JP2010174550A - アクティブマスダンパー及び建築物 - Google Patents

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雅史 山本
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Abstract

【課題】回転連結部の少ない吊り支承方式のアクティブマスダンパー、及びこのアクティブマスダンパーを有する建築物を提供することを課題とする。
【解決手段】構造物12に設置されている構造体16に回転可能に吊り下げされた吊り部材32と、吊り部材32の下端部に固定された錘18とによって単振り子が構成されている。よって、風等により構造物12に発生する振動を抑制する制御力を、錘18の揺動により構造物12に水平方向に作用させ、構造物12に発生する振動を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、吊り支承方式のアクティブマスダンパー、及びこのアクティブダンパーを有する建築物に関する。
風や中小規模の地震等により建築物に発生する振動を低減する方法として、アクティブマスダンパーを用いた制振技術が提案されている。
アクティブマスダンパーは、直動レール支承、積層ゴム支承、吊り支承等の支承によって水平移動可能に支持された錘を油圧シリンダー等の駆動装置を用いて移動制御し、建築物に発生する振動を抑制する制御力を作用させる。これによって、建築物に発生する振動を低減することができる。
このようなアクティブマスダンパーにおいて制振効果(振動低減の割合)を高めるためには、支承に支持された錘が移動する際に生じる摩擦力を小さくして錘の移動制御の安定性を高くすることが有効である。
直動レール支承、積層ゴム支承、吊り支承の中でも吊り支承は、他の方式の支承と比べて錘の移動制御における摩擦力の影響(錘が移動する際に生じる摩擦力)が小さい支承である。
例えば、図18に示すように、特許文献1のマスダンパー系制振装置300では、構造物302上の架台304とマス308とに回転可能に連結された複数の揺動腕306によって、架台304にマス308が吊り下げられている。
そして、構造物302とマス308とを連結する駆動装置310によってマス308を水平移動させ、風や中小規模の地震等により構造物302に発生する振動を抑制する制御力を構造物302に作用させる。
マスダンパー系制振装置300のような平行振り子は複数の揺動腕306を有するので、この揺動腕306と、マス308及び架台304とを連結する回転可能な連結部(以下、「回転連結部」とする)の数が多くなってしまう(図18では、4つの回転連結部が示されている)。
一般に、平行振り子の回転連結部には、この回転連結部に生じる回転摩擦を小さくするために回転ベアリングが設けられるが、制振効果(振動低減の割合)を高めるためには、これらの回転ベアリングを精度よく取り付ける必要がある。
また、回転ベアリングは、マスダンパー系制振装置300の装置コストの大きな部分を占める高価な部品であることが多い。
よって、回転連結部の数が増えると施工手間が掛かり、装置コストが高くなってしまう。さらに、メンテナンス作業も煩雑になることが懸念される。
特開平8−35916号公報
本発明は係る事実を考慮し、回転連結部の少ない吊り支承方式のアクティブマスダンパー、及びこのアクティブマスダンパーを有する建築物を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、構造物に設置された構造体と、下端部に錘が固定され、前記構造体に回転可能に連結され吊り下げられて単振り子を構成する吊り部材と、前記錘を揺動させる駆動手段と、を有する。
請求項1に記載の発明では、構造物に構造体が設置されている。構造体には、吊り部材が回転可能に連結され吊り下げられている。吊り部材の下端部には錘が固定されている。そして、構造体に回転可能に吊り下げされた吊り部材と、錘とによって単振り子が構成されている。錘は、駆動手段によって揺動する。
よって、風等により構造物に発生する振動を抑制する制御力を、錘の揺動により構造物に水平方向に作用させ、これによって、構造物に発生する振動を低減することができる。
一般に、吊り支承により錘が支持されるアクティブマスダンパーでは、構造体に錘を吊り下げる吊り部材と、構造体及び錘との回転連結部に回転ベアリングを設けるが、アクティブマスダンパーの制振効果(構造物に発生する振動を低減する割合)を高めるためには、これらの回転ベアリングを精度よく取り付けて回転ベアリングに生じる回転摩擦を小さくする必要がある。
これに対して請求項1のアクティブマスダンパーでは、吊り部材が構造体に回転可能に連結される回転連結部が1つなので、取り付ける回転ベアリングの数を最小限に止めることが可能となる。すなわち、回転ベアリングを取り付ける施工手間を減らすことができ、さらに、回転ベアリングのメンテナンス作業の煩雑さも低減することができる。
請求項2に記載の発明は、前記構造物に発生する振動を計測する振動計測手段と、前記振動計測手段により計測された振動に基づいて、前記構造物に作用させる制御力を求める演算手段と、を有し、前記駆動手段は、駆動力を発生させて前記錘を揺動し前記構造物に前記制御力を作用させる。
請求項2に記載の発明では、アクティブマスダンパーは、振動計測手段及び演算手段を有している。振動計測手段は、構造物に発生する振動を計測する。演算手段は、振動計測手段により計測された振動に基づいて、構造物に作用させる制御力を求める。
そして、駆動手段により発生させる駆動力によって錘を揺動し、この錘の揺動によって構造物に制御力を作用させる。
よって、請求項2のアクティブマスダンパーでは、吊り部材が構造体に回転可能に連結される回転連結部が1つなので、例えば、平行振り子と比べて回転連結部に発生する摩擦力のトータルの大きさが小さくなる。すなわち、小さなエネルギー損失で駆動手段の駆動力を制御力に変換することができ、駆動手段による錘の移動制御の安定性を高くすることが可能となる。そして、これによって、アクティブマスダンパーによる制振効果(振動低減の割合)を高めることができる。
また、小さなエネルギー損失で駆動手段の駆動力を制御力に変換することができるので、駆動力の小さい駆動手段を用いることができる。
請求項3に記載の発明は、前記駆動手段は、前記構造体に取り付けられ前記吊り部材に回転力を付与するモーターである。
請求項3に記載の発明では、駆動手段は、構造体に取り付けられたモーターである。このモーターにより吊り部材に回転連結部回りの回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘を揺動する。
よって、モーターのトルクを変更することにより、錘の水平方向の移動加速度を制御し、これによって制御力を調整することができる。
また、モーターの回転力を、吊り部材に作用させる回転連結部回りの回転力に変換するので、力を滑らかに伝達することができる。
また、回転連結部付近に駆動手段(モーター)を設けるので、コンパクトなアクティブマスダンパーを構成することができる。
請求項4に記載の発明は、前記駆動手段は、前記吊り部材と前記構造体とに回転可能に連結され伸縮可能なアーム部材である。
請求項4に記載の発明では、駆動手段は、伸縮可能なアーム部材である。このアーム部材は、吊り部材と構造体とに回転可能に連結されている。そして、アーム部材の伸縮により吊り部材に回転連結部回りの回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘を揺動する。
よって、錘を揺動させるために回転連結部回りに作用させるモーメントは、アーム部材が吊り部材に連結されている位置から回転連結部までの距離に、アーム部材の伸縮により発生させる力を掛けた値になる(てこの原理)ので、アーム部材が吊り部材に連結されている位置から回転連結部までの距離を大きくすることにより、作用させる力の小さいアーム部材を用いることができる。
請求項5に記載の発明は、前記吊り部材は、前記構造体に設けられた自在継ぎ手によって該構造体に回転可能に連結されている。
請求項5に記載の発明では、吊り部材が、構造体に設けられた自在継ぎ手によってこの構造体に回転可能に連結されているので、1つのアクティブマスダンパーだけで、平面視にて直交する2方向に対して水平方向の制御力を作用させることができる。
請求項6に記載の発明は、前記駆動手段は、前記吊り部材を前記構造体に回転可能に連結する回転連結部から離れた該吊り部材の端部を横移動させる移動手段である。
請求項6に記載の発明では、駆動手段としての移動手段が、吊り部材を構造体に回転可能に連結する回転連結部から離れた位置である吊り部材の端部を横移動させる。そして、吊り部材の端部の横移動により吊り部材に回転連結部回りの回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘を揺動する。
よって、錘を揺動させるために回転連結部回りに作用させるモーメントは、移動手段によって横移動する吊り部材の端部から回転連結部までの距離に、移動手段から発生させる力を掛けた値になる(てこの原理)ので、移動手段によって横移動する吊り部材の端部から回転連結部までの距離を大きくすることにより、作用させる力の小さい移動手段を用いることができる。
請求項7に記載の発明は、前記構造体は、前記構造物の最上階に設けられている。
請求項7に記載の発明では、構造体を構造物の最上階に設けることによって、風等が構造物に作用したときの変位(振動)が大きい構造物の最上階でアクティブマスダンパーにより構造物に制御力を作用させることができる。これにより、構造物に発生する振動を効果的に低減することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載のアクティブマスダンパーを有する建築物である。
請求項8に記載の発明では、回転連結部の少ない吊り支承方式のアクティブマスダンパーを有する建築物を構築することができる。
本発明は上記構成としたので、回転連結部の少ない吊り支承方式のアクティブマスダンパー、及びこのアクティブマスダンパーを有する建築物を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る建築物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す正面図及び側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る同定手段及び制御手段を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る同定方法を示す線図である。 本発明の第1の実施形態に係る建築物の振動モデルを示す説明図である。 従来のアクティブマスダンパーを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーの変形例を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーの変形例を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーの変形例を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクティブマスダンパーの変形例を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアクティブマスダンパーの変形例を示す正面図である。 図15のC−C矢視図である。 本発明の第4の実施形態に係るアクティブマスダンパーを示す正面図及び側面図である。 従来のマスダンパー系制振装置を示す説明図である。
図面を参照しながら、本発明のアクティブマスダンパー及び建築物を説明する。なお、本実施形態では、鉄筋コンクリート造の建築物に本発明を適用した例を示すが、さまざまな構造や規模の建築物に対して適用することができる。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1の立面図に示すように、地盤10上に、構造物としての鉄筋コンクリート造の建築物12が建てられている。建築物12の最上階となる屋上階14には、構造体としての架構16が設置されている。
図1、及び図2の平面図に示すように、架構16は、鉄骨の柱20と、柱20間に架け渡された鉄骨の大梁22、24とによって構成され、ブレース26等によって補強されている。なお、架構16は、後に説明する錘18を確実に支持して吊り下げられる構造体であればよい。
大梁22間には鉄骨の小梁28が架け渡されており、この小梁28の下面には、鋼製のベースプレート30が取り付けられている。
図2のA−A矢視図である図3(a)、及び図2のB−B矢視図である図3(b)に示すように、アクティブマスダンパー48では、ベースプレート30(架構16)には、鋼製の吊り部材32が吊り下げられている。吊り部材32は、貫通孔34が形成された回転部36と、この回転部36と一体となって下方に開脚状に延びる角パイプ38A、38Bとによって構成されている。
角パイプ38A、38Bの下端部は、鉄筋コンクリートによって形成された錘18に固定されている。
図3(b)に示すように、ベースプレート30の下面には、回転ベアリング42が取り付けられた鋼製の軸受け部材40A、40Bが、吊り部材32の回転部36を挟み込むようにして固定されている。
ベースプレート30の下面には、駆動手段としてのモーター44が取り付けられており、このモーター44の回転軸46が、軸受け部材40Aに取り付けられた回転ベアリング42、吊り部材32の回転部36に形成されている貫通孔34、及び軸受け部材40Bに取り付けられた回転ベアリング42を貫通している。
さらに、回転軸46は、貫通孔34に固定されている。そして、回転軸46を回転させることによって、吊り部材32(回転部36)に回転連結部回りの(回転軸46の材軸を回転中心にした)回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘18を円弧状に揺動して建築物12に水平方向の制御力を作用させる。
ここで、回転連結部とは、吊り部材32が架構16(ベースプレート30)に連結されている部分を意味する。すなわち、図3(b)では、回転軸46を介して、軸受け部材40A、40Bに、回転部36を連結している連結機構が回転連結部となる。
このように、アクティブマスダンパー48では、下端部に錘18が固定された吊り部材32が、構造体としての架構16に回転可能に連結され吊り下げられて単振り子を構成している。
さらに、アクティブマスダンパー48は、図1に示すように、振動計測手段としてのセンサー50及び演算手段としての制御装置52を有している。センサー50は、建築物12に発生する振動を計測する。センサー50は、制御力の発生源であるアクティブマスダンパー48の近くに配置するのが好ましい。
制御装置52には、図4(a)に示すように、同定手段54及び制御手段56が備えられており、センサー50により計測された振動に基づいて、建築物12に作用させる制御力を求める。
同定手段54は、錘18の揺動により建築物12へ作用させた制御力と、この制御力を作用させた後にセンサー50で計測した振動とに基づいて、建築物12の建物特性を同定する。なお、建物特性とは、建築物12の質量、固有周期及び減衰定数のことを意味する。
制御手段56は、同定手段54により同定された建築物12の建物特性と、建築物12に発生した振動とに基づいて、建築物12に発生した振動を抑制する制御力を求め、この制御力が得られるようにモーター44を駆動し回転力(駆動力)を発生させて錘18を揺動する。
図4(a)のブロック図には、同定手段54によって建築物12の建物特性(質量M、固有周期T、及び減衰定数h)を求めるフロー、及び制御手段56によって制御力uを求めるフローが示されている。
また、図4(a)に示された外乱は、建築物12に作用する風や地震等により建築物12に作用する力を意味し、Wは、建築物12に発生しセンサー50で計測された振動波形を示している。
次に、建築物に発生する振動の制御方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、建築物12の屋上階14上にアクティブマスダンパー48を設置する(アクティブマスダンパー設置工程)。
図3(a)、(b)で示したアクティブマスダンパー48は、モーター44の回転軸46の材軸と直交する水平方向に発生する1方向の振動に対して振動低減効果を発揮する装置なので、低減対象となる振動の方向とモーター44の回転軸46の材軸とが直交するようにアクティブマスダンパー48を設置する。なお、2方向の振動を低減対象とする場合には、2つのアクティブマスダンパー48を設置すればよい。
次に、図4(a)で示した同定手段54によって、センサー50で計測した振動に基づいて建築物12の建物特性を同定する(建物特性同定工程)。
同定手段54によるこの同定は、アクティブマスダンパー48の稼働開始前に一度だけ行えばよい。例えば、建築物12の改修工事等でこの建築物12の建物特性が変わらなければ、この建築物12の竣工後に一度だけ行えばよい。
次に、建物特性同定工程が完了した後に、アクティブマスダンパー48の稼働を開始する。そして、センサー50で計測した振動と建築物12の建物特性とに基づいて、建築物12に発生した振動を抑制する制御力を求め、この制御力が得られるようにモーター44を駆動して回転力(駆動力)を発生させ、錘18を揺動する(振動制御工程)。これによって、建築物12に発生する振動を制御して低減することができる。
錘18を揺動させる際には、回転連結部に発生する摩擦力の大きさが小さいほど、小さなエネルギー損失でモーター44の駆動力を制御力uに変換することができ、錘18の移動制御の安定性を高くすることが可能となる。
なお、建物特性同定工程で同定される建物特性は、同定手段54以外の方法で求めてもよい。例えば、建築物12の建物特性を、他のアクティブマスダンパーによって同定した値としてもよいし、建築物12の構造設計及び設備設計等の設計データから計算した値としてもよいし、模擬実験から推測した値としてもよい。
また、建物特性同定工程において同定手段54により求める建物特性は、一般的に用いられている建物特性の同定方法を用いて求めればよい。例えば、日本建築学会大会学術講演梗概集、B−2分冊、1999年9月、山田聖治、西谷章「制御時の応答情報を利用した制御システムの再構築」、p.881−882に開示されている同定手法を用いて建物特性を求めてもよい。その他、より簡便な同定手法として、以下に説明する建築物12の建物特性を同定する方法を用いてもよい。
建築物12の建物特性を同定する場合には、図4(a)に示したブロック図の中の同定フロー(図4(b)の実線で示した部分)が機能する。
まず、建築物12に外乱がほとんど作用していないときに、図4(b)に示すように、アクティブマスダンパー48によって建築物12に制御力uを作用させる。
制御力uを作用させる方法は、駆動手段としてのモーター44を駆動し回転軸46を回転させることよって、吊り部材32(回転部36)に回転連結部回りの(回転軸46の材軸を回転中心にした)回転力(駆動力)を付与する。そして、この回転力(駆動力)によって錘18を円弧状に揺動し、建築物12に水平方向の制御力uを作用させる。
次に、アクティブマスダンパー48によって建築物12へ制御力uを作用させた後に建築物12から発生する振動波形Wをセンサー50で計測する。
これにより、図5に示すような振動波形Wが得られる。図5では、横軸をセンサー50による振動波形Wの計測時間tとしている。振動波形Wの値(図5の縦軸)は、加速度、速度及び変位の何れの値としてもよい。
次に、建築物12へ制御力uを加えるのをやめた時間t以降、振動波形Wは自由振動となるので、この自由振動となった振動波形Wから建築物12の固有周期Tを求め、さらに、振動波形Wの減衰特性(図5の二点鎖線)から減衰定数hを求める。なお、固有周期Tは、振動波形Wをフーリエ変換してピーク値から読み取ってもよい。
次に、運動方程式により建築物12の質量Mを求める。図6に示すように、建築物12の振動モデルを、質量Mの建築物12に外力Fが加えられた1質点系モデルと仮定し、建築物12の変位量をx、円振動数をω(=2π/T)、及びセンサー50による計測時間をtとした場合、運動方程式は式(1)となる。
Figure 2010174550
次に、振動波形Wから求めた固有周期T及び減衰定数hを式(1)に代入し、建築物12へ作用させた制御力uを外力Fとすると、図5に一点鎖線で示したような応答波形Wが得られる。
そして、この応答波形Wが振動波形Wに近似するような質量Mをシミュレーション解析によって求め、この値を建築物12の建物特性としての質量とする。なお、減衰定数hは、振動波形Wから概略値を求めて、同様のシミュレーション解析によって詳細な値を求めるようにしてもよい。
このようにして、図4(b)に示した同定手段54により、センサー50で計測した振動波形Wから建築物12の建物特性(建築物12の質量M、固有周期T及び減衰定数h)を同定する。
なお、図6では、建築物12の振動モデルを1質点系モデルと仮定したが、多質点系モデルと仮定してもよい。
また、振動制御工程において錘18の揺動により作用させる制御力uは、一般的に用いられている制御パラメータの演算手法を用いて求めればよい。例えば、日本建築学会構造系論文集、第514号、1998年12月、山本雅史、鈴木祥之「アクティブマスダンパーのストローク制約を考慮した極配置アルゴリズムによる実大構造物の制震に関する実験的研究」、p.127−132に開示されている制御パラメータの演算手法を用いてもよい。
建築物12に発生した振動を抑制する加振力uを求める場合には、図4(a)に示したブロック図の中の制御フロー(図4(c)の実線で示した部分)が機能する。
まず、図4(c)に示すように、アクティブマスダンパー48によって建築物12に制御力uを作用させる。
次に、アクティブマスダンパー48によって建築物12へ制御力uを作用させた後に建築物12から発生する振動波形Wをセンサー50で計測する。
次に、制御手段56により、センサー50で計測した振動と、建物特性同定工程により求めた建築物12の建物特性(建築物12の質量M、固有周期T及び減衰定数h)とに基づき、運動方程式によって建築物12に発生した振動を抑制する制御力uを求める。
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
第1の実施形態では、図1、及び図3(a)、(b)に示すように、風等により建築物12に発生する振動を抑制する制御力を、錘18の揺動により建築物12に水平方向に作用させ、これによって、建築物12に発生する振動を低減することができる。
図7に示すように、平行振り子方式の吊り支承により錘62が支持されるアクティブマスダンパー58では、一般に、建築物に設置された架構60に錘62を吊り下げる吊り部材64と、架構60及び錘62との回転連結部66に回転ベアリングを設けるが、アクティブマスダンパー58の制振効果(建築物に発生する振動を低減する割合)を高めるためには、これらの回転ベアリングを精度よく取り付けて回転ベアリングに生じる回転摩擦を小さくする必要がある。
これに対して、第1の実施形態で示した、単振り子方式の吊り支承により錘18が支持されるアクティブマスダンパー48では、図8に示すように、吊り部材32が回転可能に連結される回転連結部68が1つなので、取り付ける回転ベアリングの数を最小限に止めることが可能となる。すなわち、回転ベアリングを取り付ける施工手間を減らすことができ、さらに、回転ベアリングのメンテナンス作業の煩雑さも低減することができる。
また、図7のアクティブマスダンパー58の場合、4つの回転可動部66への回転ベアリングの取り付け精度、吊り部材64の製作精度(吊り部材64の回転可動部66間の長さ精度)、架構60の施工精度(架構60下面の水平度)を確保しなければならない。これに対して第1の実施形態のアクティブマスダンパー48(図8を参照のこと)は、1つの回転連結部68への回転ベアリングの取り付け精度を確保するだけでよい。
よって、吊り部材32を現場等(工場以外の場所)で製作することが可能となり、低コスト化を図ることができる。また、吊り部材32に対して高い製作精度を必要としないので、自由な吊り部材32の形状を選択することが可能となり、デザイン性を向上させることができる。
また、アクティブマスダンパー48のような単振り子方式の支承を用いた場合には、回転連結部68が1つなのに対して、アクティブマスダンパー58のような平行振り子方式の支承を用いた場合には、4つ以上の回転連結部66が必要となる。
回転連結部の数が少なくなれば、この回転連結部が負担する鉛直荷重のトータルの値も小さくなり(例えば、錘18、62の荷重をPとした場合、アクティブマスダンパー48の回転連結部68が負担する鉛直荷重のトータルの値はPとなり、アクティブマスダンパー58の回転連結部66が負担する鉛直荷重のトータルの値は2Pとなる)。これに伴って、回転連結部に生じる摩擦力のトータルの値も小さくなる。
すなわち、アクティブマスダンパー48は、アクティブマスダンパー58に比べて小さなエネルギー損失で、錘18を揺動させるために駆動手段から発生する駆動力を建築物12に作用させる制御力に変換することができ、錘18の移動制御の安定性を高くすることが可能となる。そして、これによって、アクティブマスダンパー48による制振効果(振動低減の割合)を高めることができる。
また、小さなエネルギー損失で駆動力を制御力に変換することができるので、駆動力の小さい駆動手段を用いることができる。
一般に、吊り支承により錘が支持されるアクティブマスダンパーは、錘の移動制御時における摩擦力の影響(錘を移動させるときに発生する摩擦力)が、直動レール支承や積層ゴム支承によって錘を支持する方式のアクティブマスダンパーよりも小さいものであるが、第1の実施形態のアクティブマスダンパー48では、これまで説明したように、回転連結部に生じる摩擦力のトータルの値をさらに小さくできるので、アクティブマスダンパーの制振効果(振動低減の割合)をより高めることができる。
また、回転駆動部に取り付けられる回転ベアリングのコストが、その回転ベアリングが負担する支持荷重の大きさに比例すると考えると、装置コストの低コスト化が図れる。
なお、回転ベアリングは、一般に、アクティブマスダンパーの装置コストの大きな部分を占める高価な部品であるので、回転ベアリングのコストを低く抑えることはアクティブマスダンパーの装置コストの低コスト化に有効となる。
また、駆動手段をモーター44としているので、モーター44のトルクを変更することにより、錘18の水平方向の移動加速度を制御し、これによって建築物12に作用させる制御力を調整することができる。
また、モーター44の回転力を、吊り部材32に作用させる回転連結部回りの回転力に変換するので、力を滑らかに伝達することができる。
また、回転連結部付近に駆動手段(モーター44)を設けるので、コンパクトなアクティブマスダンパーを構成することができる。
また、架構16を建築物12の最上階である屋上階14に設けることによって、風等が建築物12に作用したときの変位(振動)が大きい建築物12の屋上階14で、アクティブマスダンパー48により建築物12に制御力を作用させることができるので、建築物12に発生する振動を効果的に低減することができる。
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
なお、第1の実施形態では、錘18を鉄筋コンクリートによって形成した例を示したが、必要とする重量を確保できれば、錘18は、他の材料によって形成してもよい。また、吊り部材32と同様に、自由な形状を選択してデザイン性を向上させてもよい。
また、第1の実施形態では、単振り子によって錘18を揺動するアクティブマスダンパー48(図3(a)、(b)を参照のこと)の例を示したが、単振り子により錘を揺動して制御力を作用させることができるアクティブマスダンパーであればよく、例えば、図9〜12に示すアクティブマスダンパー70、72、74、76としてもよい。
本発明における単振り子とは、図8で示したように、下端部に錘が固定された吊り部材が1つの回転連結部で構造体に回転可能に連結されている振り子を意味し、図7で示したような、複数の回転連結部を有する平行振り子とは異なる。言い換えれば、単振り子とは、ある方向に錘が揺動するときの回転軸線(例えば、図3(b)の回転軸線V)が1つしか存在しない振り子を意味する。
よって、アクティブマスダンパー70、72、74、76の振り子は、錘18が揺動するときの回転軸線Vが1つしか存在しない単振り子となっている。
図9に示すアクティブマスダンパー70では、図3(a)で示した吊り部材32を対向して2つ配置し、それぞれの回転部36を架構16に回転可能に連結させている。そして、回転軸46を介して軸受け部材40A、40Bに回転部36を連結している2つの連結機構により1つの回転連結部を構成している。
図10に示すアクティブマスダンパー72では、図3(a)で示した吊り部材32を対向して2つ配置し、それぞれの回転部36を架構16に回転可能に連結させている。そして、回転軸46を介して、一方の軸受け部材40A、40Bに回転部36を連結している連結機構と、軸部材78を介して、他方の軸受け部材40A、40Bに回転部36を連結している連結機構との2つの連結機構により1つの回転連結部を構成している。アクティブマスダンパー72では、右側に配置されている吊り部材32の回転部36に回転ベアリング42が取り付けられており、この回転ベアリング42を貫通する軸部材78の両端が軸受け部材40A、40Bに固定されている。
図11に示すアクティブマスダンパー74では、図3(a)で示した吊り部材32を対向して2つ配置し、それぞれの回転部36を架構16に回転可能に連結させている。アクティブマスダンパー74では、2つのモーター44がベースプレート30の下面に取り付けられており、それぞれのモーター44の回転軸46を介して軸受け部材40A、40Bにそれぞれの回転部36を連結している。そして、回転軸46を介して軸受け部材40A、40Bに回転部36を連結している2つの連結機構により1つの回転連結部を構成している。
図12に示すアクティブマスダンパー76では、図3(a)で示した吊り部材32を対向して3つ配置し、それぞれの回転部36を架構16に回転可能に連結させている。そして、左側に配置された軸受け部材40A、40Bに軸部材78を介して回転部36を連結している連結機構と、右側に配置された軸受け部材40A、40Bに軸部材78を介して回転部36を連結している連結機構と、中央付近に配置されたモーター44の回転軸46に回転部36を固定し連結している連結機構との3つの連結機構により1つの回転連結部を構成している。
アクティブマスダンパー76では、左右側に配置されている吊り部材32の回転部36に回転ベアリング42が取り付けられており、この回転ベアリング42を貫通する軸部材78の両端が軸受け部材40A、40Bに固定されている。
図11のアクティブマスダンパー74では、2つのモーター44によって駆動力を発生させることができるので、個々のモーター44を小さな容量のモーターにすることができる。また、図12のアクティブマスダンパー76では、モーター44の回転軸46が負担する錘18の鉛直荷重を低減することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した駆動手段を油圧シリンダーにしたものである。したがって、第2の実施形態の説明において第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図13に示すように、第2の実施形態のアクティブマスダンパー88では、吊り部材32の回転部36に回転ベアリング42が取り付けられており、この回転ベアリング42を貫通する軸部材78の両端が軸受け部材40A、40Bに固定されている。この連結機構は、図10で示した、右側に配置した、吊り部材32のベースプレート30への連結機構と同様である。
ベースプレート30の水平方向右端部の下面に設けられたブラケット82と、吊り部材32の角パイプ38Bの回転部36付近に設けられたブラケット84とに伸縮可能なアーム部材としての油圧シリンダー80が回転可能に連結されている。すなわち、油圧シリンダー80が、吊り部材32と架構16とに回転可能に連結されている。
そして、油圧シリンダー80のロッド86の伸縮により吊り部材32に回転連結部(軸部材78の材軸)回りの回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘18を揺動する。
次に、本発明の第2の実施形態の作用及び効果について説明する。
図13に示すように、錘18を揺動させるために回転連結部(軸部材78の材軸)回りに作用させるモーメントは、油圧シリンダー80のロッド86が吊り部材32の角パイプ38Bに連結されている位置から回転連結部までの距離に、油圧シリンダー80から発生させる力を掛けた値になる(てこの原理)ので、油圧シリンダー80のロッド86が吊り部材32の角パイプ38Bに連結されている位置から回転連結部までの距離を大きくすることにより、作用させる力の小さい油圧シリンダー80を用いることができる。
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
なお、第2の実施形態では、駆動手段を油圧シリンダー80とした例を示したが、伸縮可能なアーム部材であればよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態で説明した油圧シリンダー80のロッド86を、吊り部材32の回転部36の上端部に連結したものである。したがって、第3の実施形態の説明において第2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図14に示すように、第3の実施形態のアクティブマスダンパー90では、軸部材78の材軸から回転部36の上端部までの長さが図13の場合よりも大きくなっている。移動手段(駆動手段)としての油圧シリンダー80のロッド86は、吊り部材32を架構16に回転可能に連結する回転連結部(軸部材78の材軸)から離れた位置である吊り部材32の回転部36の上端部に回転可能に連結されている。
そして、油圧シリンダー80のロッド86の伸縮により回転部36の上端部を横移動させ、これによって、吊り部材32に回転連結部(軸部材78の材軸)回りの回転力を付与し、この回転力(駆動力)によって錘18を揺動する。
次に、本発明の第3の実施形態の作用及び効果について説明する。
図14に示すように、錘18を揺動させるために回転連結部(軸部材78の材軸)回りに作用させるモーメントは、油圧シリンダー80のロッド86と吊り部材32の回転部36の上端部との連結部から回転連結部(軸部材78の材軸)までの距離に、油圧シリンダー80から発生させる力を掛けた値になる(てこの原理)ので、油圧シリンダー80のロッド86と吊り部材32の回転部36の上端部との連結部から回転連結部までの距離を大きくすることにより、作用させる力の小さい油圧シリンダー80を用いることができる。
例えば、駆動手段にモーターを用いたアクティブマスダンパーによって建築物の長周期の揺れを低減させる場合、低速で高トルクの減速機を製作する必要があるが、このような減速機は大型になるので製作が困難となる。これに対して、第3の実施形態のアクティブマスダンパー90では、「てこの原理」により、小型の駆動手段(油圧シリンダー等)を用いることができるので、コンパクトなアクティブマスダンパーを構成することができる。
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
なお、第3の実施形態では、移動手段を油圧シリンダー80とした例を示したが、吊り部材32を架構16に回転可能に連結する回転連結部(軸部材78の材軸)から離れた位置である吊り部材32の上端部を横移動させることができるものであればよい。例えば、図15、及び図15のC−C矢視図である図16のようにしてもよい。
図15のアクティブマスダンパー108では、図3(a)で示した吊り部材32を対向して2つ配置し、それぞれの回転部36を架構16に回転可能に連結させている。
モーター44の回転軸46には雄ネジ部96が形成されており、角柱状の移動部材94に形成された雌ネジ部98に雄ネジ部96が螺合されている。
移動部材94の両側面にはこの両側面から水平に張り出す円柱状の棒部材100が固定されている。回転部36には上下方向に延びる長穴102が形成されており、この長穴102に棒部材100が挿入されている。
さらに、移動部材94の上面には誘導部材104が設けられており、ベースプレート30の下面と平行に配置されたガイドレール106が誘導部材104に形成された誘導穴に挿入されている。ガイドレール106と誘導部材104の誘導穴との間に生じる摩擦力は出来るだけ小さい方が好ましい。
モーター44の回転軸46を回転させると、ガイドレール106が挿入された誘導部材104によって移動部材94の回転が拘束されるので、移動部材94は回転軸46の材軸方向へ移動する。これにより、吊り部材32の上端部を横移動させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態は、第2の実施形態で説明した吊り部材32を、架構16に自在継ぎ手(ユニバーサルジョイント)によって連結したものである。したがって、第4の実施形態の説明において第2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図17(a)の正面図、及び図7(a)のD−D矢視図である図7(b)に示すように、第4の実施形態のアクティブマスダンパー110では、図3(a)で示した吊り部材32を平面視にて直交させて十字状に配置し、柱部材112の先端に球体114を設けた構成の回転部36の球体114をベースプレート30の下面に固定されている支持部材116に回転可能に嵌め込んで、ベースプレート30に吊り部材32を回転可能に連結させている。
すなわち、柱部材112の先端に球体114を設けた構成の回転部36と、球体114が嵌め込まれた支持部材116によって、自在継ぎ手118の機構が構成されている。また、油圧シリンダー80は、2つ設けられている。
次に、本発明の第4の実施形態の作用及び効果について説明する。
図17に示すように、第4の実施形態のアクティブマスダンパー110では、吊り部材32が、架構16に設けられた自在継ぎ手118によってこの架構16に回転可能に連結されているので、1つのアクティブマスダンパー110だけで、平面視にて直交する2方向に対して水平方向の制御力を作用させることができる。
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明した。
なお、第1〜第4の実施形態では、アクティブマスダンパー48、70、72、74、76、88、90、108、110を建築物12の屋上階14に設置した例を示したが、アクティブマスダンパーは建築物のどの階に設置してもよい。
また、大地震が発生したときに錘18の揺動を拘束する安全装置を設けてもよい。
また、第1〜第4の実施形態で説明したアクティブマスダンパー48、70、72、74、76、88、90、108、110は、再現期間1年程度の風荷重(1年間に少なくとも1回は超える可能性がある風荷重の最大値)や中小規模の地震に対して特に有効となる制振技術であり、そのような状況下において建築物の居住性向上に優れた効果を発揮する。
12 建築物(構造物)
16 架構(構造体)
18 錘
32 吊り部材
44 モーター(駆動手段)
48、70、72、74、76、88、90、108、110 アクティブマスダンパー
50 センサー(振動計測手段)
52 制御装置(演算手段)
80 油圧シリンダー(アーム、移動手段)
94 移動部材(移動手段)
118 自在継ぎ手

Claims (8)

  1. 構造物に設置された構造体と、
    下端部に錘が固定され、前記構造体に回転可能に連結され吊り下げられて単振り子を構成する吊り部材と、
    前記錘を揺動させる駆動手段と、
    を有するアクティブマスダンパー。
  2. 前記構造物に発生する振動を計測する振動計測手段と、
    前記振動計測手段により計測された振動に基づいて、前記構造物に作用させる制御力を求める演算手段と、
    を有し、
    前記駆動手段は、駆動力を発生させて前記錘を揺動し前記構造物に前記制御力を作用させる請求項1に記載のアクティブマスダンパー。
  3. 前記駆動手段は、前記構造体に取り付けられ前記吊り部材に回転力を付与するモーターである請求項2に記載のアクティブマスダンパー。
  4. 前記駆動手段は、前記吊り部材と前記構造体とに回転可能に連結され伸縮可能なアーム部材である請求項2に記載のアクティブマスダンパー。
  5. 前記吊り部材は、前記構造体に設けられた自在継ぎ手によって該構造体に回転可能に連結されている請求項4に記載のアクティブマスダンパー。
  6. 前記駆動手段は、前記吊り部材を前記構造体に回転可能に連結する回転連結部から離れた該吊り部材の端部を横移動させる移動手段である請求項2に記載のアクティブマスダンパー。
  7. 前記構造体は、前記構造物の最上階に設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載のアクティブマスダンパー。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のアクティブマスダンパーを有する建築物。
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