSを発信するが、これらの信号については図示していない。
そして空調運転(例えば、冷房)が開始されたあと、情報通信端末機器87によって通信ネットワーク98を介して電力指令装置9に対し、空気調和機7の運転開始や空調運転の条件(例えば運転時間や、目標の冷房温度など)を遠隔操作で設定するために動作指令情報が送信される(N33の時点。時刻は例えば12時35分)。
この動作指令情報を受けて電力指令装置9は、空気調和機7の第1の通信部(使用電力制御手段)8Eに対し、第1の動作指令信号を送信する(N34。時刻は12時36分)。
N34の時点では「(機器側)リモコン優先モード」が維持されているので、外部遠隔操作は無効であるとの情報と、その優先モードが解除される実際の時刻情報が空気調和機7から送信される(N35)。そしてこの事実が、電力指令装置9に送信される(N36)。電力指令装置9から同じ趣旨の情報が情報通信端末機器87へ送信される(N36)。
なお、このN34の時点の第1の動作指令信号の送信を、電力指令装置9が見合せ、自らが「外部遠隔操作は無効であるとの情報」、また更にはそれに加えて、その優先モードが解除される実際の時刻情報を情報通信端末機器87へ送信しても良い。これには、空気調和機7が「(機器側)リモコン優先モード」の設定事実を、事前に電力指令装置9に報知しておく必要がある。
電力指令装置9が動作指令情報を受信した時点で、前記環境検知部202に対して制御部125が最新の環境情報の提供を要求し、その時点の最新の環境情報(実際の気温等の環境データも良い)を情報通信端末機器87に対し送信する(N37時点)。これを受けて情報通信端末機器87側から更に別の動作指令情報が電力指令装置9へ送信される場合もある。なお、前記最新の環境情報の送信は、「(機器側)リモコン優先モード」の解除後の時点(N39)でも良い。
次に「(機器側)リモコン優先モード」の解除後に、再び情報通信端末機器87によって電力指令装置9に対し、空気調和機7の空調運転の条件(例えば運転時間や、目標の冷房温度など)を遠隔操作で設定するために動作指令情報が送信される(N40の時点。時刻は例えば12時50分)。すると電力指令装置からは、第1の動作指令信号が出され(N41)、この信号を受けて、空調制御条件を変更する処理が行われる(N42)。
次に図81について説明する。まず「(機器側)リモコン優先モード」の解除後のある時点(N43)で、情報通信端末機器87から留守モードの指令情報が電力指令装置9に送信された場合(N43)、電力指令装置9は以下のような動作を行う。
まず、電力指令装置9は、N43の時点から「留守モード」設定用の特別な処理プログラムを実行する。そのため、N43の時点から、電力指令装置9からの許可を受けて運転開始されている誘導加熱調理器2や空気調和機7、言い換えると電力指令装置9から電力削減要請信号AS2や電力削減指令信号AS3を受ける可能性のある全ての家電機器EEからの新規の運転開始や運転条件変更の要求は拒否され、また動作開始許可信号KSの発信も一切禁止される(以下、これを「留守モード前のロックモード」という)。運転条件許可信号CS(図71参照)は、電源OFFだけが許可される。
また、運転中の空気調和機7に対して、第1の動作指令信号を出し(N44)、速やかに運転を停止するように要求し、空気調和機7は電動圧縮機332や室外ファン337等を停止して、運転停止の運転情報信号を送信する(N45)。
また、電力指令装置9とは別の装置として構成され、別の場所に設置してある環境検知部202に対して、各居住空間HAの気温等の環境データを取得するように要求する(N46)。これに応じて環境検知部202からは、各居住空間HAの気温等の最新の環境データを取得して、それを電力指令装置9に送信する(N47)。
次に、電力指令装置9は、前記環境検知部202に対して、再び各居住空間HAの気温等の環境データを取得するように要求する(N48)。これに応じて環境検知部202からは、各居住空間HAの気温等の最新の環境データを取得して、それを電力指令装置9に送信する(N49)。
このように、時間を置いて環境検知部202から気温等の環境データの提供を求めた理由は、居住空間HAの環境変化を確認するためである。電熱器具等の熱源となる家電機器を停止し、また環境改善機器SP1である空気調和機7等も運転停止した後の環境変化も確認して、留守モードを完了させるためである。N46の時点とN48の時点は、少なくとも数分間程度が望ましい。
次に、電力指令装置9は、前記「留守モード前のロックモード」を終える(N50)。そして情報通信端末機器87に対して、留守モードを完了したことを示す報知情報を発信する(N51)。なお、このN51の前までに電力遮断すべき対象となる電気機器は、全て電力指令装置9からの遮断指令によって電源回路を強制的にOFFにしている。なお、これ以後は、電力指令装置9が環境検知部202や人検知部202、個人認証装置19、20等を通じて、居住空間HA内部の監視動作を継続する。
(実施の形態3の総括)
以上説明した通り、実施の形態3では、第8の発明を適用した家電機器の運転管理装置と、家電機器の運転管理システムとして、以下の構成を具備していることを述べた。
すなわち、第8の発明になる家電機器(空気調和機7等)の運転管理装置9は、図80、図81に示したように、
情報通信端末機器87からの空気調和機7に対する動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を空気調和機7の無線通信部へ送信する送信部124Cと、
前記空気調和機7が、リモコン7Rによって運転開始された場合、その操作に対応して空気調和機7から出されるリモコン起動報知信号L2を受け取り、また当該空気調和機7に電力削減指令信号AS3又は停止指令等の運転制御信号を送る制御装置125と、を備え、
前記制御装置125は、
(1)空気調和機7からのリモコン起動報知信号L2を受信した場合、リモコン優先モードを設定し、
(2)前記リモコン優先モード設定後、第1の所定時間TM1が経過するまでの間は、前記情報通信端末機器87から前記空気調和機7に対する動作指令情報を受けても、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を前記空気調和機7に対して送信せず、
(3)前記情報通信端末機器87から留守モードの設定指令情報を受けた場合には、前記空気調和機7等の電力制限対象機器に対して運転開始の許可信号KSを発信しない「留守モード前のロックモード」に設定することを特徴としている。
この第8の発明の家電機器の運転管理装置(電力指令装置)9によれば、屋内にある空気調和機7等について、リモコンで運転開始操作した場合、第1の所定時間TM1が経過するまでの間は、そのリモコンによる条件設定が優先され、屋外から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作の影響を受けずに空気調和機7の運転を継続するように制御できる。このため在室者によるリモコンによる制御条件のまま、第1の時間TM1は運転を継続するため、空気調和機7の使用者の無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。さらに留守モード設定の前に、第3の所定時間TERだけ家電機器の運転を統制し、個々の家電機器の運転開始を不可能として効率良く各家電機器の電源を遮断して留守モードに移行できる。
なお、「留守モード前のロックモード」は、図81においてはN50の時点で終了しているが、「留守モード」に設定された時点N51以降は、電源が遮断された個々の家電機器EEは、電力指令装置)9によって、居住者等が正規の操作で「留守モード」の解除操作をしない限り、通電再開されない。当然ながら、留守モードに設定されている期間中(居住者全員が留守の場合等9は、情報通信端末機器87から動作指令情報を受けても、そのままでは留守モードは解除されないので、安全である。情報通信端末機器87から所定の操作入力がされた場合に限り、留守モードが解除され、それ以降は、再び動作指令情報を受信して遠隔操作することができる。
実施の形態4.
図82は、本発明の実施の形態4に係る家電機器(炊飯器3)の動作を示すフローチャート図であり、実施の形態1で説明した炊飯器のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
(第9の発明)
実施の形態4は、第9の発明を実施した例を示すものである。
前記第1の実施の形態(特に図71)で説明した空気調和機7は、第1のリモコン信号を受信した場合、その信号を受信して「リモコン優先モード」に設定し、またリモコン優先モードが所定の時間後に自動的に解除された後において、第2のリモコン信号を受信した場合、その信号を受信してからリモコン優先モードに設定していたが、このような方法では、例えば炊飯器のように、主電源を入れて、その後に炊飯動作を予約するような場合や、放送番組の録画を予約する映像機器では、そのような予約作業に時間を要するので、その予約作業中に外部の情報通信端末機器87から何らかの遠隔操作をされると、予約作業が中断したり、取り消されたり、あるいはその使用者(予約作業者)が混乱する懸念がある。
そこで、この実施の形態4では、そのような予約操作を検知し、その予約操作によって家電機器の本体側が優先するモードに設定することを特徴としており、実施の形態1〜3のものと組み合せると更に効果的である。
図82において、P1〜P9は、炊飯器3の炊飯予約動作の基本的ステップを示すものであり、以下、スタートP1〜P9のステップに従って説明する。なお、この炊飯器3は、統合管理装置9によって電力の削減指令を受ける可能性のある機器である。
炊飯器3の電源コードを所定の給電口(ソケットなど)に接続してスタートする(P1)。最初に主電源スイッチ(図示せず)をON(P2)して、操作部43(図42参照)にある予約炊飯機能設定用の予約キー55Fを押すと(P3)、液晶表示部49において操作結果や操作方法の案内表示が行われ、最後に確定用のキー55Kを操作すれば、予約設定が完了する(P3)。
炊飯器3の制御プログラムを格納したマイクロコンピューター等で構成された制御手段60は、予約キー55Fが押されたことを検知すると、その時点で「本体側優先モード」に設定する。この「本体側優先モード」は「リモコン優先モード」と同じく、情報通信端末機器87側からの遠隔操作入力よりも優先する。
次に予約した炊飯開始時刻が来ると、制御手段60は炊飯動作を開始し(P5)、図49で説明したような予熱と炊飯の工程に進んで、炊飯動作を終了する(P6)。その後は、むらし工程を経て保温工程に進む(P7)。保温工程は保温用電気ヒーターに100W程度の電力を供給し、数時間程度の保温をするものであるが、この保温動作は必ずしも必要でないので、情報通信端末機器87からの遠隔操作で通電停止できる。なお、情報通信端末機器87から強制的に通電停止しなくとも、制御手段は、炊飯工程の終了から所定時間(例えば6時間)経過した時点で自動的に保温動作を終了させ(P8)、一連の動作は終了する(P9)。
前記「本体側優先モード」は、炊飯工程を終えた時点で自動的に解除され、情報通信端末機器87からの遠隔操作を受け付けることができる「外部遠隔操作許容モード」に切り替わる。
以上のように、この実施の形態4の炊飯器によれば、蓋体42にある操作部43において、予約用の予約キー55Fや予約を確定させるキー55Kを操作したことを検知して「本体側優先モード」に設定しているので、炊飯器3の予約炊飯作業を行っている途中で、情報通信端末機器87側からの遠隔操作入力によって予約設定操作が無効になったり、予約が失敗したりするというような懸念がなくなる。
この実施の形態4に示した炊飯器3は、第9の発明を以下の形態で実施している。
すなわち、
情報通信端末機器87からの(遠隔操作)動作指令情報を受ける無線通信部8Bと、
運転開始又は終了する時間を予約する入力キー(予約キー)55Fと予約時間の入力を確定させる確定キー55Kとを備えた操作部43と、
前記操作部からの前記入力キー55F及び確定キー55Kからの操作信号を受け付ける制御手段60と、を備え、
前記制御手段60は、
(1)前記操作部43における操作信号を受信した場合、前記確定キー55Kにより予約入力を完了するまでの間を本体側優先モードに設定し、
(2)前記予約入力の完了を検知した場合、前記本体側優先モードを解除することを特徴とするものである。
この第9の発明の炊飯器3によれば、操作部43で炊飯動作の(終了)時刻を入力開始した場合、その入力が完了するまでの間は、その操作部による操作入力が優先され、屋外又は屋内から情報通信端末機器87による遠隔操作がされても、その遠隔操作によって操作部の入力が無効化されたり、保留されたりする等の影響を受けずに、そのまま入力操作を継続することができる。このため在室者による操作部43の予約動作に無用の混乱を招かず、利便性を向上させることができる。
この実施の形態4に示した入力キー55Fは、炊飯動作を終了する時刻(例えば、22時00分)を入力する場合であったが、予約操作している時点(現在)の時刻から「3時間後」等のように、時間情報を入力するものでも良い。そのため、この第9の発明でいう「時間の予約」には、時間と時刻の予約の双方を含む。
また実施の形態1で説明したように運転の「開始予約」と「終了予約」の何れでも本発明は適用できる。
さらに時間を予約する入力キー(予約キー)55Fと予約時間の入力を確定させる確定キー55Kとは、物理的に別のものでなくとも良く、実施の形態1で説明したように、操作の場面に応じて入力機能を切り替え、共用しても良い。
この実施の形態4に示した家電機器は炊飯器3であったが、その他の家電機器でも良く、例えば、空気調和機7、空気清浄機141や空気脱臭機、除湿機等の環境改善機器、電気洗濯機(乾燥機能付きを含む)、お風呂に使用される給湯機器(給湯タンク付きを含む)でも良い。
実施の形態5.
図83は、本発明の実施の形態5に係る家電機器(炊飯器3)と、統合管理装置9及び情報通信端末機器87の3者の動作を時系列で示すフローチャート図であり、実施の形態1で説明したものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
(第10の発明、第11の発明)
この実施の形態5は、第10の発明と第11の発明に関するものである。
この実施の形態5の特徴は、使用者が炊飯器3の操作部43に設けたメンテナンス動作のキー(以下、「メンテナンス・キー」という。図示せず)の操作部(タッチ部や押しボタン部など)を操作して、清掃作業や消耗部品の交換、部品の清掃、点検等を行うことを安心して実行できるようにした点にある。
以下、図83について説明する。
電力指令装置9と炊飯器3と、情報通信端末機器87との3者間における各種指令情報の授受において、通信の遅れはゼロであるという前提で説明する。またこの図において、Q1、Q2・・・Q7は、図71で示したM50〜M64と同じく、信号発生や動作の時点を示す符号である。
炊飯器3の主電源スイッチ(図示せず)をONする(Q1時点)。運転情報信号L1によって電力指令装置9はそれを把握している。
次にメンテナンス・キー(図示せず)が操作されると、この操作に伴う信号(メンテナンス開始信号)が炊飯器3の制御部62へ送られ、制御部62は、メンテナンス作業が開始されることを検知する。
このメンテナンス開始信号を受けて制御部62は、統合管理装置(電力指令装置)9に対し、メンテナンス開始情報L2を、第1の通信部(使用電力制御手段)8Bを介して送信する(Q2時点)。
統合管理装置9は、前記メンテナンス開始情報L2を受けて、自身の動作モード(炊飯器3に対して)を「メンテナンス優先モード」に設定する(Q3)。なお、図83では、Q2とQ3の間に大きな経過時間があるように描いているが、実際の時間差は殆どない(1秒以下である)。TRSは、このメンテナンス優先モードの設定時間である。
「メンテナンス優先モード」の時間的長さTRSは、メンテナンス作業の種類と内容、作業者の熟練度等の色々な要素が関係し、1つの時間を想定できないため、メンテナンス・キー(図示せず)が再度操作され、その操作に伴う信号(メンテナンス終了信号)が炊飯器32から送信されたQ6の時点の後のQ7時点まで継続する。なお、このQ7は、Q6時点で受けた信号の処理に要した時間で決まるが、Q6とQ7の間に大きな時間差はない(1秒以下である)。
このメンテナンス優先モードの設定時間中、仮にQ4時点で、居住空間HAの外部遠隔地等にいる居住者が、持参した情報通信端末機器87によって通信ネットワーク98を介して統合管理装置9に対し、炊飯器3の運転開始を遠隔操作で設定するために動作指令情報を送信した場合について説明する。
電力指令装置9は、制御部125において、炊飯器3がメンテナンス優先モードの期間中にあることが分かるので、制御部125は、炊飯器3に対して何ら報知信号や動作指令信号を送信することなく、情報通信端末機器87に対し、遠隔操作情報に応じた動作を行わないとの通知を返信する(Q5)。この返信情報の中には、「メンテナンス優先モード」が設定されているとの情報を含めても良い。
電力指令装置9は、Q7の時点で「メンテナンス優先モード」を解除する。
なお、「メンテナンス優先モード」の時間的長さTRSは、メンテナンス作業の種類と内容、作業者の熟練度等の色々な要素が関係し、1つの時間を想定できないため、メンテナンス・キー(図示せず)が再度操作され、その操作に伴う信号(メンテナンス終了信号)が炊飯器32から送信されたQ6の時点まで継続する。
なお、「メンテナンス優先モード」を採用した家電機器EEとして、炊飯器3の例で説明したが、空気調和機7や空気清浄機141、その他の家電機器EEにも適用できる。例えば、空気調和機7や空気清浄機141では、処理空気の中の塵埃や有害物質等を除去するためにフィルターを設置しており、長期間使用した場合には、空気の透過能力が低下するので、その清掃を勧めている。そこで繰り返しフィルターのメンテナンスとしてその清掃が必要であり、フィルターの種類によっては、交換する必要がある。そのようなメンテナンス作業を行う場合に、例えば天井や壁に固定されている空気調和機7では、電源が専用コードで常時接続されている場合があり、主電源を切れない状態で作業行う可能性もあるが、この実施の形態5で示した構成によれば、メンテナンス中に、その作業者が意図しないような遠隔操作による運転開始は統合管理装置9で禁止してあるため、作業者は安心して安全に作業をすることができる。
。
(実施の形態5の総括)
以上の説明から明らかなように、この実施の形態5の統合管理装置9は、
情報通信端末機器87からの炊飯器3に対する動作指令情報を受けて、その指令情報に応じた第1の動作指令信号を当該炊飯器3の無線通信部8Bへ送信する送信部124Cと、
前記炊飯器3が、操作部43によって運転開始された場合、その操作に対応して炊飯器3から出される運転情報信号を受け取り、また当該炊飯器3に電力削減指令信号又は停止指令等の運転制御信号を送る制御装置125と、を備え、
前記制御装置125は、
前記炊飯器3側から当該炊飯器3のメンテナンス作業の開始場面で発信されるメンテナンス開始情報L2を得た場合、情報通信端末機器87から前記炊飯器3に対する動作指令情報を受けても、運転開始のための動作指令信号を前記炊飯器3に対して送信しないことを特徴とする家電機器の運転管理装置である。
この実施の形態5で示した構成の運転管理装置によれば、メンテナンス中に、その作業者が意図しないような遠隔操作による家電機器の運転を禁止しているため、作業者は安心して安全に作業をすることができる。
なお、炊飯器3自身に「メンテナンス優先モード」を設定せず、統合管理装置9側で「メンテナンス優先モード」を設定した例で説明したが、炊飯器3側で設定しても良い。
例えば、無線通信部(使用電力制御手段)8Bと、制御部62と、を備え、前記制御部62は、メンテナンス・キーの操作に応じて発信されるメンテナンス開始信号を検知し、このメンテナンス開始信号があった場合、入力モードを「メンテナンス優先モード」に設定し、その「メンテナンス優先モード」期間中は、仮に統合管理装置9から前記炊飯器に対する動作指令信号を受けても、加熱手段45に通電しない構成にした炊飯器3で実現できる。
なお、実施の形態5では、使用者が、メンテナンス作業の開始前に、メンテナンス・キーの操作部をタッチしたり、押したりすることでメンテナンス開始信号とメンテナンス終了信号が出力されたが、このような使用者(作業者)の操作を省略することができる。例えば、空気清浄機141のフィルターを支える保持枠(部品)の取り外しを検知するように、その部品の位置や動きを検知するセンサーを設置し、このセンサーで前記部品の取り外しを検知し、メンテナンス作業の開始段階を前記センサーからの出力で検知させれば良い。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態5で示した家電機器(例えば、炊飯器3)は、
統合管理装置9から遠隔操作信号を受信する無線通信部(使用電力制御手段)8Bと、
電気エネルギーを消費する加熱源45又は電気動力源(モーターと、それを使用した電動圧縮機含む)と、
制御部62と、を備え、
前記制御部62は、メンテナンス・キーの操作に応じて発信されるメンテナンス開始信号を検知し、このメンテナンス開始信号があった場合、入力モードを「メンテナンス優先モード」に設定し、その「メンテナンス優先モード」期間中は、統合管理装置9から動作指令信号を受けても、前記加熱源及び電気動力源に通電しないことを特徴としたものである。
この構成によれば、家電機器のメンテナンス中に、その作業者が意図しないような遠隔操作による運転開始を防止し、作業者は安心して安全に作業をすることができる。
実施の形態1〜4においては、「リモコン優先モード」や「メンテナンス優先モード」等の期間中、統合管理装置(運転管理装置)9の側から空気調和機7や炊飯器3の家電機器EEに対し、第1の動作指令信号を送信しないと説明したが、物理的に信号の送信が皆無であるという意味ではない。送信をしても、空気調和機7や炊飯器3側で正規の有効な指令信号として処理できないような形態で送信した場合も、ここでいう「送信しない」ということに該当する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。