JP2016109478A - シリンダドレンの分析方法及び分析キット - Google Patents

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靖二郎 立川
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Abstract

【課題】現場において簡易に全鉄(II)含有量を測定することができ、安価にかつ安全に全鉄(II)含有量を測定することができるシリンダドレンの分析方法及び分析キットを提供する。【解決手段】アンモニウム水溶液からなる第1の試薬とフェナントロリンアルコール溶液からなる第2の試薬とを容器内に注入する試薬注入工程と、この容器内にシリンダドレンをさらに注入するシリンダドレン注入工程と、試薬注入工程及びシリンダドレン注入工程によって第1の試薬、第2の試薬及びシリンダドレンが注入された容器を攪拌機に挿入し内容物を攪拌する攪拌工程と、攪拌された内容物をフィルタを介して比色用容器内に注入する移し替え工程と、比色用容器を光度計に装着しこの比色用容器の内容物の所定波長における吸光度を測定する測定工程と、測定した吸光度をシリンダドレンの全鉄(II)含有量に変換する変換工程とを備える分析方法。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば船舶用主機関シリンダドレンの全鉄(II)含有量を測定する、シリンダドレンの分析方法及び分析キットに関する。
例えばシリンダドレンに含まれている鉄分の量を検出することによりシリンダライナの摩耗を検出する方法として、例えば、特許文献1及び2に記載されている技術が提案されている。
特許文献1に記載されている技術は、シリンダドレンを有機溶剤で希釈し、希釈したシリンダドレンを下部に磁石を設けた傾斜透明板上に流延させ、この透明板上に分散された摩耗磁粉模様を磁石により形成し、この摩耗磁粉模様と摩耗磁粉量との関係を示す比較プレートを用いて目視により照合し、シリンダドレン中の摩耗磁粉量を求めるものである。
また、特許文献2に記載されている技術は、シリンダドレンに磁場を作用させることによりその中の鉄の摩耗磁粉を所定位置に集合させ、その部分で対面する電極間の静電容量の変化を利用してシリンダドレン中の摩耗磁粉量を求めるものである。
特開2000−337124号公報 特開2008−190963号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている技術は、いずれも、磁場を用いることによりシリンダドレン中の鉄摩耗磁粉を分散させるか集合させて摩耗磁粉量の検出を行うものであるため、そのための特別の検出設備が必要であり、現場において簡易に全鉄(II)含有量を測定することができなかった。
また、この種の検出設備は大型であるためその設置場所が限定されてしまうと共に設備自体が高価であった。
磁場を用いることなく、試薬によって全鉄(II)含有量を検出する方法もあるが、いずれも使用する試薬が高価であり、多くの現場で頻繁に全鉄(II)含有量を測定するには、費用の点で問題があった。
従って本発明の目的は、現場において簡易に全鉄(II)含有量を測定することができるシリンダドレンの分析方法及び分析キットを提供することにある。
本発明の他の目的は、安価にかつ安全に全鉄(II)含有量を測定することができるシリンダドレンの分析方法及び分析キットを提供することにある。
本発明によれば、アンモニウム水溶液からなる既定量の第1の試薬を容器内に注入すると共に、フェナントロリンアルコール溶液からなる既定量の第2の試薬をこの容器内に注入する試薬注入工程と、この容器内に既定量の分析すべきシリンダドレンをさらに注入するシリンダドレン注入工程と、試薬注入工程及びシリンダドレン注入工程によって第1の試薬、第2の試薬及びシリンダドレンが注入された容器を攪拌機に挿入し第1の試薬、第2の試薬及びシリンダドレンからなる内容物を攪拌する攪拌工程と、容器内の攪拌された内容物をフィルタを介して比色用容器内に注入する移し替え工程と、比色用容器を光度計に装着しこの比色用容器の内容物の所定波長における吸光度を測定する測定工程と、測定した吸光度をシリンダドレンの全鉄(II)含有量に変換する変換工程とを備えているシリンダドレンの分析方法が提供される。
第1の試薬、第2の試薬及びシリンダドレンを攪拌し比色用容器内に移し替えてその内容物の所定波長における吸光度を測定し、シリンダドレンの全鉄(II)含有量を求めている。磁場を用いて測定を行うのではなく、第1の試薬及び第2の試薬を混合して吸光度を測定しているので、現場において簡易にかつ素早く分析を行うことが可能である。また、安価なアンモニウム水溶液からなる第1の試薬と安価なフェナントロリンアルコール溶液からなる第2の試薬とを用いることのみで測定を行っているため、安価にかつ手軽に全鉄(II)含有量の分析を行うことができ、また、酸を用いないことから安全に全鉄(II)含有量の分析を行うことができる。
第1の試薬が塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液であり、第2の試薬が1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液であることが好ましい。
攪拌工程が、試薬注入工程によって第1の試薬及び第2の試薬が注入されたブランク容器を攪拌機に挿入して第1の試薬及び第2の試薬を攪拌する工程を含んでおり、移し替え工程がブランク容器内の攪拌された第1の試薬及び第2の試薬をフィルタを介してブランク比色用容器内に注入する工程を含んでおり、測定工程が、ブランク比色用容器を光度計に装着しブランク比色用容器の内容物の所定波長における吸光度を測定する工程を含んでおり、本発明の分析方法が、測定したブランク比色用容器の内容物の吸光度を吸光度ゼロとしてゼロ調整する工程をさらに備えていることが好ましい。
変換工程が、既知の全鉄(II)含有量の溶液についてあらかじめ測定して得られた、吸光度と溶液中の全鉄(II)含有量との関係を表す検量線を用いて、測定した吸光度をシリンダドレンの全鉄(II)含有量に変換する工程を含んでいることも好ましい。
移し替え工程が、比色用容器内に注入された内容物に気泡が発生しないように複数回にわたって徐々に移し替えを行う工程を含んでいることも好ましい。
シリンジの一端にキャップを取付けて容器を準備するキャップ取付け工程と、試薬注入工程及びシリンダドレン注入工程の後であって攪拌工程の前に、シリンジの他端にピストンを挿入するピストン挿入工程とをさらに備えていることも好ましい。
この場合、移し替え工程が、キャップをシリンジから取外し、シリンジの一端にフィルタを取付ける工程と、ピストンを押し込むことによりシリンジ内の攪拌された内容物をフィルタを介して比色用容器内に注入する工程とを含んでいることが好ましい。
本発明によれば、さらに、アンモニウム水溶液からなる第1の試薬を収容した第1の試薬ボトルと、フェナントロリンアルコール溶液からなる第2の試薬を収容した第2の試薬ボトルと、既定量の第1の試薬を第1の試薬ボトルから又は既定量の第2の試薬を第2の試薬ボトルから容器に分配するためのディスペンサと、既定量の分析すべきシリンダドレンを容器に定量するためのマイクロピペットと、容器内の内容物を攪拌するための攪拌機と、比色用容器と、容器内の内容物を比色用容器に移し替える際に内容物を濾過するためのフィルタと、比色用容器内の内容物の所定波長における吸光度を測定してシリンダドレンの全鉄(II)含有量を測定するための吸光度測定器とを備えているシリンダドレンの分析キットが提供される。
第1の試薬が塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液であり、第2の試薬が1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液であることが好ましい。
シリンジと、シリンジの一端に取付けて容器を構成するためのキャップと、シリンジの他端に挿入可能なピストンとをさらに備えていることも好ましい。
本発明によれば、第1の試薬及び第2の試薬を混合して吸光度を測定しているので、現場において簡易にかつ素早く分析を行うことが可能である。また、安価なアンモニウム水溶液からなる第1の試薬と安価なフェナントロリンアルコール溶液からなる第2の試薬とを用いることのみで測定を行っているため、安価にかつ手軽に全鉄(II)含有量の分析を行うことができ、また、酸を用いないことから安全に全鉄(II)含有量の分析を行うことができる。
本発明のシリンダドレン分析キットの一例を示す図である。 本発明のシリンダドレン分析キットの一例を示す図である。 本発明のシリンダドレンの分析方法の一実施形態における分析処理の流れを概略的に示すフローチャートである。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における各分析処理工程を示す図である。 図3に表した分析方法における検量線の一例を示す図である。 高精度の分析方法及び図3に表した分析方法における分析結果を比較した特性図である。
図1及び図2は本発明のシリンダドレン分析キットの一例を示している。
図1(A)は分析キットの一部を収容したケース10の外観を示しており、図1(B)はこのケース10の内部を示している。このケース10内には、既定量の試薬を分配するためのボトルトップディスペンサが装着されており第1の試薬が収容されている第1の試薬ボトル11と、既定量の試薬を分配するためのボトルトップディスペンサが装着されており第2の試薬が収容されている第2の試薬ボトル12と、既定量のシリンダドレンを定量するためのキャピラリマイクロピペット及びピペットの交換チューブを含むマイクロピペットセット13と、本発明の攪拌機に対応するボルテックスミキサ14と、ボルテックスミキサ14上に取付けられるシリンジホルダ15と、攪拌時間を計測するためのタイマ16と、キュベットラック17と、吸光度測定器18とが収容されている。
分析キットには、さらに、図2(A)に示すように、複数のピストンがそれぞれ挿入されている複数のシリンジ20と、複数のシリンジ20の一端にそれぞれねじ込みされる複数のシリンジキャップ21と、複数のシリンジ20の一端にシリンジキャップ21に代えてそれぞれねじ込みされる複数のシリンジフィルタ22と、比色用の容器である複数のディスポザルセル23とが具備されており、さらにまた、図2(B)に示すように、作業者保護用の手袋24、メガネ25及びマスク26の装備が推奨される。
図3は本発明の潤滑油の分析方法の一実施形態における分析処理の流れを概略的に示しており、図4〜図11はこの分析方法における各分析処理工程をそれぞれ示しており、図12はこの分析方法における検量線の一例を示している。
シリンダドレンの分析処理手順としては、分析すべきシリンダドレンを採取した現場において、まず、図4(A)に示すように、必要なサンプル数にブランク用シリンジを1つプラスした数のシリンジ40と、これと同数のピストン41とを用意する(図3のステップS1)。
次いで、図4(B)に示すように、各シリンジ40の一端に各シリンジキャップ42(21)を矢印方向に回転させてねじ込んで取付け、シリンジ40の一端をこのキャップ42で閉鎖する(図3のステップS2)。
次いで、図5(A)に示すように、ボトルトップディスペンサ43を矢印方向に押し下げて各シリンジ40内に既定量の第1の試薬を注入し、同様に、他のボトルトップディスペンサ43により各シリンジ40内に既定量の第2の試薬を注入する(図3のステップS3)。この場合、ディスペンサ43内のエアを除去するため、シリンダドレンを入れない校正用のブランク用シリンジについて最初に試薬を注入することが望ましい。これは、ブランク用シリンジにおける試薬の量は高い精度を要求されないためである。このようにして、用意した全てのシリンジ40内に第1の試薬及び第2の試薬を既定量注入する。
第1の試薬としては、アンモニウム水溶液、より具体的には塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液が用いられ、第2の試薬としては、フェナントロリンアルコール溶液、より具体的には1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液が用いられる。
次いで、図5(B)に示すように、キャピラリマイクロピペット44の先端を分析すべきシリンダドレン45内に浸漬し、このマイクロピペット44のプランジャを前後にゆっくりと往復させ(3往復程度)、その先端部に既定量のシリンダドレン45を充填する(図3のステップS4)。
次いで、図6(A)に示すように、マイクロピペット44の先端部の外側に付いたシリンダドレンをウエス46で拭き取る(図3のステップS5)。
次いで、図6(B)に示すように、マイクロピペット44に充填された既定量のシリンダドレン45をシリンジ40内に注入する(図3のステップS6)。このようにして、ブランク用シリンジを除く用意した全てのシリンジ40内に第1の試薬及び第2の試薬を注入する。
次いで、図7(A)に示すように、全てのシリンジ40の他端(開口端)にピストン41を数cm程度挿入する(図3のステップS7)。これにより、シリンジ40の他端が閉鎖される。
その後、図7(B)に示すように、シリンジホルダ47(15)を取付けたボルテックスミキサ48(14)のこのシリンジホルダ47にピストン41付きの全てのシリンジ40を装着し、ボルテックスミキサ48を作動させてこれらシリンジ40の内容物(第1の試薬、第2の試薬及びシリンダドレン、又は第1の試薬及び第2の試薬)を攪拌する(図3のステップS8)。ボルテックスミキサ48によるこの攪拌時間は約5分であり、タイマ49(16)を利用して計測する。
この攪拌の際に、図8(A)に示すように、キュベットラック50(17)上にシリンジ40と同数の比色用の容器であるディスポザルセル51(23)を用意する。また、吸光度測定器53(18)の電源をオンとする。
次いで、図8(B)に示すように、シリンジ40の一端にねじ込みされているシリンジキャップ42(21)を取外し(図3のステップS9)、図9(A)に示すように、その部分にシリンジフィルタ52(22)をねじ込んで取付ける(図3のステップS10)。
次いで、図9(B)に示すように、ディスポザルセル51にシリンジフィルタ52の吐出端を差し込み、ピストン41を押し込んでシリンジ40内の内容物をディスポザルセル51内に注入し、移し替えする(図3のステップS11)。この場合、ディスポザルセル51内に注入された内容物に気泡が発生しないように複数回にわたって徐々に注入を行う。例えば、最初はピストン41を2ml分だけ押し込んで内容物の滴下が終了し気泡が消えるまで待ち、次いで1.5ml分だけ押し込んで内容物の滴下が終了し気泡が消えるまで待ち、さらに、0.5ml分だけ押し込んで内容物の滴下が終了し気泡が消えるまで待ち、その後、0.5ml分だけ押し込んで内容物の滴下が全て終了し気泡が消えるまで待つ。
この移し替えは、ブランク用シリンジを含む全てのシリンジ40の内容物について行う。なお、移し替えは、図10(A)に示すように、ディスポザルセル51の少なくとも矩形部分51aが内容物によって満たされるように行うことが重要である。ディスポザルセル51のこの矩形部分51aは、吸光度を測定するため、以後の全ての工程においても汚れないように管理する。
次いで、図10(B)に示すように、吸光度測定器53のディスプレイ53aの表示がゼロとなっていることを確認する(図3のステップS12)。吸光度測定器53は電源オンから、通常、数分でゼロとなる。
次いで、図11(A)に示すように、ブランク用のディスポザルセル51を吸光度測定器53の挿入口53aへ挿入し、蓋を閉め、ブランクボタンを押下してブランク吸光度を測定し、ゼロ調整を行う(図3のステップS13)。なお、本実施形態の吸光度測定器53では、ディスポザルセル51の挿入は、三角マークが手前になるようにして行う。
次いで、図11(B)に示すように、シリンダドレンを注入した測定用のディスポザルセル51を吸光度測定器53の挿入口53bへ挿入し、蓋を閉め、測定ボタンを押下し、シリンダドレンの吸光度を測定する。吸光度測定器53は、その際に、図12に示すような検量線を用いて、シリンダドレン中の全鉄(II)の含有量を求める(図3のステップS14)。即ち、既知の全鉄(II)含有量の溶液についてあらかじめ測定して得られた図12に示すような吸光度(相対値)対全鉄(II)含有量(ppm)の関係を表す検量線を用いて、測定した吸光度を潤滑油の全鉄(II)含有量に変換する。この吸光度測定及び全鉄(II)含有量の測定は、ブランク用のディスポザルセルを除く全てのディスポザルセル51について行う。
吸光度測定器53は、ディスポザルセル51の内容物の所定波長(例えば510nm)における吸光度を測定する分光光度計である。同じ種類の成分について同じ距離を通過した光の吸光度がその成分の濃度に比例することはランベルト・ベールの法則として公知の通りであり、本実施形態では、1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液を加えた既定量のシリンダドレンの吸光度を測定し、シリンダドレンの入っていないブランクの内容物における吸光度(吸光度ゼロ)と比較することにより、シリンダドレン中の全鉄(II)の濃度を測定する。さらに、誤差の影響を低減するため、図12に示すような検量線を用いて、シリンダドレン中の全鉄(II)の含有量を求め、その求めた全鉄(II)含有量をディスプレイ53aに表示する。
以上により、本分析処理を終了する。分析処理に使用した内容物、溶液及びシリンダドレンは適当な容器に移し、廃棄油として処分する。また、シリンジフィルタを取付けたシリンジ及びピストン、シリンジキャップ並びにディスポザルセルは廃棄プラスチックとして処分する。
図13は、高精度の誘導結合プラズマによる分析方法、蛍光X線分析方法及び以上述べた本実施形態による分析方法における分析結果を比較して示している。
同図から分かるように、本実施形態の分析方法は、全てのサンプルについて、誘導結合プラズマによる分析方法及び蛍光X線分析方法とほぼ同様の精度で全鉄(II)含有量を測定可能である。
以上詳細に説明したように本実施形態によれば、塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液である第1の試薬と、1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液である第2の試薬と、測定すべきシリンダドレンとを攪拌したものについて、吸光度測定器により吸光度を測定し、シリンダドレンの全鉄(II)含有量を求めている。磁場を用いて測定を行うのではなく、第1の試薬及び第2の試薬を混合して吸光度を測定しているので、現場において簡易にかつ素早く分析を行うことが可能である。また、安価な塩化ヒドロキシルアンモニウム水溶液からなる第1の試薬と安価な1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液からなる第2の試薬とを用いることのみで測定を行っているため、安価にかつ手軽に全鉄(II)含有量の分析を行うことができ、また、酸を用いないことから安全に全鉄(II)含有量の分析を行うことができる。さらに、検量線を用いて校正しているため、誤差の影響を低減することが可能である。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 ケース
11 第1の試薬ボトル
12 第2の試薬ボトル
13、44 マイクロピペットセット
14、48 ボルテックスミキサ
15、47 シリンジホルダ
16、49 タイマ
17、50 キュベットラック
18、53 吸光度測定器
20、40 シリンジ
21、42 シリンジキャップ
22、52 シリンジフィルタ
23、51 ディスポザルセル
24 手袋
25 メガネ
26 マスク
41 ピストン
43 ボトルトップディスペンサ
45 シリンダドレン
46 ウエス
51a 矩形部分
53 吸光度測定器
53a ディスプレイ
53b 挿入口

Claims (10)

  1. アンモニウム水溶液からなる既定量の第1の試薬を容器内に注入すると共に、フェナントロリンアルコール溶液からなる既定量の第2の試薬を該容器内に注入する試薬注入工程と、前記容器内に既定量の分析すべきシリンダドレンをさらに注入するシリンダドレン注入工程と、前記試薬注入工程及び前記シリンダドレン注入工程によって前記第1の試薬、前記第2の試薬及び前記シリンダドレンが注入された前記容器を攪拌機に挿入し該第1の試薬、該第2の試薬及び該シリンダドレンからなる内容物を攪拌する攪拌工程と、前記容器内の前記攪拌された内容物をフィルタを介して比色用容器内に注入する移し替え工程と、前記比色用容器を光度計に装着し該比色用容器の内容物の所定波長における吸光度を測定する測定工程と、該測定した吸光度を前記シリンダドレンの全鉄(II)含有量に変換する変換工程とを備えていることを特徴とするシリンダドレンの分析方法。
  2. 前記第1の試薬が塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液であり、前記第2の試薬が1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液であることを特徴とする請求項1に記載のシリンダドレンの分析方法。
  3. 前記攪拌工程が、前記試薬注入工程によって前記第1の試薬及び前記第2の試薬が注入されたブランク容器を前記攪拌機に挿入して該第1の試薬及び該第2の試薬を攪拌する工程を含んでおり、前記移し替え工程が前記ブランク容器内の前記攪拌された第1の試薬及び第2の試薬をフィルタを介してブランク比色用容器内に注入する工程を含んでおり、前記測定工程が、前記ブランク比色用容器を光度計に装着し該ブランク比色用容器の内容物の所定波長における吸光度を測定する工程を含んでおり、当該分析方法が、該測定した該ブランク比色用容器の内容物の吸光度を吸光度ゼロとしてゼロ調整する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダドレンの分析方法。
  4. 前記変換工程が、既知の全鉄(II)含有量の溶液についてあらかじめ測定して得られた、吸光度と溶液中の全鉄(II)含有量との関係を表す検量線を用いて、前記測定した吸光度を前記シリンダドレンの全鉄(II)含有量に変換する工程を含んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシリンダドレンの分析方法。
  5. 前記移し替え工程が、前記比色用容器内に注入された内容物に気泡が発生しないように複数回にわたって徐々に移し替えを行う工程を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシリンダドレンの分析方法。
  6. シリンジの一端にキャップを取付けて前記容器を準備するキャップ取付け工程と、前記試薬注入工程及び前記シリンダドレン注入工程の後であって前記攪拌工程の前に、前記シリンジの他端にピストンを挿入するピストン挿入工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシリンダドレンの分析方法。
  7. 前記移し替え工程が、前記キャップを前記シリンジから取外し、該シリンジの該一端に前記フィルタを取付ける工程と、前記ピストンを押し込むことにより該シリンジ内の前記攪拌された内容物を前記フィルタを介して前記比色用容器内に注入する工程とを含んでいることを特徴とする請求項6に記載のシリンダドレンの分析方法。
  8. アンモニウム水溶液からなる第1の試薬を収容した第1の試薬ボトルと、フェナントロリンアルコール溶液からなる第2の試薬を収容した第2の試薬ボトルと、既定量の前記第1の試薬を前記第1の試薬ボトルから又は既定量の前記第2の試薬を前記第2の試薬ボトルから容器に分配するためのディスペンサと、既定量の分析すべきシリンダドレンを前記容器に定量するためのマイクロピペットと、前記容器内の内容物を攪拌するための攪拌機と、比色用容器と、前記容器内の内容物を前記比色用容器に移し替える際に該内容物を濾過するためのフィルタと、前記比色用容器内の内容物の所定波長における吸光度を測定して前記シリンダドレンの全鉄(II)含有量を測定するための吸光度測定器とを備えていることを特徴とするシリンダドレンの分析キット。
  9. 前記第1の試薬が塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液であり、前記第2の試薬が1,10フェナントロリンのブトキシエタノール溶液であることを特徴とする請求項8に記載のシリンダドレンの分析キット。
  10. シリンジと、該シリンジの一端に取付けて前記容器を構成するためのキャップと、該シリンジの他端に挿入可能なピストンとをさらに備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載のシリンダドレンの分析キット。
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