JP2016108166A - 流し込み耐火物 - Google Patents

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【課題】長柱状耐火性骨材を使用した流し込み耐火物において、長柱状耐火性骨材の形状に起因する600℃付近の低温度域での強度の低下を抑制することにより亀裂の発生を防止し、溶融金属容器の内張りに好ましく使用できる耐スポーリング性に優れた流し込み耐火物を提供する。【解決手段】耐火性配合物100質量%に対して、(A)断面形状がほぼ円形で、断面最大径が5〜20 mmかつ軸方向の長さ/断面最大径で規定されるアスペクト比が2〜5であり、JIS R1601に準じて測定した曲げ強度が60 MPa以上である長柱状耐火性骨材を5〜25質量%、及び(B)断面最大径が0.2〜1.5 mmかつ長さが20〜35 mmである金属ファイバーを1〜10質量%をそれぞれ外掛け添加した流し込み耐火物。【選択図】図1

Description

本発明は、タンディッシュや溶鋼取鍋などの溶融金属容器の内張りに使用する流し込み耐火物に関し、特に熱的スポーリングや機械的スポーリングに対する耐スポーリング性に優れた流し込み耐火物に関する。
タンディッシュや溶鋼取鍋などの溶融金属容器の内張りに使用する流し込み耐火物について、近年、溶融金属やスラグの浸食に対する抵抗性(以下、耐食性)は、使用原料の高純度化にともない向上してきている。しかし、その反面で、耐食性が向上し耐火物の寿命が延びたことにより、亀裂や剥離による損傷が流し込み耐火物の寿命に与える影響の割合が大きくなってきている。
流し込み耐火物の亀裂や剥離の原因は大別すると以下のようなものがある。(1)急加熱・急冷却を繰り返したときに、流し込み耐火物施工体の表面と内部との熱膨張差によって応力が発生し亀裂や剥離が生じる現象(以下、熱的スポーリング)、(2)外部からの機械的な力で流し込み耐火物施工体に応力が発生し亀裂や剥離が生じる現象(以下、機械的スポーリング)などである。
このような各スポーリングに対する抵抗性(以下、耐スポーリング性)を向上させる方法として、流し込み耐火物中の耐火性骨材の一部又は全てに長柱状耐火性骨材を使用する方法が従来提案されている。長柱状耐火性骨材の使用は、塊状に製造した耐火性原料を粉砕して得られる一般的な粒状の耐火性骨材と比べて、流し込み耐火物中に発生した亀裂の進展経路を延長させ、流し込み耐火物の亀裂進展に対する抵抗性を向上させることで、流し込み耐火物の耐スポーリング性の向上を図ったものである。
例えば、特許文献1には、耐火物中に径が1〜30 mm、長さ/径で表わされるアスペクト比が3〜50の耐熱性金属酸化物の焼結骨材を1〜40質量%均一に分散されてなる耐スポーリング性耐火物が開示されている。特許文献1には、この耐スポーリング性耐火物を使用した結果、耐火煉瓦における1400℃での熱スポーリング試験後の曲げ強度が高くなったことが開示されている。
非特許文献1には、通常の粉砕骨材とは形状が異なる棒状の骨材を、代表的なコランダム質低セメントキャスタブルに使用し、破壊特性や耐熱スポール性に対してどのように影響があるのか考察した結果が開示されており、棒状骨材を20%以上使った低セメントキャスタブルは、破壊特性が向上し、1450℃の耐熱スポーリングテストにおいても若干の向上効果が認められたことが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された長柱状耐火性骨材や非特許文献1に記載された棒状の骨材をタンディッシュ内張り用の流し込み耐火物に適用したところ、稼働面側の亀裂を軽減する効果は見られたが、稼働面側より一定厚みの部位において剥離につながるような大きな亀裂が発生したため、耐スポーリング性を向上しタンディッシュの寿命を向上するといった効果を得ることができなかった。
特開昭53‐001205号公報
「不定形耐火物の破壊特性に及ぼす骨材の影響について」石川誠、耐火物41巻、80頁、1989年
本発明者らは、前述したような長柱状耐火性骨材を使用したにもかかわらず亀裂が発生した原因を以下のように推察した。
溶融金属容器の内張り施工体は使用中に稼動面側と背面側との間に温度勾配を有する。剥離につながるような大きな亀裂が発生した部位は、使用時の雰囲気温度が600℃付近の部位であった。通常、水硬性の結合材を使用した流し込み耐火物は、300℃以上から水硬性の結合材が分解して微細な気孔を形成し、1000℃以上の高温になるとマトリックス部は焼結し、微細な気孔を減少しつつその強度を発現する。そのため、600℃付近ではマトリックス中の水硬性の結合材が分解して微細な気孔を有するが焼結は進んでいない状態となる。従って、施工体の厚み方向において600℃付近になった部位は、未焼結の状態であるため焼結している稼働面側に比べ低強度になるとともに、結合材は分解して無くなっているため結合材が分解せず残っている背面側と比べても低強度となる。
ここで、異方性を有する長柱状耐火性骨材は、一般的な粒状の耐火性骨材に比べると比表面積が大きいため、流し込み時にその流動性を阻害するような抵抗が大きく、長柱状耐火性骨材を適用した流し込み耐火物は施工時の充填性が悪くなり、流し込み完了時点で多くの微細な気孔を有している。そのため長柱状耐火性骨材を適用した耐火物は、特に600℃付近の未焼結でかつ結合材が分解してしまった部分において、より多くの微細な気孔が存在することとなり、通常の耐火性骨材を使用したときよりも強度が低下し、その結果、剥離につながるような大きな亀裂が入りやすくなったのではないかと考えられる。
このような強度の低下による亀裂の発生を防止する方法として、流し込み耐火物の施工時の充填性を向上させる方法が考えられる。しかしながら、充填性を向上させるために、例えば、混練水量を増やすと耐食性などが低下するといった問題があり、バイブレーターによる加振時間を長くすると長柱状耐火性骨材とマトリックス部が分離するといった問題がある。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、長柱状耐火性骨材を使用した流し込み耐火物において、長柱状耐火性骨材の形状に起因する600℃付近の低温度域での強度の低下を抑制することにより亀裂の発生を防止し、溶融金属容器の内張りに好ましく使用できる耐スポーリング性に優れた流し込み耐火物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、長柱状耐火性骨材を使用した流し込み耐火物において、耐火性配合物に高強度の長柱状耐火性骨材及び金属ファイバーを適量添加することで、600℃付近の強度の低下を抑制することができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の流し込み耐火物は、耐火性配合物100質量%に対して、(A)断面形状がほぼ円形で、断面最大径が5〜20 mmかつ軸方向の長さ/断面最大径で規定されるアスペクト比が2〜5であり、JIS R1601に準じて測定した曲げ強度が60 MPa以上である長柱状耐火性骨材を5〜25質量%、及び(B)断面最大径が0.2〜1.5 mmかつ長さが20〜35 mmである金属ファイバーを1〜10質量%を、それぞれ外掛け添加したことを特徴とする。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記耐火性配合物は、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなり、その化学成分がAl2O3が55質量%以上のアルミナ-シリカ質であり、前記長柱状耐火性骨材は、Al2O3を55質量%以上含有する焼結ムライトであることを特徴とする。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、本発明の流し込み耐火物は、タンディッシュ内張り用流し込み耐火物であることを特徴とする。
本発明の長柱状耐火性骨材を使用した流し込み耐火物によれば、600℃付近の低温度域においても、剥離につながるような亀裂の発生を防止することが可能となったので、タンディッシュや溶鋼取鍋などの溶融金属容器の内張りに好適に使用できる。
本発明の流し込み耐火物で使用する金属ファイバーの形状の例を示す断面図である。 実施例4及び5並びに比較例1の流し込み耐火物をタンディッシュの内張りに適用した際の寿命ch数を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、それに先立って、本発明で特定する流し込み耐火物の技術的意義について説明する。
長柱状耐火性骨材を使用した本発明の流し込み耐火物の特徴は、1000℃以上の高温域での亀裂進展に対する抵抗性の向上だけでなく、600℃付近の強度の低下を抑制することで、剥離につながるような亀裂の発生を防止することである。
(A)長柱状耐火性骨材
本発明の流し込み耐火物に使用する長柱状耐火性骨材は、1000℃以上の高温度域において、亀裂の進展経路を延長させ、流し込み耐火物の亀裂進展に対する抵抗性を向上させることで、流し込み耐火物の耐スポーリング性を向上させる。
長柱状耐火性骨材の断面最大径は5〜20 mmである。断面最大径が5 mm未満では、構造的な強度が弱く亀裂の進展を抑制する効果が得られないために好ましくない。断面最大径が20 mmを超えて大きくなると、流し込み耐火物の流動性が低下するために好ましくない。
軸方向の長さ/断面最大径で規定されるアスペクト比は2〜5である。2より小さいと亀裂の進展に対する抵抗の効果が得られない。また5を超えて大きくなると、骨材の製造コストが高くなるだけでなく、流し込み耐火物の流動性を低下させ充填性が低下するため、得られる組織が脆弱になってしまい好ましくない。ここで定義するアスペクト比は50個の骨材のアスペクト比の平均値を指す。例えば、アスペクト比が2の長柱状耐火性骨材とは、アスペクト比の平均値が2であり、その中にアスペクト比2を下回る耐火性骨材が含まれてもかまわない。
長柱状耐火性骨材の曲げ強度は、1000℃以上の高温度域で亀裂の進展の抑制のためには、高いことが好ましい。具体的には、JIS R1601:2008の「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」に準じて、幅4.0 mm×厚さ3.0 mm×全長45 mmの角柱状試験片を3点曲げ試験法にて測定した値が60 MPa以上である。曲げ強度が60 MPa未満では、進展した亀裂によって骨材自体が折損し、長柱状耐火性骨材を使用する目的である亀裂の進展を抑制する効果が得られない。
長柱状耐火性骨材の組成としては、前述の曲げ強度を満足すれば特に限定されることなく各種のものを使用することができるが、マトリックス部との熱膨張率の差が小さいものを使用することが好ましい。例えば、後述するように耐火性配合物の化学成分が、Al2O3が55質量%以上のアルミナ-シリカ質である場合、長柱状耐火性骨材はAl2O3を55質量%以上含有する焼結ムライトを使用することが好ましい。
長柱状耐火性骨材の添加量は、耐火性配合物100質量%に対して、外掛けで5〜25質量%である。添加量が5質量%未満では、目的とする亀裂の発生及び進展を防止する効果が得られず、また添加量が25質量%を超えて多くなると、施工時の充填性が低下するために好ましくない。
本発明の長柱状耐火性骨材の製造方法は、特に限定されるものではないが、製造の容易さや製造コストの面から、例えばスラリー状原料の押出によって成形したものをロータリーキルンなどで焼成する方法が好ましい。スラリー押出しによる成形では、口金の形状によって、断面形状が円形や多角形など各種のものを製造できるが、ロータリーキルンでの焼成時の角欠けなどの問題や流し込み耐火物の流動性の点から、ほぼ円形の断面形状のものが好ましい。ここで断面形状がほぼ円形とは、断面の円形度[4×π×S/L2(ただし、Sは断面の面積、Lは断面の周長である。)]が、0.8以上であることをいう。前記円形度は、好ましくは0.85以上である。
(B)金属ファイバー
本発明の流し込み耐火物に使用する金属ファイバーは、長柱状耐火性骨材を使用した本発明の流し込み耐火物の特有の課題である600℃付近での強度の低下を抑制することで、亀裂の発生を防止する。また、その架橋効果により、発生した亀裂の進展も抑制する。
金属ファイバーは、断面最大径が0.2〜1.5 mmである。断面最大径が0.2 mm未満では600℃付近での破壊強度の低下を抑制する効果が得られず、1.5 mmを超えて大きくなると流し込み耐火物の流動性が低下するため、施工時の充填性が悪くなる。金属ファイバーの長さは20〜35 mmがさらに好ましい。長さが20 mm未満では、1000℃未満での亀裂を分散又は抑制する効果が得られず、長さが35 mm超では、金属ファイバーが混練時に絡み合いやすくなり、流し込み耐火物の流動性が低下するため、得られる組織が脆弱になってしまい好ましくない。
金属ファイバーの添加量は、耐火性配合物100質量%に対して外掛けで1〜10質量%である。添加量が1質量%未満では目的の効果を得ることができず、10質量%を超えて添加してもコストが高くなるだけで、目的の効果以上のものを得られない。
金属ファイバーの種類は特に限定されず、一般的に流し込み耐火物に使用されているものであればいずれのものも使用できる。例えば、耐熱合金、耐熱鋼、ステンレス鋼、高張力鋼、炭素鋼が挙げられ、それらにCu、Al、Mo、Ti、Nb、Be、N、B等の元素を1種又は2種以上含んだ特殊合金鋼等も挙げられる。比較的入手しやすいものとしては、JISに規格されるSUS310S、SUS304、SUH446、SUS430などが挙げられる。
金属ファイバーの形状としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、直線状及び例えば図1に示すような曲線状(山形、波形、ドッグボーン形等)のいずれのものも使用できる。
(C)耐火性配合物
本発明の流し込み耐火物に使用する耐火性配合物は、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなる。
耐火性骨材は、一般的な流し込み耐火物に使用される電融品及び焼結品のほぼ球状のものを使用することができ、その粒径は10 mm以下である。組成としては、アルミナ、ボーキサイト、カイアナイト、アンダリュサイト、ムライト、シャモット、ロー石、珪石、アルミナ-マグネシア系スピネル、マグネシア、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素、黒鉛、カーボン、ピッチ等からなる群から選ばれた1種であり、必要に応じて2種以上を併用することができる。
耐火性微粉も同様に、非晶質シリカ微粉、シリカ微粉、アルミナ微粉、マグネシア微粉、チタニア微粉、ムライト微粉、ジルコニア微粉、クロミア微粉、炭化珪素微粉、カーボン微粉等からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、必要に応じて2種以上を併用する。なお、ここでいう耐火性微粉とは、JIS標準ふるいで200メッシュ以下、即ち0.074 mm以下の粒子である。
アルミナセメントとしては、CaO含有量が30質量%未満であって、カルシウムアルミネートを主体鉱物とする高純度ハイアルミナセメントを使用する。
分散剤は、特に限定されるものではないが、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ウルトラポリリン酸塩、酸性ヘキサメタリン酸塩などの無機系分散剤や、ポリアクリル酸塩、スルホン酸塩、ポリカルボン酸系などの有機系分散剤などを使用する。
本発明の流し込み耐火物においては、前記構成の他に、発明の効果を阻害しない範囲において、さらに、前記耐火性配合物に対して、増粘剤、硬化調整剤、爆裂防止剤などを添加することもできる。
本発明の耐火組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、使用目的に合わせて前記組成などを各種組み合わせて使用することができる。例えばタンディッシュの内張りに好適に使用する場合、ムライトやシャモットなどの耐火性骨材、アルミナ微粉や非晶質シリカ微粉などの耐火性微粉、JIS1種又はJIS2種クラスのアルミナセメント及び分散剤からなり、耐食性の点から、化学成分はAl2O3含有量が55質量%以上のアルミナ-シリカ質のものを使用することが好ましい。
ここで本発明で規定した項目の根拠を示す実験結果について説明する。
(1)長柱状耐火性骨材
Al2O3含有量及び形状がそれぞれ異なる焼結ムライトの長柱状耐火性骨材を製造した。長柱状耐火性骨材の曲げ強度は、各長柱状耐火性骨材と同一組成の直方体を別途製造し、その直方体から厚さ×幅×長さ=3 mm×4 mm×40 mmの試験片を切り出してJIS R1601:2008の3点曲げ試験法に準じて測定した値を採用した。アスペクト比は、各長柱状耐火性骨材10 kgの中から無作為に50個の骨材を採取し、それぞれノギスにて断面最大径と軸方向の長さを測定してアスペクト比を求め、それらの平均値で表した。各長柱状耐火性骨材の組成、形状及び曲げ強度を表1に示す。
(2)金属ファイバー
表2に示す各種の金属ファイバーを用意した。
(3)流し込み耐火物の作製
耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤を表3に示す組成で配合し、耐火性配合物を調整した。得られた耐火性配合物に表1に示す長柱状耐火性骨材及び表2に示す金属ファイバーを表4に示す割合で外掛け添加し、さらに5質量%の水を外掛け添加後、3分間混練して所定の形枠に流し込み成形した。成形体の形状は40×40×160 mmの直方体とした。得られた成形体を常温で24時間養生した後、脱枠して110℃×24hr乾燥した。
作製した成形体のサンプルを用いて、破壊エネルギー測定と耐熱スポーリング性評価試験を実施した。破壊エネルギーとは、サンプルに応力を徐々にかけてゆき、亀裂が生じて進展し、完全に破断するまでに要したエネルギーであり、破壊エネルギーが大きいほど亀裂の進展に対する抵抗が大きく、耐スポーリング性に優れる。耐熱スポーリング性評価試験は、サンプルに急加熱―急冷却を繰り返し与え、それによるサンプルの劣化を弾性率の変化で評価した。弾性率が維持されるほど耐熱スポーリング性に優れると判断できる。各試験の試験方法について以下に説明する。
<破壊エネルギー測定>
前記の方法で作製した成形体サンプルを、1400℃で3hr加熱焼成した後のもの及び600℃で3hr加熱処理した後のものを準備し、三点曲げ法にてオートグラフで破壊に至るまでの荷重―変位線図を取得し、その積分値を破壊エネルギーとした。
<耐熱スポーリング性評価試験>
前記の方法で作製した試験片を1400℃で3hr加熱焼成した後、室温まで徐々に冷却した試験片について、弾性率E0を測定しておく。この試験片を(1)1400℃に昇温した炉に投入し、(2)30分間保持した後、(3)試験片を炉から取り出し、(4)空気中で急冷却した後の弾性率を測定した。この(1)〜(4)の急加熱―急冷却サイクルを1サイクルとし、nサイクル終了後の弾性率をEnとした。急加熱―急冷却に伴い試験片には亀裂が生じるなどの損傷によって弾性率が下がってゆく。この弾性率の変化を評価することで耐熱スポーリング性を評価した。
試験結果は、前記のサイクルを3回行った後の弾性率E3と初期弾性率E0との比E3/E0で示した。E3/E0が大きいほど弾性率の低下が小さいので耐熱スポーリング性が優れる。なお弾性率は動的弾性率試験方法(JIS R1602:曲げ共振法)にて測定した。
本発明の流し込み耐火物(実施例1〜10)は、いずれも長柱状耐火性骨材による亀裂の進展抑制効果が得られるため、600℃熱処理後及び1400℃焼成後とも破壊エネルギーが高く、耐熱スポーリング性にも優れていた。
それに対して、アスペクト比が2より小さい長柱状耐火性骨材を使用した比較例1では、亀裂の進展抑制効果が得られないため、1400℃での破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
JIS R1601に準じて測定した曲げ強度が60 MPaより低い長柱状耐火性骨材を使用した比較例2や断面最大径が5 mmより短く構造的な強度の弱い長柱状耐火性骨材を使用した比較例3では、発生した亀裂の進展を抑制する効果が得られないため、1400℃での破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
アスペクト比が5を超えて大きな長柱状耐火性骨材を使用した比較例4及び断面最大径が20 mmを超えて大きな長柱状耐火性骨材を使用した比較例5はいずれも、流し込み耐火物の流動性が低下し得られる施工体の組織が脆弱になる。そのため、600℃及び1400℃での破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
長さが20 mmよりも短い金属ファイバーを使用した比較例6は、600℃での亀裂抑制効果が得られないため破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
長さが35 mmよりも長い金属ファイバーを使用した比較例7は、流し込み耐火物の流動性が低下し得られる施工体の組織が脆弱になるため、600℃及び1400℃での破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
金属ファイバーの添加量が1質量%よりも少ない比較例8は、600℃での亀裂抑制効果が得られないため、破壊エネルギーが低く、耐熱スポーリング性も劣る。
(タンディッシュ適用例)
実施例4及び5、並びに比較例1の流し込み耐火物を実機のタンディッシュの内張りとして実際に使用した。この際、施工時の水分を外掛けで5質量%とし、混練は2 ton毎にミキサーを用いて行った。タンディッシュには所定の中子をセットし、混練した流し込み耐火物を流し込んだ。その後12hr養生し、中子を取り外した後、乾燥バーナーを用いて52 hr乾燥した。そこにマグネシア質のコーティングを施工して施工完了とした。
施工を完了したタンディッシュを連続鋳造プロセスにて使用した。溶鋼鍋1基分の鋳造を1chとし、数ch連続して鋳造を行うことを「キャスト」と呼ぶ。今回の条件は、1chで約400tonの溶鋼を、1回のキャストで約10ch連続して鋳造するものであった。キャスト開始時に2hr予熱し、内張り耐火物を表面で約1000℃に加熱した。またキャストが終わると、タンディッシュ内に残った溶鋼やスラグを排出し、付着物の除去など簡単な整備を施し、コーティングして次のキャストに供し、繰り返し使用した。
タンディッシュの内張り耐火物は、繰り返し使用される過程で熱衝撃や機械的衝撃を受け、亀裂が生じ、最終的には剥離してしまい寿命となる。耐火物の耐久性としては寿命に至るまで使用したch数で表わされる。
図2に実施例4及び5並びに比較例1の流し込み耐火物をタンディッシュの内張りに適用した際の寿命ch数を示す。実施例4及び5は比較例1に比べ約3割寿命ch数が増加しており、耐久性に優れることが分かる。これは本発明の効果により、内張り耐火物の亀裂剥離が抑制されたことを示す結果といえる。

Claims (3)

  1. 耐火性配合物100質量%に対して、
    (A)断面形状がほぼ円形で、断面最大径が5〜20 mmかつ軸方向の長さ/断面最大径で規定されるアスペクト比が2〜5であり、JIS R1601に準じて測定した曲げ強度が60 MPa以上である長柱状耐火性骨材を5〜25質量%、及び
    (B)断面最大径が0.2〜1.5 mmかつ長さが20〜35 mmである金属ファイバーを1〜10質量%
    をそれぞれ外掛け添加したことを特徴とする流し込み耐火物。
  2. 請求項1に記載の流し込み耐火物において、前記耐火性配合物は、耐火性骨材、耐火性微粉、アルミナセメント及び分散剤からなり、その化学成分がAl2O3が55質量%以上のアルミナ-シリカ質であり、前記長柱状耐火性骨材は、Al2O3を55質量%以上含有する焼結ムライトであることを特徴とする流し込み耐火物。
  3. 請求項1又は2に記載の流し込み耐火物が、タンディッシュ内張り用であることを特徴とする流し込み耐火物。
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