添付の図面を参照して、列車の車両数を判定する判定システムの様々な実施形態が説明される。「前方」、「後方」、「先頭」及び「後尾」といった方向を表す用語は、列車の進行方向を基準に用いられている。しかしながら、これらの用語は、説明の明瞭化のみを目的とし、以下の実施形態の原理を限定しない。
<第1実施形態>
従来技術は、列車の車両数を判定するために、列車の側面(プラットホームに相対する面)に光を照射している。本発明者等は、列車の側面によって反射された反射光の受光に基づいて、列車の停止位置や列車の車両数を判定することが、必要とされる検出位置の数を増大させる原因となっていることを見出した。必要とされる検出位置の数の増大は、必要とされる検出素子の数の増大に帰結する。第1実施形態において、少ない検出位置の設定の下で、車両数を適切に判定することを可能にする判定システムが説明される。
図1は、第1実施形態の判定システム100の概念的なブロック図である。図1を参照して、判定システム100が説明される。
判定システム100は、第1検出部200と、第2検出部300と、判定部400と、を含む。第1検出部200によって生成される第1情報は、列車TRNが適切な位置に停止しているか否かの判定に利用される。第2検出部300によって生成される第2情報は、列車TRNが適切な位置に停止している条件下において、列車TRNの車両数を決定するために用いられる。第1情報は、第1検出部200から判定部400へ出力される。第2情報は、第2検出部300から判定部400へ出力される。判定部400は、第1情報及び第2情報を用いて、列車TRNの車両数を判定するための判定処理を実行する。第1検出部200から判定部400への第1情報の伝達及び第2検出部300から判定部400への第2情報の伝達は、有線式の信号伝達技術に基づいてもよい。代替的に、第1情報及び第2情報の伝達は、無線式の信号伝達技術に基づいてもよい。本実施形態の原理は、第1情報及び第2情報の伝達に用いられる特定の情報伝達技術に限定されない。
図1は、列車TRNの先頭車両RLCを示す。先頭車両RLCは、列車TRNの進行方向において先頭に位置する。先頭車両RLCは、前面FSFを含む。前面FSFは、列車TRNの進行方向において、最も前方に位置する列車TRNの外面を意味してもよい。列車TRNの様々な部位に関する説明は、説明の明瞭化のみを目的とする。したがって、列車TRNの部位に関する説明は、本実施形態の原理を限定しない。
第1検出部200は、前面FSFからの反射波RFWから第1情報を生成する。反射波RFWは、光であってもよい。代替的に、反射波RFWは、音波であってもよい。更に代替的に、反射波RFWは、電磁波であってもよい。本実施形態の原理は、反射波RFWの特定の波種に限定されない。
第1検出部200は、反射波RFWを作り出すために、出力波を生成してもよい。この場合、出力波は、第1検出部200から前面FSFに向けて出射される。前面FSFは、出力波を反射し、反射波RFWを生成する。第1検出部200は、反射波RFWを受け取り、第1情報を生成してもよい。この場合、第1情報は、列車TRNの実際の停止位置STPと、列車TRNに対して定められた基準停止位置CRPと、の間の位置関係を数値的に表現することができる。
第1検出部200として、様々な測距センサが用いられてもよい。この場合、第1情報は、停止位置STPと基準停止位置CRPとの間の距離に関する情報を含んでもよい。測距センサは、三角測距技術に基づいて構築されてもよい。この場合、測距センサは、測距センサ中の受光素子上の結像位置から、停止位置STPと基準停止位置CRPとの間の距離を算出してもよい。代替的に、測距センサは、TOF(タイムオブフライト)技術に基づき構築されてもよい。この場合、測距センサは、AM変調技術を用いて、複数のレーザ光を出力波及び基準光として出力してもよい。出力波として出射されたレーザ光は、反射光として、測距センサに戻る。この結果、測距センサは、基準光と反射光とを比較することができる。測距センサは、基準光と反射光との間の位相差から、停止位置STPと基準停止位置CRPとの間の距離を算出してもよい。本実施形態の原理は、特定の測距技術に限定されない。
第1検出部200は、前面FSFで反射された太陽光や他の照明機器からの光を、反射波RFWとして利用してもよい。この場合、第1検出部200は、前面FSF全体及又は前面FSFの一部を表す映像光として、反射波RFWを受け取るカメラ装置であってもよい。カメラ装置が取得した画像データによって表される画像の中で、前面FSF全体及又は前面FSFの一部が占める割合から、停止位置STPと基準停止位置CRPとの間の位置関係が算出されてもよい。
第2検出部300は、第1検出部200とは異なる位置において、車両の有無を検出する。第2検出部300が、車両が存在していることを検出するならば、第2情報は、車両の存在を表す。第2検出部300が、車両が存在していないことを検出するならば、或いは、第2検出部300が、車両を検出しないならば、第2情報は、車両の不存在を表す。
判定システム100が配置された駅において、互いに異なる複数の基準停止位置が設定されているならば、第2検出部300は、第1検出部200と同様の検出技術に基づいて構築されてもよい。したがって、第2検出部300は、測距センサやカメラ装置であってもよい。
代替的に、第2検出部300は、反射型の光センサであってもよい。この場合、光センサは、先頭車両RLCに後続する後続車両のうち特定の車両の側面へ光を照射してもよい。光センサが、特定の車両の側面で反射された光を受けるならば、第2情報は、列車TRNの特定の車両が存在していることを表すことができる。
判定システム100は、第1列車に対応して第1基準停止位置が設定され、且つ、第1列車よりも少ない車両数を有する第2列車に対応して第2基準停止位置が設定された駅に適用されてもよい。第1情報が、第1基準停止位置と列車の停止位置との関係が適切であることを表す一方で、第2情報が、第2基準停止位置と列車の停止位置との関係が不適切であることを表すならば、判定部400は、第1列車が停車していると判定してもよい。第1情報が、第1基準停止位置と列車の停止位置との関係が不適切であることを表す一方で、第2情報が、第2基準停止位置と列車の停止位置との関係が適切であることを表すならば、判定部400は、第2列車が停車していると判定してもよい。
判定システム100は、第1列車及び第1列車よりも少ない車両数を有する第2列車に対して共通の基準停止位置が設定された駅に適用されてもよい。第1情報が、第1基準停止位置と列車の停止位置との関係が適切であることを表し、且つ、第2情報が、先頭車両に後続する後続車両のうち特定の車両が存在することを表すならば、判定部400は、第1列車が停車していると判定してもよい。第1情報が、第1基準停止位置と列車の停止位置との関係が適切であることを表し、且つ、第2情報が、先頭車両に後続する後続車両のうち特定の車両が存在していないことを表すならば、判定部400は、第2列車が停車していると判定してもよい。
上述の様々な判定技術は、組み合わされてもよい。この結果、判定システム100は、様々な車両数を判定することができる。本実施形態の原理は、特定の判定技術に限定されない。
<第2実施形態>
判定システムを構築する設計者は、第1実施形態に関連して説明された第1検出部に、光学的な検出技術を適用してもよい。例えば、設計者は、第1検出部に、レーザ光を出射するセンサデバイスを用いることができる。レーザ光は、列車の前面によって反射されやすいので、センサデバイスは、列車の前面からの反射光を容易に受け取ることができる。レーザ光の帯域が適切に選択されるならば、センサデバイスは、環境的な外乱因子(例えば、外光)の影響をほとんど受けることなく、列車の前面の位置を検出することができる。第2実施形態において、光学的な検出技術が適用された第1検出部が説明される。
図2は、プラットホームPLFの概略的な平面図である。図1及び図2を参照して、列車TRNの前面FSFを光学的に検出する技術が説明される。
図2は、プラットホームPLF上に配置された測距センサ210を示す。測距センサ210は、レーザ光を出射する。測距センサ210は、その後、レーザ光の出射方向を水平方向に変化させる。この結果、列車TRNの前面FSFは、レーザ光によって走査される。図2に示される扇形の領域は、レーザ光の走査動作によって規定される検出領域である。
列車TRNが、基準停止位置CRPに停止したとき、列車TRNの前面FSFの位置を検出するのに十分な走査長さが得られるように、レーザ光の走査動作の角度範囲α及びレーザ光の強度が決定されてもよい。この結果、前面FSF上でのレーザ光の走査長さが長くなるので、測距センサ210は、前面FSFの位置を正確に測定することができる。
図3は、列車TRNの概略的な正面図である。図2及び図3を参照して、レーザ光による例示的な走査領域が説明される。
列車TRNの前面FSFは、窓部FWDと、ライト部LITと、前壁FWLと、を含む。ライト部LITより上側の領域は、プラットホームPLFより上側に現れるので、レーザ光が照射される領域として好適に利用可能である。窓部FWDは、レーザ光を透過する光学的特性を有するので、レーザ光が照射される領域としては不向きである。図3は、窓部FWDとライト部LITとの間に、点線で描かれた2本の水平線を示す。前壁FWLは、2本の水平線の間の領域において、水平方向に延びる。したがって、2本の水平線の間の領域は、他の領域よりも安定的な反射特性を有する。それゆえ、レーザ光が照射される領域は、2本の水平線の間の領域に設定されることが好適である。
測距センサ210は、TOF検出技術に基づき、基準停止位置CRPから前面FSFまでの距離を測定してもよい。上述の如く、水平方向に延びる線状の走査領域が設定されるので、測距センサ210は、基準停止位置CRPから列車TRNの前面FSFまでの距離を正確に測定することができる。
<第3実施形態>
第1検出部は、第2実施形態に関連して説明された技術原理に基づいて、基準停止位置から列車の前面までの距離を表す距離データを取得することができる。距離データは、第1検出部から判定部へ出力されてもよい。この場合、判定部は、距離データを参照し、列車が適切な位置に停止しているか否かを判定し、その後、車両数を判定するための判定処理を実行する。
上述のデータ処理は、判定システム内での信号処理に過度に大きな負荷を与えることもある。例えば、第1検出部は、距離データに対応した様々な信号を生成する必要があるので、第1検出部内での信号生成処理が過大になることがある。加えて、判定部は、様々な信号を処理する必要があるので、判定部内での信号処理が過度に煩雑になることもある。第3実施形態において、信号処理の簡素化を可能にする技術が説明される。
図4は、測距センサ210の機能構成の概略的且つ例示的なブロック図である。図1、図2及び図4を参照して、測距センサ210が説明される。
測距センサ210は、出射部220と、信号処理部230と、を含む。第2実施形態に関連して説明されたレーザ光は、出射部220から出射される。レーザ光は、列車TRNの前面FSFで反射され、反射光として、信号処理部230に入射する。信号処理部230は、TOF検出技術に基づき、基準停止位置CRPと列車TRNの前面FSFとの間の距離を表す距離データを生成する。
出射部220は、レーザ光生成部221と、方向変更部222と、を含む。レーザ光生成部221は、レーザ光を生成する。方向変更部222は、レーザ光の出射方向を水平方向に変化させる。この結果、測距センサ210は、第2実施形態に関連して説明された走査動作を実行することができる。
レーザ光生成部221は、2つのレーザ光線を生成してもよい。2つのレーザ光のうち一方は、第2実施形態に関連して説明され如く、列車TRNの前面FSFへ出射される。2つのレーザ光のうち他方は、基準光として、信号処理部230へ出射される。
レーザ光生成部221は、レーザダイオードや、レーザ光をAM変調する変調素子を含んでもよい。TOF検出技術に基づき、基準停止位置CRPと列車TRNの前面FSFとの間の距離を表す距離データを取得することができる様々な光学的構造が、レーザ光生成部221に適用されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、レーザ光生成部221の特定の構造に限定されない。
方向変更部222は、ミラーやレンズといった様々な光学素子と、これらの光学素子を駆動する駆動素子を含んでもよい。レーザ光の出射方向を変化させることができる様々な光学的構造が、方向変更部222に適用されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、方向変更部222の特定の構造に限定されない。
信号処理部230は、受光部231と、距離データ生成部232と、信号生成部233と、を含む。出射部220で生成された2つのレーザ光のうち一方は、列車TRNの前面FSFで反射される。レーザ光は、その後、受光部231に反射光として入射する。出射部220で生成された2つのレーザ光のうち他方は、基準光として、レーザ光生成部221から受光部231へ直接的に出射される。受光部231は、反射光及び基準光を電気信号に変換する。電気信号は、受光部231から距離データ生成部232へ出力される。距離データ生成部232は、電気信号から、反射光と基準光との間の位相差を算出し、基準停止位置CRPと列車TRNの前面FSFとの間の距離を表す距離データを生成する。距離データは、距離データ生成部232から信号生成部233へ出力される。様々な演算技術が、距離データの生成に適用されてもよい。本実施形態の原理は、距離データを生成するための特定の演算技術に限定されない。
信号生成部233は、距離データが表す数値に対して、所定の範囲を設定している。列車TRNの前面FSFが、基準停止位置CRPから適切な位置で停止しているとき、距離データが表す数値は、信号生成部233によって設定された所定の範囲内にある。列車TRNの前面FSFが、基準停止位置CRPから不適切な位置で停止しているとき、距離データが表す数値は、信号生成部233によって設定された所定の範囲から外れる。
距離データによって表される数値が所定の範囲内にあるならば、信号生成部233は、トリガ信号を生成する。距離データによって表される数値が所定の範囲から外れているならば、信号生成部233は、トリガ信号を生成しない。トリガ信号は、信号生成部233から判定部400へ出力される。トリガ信号は、図1を参照して説明された第1情報に対応する。
判定部400は、トリガ信号の受信に応じて、車両数を判定するための判定処理を開始する。したがって、判定部400は、判定処理を不必要に実行しない。
図5は、プラットホームPLFの概略的な平面図である。図1、図4及び図5を参照して、信号処理部230が実行する信号処理が説明される。
第2実施形態に関連して説明された如く、測距センサ210は、プラットホームPLF上に配置される。図5は、停止直前の列車TRNを示す。列車TRNの前方には、点線で描かれた矩形領域DTAが示されている。列車TRNの前面FSFが、矩形領域DTA内で停止しているとき、受光部231は、前面FSFからの反射光を適切に受け取ることができる。列車TRNの前面FSFが、矩形領域DTAより後方にあるならば、受光部231は、距離データを生成するのに十分な強度を有する反射光を受けることができない。列車TRNの前面FSFが、矩形領域DTAより前方にあるならば、出射部220から出射されたレーザ光は、前面FSFに適切に照射されない。
矩形領域DTAは、後方領域、中間領域及び前方領域に概念的に区分される。図5は、基準停止位置CRPを、中間領域を横切る点線で表す。中間領域は、基準停止位置CRPの周囲に設定される。図5は、基準停止位置CRPを、「0」の座標値で表す。列車TRNの前面FSFが、基準停止位置CRP上で停止すると、距離データ生成部232は、「0」の値を表す距離データを生成する。本実施形態で用いられる座標系は、説明の明瞭化を目的とする。したがって、図5に示される座標系は、本実施形態の原理を何ら限定しない。本実施形態において、所定の領域は、中間領域によって例示される。
図5は、中間領域と後方領域との間の境界を、「+X1」の座標値で表す。図5は、中間領域と前方領域との間の境界を、「−X2」の座標値で表す。列車TRNの前面FSFが、後方領域で停止すると、距離データ生成部232は、「+X1」の座標値よりも大きな値を表す距離データを生成する。列車TRNの前面FSFが、前方領域で停止すると、「−X2」の座標値よりも大きな絶対値を有するマイナスの値を表す距離データを生成する。列車TRNの前面FSFが、中間領域で停止すると、「−X2」の座標値から「+X1」の座標値までの範囲の値を表す距離データを生成する。
距離データは、距離データ生成部232から信号生成部233へ出力される。距離データが、「−X2」の座標値から「+X1」の座標値までの範囲の値を表すならば、信号生成部233は、トリガ信号を生成する。他の場合には、トリガ信号は、生成されない。
列車TRNの進行方向における中間領域の長さは、プラットホームPLFに設置された設備の構造に応じて決定されてもよい。例えば、設計者は、プラットホームPLFに設置された可動柵のゲート部分の水平寸法よりも小さな値に、中間領域の長さを設定してもよい。この場合、列車TRNが適切な位置で停止したときにのみ、可動柵を駆動する制御が実行される。
<第4実施形態>
判定システムは、車両数において異なる複数の列車に対して、位置的に相違する基準停止位置が設定された駅で利用されてもよい。この場合、第2実施形態及び第3実施形態に関連して説明された測距センサの技術原理は、第1検出部だけでなく第2検出部にも適用されてもよい。第4実施形態において、車両数において異なる複数の列車に対して、位置的に相違する基準停止位置が設定された駅で好適に利用される判定システムが説明される。
図6は、第4実施形態の判定システム100Aの概略的なブロック図である。図1、図4乃至図6を参照して、判定システム100Aが説明される。
判定システム100Aは、第1測距センサ240と、第2測距センサ340と、判定部400Aと、を備える。第1測距センサ240は、図1を参照して説明された第1検出部200に対応する。第2測距センサ340は、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。判定部400Aは、図1を参照して説明された判定部400に対応する。
第1測距センサ240及び第2測距センサ340それぞれは、図2を参照して説明された測距センサ210と機能的に同一であってもよい。したがって、第2実施形態及び第3実施形態の走査動作及び信号処理に関する説明は、第1測距センサ240及び第2測距センサ340それぞれに援用される。
図6は、列車TR1と、列車TR2と、を示す。列車TR1は、12両の車両を有する。列車TR2は、8両の車両を有する。本実施形態において、第1列車は、列車TR1によって例示される。第2列車は、列車TR2によって例示される。
図6は、基準停止位置CP1と、基準停止位置CP2と、を示す。基準停止位置CP1は、列車TR1の停止目標位置として設定されている。基準停止位置CP2は、列車TR2の停止目標位置として設定されている。基準停止位置CP2は、基準停止位置CP1の後方に設定されている。基準停止位置CP2は、列車TR1の第3車両と第4車両との間の連結部に対応している。本実施形態において、第1基準停止位置は、基準停止位置CP1によって例示される。第2基準停止位置は、基準停止位置CP2によって例示される。
第1測距センサ240は、基準停止位置CP1の周囲に、図5を参照して説明された矩形領域DTAを規定する。列車TR1の先頭車両(第1車両)の前面が、矩形領域DTAの中間領域内で停止しているとき、第1測距センサ240は、第3実施形態に関連して説明された信号処理原理に従って、第1トリガ信号を生成する。第1トリガ信号は、その後、第1測距センサ240から判定部400Aへ出力される。第1トリガ信号は、図4を参照して説明されたトリガ信号に対応する。本実施形態において、第1先頭車両は、列車TR1の先頭車両によって例示される。第1前面は、列車TR1の先頭車両の前面によって例示される。第1情報は、第1トリガ信号によって例示される。
第2測距センサ340は、基準停止位置CP2の周囲に、図5を参照して説明された矩形領域DTAを規定する。列車TR2の先頭車両(第1車両)の前面が、矩形領域DTAの中間領域内で停止しているとき、第2測距センサ340は、第3実施形態に関連して説明された信号処理原理に従って、第2トリガ信号を生成する。第2トリガ信号は、その後、第2測距センサ340から判定部400Aへ出力される。第2トリガ信号は、図4を参照して説明されたトリガ信号に対応する。本実施形態において、第2先頭車両は、列車TR2の先頭車両によって例示される。第2前面は、列車TR2の先頭車両の前面によって例示される。第2情報は、第2トリガ信号によって例示される。
第1測距センサ240が、第1トリガ信号を生成しているとき、第2測距センサ340から出射されたレーザ光は、列車TR1の側面に照射される。この結果、第2測距センサ340は、列車TR1の側面からの反射光を受ける。第2測距センサ340の距離データ生成部232は、反射光と基準光とから生成された電気信号を処理し、距離データを生成してもよい。この場合、距離データは、第2トリガ信号の生成条件から大きく外れた値を示すので、第2測距センサ340は、第2トリガ信号を生成しない。したがって、列車TR1が、基準停止位置CP1に対して、適切な位置で停止しているとき、判定部400Aは、第1トリガ信号を受け取る一方で、第2トリガ信号を受け取らない。判定部400Aが、第1トリガ信号を受け取る一方で、第2トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Aは、列車TR1が停止していると判定することができる。
第2測距センサ340が、第2トリガ信号を生成しているとき、第1測距センサ240から出射されたレーザ光は、矩形領域DTAを超えて伝播し続けるので、第1測距センサ240は、距離データを生成するのに十分な強度の反射光を受け取らない。したがって、列車TR2が、基準停止位置CP2に対して、適切な位置で停止しているとき、判定部400Aは、第2トリガ信号を受け取る一方で、第1トリガ信号を受け取らない。判定部400Aが、第2トリガ信号を受け取る一方で、第1トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Aは、列車TR2が停止していると判定することができる。
<第5実施形態>
判定システムは、車両数において異なる複数の列車に対して、共通の基準停止位置が設定された駅で利用されてもよい。この場合、反射型の光センサが、第2検出部として用いられてもよい。光センサは、測定対象の列車の側面に対向する位置に配置されればよいので、設計者は、光センサの設置位置を容易に決定することができる。第5実施形態において、車両数において異なる複数の列車に対して、共通の基準停止位置が設定された駅で利用される判定システムが説明される。
図7は、第5実施形態の判定システム100Bの概略的なブロック図である。第4実施形態及び第5実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1、図2、図5及び図7を参照して、判定システム100Bが説明される。
第4実施形態と同様に、判定システム100Bは、第2測距センサ340を備える。第4実施形態と同様に、第2測距センサ340は、図2を参照して説明された測距センサ210と機能的に同一であってもよい。したがって、第2実施形態及び第3実施形態の走査動作及び信号処理に関する説明は、第2測距センサ340に援用される。第4実施形態とは異なり、本実施形態において、第2測距センサ340は、図1を参照して説明された第1検出部200に対応する。
判定システム100Bは、光センサ350と、判定部400Bと、を更に備える。光センサ350は、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。判定部400Bは、図1を参照して説明された判定部400に対応する。
図7は、第4実施形態に関連して説明された列車TR2と、基準停止位置CP2と、に加えて、列車TR3を示す。列車TR3は、6両の車両を有する。基準停止位置CP2は、列車TR2,TR3の停止目標位置として設定されている。本実施形態において、第1列車は、列車TR2によって例示される。第1先頭車両は、列車TR2の先頭車両(第1車両)によって例示される。第2列車は、列車TR3によって例示される。第2先頭車両は、列車TR3の先頭車両(第1車両)によって例示される。
図7は、基準停止位置CP2に列車TR2の先頭車両の前面が停止したときに、列車TR2が占める空間を、「第1空間」として示す。図7は、基準停止位置CP2に列車TR3の先頭車両の前面が停止したときに、列車TR3が占める空間を、「第2空間」として示す。図7は、列車TR2,TR3の進行方向において、第1空間から第2空間を差し引いた空間を、「差分空間」として示す。
第4実施形態と同様に、第2測距センサ340は、列車TR2,TR3の先頭車両の前面が、図5を参照して説明された中間領域内にあるとき、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、第2測距センサ340から判定部400Bへ出力される。
判定部400Bは、トリガ信号に応じて、車両数を判定するための判定処理を開始する。判定部400Bが、トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Bは、判定処理を実行しない。
光センサ350は、差分空間へレーザ光を出射する。列車TR2の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、レーザ光は、列車TR2の側面によって反射され、その後、光センサ350へ反射光として入射する。このとき、光センサ350は、反射光の受光を表す受光信号を生成する。受光信号は、光センサ350から判定部400Bへ出力される。判定部400Bが、トリガ信号と受光信号とをともに受け取るならば、判定部400Bは、列車TR2が停止していると判定する。本実施形態において、反射型センサは、光センサ350によって例示される。出力波は、光センサ350から出射されるレーザ光によって例示される。反射波は、光センサ350からのレーザ光の反射光によって例示される。第2情報は、受光信号によって例示される。
列車TR3の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、差分空間内には、車両は存在していない。したがって、レーザ光は、差分空間内で反射されることなく伝播する。この結果、光センサ350は、受光信号を生成しない。判定部400Bが、トリガ信号を受け取る一方で、受光信号を受け取らないならば、判定部400Bは、列車TR3が停止していると判定する。
<第6実施形態>
第5実施形態の判定システムは、1つのレーザ光を照射する光センサを利用する。代替的に、複数のレーザ光を照射する光センサが判定システムに組み込まれてもよい。光センサが、複数のレーザ光を照射するならば、判定システムは、光センサの数を増やすことなく、様々な車両数を判定することができる。第6実施形態において、複数のレーザ光を照射する光センサが組み込まれた判定システムが説明される。
図8は、第6実施形態の判定システム100Cの概略的なブロック図である。第5実施形態及び第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第5実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第5実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1、図5及び図8を参照して、判定システム100Cが説明される。
第5実施形態と同様に、判定システム100Cは、第2測距センサ340を備える。第5実施形態の説明は、第2測距センサ340に援用される。
判定システム100Cは、光センサ350Cと、判定部400Cと、を更に備える。光センサ350Cは、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。判定部400Cは、図1を参照して説明された判定部400に対応する。
図8は、第5実施形態に関連して説明された列車TR2,TR3と、基準停止位置CP2と、に加えて、列車TR4を示す。列車TR4は、7両の車両を有する。基準停止位置CP2は、列車TR2,TR3,TR4の停止目標位置として設定されている。本実施形態において、第2列車は、列車TR4によって例示される。第3列車は、列車TR3によって例示される。
判定システム100Cを設計する設計者は、光センサ350Cが、列車TR2の側面上に2つの検出領域を設定するように、光センサ350Cの配置を設定することができる。設計者は、2つの検出領域のうち一方を、列車TR2の先頭車両(第1車両)に後続する車両(第2車両乃至第8車両)のうち最も後ろの後尾車両(第8車両)の側面に設定してもよい。設計者は、2つの検出領域のうち他方を、列車TR2の先頭車両と後尾車両との間の中間車両(第2車両乃至第7車両)のうち1つの側面上に設定してもよい。
本実施形態において、光センサ350Cは、列車TR2の第7車両と第8車両との間の連結部に対応する位置に配置される。光センサ350Cは、後レーザ光RLBと前レーザ光FLBとを出射する。後レーザ光RLBは、列車TR2の第8車両の側面上に規定された検出領域に向けて伝播する。前レーザ光FLBは、列車TR2の第7車両の側面上に規定された検出領域に向けて伝播する。前レーザ光FLBは、列車TR2の第7車両の側面上に規定された検出領域に向けて伝播する。本実施形態において、後尾車両は、列車TR2の第8車両によって例示される。中間車両は、列車TR2の第7車両によって例示される。第1検出領域は、後レーザ光RLBが伝播する第8車両の側面上の領域によって例示される。第2検出領域は、前レーザ光FLBが伝播する第7車両の側面上の領域によって例示される。第1出力波は、後レーザ光RLBによって例示される。第2出力波は、前レーザ光FLBによって例示される。
第5実施形態と同様に、第2測距センサ340は、列車TR2,TR3,TR4の先頭車両の前面が、図5を参照して説明された中間領域内にあるとき、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、第2測距センサ340から判定部400Cへ出力される。
判定部400Cは、トリガ信号に応じて、車両数を判定するための判定処理を開始する。判定部400Cが、トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Cは、判定処理を実行しない。
列車TR2の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、後レーザ光RLBは、列車TR2の第8車両の側面によって反射され、その後、光センサ350Cへ反射光として入射する。このとき、光センサ350Cは、後レーザ光RLBの反射光の受光を表す第1受光信号を生成する。第1受光信号は、光センサ350Cから判定部400Cへ出力される。第1受光信号は、図1を参照して説明された第2情報に対応する。本実施形態において、第1反射波は、後レーザ光RLBの反射光によって例示される。第1反射波の有無を表す情報は、第1受光信号によって例示される。
列車TR2の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、前レーザ光FLBは、列車TR2の第7車両の側面によって反射され、その後、光センサ350Cへ反射光として入射する。このとき、光センサ350Cは、前レーザ光FLBの反射光の受光を表す第2受光信号を生成する。第2受光信号は、光センサ350Cから判定部400Cへ出力される。第2受光信号は、図1を参照して説明された第2情報に対応する。本実施形態において、第2反射波は、前レーザ光FLBの反射光によって例示される。第2反射波の有無を表す情報は、第2受光信号によって例示される。
判定部400Cは、第2測距センサ340からトリガ信号を受け取り、且つ、光センサ350Cから第1受光信号及び第2受光信号をともに受け取ると、列車TR2が停止していると判定する。
列車TR3の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBを反射することができる要素は存在していない。したがって、光センサ350Cは、第1受光信号及び第2受光信号をともに生成しない。光センサ350Cが、第1受光信号及び第2受光信号をともに生成しないこと(すなわち、判定部400Cが、第1受光信号及び第2受光信号をともに受け取らないこと)は、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBの反射光が不存在であることを意味するので、判定部400Cは、列車TR3が停止していると判定する。
列車TR4の先頭車両の前面が中間領域内にあるとき、後レーザ光RLBを反射することができる要素は存在しない一方で、前レーザ光FLBは、列車TR4の第7車両の側面によって反射される。したがって、光センサ350Cは、第1受光信号を生成しない一方で、第2受光信号を生成する。光センサ350Cが、第2受光信号のみを生成すること(すなわち、判定部400Cが、第2受光信号のみを受け取ること)は、前レーザ光FLBの反射光のみが存在することを意味するので、判定部400Cは、列車TR4が停止していると判定する。
<第7実施形態>
第5実施形態乃至第6実施形態の判定システムは、光センサを利用する。光センサは、反射光を受け取り、受光信号を生成するので、光センサが、反射光を受光しやすいように設置されることが好ましい。第7実施形態において、光センサに対する設定が説明される。
図9は、列車TR2の概略的な拡大平面図である。図8及び図9を参照して、判定システム100Cが説明される。
図9は、列車TR2の第7車両及び第8車両を示す。列車TR2の前面は、基準停止位置CP2(図8を参照)上で停止している。第7車両と第8車両との間には、第7車両と第8車両とを連結する連結部が存在する。本実施形態において、連結車両は、列車TR2の第7車両によって例示される。
図9は、光センサ350Cを更に示す。光センサ350Cは、後レーザ光RLBの出射方向を水平方向に変化させ、第8車両の側面を光学的に走査する。同様に、光センサ350Cは、前レーザ光FLBの出射方向を水平方向に変化させ、第7車両の側面を光学的に走査する。この結果、線状の検出領域が規定されるので、光センサ350Cは、点状の検出領域を規定する他の光センサよりも高い精度で反射光を受けることができる。後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBの出射方向の変更は、既知の様々な光学的技術に依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBの出射方向の変更するための特定の光学的技術に限定されない。
第6実施形態に関連して説明された如く、光センサ350Cは、第7車両と第8車両との間の連結部に対向して配置される。光センサ350Cは、後レーザ光RLBによる走査範囲が連結部に重ならない角度範囲で、後レーザ光RLBの出射方向の角度を水平方向に変化させる。同様に、光センサ350Cは、前レーザ光FLBによる走査範囲が連結部に重ならない角度範囲で、前レーザ光FLBの出射方向の角度を水平方向に変化させる。この結果、光センサ350Cは、連結部の影響をほとんど受けることなく、第7車両の側面及び第8車両の側面からの反射光を受け取ることができる。
第7車両は、前面FS7と、後面RS7と、を含む。後面RS7は、第8車両に対向する。後面RS7の反対側の前面FS7は、第6車両(図8を参照)に対向する。本実施形態において、第2対向面は、後面RS7によって例示される。反対面は、前面FS7によって例示される。
第8車両は、前面FS8と、後面RS8と、を含む。第8車両の前面FS8は、第7車両の後面RS7に対向する。第8車両の前面FS8の反対側の後面RS8は、列車TR2の最後面をなす。本実施形態において、第1対向面は、第8車両の前面FS8によって例示される。
光センサ350Cは、後面RS8よりも前面FS8の近くの側面の領域に向けて、後レーザ光RLBを出射する。この結果、後レーザ光RLBの照射領域は、光センサ350Cの近くの領域に限定されるので、光センサ350Cは、後レーザ光RLBの反射光を効率的に受け取ることができる。
光センサ350Cは、前面FS7よりも後面RS7の近くの側面の領域に向けて、前レーザ光FLBを出射する。この結果、前レーザ光FLBの照射領域は、光センサ350Cの近くの領域に限定されるので、光センサ350Cは、前レーザ光FLBの反射光を効率的に受け取ることができる。
<第8実施形態>
第7実施形態に関連して説明された光センサは、前レーザ光と後レーザ光とを出射する。第7実施形態に関連して説明された如く、前レーザ光及び後レーザ光の出射領域の間隔は、連結部を基準に設定される。加えて、或いは、代替的に、前レーザ光及び後レーザ光の出射領域の間隔は、第3実施形態に関連して説明された中間領域を基準に設定されてもよい。第8実施形態において、中間領域を基準に設定された照射領域に前レーザ光と後レーザ光とを出射する光センサが説明される。
図10は、列車TR2の概略的な拡大平面図である。図8及び図10を参照して、判定システム100Cが説明される。
図10は、列車TR2の第7車両及び第8車両を示す。列車TR2の前面は、基準停止位置CP2(図8を参照)上で停止している。
第3実施形態に関連して説明された如く、基準停止位置CP2の周囲には中間領域が設定される。図10は、中間領域の形状及び大きさを概念的に表す矩形領域RIRが示されている。
図10は、列車TR2の進行方向における矩形領域RIRの長さ寸法を、記号「L1」で示す。図10は、光センサ350Cから出射された後レーザ光RLBの照射領域と、光センサ350Cから出射された前レーザ光FLBの照射領域と、の間の間隔(水平方向における間隔)の長さ寸法を、記号「L2」で示す。本実施形態において、第1長さは、記号「L1」で示される寸法によって例示される。第2長さは、記号「L2」で示される寸法によって例示される。
図10に示される如く、記号「L2」で示される寸法は、記号「L1」で示される寸法よりも長い。したがって、列車TR2の先頭車両(第1車両)の前面が、中間領域に存在するならば、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBの照射領域は、連結部に重ならないこととなる。
<第9実施形態>
第5実施形態乃至第8実施形態に関連して説明された光センサは、列車の側面にレーザ光を照射する。列車の側面の近くには、列車に乗り込もうとする乗客或いは列車から降りようとする乗客が存在することもある。したがって、光センサが不適切にレーザ光を照射するならば、光センサは、反射光を適切に受け取ることができないこととなる。第9実施形態において、乗客の影響をほとんど受けることなく反射光を受け取るための技術が説明される。
図11は、列車TRNの概略的な側面図である。図10及び図11を参照して、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBの例示的な照射位置が説明される。
列車TRNは、側面SSFと、屋根部ROFと、を含む。屋根部ROFは、列車TRN中の乗客の頭上で横たわる。側面SSFは、窓部SWDと、ドア部SDRと、側壁SWLと、を含む。窓部SWDは、ドア部SDRにも取り付けられている。
窓部SWDは、レーザ光を透過する光学的特性を有するので、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBが照射される領域としては不向きである。図11は、窓部SWD(又はドア部SDR)と屋根部ROFとの間に描かれたハッチング領域を示す。ハッチング領域において、側壁SWLは、窓部SWD及びドア部SDRの介在なく水平方向に拡がる。したがって、ハッチング領域は、他の領域よりも安定的な反射特性を有する。それゆえ、後レーザ光RLB及び前レーザ光FLBが照射される領域は、ハッチング領域内に設定されることが好適である。本実施形態において、水平領域は、ハッチング領域によって例示される。水平領域は、図11に示されるハッチング領域に加えて、屋根部ROFを含んでもよい。本実施形態の原理は、水平領域が、屋根部ROFを含むか否かによっては何ら限定されない。
<第10実施形態>
第9実施形態に関連して説明された高さ位置に、レーザ光を照射するために、光センサは、様々な手法でプラットホーム上へ設置されることができる。例えば、光センサは、プラットホーム上で立設されたポールに取り付けられてもよい。しかしながら、この場合、ポールが、乗客の往来を妨げることもある。第10実施形態において、乗客の往来をほとんど妨げることなく光センサを取り付けるための技術が説明される。
図12は、プラットホームPLFの概略図である。図12を参照して、光センサ350Cの設置技術が説明される。
プラットホームPLFは、屋根部PRFと、吊下部材HGMと、を備える。屋根部PRFは、プラットホームPLF上の乗客の頭上で横たわる。吊下部材HGMは、屋根部PRFから下方に延びる。光センサ350Cは、吊下部材HGMに取り付けられる。吊下部材HGMは、風や他の環境的因子に影響されることなく、安定的に光センサ350Cを保持できる構造(例えば、ポール)を有していればよい。したがって、本実施形態の原理は、吊下部材HGMの特定の構造に何ら限定されない。
<第11実施形態>
第4実施形態に関連して説明された判定システムは、測距センサを第2検出部として利用する。第6実施形態に関連して説明された判定システムは、反射型の光センサを第2検出部として利用する。第2検出部は、測距センサと反射型の光センサとをともに含んでもよい。第11実施形態において、測距センサと反射型の光センサとを含む第2検出部を有する判定システムが説明される。第2実施形態乃至第10実施形態の説明は、本実施形態の測距センサ及び光センサの動作、機能、構造、信号処理や設置方法に援用される。
図13は、第11実施形態の判定システム100Dの概略的なブロック図である。第4実施形態、第6実施形態及び第11実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態及び/又は第6実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態及び/又は第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1、図5、図8及び図13を参照して、判定システム100Dが説明される。
第4実施形態と同様に、判定システム100Dは、第1測距センサ240と、第2測距センサ340と、を備える。第1測距センサ240は、図1を参照して説明された第1検出部200に対応する。
判定システム100Dは、第1光センサ360と、第2光センサ370と、を更に備える。第2測距センサ340、第1光センサ360及び第2光センサ370それぞれは、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。
第1光センサ360及び第2光センサ370それぞれは、第6実施形態乃至第10実施形態に関連して説明された光センサ350C(図8を参照)と機能的に同一であってもよい。したがって、第6実施形態乃至第10実施形態の光センサ350Cに関する説明は、第1光センサ360及び第2光センサ370それぞれに援用される。
判定システム100Dは、判定部400Dを更に備える。判定部400Dは、第1測距センサ240、第2測距センサ340、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取る信号群から車両数を判定する。
図13は、第4実施形態に関連して説明された列車TR1,TR2及び第6実施形態に関連して説明された列車TR3,TR4に加えて、列車TR5を示す。列車TR5は、10両の車両を有する。
図13は、基準停止位置CP1と、基準停止位置CP2と、を示す。基準停止位置CP1は、列車TR1,TR5の停止目標位置として設定されている。基準停止位置CP2は、列車TR2,TR3,TR4の停止目標位置として設定されている。
第4実施形態に関連して説明された如く、基準停止位置CP1,CP2それぞれの周囲に中間領域(図5を参照)が設定されている。
列車TR1又は列車TR5の先頭車両(第1車両)の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止すると、第1測距センサ240は、第1トリガ信号を生成する。第4実施形態に関連して説明された如く、第1測距センサ240が、第1トリガ信号を生成するならば、第2測距センサ340は、第2トリガ信号を生成しない。したがって、判定部400Dが、第1トリガ信号を受け取る一方で、第2トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Dは、列車TR1及び列車TR5のうち一方が停止していると判定することができる。
列車TR2、列車TR3又は列車TR4の先頭車両(第1車両)の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止すると、第2測距センサ340は、第2トリガ信号を生成する。第4実施形態に関連して説明された如く、第2測距センサ340が、第2トリガ信号を生成するならば、第1測距センサ240は、第1トリガ信号を生成しない。したがって、判定部400Dが、第2トリガ信号を受け取る一方で、第1トリガ信号を受け取らないならば、判定部400Dは、列車TR2、列車TR3及び列車TR4のうちいずれか1つが停止していると判定することができる。
第1光センサ360は、前レーザ光FL1と、後レーザ光RL1と、を出射する。列車TR1の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止している間、前レーザ光FL1は、第1光センサ360から列車TR1の第9車両へ伝播する。この間、後レーザ光RL1は、第1光センサ360から列車TR1の第10車両へ伝播する。
前レーザ光FL1は、第9車両の側面によって反射され、反射光として、第1光センサ360に戻る。この結果、第1光センサ360は、受光信号S11を生成する。受光信号S11は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
後レーザ光RL1は、第10車両の側面によって反射され、反射光として、第1光センサ360に戻る。この結果、第1光センサ360は、受光信号S12を生成する。受光信号S12は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
第2光センサ370は、前レーザ光FL2と、後レーザ光RL2と、を出射する。列車TR1の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止している間、前レーザ光FL2は、第2光センサ370から列車TR1の第11車両へ伝播する。この間、後レーザ光RL2は、第2光センサ370から列車TR1の第12車両(後尾車両)へ伝播する。
前レーザ光FL2は、第11車両の側面によって反射され、反射光として、第2光センサ370に戻る。この結果、第2光センサ370は、受光信号S21を生成する。受光信号S21は、第2光センサ370から判定部400Dへ出力される。
後レーザ光RL2は、第12車両の側面によって反射され、反射光として、第2光センサ370に戻る。この結果、第2光センサ370は、受光信号S22を生成する。受光信号S22は、第2光センサ370から判定部400Dへ出力される。
上述の如く、列車TR1の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止すると、判定部400Dは、第1トリガ信号と、受光信号S11,S12,S21,S22と、を受け取ることができる。この場合、判定部400Dは、列車TR1が停止していると判定することができる。
列車TR5の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止している間、第1光センサ360から出射された前レーザ光FL1及び後レーザ光RL1は、列車TR5の第9車両及び第10車両によってそれぞれ反射される。この結果、第1光センサ360は、受光信号S11,S12を生成する。受光信号S11,S12は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
列車TR5の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止している間、第2光センサ370から出射された前レーザ光FL2及び後レーザ光RL2を反射する要素は存在しない。したがって、第2光センサ370は、受光信号S21,S22をともに生成しない。
上述の如く、列車TR5の先頭車両の前面が、基準停止位置CP1の周囲に設定された中間領域に停止すると、判定部400Dは、第1トリガ信号と、受光信号S11,S12と、を受け取ることができる。この場合、判定部400Dは、列車TR5が停止していると判定することができる。
列車TR2の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第1光センサ360から出射された前レーザ光FL1及び後レーザ光RL1は、列車TR2の第6車両及び第7車両によってそれぞれ反射される。この結果、第1光センサ360は、受光信号S11,S12を生成する。受光信号S11,S12は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
列車TR2の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第2光センサ370から出射された前レーザ光FL2は、列車TR2の第8車両によって反射される。この結果、第2光センサ370は、受光信号S21を生成する。受光信号S21は、第2光センサ370から判定部400Dへ出力される。
列車TR2の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、後レーザ光RL2を反射する要素は存在しない。したがって、第2光センサ370は、受光信号S22を生成しない。
上述の如く、列車TR2の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止すると、判定部400Dは、第2トリガ信号と、受光信号S11,S12,S21と、を受け取ることができる。この場合、判定部400Dは、列車TR2が停止していると判定することができる。
列車TR4の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第1光センサ360から出射された前レーザ光FL1及び後レーザ光RL1は、列車TR4の第6車両及び第7車両によってそれぞれ反射される。この結果、第1光センサ360は、受光信号S11,S12を生成する。受光信号S11,S12は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
列車TR4の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第2光センサ370から出射された前レーザ光FL2及び後レーザ光RL2を反射する要素は存在しない。したがって、第2光センサ370は、受光信号S21,S22をともに生成しない。
上述の如く、列車TR4の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止すると、判定部400Dは、第2トリガ信号と、受光信号S11,S12と、を受け取ることができる。この場合、判定部400Dは、列車TR4が停止していると判定することができる。
列車TR3の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第1光センサ360から出射された前レーザ光FL1は、列車TR3の第6車両によって反射される。この結果、第1光センサ360は、受光信号S11を生成する。受光信号S11は、第1光センサ360から判定部400Dへ出力される。
列車TR3の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第1光センサ360から出射された後レーザ光RL1を反射する要素は存在しない。したがって、第1光センサ360は、受光信号S12を生成しない。
列車TR3の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止している間、第2光センサ370から出射された前レーザ光FL2及び後レーザ光RL2を反射する要素は存在しない。したがって、第2光センサ370は、受光信号S21,S22をともに生成しない。
上述の如く、列車TR3の先頭車両の前面が、基準停止位置CP2の周囲に設定された中間領域に停止すると、判定部400Dは、第2トリガ信号と、受光信号S11と、を受け取ることができる。この場合、判定部400Dは、列車TR3が停止していると判定することができる。
図14は、判定部400Dが第1測距センサ240、第2測距センサ340、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取る信号群のパターンを表す表である。図13及び図14を参照して、判定部400Dが受け取る信号群のパターンが説明される。
図14に示される如く、列車TR1,TR2,TR3,TR4,TR5が適切な位置に停止しているときに判定部400Dが受け取る信号群のパターンは互いに相違している。したがって、判定部400Dは、受け取った信号群のパターンを参照し、列車TR1(車両数:12),TR2(車両数:8),TR3(車両数:6),TR4(車両数:7),TR5(車両数:10)のうちどれが停車しているかを判定することができる。
<第12実施形態>
第11実施形態に関連して説明された判定システムは、様々な手順で車両数を判定することができる。第12実施形態において、例示的な判定手順が説明される。
図15は、判定システム100Dが実行する判定手順の概略的なフローチャートである。図4、図5、図13乃至図15を参照して、判定システム100Dが実行する判定手順が説明される。
(ステップS110)
列車TRNの先頭車両の前面FSFは、図5を参照して説明された矩形領域DTAに進入する。この間、第1測距センサ240及び第2測距センサ340の信号生成部233(図4を参照)は、距離データ生成部232が生成した距離データの変動を監視する。列車TRNが停止していないならば、距離データは大きく変動する。列車TRNの減速にともなって、距離データは安定する。したがって、信号生成部233は、距離データを監視し、列車TRNが停止したか否かを判定することができる。加えて、信号生成部233は、距離データに対して微分処理を施与し、列車TRNの速度及び/又は加速度を表す速度データ及び/又は加速度データを算出してもよい。信号生成部233は、速度データ及び/又は加速度データから、列車TRNの停止位置を推定してもよい。列車TRNの先頭車両の前面FSFが、中間領域に停止すると推定されるならば、列車TRNが停止する前に、列車TRNが適切な位置に停止することを通知するための予備的な信号を生成してもよい。予備的な信号が、信号生成部233から判定部400Dへ出力されるならば、判定部400Dは、判定処理のための予備的処理を実行してもよい。第1測距センサ240及び第2測距センサ340の信号生成部233が、列車TRNが停止したと判定するとステップS120が実行される。他の場合には、信号生成部233は、距離データの監視を継続する。
(ステップS120)
第1測距センサ240の信号生成部233は、距離データを参照し、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP1に対して設定された中間領域内で停止しているか否かを判定する。第2測距センサ340の信号生成部233は、距離データを参照し、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP2に対して設定された中間領域内で停止しているか否かを判定する。第1測距センサ240の信号生成部233が、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP1に対して設定された中間領域内で停止していると判定し、且つ、第2測距センサ340の信号生成部233が、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP2に対して設定された中間領域外で停止していると判定するならば、ステップS130が実行される。第1測距センサ240の信号生成部233が、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP1に対して設定された中間領域外で停止していると判定し、且つ、第2測距センサ340の信号生成部233が、列車TRNの先頭車両の前面FSFが基準停止位置CP2に対して設定された中間領域内で停止していると判定するならば、ステップS160が実行される。他の場合には、ステップS190が実行される。
(ステップS130)
第1測距センサ240の信号生成部233は、第1トリガ信号を生成する。第1光センサ360及び第2光センサ370それぞれは、受け取った反射光に応じて、受光信号を生成する。第1トリガ信号及び受光信号は、判定部400Dへ出力される。その後、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
判定部400Dは、第1トリガ信号を受信しているので、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR1に割り当てられた信号群のパターンに一致するか、列車TR5に割り当てられた信号群のパターンに一致するか、を判定する。第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR1,TR5のうち一方に合致するならば、ステップS150が実行される。他の場合には、ステップS190が実行される。
(ステップS150)
判定部400Dが、ステップS140において、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR1に割り当てられた信号群のパターンに一致すると判定しているならば、判定部400Dは、列車TR1が適切な位置に停止していることを表す判定結果情報を生成する。判定結果情報は、判定部400Dから他の装置(例えば、駅に設置された可動柵を制御及び/又は駆動するための装置)へ出力されてもよい。
(ステップS160)
第2測距センサ340の信号生成部233は、第2トリガ信号を生成する。第1光センサ360及び第2光センサ370それぞれは、受け取った反射光に応じて、受光信号を生成する。第2トリガ信号及び受光信号は、判定部400Dへ出力される。その後、ステップS170が実行される。
(ステップS170)
判定部400Dは、第2トリガ信号を受信しているので、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR2に割り当てられた信号群のパターンに一致するか、列車TR3に割り当てられた信号群のパターンに一致するか、列車TR4に割り当てられた信号群のパターンに一致するか、を判定する。第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR2,TR3,TR4のうちいずれか1つに合致するならば、ステップS180が実行される。他の場合には、ステップS190が実行される。
(ステップS180)
判定部400Dが、ステップS170において、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR2に割り当てられた信号群のパターンに一致すると判定しているならば、判定部400Dは、列車TR2が適切な位置に停止していることを表す判定結果情報を生成する。判定部400Dが、ステップS170において、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR3に割り当てられた信号群のパターンに一致すると判定しているならば、判定部400Dは、列車TR3が適切な位置に停止していることを表す判定結果情報を生成する。判定部400Dが、ステップS170において、第1光センサ360及び第2光センサ370から受け取った信号群が、列車TR4に割り当てられた信号群のパターンに一致すると判定しているならば、判定部400Dは、列車TR4が適切な位置に停止していることを表す判定結果情報を生成する。判定結果情報は、判定部400Dから他の装置(例えば、駅に設置された可動柵を制御及び/又は駆動するための装置)へ出力されてもよい。
(ステップS190)
判定部400Dは、エラー情報を生成する。エラー情報は、列車TRNが適切な位置で停止していないことを表してもよい。代替的に、エラー情報は、判定システム100D内に不具合が存在していることを表してもよい。エラー情報の内容は、判定部400Dが受け取った他の情報を参照して決定されてもよい。本実施形態の原理は、エラー情報の特定の内容に限定されない。エラー情報は、例えば、管理者が判定システム100Dを監視するためのモニタリング装置に出力されてもよい。管理者は、エラー情報に応じて、所定の作業を行うことができる。
上述の様々な実施形態の原理は、駅に停車する列車の編成の種類に適合するように、組み合わされてもよい。