JP2016107390A - 歯車を把持するための歯車把持装置および方法 - Google Patents

歯車を把持するための歯車把持装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歯車を損傷させてしまうのを防止しつつ、該歯車をより容易且つ適切に把持することのできる装置を提供する。【解決手段】歯車把持装置10は、歯車Gの外周に対して接近するように移動可能に設けられ、歯車Gの外周に形成された歯溝と係合可能な爪部と、爪部を駆動して歯車Gの外周に当接させる第1の駆動部18と、歯車Gを該歯車Gの周方向へ回転させる第2の駆動部20と、歯溝に爪部が係合したか否かを検知する噛合検知部50とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、歯車を回転不能に把持するための歯車把持装置に関する。
歯車の外周に形成された歯溝と係合可能な爪部を有するクランプ部によって歯車を挟み込み、該歯車を回転不能に把持するための装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平8−174360号公報
歯車を損傷させてしまうのを防止しつつ、該歯車をより容易且つ適切に把持することのできる装置が求められている。
本発明の一態様において、歯車把持装置は、歯車の外周に対して接近するように移動可能に設けられ、歯車の外周に形成された歯溝と係合可能な爪部と、爪部を駆動して歯車の外周に当接させる第1の駆動部と、歯車を該歯車の周方向へ回転させる第2の駆動部と、歯溝に爪部が係合したか否かを検知する噛合検知部とを備える。
歯車把持装置は、互いに対して接近するように移動可能に設けられ、爪部を各々有する一対のクランプ部をさらに備えてもよい。第1の駆動部は、一対のクランプ部を互いに接近するように駆動して、該一対のクランプ部の間で歯車の外周を挟み込んでもよい。第1の駆動部または第2の駆動部は、サーボモータを有してもよい。
噛合検知部は、爪部が歯車の外周に当接している間の第2の駆動部に掛かる負荷トルクを監視し、該負荷トルクが変化したときに、歯溝に爪部が係合したことを検知してもよい。噛合検知部は、爪部が歯車の外周に当接している間の爪部の変位を監視し、該変位が生じたときに、歯溝に爪部が係合したことを検知してもよい。
本発明の他の態様において、歯車を把持する方法は、歯車の外周に形成された歯溝に係合可能な爪部を移動させて、該爪部を歯車の外周に当接させることと、歯車を該歯車の周方向へ回転させることと、歯溝に爪部が係合したか否かを検知することとを備える。
この方法は、爪部を歯車の外周に当接させることの後に、歯車を回転させるための駆動部に掛かる負荷トルクを監視することをさらに備えてもよい。歯溝に爪部が係合したか否かを検知することにおいて、負荷トルクが変化したときに歯溝に爪部が係合したことを検知してもよい。
この方法は、爪部を歯車の外周に当接させることの後に、爪部の変位を監視することをさらに備えてもよい。歯溝に爪部が係合したか否かを検知することにおいて、変位が生じたときに歯溝に爪部が係合したことを検知してもよい。
本発明の一実施形態に係る歯車把持装置のブロック図である。 図1に示す歯車把持装置の斜視図である。 図2中の領域IIIを拡大した拡大図である。 図1に示す歯車把持装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。 図2に示す歯車把持装置の爪部が歯車と噛合した状態を示す斜視図である。 図5中の領域VIを拡大した拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る歯車把持装置のブロック図である。 図7に示す歯車把持装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る歯車把持装置10について説明する。なお、以下の説明における軸方向とは、歯車Gの中心軸線Oに沿う方向を示し、径方向とは、軸線Oを中心とする円の半径方向を示し、周方向とは、軸線Oを中心とする円の円周方向を示す。
歯車把持装置10は、歯車Gの外周を径方向外側から挟み込み、該歯車Gを回転不能に把持するための装置である。歯車把持装置10は、制御部12、一対の第1のクランプ部14および第2のクランプ部16、第1の駆動部18、ならびに、第2の駆動部20を備える。
制御部12は、歯車把持装置10の各要素を直接的または間接的に制御する。第1のクランプ部14および第2のクランプ部16は、互いに対向して配置されている。歯車把持装置10によって歯車Gを把持するとき、該歯車Gは、図2に示すように、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の間に配置される。
第1のクランプ部14は、歯車Gの径方向一方側に配置され、略U字状のクランプアーム24と、クランプアーム24に取り付けられた2つの爪部材26および28とを有する。
クランプアーム24は、基部24aと、基部24aから歯車Gの方向へ向かって延出する一対のアーム部24bおよび24cとを有する。爪部材26および28は、それぞれ、アーム部24bおよび24cの先端に取り付けられている。
図3に示すように、爪部材26は、歯車Gに面する側に設けられた複数の爪部30を有する。これら爪部30は、軸線Oへ向かって突出し、歯車Gの外周に沿って周方向に整列するように配置されている。
一方、歯車Gの外周には、周方向に整列する複数の歯部Gが形成されており、互いに周方向に隣接する2つの歯部Gの間に歯溝Gが形成されている。爪部30の各々は、歯車Gの外周に形成された歯溝Gの各々と係合可能となるように設けられている。
爪部材28は、上述の爪部材26と同様の構成を備える。具体的には、爪部材28は、周方向に整列するように設けられ、軸線Oへ向かって突出する複数の爪部32を有する。これら爪部32の各々は、歯溝Gの各々と係合可能となっている。
一方、第2のクランプ部16は、第1のクランプ部14と同様の構成を備えており、軸線Oを基準として第1のクランプ部14と対称となるように配置されている。具体的には、第2のクランプ部16は、歯車Gの径方向他方側に配置され、略U字状のクランプアーム34と、クランプアーム34に取り付けられた2つの爪部材36および38とを有する。
クランプアーム34は、基部34aと、一対のアーム部34bおよび34cとを有する。爪部材36および38は、それぞれ、アーム部34bおよび34cの先端に取り付けられている。
爪部材36および38は、それぞれ、周方向に整列するように設けられ、軸線Oへ向かって突出する複数の爪部40および42を有する。爪部40および42の各々は、歯溝Gの各々と係合可能となっている。
第1の駆動部18は、制御部12からの指令に応じて、第1のクランプ部14および16を、互いに接近および離反するように駆動する。本実施形態においては、第1の駆動部18は、サーボモータ(図示せず)と、該サーボモータの回転シャフトに連結された運動変換機構(図示せず)とを有する。
運動変換機構は、例えばボール螺子機構を含み、回転シャフトの回転運動を、図2中の矢印Aの方向に沿う往復動運動へと変換する。なお、矢印Aの方向は、軸線Oと直交する方向であって、アーム部24b、24c、34b、および34cの延在方向に一致する。
第1のクランプ部14は、連結部材44を介して、第1の駆動部18に機械的に連結されている。連結部材44の一端は、第1の駆動部18の運動変換機構に機械的に連結されており、連結部材44の他端は、クランプアーム24の基部24aに連結されている。
同様に、第2のクランプ部16は、連結部材46を介して、第1の駆動部18に機械的に連結されている。連結部材46の一端は、第1の駆動部18の運動変換機構に機械的に連結されており、連結部材46の他端は、クランプアーム34の基部34aに連結されている。第1のクランプ部14および第2のクランプ部16は、第1の駆動部18によって駆動されて、互いに接近および離反する方向へ同期して移動される。
第2の駆動部20は、制御部12からの指令に応じて、歯車Gを周方向へ回転駆動する。本実施形態においては、第2の駆動部20は、サーボモータ(図示せず)を有する。歯車Gと第2の駆動部20とは、軸方向に延びる駆動シャフト48を介して、互いに機械的に連結されている。駆動シャフト48の一端は、第2の駆動部20のサーボモータの回転シャフト(図示せず)に連結され、駆動シャフト48の他端は、歯車Gの中心部に連結されている。
次に、図1〜図6を参照して、本実施形態に係る歯車把持装置10の動作について説明する。図4に示す動作フローは、制御部12がユーザから歯車把持指令を受け付けて、歯車Gが図2に示すように第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の間に配置されたときに、開始する。
ステップS1において、制御部12は、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を移動させる。具体的には、制御部12は、第1の駆動部18に指令を送り、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を、互いに接近するように移動させる。
この動作に伴って、第1のクランプ部14に設けられた爪部30および32と、第2のクランプ部16に設けられた爪部40および42の各々も、歯車Gの外周に接近するように移動される。
このステップS1にて第1の駆動部18に送信される指令は、後述するステップS2にて第1のクランプ部14および第2のクランプ部16によって歯車Gを挟み込んだときに、該歯車Gを損傷させない程度の力を第1のクランプ部14および第2のクランプ部16に与えるように、設定される。
ステップS2において、制御部12は、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16が歯車Gに当接したか否かを判断する。一例として、制御部12は、第1の駆動部18のサーボモータからフィードバック(負荷トルク、フィードバック電流等)を受信し、該フィードバックが、第1の駆動部18に送信されている指令(トルク指令、電流指令)に相当する値となったときに、YESと判断する。
また、他の例として、制御部12は、第1の駆動部18のサーボモータからフィードバックを受信し、該フィードバックが予め定められた閾値を超えたときに、YESと判断してもよい。制御部12は、ステップS2にてYESと判断した場合、ステップS4へ進む。一方、制御部12は、ステップS2にてNOと判断した場合、ステップS2をループする。
なお、制御部12は、ステップS2にてYESと判断したときに、第1の駆動部18に指令を送り、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の移動を停止してもよい。この構成によれば、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16から歯車Gに過度の力が負荷されるのを防止できるので、歯車Gに損傷を与えてしてしまうのを防止できる。
第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を歯車Gに当接させたとき、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の爪部30、32、40、および42が、歯部Gに突き当たることよって歯溝Gの内部に入り込まず、歯車Gと適切に噛合しない場合がある。
図3は、このような状態の一例を示している。図3に示すように、この状態においては、爪部30の各々の先端が、歯部Gの先端に突き当たり、爪部30が歯溝Gの内部に入り込んでいない。
この場合、歯車Gは、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の間に挟み込まれてはいるが、爪部30、32、40、および42と噛合していない。したがって、歯車Gは、歯車把持装置10によって適切に把持されていないことになる。
ステップS3において、制御部12は、第2の駆動部20の負荷トルクの監視を開始する。具体的には、制御部12は、ステップS2にてYESと判断した時点から、予め定められた周期τで、第2の駆動部20のサーボモータからフィードバック(負荷トルク、フィードバック電流等)を受信する。
ステップS4において、制御部12は、歯車Gを周方向へ回転させる。具体的には、制御部12は、第2の駆動部20に指令を送り、駆動シャフト48を介して、歯車Gを周方向へ回転させる。
このように、図3に示す状態の歯車Gを回転させると、爪部30、32、40、および42が、歯部Gに対して周方向に変位し、歯溝Gの内部に入り込み、該歯溝Gと係合する。これにより、爪部30、32、40、および42は、歯車Gと適切に噛合することになる。この状態を図5および図6に示す。
ステップS5において、制御部12は、爪部30、32、40、および42が歯溝Gと適切に係合したか否かを判断する。図5および図6に示すように、爪部30、32、40、および42が、歯溝Gの内部に入り込んで係合すると、爪部30、32、40、および42によって、歯車Gの回転が規制される。
そうすると、第2の駆動部20に掛かる負荷トルクが上昇することになる。そこで、本実施形態においては、制御部12は、ステップS2でYESと判断した後に、第2の駆動部20に掛かる負荷トルクを監視し、該負荷トルクの変化を検知したときに、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が適切に係合したものと判断する。すなわち、制御部12は、噛合検知部50(図1)としての機能を有する。
一例として、制御部12は、ステップS3から周期的に受信している第2の駆動部20のフィードバックが、予め定められた閾値を超えたときに、第2の駆動部20の負荷トルクが変化したことを検知する。
また、他の例として、制御部12は、ステップS3から周期的に受信している第2の駆動部20のフィードバックに関して、時系列的に隣接する2つの時点で取得した2つのフィードバックの差が、予め定められた閾値を超えたときに、第2の駆動部20の負荷トルクが変化したことを検知する。
また、さらに他の例として、制御部12は、受信した第2の駆動部20のフィードバックが、第2の駆動部20に送信されている指令(トルク指令、電流指令)に相当する値となったときに、第2の駆動部20の負荷トルクが変化したことを検知する。
制御部12は、負荷トルクの変化を検知すると、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が適切に係合しているもの(すなわちYES)と判断し、図4に示すフローを終了する。一方、制御部12は、ステップS5にて負荷トルクの変化を検知できなかった場合、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が係合していない(すなわちNO)と判断する。そして、制御部12は、ステップS5をループする。
このように、本実施形態によれば、制御部12は、歯車Gを損傷しない程度の弱い力で歯車Gを挟み込んだ後に、歯車Gを回転させることによって、歯車Gと爪部30、32、40、および42とを適切に噛合させている。この構成によれば、歯車Gに損傷を与えるのを確実に防止しつつ、爪部30、32、40、および42を歯車Gに適切に噛み合せることができる。
また、本実施形態によれば、上述のように歯車Gへの損傷を防止できるので、歯車Gへの損傷を防止する手段、例えば、爪部30、32、40、および42から歯車Gへ加えられる衝撃を緩和するダンパ機構等を設ける必要がない。したがって、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16の構成を簡易化することができる。
また、本実施形態によれば、制御部12は、第2の駆動部20に掛かる負荷トルクの変化に基づいて、歯溝Gと爪部30、32、40、および42とが互いに係合したか否かを検知している。この構成によれば、歯溝Gと爪部30、32、40、および42との噛み合いを、簡易な装置で高精度に検知できる。
次に、図2および図7を参照して、本発明の他の実施形態に係る歯車把持装置60について説明する。なお、上述の実施形態と同様の要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
歯車把持装置60は、制御部62、一対の第1のクランプ部14および第2のクランプ部16、第1の駆動部18、第2の駆動部20、ならびに、変位検出部64を備える。制御部62は、歯車把持装置60の各要素を直接的または間接的に制御する。変位検出部64は、制御部62から指令に応じて、爪部30、32、40、および42の変位を検出する。
一例として、変位検出部64は、第1の駆動部18のサーボモータの回転角度を検出するエンコーダを有する。この場合、変位検出部64は、爪部30、32、40、および42の位置を表すパラメータとして、サーボモータの回転角度を検出する。
サーボモータの回転角度の偏差は、爪部30、32、40、および42の変位に相関する。したがって、サーボモータの回転角度の変化を検出することによって、爪部30、32、40、および42の変位を評価することができる。
また、他の例として、変位検出部64は、第1のクランプ部14、第2のクランプ部16、連結部材44、または連結部材46等の、第1の駆動部18によって移動される可動部材の変位を直接的に検出する変位計を有してもよい。
第1のクランプ部14、第2のクランプ部16、連結部材44、または連結部材46等の可動部材の変位は、爪部30、32、40、および42の変位と相関する。したがって、このような可動部材の変位を検出することによって、爪部30、32、40、および42の変位を評価することができる。
次に、図2、図7、および図8を参照して、本実施形態に係る歯車把持装置60の動作について説明する。なお、図8に示す動作フローにおいて、図4に示す動作フローと同様のステップには同じ符合を付し、詳細な説明を省略する。
ステップS3’において、制御部62は、爪部30、32、40、および42の変位の監視を開始する。具体的には、制御部62は、ステップS2にてYESと判断した時点から、変位検出部64に指令を送り、予め定められた周期τで、爪部30、32、40、および42の変位に関するデータを受信する。
一例として、変位検出部64が上記エンコーダを有する場合、制御部62は、予め定められた周期τで、第1の駆動部18のサーボモータの回転角度を受信する。また、他の例として、変位検出部64が上記変位計を有する場合、制御部62は、予め定められた周期τで、該変位計から、第1のクランプ部14、第2のクランプ部16、連結部材44、または連結部材46等の可動部材の位置データを受信する。
ステップS5’において、制御部62は、爪部30、32、40、および42が歯溝Gと適切に係合したか否かを判断する。ここで、ステップS4にて歯車Gを回転させると、図3に示す状態の爪部30、32、40、および42が、歯溝Gの内部に入り込み、図6に示す状態となる。このとき、爪部30、32、40、および42の位置は、軸線Oへ向かう方向へ変位することになる。
そこで、本実施形態においては、制御部62は、ステップS2でYESと判断した後に、爪部30、32、40、および42の変位を監視し、該変位を検知したときに、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が適切に係合したものと判断する。すなわち、制御部62は、噛合検知部66(図7)としての機能を有する。
一例として、変位検出部64が上記エンコーダを有する場合、制御部62は、ステップS3から周期的に受信している第1の駆動部18のサーボモータの回転角度が、予め定められた閾値を超えたときに、爪部30、32、40、および42が変位したことを検知する。
また、他の例として、変位検出部64が上記変位計を有する場合において、制御部62は、ステップS3’から周期的に受信している上記位置データに関して、時系列的に隣接する2つの時点で取得した2つの位置データの差が、予め定められた閾値を超えたときに、爪部30、32、40、および42が変位したことを検知する。
制御部62は、爪部30、32、40、および42の変位を検知すると、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が適切に係合しているもの(すなわちYES)と判断し、図8に示すフローを終了する。一方、制御部62は、ステップS5’にて爪部30、32、40、および42の変位を検知できなかった場合、歯溝Gに爪部30、32、40、および42が係合していない(すなわちNO)と判断する。そして、制御部62は、ステップS5’をループする。
このように、本実施形態によれば、制御部62は、歯車Gを損傷しない程度の弱い力で歯車Gを挟み込んだ後に、歯車Gを回転させることによって、歯車Gと爪部30、32、40、および42とを適切に噛合させている。この構成によれば、歯車Gに損傷を与えるのを防止しつつ、爪部30、32、40、および42を歯車Gに適切に噛み合せることができる。
また、本実施形態によれば、制御部62は、爪部30、32、40、および42の変位に基づいて、歯溝Gと爪部30、32、40、および42とが互いに係合したか否かを検知している。この構成によれば、歯溝Gと爪部30、32、40、および42との噛み合いを、簡易な装置で高精度に検知できる。
なお、上述の実施形態においては、第1の駆動部18がサーボモータを有する場合について述べた。しかしながら、これに限らず、第1の駆動部は、例えばシリンダを有していてもよい。この場合、第1の駆動部は、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を、互いに接近するように予め定められた駆動力で駆動する。
このときのシリンダの駆動力は、ステップS2にて第1のクランプ部14および第2のクランプ部16によって歯車Gを挟み込んだときに、該歯車Gを損傷させない程度の力として設定される。また、上述の変位検出部64は、シリンダシャフトのストロークを検出してもよい。
また、上述の実施形態においては、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16が、第1の駆動部18によって互いに同期するように駆動される場合について述べた。しかしながら、これに限らず、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16は、それぞれ個別の駆動部によって、互いに独立して駆動されてもよい。
また、上述の実施形態においては、歯車把持装置10、60は、互いに接近および離反する一対の第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を備えている場合について述べた。しかしながら、これに限らず、歯車把持装置は、歯車Gへ接近可能な第1のクランプ部14と、歯車Gに対して移動不能に設けられた固定部材とを備えてもよい。
この場合、固定部材は歯車Gに当接するように予め配置され、第1の駆動部は、第1のクランプ部14のみを歯車Gに接近するように駆動する。そして、第1のクランプ部14と、固定部材との間で歯車Gを挟み込む。この固定部材は、歯車Gと噛合可能な爪部を有してもよいし、または有してなくてもよい。
また、上述の実施形態においては、歯車把持装置10、60は、複数の爪部30、32、40、42を備える場合について述べた。しかしながら、これに限らず、歯車把持装置は、歯車の外周に対して接近するように移動可能な少なくとも1つの爪部を備えていればよい。仮に、歯車把持装置が1つのみの爪部を備えていたとしても、該爪部を歯車Gに適切に噛合させれば、該歯車Gを回転不能に保持することができる。
また、上述の実施形態においては、制御部12、62は、ステップS2にて第1のクランプ部14および第2のクランプ部16と歯車との当接を検知した後に、歯車Gを回転させる場合について述べた。
しかしながら、これに限らず、例えば、制御部12、62は、ステップS1の直前、またはステップS1と並行してステップS4を実行し、回転している状態の歯車Gに対して、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を当接させてもよい。
このような動作方法によっても、制御部12、62は、図6に示すように爪部30、32、40、および42を歯溝Ggに適切に係合させることができ、上述したステップS5、S5’にて、爪部30、32、40、および42と歯溝Ggとの係合を検知することができる。
なお、このような動作方法においては、ステップS4における歯車Gの回転速度は、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を歯車Gに当接させたときに該歯車Gを損傷させない程度の比較的遅い回転速度として、設定される。
以上、発明の実施形態を通じて本発明を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、本発明の実施形態の中で説明されている特徴を組み合わせた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得るが、これら特徴の組み合わせの全てが、発明の解決手段に必須であるとは限らない。さらに、上述の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることも当業者に明らかである。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、工程、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10,60 歯車把持装置
12,62 制御部
14,16 クランプ部
18,20 駆動部
30,32,40,42 爪部
50,66 噛合検知部
本発明は、歯車を回転不能に把持するための歯車把持装置、およびその方法に関する。
第1の駆動部18は、制御部12からの指令に応じて、第1のクランプ部14および第2のクランプ部16を、互いに接近および離反するように駆動する。本実施形態においては、第1の駆動部18は、サーボモータ(図示せず)と、該サーボモータの回転シャフトに連結された運動変換機構(図示せず)とを有する。

Claims (8)

  1. 歯車の外周に対して接近するように移動可能に設けられ、前記歯車の外周に形成された歯溝と係合可能な爪部と、
    前記爪部を駆動して前記歯車の外周に当接させる第1の駆動部と、
    前記歯車を該歯車の周方向へ回転させる第2の駆動部と、
    前記歯溝に前記爪部が係合したか否かを検知する噛合検知部と、を備える、歯車把持装置。
  2. 互いに対して接近するように移動可能に設けられ、前記爪部を各々有する一対のクランプ部をさらに備え、
    前記第1の駆動部は、前記一対のクランプ部を互いに接近するように駆動して、該一対のクランプ部の間で前記歯車の外周を挟み込む、請求項1に記載の歯車把持装置。
  3. 前記第1の駆動部または前記第2の駆動部は、サーボモータを有する、請求項1または2に記載の歯車把持装置。
  4. 前記噛合検知部は、前記爪部が前記歯車の外周に当接している間の前記第2の駆動部に掛かる負荷トルクを監視し、該負荷トルクが変化したときに、前記歯溝に前記爪部が係合したことを検知する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車把持装置。
  5. 前記噛合検知部は、前記爪部が前記歯車の外周に当接している間の前記爪部の変位を監視し、該変位が生じたときに、前記歯溝に前記爪部が係合したことを検知する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯車把持装置。
  6. 歯車を把持する方法であって、
    前記歯車の外周に形成された歯溝に係合可能な爪部を移動させて、該爪部を前記歯車の外周に当接させることと、
    前記歯車を該歯車の周方向へ回転させることと、
    前記歯溝に前記爪部が係合したか否かを検知することと、を備える、方法。
  7. 前記爪部を前記歯車の外周に当接させることの後に、前記歯車を回転させるための駆動部に掛かる負荷トルクを監視することをさらに備え、
    前記歯溝に前記爪部が係合したか否かを検知することにおいて、前記負荷トルクが変化したときに前記歯溝に前記爪部が係合したことを検知する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記爪部を前記歯車の外周に当接させることの後に、前記爪部の変位を監視することをさらに備え、
    前記歯溝に前記爪部が係合したか否かを検知することにおいて、前記変位が生じたときに前記歯溝に前記爪部が係合したことを検知する、請求項6または7に記載の方法。
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