JP2016105061A - 渦電流探傷プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】周方向に沿って形状が変化するコーナ部の欠陥の検出精度の向上を図ることができる渦電流探傷プローブを提供すること。【解決手段】周方向に沿って形状が変化するコーナ部に対向し、コーナ部の角R部に当接させた状態で、該コーナ部を周方向に沿って走査される走査面42を有するプローブ本体41と、渦電流を発生させるクロスコイル49を保持し、プローブ本体41の走査面42からそれぞれ進退自在に設けられる複数のセンサ45A,45Bと、センサ45A,45Bをコーナ部に向けて付勢する圧縮ばねとを備えた。【選択図】図7−1

Description

本発明は、渦電流探傷法に用いられる渦電流探傷プローブに関する。
一般に、金属の非破壊検査方法として、渦電流探傷法(ECT; Eddy Current Testing)が知られている。これは、励磁電流を供給したECTコイルが発生する磁束により、被測定部材に渦電流を発生させ、さらにこの渦電流により発生する磁束を表す検出信号をECTコイルの出力信号として得て、この時の検出信号が被検体の欠陥(傷)の位置、形状、深さ等を反映したものとなることから、検出信号に基づき被検体の欠陥の検出(探傷)を行うものである。
従来、被検体の探傷を行う渦電流探傷プローブとして、所定の向きの磁場を生じさせる永久磁石と、永久磁石から生じた磁場中に配置されるクロスコイルとを備えたプローブが提案されている(特許文献1参照)。この渦電流探傷プローブでは、透磁率に起因するノイズを低減できるため、検出精度の向上を実現できる。
特開2013−72667号公報
ところで、近年、円筒容器(例えば原子炉容器)の胴部に取り付けられ、流体(例えば一次冷却水)を流通させる配管が接続されるノズル(管台)に関し、円筒容器の内側に位置するノズルの開口部の周囲に形成されるコーナ部の欠陥の検出が要望されている。この種のノズルのコーナ部は、周方向に沿って形状が変化する複雑な3次元形状とされているため、従来の渦電流探傷プローブでは、渦電流探傷プローブのコイルとコーナ部の表面との間の間隔(リフトオフ)が変動する。このため、この間隔に起因するリフトオフノイズが発生し、コーナ部における欠陥の検出精度が低下する問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周方向に沿って形状が変化するコーナ部の欠陥の検出精度の向上を図ることができる渦電流探傷プローブを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円筒容器の胴部に取り付けられた管台の内側開口部の周囲に形成され、周方向に沿って形状が変化するコーナ部の欠陥を渦電流の変化から検出する渦電流探傷プローブであって、コーナ部に対向し、コーナ部の角R部に当接させた状態で、該コーナ部を周方向に沿って走査される走査面を有する本体部と、渦電流を発生させるコイルを保持し、本体部の走査面からそれぞれ進退自在に設けられる複数のセンサと、これらセンサをコーナ部に向けて付勢する付勢部材とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、コーナ部を周方向に沿って走査する際に、本体部の走査面から進出した複数のセンサがコーナ部の表面に向けて付勢されるため、センサのコイルとコーナ部の表面との間隔を一定に保つことができ、コーナ部の欠陥の検出精度の向上を図ることができる。
この構成において、走査面は、コーナ部の角R部に相当する曲率半径で形成された角R面部と、角R面部の両側に形成される一対の壁面部とを備え、複数のセンサを角R面部と少なくとも一方の壁面部とに設けても良い。この構成によれば、本体部の走査方向への大型化を抑制することができ、コーナ部に対する本体部の倣い性、並びに、コーナ部の欠陥の検出精度の向上を図ることができる。この構成では、一回の走査でコーナ部の半面のみ欠陥の検出がなされるため、コーナ部に対して、本体部を反転させて残りの半面についても欠陥の検査を行えばよい。
また、複数のセンサは、各センサの検出領域の一部を走査方向に直交する幅方向にオーバーラップさせつつ、走査方向に並べて配置されてもよい。この構成によれば、本体部に配置されるセンサの数を低減することができ、渦電流探傷プローブの装置構成を簡素化できる。
また、センサは、走査方向に直交する幅方向に複数並べて配置されてもよい。また、センサのうち、角R面部から最も離れた位置のセンサは、コーナ部の角R部を挟んだ一対の壁部がなす最大角度と最小角度の中間角度に直交してコイルが配置されてもよい。この構成によれば、コーナ部の形状がどのように変化しても、欠陥の検出精度の大きな低下を抑えることができる。
また、走査面は、他方の壁面部に、該壁面部と対向するコーナ部に向けて突出して、センサの傾斜を防止する傾斜防止部材を備えてもよい。この構成によれば、周方向に形状が変化するコーナ部を検査する場合であっても、コーナ部の表面にセンサが適正にあたるため、欠陥の検出精度を向上できる。
また、センサは、コイルの両側に一対の磁石を備え、コイルを挟んで、一の磁石の正極と他の磁石の負極とを対向して配置してもよい。この構成によれば、永久磁石の磁束密度を高めることで磁気ノイズを低減することができ、欠陥の検出精度を一層高めることができる。
本発明によれば、コーナ部を周方向に沿って走査する際に、本体部の走査面から進出した複数のセンサがコーナ部の表面に向けて付勢されるため、センサのコイルとコーナ部の表面との間隔を一定に保つことができ、コーナ部の欠陥の検出精度の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態に係る渦電流探傷プローブを用いて、欠陥の検出が行われる原子炉容器の概略断面図である。 図2は、原子炉容器に設けられた管台を示す部分斜視図である。 図3−1は、図2のA−A断面図である。 図3−2は、図3−1のA部拡大図である。 図4−1は、図2のB−B断面図である。 図4−2は、図4−1のA部拡大図である。 図5は、第1実施形態に係る渦電流探傷プローブの側面図である。 図6−1は、渦電流探傷プローブのセンサの配置構成を示す側断面図である。 図6−2は、渦電流探傷プローブの突出片の配置構成を示す側断面図である。 図7−1は、図5のA−A断面図である。 図7−2は、図5のB−B断面図である。 図7−3は、図5のC−C断面図である。 図7−4は、図5のD−D断面図である。 図7−5は、図5のE−E断面図である。 図7−6は、図5のF−F断面図である。 図8は、走査面に設けられたセンサと突出片の配置状態を示す概略展開図である。 図9は、実施例1に係るセンサを示す側断面図である。 図10は、本実施例のセンサと従来の構成のセンサについて、検知位置と磁束密度との関係を示すグラフである。 図11は、第2実施形態に係る渦電流探傷プローブの側面図である。 図12−1は渦電流探傷プローブのセンサの配置構成を示す側断面図である。 図12−2は、渦電流探傷プローブの傾斜防止部材の配置構成を示す側断面図である。 図13−1は、図11のA−A断面図である。 図13−2は、図11のB−B断面図である。 図13−3は、図11のC−C断面図である。 図13−4は、図11のD−D断面図である。 図13−5は、図11のE−E断面図である。 図13−6は、図11のF−F断面図である。 図13−7は、図11のG−G断面図である。 図13−8は、図11のH−H断面図である。 図14は、渦電流探傷プローブを備えた探傷装置の一例を示す概略図である。 図15は、磁気飽和式の渦電流探傷プローブと通常型の渦電流探傷プローブとの信号波形の出力値を比較したグラフの一部である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る渦電流探傷プローブを用いて、欠陥の検出が行われる原子炉容器の概略断面図である。図2は、原子炉容器に設けられた管台を示す部分斜視図である。図3−1は、図2のA−A断面図であり、図3−2は、図3−1のA部拡大図である。図4−1は、図2のB−B断面図であり、図4−2は、図4−1のA部拡大図である。
原子炉容器(円筒容器)10は、原子力発電プラントの加圧水型原子炉で用いられ、原子炉容器10は、図1に示すように、原子炉容器本体11と、その上部に装着される原子炉容器蓋12とを備えて構成される。原子炉容器蓋12は、半球状に形成されて原子炉容器本体11に対し、複数のスタッドボルト及びナットにより開閉可能に固定されている。原子炉容器本体11は、上部が開放した円筒形状の胴部13と、この胴部13の下部を閉塞する半球形状の鏡板14とを備え、原子炉容器本体11の内部には、円筒形状をなす炉心槽15が胴部13の内壁面と所定の隙間をもって配置される。さらに、炉心槽15の内側には多数の燃料集合体16と多数の制御棒17とが収容される。
制御棒17にはそれぞれ制御棒駆動軸18が連結され、この制御棒駆動軸18は原子炉容器蓋12を貫通し、原子炉容器蓋12の上方に配置される制御棒駆動装置19に連結される。この制御棒駆動装置19は、制御棒駆動軸18を介して、制御棒17を上下動させることで、加圧水型原子炉の出力を制御する。
原子炉容器本体11は、図1及び図2に示すように、胴部13の外周面の上部に、原子炉容器本体11内に一次冷却水としての軽水を供給する入口ノズル(管台)20と、軽水を排出する出口ノズル(管台)21とが取り付けられている。入口ノズル20及び出口ノズル21の数は、原子炉容器10の大きさ等によって変更が可能であり、本実施形態では、図2に示されていない入口ノズルを含め、原子炉容器10の胴部13に入口ノズル20及び出口ノズル21が2つずつ取り付けられている。
次に、出口ノズル21について説明する。出口ノズル21は、図3−1に示すように、胴部13に形成された孔部13Aに嵌入されて溶接によって取り付けられている。出口ノズル21は、原子炉容器10の内側に位置する流入開口部(内側開口部)22と原子炉容器10の外側に位置する流出開口部23とを有する円筒形状を呈し、流入開口部22と流出開口部23との間に孔部13Aに嵌入される陥入部24が設けられている。流入開口部22は、陥入部24の外径よりも縮径した段付きの開口端25を備え、この開口端25が原子炉容器10の内側に突出している。また、開口端25と陥入部24とを連結する段部端面26は、原子炉容器10の胴部13の内壁面13Bに連なるように形成されている。
開口端25は、図3−2に示すように、端面27と外周面28との間に形成された第1コーナ部29と、端面27と内周面30との間に形成された第2コーナ部31と、外周面28と段部端面26との間に形成された第3コーナ部32とを備える。これら第1コーナ部29、第2コーナ部31及び第3コーナ部32は、本実施形態における検査対象面となる。
出口ノズル21は、図3−1及び図4−1に示すように、開口端25の形状が周方向に沿って変化する。具体的には、開口端25の端面27は、胴部13の内壁面13Bと同様に円弧を描くように形成されており、これに伴い、流入開口部22の周囲に形成される上記した第1コーナ部29、第2コーナ部31及び第3コーナ部32についても、周方向に沿って形状が変化する。すなわち、図3−2及び図4−2に示すように、第1コーナ部29は、突状に丸み処理された角R部29Aの曲率半径(例えば13mm)は一定のまま、角R部29Aに連なる端面(壁部)27と外周面(壁部)28とがなす角度が変更となる。同様に、第2コーナ部31も、突状に丸み処理された角R部31Aの曲率半径(例えば13mm)は一定のまま、角R部31Aに連なる端面27と内周面(壁部)30とがなす角度が変更となる。また、第3コーナ部32は、窪み状に丸み処理された角R部32Aの曲率半径(例えば25mm)は一定のまま、角R部32Aに連なる外周面28と段部端面(壁部)26とがなす角度が変更となる。
このように、出口ノズル21の流入開口部22の周囲に形成される第1コーナ部29、第2コーナ部31及び第3コーナ部32は、それぞれ周方向に沿って形状が変化する複雑な3次元形状とされている。このため、これら各コーナ部の欠陥を検査する場合には、渦電流探傷プローブのコイルとコーナ部の表面との間に間隔(リフトオフ)が生じないようにすることが要求される。特に、原子炉容器10の内部は、水中環境または放射線線量の高い気中環境であるため、原子炉容器10内に設置したロボットアーム等の遠隔自動装置に渦電流探傷プローブを取り付け、欠陥の検査作業を行うことが好ましい。この場合、複雑な形状に合わせて、上記した間隔(リフトオフ)が生じないように渦電流探傷プローブを遠隔操作することは大変困難であり、欠陥の検出精度の向上が求められていた。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係る渦電流探傷プローブ40について説明する。図5は、第1実施形態に係る渦電流探傷プローブの側面図である。図6−1は、渦電流探傷プローブのセンサの配置構成を示す側断面図である。図6−2は、渦電流探傷プローブの傾斜防止部材の配置構成を示す側断面図である。図7−1は、図5のA−A断面図である。図7−2は、図5のB−B断面図である。図7−3は、図5のC−C断面図である。図7−4は、図5のD−D断面図である。図7−5は、図5のE−E断面図である。図7−6は、図5のF−F断面図である。図8は、走査面に設けられたセンサと突出片の配置状態を示す概略展開図である。
渦電流探傷プローブ40は、上記した流入開口部22の外周側に突状に形成された第1コーナ部29の検査に適合したプローブである。渦電流探傷プローブ40は、図5に示すように、横長に形成された樹脂製(例えばジュラコン)のプローブ本体(本体部)41を備え、このプローブ本体41は第1コーナ部29に対して長手方向(矢印X方向;走査方向)に移動される。プローブ本体41の底面41Aは、長手方向の中央部が両側部よりも窪んだ円弧形状に形成され、この円弧は流入開口部22の外周(すらわち第1コーナ部29)の曲率半径に相当する。
プローブ本体41の底面41Aには、この底面41Aよりも天面41B側に窪んだ走査面42が形成される。この走査面42は、第1コーナ部29の形状に合わせて形成されており、図7−1に示すように、プローブ本体41の幅方向(矢印Y方向)の中央部が両側部よりも窪んだ山型形状に形成されている。具体的には、走査面42は、第1コーナ部29の角R部29Aと同一の曲率半径(例えば13mm)で形成された角R面部61と、この角R面部61の両側に形成される一対の壁面部62,63とを備えて形成される。本実施形態では、走査面42は、プローブ本体41の幅方向の中心線Cに対して線対称に形成され、一対の壁面部62,63がなす角度は、第1コーナ部29の角R部29Aに連なる端面(壁部)27と外周面(壁部)28とがなす最大角度と同等、もしくは、それよりも大きく設定されている。これにより、第1コーナ部29の角R部29Aに走査面42の角R面部61を当接させた状態で、プローブ本体41を第1コーナ部29の周方向に沿ってスムーズに走査させることができる。また、走査面42は、中心線Cと交差する頂部42Aが、図5に示すように、プローブ本体41の底面41Aと同様に長手方向の中央部が両側部よりも窪んだ円弧形状に形成されている。
プローブ本体41の天面41B側には、制御部収容空間43が形成され、この制御部収容空間43には、後述する複数のセンサに接続される制御基板(不図示)等が収容される。なお、制御部収容空間43は蓋部43Aで閉塞されて水密性が確保される。
渦電流探傷プローブ40は、図6−1に示すように、プローブ本体41に収容される複数(12個)のセンサ45A〜45Lを備える。本実施形態では、プローブ本体41の走査方向に直交する幅方向(紙面奥行方向)に2つのセンサ45A,45Bが並べて配置され、この2つのセンサを1組として、プローブ本体41の走査方向に6組並べて配置されている。これらセンサ45A〜45Lは、それぞれ走査面42に対して独立して進退自在に設けられている。
センサ45Aは、いわゆる磁気飽和式のセンサであり、図6−1に示すように、プローブ本体41に形成された収容孔部46に進退自在に収容されたホルダ47を備え、このホルダ47は、間隔を隔てて配置される一対の永久磁石48,48と、永久磁石48,48の間に設けられるクロスコイル49とを備える。ホルダ47は、クロスコイル49の中心線52の延長線上に第1コーナ部29の表面が位置するように形成されている。中心線52は、プローブ本体41の底面41Aに対して垂直に配置されている。
センサ45Aは、収容孔部46に配置されてホルダ47を進出する方向に付勢する圧縮ばね(付勢部材)50を備えている。クロスコイル49は、自己誘導形自己比較方式のクロスコイルであり、第1コイルと第2コイル(それぞれ不図示)を互いに直交するように巻き回されて形成される。クロスコイル49は、第1コイルと第2コイルが励磁と検出を同じコイルで兼ねるものであり、各検出コイルでの検出信号の差(各検出コイル間の差動信号)を出力するように構成されている。クロスコイル49には、励磁用の電力や検出信号の伝送用に用いられる電気配線が結線され、この電気配線は収容孔部46から延びる導線孔51を通じて、制御部収容空間43内の制御基板に接続されている。本実施形態では、他のセンサ45B〜45Lは、センサ45Aと同一の構成を備えている。
この構成によれば、第1コーナ部29のように、周方向に形状が変化する部位を検査する場合であっても、プローブ本体41が第1コーナ部29上を走査する際に、走査面42から進出したセンサ45A〜45Lが第1コーナ部29の表面に向けて付勢される。これにより、各センサ45A〜45Lのクロスコイル49は、第1コーナ部29の表面との間隔を一定に保つことができ、第1コーナ部29の欠陥の検出精度の向上を図ることができる。
また、渦電流探傷プローブ40は、図6−2に示すように、プローブ本体41に収容される複数(5個)の突出片(傾斜防止部材)55A〜55Eを備える。この突出片55A〜55Eは、それぞれ走査面42に対して独立して進退自在に設けられる。
突出片55Aは、プローブ本体41に形成された収容孔部56に進退自在に収容されたホルダ57と、ホルダ57を進出する方向に付勢する圧縮ばね(付勢部材)58とを備えている。本実施形態では、突出片55Aは、ホルダ57の中心線59が、隣接するセンサ45A,45Cが有するそれぞれ有するクロスコイル49,49の中心線52,52の中間に位置するよう配置される。また、ホルダ57の中心線59は、プローブ本体41の底面41Aに垂直に配置されている。本実施形態では、他の突出片55B〜55Eは、突出片55Aと同一の構成を備えている。
次に、走査面42におけるセンサ45A〜45Lと突出片55A〜55Eの配置構成について説明する。走査面42は、上述したように、第1コーナ部29の角R部29Aと同一の曲率半径(例えば13mm)で形成された角R面部61と、この角R面部61の両側に形成される一対の壁面部62,63とを備えて形成され、この走査面42がプローブ本体41の走査方向(図7−1〜図7−6における紙面奥行方向)に延びている。この図において、符号P,Qは、角R面部61と壁面部62,63との境界を示す線である。
本実施形態では、図7−1に示すように、渦電流探傷プローブ40は、プローブ本体41の幅方向(矢印Y方向)に2つのセンサ45A,45Bが並べて配置され、図7−2〜図7−6に示すように、2つのセンサを1組として、プローブ本体41の走査方向に6組並べて配置されている。ここで、すべてのセンサ45A〜45Lは、走査面42を形成する角R面部61と一方の壁面部62とに設けられ、他方の壁面部63には、突出片55A〜55Eが配置される。
具体的には、図7−1〜図7−6に示すように、1組のセンサ(例えばセンサ45A,45B)は、センサ間の距離を保ったまま、角R面部61または一方の壁面部62に設けられ、走査方向に進むにつれて、プローブ本体41の底面41Aに対するクロスコイル49,49の中心線52,52の傾斜角度が徐々に大きくなる。一方、突出片55A〜55Eは、他方の壁面部63に設けられ、突出片55A〜55Eの傾斜角度は同一である。センサは、クロスコイル49の中心軸上が最も検出信号の出力が高く、中心軸から離れるほど出力が低下する。このため、センサ間の距離は、クロスコイル49,49の検出信号の出力が所定値以上(例えば最高値の80%以上)となる距離に設定される。
この構成によれば、図8に示すように、6組のセンサを走査方向に並べて配置した場合に、各組のセンサ(例えばセンサ45A,45B)の検出領域Rをオーバーラップさせつつ、走査方向に直交する幅方向に変位させることができる。このため、少ない数のセンサ45A〜45Lで角R面部61と一方の壁面部62に対向する第1コーナ部29の表面の欠陥の検査を行うことができる。ここで、第1コーナ部29の表面全体を一様に検査するために、上記したセンサを一方の壁面部62から角R面部61を通過して他方の壁面部63まで、検出領域Rをオーバーラップさせつつ変位させる構成が考えられる。しかし、この場合には、センサが配置されるプローブ本体が長手方向に大型化してしまうため、第1コーナ部29を走査する際の倣い性が低下することで、検出精度が低下する。本実施形態では、センサ45A〜45Lを角R面部61と一方の壁面部62とに配置することで、プローブ本体が長手方向の大型化を抑制し、倣い性並びに検出精度の向上を図っている。
この構成では、センサ45A〜45Lは、角R面部61と一方の壁面部62に設けられているため、第1コーナ部29の全面の欠陥を検査することはできない。ここで、走査面42は、プローブ本体41の幅方向の中心線Cに対して線対称に形成されているため、第1コーナ部29に対して、プローブ本体41を反転させて配置することにより、残りの領域についても欠陥の検査を行うことができる。
また、本実施形態では、他方の壁面部63に、突出片55A〜55Eが配置されているため、この突出片55A〜55Eがセンサ45A〜45Lと協働して、プローブ本体41(すなわちセンサ45A〜45L)の傾斜を防止する。このため、周方向に形状が変化する部位を検査する場合であっても、欠陥の検出精度を向上できる。
また、本実施形態では、走査面42の壁面部62,63がなす角度は、第1コーナ部29の角R部29Aに連なる端面(壁部)27と外周面(壁部)28とがなす最大角度と同等、もしくは、それよりも大きく設定されている。この場合、走査面42における一対の壁面部62,63がなす角度は変化しないのに対し、第1コーナ部29の端面(壁部)27と外周面(壁部)28とのなす角度は大きく変動するため、センサのクロスコイル49の中心線52が検査対象面(端面27や外周面28)に対して大きく傾き、結果として検出精度が低下する恐れがある。このため、走査面42の角R面部61から離れた位置の設けられたセンサ(例えばセンサ45A)は、図7−1に示すように、端面(壁部)と外周面(壁部)とがなす最大角度となるケースαと、最小角度となるケースβとの中間角度(壁面を符号γで示す)に、クロスコイル49の中心線52が直交するように設けられている。この構成によれば、第1コーナ部29の角度(形状)がどのように変化しても、検出精度の大きな低下を抑えることができる。
ところで、本実施形態の原子炉容器10では、出口ノズル21は母材となる低合金鋼70の内面にステンレス鋼71が溶接されて構成されている。この構成では、透磁率のバラつきに伴う磁気ノイズが発生するため、検査対象物の欠陥の検出の阻害要因となりうる。このため、本実施形態のセンサ45A〜45Lは、上記したように、クロスコイル49の両側に永久磁石48,48を配置することで、検査対象面に磁場を印加して透磁率に起因する磁気ノイズの低減を図っている。
出願人は、磁気ノイズは、磁束密度が高いほど低減される現象に着目し、永久磁石の配置構成を検討した。以下に、センサにおける永久磁石の配置構成について説明する。
[実施例1]
図9は、実施例1に係るセンサを示す側断面図である。センサ45Aは、上述したように、プローブ本体41に形成された収容孔部46に進退自在に収容されたホルダ47を備え、このホルダ47は、間隔を隔てて配置される一対の永久磁石48,48と、永久磁石48,48の間に設けられるクロスコイル49とを備える。また、センサ45Aは、収容孔部46に配置されてホルダ47を進出する方向に付勢する圧縮ばね(付勢部材)50を備えている。
実施例1では、永久磁石として、N32(幅4mm高さ5mm奥行3mm)のものを用い、図9に示すように、クロスコイル49を挟んで配置された一方の永久磁石48の正極(N極)と他方の永久磁石48の負極(S極)とを対向して配置した。すなわち、磁束の向きを検査対象面71Aと平行となるように配置した。
[実施例2]
実施例2では、センサの構成は同一であり、使用される永久磁石として磁力の強いN50(幅4mm高さ5mm奥行3mm)を使用した。永久磁石の磁束の向きは実施例1と同一である。
[従来例]
従来例では、センサの構成は同一である。使用される永久磁石も実施例1と同一のものである。ただし、永久磁石の磁束は、クロスコイルの軸と平行となるように配置され、一方の永久磁石は、検査対象面側に正極(N極)を配置し、他方の永久磁石は、検査対象面側に負極(S極)を配置した。
図10は、本実施例のセンサと従来の構成のセンサについて、検知位置と磁束密度との関係を示すグラフである。この図10に示すように、渦電流が流れる範囲では、従来例に比べて、実施例1,2の方が、磁束密度が高くなることが判明した。また、使用する永久磁石の磁力が大きい方が磁束密度が高くなることも判明した。
一般に、磁気ノイズは、磁束密度が高いほど低減されるため、クロスコイル49を挟んで配置された一方の永久磁石48の正極(N極)と他方の永久磁石48の負極(S極)とを対向させることにより、同じ磁力の永久磁石を使用しても磁気ノイズを低減することができ、欠陥の検出精度を一層高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る渦電流探傷プローブ80について説明する。図11は、第2実施形態に係る渦電流探傷プローブの側面図である。図12−1は、渦電流探傷プローブのセンサの配置構成を示す側断面図である。図12−2は、渦電流探傷プローブの傾斜防止部材の配置構成を示す側断面図である。図13−1は、図11のA−A断面図である。図13−2は、図11のB−B断面図である。図13−3は、図11のC−C断面図である。図13−4は、図11のD−D断面図である。図13−5は、図11のE−E断面図である。図13−6は、図11のF−F断面図である。図13−7は、図11のG−G断面図である。図13−8は、図11のH−H断面図である。
渦電流探傷プローブ80は、上記した流入開口部22の外周側に窪み状に形成された第3コーナ部32の検査に適合したプローブである。渦電流探傷プローブ80は、図11に示すように、横長に形成された樹脂製(例えばジュラコン)のプローブ本体(本体部)81を備え、このプローブ本体81は第3コーナ部32に対して長手方向(矢印X方向;走査方向)に移動される。プローブ本体81の底面81Aは、長手方向の中央部が両側部よりも窪んだ円弧形状に形成され、この円弧は流入開口部22の外周(すなわち第3コーナ部32)の曲率半径に相当する。
プローブ本体81の底面81Aには、第3コーナ部32の形状に合わせた走査面82が形成される。この走査面82は、図13−1に示すように、プローブ本体81の幅方向(矢印Y方向)の中央部が両側部よりも突出した円弧形状に形成されている。具体的には、走査面82は、第3コーナ部32の角R部32Aと同一の曲率半径(例えば25mm)で形成された角R面部91と、この角R面部91の両側に形成される一対の壁面部92,93とを備えて形成される。本実施形態では、走査面82は、プローブ本体81の幅方向の中心線Cに対して線対称に形成され、一対の壁面部92,93がなす角度は、第3コーナ部32の角R部32Aに連なる外周面(壁部)28と段部端面(壁部)26とがなす最大角度と同等、もしくは、それよりも小さく設定されている。これにより、第3コーナ部32の角R部32Aに走査面82の角R面部91を当接させた状態で、プローブ本体81を第3コーナ部32の周方向に沿ってスムーズに走査させることができる。
プローブ本体81の天面81B側には、制御部収容空間83が形成され、この制御部収容空間83には、後述する複数のセンサに接続される制御基板(不図示)等が収容される。なお、制御部収容空間83は蓋部83Aで閉塞されて水密性が確保される。
渦電流探傷プローブ80は、図12−1に示すように、プローブ本体81に収容される複数(16個)のセンサ85A〜85Pを備える。本実施形態では、プローブ本体81の走査方向に直交する幅方向(紙面奥行方向)に2つのセンサ85A,85Bが並べて配置され、この2つのセンサを1組として、プローブ本体81の走査方向に8組並べて配置されている。これらセンサ85A〜85Pは、それぞれ走査面82に対して独立して進退自在に設けられている。
センサ85Aは、いわゆる磁気飽和式のセンサであり、図12−1に示すように、プローブ本体81に形成された収容孔部46に進退自在に収容されたホルダ47を備え、このホルダ47は、間隔を隔てて配置される一対の永久磁石48,48と、永久磁石48,48の間に設けられるクロスコイル49とを備える。ホルダ47は、クロスコイル49の中心線52の延長線上に第3コーナ部32の表面が位置するように形成されている。中心線52は、プローブ本体81の底面81Aに対して垂直に配置されている。
センサ85Aは、収容孔部46に配置されてホルダ47を進出する方向に付勢する圧縮ばね(付勢部材)50を備えている。クロスコイル49は、自己誘導形自己比較方式のクロスコイルであり、第1コイルと第2コイル(それぞれ不図示)を互いに直交するように巻き回されて形成される。クロスコイル49は、第1コイルと第2コイルが励磁と検出を同じコイルで兼ねるものであり、各検出コイルでの検出信号の差(各検出コイル間の差動信号)を出力するように構成されている。クロスコイル49には、励磁用の電力や検出信号の伝送用に用いられる電気配線が結線され、この電気配線は収容孔部46から延びる導線孔51を通じて、制御部収容空間83内の制御基板に接続されている。本実施形態では、他のセンサ85B〜85Pは、センサ85Aと同一の構成を備えている。また、本実施形態のセンサ85A〜85Pについても、クロスコイル49を挟んで配置された一方の永久磁石48の正極(N極)と他方の永久磁石48の負極(S極)とを対向して配置している。
この構成によれば、第3コーナ部32のように、周方向に形状が変化する部位を検査する場合であっても、プローブ本体81が第3コーナ部32上を走査する際に、走査面82から進出したセンサ85A〜85Pが第3コーナ部32の表面に向けて付勢される。これにより、各センサ85A〜85Pのクロスコイル49は、第3コーナ部32の表面との間隔を一定に保つことができ、第3コーナ部32の欠陥の検出精度の向上を図ることができる。
また、渦電流探傷プローブ80は、図12−2に示すように、プローブ本体81に収容される複数(7個)の突出片(傾斜防止部材)86A〜86Gを備える。この突出片86A〜86Gは、それぞれ走査面82に対して独立して進退自在に設けられる。
突出片86Aは、プローブ本体81に形成された収容孔部56に進退自在に収容されたホルダ57と、ホルダ57を進出する方向に付勢する圧縮ばね(付勢部材)58とを備えている。本実施形態では、突出片86Aは、ホルダ57の中心線59が、隣接するセンサ85A,85Cが有するそれぞれ有するクロスコイル49,49の中心線52,52の中間に位置するよう配置される。また、ホルダ57の中心線59は、プローブ本体81の底面81Aに垂直に配置されている。本実施形態では、他の突出片86B〜86Gは、突出片86Aと同一の構成を備えている。
次に、走査面82におけるセンサ85A〜85Pと突出片86A〜86Gの配置構成について説明する。走査面82は、上述したように、第3コーナ部32の角R部32Aと同一の曲率半径(例えば25mm)で形成された角R面部91と、この角R面部91の両側に形成される一対の壁面部92,93とを備えて形成され、この走査面82がプローブ本体81の走査方向(図13−1〜図13−8における紙面奥行方向)に延びている。この図において、符号P,Qは、角R面部91と壁面部92,93との境界を示す線である。
本実施形態では、図13−1に示すように、渦電流探傷プローブ80は、プローブ本体81の幅方向(矢印Y方向)に2つのセンサ85A,85Bが並べて配置され、図13−2〜図13−8に示すように、2つのセンサを1組として、プローブ本体81の走査方向に8組並べて配置されている。ここで、すべてのセンサ85A〜85Pは、走査面82を形成する角R面部91と一方の壁面部92とに設けられ、他方の壁面部93には、突出片86A〜86Gが配置される。
具体的には、図13−1〜図13−8に示すように、1組のセンサ(例えばセンサ85A,85B)は、センサ間の距離を保ったまま、角R面部91または一方の壁面部92に設けられ、走査方向に進むにつれて、プローブ本体81の天面81Bに対するクロスコイル49,49の中心線52,52の傾斜角度が徐々に大きくなる。一方、突出片86A〜86Gは、他方の壁面部93に設けられ、突出片86A〜86Gの傾斜角度は同一である。センサは、クロスコイル49の中心軸上が最も検出信号の出力が高く、中心軸から離れるほど出力が低下する。このため、センサ間の距離は、クロスコイル49,49の検出信号の出力が所定値以上(例えば最高値の80%以上)となる距離に設定される。
この構成によれば、8組のセンサを走査方向に並べて配置した場合に、各組のセンサ(例えばセンサ85A,85B)の検出領域をオーバーラップさせつつ、走査方向に直交する幅方向に変位させることができる。このため、少ない数のセンサ85A〜85Pで角R面部91と一方の壁面部92とに対向する第3コーナ部32の表面の欠陥の検査を行うことができる。ここで、第3コーナ部32の表面全体を一様に検査するために、上記したセンサを一方の壁面部92から角R面部91を通過して他方の壁面部93まで、検出領域をオーバーラップさせつつ変位させる構成が考えられる。しかし、この場合には、センサが配置されるプローブ本体が長手方向に大型化してしまうため、第3コーナ部32を走査する際の倣い性が低下することで、検出精度が低下する。本実施形態では、センサ85A〜85Pを角R面部91と一方の壁面部92とに配置することで、プローブ本体が長手方向の大型化を抑制し、倣い性並びに検出精度の向上を図っている。
この構成では、センサ85A〜85Pは、角R面部91と一方の壁面部92とに設けられているため、第3コーナ部32の全面の欠陥を検査することはできない。ここで、走査面82は、プローブ本体81の幅方向の中心線Cに対して線対称に形成されているため、第3コーナ部32に対して、プローブ本体81を反転させて配置することにより、残りの領域についても欠陥の検査を行うことができる。
また、本実施形態では、他方の壁面部93に、突出片86A〜86Gが配置されているため、この突出片86A〜86Gがセンサ85A〜85Pと協働して、プローブ本体81(すなわちセンサ85A〜85P)の傾斜を防止する。このため、周方向に形状が変化する部位を検査する場合であっても、欠陥の検出精度を向上できる。
また、本実施形態では、走査面82の壁面部92,93がなす角度は、第3コーナ部32の角R部32Aに連なる外周面(壁部)28と段部端面(壁部)26がなす最大角度と同等、もしくは、それよりも小さく設定されている。この場合、走査面82における一対の壁面部92,93がなす角度は変化しないのに対し、第3コーナ部32の外周面(壁部)28と段部端面(壁部)26とのなす角度は大きく変動するため、センサのクロスコイル49の中心線52が検査対象面(外周面28や段部端面26)に対して大きく傾き、結果として検出精度が低下する恐れがある。このため、走査面82の角R面部91から離れた位置の設けられたセンサ(例えばセンサ85A)は、図13−1に示すように、外周面(壁部)と段部端面(壁部)とがなす最大角度となるケースαと、最小角度となるケースβとの中間角度(壁面を符号γで示す)に、クロスコイル49の中心線52が直交するように設けられている。この構成によれば、第3コーナ部32の角度(形状)がどのように変化しても、検出精度の大きな低下を抑えることができる。
上記した第1実施形態及び第2実施形態では、出口ノズル21の流入開口部22の周囲に形成される第1コーナ部29及び第3コーナ部32の欠陥の検査に適合した渦電流探傷プローブ40,80について説明した。これに限らず、プローブ本体の底面及び走査面の形状を第2コーナ部31の形状に合わせることにより、第2コーナ部31についても、欠陥の検査を精度良く行うことができることは勿論である。
次に、渦電流探傷プローブを用いてコーナ部の欠陥の検査を行う探傷装置について説明する。図14は、渦電流探傷プローブを備えた探傷装置の一例を示す概略図である。本実施形態では、上記した第1コーナ部29の欠陥を検出するものとして、渦電流探傷プローブ40を備えた構成として説明する。
探傷装置100は、原子炉容器(不図示)内に配置されるロボットアーム101と、このロボットアームに取り付けられるベースプレート102と、このベースプレート102の両端にそれぞれ固定されるシリンダ103と、シリンダ103の各ロッド先端部103A,103Aに架け渡される支持プレート104と、この支持プレート104に角度調整プレート105を介して、取り付けられる渦電流探傷プローブ40,140とを備える。
ロボットアーム101は、出口ノズルの流入開口部の周囲に形成された第1コーナ部29の周方向に沿って駆動される。シリンダ103は、ロッドを伸張させることで、第1コーナ部29に対して渦電流探傷プローブ40,140上を走査するように制御される。角度調整プレート105は、渦電流探傷プローブ40,140が第1コーナ部29に対して、垂直な姿勢となるように渦電流探傷プローブ40,140の角度(姿勢)を調整する。
渦電流探傷プローブ40は、上記したように、各センサが永久磁石を備える磁気飽和式の渦電流探傷プローブである。これに対して、渦電流探傷プローブ140は、永久磁石を有しない非磁気飽和式(単に通常型という)の渦電流探傷プローブである。磁気飽和式の渦電流探傷プローブでは、永久磁石が検査対象(第1コーナ部29)の透磁率変化の影響を低減し、クロスコイルの検出信号に生じるノイズを抑制できる。
一方で、検査対象物(第1コーナ部29)には、透磁率変化によるノイズの他に、例えば、第1コーナ部29の形状変化に伴う形状ノイズがあり、この形状ノイズは表面欠陥と似た信号波形を示すことが多い。このため、検出信号波形が検査対象物の表面欠陥に起因するものか、形状ノイズに起因するものかを判別することが難しいという事情があった。
そこで、本構成では、磁気飽和式の渦電流探傷プローブ40と通常型の渦電流探傷プローブ140とを備え、これら渦電流探傷プローブ40,140を第1コーナ部29の同一箇所の走査で得られる信号波形を比較する。この信号波形を比較することで、該信号波形が第1コーナ部29の傷に起因するものか、形状に基づくノイズに起因するものかを判別する。
図15は、磁気飽和式の渦電流探傷プローブと通常型の渦電流探傷プローブとの信号波形の出力値を比較したグラフの一部である。この図15において、実線110で示すグラフが、磁気飽和式の渦電流探傷プローブ40の信号波形の出力値変化を示し、破線120で示すグラフが、通常型の渦電流探傷プローブ140の信号波形の出力値変化を示す。センサの出力が、透磁率変化によるノイズに起因している場合には、磁気飽和式のセンサの出力値は磁気飽和により低減されるので、この判断により透磁率変化によるノイズに起因する信号波形であるか否かを判定できる。すなわち、グラフの点110A及び点120Aで示すように、「通常型のセンサ出力値>>磁気飽和式のセンサ出力値」であるときは、透磁率変化によるノイズに起因する信号と判断され、「通常型のセンサ出力値>>磁気飽和式のセンサ出力値」でないときは、欠陥に起因する信号の可能性があると判断することができる。このように、磁気飽和式の渦電流探傷プローブ40と通常型の渦電流探傷プローブ140とを備え、これら渦電流探傷プローブ40,140を第1コーナ部29の同一箇所の走査で得られる信号波形を比較することで、信号波形が第1コーナ部29の傷に起因するものか、形状に基づくノイズに起因するものかを容易に判別することができ、欠陥の検出精度をより向上させることができる。
上記した構成では、磁気飽和式の渦電流探傷プローブ40と通常型の渦電流探傷プローブ140とを支持プレート104に固定して同時に走査する構成としたが、各プローブが同一箇所を走査できるものであれば、各プローブによる走査を順番に行っても良い。また、上記した構成では、第1コーナ部29の欠陥を検出するものを例示したが、これに限らず、第2コーナ部31、第3コーナ部32に適用可能であることは勿論である。
10 原子炉容器(円筒容器)
11 原子炉容器本体
12 原子炉容器蓋
13 胴部
13A 孔部
13B 内壁面
14 鏡板
15 炉心槽
16 燃料集合体
17 制御棒
18 制御棒駆動軸
19 制御棒駆動装置
20 入口ノズル
21 出口ノズル(管台)
22 流入開口部(内側開口部)
23 流出開口部
24 陥入部
25 開口端
26 段部端面(壁部)
27 端面(壁部)
28 外周面(壁部)
29 第1コーナ部(コーナ部)
29A,31A,32A 角R部
30 内周面(壁部)
31 第2コーナ部(コーナ部)
32 第3コーナ部(コーナ部)
40,80,140 渦電流探傷プローブ
41,81 プローブ本体
41A,81A 底面
41B,81B 天面
42,82 走査面
42A 頂部
43,83 制御部収容空間
43A,83A 蓋部
45A〜45L,85A〜85P センサ
46 収容孔部
47 ホルダ
48 永久磁石
49 クロスコイル
51 導線孔
52 中心線
55A〜55E,86A〜86G 突出片
56 収容孔部
57 ホルダ
59 中心線
61,91 角R面部
62,92 壁面部
63,93 壁面部
70 低合金鋼
71 ステンレス鋼
71A 検査対象面
100 探傷装置
101 ロボットアーム
102 ベースプレート
103 シリンダ
103A ロッド先端部
104 支持プレート
105 角度調整プレート
110 実線
110A 点
120 破線
120A 点
R 検出領域

Claims (7)

  1. 円筒容器の胴部に取り付けられた管台の内側開口部の周囲に形成され、周方向に沿って形状が変化するコーナ部の欠陥を渦電流の変化から検出する渦電流探傷プローブであって、
    前記コーナ部に対向し、前記コーナ部の角R部に当接させた状態で、該コーナ部を前記周方向に沿って走査される走査面を有する本体部と、前記渦電流を発生させるコイルを保持し、前記本体部の前記走査面からそれぞれ進退自在に設けられる複数のセンサと、前記センサを前記コーナ部に向けて付勢する付勢部材とを備えたことを特徴とする渦電流探傷プローブ。
  2. 前記走査面は、前記コーナ部の角R部に相当する曲率半径で形成された角R面部と、前記角R面部の両側に形成される一対の壁面部とを備え、
    前記複数のセンサは、前記角R面部と少なくとも一方の前記壁面部とに設けられることを特徴とする請求項1に記載の渦電流探傷プローブ。
  3. 前記複数のセンサは、各センサの検出領域の一部を走査方向に直交する幅方向にオーバーラップさせつつ、前記走査方向に並べて配置されたことを特徴とする請求項2に記載の渦電流探傷プローブ。
  4. 前記センサは、前記走査方向に直交する幅方向に複数並べて配置されることを特徴とする請求項2から3のいずれか一項に記載の渦電流探傷プローブ。
  5. 前記センサのうち、前記角R面部から最も離れた位置のセンサは、前記コーナ部の角R部を挟んだ一対の壁部がなす最大角度と最小角度の中間角度に直交して前記コイルが配置されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の渦電流探傷プローブ。
  6. 前記走査面は、他方の前記壁面部に、該壁面部と対向する前記コーナ部に向けて突出して、前記センサの傾斜を防止する傾斜防止部材を備えることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の渦電流探傷プローブ。
  7. 前記センサは、前記コイルの両側に一対の磁石を備え、前記コイルを挟んで、一の磁石の正極と他の磁石の負極とを対向して配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の渦電流探傷プローブ。
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