JP2016107909A - 車両用空調装置の取付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】送風機16からの振動が乗員に伝わることを簡単な構成で抑制することができる車両用空調装置の取付け構造を提供する。【解決手段】空調ケース15は、リンホース13から吊り下げられている。そして取付け部20とリンホース13との接触部分ではリンホース13の軸回りに取付け部20が角変位することを許容している。したがって空調ケース15は、リンホース13の軸回りに揺動することができる。換言すると、取付け部20は、リンホース13に対して摺動することができる。したがって空調ケース15内の送風機16の振動は、摺動および揺動によって発散されるので、リンホース13に伝わりにくくすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される車両用空調装置の取付け構造に関する。
従来、車両用空調装置は、リンホースおよびブレスおよびダッシュと呼ばれるユニット支持部品にボルト締結によって固定されている。このような取付け構造では、送風機のファンからの振動がリンホースを介して、ステアリングやシート、フロアなどへと伝達し、乗員に不快な振動を与える。
送風機のファンは、アンバランスによる回転1次強制力がリンホースに伝わる。この回転1次強制力が特に大きい最高回転域、たとえば4200rpm付近(70Hz付近)で特に問題となる。そしてアンバランス強制力と同じ70Hz付近に車両用空調装置の質量と締結部のばねの系で形成される取付け共振が複数存在し、振動を大幅に増幅させている。
前述のボルト締結構造では、取付け共振が70Hzと一致しないように、共振を低くするためユニット取付け部のばねを小さくことが考えられる。しかしばねを小さくすると、振幅が増幅し、ボルト締結部に応力集中が発生するのでボルト締結部の強度に問題がある。
このような振動を低減するための技術が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の空調ユニットでは、送風ファンが高速回転のときに、制御装置の質量を利用して送風ファンからの回転1次振動成分を制振するダイナミックダンパが設けられている。
特開2008−18869号公報
前述の特許文献1に記載の空調ユニットでは、ダイナミックダンパが必要であるので部品点数が増加するという問題がある。また制御装置の質量を利用しているので、制御装置の寿命が低下するおそれがある。
また従来の他の振動低減技術として、ファンとモ−タを収納する樹脂製の送風機ケースの剛性アップ、たとえば板厚アップおよびリブ補強、ならびにファンブレードへのバランスウェイト装着による振動抑制が提案されている。しかしながら、剛性アップは、成形上の制約および重量アップなどに起因する製造上の限界があり、十分な振動抑制効果が得られない。
またバランスウェイトを装着して、ファンのアンバランスの最小限化する構成は、ファン個々に異なるアンバランス量を、全数にわたり、計測、調整する必要があり、多くの時間とコストを費やすなどの問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、送風機からの振動が乗員に伝わることを簡単な構成で抑制することができる車両用空調装置の取付け構造を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明は、車室内を空調する車両用空調装置(100)を車両の固定部材(13)に取付けるための取付け構造であって、取付け部(20)は、空調ケース(15)が固定部材(13)から吊り下げられるように係合し、取付け部と固定部材との接触部分では固定部材の軸回りに取付け部が角変位することを許容していることを特徴とする車両用空調装置の取付け構造である。
このような本発明に従えば、空調ケースは、長手状の固定部材から吊り下げられている。そして取付け部と固定部材との接触部分では固定部材の軸回りに取付け部が角変位することを許容している。したがって空調ケースは、固定部材の軸回りに揺動することができる。換言すると、取付け部は、固定部材に対して摺動することができる。したがって空調ケース内の送風機の振動は、摺動および揺動によって発散されるので、固定部材に伝わりにくくすることができる。したがって固定部材から車両に振動が伝わることを抑制することができる。これによって乗員に送風機からの振動が伝わることを抑制することができる。また取付け部を固定部材に吊り下げるだけでよいので、簡単な構成で取付け構造を実現することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
車両用空調装置100の取付け構造10を簡略化して示す斜視図である。 取付け構造10を示す側面図である。 周波数と強制力との関係の一例を示すグラフである。 振動モデルを示す図である。 周波数と伝達特性との関係の一例を示すグラフである。 周波数とステア振動との関係の一例を示すグラフである。 第2実施形態の取付け構造102を示す斜視図である。 第3実施形態の取付け構造103を示す側面図である。 第4実施形態の取付け構造104を示す側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図6を用いて説明する。車両用空調装置100は、車両に搭載され、車両の車室内空調運転の実施可能な装置である。車室の前方部分における車体は、カウル、インストルメントパネル11、ブレス12、リンホース13を含んで構成されている。カウルは、鋼板または板状のアルミ合金等から形成されており、車両のエンジンルームと車室とを隔てる。
インストルメントパネル11は、カウルよりも車室側に張り出すように、かつフロントウインドシールドの下方に配置されている。インストルメントパネル11は、インストルメントパネル11の前端下面に設けられている嵌込部にカウルのフランジ部が嵌め込まれるとともに、カウルに形成されているブラケットと結合されることにより車体に固定されている。
ブレス12は、鋼材またはアルミ合金等から形成されており、カウルより車室側に張り出すようにして配置されている。ブレス12とインストルメントパネル11との間には車両用空調装置100などの機器類を収容する空間部が形成される。
ブレス12の車室側の端部には、リンホース13が溶接等により結合されている。リンホース13は、車両幅方向に延びる構造体であって、車体の強度を向上させている。またリンホース13は、エンジンルームからカウルを突き抜け車室の運転席向かって延びるステア取付け部14を保持している。したがってインストルメントパネル11およびリンホースは、ステア取付け部14を介してステアリングと連結されている。
車両用空調装置100は、外殻が空調ケース15で構成されており、大別して送風部と空調部17を備えている。空調ケース15は、車室内前方のインストルメントパネル11の裏側に配置されている。空調ケース15は、内方に空気が流れる通路であって、空気の流れが分岐または合流する複数の通路を形成する。空調ケース15は、複数のケース部材からなり、例えばポリプロピレンなどの樹脂成形品である。複数のケース部材は、金属ばね、ねじ等の締結手段によって一体的に結合されて空調ケース15を構成している。
空調ケース15の内部には、送風部と空調部17とが収容されている。送風部は、車室内または車室外の空気を空調部17に送風するための送風機16を備え、送風機16の吹出口は空調部17の入口に至る送風通路と接続されている。送風機16は、遠心多翼ファンとこれを駆動するモータとからなり、遠心多翼ファンの周囲はスクロールケーシングで囲まれ、遠心多翼ファンの遠心方向に伸びるダクトによって送風通路と連通している。
空調部17は、送風機16によって送風された空気を空調して、車室内に導く。空調部17は、たとえば送風機16からの空気を加熱および冷却して、所定の設定温度となるように温度調節する。また空調部17は、たとえば車室内に吹き出す吹出口を開閉ドアによって制御して、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口の開閉を制御する。
次に、車両用空調装置100を車両に取付ける取付け構造10に関して説明する。送風機16の内部に搭載されているファンとモータのアンバランス強制力により発生する振動は、空調ケース15およびリンホース13へ伝達し、さらにそこからステアリングやシートおよびフロアなどへと伝達する。そこで本実施形態では、乗員への振動の伝達を抑制する取付け構造10を採用している。
車両用空調装置100の外殻は、空調ケース15によって構成されている。したがって空調ケース15を、車両に取付けることによって、車両用空調装置100を車両に搭載している。空調ケース15は、図1では理解を容易にするために直方体状で示している。そして空調ケース15は、長手方向が車両の左右方向に該当する。また空調ケース15の上面は、車両が停止した水平状態において、水平となるように設けられる。空調ケース15には、図1に示すように、取付け部20が上部の外壁である上面に設けられている。取付け部20は、空調ケース15の上面から上方に突出している。取付け部20は、空調ケース15の幅方向の中央であって、長手方向に間隔をあけて複数、本実施形態では2つ設けられている。取付け部20は、図2に示すように、断面形状がJ型であり、先端部が上方に凸となるように湾曲している。
取付け部20は、リンホース13に係合するように設けられる。リンホース13は、固定部材であって、空調ケース15の鉛直方向の上方に設けられ、鉛直方向に交差する方向に延びる長手状の部材である。リンホース13は、図1に示すように、車両が停止し水平状態において水平方向に延びる。またリンホース13は、空調ケース15の長手方向に延びる。またリンホース13は、空調ケース15に対して前後方向の中央を長手方向に延びるように配置されている。リンホース13は、前述のように車両に固定されている。
取付け部20をリンホース13に取付ける場合には、リンホース13に取付け部20を引っかけることによって取付けが完了する。単に引っかけている構成なので、リンホース13から取り外すこともできる。したがって取付け部20は、リンホース13に着脱可能である。したがって取付け部20は、空調ケース15がリンホース13から吊り下げられるように係合し、取付け部20とリンホース13との接触部分ではリンホース13の軸回りに取付け部20が角変位することを許容している。換言すると、リンホース13の軸回りに、ブランコのように空調ケース15が揺動可能である。
また単にリンホース13に引っかけているだけなので、リンホース13の軸方向に車両用空調装置100のスライド変位を防ぐためのストッパ21がリンホース13に設けられている。ストッパ21は、リンホース13の外周面から外方に突出するように設けられ、2つの取付け部20の軸方向の外側に接触、または近接する位置に設けられている。これによって車両用空調装置100がスライド変位するのを、ストッパ21が規制している。またストッパ21に換えて、リンホースに取付け部20が嵌合する凹部を設けてもよい。
本実施形態の取付け構造10、取付け部20を褶動可能にして、応力集中がかからないようしている。取付け部20が摺動可能とは、取付け部20の湾曲面とリンホース13の外周面とが接触した状態で、面ずれが可能という意味である。また取付け部20の位置を、車両用空調装置100の取付け共振と同周波数のリンホース13の共振モードの節と一致させることにより、振動の伝達を低減させる。図1では、一点鎖線で共振モードの波形を示している。
取付け部20を褶動可能にすることにより、70Hzより低い周波数で前後方向の振動モードが励起される。この前後方向の振動モードに対しては、空調ケース15の前後方向の振動を抑制するために、車両に固定されているブレス12と空調ケース15との間に、柔軟性を有する柔軟部材である防振ゴム22を設ける。具体的には、図2に示すように、空調ケース15の側面の少なくとも一部は、車両に固定されている固定部位であるブレス12と対向している。そして対向する空調ケース15の側面とブレス12との間の一部には、柔軟性を有する柔軟部材が設けられている。
そして柔軟部材は、リンホース13の軸回りに取付け部20が角変位した際に、ブレス12と空調ケース15の側面とが接触することを防ぐ。柔軟部材は、たとえば防振ゴム22によって実現される。これによって防振ゴム22が、前後方向の振動を吸収して、ステア取付け部14に振動が伝わることを抑制することができる。
また防振ゴム22は、車両用空調装置100の弾性モードの節に対応する位置に設けられている。弾性モードは、振動モードの一つであって、防振ゴム22を一つの弾性体とみたときの振動モードである。弾性モードの振動は、車両用空調装置の曲げ振動およびねじり振動などである。図1では、仮想線で弾性モードの波形を示している。換言すると防振ゴム22は、車両用空調装置100の取付け共振と同周波数の車両用空調装置100の弾性モードの節の位置にしている。これによって弾性モードの節に対応する位置は、弾性モードの腹に対応する位置に比べて振幅が小さい。このような節を防振ゴム22によって抑えることによって、車両用空調装置100が前後方向に振動を低減することができる。
また防振ゴム22は、柔軟性が部分的に異なり、空調ケース15の角変位量が大きくなり、防振ゴム22の変形量が大きくなるにつれて、柔軟性が小さくなるように材料および形状が選択される。本実施形態では、防振ゴム22は、円錐状に形成されている。そして円錐状の防振ゴム22の先端が空調ケース15の側面に対向している。防振ゴム22の先端は、体積が少ないので変形しやすいが、根本にいくにつれて断面積が大きくなり、体積が大きくなる。したがって空調ケース15の角変位量が大きくなるにつれて、柔軟性が小さくなり、変形しにくくなる。
次に、本実施形態の取付け構造10の効果に関して説明する。回転1次成分のステア振動は、次式(1)によって示される。
アンバランス強制力×振動伝達特性=ステア振動(m/s) …(1)
先ず、式(1)の左辺第1項のアンバランス強制力Fに関して説明する。アンバランス強制力Fは、送風機16のファンの回転によって決定し、次式(2)によって示される。ここでωは、角速度(2πf)である。
F=mrω(N) …(2)
このようにアンバランス強制力は、遠心力を示す式によって示される。図3に示すように、ファンの回転数が上昇するにつれて、アンバランス強制力は上昇する。ファンの最高回転数をたとえば4200rpmとすると、ファンアンバランスによって発生する回転1次強制力の周波数は、次式(3)によって70Hzと算出される。
f=4200rpm×1次/60=70(Hz) …(3)
次に、式(1)の左辺第2項の振動伝達特性(m/s2/N)に関して説明する。図4に示すように質量mの車両用空調装置100を、5つの部材によって固定されていると仮定している。取付け共振周波数fは、次式(4)によって示される。
Figure 2016107909
ここでリンホース13に接続される取付け部20のばね定数k1〜k3は、比較例としてリンホース13にボルトで締結している構成と比べると、比較例のばね定数よりも小さくなる。摺動可能にすることによって、振動が伝わりにくいからである。同様に、ブレス12に接続される防振ゴム22のばね定数k4,k5は、比較例としてブレス12にボルトで締結している構成と比べると、比較例のばね定数よりも小さくなる。ばね定数kが小さくなると、前述の式(4)によって共振周波数fが小さくなる。
比較例の場合は、ボルト締結によるばね定数によって、50Hzから70Hzにおいてあらゆる方向に複数の取付け共振をもつ。これに対してばね定数が小さい本実施形態では、共振周波数fが小さく、ファンの周波数が70Hzよりも小さい周波数に移動させることができる。
また本実施形態の車両用空調装置100の取付け共振周波数、20Hzよりも大きく50Hz未満であることがこのましい。前述のように共振周波数は、ばね定数を小さくすることによって小さくすることができ、車両用空調装置100の質量mを大きくしても小さくすることができる。換言すると、共振周波数はある程度、調整可能である。共振周波数が20Hz以下では車両のばね下共振の影響によって振動が大きくなるおそれがある。また共振周波数が50Hz以上であると、前述のようにアンバランス強制力が大きくなり、振動が悪化するからである。
図5では、各周波数における伝達特性を示している。また図5では、第1実施例〜第3実施例および比較例の4つの波形を示している。第1実施例は、本実施形態の取付け部20の形状を採用している。第2実施例は、第1実施例の構成に加えて、取付け部20の位置をリンホース13の共振モードの節と一致させた構成を採用している。第3実施例は、第2実施例の構成に加えて、防振ゴム22の位置を弾性モードの節と一致させた構成を採用している。
この結果、図5に示すように、本実施形態の第1実施例〜第3実施例では、比較例に比べて低周波数の領域において伝達特性にピークが見られる。これに対して比較例では、前述のように70Hzの最高回転域で、伝達特性のピークが見られる。また伝達特性のピークは、複数の構成を組み合わせた第3実施例が最も小さい。このように比較例に比べると最高回転域で、伝達特性の低減効果を有することが図5より得られる。
最後に、式(1)の右辺のステア振動(m/s)に関して説明する。図3に示すように周波数が高くなるとアンバランス強制力が高くなるが、図5に示すように最高回転域の伝達特性を低減できているので、これらの積であるステア振動も最高回転域では、比較例に比べて低減できていることがわかる。したがって本実施形態の取付け構造10によって回転1次成分のステア振動が低減されていることがわかる。
以上説明したように本実施形態の空調ケース15は、リンホース13から吊り下げられている。そして取付け部20とリンホース13との接触部分ではリンホース13の軸回りに取付け部20が角変位することを許容している。したがって空調ケース15は、リンホース13の軸回りに揺動することができる。換言すると、取付け部20は、リンホース13に対して摺動することができる。したがって空調ケース15内の送風機16の振動は、摺動および揺動によって発散されるので、リンホース13に伝わりにくくすることができる。したがってリンホース13から車両に振動が伝わることを抑制することができる。これによって乗員に送風機16からの振動が伝わることを抑制することができる。また取付け部20をリンホース13に吊り下げるだけでよいので、簡単な構成で取付け構造10を実現することができる。
従来は、空調ケース15の上部、下部、車両前方部および後方部など複数の位置で支持していたため、複数の共振モードが生じた。しかし本実施形態では、褶動可能な取付けのみのため、前後方向の単一の共振モードが支配的であり比較的、振動低減対策が容易になる利点を有する。換言すると、本実施形態の空調ケース15では、前後方向モードの振動のみ低減すれば、振動抑制効果を得ることができる。
このように本実施形態の取付け構造10は、空調ケース15内にある送風機16振動低減に関するものである。そして送風機16のファンのアンバランスによる回転1次強制力、特に使用最高回転域70Hz付近の大きい強制力を、空調ケース15からリンホース13へ伝達することを低減するため空調ケース15とリンホース13の取付け部20を褶動可能としている。
また本実施形態では、取付け部20の形状をフック形状にすることで、リンホース13を車両に固定後に車両用空調装置100を搭載することが可能である。したがって車両用空調装置100の搭載制約の緩和することができる。
さらに本実施形態では、取付け部20の取付け位置を、リンホース13の共振モードの節に設置している。節を抑えることによって、腹の位置よりも振幅が小さいので、リンホース13への振動伝達を低減することができる。
また本実施形態では、吊り下げるという取付け部20の構造上、車両前後方向の振動を励起するが、車両に一般的に搭載されているブレス12と、空調ケース15の側面の間に柔軟部材である防振ゴム22を挟むことで前後方向の振動を抑制している。
さらに本実施形態では、防振ゴム22は、円錐形状である。これによって通常時は円錐の先端の柔らかい部位で空調ケース15の側面を支持することで伝達を効率的に抑制している。そして空調ケース15が大きく振動する緊急時は円錐の硬い部位で抑制することを可能にしている。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図7を用いて説明する。本実施形態では、取付け部202がトンネル形状である点に特徴を有する。
図7に示すように、取付け部202は、円柱状の部材である。取付け部202の内部を貫通するようにリンホース13が設けられている。したがって取付け部202の内周面とリンホース13の外周面とが摺動可能である。
このような構成であって、前述の第1実施形態と同様に摺動による振動低減効果を得ることができる。また取付け部202が長手状の部材であるので、取付け強度が向上して、安定させることができる。さらにトンネル状であるので、車両の振動によって外れることを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に関して、図8を用いて説明する。本実施形態では、取付け部203が開閉可能な形状である点に特徴を有する。
取付け部203は、図8に示すように上部と下部とで分割可能である。そして上部は下部に対して角変位可能に支持されている。したがって取付け部203は、開閉可能であり、閉状態は維持できるようにロック機構(図示せず)が設けられている。取付け部203は、上部が仮想線で示す開状態において、リンホース13を取付け部の内部に収容し、閉状態にすることによって取付け部203とリンホース13とを摺動可能な状態として取付けることができる。
このような構成であっても、前述の第1実施形態と同様の作用および効果を奏することができる。また取付け部203は、前述の第2実施形態のように長手状にしてもよく、前述の第1実施形態のように複数箇所に部分的に設けてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に関して、図9を用いて説明する。本実施形態では、柔軟部材224の構成に特徴を有する。柔軟部材224は、前述の第1実施形態と形状が異なり、円柱状である。そして柔軟部材224の材料は、ゴムに限らず、スポンジおよびばねなどであってもよい。
このような構成であっても、前述の第1実施形態と同様の作用および効果を奏することができる。また円柱状であっても、部分的に柔軟性が異なる材料を組み合わせてもよい。たとえば空調ケース15に接触する部分の柔軟性が高く、ブレス12に接触する部分の柔軟性は低くなるように構成してもよい。これによって第1実施形態の円柱状の防振ゴム22の作用および効果と奏することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の第1実施形態では、取付け部20は空調ケース15の外壁に一体に設けられているが一体に限るものではない。たとえば取付け部20は、ベアリングなどで予めリンホース13に摺動可能に取付けられており、そのベアリングを空調ケース15にボルトなどで固定する構成であってもよい。
前述の第1実施形態では、取付け部20とリンホース13と摺動部分に関して、摺動を円滑する構成については特に限定していないが、たとえばオイルなどを用いて潤滑に摺動される構成が好ましい。また摩擦が少ない材料を選択することが好ましい。
前述の第1実施形態では、取付け部20の取付け位置は、固定部材の共振モードの節の位置であったが、節の位置に限るものではない。節に対応する位置として、腹よりも節に近い位置であり、好ましくは節に近接する位置であり、さらに好ましくは節の位置である。
前述の第1実施形態では、リンホース13は円柱状であったが、他の形状、たとえば四角柱などの多角形状であってもよい。またリンホース13が1本でなく、分割されている形状であってもよい。車両に固定されている固定部材と、取付け部203とが摺動可能であればよい。
前述の第1実施形態では、空調ケース15は、リンホース13の軸方向に延びる形状であるが、このような形状に限るものではない。空調ケース15は、たとえばリンホース13に対して鉛直方向に延びる形状であってもよい。また空調ケース15に収容される送風機16および空調部17も位置関係も自由である。
10…取付け構造 11…インストルメントパネル(固定部位)
12…ブレス(固定部位) 13…リンホース(固定部材)
14…ステア取付け部 15…空調ケース
16…送風機 17…空調部
20…取付け部 21…ストッパ
22…防振ゴム(柔軟部材) 100…車両用空調装置
224…柔軟部材

Claims (7)

  1. 車室内を空調する車両用空調装置(100)を車両の固定部材(13)に取付けるための取付け構造であって、
    前記車両用空調装置は、
    送風機(16)と、
    前記送風機が送風する空気を空調して、前記車室内に導く空調部(17)と、
    前記送風機および前記空調部を内部に収容する空調ケース(15)と、
    前記空調ケースの外壁に設けられ、前記固定部材に係合して前記空調ケースを前記車両に取付ける取付け部(20)と、を含み、
    前記固定部材は、前記空調ケースの鉛直方向の上方に設けられ、前記鉛直方向に交差する方向に延びる長手状の部材であり、前記車両に固定されており、
    前記取付け部は、前記空調ケースが前記固定部材から吊り下げられるように係合し、前記取付け部と前記固定部材との接触部分では前記固定部材の軸回りに前記取付け部が角変位することを許容していることを特徴とする車両用空調装置の取付け構造。
  2. 前記取付け部は、前記固定部材に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の取付け構造。
  3. 前記取付け部は、複数設けられ、
    少なくとも1つの前記取付け部の取付け位置は、前記固定部材の共振モードの節に対応する位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置の取付け構造。
  4. 前記空調ケースの側面の少なくとも一部は、前記車両に固定されている固定部位(11,12)と対向しており、
    前記空調ケースの側面と前記固定部位との間の一部には、柔軟性を有する柔軟部材(22,224)が設けられており、
    前記柔軟部材は、前記固定部材の軸回りに前記取付け部が角変位した際に、前記車両の前記固定部位と前記空調ケースの側面とが接触することを防ぐことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用空調装置の取付け構造。
  5. 前記柔軟部材(22)は、柔軟性が部分的に異なり、
    前記取付け部が角変位した際の角変位量が大きくなり、前記柔軟部材の変形量が大きくなるにつれて、柔軟性が小さくなることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置の取付け構造。
  6. 前記柔軟部材は、前記車両用空調装置の弾性モードの節に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用空調装置の取付け構造。
  7. 前記取付け部を前記固定部材に係合させている状態における共振周波数は、20Hzよりも大きく50Hz未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用空調装置の取付け構造。
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