JP2016109860A - 弁銘板汚損防止シール - Google Patents

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【課題】弁の銘板の汚れを容易に除去することを可能にした弁銘板汚損防止シールを提供すること。【解決手段】弁100の銘板110に貼着する透明の基本シール10と、基本シール10上に積層される、透明かつ剥離可能な複数枚の防護シール20と、を備える弁銘板汚損防止シール1であり、基本シール10及び防護シール20は、円形状のシート部材からなり、中心から放射方向に延びかつ上面視した場合に同じ位置に形成される複数の切れ目26を有し、切れ目26の中の1本は、外周まで延び、防護シール20は、外周の一部から突出するタブ部22を更に有し、タブ部22は、外周まで延びる切れ目17の近傍に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、弁に設置された銘板に貼着される弁銘板汚損防止シールに関する。
従来、火力発電所の蒸気や水等の配管には弁が設置されている。通常、弁には銘板が設置されており、この銘板に弁の名称、開閉方向、製品番号等の情報が表示されている。
図5は、弁100の外観を示す斜視図であり、弁100は、弁本体102と、弁本体102内の弁体(図示せず)に連結する回転軸104と、作業員の操作によって回転軸104を回転させるハンドル106と、回転軸104にハンドル106を固定するための固定ナット108と、を備えている。銘板110は、円板体からなり、例えば、ハンドル106の中心に設けられている。
銘板110の表面は、経時によって汚れることにより、図6に示すように、銘板110の表示が見えにくくなることがある。銘板が汚れて確認できない場合には、作業員が、ワイヤブラシや洗浄液等を用いて清掃することにより、図5に示すように、銘板110の表示内容を見えるようにする。
しかし、この清掃作業には時間がかかり、弁100の設置箇所が高所の場合には足場の悪いところでの作業となるため清掃しにくく、作業員の負担が増加する。
なお、分野は異なるが、従来、表面の汚れを容易に除去する技術として、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1によれば、携帯電話等の表示画面に貼り付ける保護フィルムを積層フィルムとすることにより、保護フィルムが傷ついたり汚れたりした場合に、剥がすことで容易に傷や汚れを除去できる、という技術が開示されている。
特開2005−271412号公報
火力発電所の蒸気や水等の配管には多くの弁が設置されており、汚れた弁の銘板が多ければそれだけ、清掃にかかる作業員の負担が増加する。このため、弁の銘板の汚れを容易に除去することを可能にする技術の出現が望まれる。
本発明は、弁の銘板の汚れを容易に除去することを可能にした弁銘板汚損防止シールを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
(1) 弁の銘板に貼着する透明の基本シールと、当該基本シール上に積層される、透明かつ剥離可能な複数枚の防護シールと、を備え、前記基本シール及び前記防護シールは、外周が円形状のシート部材からなり、中心から放射方向に延びる複数の切れ目を有し、前記切れ目の中の1本は、外周まで延び、前記防護シールは、外周の一部から突出するタブ部を更に有し、前記タブ部は、外周まで延びる前記切れ目の近傍に配置されることを特徴とする弁銘板汚損防止シール。
(1)によれば、最上位の防護シールに汚れが付着する。そして経時によって最上位の防護シールが汚れ、銘板の表示内容を認識することが難しくなった場合に、作業員は、最上位の防護シールのタブ部をつまんで、最上位の防護シール剥がすことにより、容易に汚れを除去することが可能になる。
また、例えば、銘板の中心から、弁を回転させるための回転軸が突出している場合、外周まで延びている切れ目の部分を開いて、回転軸の側方から、開いた部分を挿入することにより、弁銘板汚損防止シールを銘板に容易に貼着することが可能になる。また、作業員は、タブ部をつまんで回転軸周りを周回させることにより、容易に防護シールを剥がすことができる。
(2) (1)において、前記基本シールは、ゲル状の粘着部材を有することを特徴とする弁銘板汚損防止シール。
(2)によれば、銘板の文字が立体的に形成されている場合のように、銘板に凹凸がある場合、粘着部材がその凹凸に進入することにより、基本シールにおける防護シールが貼着される面を平面に近い面にすることができる。このため、防護シールに撓み箇所が形成されにくくなり、その撓み箇所において防護シール間に隙間があいてしまい、その隙間に汚れとなる異物が入り込んでしまうといった事態の発生を低減することが可能になる。
(3) (1)、(2)において、前記タブ部に、通し番号が表示されていることを特徴とする。
(3)によれば、通し番号の順番で防護シールを剥がしていくことにより、一枚ずつ確実に防護シールを剥がすことが可能になる。
本発明によれば、弁の銘板の汚れを容易に除去することを可能にした弁銘板汚損防止シールを提供することが可能になる。
本発明の一実施形態における弁銘板汚損防止シール1を、弁の銘板の貼着した状態を示す正面図である。 本実施形態における弁銘板汚損防止シール1の構成部材を示す分解図である。 本実施形態における弁銘板汚損防止シール1の側面を模式的に示す説明図である。 本実施形態における他の弁銘板汚損防止シール1の構成部材を示す分解図である。 銘板を取り付けた弁の外観を示す斜視図である。 銘板を取り付けた弁の外観を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における弁銘板汚損防止シール1を、弁の銘板の貼着した状態を示す正面図、図2は、弁銘板汚損防止シール1の構成部材を示す分解図、図3は、本実施形態における弁銘板汚損防止シール1の側面を模式的に示す説明図である。
弁銘板汚損防止シール1は、銘板110に貼着する基本シール10と、この基本シール10に積層するように貼着する複数枚の防護シール20とからなる。
基本シール10は、円形の透明シート10aと(図3参照)、透明シート10aに貼着される透明なゲル状部材10b(図3参照)とによって構成されている。
透明シート10aは、銘板110と略同じ大きさであり、外周の一部にタブ部12が延出している。また、透明シート10aの中央部には、中心から放射状に延びる6本の切れ目16が形成されている。透明シート10aの中心から隣合う2本の切れ目16とによって形成される角度は、本実施形態においては60度に設定されており、切れ目16の長さは、固定ナット108の外側半径よりも若干長く設定されている。また、6本の切れ目16の中の1本の特定の切れ目16は、透明シート10aの外周端まで延びている。なお、以下の説明の便宜上、外周端まで延びている特定の切れ目16を切れ目17と称する場合がある。タブ部12には通し番号14が表示されている。
ゲル状部材10bは、ゲル状の粘着部材からなる所定の厚みを有する円板体である。ゲル状部材10bは、透明シート10aと同じ大きさであり、ゲル状部材10bの一方の平面は、透明シート10aに貼着し、他方の平面は銘板110に貼着するための粘着面として形成されている。また、ゲル状部材10bには、6本の切れ目16の対向部位に、6本の切れ目16と同様の切れ目が形成されている。
防護シール20は、透明シート10aと同じ大きさの円形の透明シートによって構成されており、下面に貼着、剥離自在な粘着性を備えている。また、防護シール20の外周の一部にタブ部22が延出している。また、防護シール20の中央部には、中心から放射状に延びる6本の切れ目26が形成されている。防護シール20の中心から隣合う2本の切れ目26によって形成される角度は、本実施形態においては60度に設定されており、切れ目26の長さは、固定ナット108の外側半径よりも若干長く設定されている。すなわち、防護シール20と透明シート10aとは、少なくともタブ部12、22以外の構成が同一である。タブ部22には通し番号24が表示されている。なお、タブ部22の下面は粘着性を備えていない。
また、本実施形態によれば、防護シール20は9枚であり、これら9枚の防護シール20は、少なくともタブ部22以外の部分において同一である。9枚の防護シール20は、図3に示すように、透明シート10a上に積層される。この際、防護シール20は、切れ目27及び透明シート10aの切れ目27が互いに一致するように基本シール10上に積層され、更に防護シール20上に次の防護シール20が、切れ目27同士が一致するように積層される。切れ目17、27同士が一致するように防護シール20が積層されることにより、他の切れ目16、26についても互いに一致する。
図2は、9枚の防護シール20の形状を示すものであり、最上位に防護シール20aが配置され、その下方に、防護シール20b〜防護シール20iの順に配置され、最下位の防護シール20iが透明シート10aに貼着される。
図2に示すように、防護シール20a〜防護シール20cのタブ部22は、下方の防護シール20となる毎に周方向に一定角度ずれた位置に形成されている。本実施形態によれば、36度ずつずれた位置に形成されている。すなわち、防護シール20a〜防護シール20cのタブ部22は、円周方向に3つ並んでいる。
また、防護シール20a、防護シール20d及び防護シール20gは同一形状である。基本シール10の透明シート10aも防護シール20aと同一形状である。また、防護シール20b、防護シール20e及び防護シール20hは同一形状であり、防護シール20c、防護シール20f及び防護シール20iは同一形状である。
このため、防護シール20d〜防護シール20fのタブ部22及び防護シール20g〜防護シール20iのタブ部22は、防護シール20a〜防護シール20cのタブ部22と同様に、円周方向に3つ並んでいる。
また、防護シール20における外周端まで延びる切れ目26は、防護シール20a〜防護シール20cの積層部分における防護シール20bのタブ部22と防護シール20cのタブ部22との間まで延びている。同様に、外周端まで延びる切れ目26は、防護シール20d〜防護シール20fの積層部分における防護シール20eのタブ部22と防護シール20fのタブ部22との間まで延びており、防護シール20g〜防護シール20iの積層部分における防護シール20hのタブ部22と防護シール20iのタブ部22との間まで延びている。なお、以下の説明の便宜上、外周端まで延びている特定の切れ目26を切れ目27と称する場合がある。
このように本実施形態によれば、防護シール20a〜防護シール20iのタブ部22は、切れ目27の近傍(例えば、切れ目27に対して中心角が72度の範囲内)配置されている。
また、防護シール20a〜防護シール20iのタブ部22には通し番号24が付されている。具体的に、防護シール20aのタブ部22には通し番号24として「1」が付されており、防護シール20bのタブ部22には通し番号24として「2」が付されており、以下同様に、防護シール20c〜防護シール20iのタブ部22には通し番号24として「3」〜「9」が付されている。また、基本シール10のタブ部12には通し番号14として「10」が付されている。なお、以下の説明の便宜上、タブ部12、22において、通し番号24が「1」のタブ部22をタブ部(1)、通し番号24が「2」のタブ部22をタブ部(2)と称し、以下同様に、通し番号24が「3」〜「9」のタブ部22をタブ部(3)〜(9)と称し、通し番号14が「10」のタブ部12をタブ部(10)と称することにする。
そして、基本シール10上に、防護シール20i、防護シール20h、・・・、防護シール20aの順に積層することにより、本実施形態の弁銘板汚損防止シール1が構成される。この弁銘板汚損防止シール1によれば、タブ部(1)、タブ部(4)、タブ部(7)、タブ部(10)が、二枚の防護シール20を挟んで上下方向に並んでいる。同様に、タブ部(2)、タブ部(5)、タブ部(8)が、二枚の防護シール20を挟んで上下方向に並び、タブ部(3)、タブ部(6)、タブ部(9)が、二枚の防護シール20を挟んで上下方向に並んでいる。したがって、タブ部12及び複数のタブ部22は、隣合うタブ部同士が重ならず、しかも直下のタブ部に直接重ならないように配置される。このように、上位の防護シール20のタブ部22と、下位の防護シール20のタブ部22とが直接重なり合わないため、防護シール20を一枚ずつ剥がすことが可能になる。
弁銘板汚損防止シール1を銘板110に取り付ける際には、まず、作業員は、中央の切れ目16によって形成される正三角形形状の切断片に曲げを施して、防護シール20a側に突出させる。次に、切れ目27の両側部を把持して切れ目27を広げ、この広げた部分に回転軸104を挿入し、回転軸104を弁銘板汚損防止シール1の中央部に位置付ける。そして、作業員が、銘板110に基本シール10のゲル状部材10bを密着させることにより、弁銘板汚損防止シール1が銘板110に貼着される。
その後、経時によって弁銘板汚損防止シール1が汚れ、銘板110の表示内容を認識することが難しくなった場合に、作業員は、最上位の防護シール20のタブ部(1)をつまんで、最上位の防護シール20を剥がすことによって汚れが除去され、銘板110の表示内容を認識することが可能になる。また、更に経時によって弁銘板汚損防止シール1が汚れた場合には、最上位の防護シール20のタブ部(2)をつまんで最上位の防護シール20を剥がすことによって汚れが除去される。
本実施形態の弁銘板汚損防止シール1によれば、タブ部(1)〜タブ部(10)をつまんで1枚ずつシールを剥がすことにより、10回汚れを除去することが可能である。
ここで、タブ部(10)のシールが最上位になった場合には、タブ部(10)のシールすなわち基本シール10を剥がさずに、別途用意した9枚の防護シール20a〜20iを重ね合わせた積層体を、基本シール10に貼着してもよい。これにより、銘板110の情報が、ペイントによって描かれている場合に、基本シール10を剥がす際に塗装ごと剥がしてしまうことが防止できる。
以上、説明したように構成された本実施形態によれば、経時によって最上位の防護シール20aから汚れが付着し、銘板の表示内容を認識することが難しくなった場合に、作業員が、最上位の防護シール20aのタブ部22をつまんで、最上位の防護シール20aを剥がすことにより、容易に汚れを除去することが可能になる。
また本実施形態によれば、切れ目16、26が形成されているため、例えば、銘板110の中心から、弁を回転させるための回転軸104が突出している場合、外周まで延びている切れ目17、27の部分を開いて、回転軸104の側方から、開いた部分を挿入することにより、弁銘板汚損防止シール1を銘板110に容易に貼着することが可能になる。また、切れ目17、27の近傍にタブ部(1)〜タブ部(10)が形成されているため、仮に、回転軸104が突出している場合であっても、作業員は、タブ部をつまんで回転軸104の周りを周回させることにより、防護シール20を容易に剥がすことができる。
また本実施形態によれば、基本シール10はゲル状の粘着部材からなるゲル状部材10bを有するため、銘板110に凹凸がある場合に、ゲル状部材10bがその凹凸に進入する。これにより、基本シール10を銘板110に確実に貼着することが可能になるとともに、基本シール10における防護シール20が貼着される側の面を平面に近い面にすることができる。このため、基本シール10に貼着される防護シール20の撓みを少なくすることが可能になり、撓み部分において複数の防護シール20間に隙間が生じることを低減することができる。その結果、防護シール20間に隙間に異物が入ることによって防護シール20の粘着性が低下したり、銘板110の表示を汚したりすることが防止できる。
また本実施形態によれば、タブ部22に、通し番号24が表示されているため、通し番号24の順番で防護シール20を剥がしていくことにより、一枚ずつ確実に防護シール20を剥がすことが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態によれば、弁銘板汚損防止シール1の中央部に放射状の切れ目16、26が形成されているが、それに限らず、図4に示すように、弁銘板汚損防止シール1の中央部に固定ナット108が挿入可能な正六角形の孔部を形成してもよい。
また、銘板110の表面が平面であり、かつ銘板110の表面の塗装が剥がれない場合には、基本シール10にゲル状部材10bを用いる必要はなく、透明シート10aを防護シール20によって構成してもよい。
また、上述した実施形態によれば、基本シール10がタブ部12を備えているが、基本シール10においてはタブ部12を敢えて備えなくてもよい。これにより、基本シール10を銘板110から剥がすことが困難になり、基本シール10を銘板110に常時固定し、基本シール10上に防護シール20の積層体を貼着するような使用形態の場合に、基本シール10を誤って剥がしてしまうことを防止できる。
また、基本シール10を平板状の透明シート10aのみで形成し、銘板110の表面に例えば透明のシリコンゴム接着剤によって平板状の層を形成し、その上に基本シール10を接着させ、更に基本シール10上に防護シール20の積層体を貼着してもよい。
また、上述した実施形態によれば、切れ目26が形成されている防護シール20を順次積層しているが、それに限らず、切れ目26が形成されていない防護シール20を順次積層した後に、切れ目26を形成してもよい。これにより、本実施形態の弁銘板汚損防止シール1を容易に製造することができる。
1 弁銘板汚損防止シール
10 基本シール
10a 透明シート
10b ゲル状部材
12 タブ部
14 番号
16、17 切れ目
20、20a〜20i 防護シール
22 タブ部
24 通し番号
26、27 切れ目
100 弁
102 弁本体
104 回転軸
106 ハンドル
108 固定ナット
110 銘板

Claims (3)

  1. 弁の銘板に貼着する透明の基本シールと、
    当該基本シール上に積層される、透明かつ剥離可能な複数枚の防護シールと、を備え、
    前記基本シール及び前記防護シールは、外周が円形状のシート部材からなり、中心から放射方向に延びる複数の切れ目を有し、
    前記切れ目の中の1本は、外周まで延び、
    前記防護シールは、外周の一部から突出するタブ部を更に有し、
    前記タブ部は、外周まで延びる前記切れ目の近傍に配置されることを特徴とする弁銘板汚損防止シール。
  2. 前記基本シールは、ゲル状の粘着部材を有することを特徴とする請求項1記載の弁銘板汚損防止シール。
  3. 前記タブ部に、通し番号が表示されていることを特徴とする請求項1又は2記載の弁銘板汚損防止シール。
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