JP2016109611A - 変位計測装置 - Google Patents

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Shigekazu Yokoyama
重和 横山
朋哉 杉田
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Abstract

【課題】 装置構成が簡素でコンパクトであり、設置場所が限定されず、面外方向に大きな変形が生じた場合でも装置自体に無理な力を受けることなく、高い精度で構造体の層間変位を計測することができる変位計測装置を提供する。【解決手段】 変位計測装置1を構成する斜材2は、本体筒部21の片端にリニアブッシュ5を介してリニアシャフト6が取り付けられ、リニアシャフト6がその一部を本体筒部21の内側に抜き差しさせながら本体筒部21と同一軸線上を摺動するように構成される。斜材2の両端部は、任意の向きに屈曲可能なリングボール4を介して下層階(基礎91)と上層階(床梁92)とにそれぞれ接合される。斜材2の伸縮変位は、リニアブッシュ5の近傍にて本体筒部21またはリニアシャフト6の一方に添設した変位計3が、本体筒部21またはリニアシャフト6の他方に設けた測定点との間の軸方向変位を計測することにより得られる。【選択図】 図1

Description

本発明は、建物その他の構造物に地震等による外力が作用した場合、該構造物に生じる水平方向の変位を検出して測定する変位計測装置に関する。
建物が地震や強風等による外力を受けたときに生じる揺れ(加速度)や変形量を検出して記録する装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1の図1、2等には、共同住宅建物の界壁に儲けられる柱梁構面内に、耐震要素である一対のブレースと低降伏点鋼材等からなるリンク材とを組み合わせたダンパー装置(ブレースダンパー)を取り付け、建物の揺れによってリンク部材が塑性変形したときの変形量を、リンク材に取り付けた変位履歴確認センサを用いて検出する、という構成が開示されている。
さらに、同じ特許文献1の図12には、柱梁構面内に一組のブレースを斜めに取り付けて、その略中間部の一部分を低降伏点鋼材等からなるリンク部材とし、このリンク部材にラックピニオン式の変位履歴確認センサを取り付けて、リンク部材の伸縮変形量を検出する構成が開示されている。
また、特許文献2の図1には、構造物の柱梁架構内に、片持ちの作動部材とガイド部材とを略T字形に組み合わせて、その係合箇所にスライド部材を取り付けた変形記録装置を設置し、架構が揺れると作動部材の自由端がスライド部材をガイド部材に沿って移動させ、その最大変位の位置にスライド部材が残されることによって変位量が記録される、という構成が開示されている。
さらに、同じ特許文献2の図7には、ワイヤーロープとその巻取装置によって構成したスライド部材を柱梁架構内の対角線上に張設し、ワイヤーロープを挿通させるようにして架構に固定した作動部材と、この作動部材を挟むようにしてワイヤーロープに摺動自在に留め付けた2個のスライド部材とによってワイヤーロープの伸縮変位を記録するようにした構成が開示されている。
特開2001−208508号公報 特開平10−122912号公報
特許文献1の図1、2および図12に開示されたブレースダンパー型の変位計測装置はいずれも、該装置を構成するブレース自体が地震力等の作用を減衰させるための制振要素であるから、構造物の規模に応じて、それなりの大きさや強度を備える必要がある。しかも、制振要素としてのブレースは、構造物の形状に応じて、制振効果が最も効果的に発揮される位置に取り付けられる必要があるから、設置できる箇所も限定されてしまう。
さらに、ブレースと柱梁構面との接合箇所は、ブレースが柱梁構面内でしか変位できない(変形範囲が二次元に限定される)ピン節点とされるのが通常である。したがって、該構面に面外方向の外力が作用すると、該節点に無理な力が加わって変位の計測精度が低下するおそれがある。また、面外方向の外力が何度も繰り返して加わった場合には、ブレースと柱梁構面とのボルト接合箇所に変形や破損が生じるおそれもある。
一方、特許文献2の図1および図7に開示された変形記録装置はいずれも、装置自体が地震力等の作用を減衰させるための制振要素ではなく、また、面外方向の外力が作用しても装置自体に無理な力は加わらない構造になっている。したがって、特許文献1に開示された制振要素としての装置に比べると、装置の構成を簡素にして軽量化できるはずである。
しかしながら、図1の装置では、片持ちの作動部材が、下梁に対して直立した姿勢を保持したまま、架構と一体的に変位しなければならない。したがって、作動部材は高い剛性を備えるように形成される必要があり、かつ、その固定端は下梁に対して強固に固定される必要があるから、装置自体がやはり大きく頑強なものにならざるを得ない。それでも、地震等によって架構が変形するほどの水平力を受けると、作動部材もそれ自体が撓みながら一定範囲で揺動することは避けられないので、この装置構成によって高い計測精度を得るには無理がある。
一方、図7の装置は、スライド部材がワイヤーロープを利用して形成されるとともに、作動部材と、それを架構側に固定する取付部材とがコンパクトに形成されるので、装置構成は簡素で軽いものになる。しかし、ワイヤーロープからなるスライド部材は、地震のような激しく細かい振動を受けると撓んだり揺れたりしやすいので、それによって計測誤差が大きくなる。また、ワイヤーロープからなるスライド部材を例えば壁内に設置した場合には、壁内に組み込まれる断熱材や内装下地材との接触を完全に避けることが難しく、それらとワイヤーロープとの接触によっても計測精度が低下してしまうおそれがある。
本発明はこれらのような事情に鑑みてなされたものであり、設置場所をあまり限定されず、装置全体の構成を簡素でコンパクトなものにすることができ、かつ、構面の面外方向に大きな変形が生じた場合でも装置自体には無理な力を受けることなく、高い精度で構造体の変位を計測することのできる変位計測装置を提供するものである。
前述の目的を達成するため、本発明の変位計測装置は、下層階と上層階との間に斜めに取り付けられて軸方向に伸縮し得る斜材と、前記斜材に取り付けられて前記斜材の伸縮変位を計測する変位計と、を具備し、前記斜材の両端部が、任意の向きに屈曲可能なリングボールを介して前記下層階と前記上層階とにそれぞれ接合された、との構成(請求項1)を採用する。
斜材の両端部を下層階と上層階とにそれぞれ接合するリングボールは、外輪と内輪とが球面接触をして任意の向きに屈曲、揺動する球面滑り軸受を利用した継手部材である。本発明においては、ボルト軸の一端に球状部を形成したボールスタッド(内輪)と、前記ボールスタッドの球状部を包持するホルダ(外輪)とを同一軸線上に配置して、軸方向の引張・圧縮荷重を負荷できるようにしたリングボールを、特に好適に利用することができる。
このような継手部材を介して下層階と上層階との間に斜材を取り付けると、下層階と上層階との間にどのような向きの変位が生じても、斜材の姿勢が素直に追従する。斜材がどの向きに傾斜しても、両端部に設けられたリングボールの屈曲作用によって斜材に作用する曲げ応力が解放されるので、下層階および上層階と斜材との接合箇所には無理な力が加わらず、したがって該接合箇所や斜材自体に変形や破損が生じるのも防ぐことができる。
さらに、本発明の変位計測装置は、前記斜材が、中空状の本体筒部を有し、前記本体筒部の片端にリニアブッシュを介してリニアシャフトが取り付けられ、前記リニアシャフトがその一部を前記本体筒部の内側に抜き差しさせながら本体筒部と同一軸線上を摺動し得るように保持された、との構成(請求項2)を採用する。
本発明において、斜材の本体筒部は、通常の層間変位の範囲内では変形しない剛体と見做すことができるので、一般的に剛体として扱うことのできる鋼製の管材等を用いて安価に形成することができる。
本体筒部の片端に取り付けられるリニアブッシュは、スライドブッシュ、あるいはボールブッシュとも称される筒型の直動軸受である。剛体と見做しうる本体筒部の片端に、リニアブッシュを介してリニアシャフトを摺動自在に挿着することにより、本体筒部とリニアシャフトとの合計長さをきわめて軽微な力で滑らかに増減させることができる。
さらに、本発明の変位計測装置は、前記変位計が、前記リニアブッシュの近傍にて前記本体筒部または前記リニアシャフトのいずれか一方に添設され、前記本体筒部または前記リニアシャフトの他方に設けた測定点との間の軸方向変位を計測する、との構成(請求項3)を採用する。
斜材自体の伸縮変位を計測するための変位計としては、本体筒部とリニアシャフトの所定位置間の距離の変化を測定する変位計(測長器、測長センサ)を好適に利用することができる。その種の変位計としては、ひずみゲージ式、電気接点摺動式、レーザ干渉式、ギヤを利用する機械式など、各種公知の機器が利用可能である。また、本体筒部またはリニアシャフトに設ける測定点については、変位計の仕様や形状に応じて適宜、設定することができる。
このように構成される本発明の変位計測装置は、計測精度が高いゆえに、斜材を従来ほど傾斜させなくてもよい。すなわち、斜材が鉛直方向に対し10度から20度傾斜した角度で設置されれば、実用上十分に精度の高い計測値を得ることができる。これにより、装置全体を、従来に比して格段にコンパクトな構成とすることができる。
上述のように構成される本発明の変位計測装置は、斜材の両端部が任意の向きに屈曲可能なリングボールを介して下層階と上層階とにそれぞれ接合されるので、下層階と上層階との間にどのような向きの変位が生じても、斜材の姿勢がその向きに無理なく追従する。この斜材は地震等による外力を負担しないので、下層階および上層階と斜材との接合箇所には無理な力が加わらず、したがって、該接合箇所や斜材自体に変形や破損が生じるのも防ぐことができる。
これにより、装置全体の構成を簡素でコンパクトなものにすることができるとともに、斜材の伸縮変位を高い精度で計測することが可能になる。
さらに、斜材を、中空の本体筒部の片端にリニアブッシュを介してリニアシャフトを抜き差しさせるように構成すれば、斜材全体をきわめて軽微な力で滑らかに伸縮させることができるので、その結果、伸縮変位の計測精度が一層、向上する。
このように構成された、コンパクトながらも高い計測精度が得られる本発明の変位計測装置は、従来よりも設置場所が制限されず、設置に要する幅も小さくて済むので、例えばパイプスペースや物置、間仕切り壁の内側といった狭い空間にも設置することが可能になる。設置場所の自由度が拡大することにより、建物の空間活用効率が向上し、装置の日常的なメンテナンスも容易になる。
本発明の実施の形態にかかる変位計測装置の全体的構成を示す正面図である。 前記変位計測装置の下端近傍部分を拡大して示す一部破断正面図である。 前記変位計測装置の下端近傍部分を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1〜図3は本発明の実施に形態にかかる変位計測装置1を示す。例示の変位計測装置1が設置されているのは、鉄骨構造躯体を有する2階建て建物の1階部分である。この建物における基礎91の天面と、2階の床梁92の下面との間に、1階の床面93および天井面94を貫通するようにして、変位計測装置1が斜めに設置されている。例示形態における変位計測装置1の鉛直方向に対する傾斜角は約10度である。
なお、図1の紙面と直交する向きにも、図示しないもう一組の変位計測装置が設置されている。実際は、傾斜の向きが異なる二組の変位計測装置から得られた計測値をベクトル方向に合わせて演算処理することにより層間変位を算出する。ただし、二組の変位計測装置は、設置される向きが水平面視において互いに角度をもって配置されているだけで、装置自体の構成は同一なので、以下、その一方についてのみ説明する。
変位計測装置1は、軸方向に伸縮し得る斜材2と、斜材2の伸縮変位を計測する変位計3とを具備し、斜材2の下端部および上端部が、任意の向きに屈曲可能なリングボール4を介して、基礎91および2階の床梁92にそれぞれ接合されている。
斜材2は、その長さ方向における大半部分が数cm幅の角形鋼管を利用して形成された中空状の本体筒部21となっている。図2に示すように、本体筒部21の下端には、その下端開口を塞ぐ略矩形または略円形の下端エンドプレート22が溶接等によって固定されている。下端エンドプレート22の中央には円形の孔部23が形成されており、その孔部23内にリニアブッシュ5が取り付けられている。
リニアブッシュ5は、円筒形の軸受部51と、その片端面から張り出す略矩形または略円形のフランジ部52とを有している。軸受部51の内面には数条の鋼球列53が設けられており、軸受部51の内径と合致する外径に形成されたリニアシャフト6が軸受部51内に挿入されて、鋼球列53に接触しながら軸方向に摺動するように保持される。この軸受部51が、その軸心を本体筒部21の軸心と合致させるようにして下端エンドプレート22の孔部23から本体筒部21内に挿入される。そして、リニアブッシュ5のフランジ部52と下端エンドプレート22との重合箇所が複数本の止めネジ54により締結され、リニアブッシュ5が本体筒部21と同軸状に結合される。
リニアシャフト6は、ステンレス鋼材等により形成された丸棒材で、外周面が平滑に仕上げられている。リニアシャフト6の一部はリニアブッシュ5の軸受部51を通じて本体筒部21の内側に収容され、軸受部51に案内されながら本体筒部21と同一軸線上を摺動して、本体筒部21から抜き差しされる。本体筒部21から露出したリニアシャフト6の下端には雄ネジ部61が形成され、この雄ネジ部61が下側のリングボール4に接合されている。
一方、図3に示すように、本体筒部21の上端には、その上端開口を塞ぐ略矩形または略円形の上端エンドプレート24が溶接等によって固定されている。上端エンドプレート24の中央には円形の孔部25が形成されており、その孔部25内に本体筒部21の内側からボルト部材26が挿し込まれている。ボルト部材26は、雄ネジ部27を本体筒部21の軸心上に突出させるようにして、上端エンドプレート24に固定されている。そして、このボルト部材26の雄ネジ部27に上側のリングボール4が接合されている。
下側のリングボール4と上側のリングボール4とは同じものである。リングボール4は、ボルト軸(シャンク)41の一端に球状部42を形成したボールスタッド(内輪)と、ボールスタッドの球状部42を包持するホルダ(外輪)43とを組み合わせた継手部材である。球状部42の表面とホルダ43の内面との球面接触により、ボルト軸41とホルダ43の軸とのなす角度が同一軸線状態を基準にして任意の向きに屈曲、揺動するように構成されている。ボルト軸41とホルダ43の軸とが同一軸線上に近い状態にあれば、軸方向の引張・圧縮荷重も一定程度負荷できる。ホルダ43の後部には、雌ネジ孔を有する首部44が設けられている。そして、この首部44に、下側ではリニアシャフト6の雄ネジ部61が、上側ではボルト部材26の雄ネジ部27が、それぞれ接合されている。
こうして上下両端にリングボール4、4が取り付けられた斜材2は、その両端に突出したリングボール4のボルト軸41を適宜の取付金具に接合することにより建物に取り付けられる。図1に示した取付金具7は、矩形その他、適宜の平面形状を有する板片に適宜の取付孔を形成してなる取付基板71と、取付基板71の中央付近に傾斜状態で固定された高ナット(長ナット)72とを具備している。そして、取付基板71が、例示形態にあってはコンクリート基礎91の天面と、鉄骨材からなる床梁92のウェブ下面に、それぞれ適宜のボルト・ナット等を利用して固定される。高ナット72の傾斜角は斜材2の傾斜角と合致しており、その高ナット72に上側および下側のリングボール4、4のボルト軸41、41がそれぞれ接合される。
こうして基礎91と床梁92との間に約1層分の高さで斜めに取り付けられた斜材2は、地震等の外力を受けて建物が水平方向に変形した際、リニアブッシュ5の軸受部51に沿ってリニアシャフト6を摺動させながら、また同時に上下のリングボール4、4を屈曲させながら、全長を伸縮させて建物の変形に追従する。リングボール4の球状滑動面や、リニアブッシュ5とリニアシャフト6との接触面が滑らかに動くことに加え、本体筒部21とリニアシャフト6とが同一軸線軸上に保持されていることも相俟って、斜材2の伸縮応答はきわめて鋭敏かつ軽快なものになる。
このような斜材2の伸縮変位を精度よく計測する手段として、例示形態では、略円筒状の外形を有するひずみゲージ式の変位計3を利用している。図2に示すように、変位計3は、その本体部分31がリニアシャフト6と平行になるように、リニアシャフト6の突出部分に適宜の保持部材32を介して添設されている。変位計3の上部からは細長い測定子33がリニアシャフト6と平行に付勢状態で突出し、その測定子33の先端が本体筒部21に設けた測定点に当接している。例示形態においては、本体筒部21の側面に略L字形の測定片34を添設して、その下面を測定点としている。そして、リニアシャフト6が本体筒部21内に抜き差しされたときの変位を、測定片34に当接する測定子33の出没変位によって計測する。その計測値は、変位計3の後部に接続されたケーブル35を経由して、例えば建物内の適所に設置された演算装置(図示せず)に送られ、該演算装置にて複数組の変位計測装置1から得られた計測値が演算処理され、その結果が適宜のモニタ(図示せず)等に表示されることになる。
このように構成された変位計測装置1は、斜材2の伸縮応答が鋭敏で、その伸縮変位を計測する変位計3の感度も十分に生かされるので、簡素な構造でありながらも、高い精度で構造体の層間変位を計測することができる。具体的には、例えば変位を計測しようとする建物部位の階高h=3100mmで、その建物部位に層間変形角r=1/200(建築基準法における構造設計上の基準値)の変形が生じたとすると、そのときの水平方向の層間変位δ=15.5mmになる。この層間変位を、鉛直方向に対し10度傾斜した斜材2の伸縮変位に置き換えると約2.7mmとなるが、本発明の変位計測装置1によれば、この精度レベルでの測定は十分に可能である。
このように、本発明の変位計測装置1は、一般的な建物に設置するならば斜材2の傾斜角は10度程度でよく、余裕を見ても傾斜角が20度程度あれば、実用的に十分な精度で層間変位を計測することができる。したがって、設置に要する幅も小さくて済む。
さらに、本発明の変位計測装置1は、地震力等を負担する耐震部材や制振部材ではないので、設置可能な場所は従来に比して大幅に拡がる。すなわち、本発明の変位計測装置1を設置することのできる上層階および下層階の部位には、構造物の構面を構成する各種横架材のほか、床や天井等の水平面材等が包含される。横架材については、外力を直接負担する梁、桁、土台、基礎その他の構造材(耐力要素)だけでなく、小梁、床根太、天井野縁等の非構造材(非耐力要素)も利用することができる。水平面材については、コンクリート躯体のスラブ、該コンクリート躯体に上塗りされた仕上げモルタル面、床構面に架設されたデッキプレートやALCパネル等からなる床版、床下地面や天井下地面に張設される構造用合板等を利用することもできる。
変位計測装置1は、前記各種の横架材や水平面材に適宜の取付金具等を介して直接、接合されてもよいし、実用的な接合強度が得られるならば、ブラケットや添え梁その他適宜の持出し部材を介して、躯体から多少離れた状態に設置されてもよい。それら取付金具や持出し部材の詳細な形態や構造も、相手側の部材の材質や形状に応じて適宜、設計されればよい。
このようにコンパクトで高精度という装置特性と設置面での自由度を活かして、本発明の変位計測装置を、例えばパイプスペースや物置、外壁や間仕切り壁の内側といった狭い場所に設置すると、建物の空間活用効率は一層、向上する。パイプスペースや物置の中に二組の変位計測装置を互いに向きを変えて設置する、といった態様も十分に可能であり、その場合は日常的なメンテナンスも容易になる。計測精度が高いので、二組の変位計測装置の向きを相違させる角度は90度でなくてもよく、例えば45度程度の角度でも実用的レベルでの計測は可能である。
また、壁の内側に設置する場合、斜材2の長さ方向における大半部分が筒状の本体筒部21により構成され、その片端にリニアシャフト6が抜き差しされるので、壁下地材や断熱材が本体筒部21の側面に多少接触しても計測精度にはほとんど影響が生じない。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、前述した実施の形態と同様の作用効果が得られる範囲において、各部の詳細な構造や形状は適宜改変可能である。例えば、リングボール4、リニアブッシュ5およびリニアシャフト6については、例示した部材だけでなく、類似の機能を有する公知汎用品の中から設置条件等に応じた仕様のものを適宜、選択して利用することができる。斜材2の本体筒部21には、角形鋼管に替えて丸鋼管を採用してもよい。また、変位計3をリニアシャフト6ではなく本体筒部21に取り付け、リニアシャフト6側に測定点を設けることもできるし、変位計3の取付位置を斜材2の下部ではなく上部にすることもできる。
[技術分野]欄に記載した「建物その他の構造物」とは、柱や壁体などの直立材と梁や桁などの横架材とを組み合わせて立体的に構築される建築構造物のほか、これに類する足場、スペースフレーム、イベント機材その他の仮設構造物や、工場等のプラント装置や機械設備、橋梁その他の土木構造物等、一定の大きさを有して地震や強風により振動あるいは変形するおそれのある、さまざまな立体的人工構築物を包含する。
また、本発明の変位計測装置は、地震や強風を原因とする振動・変形だけでなく、例えば水力や波力その他の自然力、あるいは機関の運動や交通振動といった人工的外力を原因とする振動・変形の計測にも活用することができる。
1 変位計測装置
2 斜材
21 本体筒部
3 変位計
4 リングボール
5 リニアブッシュ
6 リニアシャフト
7 取付金具
34 測定片(測定点)
91 基礎(下層階)
92 床梁(上層階)

Claims (4)

  1. 下層階と上層階との間に斜めに取り付けられて軸方向に伸縮し得る斜材と、
    前記斜材に取り付けられて前記斜材の伸縮変位を計測する変位計と、を具備し、
    前記斜材の両端部が、任意の向きに屈曲可能なリングボールを介して前記下層階と前記上層階とにそれぞれ接合されたことを特徴とする変位計測装置。
  2. 請求項1に記載の変位計測装置において、
    前記斜材は、中空状の本体筒部を有し、
    前記本体筒部の片端にリニアブッシュを介してリニアシャフトが取り付けられ、前記リニアシャフトがその一部を前記本体筒部の内側に抜き差しさせながら本体筒部と同一軸線上を摺動し得るように保持されたことを特徴とする変位計測装置。
  3. 請求項2に記載の変位計測装置において、
    前記変位計は、前記リニアブッシュの近傍にて前記本体筒部または前記リニアシャフトのいずれか一方に添設され、前記本体筒部または前記リニアシャフトの他方に設けた測定点との間の軸方向変位を計測することを特徴とする変位計測装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の変位計測装置において、
    斜材が、鉛直方向に対し10度から20度傾斜した角度で取り付けられたことを特徴とする変位計測装置。
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