JP2008190963A - 内燃機関などの摩耗量検出方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダドレンなどの微細な鉄粉を含んでいる液体から鉄粉の量を検出してエンジン部品の摩耗状態を検出する。
【解決手段】被測定液体の流路20を構成している壁面の平坦に形成された部分の対面する位置に、それぞれ電極22、23を配置し、該電極部分に微細鉄粉tを磁気的に集合させる磁力線発生装置24を設け、更に前記電極22、23の間に集合した微細鉄粉tの量を静電容量によって測定する装置を設けたことを特徴とする内燃機関のシリンダ摩耗の検出装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、大型の内燃機関などの潤滑油中に混入している摩耗鉄粉の量を検出することによって、特に大型ディーゼル機関の安全性や耐久性を向上させることができるシリンダ摩耗検知方法とその装置に関する。
舶用の大型のディーゼル機関、特に2サイクルクロスヘッド型ディーゼル機関の場合、250〜1000mmの大直径のものが装備されているのが普通であり、この機関の場合はシリンダライナ,ピストンリング,ピストンともに鋳鉄又は鋼が使用されている。そしてこの機関のピストンとシリンダライナとの間の間隙が大きくなると、前記部品温度が上昇して耐久性が損なわれる。
2サイクルクロスヘッド型ディーゼル機関Eの場合、図8に示すようにシリンダライナ1を潤滑する潤滑油は、シリンダライナ1にあけられた注油孔2から専用の潤滑油ポンプによって少量ずつ供給され、ピストン3の動きに伴なってピストンリング4によって掻き上げられながらピストン3とシリンダライナ1及びピストンリング4とシリンダライナ1との間を潤滑する。
ピストンリング4によって掻き上げられた潤滑油の一部は、シリンダライナ1とピストン3及びピストンリング4とシリンダライナ1との間の潤滑を行った後、ピストン3の動きに伴なって上方に移動してシリンダライナ1の上部や高温のピストン3の上部に達する。そしてそこで蒸発、燃焼、変質、あるいは飛散によって潤滑油としての機能を失い、排気ガスと共に排気管より排出される。
一方、ピストン3の頂部や燃焼室などに付着して高温に晒されて固化した潤滑油はデポジット(堆積物、炭化物)となってシリンダ1a内に落下する。また、一部の潤滑油は、潤滑油としての性質を保ったままシリンダ1a下部の潤滑油受け5(オイルパン)上に落ち、経路6でドレン管7を通って「シリンダドレンd」となってオイルタンク8内に収容される。前記ドレン管7を通って排出されたシリンダドレンdの中には、シリンダライナ1やピストン3やピストンリング4を構成している鉄の摩耗粉が混入している。一方、シリンダライナ1とピストンリング4は鋳鉄あるいは鋼で製造されているので、これらの摩耗で発生する摩耗粉あるいは摩耗鉄粉(以下、鉄粉あるいは微細な鉄粉という。)の主成分は金属鉄もしくは酸化鉄である。
エンジンEが正常な状態では、シリンダドレンdの中の鉄粉の濃度は100ppm以下であるが、潤滑不良などで焼付きなどの異常が発生した時にはその濃度が急に上昇することになる。従って、この鉄粉が排出される濃度を検出することによってシリンダライナ1などの異常摩耗を検出することができる。
この鉄粉の増加より異常摩耗を検出した場合は、その原因を推測し、例えば、燃料が原因であると推定できる場合は、その燃料の使用を中止したり、清浄機での燃料の清浄化処理を強化して燃料に含まれている硬質粒子を除去するなどの処置を行なって、それ以上の摩耗の増加を防止するなどの対策を行なっている。
2サイクルクロスヘッド型ディーゼル機関のシリンダライナあるいはピストンリングの摩耗は、通常はエンジンを分解して前記部品の寸法を計測して摩耗の程度を評価している。一般に前記ディーゼル機関の部品の分解検査は1年から2年程度の間隔で実施され、そのデータをもとに部品が十分に寿命を保つように、潤滑油の供給量や運転状態を調整している。
(従来の検査の問題点)
しかしながら、1年から2年の間隔の分解検査では、その間に発生する摩耗の突発的な増加には対応することができない。例えば、燃料中に硬質の粒子(例として、燃料油を製造する際の接触流動分解装置で用いる触媒粒子など)が混入し、数千時間以内の短時間のうちに大きな摩耗が発生することがある。このような一時的に発生する大きな摩耗を放置していると、ピストンリングの摩耗による吹き抜けガスの増大により、シリンダの焼損やピストンの異常摩耗などを惹起することがある。
このような摩耗増加を検知するためには、通常の分解検査の間隔の測定では不可能である。従って、この分解検査と次の分解検査との間にシリンダの摩耗を検知できれば、ディーゼル機関の長期にわたって安全かつ経済的に運転することが可能となる。
そこで、ピストンなどの摩耗量を検出する方法として、シリンダドレン中の鉄の摩耗粉の検出方法が開発されている。シリンダドレン(潤滑油)中の鉄粉の第1の検出方法は、シリンダドレンdの中の粒子が起こす磁場あるいは電場の変化を検知する方法である(特許文献1)。そして第2の検出方法は、磁石によって鉄の鉄粉を集め、集めた鉄粉の量を光学的な読取装置によって検出するものである(特許文献2参照)。更に第3の方法は、磁石によって鉄の摩耗粉を集め、集まった鉄の摩耗粉による磁場の変化を検出する方法である(特許文献3)。
特開2006−317251号公報 特開2002−296151号公報 特開2003−262436号公報
前記第1の検出方法は、電場あるいは磁場の変化を起こすだけの粒子の大きさが必要であり、そのために数十ミクロン以上の大きさの鉄粉が必要である。しかし、実用の舶用エンジンで発生している鉄粉は数ミクロン以下の小さなものが多く、従って、この方法では正確に摩耗量の評価ができないという問題がある。
前記第2の検出方法は、舶用の大型の2サイクルクロスヘッドディーゼル機関のドレン油は濁っており、それ自体が光の透過が困難であることから、光学的な読み取りが困難である。また、鉄粉以外の不透明な粒子を多く含むために、これらを区別するために特別な処理が必要となる。
前記第3の検出方法は、汚れた潤滑油でも適用可能であり、また、この方法は磁場を用いるので鉄粉を選択的に検出が可能であることからディーゼル機関のシリンダ摩耗の検出には適している。しかし、通常シリンダドレン中の鉄粉の量が少ないために磁場の変化は極めて僅かであり、そのために計測精度の高い磁場のセンサが必要となり、装置が高価なものとなっている。
前記のように前記第1の検出方法は検出精度が悪く、第2の検出方法はシリンダドレンの処理が必要である上に検出精度も悪い。そして第3の検出方法は高価で測定精度の高い装置を必要とするなど何れの方法にも問題があった。
前記課題を解決するための本発明に係る鉄を主体とする機械的摩擦部分の摩耗量の検出方法とその装置の構成は次の通りである。
1)本発明に係る鉄を主体とする部材の摩耗量の検出方法は、被測定液体の流路を構成している壁面の平坦な部分の対面する位置に、それぞれ電極を配置し、更に前記電極部分に微細鉄粉を磁気的に集合させる磁力線発生装置を設けて前記電極間に微細鉄粉を堆積させ、この堆積した微細鉄粉の量を静電容量によって測定する方法であって、前記流路に機械的摩擦部分より発生した微細な鉄粉を浮遊状態で含んだ被測定液体を供給し、該被測定液体中の鉄粉の量より機械的摩擦部分の摩耗量を検出することを特徴としている。
2)本発明に係る内燃機関のシリンダ摩耗の検出装置は、被測定液体の流路を構成している壁面の平坦に形成された部分の対面する位置にそれぞれ電極を配置し、該電極部分に微細鉄粉を磁気的に集合させる磁力線発生装置を設け、更に前記電極間に集合した微細鉄粉の量を静電容量によって測定する装置を設けたことを特徴としている。
3)前記流路を流れる潤滑油の量を測定する装置を設けたことを特徴としている。
4)前記2個の電極のうちの1個の電極の近傍であって、前記鉄粉が集合する部分を避けた別の位置に被測定液体の誘電率に関係した補正電極を設けたことを特徴としている。
a)本発明は、対向する電極の間にシリンダを潤滑して排出される潤滑油を通過させ、その間に磁力を作用させ、この潤滑油中に含まれるシリンダライナとピストンリングの摩耗粉を一方の電極側に局部的に集合させ、次いで2つの電極の間の静電容量を測定することによって、前記集合した鉄粉による静電容量の変化を測定する。
そしてこの静電容量の変化と鉄粉の量との関係より、シリンダの摩耗の状態を検出するものである。従って、本発明に係る装置はシリンダドレンの排出回路に簡単に設けることができることから、機関の運転状態、つまり、シリンダライナとピストンリングの摩耗の状態を常時あるいは定期的に測定することができ、それによって機関が損傷して重大事故に発展する危険性を未然に防止することができる。
b)本発明によれば、鉄の摩耗粉の計測する部分は電極のみで形成され、機械的に動く部分が存在しないため、頑丈で壊れにくい構造とすることができる。また、構造が単純なため、測定部の内部にゴミが溜まりにくく、掃除も容易である。
c)微細な摩耗粉も磁力によって蓄積されるので、摩耗がマイルドで鉄の磨耗粉の大きさが数ミクロン以下の場合でも、摩耗粉の量を比較的正確に測定することができる。
d)鉄の摩耗粉が磁力によって蓄積するため、流量を増せばぞれだけ電極間の静電容量の変化が大きくなる。この結果、S/N比を大きくとることができるため、安価な静電容量計を使用することができる。
e)本発明によれば、計測が電気的に行なわれるため、特別な技量を必要とせず、常時計測を行うことも可能である。また、ディーゼル機関のような内燃機関のシリンダドレンを本発明に係る装置に自動的に流す装置を設けることによって、全自動で常時、機関のシリンダ摩耗状態を監視できる。そして自動的に計測を行うためには、シリンダドレン管の開閉、計測後の摩耗粉の除去などを自動的に行う装置とすることによって常時、内燃機関の状態を監視し、管理することができる。
本発明に係る方法及びその装置の機能と有用性を確認するために、先ず下記の実験を行った。
図5に本発明の方法及びその装置の性能を確認するための実験装置を示しており、この実験装置Tは、傾斜した流路(トラフ)を形成する長い第1電極10の上方に間隔(1ミリメートル)をおいてこの電極10に平行する第2電極11を配置した。そして前記第1電極10の上流側の下面に永久磁石12を配置して電極10と電極11との間を周回するように磁力線15を発生させるように構成した。
そしてこの電極10、11を静電容量計13(静電容量式の変位計を改造して作成したもの)に接続した。この静電容量計13の出力電圧は、静電容量が増大すると増加するように調整した。また、この静電容量計13の出力電圧を記録計14によって記録するようにした。
静電容量などの変化を確認するための試料Jとして、実際に使用している舶用大型のディーゼル機関のシリンダドレンを用いた。試料Jを流したメスシリンダ16の目盛りを読んで計測した。
前記試料Jは、メスシリンダ16から傾斜している第1電極10の上端部に供給し、重力によって流した。この試料jを第1電極10の上端部より流すと、試料J中の鉄粉tは磁石12が発生している磁力線15の影響を受けて第2電極11の下側に集合する。この電極10、11の間に鉄粉tが集合したことで、二枚の電極10、11の間の静電容量が増加する。静電容量の変化は鉄粉tの集合ないし蓄積に伴なって始めのうちはゆっくりと増加するが、鉄粉tが積み重なることによって上昇速度を増していく。
図6は、前記実験の際の静電容量計13の出力の変化を示している。この実験においては、試料Jに含まれている鉄粉tが電極10、11の間に集合する様子を確認する意味で試料Jを間欠的に少量ずつ流した。なお、この試料Jを化学分析した結果、その中に含まれている鉄分濃度は200ppmであった。
図6は、図5に示した一連の実験装置を構成する静電容量計13の出力電圧Vを縦軸に、横軸に実験の経過時刻をそれぞれ取って描いている。試料Jが二枚の電極10、11の間に入ると、この試料Jの静電容量の影響を受けて静電容量が一時的に上昇する。しかし、この試料jの供給を停止するとこの試料Jの流出にしたがって静電容量が下がる。このような状態を繰り返しながら計測した。
図6に示したグラフの各点について説明すると次の通りである。
点イは、試料Jを流し始める点を、点ロは、二枚の電極10、11の間に試料Jが流れ込み、この試料Jの誘電率によって静電容量が急速に上昇している様子を示している。また、点ハは、試料Jの液滴がメスシリンダ16より落下して電極10、11の間に流れ込んで一時的に静電容量が上がったものが、試料jの排出とともに低下する所を示している。
図7は、合計90ccの試料Jを使用したシリンダドレンの試料Jを流した時の経過であり、前記図6に示した静電容量の変化と同様な変化を示すことを描いている。
試料Jを潤滑路を流し込んだときの静電容量計13のピーク値(ノコギリ状の波形の山の部分)は、試料Jである潤滑油の流れ具合によって大きく変動していることが分かる。これは、試料Jが電極10、11の間を必ずしも満たしていない場合を意味しており、もし、前記電極10、11の間に完全に試料Jが充満した場合はこのようなバラツキを生じない。
一方、試料Jの供給を停止した時の値(ノコギリ状の波形の谷の部分)は安定しているが、最低値が徐々に右上がりに上昇していることが分かる。90ccの試料Jである潤滑油を全部流した後の静電容量計13の電圧は0.6Vであった。これは電極10、11間に蓄積した鉄粉tの影響であることは明らかである。なお、二枚の電極の間に試料Jを充満させながら流すことによっても、鉄粉の蓄積による静電容量変化を計測することが可能である。
(実施例)
本発明は、被測定液体である大型のディーゼル機関より排出されるシリンダドレンd、つまり、図8に示すようにシリンダ1を潤滑してオイルパン5に落下して集められたエンジンオイル(シリンダドレンd)に、磁場を作用させることで、シリンダドレンd中の鉄の摩耗粉である鉄粉に磁力を利用して所定位置に集合させ、次いで図5(あるいは図1)の対面する電極(10,11あるいは22,23)の間の静電容量の変化を利用し、その変化の原因となった鉄粉tの量を検出する点に特徴がある。
図1は、本発明の摩耗粉の測定器M、特にエンジンのシリンダの摩耗検知装置に適用する装置の基本構成を示す図である。
被測定液体、つまり、シリンダドレンdを流す流路20としては、断面において対面して平行な二面を少なくとも一部に持つ流路20(この部分が角形のものであっても良い)を形成し、この流路20の終端に流量計21を連結して前記シリンダドレンdの流量を測定可能に構成している。
そして前記流路20の上側の平坦な面に電極23(第2電極)と、下側の平坦な面に電極22(第1電極)をそれぞれ対面するように取付けている。そして電極22の下側に磁気を発生する電磁石24を配置し、シリンダドレンd中に含まれている鉄粉(鉄の摩耗粉)tを磁気的に集合(捕捉)させるようにしている。
また、前記電極22、23を静電容量計13に接続し、両電極22、23の間の静電容量Cが、鉄粉tの堆積量によって変化する量を検知することができるようになっている。
シリンダドレンdは、流路20の上流より矢印のように供給され、前記電極22、23が設けられている部分に配置した電磁石24(電流の強弱により磁力の強度を変化できるように構成されている。)が発生する磁場Gを影響を受けて鉄粉tを前記シリンダドレンd中から分離させ、て電磁石24の対面する磁極で形成されている捕捉部24aに捕捉するようになっている。
本発明は、鉄の摩耗粉である鉄粉tを磁場Gによって集め、静電容量Cの変化を利用してその鉄粉tの量が検出されるものであるが、前記のようにシリンダドレンdを対面する2枚の電極22、23の間を通過させ、その間に電磁石24が発生する磁場Gの作用を受け、捕捉部24aを中心として鉄粉tを選択的に吸着する。
鉄粉tの集合状態によって変化する静電容量Cは、電極22、23に接続された静電容量計13によって検出される。そして2枚の電極22、23の間の静電容量Cは次の式で表される。
C=ε0・ε・S/d
C:静電容量
ε0:真空の誘電率
ε:電極間の物質の誘電率
d:電極間距離
電磁石24によって吸着された鉄粉tは徐々に集合し、この堆積する厚さによって電極22、23間の静電容量Cが変化する。しかし、鉄粉tは必ずしも平坦に積み重ならないことが多く、鉄粉tによる静電容量Cの変化は簡単な関係にはならないことがある。
そこで、静電容量の変化を特性曲線で補正することによって静電容量の変化を利用して鉄粉tの量を割り出すことが可能であり、本発明はかかる知見に基づいて得られたものである。
周知のように、エンジンオイルなどの潤滑油は誘電率が高い。従って、潤滑油が電極22、23の間に満たされている場合と、満たされていない場合とでは静電容量Cに大きな差が生ずる。この関係から、常に潤滑油を電極間に満たした状態で計測するか、あるいは常に潤滑油を切った状態で計測することによって潤滑油の影響を除くことができる。
また、図2に示すように、測定する液体を流路20に一杯満たした状態で計測する際に同じ油で満たされる前記電極22、23とは別に、電極23の後方に参照電極23Aを設けることによって潤滑油の影響を補正することができる。
(鉄粉の濃度)
シリンダドレンdに含まれている鉄粉tの「濃度」は、鉄粉tの量を電極間22、23を通過した潤滑油の量で「除す」ことによって求められる。油の量は流量計21によって計測することができる。
前記各計測が完了すれば、電磁石24の磁力を切って電極22、23の間に潤滑油または空気を流して電極22側に吸着された鉄の鉄粉tを流し去って次の計測に備える。これらの一連の動作は、制御装置と組合わせることによって自動的に行うことができる。
〔本発明の鉄粉の測定器の構成〕
次に、本発明の摩耗粉である鉄粉tの潤滑油に含有されている量を測定する場合の各種の部材について説明する。
1)磁石の配置
図1を参照して測定器Mにおける磁力線について説明すると、例えば、図3に示すように電極22、23に対して磁石24X(この場合、永久磁石を使用する)を磁力線m1が貫く形にする方法と、図4に示すように電極22、23の間で磁力線m2が弧を描くようにする方法がある。
図3に示すように、2つの電極22、23の間を貫くように磁力線m1が通過すると、鉄粉tは2つの電極22、23の間に架橋するように積み重なる。この状態になると静電容量が大きくなり、検出し易くなる利点がある。一方、図4に示すように磁石24Yの先端の間から弧状に磁力線m2が発している場合は、鉄粉tの堆積に伴う静電容量Cの変化が緩やかになり、定量的で測定に有利である。
2)磁石の種類
磁石24としては、永久磁石あるいは電磁石が適用可能であり、永久磁石の場合は、蓄積した鉄粉を除去する際に磁石を遠ざけるか、あるいは磁力に打ち勝つ程度の強い力で除去することが必要である。一方、磁石が電磁石の場合は、電流を切ることにより、容易に鉄粉を除去できる。この際、残留磁気を除くために逆電流を流すなどの方法を採用することもできる。
3)電極
電極22、23は、アルミニウム、銅合金など、非磁性体の金属を用いる。
4)電極22と23との間の距離
電極22、23の間の距離があまり短いと、シリンダドレンdの中の大きな粒子が引っかかってしまうので、この粒子が引っかからない距離が必要である。また、電極間の距離が長いと静電容量が小さくなり、測定電圧の周波数を上げる必要がある。そこで、電極間距離としては、大型の舶用機関の場合は、「0.5〜1mm程度」が望ましい。また、電極22、23の面積は、シリンダドレンd流量と堆積する鉄粉tの量によって最適な広さが決まるが、略1cm2 程度のものでも良好なデータを得ることができる。
5)静電容量計
静電容量の測定には、次の方法が適用できる。
a.高周波に対するインピーダンスを直接計測する。
b.電気的な共振回路を設けて、共振周波数の変化を計測する。
c.静電容量ブリッジを形成し、そのうちのひとつを計測電極とし、高周波電源を接続 し、ブリッジの不平衡電圧を計測する。
前記のように、静電容量の変化が測定可能な回路であれば、如何なる回路でも適用可能である。
6)流量の測定
a.容積式、オリフイス式などの流量計を使用する。
b.定量ポンプによって一定量を流すように構成する。
c.一定量のサンプルを流し、流した回数によって計測する。
などの方法の採用が可能である。流した量が計測できる方法であればどのような方法も適用が可能である。
(摩耗量の評価について)
シリンダ部品の摩耗量と鉄粉t(摩耗粉)は、概略次の式で表される。
シリンダ部品の摩耗量∞鉄の摩耗粉の濃度×シリンダ注油量
また、本発明による内燃機関のシリンダ摩耗量の検出方法は、静電容量の変化と鉄の摩耗粉である鉄粉tの濃度と正の相関を持っている。ある一定量を電極間に流したときの静電容量の変化と鉄粉の濃度は次式で表すことができる。
鉄粉の濃度=f(静電容量の変化)
以上をまとめると、次のように記述することができる。
・シリンダ部品の摩耗量∝f(静電容量変化)×シリンダ注油量/シリンダドレン流量
・シリンダ注油量は運転時に計測できる。従って、「シリンダドレン流量と静電容量変化」が計測できると、シリンダ部品(シリンダライナとピストン)の間の摩耗状態を知ることができる。
本発明の実施の形態を示す潤滑油中の鉄粉の濃度の測定装置の概略図である。 図1に示した装置を改良した補正電極を設けた測定装置の概略図である。 測定装置における磁力線の作用方法の説明図である。 測定装置における磁力線の作用方法の説明図である。 本発明の実施例を示す概略図である。 図5に示す装置を使用した静電容量の変化を示すグラフである。 図5に示す装置を使用した静電容量計の波形である。 エンジンの潤滑油の経路を示す概略図である。
符号の説明
M 摩耗鉄粉の測定器
10 第1電極
11 第2電極
12 永久磁石
13 静電容量計
14 記録計
15 磁力線
16 メスシリンダ
20 流路
21 流量計
22 第1電極
23 第2電極
24 電磁石
24a 捕捉部
G 磁場
C 静電容量

Claims (4)

  1. 被測定液体の流路を構成している壁面の平坦な部分の対面する位置に、それぞれ電極を配置し、更に前記電極部分に微細な鉄粉を磁気的に集合させる磁力線発生装置を設けて前記電極間に微細鉄粉を集合させ、この集合した微細な鉄粉の量を静電容量によって測定する方法であって、
    前記流路に機械的摩擦部分より発生した微細な鉄粉を浮遊状態で含んだ被測定液体を供給し、該被測定液体中の鉄粉の量より機械的摩擦部分の摩耗量を検出することを特徴とする鉄を主体とする部材の摩耗量の検出方法。
  2. 被測定液体の流路を構成している壁面の平坦に形成された部分の対面する位置に、それぞれ電極を配置し、該電極部分に微細鉄粉を磁気的に集合させる磁力線発生装置を設け、 更に前記電極間に集合した微細鉄粉の量を静電容量によって測定する装置を設けたことを特徴とする内燃機関のシリンダ摩耗の検出装置。
  3. 前記流路を流れる潤滑油の量を測定する装置を設けたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関のシリンダ摩耗の検出装置。
  4. 前記2個の電極のうちの1個の電極の近傍であって、前記鉄粉が集合する部分を避けた別の位置に被測定液体の誘電率に関係した補正電極を設けたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関のシリンダ摩耗の検出装置。
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