JP4849558B2 - 層状構造体の層間変位計測方法及び装置 - Google Patents

層状構造体の層間変位計測方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は層状構造体の層間変位計測方法及び装置に関し、とくに多層建築物やフレーム構造を有する構造物等の層状構造体(一層の場合を含む。以下同じ)における層間水平変位を計測する方法及び装置に関する。
多層建築物(住宅、事務所、産業施設等)やフレーム構造を有する構造物(橋、スペースフレーム等)といった層状構造体が地震で被災した場合は、継続使用の可否や補修・補強の要否を判断するため、構造技術者が内部に立ち入って損傷状況を調査することで残存耐震性能(被災後の耐震性能)や被災度が判定される(非特許文献1参照)。地震発生後できるだけ早期に残存耐震性能を判定して構造体の使用者や通行人の危険を回避することが望ましいが、地震直後の混乱の中で技術者が現地に出向いて損傷状況を調査することは難しい場合も多く、多くの構造体が残存耐震性能不明のまま継続使用されるおそれがある。できるだけ早期に危険を回避するという社会的要請に応えるため、技術者が現地に出向かなくとも層状構造体の損傷状況を早期に評価できる技術の開発が望まれている。
技術者が現地に出向く必要のない手法として、層状構造体の特定の階(例えば最上階、中間階、1階等)に加速度計等の地震計(振動センサ)を設置し、その地震計で得られた加速度記録(波形)から地震による損傷状況を評価する手法が提案されている。例えば特許文献1は、構造物の地震被害度を判定する層(判定層)上と構造物近傍の地表面上とにそれぞれ振動センサを設置して振動データを測定し、構造物の判定層上で記録された振動データと構造物近傍の地表面上で記録された振動データとから判定層に地震時に発生する最大剪断ひずみ量を求める構造物の地震被害危険度判定方法を開示している。また、弾塑性変形能力を持つ制振部材等が組み込まれた層状構造体、例えば鋼材の塑性化を利用した鋼材ダンパ等の層間ダンパが組み込まれた建築物等(特許文献2参照)では、技術者が現地に出向くことなく層間ダンパの歪み記録から構造体の損傷度(健全性)を評価することができる。
特開平9−105665号公報 特開平8−277652号公報 国土交通省住宅局建築指導課監修「震災建築物の被災度区分判定基準および復旧技術指針」財団法人日本建築防災協会発行、2001年9月、pp.9-33
しかし、従来の地震計の加速度記録に基づく損傷評価手法は、層状構造体の層毎の損傷状況を適切に評価できない問題点がある。例えば特許文献1の方法では、地震計を設置した層の損傷状況は評価できるが、地震計を設置していない層の損傷状況を評価することは難しい。実験レベルでは地震計を設置した層の加速度波形から地震計を設置していない層の地震力応答を推定する研究も進められているが、実際の建築物等には未だ適用されていない。また、たとえ層状構造体の全層に地震計が設置されていても、地震計の加速度記録からでは各層の層間変位(下層階床面と上層階床面との相対水平変形量、例えば最大変形量や残存変形量)を精確に求めることができず、やはり層毎の損傷状況を適切に評価することは困難である。地震計の加速度記録を積分した各層の変形量から上下層の差分をとることで各層の層間変位を間接的に求めることは可能であるが、積分を介するために計測誤差の大きな層間変位しか得られないからである。また、各層の変形量に比べて層間の差分が小さい場合も、層間変位の計測精度が悪くなる。
これに対し、上述した層間ダンパの歪み記録に基づく損傷評価手法によれば、層間変形が集中する鋼材ダンパ等の歪みから各層の層間変位を求めることができるので、層状構造体の層毎の損傷状況を評価することが可能である。しかし、層間ダンパ等の制振装置が組み込まれた建築物は未だ限られており、層間変位を計測する仕組みとして一般の層状構造体に層間ダンパと同様な周辺装置を組み込むことは経済的に見合わない。層状構造体の層毎の損傷状況を早期に且つ適切に評価するためには各層の精確な層間変位に基づく評価が重要であり、一般の層状構造体にも容易に適用できる精確な層間変形の計測技術の開発が望まれている。
そこで本発明の目的は、層状構造体の層毎の層間変位を簡単に且つ精度よく計測できる方法及び装置を提供することにある。
図1及び図3(D)の実施例を参照するに、本発明による層状構造体の層間変位計測方法は、層状構造体1の各層又は任意層2iに、その層2i天井の柱梁結合部5又は梁3に一端がピン接合した第1棒状部材11とその層2i床の柱梁結合部5又は柱4に一端がピン接合した第2棒状部材12とを両部材11、12の自由端15で相互にピン対合させたトグル機構10iを配設し、その層2iのトグル機構10iの対合節点15とその層2 i の梁3との間に構造体1の高さ方向の変位計30iを接続し、変位計30iの計測値により層状構造体1の層間水平変位δiを求めてなるものである。
また、図1及び図3(D)の実施例を参照するに、本発明による層状構造体の層間変位計測装置は、層状構造体1の各層又は任意層2iに配設され且つその層2i天井の柱梁結合部5又は梁3に一端がピン接合した第1棒状部材11とその層2i床の柱梁結合部5又は柱4に一端がピン接合した第2棒状部材12とを両部材の自由端15で相互にピン対合させたトグル機構10i、その層2iのトグル機構10iの対合節点15とその層2 i の梁3との間に接続した構造体1の高さ方向の変位計30i、及び各変位計30iの計測値により層状構造体1の層間水平変位δiを算出する算出装置35を備えてなるものである。
好ましくは、図2及び図3(A)〜(C)に示すように、層状構造体1の各層又は任意層2iに一対のトグル機構10i、20iを配設し、変位計30iを一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に接続する。更に好ましくは、図1(C)、図2(C)及び図3(C)に示すように、変位計30iを、層状構造体1の各層又は任意層2iのトグル機構10i、20iの対合節点15を順次接続して高さ方向に架渡した1本の光ファイバセンサ32とする。
本発明による層状構造体の層間変位計測方法及び装置は、層状構造体1の各層又は任意層21に、その層2 i の天井の柱梁結合部5又は梁3に一端がピン接合した第1棒状部材11とその層2 i の床の柱梁結合部5又は柱4に一端がピン接合した第2棒状部材12とを各々の自由端15で相互にピン対合させたトグル機構10iを配設し、その層2iのトグル機構10iの対合節点15とその層2 i の梁3との間に構造体1の高さ方向の変位計30iを接続し、その層2iの層間水平変位δiをトグル機構10iの対合節点15の変形に置き換えて計測するので、次の効果を奏する。
(イ)トグル機構10iの棒状部材11、12の接合位置や長さを選択することで層間水平変位δiを任意の倍率で増幅させることができ、各層2iの最大変形、残留変形、時刻歴変形等を微小レベルから大きな歪みまで直接的に且つ精確に計測することができ、層間変形が小さい層2iにおいても精度よく層間水平変位δiを計測できる。
(ロ)一対のトグル機構10i、20iを配設し、一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続することで、梁3や柱4の変形に影響されない精確な層間水平変位δiを計測することが期待できる。
(ハ)また、トグル機構10iによって水平方向の層間変位δiを鉛直方向の変位に置き換えて計測することができ、層状構造体1の高さ方向に架渡した1本の光ファイバセンサで複数の層2iの層間水平変位δiを同時に計測することができる。
(ニ)トグル機構10iを利用することでコンパクトな装置とすることができ、例えば多層建築物のパイプ・スペース、エレベータ・シャフト、階段室等の吹き抜け空間や空スペースを利用して層間変位を計測することが可能であり、一般の層状構造体にも容易に低コストで適用できる。
(ホ)各層2iで直接計測した精度の高い層間変位(最大変形、残留変形、時刻歴波形など)を用いて層状構造体の損傷状況を評価することにより、被災度判定や残余耐震性能判定の精度を向上させることができ、評価にかかる時間の短縮も期待できる。
(ヘ)また、設計時に耐震性能の指標として各層2iの層間変位の解析を行っている場合は、各層2iで直接計測した層間変位と設計時の解析結果とを対応させることで、被災度判定や残余耐震性能判定の容易化・迅速化を図ることが期待できる。
図1(A)は、層状構造体1の各層21、22、23、……にそれぞれ1個のトグル機構101、102、103、……を配設した本発明の計測装置の実施例を示す。図示例のトグル機構10iはそれぞれ、層2iの梁3、3と柱4、4とで囲まれた架構内に配設され、架構天井の柱梁結合部5(例えば層21、22、23の柱梁結合部5C、5E、5G)に一端が回転支承等でピン接合した第1棒状部材11と、架構床の柱梁結合部5(例えば層21、22、23の柱梁結合部5B、5D、5H)に一端が回転支承等でピン接合した第2棒状部材12とを有し、各部材11、12の自由端15を回転支承等で相互にピン対合することにより構成されている。また図示例の計測装置は、トグル機構10iと共に、そのトグル機構10iの対合節点15とその層2iの梁3上の接続部位との間に架渡した変位計30iと、変位計30iの計測値を入力して各層2iの層間水平変位δiを算出する算出装置35とを有している。
同図(B)に示すように、地震により層状構造体1が振動すると各層2iの架構に変形が生じ、例えば層21において層22との層間変位δ1に応じて天井の柱梁結合部5Cが床の柱梁結合部5Bに対して水平方向に変形するが、トグル機構101が倍力機構(てこの原理)として働くので、トグル機構101の対合節点15を柱梁結合部5Bに対して柱梁結合部5Cよりも大きく変形させることができる。このため変位計30iは、層21の層間変位δ1をトグル機構10iの対合節点15の変形に変換して計測することにより、小さな層間変位δ1を増幅して検出することができる。また、図示例のようにトグル機構101の対合節点15と梁3との間に変位計30iを接続した場合は、水平方向の層間変位δ1を鉛直方向の変位に置き換えて計測することができ、小さな幅の装置によって水平方向の層間変位δ1を効率的に計測することが可能となる。ただし、変位計30iの接合部位は図示例に限定されず、例えば同図(D)に示すように、対合節点15と柱4との間、又は対合節点15と柱梁結合部5(例えば層21の床の柱梁結合部5A又は天井の柱梁結合部5F)との間に変位計30iを接続することも可能である。
各層2iにおけるトグル機構10iは、図1(A)及び(B)のように架構部の天井の柱梁結合部5と床の柱梁結合部5との間に斜め上下に架渡して配設する必要はなく、地震時に相対変形するような層2i上の異なる構造部材上の所定部位に架渡して設置すれば足り、層間水平変位δiの所望の増幅倍率や設置スペースに応じて配設位置を適宜に選択することができる。例えば図3(D)に示すトグル機構10iのように、一方の棒状部材11を梁3にピン接合し、他方の棒状部材12を柱4にピン接合してもよい。また図2(D)のトグル機構10iのように、一方の棒状部材11(又は12)を柱梁結合部5にピン接合し、その柱梁結合部5に対して相対変形する梁3に他方の棒状部材12(又は11)をピン接合してもよい。各層2iにおいてトグル機構10iを同一の配設位置とする必要はなく、層2i毎にトグル機構10iの配設位置を相違させてもよい。
またトグル機構10iの棒状部材11、12の長さや対合節点15の交差角度も、層間水平変位δiの増幅倍率や設置スペースに応じて適宜に選択することができる。棒状部材11、12の接合位置と長さが所定であればトグル機構10iの三角形状が定まるので、その対合節点15の変位から、棒状部材11、12の接合位置の水平変位すなわち層2iにおける層間変位δiを算出することができる。すなわち、トグル機構10iの棒状部材11、12の接合位置や長さを選択することで、層間水平変位δiの増幅倍率を任意に調節できると共に、本発明の計測装置を一般の層状構造体にも容易に適用できるコンパクトなものとすることができ、例えば多層建築物のパイプ・スペース、エレベータ・シャフト、階段室等の空スペースを利用して配置することも可能である。
トグル機構10iの対合節点15に接続する変位計30iとしては、とくに制限はなく従来技術に属する適当な変位計を使用できるが、例えば梁3又は柱4との間の距離の変位を高精度な電気信号として出力する差動トランス式の変位計、又は対向する梁3又は柱4との間の距離の変位を非接触で計測するレーザ変位計とすることができる。各変位計30iの出力信号は、例えばトグル機構10iの棒状部材11、12及び構造体1の構造部材上に配置した信号ケーブル31を介して算出装置35に伝送する。また後述するように、変位計30iとしてFBG方式、BOCDA方式、BOTDR方式等の光ファイバセンサ32を用いることができる。例えばトグル機構10iをパイプ・スペース、エレベータ・シャフト、階段室等の床のない吹き抜け空間に配置することで、光ファイバセンサ32の敷設の容易化を図ることができる。
算出装置35の一例は、各層2iの変位計30iに信号ケーブル31を介して接続されたコンピュータであり、例えばコンピュータの内蔵プログラムにより各変位計30iの計測値から各層2iの層間水平変位δiを算出する。コンピュータの記憶装置に各トグル機構10iの棒状部材11、12の接合位置と長さを記憶しておけば、各変位計30iの計測値からトグル機構10iの対合節点15の変位を求め、棒状部材11、12の接合位置及び長さで定まるトグル機構10iの形状と対合節点15の変位とから棒状部材11、12の接合位置の水平変位すなわち各層2iの層間変位δiを幾何学的に算出することができる。また、算出装置35に層状構造体1の各層2iの層間変位δiの限界値Riを記憶しておけば、算出した層間変位δiの限界値Riに対する比として層状構造体1の層間変位に関する残存耐震性能λi(=1−δi/Ri)を判定し、層状構造体1の損傷状況を評価することができる。
好ましくは、図2(A)、同図(D)及び図3(A)に示すように、層状構造体1の各層2iに2個のトグル機構10i、20iを組み合わせて配設し、2個のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続する。例えば図2(A)及び(D)のトグル機構20iは、トグル機構10iと同じ架構内に配設され、トグル機構10iと同じ柱梁結合部5及び梁3に一端がピン接合した第1棒状部材11、12を有し、各部材11、12の自由端15をトグル機構10iと反対方向に変形するようにピン対合したものである。トグル機構10iの対合節点15とトグル機構20iの対合節点15とを互いに異なる方向へ変形させることにより、その対合節点15、15の間に変位計30iを接続することで、図1の実施例に比して層21の層間変位δ1を一層増幅して検出することができ、層間変形が小さい層2iにおいても精度よく層間水平変位δiを計測することが期待できる。
なお、トグル機構20iは図2のようにトグル機構10iと同じ部位に架渡して配設する必要はなく、地震時に相対変形するような層2i上の異なる構造部材上の所定部位に架渡して設置すれば足りる。例えば図3(A)に示すトグル機構20iのように、一方の棒状部材11の一端をトグル機構10iと異なる梁3にピン接合し、他方の棒状部材12の一端をトグル機構10iと同じ柱4にピン接合し、両部材11、12の自由端15をトグル機構10iと異なる方向に変形するようにピン対合してもよい。トグル機構20iの両棒状部材11、12をそれぞれトグル機構10iと異なる柱4、梁3にピン接合することも考えられる。
また、トグル機構10iの対合節点15と梁3又は柱4との間に変位計30iを接続する図1の実施例では、地震により梁3又は柱4に変形が生じた場合に層間変位δiの計測値に誤差が生じる可能性があるのに対し、一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続した場合は、そのような梁3や柱4の変形に影響されない層間変位δiの精確な計測が期待できる。例えば図2(A)のように、各層2iの天井の柱梁結合部5と床の柱梁結合部5との間に架渡したトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続すれば、同図(B)のような地震時に梁3に変形が生じた場合でも、その変形による層間変位δiの計測誤差を避けることができる。また、図3(A)のように各層2iの梁3と柱4との間に架渡したトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続すれば、同図(B)のような地震による振動時に柱4に伸張等の変形が生じたとしても、柱4の変形に影響されにくい層間変位δiの計測が可能である。
本発明によれば、各層2iの層間水平変位δiをトグル機構10iの対合節点15の変形に置き換えることで増幅して計測することができ、微小レベルから大きな歪みまで層間水平変位δiを精確に計測することができる。また、各層2iに配設した一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間に変位計30iを接続することで、梁3や柱4の変形に影響されない層間変位δiの一層精確な計測も期待できる。更に、トグル機構10iを利用することでコンパクトな装置とすることができ、例えば多層建築物のパイプ・スペース、エレベータ・シャフト、階段室等の吹き抜け空間や空スペースを利用して層間変位を計測することが可能であり、一般の層状構造体1にも容易に低コストで適用できる。なお、図示例では層状構造体1の各層21、22、23、……にそれぞれトグル機構10、20を配設しているが、層状構造体1が1層である場合又は全層2の層間変位δを計測する必要がない場合は、層間変位δを計測すべき任意の特定層2iにのみ本発明の計測装置を設置すれば足りる。
こうして本発明の目的である「層状構造体の層毎の層間変位を簡単に且つ精度よく計測できる方法及び装置」の提供を達成することができる。
図1(C)、図2(C)及び(D)、図3(C)及び(D)は、層状構造体1の各層又は任意層2iのトグル機構11、12の対合節点15を順次接続して高さ方向に架渡したFBG方式、BOCDA方式、BOTDR方式等の光ファイバセンサ32を変位計30iとして用いた実施例を示す。トグル機構10iの利用により水平方向の層間変位δ1を鉛直方向の変位に置き換えて計測できる本発明では、図示例のように、層状構造体1の高さ方向に架渡した1本の光ファイバセンサ32により複数の層2iの層間水平変位δiを同時に計測することが可能である。
例えば、光ファイバ・コア部の所定部位に屈折率を周期的に変化させて形成したグレーティング(Grating)と呼ばれる回折格子からの反射光の波長のシフト量によって歪を計測するFBG方式の光ファイバセンサ32を用いた場合は、図1(C)及び図3(D)のようにトグル機構10iの対合節点15と梁3又は柱4との間にそれぞれ回折格子を配置し、或いは図2(C)及び図3(C)のように一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間にそれぞれ回折格子を配置する。また光ファイバセンサ32に、光信号を送出すると共に反射光波長を測定する歪計測器34と、その反射光波長のシフト量から各回折格子における歪量から各層2iの層間水平変位δiを算出する算出装置35を接続する。図示例のように、ループ状に配線した光ファイバ上に複数の回折格子を形成することにより、歪計測器34及び算出装置35において基本波長の違い或いは反射光波長の時間遅れによって何れの回折格子からの反射光であるかを識別し、複数の層2iの層間水平変位δiを同時に計測することができる。
また、光ファイバ内で発生するブリルアン散乱光(Brillouin)の周波数のシフト量によって光ファイバ全長にわたる歪み分布を計測できるBOTDR方式の光ファイバセンサ32を用いる場合は、パルス光を光ファイバに入射すると共にブリルアン散乱光を検出する歪計測器34を接続し、歪計測器34において、パルス光の入射から散乱光の検出までの時間(時間遅れ)によってブリルアン散乱光の発生部位を特定すると共に、そのブリルアン散乱光の周波数のシフト量から光ファイバ全体の連続的な歪み分布を計測する。また、BOCDA方式の光ファイバセンサ32を用いる場合は、光ファイバの両端から連続光を入射し、両光の相関を制御することでブリルアン散乱光の発生位置を制御し、その位置でのブリルアンゲインスペクトルから周波数のシフト量を得ることで歪を測定する歪計測器34を接続する。いずれの場合も、歪計測器34に算出装置35を接続し、算出装置35において光ファイバ全体の連続的な歪み分布から、図1(C)及び図3(D)におけるトグル機構10iの対合節点15と梁3又は柱4との間の変位、或いは図2(C)及び図3(C)における一対のトグル機構10i、20iの対合節点15、15の間の変位を求め、複数の層2iの層間水平変位δiを同時に計測することができる。
なお、光ファイバセンサ32を変位計30iとして用いる場合は、地震による変形によって光ファイバの切断等が発生しないように、トグル機構10i、20iの対合節点15をできるだけ一定方向に変形させることが望ましい。例えば図示例のように、光ファイバを係止する層状構造体1の各層2iのトグル機構10i、20iの対合節点15(及び各層2iの柱3iの係止部位)ができるだけ同一直線上に並ぶようにトグル機構10i、20iの棒状部材11、12の長さを選択することで、対合節点15ができるだけ一定方向に変形するようなトグル機構10i、20iとすることが可能である。
本発明の一実施例の説明図である。 本発明の他の実施例の説明図である。 本発明の更に他の実施例の説明図である。説明図である。
符号の説明
1…層状構造体 2…層
3…梁 4…柱
5…柱梁結合部
10、20…トグル機構 11…第1棒状部材
12…第2棒状部材 15…対合節点
30…変位計 31…信号ケーブル
32…光ファイバケーブル
34…歪計測器 35…算出装置

Claims (6)

  1. 層状構造体の各層又は任意層に当該層の天井の柱梁結合部又は梁に一端がピン接合した第1棒状部材と当該層の床の柱梁結合部又は柱に一端がピン接合した第2棒状部材とを両部材の自由端で相互にピン対合させたトグル機構を配設し、前記層のトグル機構の対合節点と当該層の梁との間に前記構造体の高さ方向の変位計を接続し、前記変位計の計測値により層間水平変位を求めてなる層状構造体の層間変位計測方法。
  2. 請求項1の計測方法において、前記層状構造体の各層又は任意層に一対の前記トグル機構を配設し、前記変位計を一対のトグル機構の対合節点の間に接続してなる層状構造体の層間変位計測方法。
  3. 請求項1又は2の計測方法において、前記変位計を、前記層状構造体の各層又は任意層のトグル機構の対合節点を順次接続して高さ方向に架渡した1本の光ファイバセンサとしてなる層状構造体の層間変位計測方法。
  4. 層状構造体の各層又は任意層に配設され且つ当該層の天井の柱梁結合部又は梁に一端がピン接合した第1棒状部材と当該層の床の柱梁結合部又は柱に一端がピン接合した第2棒状部材とを両部材の自由端で相互にピン対合させたトグル機構、前記層のトグル機構の対合節点と当該層の梁との間に接続した前記構造体の高さ方向の変位計、及び前記変位計の計測値により層間水平変位を算出する算出装置を備えてなる層状構造体の層間変位計測装置。
  5. 請求項5の計測装置において、前記層状構造体の各層又は任意層に一対の前記トグル機構を配設し、前記変位計を一対のトグル機構の対合節点の間に接続してなる層状構造体の層間変位計測装置。
  6. 請求項4又は5の計測装置において、前記変位計を、前記層状構造体の各層又は任意層のトグル機構の対合節点を順次接続して高さ方向に架渡した1本の光ファイバセンサとしてなる層状構造体の層間変位計測装置。
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