JP2016109663A - 電流検出装置 - Google Patents
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Description
バスバーと、
前記バスバーを流れる電流によって前記バスバーの周囲に発生する磁界を検出する磁気センサ素子と、を備えた電流検出装置であって、
前記バスバーには、前記バスバーの長手方向に対して斜めに延びたスリットが1本もしくは複数本設けられており、
前記磁気センサ素子が、前記バスバー上において前記スリットの近傍に配置されたものである。
まず、図1、図2を参照して、第1の実施形態に係る電流検出装置について説明する。図1は、第1の実施形態に係る電流検出装置の模式的斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る電流検出装置の模式的平面図である。
なお、当然のことながら、図1、図2に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。x軸はバスバー10の幅方向、y軸はバスバー10の長手方向、z軸はバスバー10の主面の法線方向に一致している。
なお、電流は、y軸プラス向きもしくはy軸マイナス向きに流れるが、いずれの場合であっても、極大領域H1〜H3、極小領域L1〜L4が同様に形成される。また、バスバー10の電流密度とは、スリット11が形成されていない領域での電流密度である。
このように、第1の実施形態に係る電流検出装置では、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、従来の電流検出装置において検出感度を下げるには、磁気センサ素子20をバスバー10から遠ざけて設置したり、バスバー10の断面積を大きくしたりする必要があった。そのため、電流検出装置が大型化してしまっていた。第1の実施形態に係る電流検出装置では、このような大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
シミュレーションには、電磁界解析ソフトウェアJMAGを用いた。400Aの直流電流をy軸マイナス方向に流した。ここで、バスバー10の断面形状は、幅Wを10mm、厚さtを1mmとした。また、図2における電流経路10aの幅Wa、電流経路10bの幅Wb、電流経路10cの幅Wcの最小値をいずれも1mmとした。さらに、図2におけるスリット11a、11bのx軸方向の幅をいずれも0.5mm、y軸方向の長さをいずれも7mmとした。
次に、図6を参照して、第1の実施形態に係る電流検出装置の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態に係る電流検出装置の変形例の模式的平面図である。図6に示すように、スリット11は、バスバー10の長手方向に対して斜めに延びていれば、1本でもよい。また、スリット11は、分岐される電流経路の幅が徐々に変化するのであれば、直線状でなく湾曲していてもよい。図6では、スリット11は、y軸方向を長軸方向とし、x軸プラス側に突出した略半楕円状に形成されている。
このように、第1の実施形態に係る電流検出装置の変形例でも、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第1の実施形態に係る電流検出装置の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
次に、図7を参照して、第2の実施形態に係る電流検出装置について説明する。図7は、第2の実施形態に係る電流検出装置の模式的平面図である。図2に示した第1の実施形態に係る電流検出装置や図6に示した第1の実施形態に係る電流検出装置の変形例では、電流経路10a、10b、10cの形状が異なっている。そのため、交流の場合、それぞれの電流経路におけるインダクタンス値が異なり、電流の周波数によって分流比率が変わってしまう。従って、電流の周波数が変化する場合、電流値を正確に測定できない。つまり、第1の実施形態に係る電流検出装置は、直流用途には適しているものの、交流用途には適していない。
このように、第2の実施形態に係る電流検出装置でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第2の実施形態に係る電流検出装置でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
次に、図9を参照して、第2の実施形態に係る電流検出装置の第1の変形例について説明する。図9は、第2の実施形態に係る電流検出装置の第1の変形例の模式的平面図である。図9に示すように、平面視で点対称な形状を有するスリット13は、分岐される電流経路の幅が徐々に変化するのであれば、直線状でなく湾曲していてもよい。図9に示したスリット13は、y軸マイナス側においてx軸プラス側に張り出し、y軸プラス側においてx軸マイナス側に張り出した曲線形状を有している。
このように、第2の実施形態に係る電流検出装置の第1の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第2の実施形態に係る電流検出装置の第1の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
次に、図11を参照して、第2の実施形態に係る電流検出装置の第2の変形例について説明する。図11は、第2の実施形態に係る電流検出装置の第2の変形例の模式的平面図である。図11に示したスリット14は、y軸マイナス側においてx軸プラス側に張り出した半円と、y軸プラス側においてx軸マイナス側に張り出した半円とを結合したS字形状を有している。
このように、第2の実施形態に係る電流検出装置の第2の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第2の実施形態に係る電流検出装置の第2の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
さらに、図11に示すように、スリット14の場合、スリット12やスリット13の場合と比べ、極小領域L1、L2、極大領域H1、H2の面積が大きくなる。そのため、磁気センサ素子20を固定する位置のばらつきに対するロバスト性が向上する。
次に、図13を参照して、第2の実施形態に係る電流検出装置の第3の変形例について説明する。図13は、第2の実施形態に係る電流検出装置の第3の変形例の模式的平面図である。図13に示したスリット15は、平面視で点対称な階段形状を有している。具体的には、y軸プラス側を上側と仮定した場合、スリット15は、x軸プラス側に進むにつれて上る階段形状を有する。より具体的には、スリット15は、蹴上部15aと、踏面部15bと、蹴上部15cとを有する。蹴上部15aと、踏面部15bと、蹴上部15cとは、この順に接続している。蹴上部15aは、y軸プラス側に略一直線状に延びて、踏面部15bは、蹴上部15aのy軸プラス側端部からx軸プラス側に略一直線状に延びる。蹴上部15cは、踏面部15bのx軸プラス側端部からy軸プラス側に略一直線状に延びる。
スリット15は、バスバー10の長手方向に対して斜めに延びるスリットの一例である。スリット15は、蹴上部15aのy軸マイナス側端部から蹴上部15cのy軸プラス側端部までにおいて、総じてバスバー10の長手方向に対して斜めに延びている。
図13に示すように、バスバー10に電流を流すと、電流経路10a1において、局所的に電流密度が大きくなる極大領域H2が形成される。他方、電流経路10a2において、蹴上部15cと踏面部15bとの接続部近傍に、局所的に電流密度が小さくなる極大領域L2が形成される。
図13に示すように、バスバー10に電流を流すと、電流経路10b1において、踏面部15bと蹴上部15aとの接続部近傍に、局所的に電流密度が小さくなる極大領域L1が形成される。他方、電流経路10b2において、局所的に電流密度が大きくなる極大領域H1が形成される。
このように、第2の実施形態に係る電流検出装置の第3の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第2の実施形態に係る電流検出装置の第3の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
次に、図15を参照して、第2の実施形態に係る電流検出装置の第4の変形例について説明する。図15は、第2の実施形態に係る電流検出装置の第4の変形例の模式的平面図である。図15に示したスリット16は、平面視で点対称な階段形状を有している。具体的には、y軸プラス側を上側とした場合、スリット16は、x軸プラス側に進むにつれて上る階段形状を有する。より具体的には、スリット16は、蹴上部16aと、踏面部16bと、蹴上部16cと、踏面部16dと、蹴上部16eとを有する。蹴上部16aと、踏面部16bと、蹴上部16cと、踏面部16dと、蹴上部16eとは、この順に接続している。蹴上部16aは、y軸プラス側に略一直線状に延びて、踏面部16bは、蹴上部16aのy軸プラス側端部からx軸プラス側に略一直線状に延びる。蹴上部16cは、踏面部16bのx軸プラス側端部からy軸プラス側に略一直線状に延びて、踏面部16dは、蹴上部16cのy軸プラス側端部からx軸プラス側に略一直線状に延びる。蹴上部16eは、踏面部16dのx軸プラス側端部からy軸プラス側に略一直線状に延びる。
スリット16は、バスバー10の長手方向に対して斜めに延びるスリットの一例である。スリット16は、蹴上部16aのy軸マイナス側端部から蹴上部16eのy軸プラス側端部まで、バスバー10の長手方向に対して斜めに延びる。
図15に示すように、バスバー10に電流を流すと、電流経路10a1において、局所的に電流密度が大きくなる極大領域H2が形成される。他方、電流経路10a3において、蹴上部16eと踏面部16dとの接続部近傍に、局所的に電流密度が小さくなる極大領域L2が形成される。
電流経路10b1における幅Wb1は、電流経路10b2における幅Wb2よりも大きい。幅Wb2は、電流経路10b3における幅Wb3よりも大きい。電流経路10aの幅Wbは、y軸プラス側に進んで、電流経路10b1から電流経路10b2に入ると、幅Wb1から幅Wb2まで段階的に小さくなり、さらにy軸プラス側に進んで、電流経路10b2から電流経路10b3に入ると、幅Wb2から幅Wb3まで段階的に小さくなる。
図15に示すように、バスバー10に電流を流すと、電流経路10b1において、踏面部16bと蹴上部16aとの接続部近傍に、局所的に電流密度が小さくなる極大領域L1が形成される。他方、電流経路10b3において、局所的に電流密度が大きくなる極大領域H1が形成される。
このように、第2の実施形態に係る電流検出装置の第4の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、バスバー10の強度の低下を抑制しつつ、検出感度を調整することができる。
ここで、第2の実施形態に係る電流検出装置の第4の変形例でも、第1の実施形態に係る電流検出装置と同様に、大型化を招くことなく、かつ、容易に検出感度を下げることができる。
10a、10a1〜10a3、10b、10b1〜10a3、10c 電流経路
11、11a、11b、12、13、14、15、16 スリット
20 磁気センサ素子
H1〜H3 極大領域
L1〜L4 極小領域
Claims (5)
- バスバーと、
前記バスバーを流れる電流によって前記バスバーの周囲に発生する磁界を検出する磁気センサ素子と、を備えた電流検出装置であって、
前記バスバーには、前記バスバーの長手方向に対して斜めに延びたスリットが1本もしくは複数本設けられており、
前記磁気センサ素子が、前記バスバー上において前記スリットの近傍に配置された、
電流検出装置。 - 前記磁気センサ素子が、
前記スリットによって分岐された電流経路の1つにおいて、最も幅が狭くなっている位置の近傍に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の電流検出装置。 - 前記磁気センサ素子が、
前記スリットによって分岐された電流経路の1つにおいて、最も幅が広くなっている位置の近傍に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の電流検出装置。 - 前記スリットが、1本であって、かつ、平面視で点対称な形状を有しており、
前記スリットによって分岐された2つの電流経路が、前記スリットの対称中心に関して互いに点対称な位置関係にあることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電流検出装置。 - 前記スリットが、平面視でS字形状を有していることを特徴とする、
請求項4に記載の電流検出装置。
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