JP2016106378A - 超電導線及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的特性に優れた超電導線を提供する。【解決手段】第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有し、かつ第1の超電導層と、第1の補強層とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有し、かつ第2の超電導層と、第2の補強層とを有する第2の超電導線材と、第1の超電導線材と第2の超電導線材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有し、第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有している。第1の端部に位置する第1表面は、接続部材により、第2の端部以外に位置する第2表面に接合され、第2の端部に位置する第2表面は、接続部材により、第1の端部以外に位置する第1表面に接合されている。【選択図】図2
Description
本発明は、超電導線及びその製造方法に関する。
超電導機器用の超電導線を作製するためには、長尺の超電導線材が必要とされる。通常、複数の超電導線材を順次接続していくことにより、超電導線材の長尺化が図られる。
複数の超電導線材を接続する構造として、特開2011−238513号公報(特許文献1)記載の接続構造が提案されている。特許文献1記載の第1の超電導線材は、超電導層と、内部はんだ層と、補強層とを有する。また、特許文献1記載の超電導線材は、端末部を有している。特許文献1記載の第2の超電導線材は、第1の超電導線材と同様の構造を有している。
超電導層は、第1面と、第2面とを有している。補強層は、第1面及び第2面上に設けられている。但し、第1面の端末部側に位置する領域上においては、補強層が設けられていない。すなわち、第1面の端末部側に位置する領域においては、超電導層が露出している。内部はんだ層は、補強層と第1面及び第2面との間に設けられており、補強層と超電導層とを接合している。
特許文献1記載の超電導線材の接続構造は、第1の超電導線材と、第2の超電導部材と、接続はんだ層とを有している。第1の超電導部材の第1面の端末部側に位置する領域において露出している超電導層が、第2の超電導部材の第1面の端末部側に位置する領域において露出している超電導層と対向するように配置されている。第1の超電導部材の第1面の端末部側に位置する領域において露出している超電導層と第2の超電導部材の第1面の端末部側に位置する領域において露出している超電導層とは、接続はんだにより接合されている。
しかしながら、特許文献1記載の超電導線材の接合構造は、曲げ変形、引張変形等を受けた際の機械的特性が十分ではない場合がある。すなわち、特許文献1記載の超電導線材の接合構造においては、曲げ変形、引張変形等を受けた場合に、超電導層が接続はんだを介して互いに対向している部分の端に、応力集中が生じやすい。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、機械的特性に優れた超電導線を提供するものである。
本発明の一実施態様に係る超電導線は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、第1の超電導線材と第2の超電導線材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1の超電導層の第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、かつ第2の超電導層と、第2の超電導層の第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有している。
第1の端部に位置する第1表面は、接続部材により、第2の端部以外に位置する第2表面に接合され、第2の端部に位置する第2表面は、接続部材により、第1の端部以外に位置する第1表面に接合されている。
上記によれば、曲げ変形、引張変形等に対する良好な機械的特性を得ることが可能となる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一実施態様に係る超電導線は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、第1の超電導線材と第2の超電導線材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1の超電導層の第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、かつ第2の超電導層と、第2の超電導層の第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有している。
第1の端部に位置する第1表面は、接続部材により、第2の端部以外に位置する第2表面に接合され、第2の端部に位置する第2表面は、接続部材により、第1の端部以外に位置する第1表面に接合されている。
(1)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対する良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(2)(1)において、第1表面側の第1補強層の全部は第1の端部において除去されており、第2表面側の第2補強層の全部は第2の端部において除去されていてもよい。
(2)の超電導線によると、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(3)(1)及び(2)の超電導線は、接続部材よりも低い電気抵抗値を有する導電部材を備えており、導電部材は、第1の端部に位置する第1表面と第2の端部に位置する第2表面との間に配置されている。
(3)の超電導線によると、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(4)(1)〜(3)の超電導線は、第1裏面側の第1の補強層上に設けられた第1の補強部材をさらに備えており、第1の補強部材は第1の端部から突出して第2表面側の第2の補強層に接合されていてもよい。
(4)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対するさらに良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(5)(1)〜(4)の超電導線は、第2裏面側の第2補強層上に設けられている第2の補強部材をさらに備えており、第2の補強部材は第2の端部から突出して第1表面側の第1の補強層に接合されていてもよい。
(5)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対するさらに良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(6)(1)〜(5)の超電導線は、第1の超電導線材及び第2の超電導線材の許容引張強度のうちの小さい方の許容引張強度の80%以上の許容引張強度を有していてもよい。
(6)の超電導線によると、良好な引張特性を得ることが可能となる。
(7)(1)〜(6)の超電導線は、第1の超電導線材及び第2の超電導線材の許容曲げ直径のうちの大きい方の許容曲げ直径の4倍以下の許容曲げ直径を有していてもよい。
(7)(1)〜(6)の超電導線は、第1の超電導線材及び第2の超電導線材の許容曲げ直径のうちの大きい方の許容曲げ直径の4倍以下の許容曲げ直径を有していてもよい。
(7)の超電導線によると、良好な曲げ特性を得ることが可能となる。
(8)本発明の一実施態様に係る超電導線は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、第1の超電導線材と第2の超電導線材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1の超電導層の第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、かつ第2の超電導層と、第2の超電導層の第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
(8)本発明の一実施態様に係る超電導線は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、第1の超電導線材と第2の超電導線材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1の超電導層の第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、かつ第2の超電導層と、第2の超電導層の第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有している。
第1の端部に位置する第1表面と第2の端部に位置する第2表面とは、接続部材により接合されている。第1裏面側の第1の補強層は、第1の端部から突出して第2表面側の第2の補強層に接合されている第1の突出部を有している。第2裏面側の第2の補強層は、第2の端部から突出して第1表面側の第1の補強層に接合されている第2の突出部を有している。
(8)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対する良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(9)(8)の超電導線において、第1表面側の第1補強層の全部は第1の端部において除去されており、第2表面側の第2補強層の全部は第2の端部において除去されていてもよい。
(9)の超電導線によると、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(10)本発明の一実施形態に係る超電導線は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、第1表面と第2表面との間に配置される第3の補強部材と、第1の超電導線材と第3の補強部材とを接合し、第2の超電導線材と第3の補強部材とを接合する接続部材とを備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1の超電導層の第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有している。第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2の超電導層と、第2の超電導層の第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有している。
第1の端部に位置する第1表面は、第2の端部以外に位置する第2表面に対向するように配置され、第2の端部に位置する第2表面は、第1の端部以外に位置する第1表面に対向するように配置されている。第3の補強部材は、接続部材よりも電気抵抗値が低く、接続部材よりも強度が高い。
(10)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対するより良好な機械的特性及びを得ることが可能となり、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(11)(10)において、第1表面側の第1補強層の全部は第1の端部において除去されており、第2表面側の第2補強層の全部は第2の端部において除去されていてもよい。
(11)の超電導線によると、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(12)(1)〜(11)の超電導線において、第1の補強層は、第1の超電導層に対して圧縮歪みを生じさせており、第2の補強層は、第2の超電導層に対して圧縮歪みを生じさせていてもよい。
(12)の超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対するより良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(13)(12)の超電導線において、第1の端部に位置する第1の超電導層に対する圧縮歪みは、第1の端部以外に位置する第1の超電導層に対する圧縮歪みよりも小さく、第2の端部に位置する第2の超電導層に対する圧縮歪みは、第2の端部以外に位置する第2の超電導層に対する圧縮歪みよりも小さくてもよい。
(13)の超電導線によると、第1の超電導線材と第2の超電導線材との間の接続抵抗値を低減することが可能となる。
(14)本発明の一実施形態に係る超電導線の製造方法は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材を、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材に接合する工程を備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、第2の超電導層と、第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有している。第1の端部に位置する第1表面は、接続部材により、第2の端部以外に位置する第2表面に接合されている。第2の端部に位置する第2表面は、接続部材により、第1の端部以外に位置する第1表面に接合されている。
(14)の超電導線の製造方法によると、曲げ変形、引張変形等に対するより良好な機械的特性を有する超電導線の接続を行うことが可能となる。
(15)(14)の超電導線の製造方法において、第1の端部に位置する第1表面側の第1の補強層及び第2の端部に位置する第2表面側の第2の補強層は全て除去されてもよい。
(15)の超電導線の製造方法によると、接続抵抗値を低減することが可能となる。
(16)(14)及び(15)の超電導線の製造方法は、第1の端部に位置する第1表面と第2の端部に位置する第2表面との間に導電部材を挿入する工程をさらに備えていてもよい。
(16)(14)及び(15)の超電導線の製造方法は、第1の端部に位置する第1表面と第2の端部に位置する第2表面との間に導電部材を挿入する工程をさらに備えていてもよい。
(16)の超電導線の製造方法によると、接続抵抗値をさらに低減することが可能となる。
(17)本発明の一実施形態に係る超電導線の製造方法は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材を、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材に接合する工程を備えている。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有する。第2の超電導線材は、第2の超電導層と、第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有する。
第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有している。第1の端部に位置する第1表面は、接続部材により、第2の端部に位置する第2表面に接合されている。
第1裏面側の第1の補強層は、第1の端部より突出した第1の突出部を有している。第2裏面側の第2の補強層は、第2の端部より突出した第2の突出部を有している。第1の突出部は、第2表面側の第2の補強層に接合されている。第2の突出部は、第1表面側の第1の補強層に接合されている。
(17)の超電導線の製造方法によると、曲げ変形、引張変形等に対するより良好な機械的特性を有する超電導線の接続を行うことが可能となる。
(18)(17)の超電導線の製造方法において、第1の端部に位置する第1表面側の第1の補強層及び第2の端部に位置する第2表面側の第2の補強層は全て除去されてもよい。
(18)の超電導線の製造方法によると、接続抵抗値を低減することが可能となる。
(19)本発明の一実施形態に係る超電導線の製造方法は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材とを、接続部材により第1表面と第2表面との間に配置された第3の補強部材に接合する工程を備えている。第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有している。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有している。第2の超電導線材は、第2の超電導層と、第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有している。記第1の端部に位置する第1表面は、第2の端部以外に位置する第2表面に対向するように配置されており、第2の端部に位置する第2表面は、第1の端部以外に位置する第1表面に対向するように配置されている。第3の補強部材は、接続部材よりも電気抵抗値が低く、接続部材よりも強度が高い。
(19)本発明の一実施形態に係る超電導線の製造方法は、第1表面と、第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材とを、接続部材により第1表面と第2表面との間に配置された第3の補強部材に接合する工程を備えている。第1の超電導線材は、第1表面側の第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有している。第1の超電導線材は、第1の超電導層と、第1表面側及び第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有している。第2の超電導線材は、第2表面側の第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有している。第2の超電導線材は、第2の超電導層と、第2表面側及び第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有している。記第1の端部に位置する第1表面は、第2の端部以外に位置する第2表面に対向するように配置されており、第2の端部に位置する第2表面は、第1の端部以外に位置する第1表面に対向するように配置されている。第3の補強部材は、接続部材よりも電気抵抗値が低く、接続部材よりも強度が高い。
(19)の超電導線の製造方法によると、曲げ変形、引張変形等に対するより良好な機械的特性を有し、接続抵抗値が低減された超電導線の接続を行うことが可能となる。
(20)(19)の超電導線の製造方法において、第1の端部に位置する第1表面側の第1の補強層及び第2の端部に位置する第2表面側の第2の補強層は全て除去されてもよい。
(20)の超電導線の製造方法によると、接続抵抗値を低減することが可能となる。
[本発明の実施形態の詳細]
次に、実施の形態の詳細について説明する。
[本発明の実施形態の詳細]
次に、実施の形態の詳細について説明する。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態に係る超電導線の構成について、図を参照して説明する。
以下に、第1の実施形態に係る超電導線の構成について、図を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る超電導線の上面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3(図2参照)とを有している。接続部材3には、例えば、錫(Sn)鉛(Pb)共晶合金、錫(Sn)インジウム(In)合金等のはんだが用いられる。第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、シート状の形状を有している。第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とは、接続部材3により接合されている。なお、図1においては、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2のみが図示されているが、第1の実施形態に係る超電導線は、より多数の超電導線材を接合して形成することも可能である。
図2は、第1の実施形態に係る超電導線における第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが接合されている部分での断面図である。図2(A)に示すように、第1の超電導線材1は、第1の超電導層11と、第1の補強層12と、第1の内部接続部材13と、第1の表面接続部材14とを有している。第2の超電導線材2は、第2の超電導層21と、第2の補強層22と、第2の内部接続部材23と、第2の表面接続部材24とを有している。第1の超電導線材1は、第1の端部1aを有している。第2の超電導線材2は、第2の端部2aを有している。第1の端部1aは、第1の超電導線材1の長手方向における端に位置する部分である。第2の端部2aは、第2の超電導線材2の長手方向における端に位置する部分である。
第1の超電導線材1は、第1表面1bと、第1裏面1cとを有している。第1裏面1cは、第1表面1bの反対側の面である。第2の超電導線材2は、第2表面2bと、第2裏面2cとを有している。第2裏面2cは、第2表面2bの反対側の面である。
第1の超電導層11及び第2の超電導層21は、例えば銀(Ag)のシース中にビスマス(Bi)系の高温超電導酸化物を含有する層である。但し、第1の超電導層11及び第2の超電導層21の構成はこれに限られるものではない。
第1の補強層12及び第2の補強層22には、例えばニッケル(Ni)合金が用いられる。但し、第1の補強層12及び第2の補強層22に用いられる材料はこれに限られるものではない。例えば、第1の補強層12及び第2の補強層22として、ステンレス鋼、銅(Cu)合金等を用いることができる。なお、第1の補強層12に用いられる材料は、第2の補強層22に用いられる材料と同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
第1の内部接続部材13及び第2の内部接続部材23には、例えば錫(Sn)銀(Ag)合金等の鉛フリーはんだが用いられる。第1の内部接続部材13及び第2の内部接続部材23は、接続部材3よりも融点が高いことが好ましい。
第1の表面接続部材14及び第2の表面接続部材24には、例えば錫(Sn)銀(Ag)合金等の鉛フリーはんだが用いられる。なお、第1の表面接続部材14及び第2の表面接続部材24は、第1の内部接続部材13及び第2の内部接続部材23と同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。第1の表面接続部材14及び第2の表面接続部材24は、接続部材3よりも融点が高いことが好ましい。
第1の超電導層11の第1表面1b側及び第1裏面1c側には、第1の補強層12が設けられている。第1の端部1aに位置する第1表面1b側では、第1の補強層12が全て除去されている。
なお、図2(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側においては、第1の補強層12の一部が除去されていてもよい。この場合、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1表面1b側は第1の補強層12により覆われているが、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12の厚さは、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12の厚さよりも薄くなっている。このように、第1の端部1aは、第1表面1b側の第1の補強層12の少なくとも一部が除去された部分であればよい。
図2(A)に示すように、第2の超電導層21の第2表面2b側及び第2裏面2c側には、第2の補強層22が設けられている。第2の端部2aに位置する第2表面2b側では、第2の補強層22が全て除去されている。
なお、図2(B)に示すように、第2の端部2aに位置する第2表面2b側においては、第2の補強層22の一部が除去されていてもよい。この場合、第2の端部2aに位置する第2の超電導層21の第2表面2b側は第2の補強層22により覆われているが、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22の厚さは、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22の厚さよりも薄くなっている。このように、第2の端部2aは、第2表面2b側の第2の補強層22の少なくとも一部が除去された部分であればよい。
第1の補強層12は、張力が付加された状態で、第1の超電導層11上に設けられている。これにより、第1の補強層12は、第1の超電導層11に対して、圧縮歪みを生じさせている。第1の端部1aに位置する第1の超電導層11に生じている圧縮歪みは、第1の端部1a以外に位置する第1の超電導層11に生じている圧縮歪みよりも小さくてもよい。第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1表面1b側に生じている圧縮歪みが、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1裏面1c側に生じている圧縮歪みよりも小さい場合は、第1の端部1aの長手方向における幅は狭いほうが好ましい。具体的には、この場合には、第1の端部1aの長手方向における幅は、20mm以下であることが好ましい。
第2の補強層22は、張力が付加された状態で、第2の超電導層21上に設けられている。これにより、第2の補強層22は、第2の超電導層21に対して、圧縮歪みを生じさせている。第2の端部2aに位置する第2の超電導層21に生じている圧縮歪みは、第2の端部2a以外に位置する第2の超電導層21に生じている圧縮歪みよりも小さくてもよい。第2の端部2aに位置する第2の超電導層21の第2表面2b側に生じている圧縮歪みが、第2の端部2aに位置する第2の超電導層21の第2裏面2c側に生じている圧縮歪みよりも小さい場合は、第2の端部2aの長手方向における幅は狭いほうが好ましい。具体的には、この場合には、第2の端部2aの長手方向における幅は、20mm以下であることが好ましい。
なお、圧縮歪みの測定は、X線又は中性子回折法により行われる。また、圧縮歪みの測定は、スプリングボードを用いて測定されてもよい。
第1の内部接続部材13は、第1の超電導層11と、第1の補強層12との間に設けられている。これにより、第1の超電導層11と第1の補強層12とが接合されている。第2の内部接続部材23は、第2の超電導層21と、第2の補強層22との間に設けられている。これにより、第2の超電導層21と第2の補強層22とが接合されている。なお、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12の全てが除去されている場合、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の内部接続部材13は、除去されていてもよい。また、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22の全てが除去されている場合、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の内部接続部材23は、除去されていてもよい。
第1の表面接続部材14は、第1表面1b側及び第1裏面1c側の第1の補強層12上に設けられている。第2の表面接続部材24は、第2表面2b側及び第2裏面2c側の第2の補強層22上に設けられている。
第1の端部1aに位置する第1表面1bは、第2の端部2a以外に位置する第2表面2bに接合されている。具体的には、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の内部接続部材13が第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の表面接続部材24に接合されている。
第2の端部2aに位置する第2表面2bは、第1の端部1a以外に位置する第1表面1bに接合されている。具体的には、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の内部接続部材23が第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の表面接続部材14に接合されている。
なお、図2(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側に第1の補強層12が設けられ、第2の端部2aに位置する第2表面2b側に第2の補強層22が設けられている場合は、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の表面接続部材24に接合され、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22が第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の表面接続部材14に接合されている。
図2(A)に示すように、第1表面1b側の第1の補強層12の端と第2表面2b側の第2の補強層の端との間には、間隔が設けられている。この間隔が設けられている位置では、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の内部接続部材13が第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の内部接続部材23に接合されている。
なお、図2(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側に第1の補強層12が設けられ、第2の端部2aに位置する第2表面2b側に第2の補強層22が設けられている場合は、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22に、接続部材3により接合されている。
第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bの間には、接続部材3中に導電部材31が設けられていてもよい。導電部材31には、接続部材3よりも電気伝導率が高い材料が用いられる。例えば、接続部材3がSn合金等のはんだである場合、導電部材31にはCu、Ag、金(Au)等が用いられる。
図2(C)に示すように、第1表面1b側の第1の補強層12の端と第2表面2b側の第2の補強層の端との間には、間隔が設けられていなくてもよい。すなわち、第1表面1b側の第1の補強層12の端と第2表面2b側の第2の補強層の端とは、互いに接触していてもよい。なお、第1の端部1aに位置する第1表面1b側に第1の補強層12が設けられ、第2の端部2aに位置する第2表面2b側に第2の補強層22が設けられている場合、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12の端は、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22の端に接触していてもよい。
図3は、第1の実施形態に係る超電導線の変形例の断面図である。図3に示すように、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の補強部材4と、第2の補強部材5とを有していてもよい。なお、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の補強部材4及び第2の補強部材5のいずれか一方のみを有していてもよい。
第1の補強部材4は、第1の超電導線材1の第1裏面1cに設けられている。第1の補強部材4は、その端が第1の端部1aから突出し、かつ接続部材3により第2の超電導線材2の第2表面2bに接合されている。第2の補強部材5は、第2の超電導線材2の第2裏面2cに設けられている。第2の補強部材5は、その端が第2の端部2aから突出し、かつ接続部材3により第1の超電導線材1の第1表面1bに接合されている。第1の補強部材4及び第2の補強部材5は、第1の補強層12及び第2の補強層22と異なる材料が用いられていてもよく、同一の材料が用いられていてもよい。
以下に、第1の実施形態に係る超電導線を用いた超電導機器の構造について説明する。図4は、第1の実施形態に係る超電導線を用いた超電導機器6の模式図である。第1の実施形態に係る超電導線を用いた超電導機器6は、例えば冷凍機冷却型の超電導マグネットシステムである。なお、第1の実施形態に係る超電導線を用いた機器はこれに限られない。
第1の実施形態に係る超電導線を用いた超電導機器6は、例えば超電導コイル体61を有している。超電導コイル体61には、第1の実施形態に係る超電導線が用いられている。また、第1の実施形態に係る超電導線を用いた超電導機器6は、その他の構成として、例えば、超電導コイル体61を格納する断熱容器62と、超電導コイル体61を冷却するための冷凍機63と、冷凍機63を駆動するコンプレッサ64と、電源65とを有している。
以下に、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。図5に示すように、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法は、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。
図5は、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。図5に示すように、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法は、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。
図6は、線材加工工程S1が行われた後の第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2の断面図である。図6(A)及び(B)に示すように、線材加工工程S1により、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22は、全部が除去される。図6(C)及び(D)に示すように、線材加工工程S1により、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22は、一部が除去されてもよい。
図7は、線材加工工程S1が行われた後の第1の超電導線材1の第1表面1b側からみた上面図である。図7(A)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12は、第1の補強層12の端が第1の超電導線材1の長手方向と直角をなすように除去されてもよい。なお、図7(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12は、第1の補強層12の端が第1の超電導線材1の長手方向に対して傾くように除去されてもよく、第1の超電導線材1の端は、第1の超電導線材1の長手方向に対して傾くように除去されてもよい。図7(C)に示すように、第1の超電導線材1の端が第1の超電導線材1の長手方向に傾くように除去された場合、その先端部分がさらに除去されてもよい。
図8は、線材加工工程S1が行われた後の第2の超電導線材2の第2表面2b側からみた上面図である。図8(A)に示すように、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22は、第2の補強層22の端が第2の超電導線材2の長手方向と直角をなすように除去されてもよい。なお、図8(B)に示すように、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22は、第2の補強層22の端が第2の超電導線材2の長手方向に対して傾くように除去されてもよく、第2の超電導線材2の端は、第2の超電導線材2の長手方向に対して傾くように除去されてもよい。この場合、第2の補強層22の端及び第2の超電導線材2の端は、第1表面1bと第2表面2bとが対向するように重ね合わせた際に、第1の補強層12の端及び第1の超電導線材1の端と平行になるように除去されることが好ましい。なお、図8(C)に示すように、第2の超電導線材2の端が第2の超電導線材2の長手方向に傾くように除去された場合、その先端部分がさらに除去されてもよい。このような形状を有することにより、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との間で生じる応力集中をより緩和することが可能となる。
図9は、線材加工工程S1における第1の超電導線材1の断面図である。図9(A)に示すように、線材加工工程S1においては、まず、第1の超電導線材1の第1の端部1aに熱H1が加えられる。これによって、第1の端部1aに位置している第1の内部接続部材13が溶融する。なお、第1の端部1aに位置している第1の内部接続部材13が溶融することにより、第1の補強層12が第1の端部1aに位置する第1の超電導層11に対して付与していた圧縮歪みが解放される。
次に、図9(B)に示すように、第1表面1b側の第1の補強層12が引き剥がされる。第1表面1b側の第1の補強層12の引き剥がしは、第1の端部1aに位置する第1の内部接続部材13が溶融した状態で(すなわち熱H1が加えられた状態で)行われる。第1表面1b側の第1の補強層12の引き剥がされた部分は、切断等により除去される。
図9(C)及び(D)に示すように、第1の超電導線材1の第1の端部1a側の端のみに熱H2を加えた後に、第1表面1b側の第1の補強層12を引き剥がしてもよい。この場合、熱H2により、第1の端部1a側の端に位置している第1の内部接続部材13のみが溶融する。すなわち、第1の端部1aに位置している第1の内部接続部材13の大部分が溶融しない。そのため、第1の補強層12が第1の端部1aに位置する第1の超電導層11に対して付与していた圧縮歪みは解放されない。なお、図9(E)に示すように、第1の端部1aのうち、熱H2により溶融した第1の内部接続部材13を含む部分については、切断により除去されてもよい。
なお、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22の一部が除去される場合には、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22に対する研磨が行われる。
第2の超電導線材2に対しても、第1の超電導線材1に対するのと同様の処理が行われることにより、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22の全部又は一部が除去される。
図10は、線材接合工程S2における第1の実施形態に係る超電導線の断面図である。図10(A)に示すように、線材接合工程S2において、まず、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2a以外に位置する第2表面2bとが対向し、かつ第2の端部2aに位置する第2表面2bと第1の端部1a以外に位置する第1表面1bとが対向するように配置される。
図11は、線材接合工程S2における第1の実施形態の変形例に係る超電導線の断面図である。図11(A)に示すように、第1の補強部材4が設けられる場合には、さらに第1の補強部材4が第1裏面1c及び第2表面2b側に配置される。第2の補強部材5が設けられる場合には、さらに第2の補強部材5が第2裏面2c及び第1表面1b側に配置される。
この際、図11(A)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部以外に位置する第2表面2bとの間、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間及び第1の端部以外に位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間には、接続部材3が供給される。第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間においては、接続部材3の間に、導電部材31が挿入されていてもよい。なお、接続部材3は、例えばペースト状、シート状等の形態で供給される。また、接合に先立ち、第1の超電導線材1の第1表面1b、第2の超電導線材2の第2表面2b、接続部材3の表面、導電部材31の表面には、フラックスが塗布されてもよい。
なお、第1の補強部材4、第2の補強部材5が設けられる場合、図11(A)に示すように、第1の補強部材4と第1裏面1c及び第2表面2bとの間及び第2の補強部材5と第1表面1b及び第2裏面2cとの間にも接続部材3が供給される。この場合、接合に先立ち、第1の超電導線材1の第1裏面1c、第2の超電導線材2の第2裏面2c、第1の補強部材4の第2表面2bに対向している側の面、第2の補強部材5の第1表面1bに対向している側の面、接続部材3の表面にも、フラックスが塗布されてもよい。
その後、図10(B)に示すように、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との接合が行われる。より具体的には、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2が重なり合っている部分に、圧力Pが加えられる。圧力Pは、後述する熱H3の印加開始から冷却終了に至るまで、一定に保持されることが好ましい。その後、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とに熱H3が加えられる。熱H3により第1の内部接続部材13、第1の表面接続部材14、第2の内部接続部材23、第2の表面接続部材24は溶融しない一方、接続部材3は溶融する。熱H3を加える加熱時間は、10秒以上であることが好ましい。加熱時間の終了後、例えば冷却ファン等を用いて冷却が行われる。冷却は、安全上、50℃以下となるまで行われることが好ましい。これにより、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との接合が行われる。
第1の補強部材4、第2の補強部材5が設けられる場合、図11(B)に示すように、第1の補強部材4と第2表面2b側の第2の補強層22とが重なり合っている部分及び第2の補強部材5と第1表面1b側の第1の補強層12とが重なり合っている部分に、圧力Pが加えられる。圧力Pは、後述する熱H3の印加開始から冷却終了に至るまで、一定に保持されることが好ましい。その後、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とに熱H3が加えられる。熱H3により第1の内部接続部材13、第1の表面接続部材14、第2の内部接続部材23、第2の表面接続部材24は溶融しない一方、接続部材3は溶融する。熱H3を加える加熱時間は、10秒以上であることが好ましい。加熱時間の終了後、例えば冷却ファン等を用いて冷却が行われる。冷却は、安全上、50℃以下となるまで行われることが好ましい。これにより、接続部材3が溶融し、第1の補強部材4と第2表面2b側の第2の補強層22とが接合され、第2の補強部材5と第1表面1b側の第1の補強層12とが接合される。
以下に、第1の実施形態に係る超電導線の効果を、比較例と対比することにより説明する。
まず、比較例に係る超電導線の構造について説明する。図12は、第1の比較例に係る超電導線の断面図である。図12に示すように、第1の比較例に係る超電導線は、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3とを有している。第1の比較例に係る超電導線の第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2の構造は、第1の実施形態に係る超電導線と同様である。
しかしながら、第1の比較例に係る超電導線においては、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1表面1b側が第2の端部2aに位置する第2の超電導層21の第2表面2b側と対向するように、接続部材3により接合されている。第1の比較例に係る超電導線においては、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1表面1b側が第2の端部2aに位置する第2の超電導層21の第2表面2b側とが接合されている部分の端が、応力集中箇所となる。また、第1の比較例に係る超電導線においては、第1の補強層12と第2の補強層22とが長手方向において途中で接合されていない箇所がある(一旦補強層が途切れている)。
次に、第1の実施形態に係る超電導線及び第1の比較例に係る超電導線に対する曲げ試験結果及び引張試験結果について説明する。この曲げ試験及び引張試験に用いられた第1の実施形態に係る超電導線及び第1の比較例に係る超電導線の第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、幅が4.5mm、厚さが0.31mm、第1の内部接続部材13及び第2の内部接続部材23がPbフリーはんだ、接続部材3がPbSn共晶はんだ、第1の補強層12及び第2の補強層22がNi合金、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2の重なり合っている長さ(ラップ長)が20mmである。
曲げ試験及び引張試験に先立ち、第1の実施形態に係る超電導線及び第1の比較例に係る超電導線の臨界電流測定が行われる。図13は、臨界電流測定の模式図である。この臨界電流測定は、図13に示すように、液体窒素中で第1の超電導線材1と第2の超電導線材2が接合されている部分を中心として電圧端子間距離220mmで4端子法により電流電圧曲線を取得するとともに、取得された曲線からオームの法則で見られる抵抗成分を除くように計算させた曲線において、1μV/cmの電界基準での電流値を読み取ることにより行われる。
曲げ試験は、第1の実施形態に係る超電導線及び第1の比較例に係る超電導線に対する両曲げを行った後の状態で臨界電流測定を行い、両曲げを行った後の状態における臨界電流が、曲げ試験に先立って測定された臨界電流の95%を下回った際の曲げ半径(許容曲げ直径)を測定することにより行った。なお、両曲げは、室温において、第1の超電導線材1を所定の径を有する治具に沿うように曲げた後、第2の超電導線材2もその治具に沿うように曲げることにより行った。両曲げを行った後に臨界電流測定を行った結果、曲げ試験に先立って測定された臨界電流の95%を上回った場合には、再度より径の小さい治具を用いて両曲げ及び臨界電流測定を繰り返した。
第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独で上記の曲げ試験をおこなったところ、許容曲げ直径は40mmであった。第1の比較例に係る超電導線に対して上記の曲げ試験を行ったところ、第1の比較例に係る超電導線の許容曲げ直径は180mm(第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独の場合の4.5倍)であった。他方、第1の実施形態に係る超電導線に対して上記の曲げ試験を行ったところ、第1の実施形態に係る超電導線の許容曲げ直径は80mm(第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独の場合の2倍)であった。すなわち、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の比較例に係る超電導線に対し、2.25倍優れた曲げ特性を示した。なお、第1の実施形態に係る超電導線において導電部材31を設けた場合の許容曲げ直径は、90mmであった。
引張試験は、液体窒素中で行われる。第1の実施形態に係る超電導線及び第1の比較例に係る超電導線に所定の引張張力を加えた状態で臨界電流測定を行い、引張張力を加えた状態における臨界電流が引張試験に先立って測定された臨界電流の95%を下回った際の引張張力を測定することにより行った。許容引張強度は、引張張力÷線材幅÷線材厚みにより算出される(第1の補強層12と第2の補強層22とが同一の材料である場合、線材幅、線材厚みには、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2の線材幅、線材厚さの平均値が用いられる。第1の補強層12と第2の補強層とが異なる材料である場合、線材幅、線材厚みには、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2のうち、引張強度の低い超電導線材の線材幅、線材厚みが用いられる。)。なお、引張張力を加えた状態で臨界電流測定を行った結果、引張試験に先立って測定された臨界電流の95%を上回った場合は、再度より高い引張張力を加えて臨界電流測定を繰り返した。
第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独で上記の引張試験をおこなったところ、許容引張応力は424MPaであった。第1の比較例に係る超電導線に対して上記の引張試験を行ったところ、第1の比較例に係る超電導線の許容引張強度は165MPa(第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独の場合の39%)であった。他方、第1の実施形態に係る超電導線に対して上記の引張試験を行ったところ、第1の実施形態に係る超電導線の許容引張強度は389MPa(第1の超電導線材1、第2の超電導線材2単独の場合の91%)であった。すなわち、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の比較例に係る超電導線に対し、2.33倍優れた引張特性を示した。なお、第1の実施形態に係る超電導線において導電部材31を設けた場合の許容引張強度は、389MPaであった。
上記のとおり、第1の比較例に係る超電導線は、応力集中箇所を有しているとともに、補強層が長手方向において途中で途切れている。一方、第1の実施形第1の態に係る超電導線は、顕著な応力集中箇所を有しておらず、長手方向において第1の補強層12及び第2の補強層22が途切れることなく接合されている。そのため、上記の曲げ試験結果に示されるように、第1の実施形態に係る超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対する良好な機械的特性を得ることが可能となる。
なお、第1の実施形態に係る超電導線は、第1の端部1aに位置する第1表面1b側に第1の補強層12が設けられておらず(または、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12よりも薄くなっており)、第2の端部2aに位置する第2表面2b側に第2の補強層22が設けられていない(または、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22よりも薄くなっている)ため、第1の補強層12と第2の補強層22とが第1の超電導層11と第2の超電導層21との間に位置することに伴う接続抵抗の増加は抑制されている。この点を以下において説明する。
まず、第2の比較例に係る超電導線の構造について説明する。
図14は、第2の比較例に係る超電導線の断面図である。図14に示すように、第2の比較例に係る超電導線は、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3とを有している。第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとが対向するように、接続部材3により接合されている。
図14は、第2の比較例に係る超電導線の断面図である。図14に示すように、第2の比較例に係る超電導線は、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3とを有している。第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとが対向するように、接続部材3により接合されている。
第2の比較例に係る超電導線における第1の超電導線材1は、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12と、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12が同一の厚さを有している点において、第1の実施形態に係る超電導線と異なっている。また、第2の比較例に係る超電導線における第2の超電導線材2は、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22と、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22が同一の厚さを有している点において、第1の実施形態に係る超電導線と異なっている。
次に、第1の実施形態に係る超電導線及び第2の比較例に係る超電導線に対する接続抵抗測定試験について説明する。第1の実施形態に係る超電導線及び第2の比較例に係る超電導線の第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、幅が4.5mm、厚さが0.31mm、第1の内部接続部材13及び第2の内部接続部材23がPbフリーはんだ、接続部材3がPbSn共晶はんだ、第1の補強層12及び第2の補強層22がNi合金、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2の重なり合っている長さ(ラップ長)が20mmである。
なお、この接続抵抗測定試験は、液体窒素中で第1の超電導線材1と第2の超電導線材2が接合されている部分を中心として電圧端子間距離220mmで4端子法により電流電圧曲線を取得するとともに、取得された曲線からオームの法則で見られる抵抗成分の傾きを算出することにより行われた。
第2の比較例に係る超電導線に対して、上記の接続抵抗測定試験を行ったところ、第2の比較例に係る超電導線の接続抵抗は696nΩであった。他方、第1の実施形態に係る超電導線に対して上記の接続抵抗測定試験を行ったところ、第1の実施形態に係る超電導線の接続抵抗は109nΩであった。第1の実施形態に係る超電導線は、第1の比較例に係る超電導線に対し、6.39倍優れた接続抵抗を示した。なお、第1の実施形態に係る超電導線において導電部材31を設けた場合、接続抵抗は73nΩであった。
なお、参考として、第2の比較例に係る超電導線に対して、上記の曲げ試験及び引張試験を行ったところ、許容曲げ直径は150mm、許容引張強度は424MPaであった。
上記のとおり、第1の実施形態に係る超電導線においては、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が設けられておらず(または、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12よりも薄くなっており)、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22が設けられていない(または、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22よりも薄くなっている)。他方、第2の比較例に係る超電導線においては、第1の端部1a及び第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の補強層12が均等な厚さを有しており、第2の端部2a及び第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の補強層22が均等な厚さを有している。
すなわち、第1の実施形態に係る超電導線おいては、第2の比較例に係る超電導線と比較して、第1の超電導層11と第2の超電導層21との間に配置されている相対的に電気抵抗値の高い第1の補強層12及び第2の補強層22の厚さが薄くなっている。そのため、第1の実施形態に係る超電導線においては、接続抵抗の増加は抑制されている。
第1の実施形態に係る超電導線において、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が全て除去されており、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22が全て除去されている場合、第1の超電導層11と第2の超電導層21との間に配置されている相対的に電気抵抗値の高い第1の補強層12及び第2の補強層22の厚さがより薄くなっている。そのため、この場合には、接続抵抗値をさらに低減することが可能となる。
第1の実施形態に係る超電導線において、接続部材3中に、導電部材31を設けた場合、導電部材31の電気抵抗値が接続部材3よりも低いため、第1の超電導層11と第2の第2の超電導層21との接続抵抗をさらに低減することが可能となる。
第1の実施形態に係る超電導線が第1の補強部材4、第2の補強部材5を有している場合、第1の補強部材4、第2の補強部材5が接続部材3による第1の超電導線材1と第2の超電導線材2の接合を補強する。そのため、この場合には、曲げ変形、引張変形等に対するさらに良好な機械的特性を得ることが可能となる。
第1の実施形態に係る超電導線において、第1の超電導層11に対して第1の補強層12による圧縮歪みが生じており、第2の超電導層21に対して第2の補強層22による圧縮歪みが生じている場合には、曲げ変形、引張変形等が加わった際に第1の超電導層11及び第2の超電導層21に生じる引張応力が緩和される。そのため、この場合には、曲げ変形、引張変形等に対するさらに良好な機械的特性を得ることが可能となる。
第1の実施形態に係る超電導線において、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11に対する圧縮歪みが、第1の端部1a以外に位置する第1の超電導層に対する圧縮歪みよりも小さく、第2の端部2aに位置する第2の超電導層21に対する圧縮歪みが、第2の端部2a以外に位置する第2の超電導層21に対する圧縮歪みよりも小さい場合には、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22を除去する際の第1の端部1a及び第2の端部2aの反りが小さい。そのため、この場合には、第1の端部1a及び第2の端部2aの幅を広くすることができ、その結果、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との接続抵抗をさらに低下させることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係る超電導線について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
以下に、第2の実施形態に係る超電導線について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
以下に、第2の実施形態に係る超電導線の構造について説明する。図15は、第2の実施形態に係る超電導線の上面図である。図15に示すように、第2の実施形態に係る超電導線は、第1の実施形態に係る超電導線と同様、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3(図16参照)とを有している。
図16は、第2の実施形態に係る超電導線における第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが接合されている部分での断面図である。図16(A)及び図16(B)に示すとおり、第1の超電導線材1の第1裏面1c側の第1の補強層12の形状及び第2の超電導線材2の第2裏面2c側の第2の補強層22の形状が、第1の実施形態に係る超電導線と異なっている。
具体的には、第1裏面1c側の第1の補強層12は、第1の端部1aから突出している第1の突出部12aを有している。第1の突出部12aは、接続部材3により第2表面2b側の第2の補強層22に接合されている。第2裏面2c側の第2の補強層22は、第2の端部2aから突出している第2の突出部22aを有している。第2の突出部22aは、接続部材3により第1表面1b側の第1の補強層12に接合されている。
第1の端部1aに位置する第1表面1bは、第2の端部2aに位置する第2表面2bと対向するように配置され、接続部材3により、第2の端部2aに位置する第2表面2bと接合されている。この点においても、第2の実施形態に係る超電導線は、第1の実施形態に係る超電導線と異なっている。
具体的には、図16(A)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b上の第1の内部接続部材13が、第2の端部2aに位置する第2表面2b上の第2の内部接続部材23に接合されている。なお、図15(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1の超電導層11の第1表面1b側に第1の補強層12が設けられ、第2の端部2aに位置する第2の超電導層の第2表面2b側に第2の補強層22が設けられている場合には、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が、接続部材3により、第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22に接合されている。
以下に、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法について説明する。
図17は、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。第1の実施形態に係る超電導線の製造方法と同様に、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法は、図17に示すように、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。
図17は、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。第1の実施形態に係る超電導線の製造方法と同様に、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法は、図17に示すように、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。
しかしながら、第2の実施形態に係る超電導線の製造方法の線材接合工程S2は、第1の実施形態に係る超電導線の製造方法の線材接合工程S2と異なっている。
図18は、線材接合工程S2における第2の実施形態に係る超電導線の断面図である。図18(A)に示すように、線材接合工程S2においては、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとが対向して配置される。その結果、第1の突出部12aが第2表面2bに対向し、第2の突出部22aが第1表面1bに対向するように配置される。
この際に、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間、第1の突出部12aと第2表面2bとの間及び第2の突出部22aと第1表面1bとの間に、接続部材3が供給される。なお、接合に先立ち、第1の超電導線材1の第1表面1b、第2の超電導線材2の第2表面2b、第1の突出部12aの第2表面2bと対向する側の面、第2の突出部22aの第1表面1bと対向する側の面、接続部材3の表面には、フラックスが塗布されてもよい。
その後、図18(B)に示すように、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との接合が行われる。より具体的には、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2が重なり合っている部分に、熱H3及び圧力Pが加えられる。これにより、接続部材3が溶融し、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2との接合が行われる。
以下に、第2の実施形態に係る超電導線の効果について説明する。
第2の実施形態に係る超電導線においては、上記のとおり、第1の端部1aに位置する第1表面1bは、第2の端部2aに位置する第2表面2bと対向するように配置され、接続部材3により、第2の端部2aに位置する第2表面2bと接合されている。そのため、第2の実施形態に係る超電導線は、第1の比較例に係る超電導線と同様に、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの接合部の端において、応力集中箇所を有している。
第2の実施形態に係る超電導線においては、上記のとおり、第1の端部1aに位置する第1表面1bは、第2の端部2aに位置する第2表面2bと対向するように配置され、接続部材3により、第2の端部2aに位置する第2表面2bと接合されている。そのため、第2の実施形態に係る超電導線は、第1の比較例に係る超電導線と同様に、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの接合部の端において、応力集中箇所を有している。
しかしながら、第2の実施形態に係る超電導線においては、第1裏面1c側の第1の補強層12が、第1の端部1aから突出し、第2表面2b側の第2の補強層22に接合されている。また、第2の実施形態に係る超電導線においては、第2裏面2c側の第2の補強層22が、第2の端部2aから突出し、第1表面1b側の第1の補強層12に接合されている。
そのため、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの接合部が、第1裏面1c側の第1の補強層12、第2裏面2c側の第2の補強層22により補強されている。その結果、第2の実施形態に係る超電導線によると、曲げ変形、引張変形等に対する良好な機械的特性を得ることが可能となる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る超電導線について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
以下に、第3の実施形態に係る超電導線について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
以下に、第3の実施形態に係る超電導線の構造について説明する。図19は、第3の実施形態に係る超電導線の上面図である。図19に示すように、第3の実施形態に係る超電導線は、第1の実施形態に係る超電導線と同様、第1の超電導線材1と、第2の超電導線材2と、接続部材3(図20参照)とを有している。
図20は、第3の実施形態に係る超電導線における第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが接合されている部分での断面図である。図20(A)及び図20(B)に示すように、第3の実施形態に係る超電導線は、第3の補強部材7を有している点において、第1の実施形態に係る超電導線と異なっている。
図20(A)及び図20(B)に示すように、第3の実施形態に係る超電導線においては、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とは、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2a以外に位置する第2表面2bとが対向し、かつ第2の端部2aに位置する第2表面2bと第1の端部1a以外の第1表面1bとが対向するように配置されている。
具体的には、図20(A)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12及び第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22が全て除去されている場合、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の内部接続部材13が、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の表面接続部材24と対向し、かつ第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の内部接続部材23が、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の表面接続部材14と対向している。
また、図20(B)に示すように、第1の端部1aに位置する第1表面1b側に第1の補強層12が設けられ、第2の端部2aに位置する第2表面2b側に第2の補強層22が設けられている場合、第1の端部1aに位置する第1表面1b側の第1の補強層12が、第2の端部2a以外に位置する第2表面2b側の第2の表面接続部材24と対向し、かつ第2の端部2aに位置する第2表面2b側の第2の補強層22が、第1の端部1a以外に位置する第1表面1b側の第1の表面接続部材14と対向している。
第3の補強部材7は、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが重なり合っている部分の少なくとも一部において、第1表面1bと第2表面2bとの間に設けられている。第3の補強部材7は、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが重なり合っている部分の全長にわたって、第1表面1bと第2表面2bとの間に設けられていることが好ましい。
より具体的には、第3の補強部材7は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2a以外に位置する第2表面2bとの間、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間、及び第1の端部1a以外に位置する第1表面1bと第2の端部2aに位置する第2表面2bとの間に設けられている。
図21は、第3の実施形態の変形例に係る超電導線における第1の超電導部材と第2の超電導部材とが接合されている部分での断面図である。図21(A)及び図21(B)に示すように、第3の補強部材7は、複数の部材により構成されていてもよい。
第3の補強部材7は、第1の超電導線材1の第1表面1b及び第2の超電導線材2の第2表面2bに、接続部材3を用いて接合されている。
第3の補強部材7は、接続部材3よりも電気抵抗値が低いことが好ましい。第3の補強部材7は、接続部材3よりも強度が高いことが好ましい。第3の補強部材に用いられる材料は、例えばCu合金である。
以下に、第3の実施形態に係る超電導線の製造方法について説明する。
図22は、第3の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。図22に示すように、第3の実施形態に係る超電導線の製造方法は、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。第3の実施形態に係る超電導線の製造方法における線材加工工程S1は、第1の実施形態と同様である。
図22は、第3の実施形態に係る超電導線の製造方法の工程図である。図22に示すように、第3の実施形態に係る超電導線の製造方法は、線材加工工程S1と、線材接合工程S2とを有している。第3の実施形態に係る超電導線の製造方法における線材加工工程S1は、第1の実施形態と同様である。
図23は、線材接合工程S2における第3の実施形態に係る超電導線の断面図である。図23(A)に示すように、線材接合工程S2においては、第1の超電導線材1及び第2の超電導線材2は、第1の端部1aに位置する第1表面1bと第2の端部2a以外に位置する第2表面2bとが対向し、かつ第2の端部2aに位置する第2表面2bと第1の端部1a以外に位置する第1表面1bとが対向するように配置される。
この際、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが重なり合っている部分の少なくとも一部において、第1表面1bと第2表面2bとの間に、第3の補強部材7が挿入される。また、第3の補強部材7と第1表面1bとの間及び第3の補強部材7と第2表面2bとの間には、接続部材3が供給される。なお、接合に先立ち、第1の超電導線材1の第1表面1b、第2の超電導線材2の第2表面2b、第3の補強部材7の表面、接続部材3の表面には、フラックスが塗布されてもよい。
その後、図23(B)に示すように、第1の超電導線材1と第3の補強部材7との接合及び第2の超電導線材2と第3の補強部材7との接合が行われる。より具体的には、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2が重なり合っている部分に、熱H3及び圧力Pが加えられる。これにより、接続部材3が溶融し、第1の超電導線材1と第3の補強部材7との接合及び第2の超電導線材2と第3の補強部材7との接合が行われる。
以下に、第3の実施形態に係る超電導線の効果について説明する。
上記のとおり、第3の実施形態に係る超電導線は、第3の補強部材7を有しており、第3の補強部材7は接続部材3よりも強度が高く、電気抵抗値が低い。そのため、第3の実施形態に係る超電導線は、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが接続部材3により直接接合される場合と比較し、より低い接続抵抗及びより高い曲げ変形、引張変形等に対する機械的強度を得ることが可能となる。
上記のとおり、第3の実施形態に係る超電導線は、第3の補強部材7を有しており、第3の補強部材7は接続部材3よりも強度が高く、電気抵抗値が低い。そのため、第3の実施形態に係る超電導線は、第1の超電導線材1と第2の超電導線材2とが接続部材3により直接接合される場合と比較し、より低い接続抵抗及びより高い曲げ変形、引張変形等に対する機械的強度を得ることが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1の超電導線材
1a 第1の端部
1b 第1表面
1c 第1裏面
11 第1の超電導層
12 第1の補強層
12a 第1の突出部
13 第1の内部接続部材
14 第1の表面接続部材
2 第2の超電導線材
2a 第2の端部
2b 第2表面
2c 第2裏面
21 第2の超電導層
22 第2の補強層
22a 第2の突出部
23 第2の内部接続部材
24 第2の表面接続部材
3 接続部材
31 導電部材
4 第1の補強部材
5 第2の補強部材
6 超電導機器
61 超電導コイル体
62 断熱容器
63 冷凍機
64 コンプレッサ
65 電源
7 第3の補強部材
H1,H2,H3 熱
P 圧力
S1 線材加工工程
S2 線材接合工程。
1a 第1の端部
1b 第1表面
1c 第1裏面
11 第1の超電導層
12 第1の補強層
12a 第1の突出部
13 第1の内部接続部材
14 第1の表面接続部材
2 第2の超電導線材
2a 第2の端部
2b 第2表面
2c 第2裏面
21 第2の超電導層
22 第2の補強層
22a 第2の突出部
23 第2の内部接続部材
24 第2の表面接続部材
3 接続部材
31 導電部材
4 第1の補強部材
5 第2の補強部材
6 超電導機器
61 超電導コイル体
62 断熱容器
63 冷凍機
64 コンプレッサ
65 電源
7 第3の補強部材
H1,H2,H3 熱
P 圧力
S1 線材加工工程
S2 線材接合工程。
Claims (20)
- 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、
第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、
前記第1の超電導線材を前記第2の超電導線材に接合する接続部材とを備え、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1の超電導層の前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有しており、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有しており、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2の超電導層の前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有しており、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有しており、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記接続部材により、前記第2の端部以外に位置する前記第2表面に接合され、前記第2の端部に位置する前記第2表面は、前記接続部材により、前記第1の端部以外に位置する前記第1表面に接合されている、超電導線。 - 前記第1の端部において前記第1表面側の前記第1の補強層は全て除去されており、前記第2の端部において前記第2表面側の前記第2の補強層は全て除去されている、請求項1に記載の超電導線。
- 前記接続部材よりも低い電気抵抗値を有し、前記第1の端部に位置する前記第1表面と前記第2の端部に位置する前記第2表面との間に配置されている導電部材を備えている、請求項1又は2に記載の超電導線。
- 前記第1裏面側の前記第1の補強層上に設けられ、前記第1の端部から突出して前記第2表面側の前記第2の補強層に接合されている第1の補強部材をさらに備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導線。
- 前記第2裏面側の前記第2の補強層上に設けられ、前記第2の端部から突出して前記第1表面側の前記第1の補強層に接合されている第2の補強部材をさらに備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導線。
- 前記第1の超電導線材及び前記第2の超電導線材の許容引張強度のうちの小さい方の許容引張強度の80%以上の許容引張強度を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導線。
- 前記第1の超電導線材及び前記第2の超電導線材の許容曲げ直径のうちの大きい方の許容曲げ直径の4倍以下の許容曲げ直径を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の超電導線。
- 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、
第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、
前記第1の超電導線材を前記第2の超電導線材に接合する接続部材とを備え、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1の超電導層の前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有しており、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有しており、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2の超電導層の前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有しており、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有しており、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記接続部材により、前記第2の端部以外に位置する前記第2表面に接合され、前記第2の端部に位置する前記第2表面は、前記接続部材により、前記第1の端部以外に位置する前記第1表面に接合されており、
前記第1裏面側の前記第1の補強層は、前記第1の端部から突出し、前記第2表面側の前記第2の補強層に接合されている第1の突出部を含み、前記第2裏面側の前記第2の補強層は、前記第2の端部から突出し、前記第1表面側の前記第1の補強層に接合されている第2の突出部を含む、超電導線。 - 前記第1の端部において前記第1表面側の前記第1の補強層は全て除去されており、前記第2の端部において前記第2表面側の前記第2の補強層は全て除去されている、請求項8に記載の超電導線。
- 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、
第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材と、
前記第1表面と前記第2表面との間に配置される第3の補強部材と、
前記第1の超電導線材と前記第3の補強部材とを接合し、前記第2の超電導線材と前記第3の補強部材とを接合する接続部材とを備え、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1の超電導層の前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有しており、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去されている第1の端部を有しており、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2の超電導層の前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有しており、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去されている第2の端部を有しており、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記第2の端部以外に位置する前記第2表面に対向するように配置され、
前記第2の端部に位置する前記第2表面は、前記第1の端部以外に位置する前記第1表面に対向するように配置され、
前記第3の補強部材は、前記接続部材よりも電気抵抗値が低く、前記接続部材よりも強度が高い、超電導線。 - 前記第1の端部において前記第1表面側の前記第1の補強層は全て除去されており、前記第2の端部において前記第2表面側の前記第2の補強層は全て除去されている、請求項10に記載の超電導線。
- 前記第1の補強層は前記第1の超電導層に対して圧縮歪みを生じさせており、前記第2の補強層は前記第2の超電導層に対して圧縮歪みを生じさせている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の超電導線。
- 前記第1の端部に位置する前記第1の超電導層に対する前記圧縮歪みは、前記第1の端部以外に位置する前記第1の超電導層に対する前記圧縮歪みよりも小さく、
前記第2の端部に位置する前記第2の超電導層に対する前記圧縮歪みは、前記第2の端部以外に位置する前記第2の超電導層に対する圧縮歪みよりも小さい、請求項12に記載の超電導線。 - 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材を、第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材に接合する工程を備え、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有し、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有し、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有し、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有し、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記接続部材により、前記第2の端部以外に位置する前記第2表面に接合されており、前記第2の端部に位置する前記第2表面は、前記接続部材により、前記第1の端部以外に位置する前記第1表面に接合されている、超電導線の製造方法。 - 前記第1の端部に位置する前記第1表面側の前記第1の補強層及び前記第2の端部に位置する前記第2表面側の前記第2の補強層は、全て除去される、請求項14に記載の超電導線の製造方法。
- 前記第1の端部に位置する前記第1表面と前記第2の端部に位置する前記第2表面との間に、前記接続部材よりも低い電気抵抗値を有する導電部材を挿入する工程を備える、請求項14又は15に記載の超電導線の製造方法。
- 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材を、第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材に接合する工程を備え、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有し、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有し、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有し、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有し、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記第2の端部に位置する前記第2表面に接合されており、
前記第1裏面側の前記第1の補強層は、前記第1の端部から突出している第1の突出部を有し、
前記第2裏面側の前記第2の補強層は、前記第2の端部から突出している第2の突出部を有し、
前記第1の突出部は前記第2表面に接合し、前記第2の突出部は前記第1表面に接合している、超電導線の製造方法。 - 前記第1の端部に位置する前記第1表面側の前記第1の補強層及び前記第2の端部に位置する前記第2表面側の前記第2の補強層は、全て除去される、請求項17に記載の超電導線の製造方法。
- 第1表面と、前記第1表面の反対側の面である第1裏面とを有する第1の超電導線材と、第2表面と、前記第2表面の反対側の面である第2裏面とを有する第2の超電導線材とを、接続部材により前記第1表面と前記第2表面との間に配置された第3の補強部材に接合する工程を備え、
前記第1の超電導線材は、前記第1表面側の前記第1の補強層の少なくとも一部が除去された第1の端部を有し、
前記第1の超電導線材は、第1の超電導層と、前記第1表面側及び前記第1裏面側に設けられた第1の補強層とを有し、
前記第2の超電導線材は、前記第2表面側の前記第2の補強層の少なくとも一部が除去された第2の端部を有し、
前記第2の超電導線材は、第2の超電導層と、前記第2表面側及び前記第2裏面側に設けられた第2の補強層とを有し、
前記第1の端部に位置する前記第1表面は、前記第2の端部以外に位置する前記第2表面に対向するように配置されており、前記第2の端部に位置する前記第2表面は、前記第1の端部以外に位置する前記第1表面に対向するように配置されており、
前記第3の補強部材は、前記接続部材よりも電気抵抗値が低く、前記接続部材よりも強度が高い、超電導線の製造方法。 - 前記第1の端部に位置する前記第1表面側の前記第1の補強層及び前記第2の端部に位置する前記第2表面側の前記第2の補強層は、全て除去される、請求項19に記載の超電導線の製造方法。
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