JP2016107460A - 液体収容体、液体収容体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の液体収容体では、コストを低減することが困難である。【解決手段】液体の一例であるインクを収容するインク収容体62であって、インク収容体62は、可撓性を有するフィルム材67を袋状に接合した構成を有する収容部65を含み、収容部65は、インクを収容可能なインク収容室63と、フィルム材67を接合することによって構成された接合領域69Bでインク収容室63から仕切られた減圧室64と、フィルム材67よりも剛性が高い材料で中空に構成され、減圧室64内に収容される中空部材66と、を含み、減圧室64の内部の圧力が、大気圧よりも低い、ことを特徴とする液体収容体。【選択図】図3
Description
本発明は、液体収容体、液体収容体の製造方法等に関する。
従来から、液体噴射装置の一例として、インクジェット式のプリンターが知られている。一般的に、インクジェット式のプリンターでは、印刷ヘッドから液体の一例であるインクを用紙や布帛などの種々の印刷媒体に向けて噴射することによって、この印刷媒体に印刷を行うことができる。インクジェット式のプリンターでは、従来から、液体収容体に収容したインクを印刷ヘッドに供給する構成が知られている。液体収容体としては、可撓性を有する袋状の液体収容部にインクを収容した構成が知られている。そして、従来、このような液体収容体において、液体収容部の内部に収容された液体中に溶存している気体を吸収するための気体吸収装置を液体収容部に内蔵したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載された液体収容体によれば、液体収容部に内蔵された気体吸収装置で、液体収容部の内部に収容された液体に溶存している気体の少なくとも一部を吸収することができる。しかしながら、液体収容部とは別体の気体吸収装置を液体収容部に内蔵する構成では、液体収容体を構成する部品点数が多くなりやすい。つまり、従来の液体収容体では、コストを低減することが困難であるという課題がある。
本発明は、少なくとも上述の課題を解決することができるものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]液体を収容する液体収容体であって、前記液体収容体は、可撓性を有するフィルム材を袋状に接合した構成を有する収容部を含み、前記収容部は、前記液体を収容可能な液体収容室と、前記フィルム材を接合することによって構成された仕切部で前記液体収容室から仕切られた減圧室と、前記フィルム材よりも剛性が高い材料で中空に構成され、前記減圧室内に収容される中空部材と、を含み、前記減圧室の内部の圧力が、大気圧よりも低い、ことを特徴とする液体収容体。
この適用例の液体収容体では、収容部に設けられた液体収容室と減圧室との間が、フィルム材を接合することによって構成された仕切部で仕切られている。減圧室には、中空部材が収容されている。このため、減圧室の内部の圧力が大気圧よりも低くても、減圧室の容積が確保される。この液体収容体によれば、液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を減圧室内に吸入させることができる。これにより、液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を液体収容室から排除することができる。この液体収容体では、収容部に液体収容室から仕切られた減圧室を設けるという簡易な構成で液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を液体収容室から排除することができる。このため、液体収容体を構成する部品点数を軽減しやすく、コストを低減しやすい。
[適用例2]上記の液体収容体であって、前記収容部には、前記フィルム材を接合することによって減圧室を区画する区画接合部が形成されており、前記区画接合部のうちの前記仕切部を構成する部分の幅寸法が、前記区画接合部のうちの他の部分の幅寸法よりも狭い、ことを特徴とする液体収容体。
この適用例では、区画接合部のうちの仕切部を構成する部分の幅寸法が、区画接合部のうちの他の部分の幅寸法よりも狭いので、液体収容室内の液体に混入している気体が仕切部を介して減圧室内に吸入されやすい。
[適用例3]上記の液体収容体であって、前記減圧室が取っ手の機能を有する、ことを特徴とする液体収容体。
この適用例では、減圧室が取っ手の機能を有するので、液体収容体を持ち上げる際に取り扱いが容易となる。
[適用例4]液体を収容する収容部を含む液体収容体の製造方法であって、可撓性を有するフィルム材の一部を接合することによって、前記液体を収容可能な液体収容室と、仕切部によって前記液体収容室から仕切られた減圧室とを含む袋状の前記収容部を形成するステップと、前記フィルム材よりも剛性が高い材料で中空に構成された中空部材を、前記減圧室に収容するステップと、前記中空部材を前記減圧室に収容するステップの後に、大気圧よりも低い圧力環境下で前記減圧室を封止するステップと、前記液体収容室に前記液体を注入するステップと、前記液体収容室に前記液体を注入するステップの後に、前記液体収容室を封止するステップと、を含む、ことを特徴とする液体収容体の製造方法。
この適用例の液体収容体の製造方法は、可撓性を有するフィルム材の一部を接合することによって、液体収容室と減圧室とを含む袋状の収容部を形成するステップを含む。減圧室は、中空部材を収容した状態で、大気圧よりも低い圧力環境下で封止される。この製造方法によって製造された液体収容体では、液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を減圧室内に吸入させることができる。これにより、液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を液体収容室から排除することができる。この液体収容体では、収容部に液体収容室から仕切られた減圧室を設けるという簡易な構成で液体収容室内の液体に混入している気体の少なくとも一部を液体収容室から排除することができる。このため、液体収容体を構成する部品点数を軽減しやすく、コストを低減しやすい。
[適用例5]上記の液体収容体の製造方法であって、前記液体収容室に前記液体を注入するステップにおいて、脱気処理が施された前記液体を前記液体収容室に注入する、ことを特徴とする液体収容体の製造方法。
この適用例では、脱気処理が施された液体を液体収容室に収容することができる。これにより、液体収容室内で液体に混入する気体を低減することができる。
液体噴射システムを例に、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態における液体噴射システム1は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター3と、液体供給装置の一例であるインク供給装置4と、を有している。プリンター3は、搬送装置5と、記録部6と、移動装置7と、制御部11と、を有している。なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。本実施形態では、X軸とY軸とによって規定される水平な平面(XY平面)に液体噴射システム1を配置した状態が、液体噴射システム1の使用状態である。Z軸は、水平な平面に直交する軸である。液体噴射システム1の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、液体噴射システム1の使用状態では、図1において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。
搬送装置5は、記録用紙などの記録媒体Pを、Y軸方向に間欠的に搬送する。記録部6は、搬送装置5で搬送される記録媒体Pに、液体の一例であるインクで記録を行う。移動装置7は、記録部6を、X軸に沿って往復移動させる。インク供給装置4は、記録部6にインクを供給する。制御部11は、上記の各構成の駆動を制御する。
搬送装置5は、図1に示すように、駆動ローラー12Aと、従動ローラー12Bと、搬送モーター13と、を有している。駆動ローラー12A及び従動ローラー12Bは、互いに外周を接し合って回転可能に構成されている。搬送モーター13は、駆動ローラー12Aを回転駆動するための動力を発生する。搬送モーター13からの動力は、伝動機構を介して駆動ローラー12Aに伝達される。そして、駆動ローラー12Aと従動ローラー12Bとの間に挟持した記録媒体PをY軸方向に間欠的に搬送する。
記録部6は、4つの中継ユニット15と、キャリッジ17と、記録ヘッド19と、を備えている。中継ユニット15は、インク供給装置4から供給されたインクを記録ヘッド19に中継する。記録ヘッド19は、液体噴射部の一例であり、インクをインク滴として吐出して、記録媒体Pに記録を行う。キャリッジ17は、4つの中継ユニット15と、記録ヘッド19とを搭載している。なお、記録ヘッド19は、フレキシブルケーブル31を介して制御部11に接続されている。記録ヘッド19からのインク滴の吐出は、制御部11によって制御される。
移動装置7は、図1に示すように、タイミングベルト43と、キャリッジモーター45と、ガイド軸47と、を備えている。タイミングベルト43は、一対のプーリー41A及びプーリー41B間に張設されている。一対のプーリー41A及びプーリー41Bは、X軸に沿って並べられている。このため、タイミングベルト43は、X軸に沿って張設されている。キャリッジモーター45は、プーリー41Aを回転駆動するための動力を発生する。ガイド軸47は、X軸に沿って延在している。ガイド軸47は、両端が図示しない筐体に支持されており、キャリッジ17をX軸に沿ってガイドする。
キャリッジ17は、タイミングベルト43の一部に固定されている。キャリッジ17には、キャリッジモーター45からプーリー41A及びタイミングベルト43を介して動力が伝達される。そして、キャリッジ17は、伝達された動力によって、X軸に沿って往復移動可能に構成されている。
インク供給装置4には、図1に示すように、カートリッジ49が着脱自在に装着される。また、インク供給装置4は、ホルダー53と、ポンプユニット55と、を有している。なお、本実施形態では、インク供給装置4に、複数の(本実施形態では4つの)カートリッジ49を装着することができる。4つのカートリッジ49は、ホルダー53に対して着脱可能に支持されている。カートリッジ49には、液体の一例であるインクが収容されている。本実施形態におけるカートリッジ49では、注入口61を介してカートリッジ49の外部からカートリッジ49の内部にインクを注入することができる。液体噴射システム1では、印刷を継続したままの状態で、注入口61からカートリッジ49に新たなインクを補充することができる。なお、注入口61は、蓋(図示せず)で封止されている。カートリッジ49にインクを注入するとき、蓋を開けて注入口61を開放してから注入が実施される。
各カートリッジ49には、インク供給チューブ57が接続される。流路部材の一例であるインク供給チューブ57は、インク供給装置4から各中継ユニット15に接続されている。4つの中継ユニット15は、それぞれ、インク供給チューブ57を介して各カートリッジ49に接続される。各カートリッジ49内のインクには、各カートリッジ49から各中継ユニット15に至る過程でポンプユニット55によって圧力が付与される。これにより、各カートリッジ49内のインクがインク供給チューブ57を介して中継ユニット15に送り込まれる。つまり、インク供給装置4から記録ヘッド19へのインクの供給をポンプユニット55で補助することができる。このように、カートリッジ49内のインクがインク供給装置4から中継ユニット15を介して記録ヘッド19に供給される。そして、記録ヘッド19に供給されたインクが、記録媒体P側に向けられたノズル(図示せず)からインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター3とインク供給装置4とを個別の構成として説明したが、インク供給装置4をプリンター3の構成に含めることもできる。また、インク供給装置4とポンプユニット55とを個別の構成とすることもできる。
上記の構成を有する液体噴射システム1では、搬送モーター13の駆動が制御部11によって制御され、搬送装置5が記録媒体Pを記録ヘッド19に対向させながら、Y軸方向に間欠的に搬送する。このとき、制御部11は、キャリッジモーター45の駆動を制御して、キャリッジ17をX軸に沿って往復移動させながら、記録ヘッド19の駆動を制御して、所定の位置でインク滴を吐出させる。このような動作によって、記録媒体Pにドットが形成され、この記録媒体Pに画像データなどの記録情報に基づく記録が行われる。
本実施形態では、カートリッジ49に補充するためのインクは、図2に示すインク収容体62に収容された状態で提供される。インク収容体62は、液体収容体の一例である。インク収容体62は、液体収容室の一例であるインク収容室63と、減圧室64と、を有している。インク収容体62は、図3に示すように、収容部65と、中空部材66と、を有している。収容部65は、可撓性を有するフィルム材67を袋状に接合した構成を有している。収容部65の形態としては、ピロータイプ、スタンディングパウチタイプ、ガゼットタイプなど、種々の形態が採用され得る。本実施形態では、スタンディングパウチタイプが採用されている。
収容部65では、袋状のフィルム材67が3つの部分68に区分され得る。収容部65において、3つの部分68のそれぞれを個別に識別する場合、3つの部分68は、それぞれ、部分68A、部分68B、及び部分68Cと表記される。部分68Aと部分68Bとは、互いに重ねられた状態で、接合領域69で互いに溶着されている。部分68Cは、部分68Aと部分68Bとによって挟まれている。部分68Cの周縁は、接合領域69に重ねられた状態で部分68A及び部分68Bに溶着されている。つまり、本実施形態では、収容部65は、フィルム材67を袋状に溶着した構成を有している。なお、フィルム材67の溶着は、互いに重ねられたフィルム材67に圧力を加えながら加熱することによって行なわれる。つまり、互いに重ねられたフィルム材67を潰しながら加熱することによって溶着が行なわれる。
これにより、収容部65においてインク収容室63は、部分68Cを底部とする袋状の形態を有している。インク収容室63の内部に、インクが収容される。そして、インク収容室63は、少なくとも一部が可撓性を有しているので、インク収容室63内のインクが消費されたときのインク収容室63内の圧力の低下を軽減することができる。なお、図3では、構成をわかりやすく示すため、接合領域69にハッチングが施されている。また、図3では、部分68Cが部分68Aと部分68Bとの間で切断された状態が示されている。
収容部65において減圧室64は、インク収容室63の隣に設けられている。減圧室64は、フィルム材67のうち部分68Aと部分68Bとによって形成されている。減圧室64は、接合領域69によって囲まれている。このため、収容部65において、インク収容室63と減圧室64とが、接合領域69によって仕切られている。これにより、インク収容室63と減圧室64とが、互いに独立した空間を構成している。インク収容体62において減圧室64の内部は、インク収容体62の外部の大気圧よりも低い圧力に減圧されている。なお、以下において、接合領域69のうち、減圧室64を区画する部分は、接合領域69Aと呼ばれる。接合領域69Aは、減圧室64を囲んでいる。さらに、接合領域69Aのうちインク収容室63と減圧室64とを仕切る部分は、接合領域69Bと表記される。つまり、減圧室64は、接合領域69Bによってインク収容室63から仕切られている。接合領域69Aは、区画接合部の一例である。また、接合領域69Bは、仕切部の一例である。
中空部材66は、減圧室64内に収容されている。中空部材66は、フィルム材67よりも剛性が高い材料で中空に形成されている。本実施形態では、中空部材66は、筒状に形成されている。減圧室64の内部は、中空部材66を収容した状態で大気圧よりも低い圧力に保たれている。これにより、減圧室64の内部の圧力が大気圧よりも低くても、減圧室64の容積を確保することができる。
フィルム材67の材料としては、それぞれ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレンなどが採用され得る。また、これらの材料で構成されたフィルムを積層した積層構造も採用され得る。このような積層構造では、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPETやナイロンとし、内層を耐インク性に優れたポリエチレンとすることができる。さらに、アルミニウムや酸化シリコンなどを蒸着した層を有するフィルムなども採用され得る。これにより、ガスバリア性を高めることができる。
このインク収容体62では、収容部65に設けられたインク収容室63と減圧室64との間が、フィルム材67を接合することによって構成された接合領域69Bによって仕切られている。大気圧よりも低い圧力に減圧された減圧室64内には、中空部材66が収容されている。このため、減圧室64の内部の圧力が大気圧よりも低くても、減圧室64の容積が確保される。このインク収容体62によれば、インク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部を減圧室64内に吸入させることができる。これにより、インク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部をインク収容室63から排除することができる。
ここで、例えば、インク収容室63内のインクに気体が気泡として混入していた場合に、インクと一緒に気泡が記録ヘッド19に供給されると、記録ヘッド19内でインクへの圧力伝達が阻害されることがある。この結果、記録品位の低下を招いてしまうことがある。例えば、黒色のインクには、アゾ結合を有する色材が適用されたものがある。このようなインクでは、インク収容室63内において経時的にアゾ結合が分解して窒素ガスが発生することがある。インクへの窒素ガスの溶解が飽和状態となると、窒素ガスが気泡としてインクに混入することが考えられる。このようなことが発生しても、インク収容体62では、収容部65にインク収容室63から仕切られた減圧室64を設けるという簡易な構成でインク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部をインク収容室63から排除することができる。このように、本実施形態では、インクの信頼性を高めることができ、且つインク収容体62を構成する部品点数を軽減しやすく、コストを低減しやすい。
図4に示すように、接合領域69のうちの接合領域69Bの幅寸法H1は、切り取り部81を除いて、他の部分の幅寸法H2よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、接合領域69Bの幅寸法H1は、他の部分の幅寸法よりも小さい。これは、インク収容室63から減圧室64への気体の透過性を高くするという理由による。幅寸法H1が小さいほど、インク収容室63から減圧室64への気体の透過性が高くなる。他方で、幅寸法H2が幅寸法H1の2倍に等しいか、又は幅寸法H1の2倍を超えることが、接合強度を高める観点で好ましい。さらに、接合領域69Aのうち接合領域69Bを除いた部分の幅寸法H3が幅寸法H2よりも大きいことが、減圧室64内への大気の進入を低く抑える観点から好ましい。
なお、切り取り部81は、インク収容体62のインク収容室63を開封するときに切り取られる部分である。切り取り部81が切り取られると、インク収容室63が開封され、インク収容体62に注ぎ口が形成される。作業者は、切り取り部81を切り取ることによってインク収容体62に注ぎ口を形成してから、その注ぎ口からカートリッジ49の注入口61(図1)にインクを注入することができる。
また、フィルム材67の溶着において、接合領域69Bに加える圧力を、他の部分に加える圧力よりも低くすることが、インク収容室63から減圧室64への気体の透過性を高める観点から好ましい。これにより、接合領域69のうちの接合領域69Bにおける潰し量が、他の部分における潰し量よりも小さくなる。このため、接合領域69Bにおける厚みが、他の部分における厚みよりも厚くなる。この結果、インク収容室63から減圧室64への気体の透過性が高くなる。
また、インク収容体62において、減圧室64内に中空部材66が収容されている。本実施形態では、中空部材66は、フィルム材67よりも剛性が高い材料で筒状に形成されている。このため、インク収容体62において、減圧室64が筒状の中空部材66の形状にならって外側に膨らんでいる。このため、作業者は、中空部材66の形状にならって膨らんだ減圧室64を把持してインク収容体62を下げ持つことができる。つまり、作業者は、中空部材66の形状にならって膨らんだ減圧室64をインク収容体62の取っ手として利用することができる。これにより、本実施形態では、減圧室64がインク収容体62の取っ手としての機能を有する。減圧室64を取っ手として利用することによって、インク収容体62の持ち運びを容易に行うことができるので利便性を向上させることができる。
インク収容体62の製造方法の種々の実施例について、実施例ごとに説明する。
(実施例1)
実施例1の製造方法は、インク収容室63内にインクを注入するステップS1と、減圧室64内を減圧するステップS2と、インク収容室63と減圧室64とを封止するステップS3と、を含む。ステップS1では、図5に示すように、注入口85と、減圧口86とを有する収容部65Aにインクを注入する。注入口85は、インク収容室63内に連通している。減圧口86は、減圧室64内に連通している。
実施例1の製造方法は、インク収容室63内にインクを注入するステップS1と、減圧室64内を減圧するステップS2と、インク収容室63と減圧室64とを封止するステップS3と、を含む。ステップS1では、図5に示すように、注入口85と、減圧口86とを有する収容部65Aにインクを注入する。注入口85は、インク収容室63内に連通している。減圧口86は、減圧室64内に連通している。
ここで、収容部65Aは、可撓性を有するフィルム材67の一部を接合することによって、注入口85と減圧口86とを有する袋状に形成される。このため、インク収容体62の製造方法は、ステップS1の前に、可撓性を有するフィルム材67の一部を接合することによって、インク収容室63と減圧室64とを含む袋状の収容部65Aを形成するステップを含む。そして、ステップS1では、図6に示すように、貯留槽87に貯留されたインクを注入口85からインク収容室63内に注入する。このとき、インクは、脱気モジュール88で脱気処理されてからインク収容室63内に注入される。なお、収容部65Aを形成するステップでは、接合領域69のうち接合領域69Bと他の接合領域69とを、別々に形成しても、一緒に形成してもよい。
ステップS1の後に、ステップS2において、図7に示すように、収容部65Aを減圧チャンバー89に収容してから、減圧チャンバー89内を大気圧よりも低い圧力に減圧する。これにより、減圧室64内が減圧される。なお、減圧チャンバー89内を減圧する前に、減圧室64内に中空部材66が収容される。中空部材66を減圧室64内に収容するタイミングとしては、ステップS1の後であっても、ステップS1の前であってもよい。
ステップS2の後に、ステップS3において、図8に示すように、減圧チャンバー89内で減圧状態を維持したまま、インク収容室63と減圧室64とを封止する。ステップS3では、図9に示すように、ヒーターツール91で注入口85と減圧口86(図8)とを加圧及び加熱することによって、すなわち溶着によって注入口85と減圧口86とを封止する。そして、ステップS3の後に、注入口85と減圧口86とを封止したときの余分な部分を切断することによって、図2に示すインク収容体62が製造され得る。
実施例1の製造方法によって製造されたインク収容体62では、インク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部を減圧室64内に吸入させることができる。これにより、インク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部をインク収容室63から排除することができる。このインク収容体62では、収容部65にインク収容室63から仕切られた減圧室64を設けるという簡易な構成でインク収容室63内のインクに混入している気体の少なくとも一部をインク収容室63から排除することができる。このため、インク収容体62を構成する部品点数を軽減しやすく、コストを低減しやすい。また、実施例1の製造方法では、脱気処理が施されたインクをインク収容室63に収容することができるので、インク収容室63内でインクに混入する気体を低減することができる。
(実施例2)
実施例2の製造方法は、減圧環境下でインク収容室63内にインクを注入するステップS21と、減圧環境下でインク収容室63と減圧室64とを封止するステップS22と、を含む。なお、実施例2において、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。ステップS21では、図10に示すように、大気圧よりも低い圧力に減圧された減圧チャンバー89内で、収容部65Aの注入口85からインクをインク収容室63内に注入する。このとき、貯留槽87に貯留されたインクが、脱気モジュール88で脱気処理されてからインク収容室63内に注入される。なお、減圧チャンバー89内を減圧する前に、減圧室64内に中空部材66が収容される。
実施例2の製造方法は、減圧環境下でインク収容室63内にインクを注入するステップS21と、減圧環境下でインク収容室63と減圧室64とを封止するステップS22と、を含む。なお、実施例2において、実施例1と同様の構成については、実施例1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。ステップS21では、図10に示すように、大気圧よりも低い圧力に減圧された減圧チャンバー89内で、収容部65Aの注入口85からインクをインク収容室63内に注入する。このとき、貯留槽87に貯留されたインクが、脱気モジュール88で脱気処理されてからインク収容室63内に注入される。なお、減圧チャンバー89内を減圧する前に、減圧室64内に中空部材66が収容される。
ステップS21の後に、ステップS22において、実施例1のステップS3(図8)と同様に、減圧チャンバー89内で減圧状態を維持したまま、インク収容室63と減圧室64とを封止する。ステップS22においても、実施例1のステップS3と同様に、ヒーターツール91(図9)で注入口85と減圧口86(図8)とを加圧及び加熱することによって、すなわち溶着によって注入口85と減圧口86とを封止する。そして、ステップS22の後に、注入口85と減圧口86とを封止したときの余分な部分を切断することによって、図2に示すインク収容体62が製造され得る。実施例2においても実施例1と同様の効果が得られる。
上記実施例1や実施例2では、注入口85と減圧口86とを一緒に封止する方法が採用されている。しかしながら、注入口85と減圧口86とを封止する方法は、これに限定されない。注入口85と減圧口86とを封止する方法としては、例えば、注入口85と減圧口86とを別々に封止する方法も採用され得る。この場合、注入口85と減圧口86とを封止する順序は、いずれが先でも後でもよい。
また、上記実施例1や実施例2では、インク収容室63にインクを注入してから減圧口86を封止する方法が採用されている。しかしながら、減圧口86を封止してからインク収容室63にインクを注入する方法も採用され得る。この場合、減圧室64内を減圧してから減圧口86を封止し、その後にインク収容室63にインクを注入する方法が採用され得る。この方法においても実施例1や実施例2と同様の効果が得られる。
また、上記実施例1や実施例2では、減圧室64内を減圧してから注入口85を封止する方法が採用されている。しかしながら、インク収容室63にインクを注入した後に注入口85を封止してから、減圧室64内を減圧する方法も採用され得る。この方法においても実施例1や実施例2と同様の効果が得られる。
1…液体噴射システム、3…プリンター、4…インク供給装置、5…搬送装置、6…記録部、7…移動装置、11…制御部、12A…駆動ローラー、12B…従動ローラー、13…搬送モーター、15…中継ユニット、17…キャリジ、19…記録ヘッド、31…フレキシブルケーブル、41A,41B…プーリー、43…タイミングベルト、45…キャリッジモーター、47…ガイド軸、49…カートリッジ、53…ホルダー、55…ポンプユニット、57…インク供給チューブ、61…注入口、62…インク収容体、63…インク収容室、64…減圧室、65,65A…収容部、66…中空部材、67…フィルム材、68…部分、69,69A,69B…接合領域、81…切り取り部、85…注入口、86…減圧口、87…貯留槽、88…脱気モジュール、89…減圧チャンバー、91…ヒーターツール、H1,H2,H3…幅寸法、P…記録媒体。
Claims (5)
- 液体を収容する液体収容体であって、
前記液体収容体は、可撓性を有するフィルム材を袋状に接合した構成を有する収容部を含み、
前記収容部は、
前記液体を収容可能な液体収容室と、
前記フィルム材を接合することによって構成された仕切部で前記液体収容室から仕切られた減圧室と、
前記フィルム材よりも剛性が高い材料で中空に構成され、前記減圧室内に収容される中空部材と、を含み、
前記減圧室の内部の圧力が、大気圧よりも低い、
ことを特徴とする液体収容体。 - 請求項1に記載の液体収容体であって、
前記収容部には、前記フィルム材を接合することによって減圧室を区画する区画接合部が形成されており、
前記区画接合部のうちの前記仕切部を構成する部分の幅寸法が、前記区画接合部のうちの他の部分の幅寸法よりも狭い、
ことを特徴とする液体収容体。 - 請求項1又は2に記載の液体収容体であって、
前記減圧室が取っ手の機能を有する、
ことを特徴とする液体収容体。 - 液体を収容する収容部を含む液体収容体の製造方法であって、
可撓性を有するフィルム材の一部を接合することによって、前記液体を収容可能な液体収容室と、仕切部によって前記液体収容室から仕切られた減圧室とを含む袋状の前記収容部を形成するステップと、
前記フィルム材よりも剛性が高い材料で中空に構成された中空部材を、前記減圧室に収容するステップと、
前記中空部材を前記減圧室に収容するステップの後に、大気圧よりも低い圧力環境下で前記減圧室を封止するステップと、
前記液体収容室に前記液体を注入するステップと、
前記液体収容室に前記液体を注入するステップの後に、前記液体収容室を封止するステップと、を含む、
ことを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項4に記載の液体収容体の製造方法であって、
前記液体収容室に前記液体を注入するステップにおいて、脱気処理が施された前記液体を前記液体収容室に注入する、
ことを特徴とする液体収容体の製造方法。
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JP2014245608A JP2016107460A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 液体収容体、液体収容体の製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2014245608A Pending JP2016107460A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 液体収容体、液体収容体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2014
- 2014-12-04 JP JP2014245608A patent/JP2016107460A/ja active Pending
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