JP2016103495A - 色素増感光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換特性の低下を抑制しながら、良好な外観を実現できる色素増感光電変換素子を提供すること。【解決手段】少なくとも1つの色素増感光電変換セルを有し、色素増感光電変換セルが、透明基板および透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、導電性基板に対向する対向基板と、導電性基板又は対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、導電性基板及び対向基板の間に設けられる環状の封止部とを備えており、導電性基板上に少なくとも1つの端子部が透明導電層と接触するように設けられ、導電性基板上に、光の透過を防止する光透過防止層が端子部と隣接するように設けられ、端子部及び光透過防止層がそれぞれ着色されている、色素増感光電変換素子。【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感光電変換素子に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感光電変換素子が注目されており、色素増感光電変換素子に関して種々の開発が行われている。
色素増感光電変換素子は一般に、少なくとも1つの色素増感光電変換セルを備えており、色素増感光電変換セルは、導電性基板と、対極などの対向基板と、導電性基板と対向基板とを連結する環状の封止部とを備えている。そして、導電性基板は、透明基板と、その上に形成された透明導電層とを有し、導電性基板と対向基板との間には酸化物半導体層が設けられている。
このような色素増感光電変換素子として、例えば下記特許文献1記載のものが知られている。下記特許文献1には、透明基板及び透明導電層を有する透明導電性基板上に設けられる複数の光電変換素子を導電材などの配線材で接続した光電変換素子モジュールが開示されている。より具体的に述べると、特許文献1では、配線材の一端が、隣り合う2つの光電変換素子のうちの一方の光電変換素子の対極の金属板に接続され、配線材の他端は、他方の光電変換素子の端子に接続されることが開示されている。
特開2010−198834号公報
しかし、上記特許文献1に記載の光電変換素子モジュールは、以下に示す課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1に記載の光電変換素子モジュールでは、光電変換素子モジュールを透明導電性基板の光入射面側から見た場合に、透明導電性基板を通して配線材の端子が見える。このとき、端子の周囲の領域は透明であるとともに、光入射面に占める端子の面積は比較的大きい。このため、端子は際立って見えてしまう。従って、上記特許文献1に記載の光電変換素子モジュールは、外観の向上の点で改善の余地があった。
ここで、透明導電性基板の透明導電層を着色すれば、接続端子部の色が際立って見えることを抑制することは可能である。しかし、この場合、透明導電層に光が吸収され、酸化物半導体層に入射される光の量が減少し、光電変換特性が低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光電変換特性の低下を抑制しながら、良好な外観を実現できる色素増感光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも1つの色素増感光電変換セルを有し、前記色素増感光電変換セルが、透明基板および前記透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、前記導電性基板に対向する対向基板と、前記導電性基板又は前記対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、前記導電性基板及び前記対向基板の間に設けられる環状の封止部とを備えており、前記導電性基板上に少なくとも1つの端子部が前記透明導電層と接触するように設けられ、前記導電性基板上に、光の透過を防止する光透過防止層が前記端子部と隣接するように設けられ、前記端子部及び前記光透過防止層がそれぞれ着色されている、色素増感光電変換素子である。
この色素増感光電変換素子では、端子部が着色されるとともに、端子部に隣接する光透過防止層も着色されるため、色素増感光電変換素子を導電性基板の厚さ方向に見た場合、端子部が際立って見えることを十分に抑制することが可能となる。このため、良好な外観を実現することができる。また、本発明の色素増感光電変換素子によれば、透明導電層を着色させないで済むため、色素増感光電変換素子の光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
上記色素増感光電変換素子において、前記端子部と前記光透過防止層との間におけるL色空間のL*の差が3以下であることが好ましい。
この場合、光透過防止層の色が端子部の色により近づくことになるため、端子部が際立って見えることをより十分に抑制することが可能となる。
上記色素増感光電変換素子においては、前記酸化物半導体層と前記光透過防止層との間におけるL色空間のL*の差が5以下であり、前記酸化物半導体層と前記端子部との間におけるL色空間のL*の差が5以下であることが好ましい。
この場合、端子部及び光透過防止層の各々の色を酸化物半導体層の色により近づけることが可能となる。別言すると、端子部、光透過防止層及び酸化物半導体層の色を単一色に近づけることが可能となる。このため、端子部及び光透過防止層が酸化物半導体層に対して際立って見えることがより十分に抑制される。このため、より良好な外観を実現できる。
上記色素増感光電変換素子においては、前記導電性基板のうちの前記封止部側に、少なくとも1本の配線材と、前記配線材の一端に接続され且つ前記色素増感光電変換素子を前記透明基板側から前記導電性基板の厚さ方向に見た場合に前記封止部の外側に配置される第1接続部と、前記配線材の他端に接続される第2接続部とが設けられており、前記光透過防止層が、前記配線材と前記導電性基板との間に、前記導電性基板の厚さ方向において前記配線材と重なるように設けられていることが好ましい。
この場合、導電性基板と配線材との間で配線材と光透過防止層とが重なるように設けられているため、色素増感光電変換素子を導電性基板の厚さ方向に見た場合、光透過防止層の裏側にある配線材を隠すことが可能となる。このため、良好な外観を実現することができる。
上記色素増感光電変換素子においては、前記端子部が前記第1接続部を兼ねていてもよい。
上記色素増感光電変換素子においては、前記光透過防止層が、前記導電性基板の前記封止部側の表面において、前記封止部と、前記導電性基板の縁部との間の領域のうち少なくとも前記第1接続部以外の領域の全てを覆うように設けられていることが好ましい。
この場合、色素増感光電変換素子を透明基板側から導電性基板の厚さ方向に見た場合に、封止部と、導電性基板の縁部との間の領域のうち少なくとも第1接続部以外の領域が光透過防止層によって隠されるので、より良好な外観を実現できる。
上記色素増感光電変換素子においては、前記光透過防止層が絶縁材料で構成されることが好ましい。
この場合、配線材が複数本で構成され、光透過防止層が複数本の配線材の第1接続部に接触するように設けられても、光透過防止層は絶縁性を有するため、第1接続部同士間での短絡が防止される。
上記色素増感光電変換素子においては、前記端子部がカーボンを含むことが好ましい。
この場合、カーボンは優れた導電性を有しながらも黒色であるため、銀などの金属を含む場合に比べて、端子部が際立って見えることがより十分に抑制される。
なお、本発明において、「着色されている」とは、端子部又は光透過防止層におけるL色空間のL*が35未満であることを言う。ここで、Lは、CIEのD65標準光に対する700nmの分光反射率をx、546.1nmをy、435.8nmをzとしたときに下記式で定義される。
=116×(0.2126z+0.7152y+0.0722x)1/3−16
また「光透過防止層」とは、可視光の波長領域における光の平均透過率が50%以下である層を言う。また可視光の波長領域とは、380〜800nmの波長域を言う。
本発明によれば、光電変換特性の低下を抑制しながら、良好な外観を実現できる色素増感光電変換素子が提供される。
本発明の色素増感光電変換素子の第1実施形態を示す切断面端面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第1実施形態の一部を示す平面図である。 図1の色素増感光電変換素子における透明導電層のパターンを示す平面図である。 図1の第1一体化封止部を示す平面図である。 図1の第2一体化封止部を示す平面図である。 図2のVI−VI線に沿った切断面端面図である。 バックシートを固定するための光透過防止層を形成した作用極を示す平面図である。 図1の色素増感光電変換素子を導電性基板側から見た平面図である。 図4の第1一体化封止部を形成するための第1一体化封止部形成体を示す平面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第2実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第3実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第4実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第5実施形態を示す切断面端面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第6実施形態の一部を示す切断面端面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第7実施形態の一部を示す平面図である。 本発明の色素増感光電変換素子の第8実施形態の一部を導電性基板側から見た状態を示す平面図である。
以下、本発明の色素増感光電変換素子の好適な第1実施形態について図1〜図6及び図8を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の色素増感光電変換素子の第1実施形態を示す切断面端面図、図2は、本発明の色素増感光電変換素子の第1実施形態の一部を示す平面図、図3は、図1の色素増感光電変換素子における透明導電層のパターンを示す平面図、図4は、図1の第1一体化封止部を示す平面図、図5は、図1の第2一体化封止部を示す平面図、図6は、図2のVI−VI線に沿った切断面端面図、図8は、図1の色素増感光電変換素子を導電性基板側から見た平面図である。
図1に示すように、色素増感光電変換素子としての色素増感光電変換セルモジュール(以下、「DSCモジュール」と呼ぶことがある)100は、複数(図1では4つ)の色素増感光電変換セル(以下、「DSC」と呼ぶことがある)50と、DSC50を覆うように設けられるバックシート80とを有している。図2に示すように、複数のDSC50は配線材60Pによって直列に接続されている。以下、説明の便宜上、DSCモジュール100における4つのDSC50をDSC50A〜50Dと呼ぶことがある。
図1に示すように、複数のDSC50の各々は、作用極10と、作用極10に対向する対極20と、作用極10及び対極20を接合させる環状の封止部30Aとを備えている。作用極10、対極20及び環状の封止部30Aによって形成されるセル空間には電解質40が充填されている。
対極20は、金属基板21と、金属基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。また隣り合う2つのDSC50において、対極20同士は互いに離間している。本実施形態では、対極20によって対向基板が構成されている。
図1および図2に示すように、作用極10は、導電性基板15と、導電性基板15の透明導電層12の上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13と、透明導電層12上に設けられる接続端子16とを有している。酸化物半導体層13は、環状の封止部30Aの内側に配置されている。透明基板11は、DSC50A〜50Dの共通の透明基板として使用されている。導電性基板15は、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電層12とを有している。
図2および図3に示すように、透明導電層12は、互いに絶縁された状態で設けられる透明導電層12A〜12Fで構成されている。すなわち、透明導電層12A〜12Fは互いに溝90を介在させて配置されている。ここで、透明導電層12A〜12Dはそれぞれ複数のDSC50A〜50Dの透明導電層12を構成している。また透明導電層12Eは、封止部30Aに沿って折れ曲がるようにして配置されている。透明導電層12Fは、バックシート80の周縁部80aを固定するための環状の透明導電層12である(図1参照)。
図3に示すように、透明導電層12A〜12Dはいずれも、側縁部12bを有する四角形状の本体部12aと、本体部12aの側縁部12bから側方に突出する突出部12cとを有している。
図2に示すように、透明導電層12A〜12Dのうち透明導電層12Cの突出部12cは、DSC50A〜50Dの配列方向Xに対して側方に張り出す張出し部12dと、張出し部12dから延びて、隣りのDSC50Dの本体部12aに溝90を介して対向する対向部12eとを有している。
DSC50Bにおいても、透明導電層12Bの突出部12cは、張出し部12dと対向部12eとを有している。またDSC50Aにおいても、透明導電層12Aの突出部12cは、張出し部12dと対向部12eとを有している。
なお、DSC50Dは、既にDSC50Cと接続されており、他に接続されるべきDSC50が存在しない。このため、DSC50Dにおいて、透明導電層12Dの突出部12cは対向部12eを有していない。すなわち透明導電層12Dの突出部12cは張出し部12dのみで構成される。
但し、透明導電層12Dは、DSCモジュール100で発生した電流を外部に取り出すための第1電流取出し部12fと、第1電流取出し部12fと本体部12aとを接続し、透明導電層12A〜12Cの側縁部12bに沿って延びる接続部12gとをさらに有している。第1電流取出し部12fは、DSC50Aの周囲であって透明導電層12Aに対して透明導電層12Bと反対側に配置されている。
一方、透明導電層12Eも、DSCモジュール100で発生した電流を外部に取り出すための第2電流取出し部12hを有しており、第2電流取出し部12hは、DSC50Aの周囲であって透明導電層12Aに対して透明導電層12Bと反対側に配置されている。そして、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、DSC50Aの周囲において溝90を介して隣り合うように配置されている。ここで、溝90は、環状の封止部30Aの外形に沿って形成される第1の溝90Aと、透明導電層12のうち本体部12aを除く部分の縁部に沿って形成され、バックシート80の周縁部80aと交差する第2の溝90Bとで構成されている。具体的には、第1の溝90Aは、透明導電層12の本体部12aの縁部に沿って形成されている。
また、透明導電層12A〜12Cの各突出部12cおよび透明導電層12Eの上には、DSCモジュール100を透明基板11側から導電性基板15の厚さ方向に見た場合に封止部30Aの外側に接続端子16が設けられている。ここで、接続端子16は着色されており、本発明における端子部を構成している。本実施形態では、透明導電層12A〜12Cにおいては、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aは、突起部12cの対向部12e上に設けられており、接続される隣りのDSC50の本体部12aに対向している。透明導電層12Eにおいては、接続端子16のうちの配線材接続部16Aは、接続される隣りのDSC50Aの本体部12aに対向している。各接続端子16は、配線材60Pと接続され、封止部30Aの外側で封止部30Aに沿って延びる配線材接続部16Aと、配線材接続部16Aから封止部30Aの外側で封止部30Aに沿って延びる配線材非接続部16Bとを有する。そして、配線材非接続部16Bの幅は、配線材接続部16Aの幅より狭くなっている。ここで、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅はそれぞれ一定となっている。なお、配線材接続部16Aの幅とは、配線材接続部16Aの延び方向に直交する方向の長さであって配線材接続部16Aの幅のうち最も狭い幅を意味し、配線材非接続部16Bの幅とは、配線材非接続部16Bの延び方向に直交する方向の長さであって配線材非接続部16Bの幅のうち最も狭い幅を意味するものとする。
そして、DSC50Cにおける透明導電層12Cの突出部12c上に設けられる接続端子16の配線材接続部16Aと隣りのDSC50Dにおける対極20の金属基板21とが配線材60Pを介して接続されている。配線材60Pは、封止部30Aの上を通るように配置されている。同様に、DSC50Bにおける接続端子16の配線材接続部16Aと隣りのDSC50Cにおける対極20の金属基板21とは配線材60Pを介して接続され、DSC50Aにおける接続端子16の配線材接続部16Aと隣りのDSC50Bにおける対極20の金属基板21とは配線材60Pを介して接続され、透明導電層12E上の接続端子16の配線材接続部16Aと隣りのDSC50Aにおける対極20の金属基板21とは配線材60Pを介して接続されている。別言すると、配線材60Pの一端はDSC50Cの接続端子16に接続され、配線材60Pの他端はDSC50Dの対極20の金属基板21に接続されている。ここで、金属基板21が第2接続部を構成し、接続端子16が第1接続部を構成している。即ち、端子部としての接続端子16が第1接続部を兼ねている。同様に、配線材60Pの一端がDSC50Bの接続端子16に接続され、配線材60Pの他端がDSC50Cの対極20の金属基板21に接続されている。さらに配線材60Pの一端がDSC50Aの接続端子16に接続され、配線材60Pの他端がDSC50Bの対極20の金属基板21に接続されている。さらに配線材60Pの一端が透明導電層12E上の接続端子16に接続され、配線材60Pの他端がDSC50Aの対極20の金属基板21に接続されている。
また第1電流取出し部12f、第2電流取出し部12h上にはそれぞれ、外部接続端子18a,18bが設けられている。ここで、外部接続端子18a,18bは着色されており、本発明における端子部を構成している。
図1に示すように、封止部30Aは、導電性基板15と対極20との間に設けられる環状の第1封止部31Aと、第1封止部31Aと重なるように設けられ、第1封止部31Aと共に対極20の縁部20aを挟持する第2封止部32Aとを有している。そして、図4に示すように、隣り合う第1封止部31A同士は一体化されて第1一体化封止部31を構成している。別言すると、第1一体化封止部31は、隣り合う2つの対極20の間に設けられていない環状の部分(以下、「環状部」と呼ぶ)31aと、隣り合う2つの対極20の間に設けられており、環状の部分31aの内側開口31cを仕切る部分(以下、「仕切部」と呼ぶ)31bとで構成されている。また図5に示すように、第2封止部32A同士は、隣り合う対極20の間で一体化され、第2一体化封止部32を構成している。第2一体化封止部32は、隣り合う2つの対極20の間に設けられていない環状の部分(以下、「環状部」と呼ぶ)32aと、隣り合う2つの対極20の間に設けられており、環状の部分32aの内側開口32cを仕切る部分(以下、「仕切部」と呼ぶ)32bとで構成されている。なお、本実施形態では、第1封止部31Aの内壁面と酸化物半導体層13との間には隙間が設けられている。別言すると、第1封止部31Aの内壁面と酸化物半導体層13とは互いに離間している。
図6に示すように、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっている。さらに、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっている。
また、第2一体化封止部32は、対極20のうち作用極10と反対側に設けられる本体部32dと、隣り合う対極20同士の間に設けられる接着部32eとを有している。第2一体化封止部32は、接着部32eによって第1一体化封止部31に接着されている。
そして、DSCモジュール100を透明基板11側から導電性基板15の厚さ方向に見た場合に、導電性基板15のうち封止部30A側の表面において、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の縁部との間の領域のうち、外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び後述する端子部35a,35b以外の領域の全てを覆うように、光の透過を防止する絶縁性の光透過防止層34が環状に設けられている。従って、外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び後述する端子部35a,35bは光透過防止層34と隣接している。そして、光透過防止層34は着色されている。従って、光透過防止層34は、導電性基板15の厚さ方向において、配線材60Pと重なるように配線材60Pと導電性基板15との間に設けられており、封止部30Aの外側に設けられる透明導電層12同士間の第2の溝90Bをも覆っている。なお、本実施形態では、光透過防止層34の一部は、絶縁材部33として、図1に示すように、第1封止部31Aと溝90との間に、隣り合う透明導電層12A〜12F同士間の溝90に入り込み且つ隣り合う透明導電層12にまたがるように、環状の封止部30Aの外形に沿って全周に設けられている。詳しく述べると、絶縁材部33は、溝90のうち透明導電層12の本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aが形成されている部分においては、第1の溝90Aに入り込むとともに、第1の溝90Aを形成している本体部12aの縁部をも覆っている。一方、第1の溝90Aが形成されていない本体部12aと突出部12cとの間においても、透明導電層12上に絶縁材部33が形成され、封止部30Aの外形に沿って、全周に渡って絶縁材部33が形成されている。また、絶縁材部33は、第1の溝90Aを挟んで本体部12aと反対側の透明導電層12の縁部も覆っており、封止部30Aの外側まで設けられている。
光透過防止層34のうち絶縁材部33を除いた部分である光透過防止部34aは、絶縁材部33を包囲するように設けられており、絶縁材部33と一体になっている。また「全てを覆う」とは、光透過防止層34が、導電性基板15のうち封止部30A側の表面を導電性基板15の厚さ方向に見た場合に、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の縁部との間の領域の90%以上を覆っていることを言うものとする。ここで、仮に導電性基板15に開口が形成される場合には、開口の縁部も導電性基板15の縁部を構成するため、その開口の面積は、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の縁部との間の領域の面積から除外される。
図1に示すように、導電性基板15の上にはバックシート80が設けられている。バックシート80は、DSC50を、透明基板11のうち透明導電層12が設けられている面側で覆うように設けられている。バックシート80は、耐候性層と、金属層とを含む積層体80Aと、積層体80Aに対し金属層と反対側に設けられ、光透過防止層34を介して導電性基板15と接着する接着部80Bとを含む。ここで、接着部80Bは、バックシート80を導電性基板15に接着させるためのものであり、図1に示すように、積層体80Aの周縁部に形成されていればよい。但し、接着部80Bは、積層体80AのうちDSC50側の面全体に設けられていてもよい。バックシート80の周縁部80aは、接着部80Bによって、光透過防止層34を介して透明導電層12のうち透明導電層12D,12E,12Fと接続されている。ここで、接着部80BはDSC50の封止部30Aと離間している。なお、バックシート80より内側で且つ封止部30Aの外側の空間に電解質40は充填されていない。
また透明導電層12Dを覆っている光透過防止層34の上では、透明導電層12Dよりも低い抵抗及び集電機能を有する配線材17が本体部12a、接続部12gおよび電流取出し部12fに沿って延びている。この配線材17は、光透過防止層34のうちバックシート80と導電性基板15との間の部分と交差しないように配置されている。別言すると、配線材17は、光透過防止層34よりも内側に配置されている。但し、配線材17の一端は、光透過防止層34を貫通する貫通孔内に設けられ且つ透明導電層12Dに直接接続される端子部35aに接続され、配線材17の他端は、光透過防止層34を貫通する貫通孔内に設けられ且つ透明導電層12Dに直接接続される端子部35bに接続されている。ここで、端子部35a,35bは着色されており、本発明における端子部を構成している。本実施形態では、端子部35aによって第1接続部が構成され、端子部35bによって第2接続部が構成されている。またDSCモジュール100では、端子部35a,35bの間において、配線材17の少なくとも一部が光透過防止層34上に直接設けられていていてもよく、光透過防止層34上に直接設けられていなくてもよい。
なお、図2に示すように、各DSC50A〜50Dにはそれぞれ、バイパスダイオード70A〜70Dが並列に接続されている。具体的には、バイパスダイオード70Aは、DSC50AとDSC50Bとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定され、バイパスダイオード70Bは、DSC50BとDSC50Cとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定され、バイパスダイオード70Cは、DSC50CとDSC50Dとの間の第2一体化封止部32の仕切部32b上に固定されている。バイパスダイオード70Dは、DSC50Dの封止部30A上に固定されている。そして、バイパスダイオード70A〜70Dを通るように対極20の金属基板21に配線材60Qが固定されている。またバイパスダイオード70A,70B間、バイパスダイオード70B,70C間、バイパスダイオード70C,70D間の配線材60Qからはそれぞれ配線材60Pが分岐し、透明導電層12A上の配線材接続部16A、透明導電層12B上の配線材接続部16A、透明導電層12C上の配線材接続部16Aにそれぞれ接続されている。またDSC50Aの対極20の金属基板21にも配線材60Pが固定され、この配線材60Pは、バイパスダイオード70Aと、透明導電層12E上の接続端子16の配線材接続部16Aとを接続している。さらにバイパスダイオード70Dは、配線材60Pを介して透明導電層12Dに接続されている。
また、図1に示すように、各DSC50の対極20上には、乾燥剤95が設けられている。
上記DSCモジュール100では、本発明における端子部を構成する接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bが着色されるとともに、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bに隣接する光透過防止層34も着色されている。そして、光透過防止層34が接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bに隣接している。このため、DSCモジュール100を導電性基板15の厚さ方向に見た場合、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bが際立って見えることを十分に抑制することが可能となる。このため、良好な外観を実現することができる。また、DSCモジュール100によれば、透明導電層12を着色させないで済むため、DSCモジュール100の光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
またDSCモジュール100では、導電性基板15と配線材60Pとの間において、DSCモジュール100を導電性基板15の厚さ方向に見た場合に配線材60Pと光透過防止層34とが重なるように光透過防止層34が設けられている。また、導電性基板15と配線材17との間には、配線材17と光透過防止層34とが重なるように光透過防止層34が設けられている。このため、光透過防止層34の裏側にある配線材60P及び配線材17を隠すことが可能となる。このため、より良好な外観を実現することができる。
またDSCモジュール100では、光透過防止層34が絶縁性であるため、透明導電層12A〜12C及び12Eの第1接続部である接続端子16同士が短絡することを防止することができる。
またDSCモジュール100では、絶縁材部33が、光透過防止部34aと一体となって、光の透過を防止する光透過防止層34として機能する。このため、DSCモジュール100を図8に示すように、導電性基板15からその厚さ方向に見た場合に、絶縁材部33の裏側にある第1封止部31Aや対極20の色や形状を隠すことも可能となる。このため、良好な外観を実現することができる。また、封止部30Aに着色剤を導入することによって封止部30Aを着色させ、対極20の色を隠すことも可能であるが、この場合に比べて、DSCモジュール100の耐久性を向上させることができる。
またDSCモジュール100では、導電性基板15のうち封止部30A側の表面において、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の外周縁との間の領域のうち、外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び端子部35a,35b以外の領域の全てを覆うように、光の透過を防止する絶縁性の光透過防止層34が環状に設けられている。このため、DSCモジュール100を透明基板11側から導電性基板15の厚さ方向に見た場合に、封止部30Aと、導電性基板15の縁部との間の領域のうち外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び端子部35a,35b以外の領域が光透過防止層34によって隠されるので、より良好な外観を実現できる。
さらにDSCモジュール100では、光透過防止層34の一部である絶縁材部33が溝90のすべてに入り込むとともに、絶縁材部33がすべての溝90の両側の透明導電層12の縁部を覆っている。このため、そもそも溝90に水分が侵入できず、溝90に形成されたクラックにも水分が侵入できなくなるため、溝90を介して水分が侵入することをより一層抑制することができる。また、絶縁材部33がすべての溝90の両側の透明導電層12の縁部も覆っているため、溝90の両側の透明導電層12の間での絶縁性も十分に確保することができる。また、DSCモジュール100では、隣接するDSC50の透明導電層12の間の第1の溝90Aのすべてにも絶縁材部33が入り込んでいるため、透明導電層12同士の間に流れる電流をより抑制することができ絶縁性を十分に確保することができる。このため、光電変換特性をより向上させることができる。
また上記DSCモジュール100では、溝90が設けられており、溝90は、環状の封止部30Aの外形に沿って形成される第1の溝90Aを有する。そして、その第1の溝90Aに、絶縁材部33が入り込むとともに、この絶縁材部33が、連続して本体部12aの縁部をも覆っている。このため、透明基板11の内部であって溝90の下方の位置に溝90に沿ってクラックが形成され、そのクラックが本体部12aの縁部にまでつながっていたとしても、そのクラックを経た封止部30Aの外部からの水分の侵入が絶縁材部33によって十分に抑制される。このため、DSCモジュール100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
またDSCモジュール100では、絶縁材部33は、封止部30Aの外形に沿って、全周に渡って設けられているため、外部からの水分の侵入経路を全周に渡って遮断することができ、より優れた耐久性を有することが可能となる。
さらにDSCモジュール100では、第1の溝90Aが、本体部12aの縁部に沿って設けられている。このため、第1の溝90Aが本体部12aの縁部よりも外側に形成される場合に比べ、第1の溝90Aで囲まれる領域を小さくすることができ、DSCモジュール100を小型化することができる。
またDSCモジュール100では、バックシート80の周縁部80aの全周にわたって、絶縁性の光透過防止層34が設けられているため、バックシート80の外側からバックシート80の内側に水分が侵入することを、十分に抑制することができる。特に、DSCモジュール100では、バックシート80の周縁部80aと交差する第2の溝90Bが、光透過防止層34で覆われている。このため、次の効果が得られる。すなわち、DSCモジュール100では、第2の溝90Bに光透過防止層34が入り込み、光透過防止層34が、透明導電層12のうち本体部12aを除く部分の縁部をも覆っているため、第2の溝90Bを通じて水分がバックシート80の周縁部80aの内側に侵入した場合でも、バックシート80の外側からバックシート80と導電性基板15との間の空間への水分の侵入が十分に抑制される。このため、バックシート80と導電性基板15との間の空間に侵入した水分が封止部30Aを通じて封止部30Aの内側に入り込むことが十分に抑制される。このため、DSCモジュール100の耐久性の低下を十分に抑制することが可能となる。
また、DSCモジュール100では、絶縁材部33及び光透過防止層34は一体化されている。このため、バックシート80内に水分が侵入したとしても、絶縁材部33と光透過防止部34aとの間に界面が生じないので、一体となって水分の侵入を防止することができ。このため、より一層優れた耐久性を有することが可能となる。
さらにDSCモジュール100では、隣接するDSC50の透明導電層12の間の第1の溝90Aにも絶縁材部33が入り込んでいるため、透明導電層12同士の間に流れる電流を抑制することができ絶縁性を十分に確保することができる。このため、光電変換特性を向上させることができる。
またDSCモジュール100では、封止部30Aと絶縁材部33とが重なるように配置されている。このため、絶縁材部33が封止部30Aと重ならないように配置されている場合に比べて、DSCモジュール100の受光面側から見た、発電に寄与する部分の面積をより増加させることができる。このため、開口率をより向上させることができる。
またDSCモジュール100では、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、DSC50Aの周囲であって透明導電層12Aに対し透明導電層12Bと反対側に配置され、透明導電層12Aの第1電流取出し部12fおよび透明導電層12Fの第2電流取出し部12hは互いに溝90を介して隣り合うように配置されている。このため、DSCモジュール100においては、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hのそれぞれに外部接続端子18a,18bを隣り合うように配置することが可能となる。従って、外部接続端子18a,18bから電流を外部に取り出すためのコネクタの数を1つとすることが可能となる。すなわち、仮に、第1電流取出し部12fが透明導電層12Dに対し透明導電層12Cと反対側に配置されている場合、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hが互いに大きく離れて配置されるため、外部接続端子18a,18bも大きく離れて配置されることになる。この場合、DSCモジュール100から電流を取り出すには、外部接続端子18aに接続するコネクタと、外部接続端子18bに接続するコネクタの2つのコネクタが必要になる。しかし、DSCモジュール100によれば、外部接続端子18a,18bを隣り合うように配置することが可能となるため、コネクタは1つで済む。このため、DSCモジュール100によれば、省スペース化を図ることができる。また、DSCモジュール100は、低照度下で使用されると、発電電流が小さい。具体的には、発電電流は2mA以下である。このため、DSC50A〜50Dの両端のDSC50A,50Dのうち一端側のDSC50Dの透明導電層12Dの一部を、他端側のDSC50Aの対極20の金属基板21に電気的に接続された第2電流取出し部12hの隣りに溝90を介して第1電流取出し部12fとして配置しても、DSCモジュール100の光電変換性能の低下を十分に抑制することができる。
また、DSCモジュール100では、DSC50A〜50DがX方向に沿って一列に配列されており、DSC50A〜50Dの両端のDSC50A,50Dのうち一端側のDSC50Dの透明導電層12Dが、封止部30Aの内側に設けられる本体部12aと、第1電流取出し部12fと、本体部12aと第1電流取出し部12fとを接続する接続部12gとを有する。このため、DSC50A〜50Dの一部であるDSC50C、50Dを途中で折り返し、DSC50AとDSC50Dとをそれらが互いに隣り合うように配置する場合に比べて、隣り合う2つのDSC50同士を接続するためにDSC50A〜50Dの配列方向(図2のX方向)に沿って設けられる接続端子16の設置領域をより短くすることが可能となり、より省スペース化を図ることが可能となる。また、DSCモジュール100によれば、当該DSCモジュール100が低照度環境下で使用される場合、通常、発電電流が小さいため、DSCモジュール100が、本体部12aと第1電流取出し部12fとを接続する第1接続部12gをさらに有していても、光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
さらに、DSCモジュール100では、配線材17が、光透過防止層34のうちバックシート80と導電性基板15との間の部分と交差しないように配置されている。配線材17は一般に、多孔質であるため通気性を有しており、水蒸気等のガスが透過可能となっているところ、配線材17が、光透過防止層34のうちバックシート80と導電性基板15との間の部分と交差しないように配置されていると、配線材17を通してバックシート80と導電性基板15との間の空間に外部から水蒸気等が侵入することを防止することができる。その結果、DSCモジュール100は優れた耐久性を有することが可能となる。また配線材17は、透明導電層12Dよりも低い抵抗を有するため、発電電流が大きくなっても、光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
さらに、DSCモジュール100が温度変化の大きい環境下に置かれた場合、接続端子16の幅が狭いほど、接続端子16は、透明導電層12の突出部12cから剥離しにくくなる。その点、DSCモジュール100では、接続端子16のうち配線材非接続部16Bが、配線材60Pと接続される配線材接続部16Aより狭い幅を有する。このため、接続端子16のうち配線材非接続部16Bは、透明導電層12の突出部12cから剥離しにくくなる。従って、仮に配線材接続部16Aが透明導電層12の突出部12cから剥離しても、配線材非接続部16Bは透明導電層12から剥離せず透明導電層12に対する接続を維持することが可能となる。また配線材接続部16Aが透明導電層12の突出部12cから剥離しても、DSCモジュール100は正常に動作することが可能である。従って、DSCモジュール100によれば、接続信頼性を向上させることが可能となる。また、隣り合う2つのDSC50のうち一方のDSC50における対極20の金属基板21に接続された配線材60Pは、他方のDSC50における突出部12c上の配線材接続部16Aと接続され、配線材接続部16Aは、突出部12c上で封止部30Aの外側に設けられている。すなわち、隣り合う2つのDSC50同士の接続が封止部30Aの外側で行われる。このため、DSCモジュール100によれば、開口率を向上させることが可能となる。
またDSCモジュール100では、DSC50A〜50Dのうち隣りのDSC50と接続されるDSC50において、突出部12cが、本体部12aから側方に張り出す張出し部12dと、張出し部12dから延びて、隣りのDSC50の本体部12aに対向する対向部12eとを有し、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが対向部12e上に設けられている。
この場合、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが、隣りのDSC50の本体部12aに対向する対向部12e上に設けられているため、接続端子16のうち少なくとも配線材接続部16Aが、隣りのDSC50の本体部12aに対向する対向部12e上に設けられていない場合と異なり、配線材接続部16Aに接続される配線材60Pが、隣りのDSC50の対極20の金属基板21を横切ることを十分に防止することが可能となる。その結果、隣り合うDSC50同士間の短絡を十分に防止することが可能となる。
またDSCモジュール100では、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bはいずれも封止部30Aに沿って配置されている。このため、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bを封止部30Aから遠ざかる方向に沿って配置する場合に比べて、接続端子16のために要するスペースを省くことができる。
さらにDSCモジュール100では、バックシート80の接着部80Bは、DSC50の封止部30Aと離間している。このため、接着部80Bが、低温時において収縮することにより封止部30Aを引っ張って、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力が加わることが十分に抑制される。また、高温時においても、接着部80Bが、膨張することにより封止部30Aを押して、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力を加えることが十分に抑制される。すなわち、高温時でも低温時でも、封止部30Aと導電性基板15又は対極20との界面に過大な応力が加わることが十分に抑制される。このため、DSCモジュール100は、優れた耐久性を有することが可能となる。
さらに、DSCモジュール100では、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっている。このため、DSCモジュール100における開口率をより十分に向上させることができる。またDSCモジュール100では、隣り合う第1封止部31A同士、及び、隣り合う第2封止部32A同士が、隣り合う対極20の間で一体化されている。ここで、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されなければ、隣り合うDSC50の間においては、大気に対して露出される封止部が2箇所となる。これに対し、DSCモジュール100においては、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されているため、隣り合うDSC50の間において、大気に対して露出される封止部が1箇所となる。すなわち、第1一体化封止部31は、環状部31aと、仕切部31bとで構成されているため、隣り合うDSC50の間において、大気に対して露出される封止部が仕切部31bの1箇所のみとなる。また第1封止部31A同士が一体化されることで、大気から電解質40までの水分等の侵入距離が延びる。このため、隣り合うDSC50間において、DSC50の外部から侵入する水分や空気の量を十分に低減することができる。すなわち、DSCモジュール100の封止能を十分に向上させることができる。またDSCモジュール100によれば、隣り合う第1封止部31A同士が一体化されている。このため、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pが、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くても、その仕切部31bにおいて十分な封止幅を確保することが可能となる。すなわち、DSCモジュール100によれば、開口率を向上させながら、第1封止部31Aと導電性基板15との接着強度、及び、第1封止部31Aと対極20との接着強度を十分に大きくすることが可能となる。その結果、開口率を向上させることができると共に、DSCモジュール100が高温下で使用される場合に電解質40が膨張して第1封止部31Aの内側から外側に向かう過大な応力が加えられても、導電性基板15及び対極20からの第1封止部31Aの剥離を十分に抑制することができ、優れた耐久性を有することが可能となる。
さらに、DSCモジュール100では、対極20と第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっている。この場合、第1一体化封止部31の仕切部31bにおいて、仕切部31bの幅が環状部31aの幅Tの100%以上であるため、第1一体化封止部31の仕切部31bにおいて、仕切部31bの幅Rが環状部31aの幅Tの100%未満である場合と比べて、大気から電解質40までの水分等の侵入距離がより延びることになる。このため、隣り合うDSC50間にある仕切部31bを通して外部から水分が侵入することをより十分に抑制することができる。一方、仕切部31bの幅Rが環状部31aの幅Tの200%を超える場合と比べて、開口率をより向上させることができる。
またDSCモジュール100においては、第2封止部32Aが、第1封止部31Aと接着されており、対極20の縁部20aが第1封止部31Aと第2封止部32Aとによって挟持されている。このため、対極20に対して作用極10から離れる方向の応力が作用しても、その剥離が第2封止部32Aによって十分に抑制される。また、第2一体化封止部32の仕切部32bは、隣り合う対極20同士間の隙間Sを通って第1封止部31Aに接着されているため、隣り合うDSC50の対極20同士が接触することが確実に防止される。
次に、光透過防止層34、作用極10、光増感色素、対極20、封止部30A、電解質40、配線材60P,60Q、バックシート80および乾燥剤95について詳細に説明する。
(光透過防止層)
光透過防止層34を構成する材料は、光の透過を防止することが可能で且つ着色されている絶縁材料で構成されていればよい。このような絶縁材料としては、着色された樹脂や着色された無機絶縁材料が挙げられるが、中でも、着色された無機絶縁材料が好ましい。この場合、次の効果が得られる。すなわち、光透過防止層34は第2の溝90Bをも覆っている。ここで、光透過防止層34が樹脂ではなく無機絶縁材料で構成されると、第2の溝90Bからの水分の侵入をより十分に抑制できる。
着色された無機絶縁材料としては、例えば着色されたガラスフリット等の無機絶縁材料が用いられる。
ここで、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bで構成される端子部と、光透過防止層34との間におけるL色空間のL*の差は特に制限されるものではないが、3以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。この場合、光透過防止層34の色が接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bの色により近づくことになるため、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bが際立って見えることをより十分に抑制することが可能となる。
また酸化物半導体層13と光透過防止層34との間におけるL色空間のL*の差も特に制限されるものではないが、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
光透過防止層34の色は着色されている限り特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の色を用いることが可能である。光透過防止層34の厚さは通常、10〜30μmであり、好ましくは15〜25μmである。
なお、光透過防止層34の一部である絶縁材部33が透明導電層12の縁部を覆う幅は、0.2mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。透明導電層12の縁部を覆う幅を0.2mm以上とすることで、隣接するDSC50の透明導電層12の間の絶縁性を十分に確保することができる。但し、絶縁材部33が透明導電層12の縁部を覆う幅は、5mm以下であることが好ましい。
(作用極)
透明基板11を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、および、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板11の厚さは、DSCモジュール100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
透明導電層12に含まれる材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電層12は、単層でも、異なる導電性金属酸化物を含む複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電層12が単層で構成される場合、透明導電層12は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOを含むことが好ましい。透明導電層12は、ガラスフリットをさらに含んでもよい。透明導電層12の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
また透明導電層12のうち透明導電層12Dの接続部12gの抵抗値は、特に制限されるものではないが、下記式(1)で表される抵抗値以下であることが好ましい。
抵抗値=直列接続されるDSC50の数×120Ω (1)
この場合、接続部12gの抵抗値が、上記式(1)で表される抵抗値を超える場合と比べて、DSCモジュール100の性能低下を十分に抑制することができる。本実施形態では、DSC50の数は4であるから、上記式(1)で表わされる抵抗値は480Ωとなるので、接続部12gの抵抗値は480Ω以下であることが好ましい。
接続端子16は、金属材料、カーボンなどの導電材料を含む。金属材料としては、例えば銀、銅およびインジウムなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いてもよい。中でも、導電材料はカーボンで構成されることが好ましい。カーボンは優れた導電性を有しながらも黒色であるため、銀などの金属材料を含む場合に比べて、接続端子16が際立って見えることがより十分に抑制される。
接続端子16は、上記導電材料のほか、樹脂も含む。樹脂としては、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられるが、中でも、高温になっても熱膨張しにくく、抵抗の経時的変化をより小さくできることから、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。
酸化物半導体層13と、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bとの間におけるL色空間のL*の差は特に制限されるものではないが、酸化物半導体層13と光透過防止層34との間におけるL色空間のL*の差が5以下である場合には、5以下であることが好ましい。この場合、接続端子16、外部接続端子18a,18b、端子部35a,35b、及び、光透過防止層34の各々の色を酸化物半導体層13の色により近づけることが可能となる。別言すると接続端子16、外部接続端子18a,18b、端子部35a,35b、光透過防止層34及び酸化物半導体層13の色を単一色に近づけることが可能となる。このため、接続端子16、外部接続端子18a,18b、端子部35a,35b、及び、光透過防止層34が酸化物半導体層13に対して際立って見えることがより十分に抑制される。ここで、酸化物半導体層13と、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bとの間におけるL色空間のL*の差は3以下であることがより好ましい。
接続端子16においては、配線材非接続部16Bの幅は、配線材接続部16Aの幅より狭ければ特に制限されないが、配線材接続部16Aの幅の1/2以下であることが好ましい。
この場合、配線材非接続部16Bの幅が配線材接続部16Aの幅の1/2を超える場合に比べて、DSCモジュール100における接続信頼性をより向上させることが可能となる。
配線材接続部16Aの幅は特に制限されないが、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは0.8〜2mmである。
外部接続端子18a,18bは、着色されている限り、接続端子16と同一の材料で構成されても異なる材料で構成されてもよいが、同一の材料で構成されることが好ましい。
端子部35a,35bも、着色されている限り、接続端子16と同一の材料で構成されても異なる材料で構成されてもよいが、同一の材料で構成されることが好ましい。
酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子で構成される。酸化物半導体粒子は、例えば酸化チタン(TiO)、酸化シリコン(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される。
酸化物半導体層13は通常、光を吸収するための吸収層で構成されるが、吸収層と吸収層を透過した光を反射して吸収層に戻す反射層とで構成されてもよい。
酸化物半導体層13の厚さは通常は、0.5〜50μmとすればよいが、18〜35μmとすることが好ましい。この場合、厚さが18μm未満である場合に比べて、酸化物半導体層13からの反射光又は散乱光により、DSCモジュール100を導電性基板15側から見た場合に、酸化物半導体層13の周囲が明るく見えることを十分に抑制することができる。一方、厚さが18〜35μmであると、厚さが35μmを超える場合に比べて、透明導電層12からの酸化物半導体層13の剥離や、酸化物半導体層13におけるひび割れの発生をより十分に抑制できる。
(光増感色素)
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
(対極)
対極20は、上述したように、金属基板21と、金属基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備える。
金属基板21は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン、アルミ、ステンレス等の耐食性の金属材料で構成される。金属基板21の厚さは、DSCモジュール100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜0.1mmとすればよい。
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。中でも、DSCモジュール100を導電性基板15の光入射側から見た場合に、酸化物半導体層13と封止部30との間の隙間から見える対極20の色や形状等を目立たなくするという観点からは、炭素系材料が好ましい。ここで、炭素系材料としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及びケッチェンブラックなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
(封止部)
封止部30Aは、第1封止部31Aと、第2封止部32Aとで構成される。
第1封止部31Aを構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
第1封止部31Aの厚さは通常、40〜90μmであり、好ましくは60〜80μmである。
対極20と仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qの25%以上100%未満であることが好ましい。この場合、接着部の幅Pが、接着部の幅Qの25%未満である場合と比べて、より優れた耐久性を有することが可能となる。接着部の幅Pは、接着部の幅Qの30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
DSCモジュール100においては、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満であることが好ましく、120〜180%であることがより好ましい。
この場合、大きな開口率と優れた耐久性とをバランスさせることができる。
第2封止部32Aを構成する材料としては、第1封止部31Aと同様、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
第2封止部32Aの厚さは通常、20〜45μmであり、好ましくは30〜40μmである。
(電解質)
電解質40は、例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、バレロニトリル、ピバロニトリル、グルタロニトリル、メタクリロニトリル、イソブチロニトリル、フェニルアセトニトリル、アクリロニトリル、スクシノニトリル、オキサロニトリル、ペンタニトリル、アジポニトリルなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオン、亜鉛錯体、鉄錯体、コバルト錯体などのレドックス対が挙げられる。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体を用いてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、エチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ブチルメチルイミダゾリウムアイオダイド、又は、メチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドが好適に用いられる。
また、電解質40は、上記有機溶媒に代えて、上記イオン液体と上記有機溶媒との混合物を用いてもよい。
また電解質40には添加剤を加えることができる。添加剤としては、LiI、I、4−t−ブチルピリジン、グアニジウムチオシアネート、1−メチルベンゾイミダゾール、1−ブチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
さらに電解質40としては、上記電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
なお、電解質40は、I/I からなる酸化還元対を含み、I の濃度が0.006mol/リットル以下であることが好ましい。この場合、電子を運ぶI の濃度が低いため、漏れ電流をより減少させることができる。このため、開放電圧をより増加させることができるため、光電変換特性をより向上させることができる。特に、I の濃度は0.005mol/リットル以下であることが好ましく、0〜6×10−6mol/リットルであることがより好ましく、0〜6×10−8mol/リットルであることがさらに好ましい。この場合、DSCモジュール100を導電性基板15の光入射側から見た場合に、電解質40の色を目立たなくすることができる。
(配線材)
配線材60P,60Qとしては、例えば金属膜が用いられる。金属膜を構成する金属材料としては、例えば銀又は銅などを用いることができる。
(バックシート)
バックシート80は、上述したように、耐候性層と、金属層とを含む積層体80Aと、積層体80AのDSC50側の面に設けられ、積層体80Aと光透過防止層34とを接着する接着部80Bとを含む。
耐候性層は、例えばポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートで構成されていればよい。
耐候性層の厚さは、例えば50〜300μmであればよい。
金属層は、例えばアルミニウムを含む金属材料で構成されていればよい。金属材料は通常、アルミニウム単体で構成されるが、アルミニウムと他の金属との合金であってもよい。他の金属としては、例えば銅、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉛、及び、ビスマスが挙げられる。具体的には、98%以上の純アルミニウムにその他の金属が微量添加された1000系アルミニウムが望ましい。これは、この1000系アルミニウムが、他のアルミニウム合金と比較して、安価で、加工性に優れているためである。
金属層の厚さは特に制限されるものではないが、例えば12〜30μmであればよい。
積層体80Aは、さらに樹脂層を含んでいてもよい。樹脂層を構成する材料としては、例えばブチルゴム、ニトリルゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。樹脂層は、金属層のうち耐候性層と反対側の表面全体に形成されていてもよいし、周縁部にのみ形成されていてもよい。
接着部80Bを構成する材料としては、例えばブチルゴム、ニトリルゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。接着部80Bの厚さは特に制限されるものではないが、例えば300〜1000μmであればよい。
(乾燥剤)
乾燥剤95は、シート状であっても、粒状であってもよい。乾燥剤95は、例えば水分を吸収するものであればよく、乾燥剤95としては、例えばシリカゲル、アルミナ、ゼオライトなどが挙げられる。
次に、DSCモジュール100の製造方法について図3、図7および図9を参照しながら説明する。図7は、バックシートを固定するための光透過防止層を形成した作用極を示す平面図、図9は、図4の第1一体化封止部を形成するための第1一体化封止部形成体を示す平面図である。
まず1つの透明基板11の上に透明導電層を形成してなる積層体を用意する。
透明導電層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法又はCVD法などが用いられる。
次に、図3に示すように、透明導電層に対して溝90を形成し、互いに溝90を介在させて絶縁状態で配置される透明導電層12A〜12Fを形成する。具体的には、DSC50A〜50Dに対応する4つの透明導電層12A〜12Dは、四角形状の本体部12a及び突出部12cを有するように形成する。このとき、DSC50A〜50Cに対応する透明導電層12A〜12Cについては、突出部12cが張出し部12dのみならず、張出し部12dから延びて、隣りのDSC50の本体部12aに対向する対向部12eをも有するように形成する。また透明導電層12Dについては、四角形状の本体部12a及び張出し部12dのみならず、第1電流取出し部12fと、第1電流取出し部12fと本体部12aとを接続する接続部12gとを有するように形成する。このとき、第1電流取出し部12fは、透明導電層12Aに対し、透明導電層12Bと反対側に配置されるように形成する。さらに、透明導電層12Eは、第2電流取出し部12hが形成されるように形成する。このとき、第2電流取出し部12hは、透明導電層12Aに対し、透明導電層12Bと反対側に配置され、且つ、第1電流取出し部12fの隣りに溝90を介して配置されるように形成する。
溝90は、例えばYAGレーザ又はCOレーザ等を光源として用いたレーザスクライブ法によって形成することができる。
こうして、透明基板11の上に透明導電層12を形成してなる導電性基板15が得られる。
次に、透明導電層12A〜12Cのうちの突出部12c上に、配線材接続部16Aと配線材非接続部16Bとで構成される接続端子16の前駆体を形成する。具体的には、接続端子16の前駆体は、配線材接続部16Aが対向部12e上に設けられるように形成する。また透明導電層12Eにも接続端子16の前駆体を形成する。また配線材非接続部16Bの前駆体は、配線材接続部16Aの幅よりも狭くなるように形成する。接続端子16の前駆体は、例えば導電材を含むペーストを塗布し乾燥させることで形成することができる。ここで、導電材がカーボンで構成される場合には、カーボンと樹脂とを含む着色されたマスターバッチをペーストに含めることが好ましい。樹脂としては、上述したように、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。
また、透明導電層12Dの第1電流取出し部12f、透明導電層12Fの第2電流取出し部12h上にはそれぞれ外部に電流を取り出すための外部接続用端子18a,18bの前駆体を形成する。外部接続用端子の前駆体としては、例えば接続端子16の前駆体と同様のものを用いることができる。
また、透明導電層12Dの本体部12a及び第1電流取出し部12fの上には端子部35a,35bの前駆体を形成する。端子部35a,35bの前駆体としては、接続端子16の前駆体と同様のものを用いることができる。端子部35a,35bの前駆体は、例えば銀ペーストを塗布し乾燥させることで形成することができる。
さらに、本体部12aの縁部に沿って形成される第1の溝90Aに入り込み且つ本体部12aの縁部をも覆うように、且つ、導電性基板15の透明導電層12側の表面のうち、接続端子16、外部接続端子18a,18b、及び端子部35a,35bの前駆体を除く領域を覆うように光透過防止層34の前駆体を形成する。光透過防止層34は、例えば着色されたガラスフリットを含むペーストを塗布し乾燥させることによって形成することができる。
さらに透明導電層12A〜12Dの各々の本体部12aの上に、酸化物半導体層13の前駆体を形成する。酸化物半導体層13の前駆体は、酸化物半導体粒子を含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷した後、乾燥させることで形成することができる。
酸化物半導体層形成用ペーストは、酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。
酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、又はバーコート法などを用いることができる。
そして、接続端子16の前駆体、光透過防止層34の前駆体、酸化物半導体層13の前駆体を一括して焼成し、接続端子16、光透過防止層34および酸化物半導体層13を形成する。
このとき、焼成温度は酸化物半導体粒子やガラスフリットの種類により異なるが、通常は350〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子やガラスフリットの種類により異なるが、通常は1〜5時間である。
こうして、図7に示すように、バックシート80を固定するための光透過防止層34が形成された作用極10が得られる。
次に、作用極10の酸化物半導体層13に光増感色素を担持させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する色素溶液の中に浸漬させ、その光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させればよい。但し、色素溶液を酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させても、光増感色素を酸化物半導体層13に担持させることが可能である。なお、接続端子16の前駆体、外部接続用端子の前駆体、及び、端子部35a,35bの前駆体が、カーボンと樹脂とを含む着色されたマスターバッチを含むペーストで構成される場合には、作用極10を、色素溶液中に浸漬する前に、接続端子16の前駆体、外部接続用端子の前駆体、及び、端子部35a,35bの前駆体を保護フィルムで予め覆うことが好ましい。この場合、作用極10が、色素溶液中に浸漬されても、着色されたマスターバッチやカーボンが色素溶液中に溶け出すことが十分に防止され、光増感色素が劣化することを十分に抑制することができる。このとき、保護フィルムとしては、例えばリニアポリエチレンフィルムなどを用いることができる。
次に、酸化物半導体層13の上に電解質40を配置する。
次に、図9に示すように、第1一体化封止部31を形成するための第1一体化封止部形成体131を準備する。第1一体化封止部形成体131は、第1一体化封止部31を構成する材料からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムにDSC50の数に応じた四角形状の開口131aを形成することによって得ることができる。第1一体化封止部形成体131は、複数の第1封止部形成体131Aを一体化させてなる構造を有する。
そして、この第1一体化封止部形成体131を、作用極10の上に接着させる。このとき、第1一体化封止部形成体131は、光透過防止層34の絶縁材部33と重なるように作用極10に接着する。第1一体化封止部形成体131の作用極10への接着は、第1一体化封止部形成体131を加熱溶融させることによって行うことができる。また第1一体化封止部形成体131は、透明導電層12の本体部12aが第1一体化封止部形成体131の内側に配置されるように作用極10に接着する。
一方、DSC50の数と同数の対極20を用意する。
対極20は、金属基板21上に、対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22を形成することにより得ることができる。
次に、上述した第1一体化封止部形成体131をもう1つ用意する。そして、複数の対極20の各々を、第1一体化封止部形成体131の各開口131aを塞ぐように貼り合わせる。
次に、対極20に接着した第1一体化封止部形成体131と、作用極10に接着した第1一体化封止部形成体131とを重ね合わせ、第1一体化封止部形成体131を加圧しながら加熱溶融させる。こうして作用極10と対極20との間に第1一体化封止部31が形成される。このとき、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pが、対極20のうち導電性基板15側の面と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなるように第1一体化封止部31を形成する。また第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となるように第1一体化封止部31を形成する。第1一体化封止部31の形成は、大気圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。
次に、第2一体化封止部32を準備する(図5参照)。第2一体化封止部32は、複数の第1封止部32Aを一体化させてなる構造を有する。第2一体化封止部32は、1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムにDSC50の数に応じた四角形状の開口32cを形成することによって得ることができる。第2一体化封止部32は、第1一体化封止部31と共に対極20の縁部20aを挟むように対極20に貼り合わせる。第2一体化封止部32の対極20への接着は、第2一体化封止部32を加熱溶融させることによって行うことができる。
封止用樹脂フィルムとしては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を含む変性ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。第2一体化封止部32の形成のための封止用樹脂フィルムの構成材料は、第1一体化封止部31の形成のための封止用樹脂フィルムの構成材料よりも高い融点を有することが好ましい。この場合、第2封止部32Aは、第1封止部31Aよりも硬くなるため、隣り合うDSC50の対極20同士の接触を効果的に防止することができる。また第1封止部31Aは第2封止部32Aよりも軟らかくなるため、封止部30Aに加わる応力を効果的に緩和することができる。
次に、第2封止部32の仕切部32bにバイパスダイオード70A,70B,70Cを固定する。またDSC50Dの封止部30A上にもバイパスダイオード70Dを固定する。
そして、バイパスダイオード70A〜70Dを通るように配線材60QをDSC50B〜50Dの対極20の金属基板21に固定する。さらにバイパスダイオード70A,70B間、バイパスダイオード70B,70C間、バイパスダイオード70C,70D間の各配線材60Qと、透明導電層12A上の配線材接続部16A、透明導電層12B上の配線材接続部16A、透明導電層12C上の配線材接続部16Aとをそれぞれ接続するように配線材60Pを形成する。また、透明導電層12E上の配線材接続部16Aとバイパスダイオード70Aとを接続するようにDSC50Aの対極20の金属基板21に配線材60Pを固定する。さらに、透明導電層12Dとバイパスダイオード70Dとを配線材60Pによって接続する。
このとき、配線材60Pは、配線材60Pを構成する金属材料を含むペーストを用意し、このペーストを、対極20から、隣りのDSC50の接続端子16の配線材接続部16Aにわたって塗布し、硬化させる。配線材60Qは、配線材60Qを構成する金属材料を含むペーストを用意し、このペーストを、各対極20上に隣り合うバイパスダイオードを結ぶように塗布し、硬化させる。このとき、上記ペーストとしては、光増感色素への悪影響を避ける観点から、90℃以下の温度で硬化させることが可能な低温硬化型のペーストを用いることが好ましい。
最後に、バックシート80を用意し、このバックシート80の周縁部80aを光透過防止層34に接着させる。このとき、バックシート80の接着部80BとDSC50の封止部30Aとが離間するようにバックシート80を配置する。
以上のようにしてDSCモジュール100が得られる。
なお、上述した説明では、接続端子16、光透過防止層34、および酸化物半導体層13を形成するために、接続端子16の前駆体、光透過防止層34の前駆体、酸化物半導体層13の前駆体を一括して焼成する方法を用いているが、接続端子16、光透過防止層34、および酸化物半導体層13はそれぞれ別々に前駆体を焼成して形成してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、導電性基板15のうち封止部30A側の表面において、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の外周縁との間の領域のうち、外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び端子部35a,35b以外の領域の全てを覆うように光透過防止層34が環状に設けられているが、光透過防止層34は、導電性基板15のうち封止部30A側の表面において、DSC50A〜50Dの第1封止部31Aと導電性基板15の外周縁との間の領域のうち、外部接続端子18a,18b、接続端子16、及び端子部35a,35b以外の領域の全てを覆っていることは必ずしも必要ではない。要するに、光透過防止層34は、接続端子16、外部接続端子18a,18b、端子部35a,35bに隣接してさえいればよい。
また上記実施形態では、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bの全てが着色されているが、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bのうちいずれか一つのみが着色されていてもよい。例えばDSCモジュールが筐体内に収容される場合、、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bのうちDSCモジュールを外から見た場合に筐体によって隠される部分については、着色されていなくてもよい。但し、接続端子16、外部接続端子18a,18b及び端子部35a,35bのうち筐体によって隠されていない部分については着色されていることが好ましい。例えば端子部35aや端子部35bは筐体によって隠される場合があるので、その場合には、端子部35a,35bは着色されていなくてもよい。
また端子部35a,35bは筐体によって隠されなくても、導電性が最も必要な部分であるため、接続端子16及び外部接続端子18a,18bが着色されている場合には、必ずしも着色されていなくてもよい。
また上記実施形態では、配線材60Pの一端は、接続端子16を介して透明導電層12に接続されているが、配線材60Pの一端は、透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第1接続部となる。
また上記実施形態では、配線材17の一端は、光透過防止層34に形成された貫通孔内に設けられる端子部35aを介して透明導電層12に接続されているが、配線材17の一端は光透過防止層34に形成された貫通孔を通って透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第1接続部となる。また上記実施形態では、配線材17の他端は、光透過防止層34に形成された貫通孔内に設けられる第2接続部としての端子部35bを介して透明導電層12に接続されているが、配線材17の他端は光透過防止層34に形成された貫通孔を通って透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第2接続部となる。
また上記実施形態では、DSCモジュール100が配線材17を有しているが、本発明の色素増感光電変換素子は、必ずしも配線材17を有していなくてもよい。この場合は端子部35a,35bも不要となる。
さらに上記実施形態では、光透過防止部34aと絶縁材部33とが同一の材料で構成され、一体となっているが、絶縁材部33と光透過防止部34aとは別々の材料で構成されていてもよい。例えば光透過防止部34aは着色させず、絶縁材部33は着色させるようにしてもよい。この場合、絶縁材部33は、例えば酸化物半導体層13と同系統の色とされる。また絶縁材部33は必ずしも光透過防止機能を有していなくてもよい。すなわち、光透過防止層34は光透過防止部34aのみで構成されていてもよい。
さらに上記実施形態では、配線材60Pと対極20の金属基板21とが接続されているが、配線材60Pが、対極20の金属基板21の一部で構成されてもよい。
さらに上記実施形態では、DSC50A〜50Dが図2のX方向に沿って一列に配列されているが、図10に示すDSCモジュール200のように、DSC50A〜50Dの一部であるDSC50C、50Dを途中で折り返し、DSC50AとDSC50Dとをそれらが互いに隣り合うように配置してもよい。なお、図10において、バックシート80は省略してある。この場合、透明導電層12Dは、DSCモジュール100と異なり、本体部12aと第1電流取出し部12fとの間に接続部12gを設ける必要がない。このため、配線材17も設ける必要がない。
また上記実施形態では、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hが、DSC50A側の周囲に配置されているが、図11に示すDSCモジュール300に示すように、第1電流取出し部12fおよび第2電流取出し部12hは、DSC50D側の周囲に配置されていてもよい。この場合、第1電流取出し部12fは、透明導電層12Dの本体部12aに対しDSC50Cと反対側に封止部30Aの外側まで突出するように設けられる。一方、第2電流取出し部12hは、透明導電層12Dの本体部12aに対しDSC50Cと反対側に設けられる。また透明導電層12A〜12Dに沿って第2電流取出し部12hとDSC50Aの対極20の金属基板21とを接続するための接続部12iが延びている。具体的には、光透過防止層34の上には、接続部12iに沿って集電機能を有する配線材417が設けられ、この配線材417の一端とバイパスダイオード70Aから延びる配線材60Pとが接続され、配線材417の他端は、光透過防止層34を貫通する貫通孔に設けられ、第1電流取出部12hと直接接続される端子部335と接続されている。DSCモジュール300においては、DSC50Aの金属基板21が第2接続部を構成し、端子部335が第1接続部を構成している。このDSCモジュール300によっても、優れた光電変換特性を有しながら省スペース化を図ることができる。なお、この場合に、接続部12iの抵抗値が、下記式(1)で表される抵抗値以下であることが好ましいのは、上記実施形態と同様である。
抵抗値=直列接続されるDSC50の数×120Ω (1)
なお、DSCモジュール300では、配線材417の他端が端子部335を介して透明導電層12Eの第2電流取出し部12hに間接的に接続されているが、DSCモジュール300では、端子部335が省略され、配線材417の他端が透明導電層12Eの第2電流取出し部12hに直接接続されてもよい。この場合、透明導電層12Eが第1接続部を構成することになる。またDSCモジュール300では、DSC50Aの金属基板21と端子部335との間において、配線材417の少なくとも一部が光透過防止層34上に直接設けられていていてもよく、光透過防止層34上に直接設けられていなくてもよい。
また上記実施形態では、光透過防止層34と酸化物半導体層13との間には隙間が設けられているが(図8参照)、図12に示すDSCモジュール400のように、光透過防止層34と酸化物半導体層13との間には隙間が設けられていなくてもよい。すなわち、光透過防止層34と酸化物半導体層13とは互いに接していてもよい。この場合、光透過防止層34と酸化物半導体層13との間の隙間を通じて見える電解質40の色や、対極20の色又は形状を隠すことができる。
また上記実施形態では、透明基板11のうち透明導電層12と反対側の表面に何らの膜も形成されていないが、図13に示すDSCモジュール500のように、透明基板11のうち透明導電層12と反対側の表面に被覆層96がさらに設けられてもよい。ここで、被覆層96は、透明基板11の厚さ方向に被覆層96を見た場合に酸化物半導体層13を覆っており、被覆層96の可視光の波長領域における最大吸収ピーク波長と、酸化物半導体層13の可視光の波長領域における最大吸収ピーク波長とが互いに異なることが好ましい。この場合、被覆層96の可視光の波長領域における最大吸収ピーク波長(λ1)が、酸化物半導体層13の可視光の波長領域における最大吸収ピーク波長(λ2)と異なる。このため、酸化物半導体層13で十分に吸収されるべき光が被覆層96で十分に吸収されることを抑制することができる。すなわち、DSCモジュール500における光電変換特性の低下を抑制できる。またDSCモジュール500の酸化物半導体層13の色を所望の色に調整することもできる。λ1−λ2は0でなければよく、特に限定されないが、好ましくは50〜300nmであり、より好ましくは100〜300nmである。ここで、被覆層96の色は、酸化物半導体層13の補色であることが好ましい。すなわち、酸化物半導体層13と被覆層96とを重ねてみた場合に見える色が黒色であることが好ましい。この場合、酸化物半導体層13で十分に吸収されるべき光が被覆層96で十分に吸収されることをより十分に抑制することができる。ここで、黒色とは、L値が26以下となる色を言う。また被覆層96の屈折率は導電性基板15の屈折率と同程度にすることが好ましい。具体的には、導電性基板15と被覆層96との屈折率の差が0〜0.5とすることが好ましい。この場合、導電性基板15と被覆層96との界面反射がより十分に抑制され、色をよりきれいに調整することができる。
被覆層96の上には、被覆層96を保護する観点から、さらにオーバーコート層が設けられてもよい。
また上記実施形態では、溝90が第2の溝90Bを有しているが、第2の溝90Bは必ずしも形成されていなくてもよい。
また上記実施形態では、接続端子16の配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅が一定とされているが、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bの幅はそれぞれ、接続端子16の延び方向に沿って変化してもよい。例えば配線材非接続部16Bのうち配線材接続部16Aから最も遠い側の端部から最も近い側の端部に向かって幅が単調に増加し、配線材接続部16Aのうち配線材非接続部16B側の端部から導電部材非接続部16Bより最も遠い側の端部に向かって幅が単調に増加してもよい。
また上記実施形態では、配線材接続部16Aおよび配線材非接続部16Bはそれぞれ封止部30Aに沿って設けられているが、これらは、封止部30Aから遠ざかる方向に延びるように形成されていてもよい。但し、この場合、配線材接続部16Aが配線材非接続部16Bよりも封止部30Aに近い位置に配置されていることが好ましい。この場合、配線材60Pをより短くすることができる。
あるいは、透明導電層12A〜12C上に形成される接続端子16においては、配線材非接続部16Bは、配線材接続部16Aに直交するように配置されてもよい。
また上記実施形態では、第2封止部32Aが第1封止部31Aに接着されているが、第2封止部32Aは第1封止部31Aに接着されていなくてもよい。
さらに上記実施形態では、封止部30Aが第1封止部31Aと第2封止部32Aとで構成されているが、第2封止部32Aは省略されてもよい。
また上記実施形態では、対極20と第1一体化封止部31の仕切部31bとの接着部の幅Pは、対極20と第1一体化封止部31の環状部31aとの接着部の幅Qよりも狭くなっているが、接着部の幅Pは、接着部の幅Q以上であってもよい。
さらに、上記実施形態では、第1一体化封止部31の仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%以上200%未満となっているが、仕切部31bの幅Rは、第1一体化封止部31の環状部31aの幅Tの100%未満であってもよく、200%以上であってもよい。
さらに、上記実施形態では、隣り合うDSC50の環状の第1封止部31A同士は一体化されているが、隣り合うDSC50の環状の第1封止部31A同士は必ずしも一体化されていなくてもよい。すなわち、環状の第1封止部31A同士は互いに離間されていてもよい。
さらに上記実施形態では、バックシート80が設けられているが、バックシート80は必ずしも設けられていなくてもよい。
また上記実施形態では、バックシート80と透明導電層12とが、光透過防止層34を介して接着されているが、バックシート80と透明導電層12とは、必ずしも光透過防止層34を介して接着されている必要はない。
さらに上記実施形態では、複数のDSC50が直列接続されているが、並列接続されていてもよい。
また上記実施形態では、対極20が対向基板を構成しているが、図14に示す色素増感光電変換セルモジュール600のように、対向基板として、対極20に代えて、絶縁性基板601を用いてもよい。この場合、絶縁性基板601と封止部31と導電性基板15との間の空間には構造体602が配置される。構造体602は、導電性基板15のうち絶縁性基板601側の面上に設けられている。構造体602は、導電性基板15側から順に、多孔質酸化物半導体層13、多孔質絶縁層603及び対極620で構成される。また上記空間には電解質640が配置されている。電解質640は、多孔質酸化物半導体層13及び多孔質絶縁層603の内部にまで含浸されている。電解質640としては、電解質40と同様のものを用いることができる。ここで、絶縁性基板601としては、例えばガラス基板又は樹脂フィルムなどを用いることができる。また対極620としては、対極20と同様のものを用いることができる。あるいは、対極620は、例えばカーボン等を含む多孔質の単一の層で構成されてもよい。多孔質絶縁層603は、主として、多孔質酸化物半導体層13と対極620との物理的接触を防ぎ、電解質40を内部に含浸させるためのものである。このような多孔質絶縁層603としては、例えば酸化物の焼成体を用いることができる。なお、図14に示す色素増感光電変換セルモジュール600においては、封止部31と導電性基板15と絶縁性基板601との間の空間に構造体602が1つのみ設けられているが、構造体602は複数設けられていてもよい。また、多孔質絶縁層603は、多孔質酸化物半導体層13と対極620との間に設けられているが、多孔質酸化物半導体層13と対極620との間に設けず、多孔質酸化物半導体層13を囲むように、導電性基板15と対極620の間に設けてもよい。この構成でも、多孔質酸化物半導体層13と対極620との物理的接触を防ぐことができる。
さらに上記実施形態では、複数のDSC50が用いられているが、図15に示す色素増感光電変換素子700のように、本発明では、DSCは1つのみ用いてもよい。なお、図15に示す色素増感光電変換素子700は、DSCモジュール100においてDSC50A〜DSC50Cを省略し、第2電流取出部12h上に設けられた接続端子16と、DSC50Dの対極20の金属基板21とが配線材60Pを介して電気的に接続されている。また色素増感光電変換素子700においては、接続端子16が配線材接続部16Aのみで構成され、この配線材接続部16Aは、封止部30Aと外部接続端子18bとの間に配置されている。すなわち、配線材接続部16Aは、DSC50Dの透明導電層12Dのうちの本体部12aの側縁部12bに対向する位置に配置されていない。このため、第1実施形態のDSCモジュール100において配線材接続部16Aが配置されていた部分のスペースまで酸化物半導体層13を拡大することが可能となる。この場合、無駄なスペースが有効利用されるとともに発電面積を拡大することができる。なお、色素増感光電変換素子700は配線材17を有しているが、本発明の色素増感光電変換素子は、必ずしも配線材17を有していなくてもよい。この場合は端子部35a,35bも不要となる。また色素増感光電変換素子700では配線材60Pの一端は、接続端子16を介して透明導電層12に接続されているが、配線材60Pの一端は、透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第1接続部となる。また色素増感光電変換素子700では、配線材17の一端は、光透過防止層34に形成された貫通孔内に設けられる端子部35aを介して透明導電層12に接続されているが、配線材17の一端は光透過防止層34に形成された貫通孔を通って透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第1接続部となる。また色素増感光電変換素子700では、配線材17の他端は、光透過防止層34に形成された貫通孔内に設けられる第2接続部としての端子部35bを介して透明導電層12に接続されているが、配線材17の他端は光透過防止層34に形成された貫通孔を通って透明導電層12に直接接続されていてもよい。この場合は、透明導電層12が第2接続部となる。
さらに上記実施形態では、透明導電層12に溝90が形成され、絶縁材部33が第1の溝90Aに入り込んでいるが、絶縁材部33は必ずしも第1の溝90Aに入り込んでいる必要はなく、透明導電層12に溝90が形成されている必要もない。例えば色素増感光電変換素子が1つの色素増感光電変換セルのみを有する場合、透明導電層12に溝90を形成する必要はない。この場合、絶縁材部33は、第1の溝90Aに入り込まないことになる。
また上記実施形態では、図16に示すように、導電性基板15において、DSCモジュール100等を透明基板11側から導電性基板15の厚さ方向に見た場合に、導電性基板15に光透過防止層34と異なる色を有する異色部Mが設けられていることが好ましい。この場合、異色部Mは光透過防止層34と異なる色を示すため、DSCモジュール100を導電性基板15の厚さ方向から見た場合にその異色部Mによって所望の文字やデザインを表示させることが可能となる。図16に示す異色部Mは、導電性基板15の透明導電層12の上に直接設けられており、その上に光透過防止層34が重なるように設けられている。異色部Mは、透明導電層12の上に直接印刷することなどによって形成することが可能である。ここで、「光透過防止層34と異なる色」とは、異色部MのL色空間のL*と光透過防止層34のL色空間のL*との差の値が5以上であることを言う。また異色部は、導電性基板15を貫通するように形成することも可能である。この場合、異色部の上には、光透過防止層34は形成されないが、異色部を包囲するように光透過防止層34が配置されることになる。
本発明の色素増感光電変換素子は、ディスプレイなどの電子機器の近傍に設置する場合に特に有用である。
11…透明基板
12…透明導電層
12a…本体部
13…酸化物半導体層
15…透明導電性基板(導電性基板)
16…接続端子(端子部、第1接続部)
17,417…配線材
18a,18b…外部接続端子(端子部)
20…対極(対向基板)
21…金属基板(第2接続部)
30A…封止部
33…絶縁材部(光透過防止層)
34a…光透過防止部(光透過防止層)
34…光透過防止層
35a…端子部(第1接続部)
35b…端子部(第2接続部)
335…端子部
50,50A〜50D…色素増感光電変換セル
60P…配線材
100〜600…色素増感光電変換セルモジュール(色素増感光電変換素子)
700…色素増感光電変換素子

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの色素増感光電変換セルを有し、
    前記色素増感光電変換セルが、
    透明基板および前記透明基板の上に設けられる透明導電層を有する導電性基板と、
    前記導電性基板に対向する対向基板と、
    前記導電性基板又は前記対向基板上に設けられる酸化物半導体層と、
    前記導電性基板及び前記対向基板の間に設けられる環状の封止部とを備えており、
    前記導電性基板上に少なくとも1つの端子部が前記透明導電層と接触するように設けられ、
    前記導電性基板上に、光の透過を防止する光透過防止層が前記端子部と隣接するように設けられ、
    前記端子部及び前記光透過防止層がそれぞれ着色されている、色素増感光電変換素子。
  2. 前記端子部と前記光透過防止層との間におけるL色空間のL*の差が3以下である、請求項1に記載の色素増感光電変換素子。
  3. 前記酸化物半導体層と前記光透過防止層との間におけるL色空間のL*の差が5以下であり、
    前記酸化物半導体層と前記端子部との間におけるL色空間のL*の差が5以下である、請求項2に記載の色素増感光電変換素子。
  4. 前記導電性基板のうちの前記封止部側に、少なくとも1本の配線材と、前記配線材の一端に接続され且つ前記色素増感光電変換素子を前記透明基板側から前記導電性基板の厚さ方向に見た場合に前記封止部の外側に配置される第1接続部と、前記配線材の他端に接続される第2接続部とが設けられており、
    前記光透過防止層が、前記配線材と前記導電性基板との間に、前記導電性基板の厚さ方向において前記配線材と重なるように設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  5. 前記端子部が前記第1接続部を兼ねる請求項4に記載の色素増感光電変換素子。
  6. 前記光透過防止層が、前記導電性基板の前記封止部側の表面において、前記封止部と、前記導電性基板の縁部との間の領域のうち少なくとも前記第1接続部以外の領域の全てを覆うように設けられている、請求項4又は5に記載の色素増感光電変換素子。
  7. 前記光透過防止層が絶縁材料で構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
  8. 前記端子部がカーボンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の色素増感光電変換素子。
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