JP2016103431A - 注液装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、蓄電池の開口栓には、注液のための上部開口を内側から閉塞する密閉蓋を備え、密閉蓋を磁力により上部開口の周縁に吸着させた構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、密閉栓を押し下げて開く構造は、例えば、複数個の電池に電解液を一括注液する場合、上方に電解液を貯めた電解液タンクを設置すると、電解液の重みで密閉栓が開くおそれがある。
また、上記構成において、前記流量調整部材は、前記栓から前記注液口内に向かって細くなる先細形状の突起であるようにしても良い。
図1は本実施形態の注液装置80を上方から見た図であり、図2は図1に示す注液装置80のA−A断面図、図3は注液装置80をカートリッジ式空気電池システム(以下、空気電池システムと言う)1と共に示した図であり、図3(A)は図1のB−B断面図、図3(B)は空気電池システム1の側面図である。
注液装置80は、上方が開口する有底箱形状に形成され、空気電池システム1の上に載置され、空気電池システム1が収容する複数の空気電池10(後述する図6)に電解液を注液する装置である。この注液装置80は、下面視で略長方形の底板82と、底板82の周縁から上方に立ち上がって注液装置80の正面、左右の側面、及び背面を形成する複数の側板部84とを備えている。
また、注液装置80には、空気電池10毎の電解液の注液量を一定にするため、図3(A)に示すように隣接する空気電池10間の直上に位置する部分に、仕切り板81を設けている。仕切り板81は、カートリッジ50の並び方向α(図3(B))に間隔を空けて上方に立設して注液装置80内を10個の空間に仕切り、空気電池システム1が有する10個の空気電池10毎の電解液を個別に貯留可能にする。
仕切り板81の高さは、空気電池10に注液する電解液量と同等の体積となるように調整することが好ましい。なお、本実施形態では仕切り板81の高さと面一になるまで電解液を注液することで、空気電池10に必要量の電解液を注液することが可能であり、その都度、電解液の注液量を測定しなくても良い。
各注液口91は、上方から挿入される栓92によってそれぞれ閉塞自在であり、栓92で閉塞することによって注液装置80に貯留された電解液を貯留した状態に保持する。注液口91と同数(10個)だけ設けられた栓92は、カートリッジ50の並び方向αに延びる棒状の連結部材93Bと栓92の開閉(上下)方向に延びる棒状の延長部材93Cに支持されている。前記連結部材93Bと延長部材93Cとは、締結部材93Aによって固定され、また延長部材93Cと栓92とは、固定部材93Dで夫々固定されている。前記取っ手部86と前記連結部材93Bとは不図示の操作部材を介して連結されており、ユーザが上記操作部材を直接操作して上方に移動することによって、全ての注液口91を同時に開口させることができる。
また、前記注液装置80は取り外し可能となっており、空気電池10の使用時に空気電池システム1の上部に載置し、空気電池10に注液が終了した後、別の空気電池システム1の注液に使用することが可能である。なお、電解液として水を使用する場合は、予め空気電池10内に食塩(塩化ナトリウム)等を入れておくことが好ましい。
蓋部51の各凹部51E、51Fに電解液を供給することによって、カートリッジ50内の2個の空気電池10にそれぞれ独立して電解液が供給される。
また、一対の幅広側板43の上部は内側に折り曲げられ、この内側に折り曲げられた部分に、カートリッジ50の蓋部51から張り出す一対の張り出し部51A、51B(図4、図5)がそれぞれ載置される。これら一対の張り出し部51A、51Bは不図示の締結部材(例えば締結ボルト)を介して幅広側板43に固定可能であり、これによってカートリッジ50をケース41に固定可能である。
図4、図5はカートリッジ50の斜視図、図6は図4のV−V断面図である。カートリッジ50は、2個の空気電池10(図6参照)を前後方向に沿う並び方向αに並べて収容するカートリッジケース53を備えている。カートリッジケース53は、樹脂又は金属で形成されて空気電池10よりも高剛性に形成された部材であり、中心LC(図6参照)を基準にして分割された一対の分割片54F、54Rと、分割片54F、54Rの上方開口を覆う蓋部51とを備えている。
一対の分割片54F、54Rは、短側面中央部の一方に切欠き(貫通孔)、他方に前記切欠きに勘合する勘合用突起が形成された係止構造54Aで互いに連結され、上方が開口する略薄型の有底箱形状を形成する。カートリッジ50に収容される2個の空気電池10は、互いの空気極13を各分割片54F、54Rの側壁部55に向けて収容され、空気極13を、側壁部55に設けられた矩形の開口部55Aを介して外部に露出させる。
図7及び図8は注液口91を栓92と共に拡大して示した図であり、図7は開状態を示し、図8は閉状態を示している。
図7及び図8に示すように、注液口91は、上下方向に延びる環状の筒状部品に形成される。注液口91は、底板82に設けられた開口部82Aに上端が挿入されて底板82上方の内部空間と連通する。
底板82には、開口部82A間にその周囲から間隔を空けて下方に突出する突出部82Bが設けられており、これら突出部82Bに注液口91の周囲に一体に形成された鍔部91Aが下方から当接することによって、注液口91の上端が底板82の上面と面一に位置決めされる。前記注液口91を構成する筒状部品は、開口部82Aに挿入された部分及び、突出部82Bと鍔部91Aが当接する部分を接着して固定される。
これら鍔部91Aと底板82との間には、栓92に設けられたマグネット101に引き寄せられる磁性体金属製の環状の金属カラー(磁性体部品)103が介挿される。
この環状のカバー112内(カバー112と延長部材93Cとの間の空間)には、上方から環状のマグネット101が配置されるとともに、このマグネット101の中央孔に上方から挿入される雄ねじ部品113が挿入される。また、カバー112の下面(金属カラー103側の面)には、突出部111の上端部周囲を囲う環状のパッキン114が装着される。
本構成では、マグネット101の周囲に存在する各部品が、金属カラー103を除いて非磁性材料で形成されており、例えば、注液装置80の底板82、カバー112、雄ねじ部品113及び突出部111が樹脂やアルミニウム合金で形成されている。
本構成では、図7に示す開位置から図8に示す閉位置に移動するに従って、突出部111と注液口91との間に空く開口を狭くすることができるので、栓92と注液口91との間に空く開口量を変化させることができる。
突出部111の突出長さは、予め設定した栓92の移動範囲において、栓92を最も上方に移動しても、突出部111の一部(下端)が注液口91内に残る長さとされる。このため、栓92が注液口91から完全に抜けないようにし、注液口91を確実に閉塞できるようにする。また、仮に外部から衝撃や振動が作用しても、栓92が注液口91からずれ難くなる。これによって、様々な状況下でも、常に開け閉めできるようにしている。
また、突出部111の移動量、つまり、栓92の移動量を少なくすることによって、栓92と注液口91との間の隙間を小さく保持し、注液時でも石や砂利などが排出されないようにすることが可能である。
しかも、マグネット101の吸引力はパッキン114の圧縮力としても作用するので、パッキン114による止水性を効率良く向上させることができる。
しかも、栓本体部110と注液口91周辺とには互いに対峙してそれぞれマグネット101と磁性体金属製の金属カラー(磁性体部品)103を設けて、栓92による注液口91の閉塞状態を磁力により維持するので、非常用途にも好適な簡易な構成で、電解液の重みで密閉栓が開くといった不具合(液漏れ)を防ぐことができる。
従って、非常用途にも好適な簡易な構成で、電解液の重みで密閉栓が開くといった不具合(液漏れ)を防ぎ、且つ、注液時の流量調整を容易に行うことが可能になる。
図9及び図10は第2実施形態に係る注液装置80の栓構造を示した図であり、図9は開状態を示し、図10は閉状態を示している。なお、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付して示し、重複説明は省略する。
第2実施形態では、栓92に設けられる突出部111が異なる。各突出部111は、非磁性材料(例えば樹脂やアルミニウム合金)で形成され、一定の内径及び外径で直線状に延びる筒状の突起(以下、筒状部と言う)111Gと、筒状部111Gの周壁に開口する開口部111Kとを有している。
なお、本構成では、底板82と栓92との間の隙間を閉塞するパッキン114を有するため、このパッキン114が機能する間は液漏れを防止できる。パッキン114が劣化しても、図10に示す位置では栓92に設けられたマグネット101に引き寄せられる磁性体部品である環状の金属カラー103により筒状部111Gと注液口91との間に隙間を形成しないので、液漏れを防止できる。
この開口部111Kは注液口91の軸方向に延びる長孔に形成されているため、栓92を注液口91と反対側(上方)に移動するほど、筒状部111Gと注液口91との間に空く開口を広くすることができる。
これによって、第2実施形態の突出部111についても、栓92と注液口91との間に空く開口量を調整する調整部材としても機能し、栓92の移動に応じて注液口91を通る電解液の流量を可変させることができる。
また、開口部111Kを複数にすることにより、同じ開口面積を一つの開口部で形成する場合と比較して、一個の開口部あたりの開口面積を狭くすることができる。従って、注液装置80内に石や砂利などが存在しても、これらが開口部111Kを通過する事態を抑制することができる。つまり、複数の開口部111Kを、注液装置80内の石などの通過を遮断させつつ電解液を通過させるフィルタとしても機能させることができる。
図11は第3実施形態に係る注液装置80の栓構造を示した図であり、開状態を示している。なお、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付して示している。
第3実施形態では、注液口91の外周に、栓92の移動方向に沿って延びる雄ねじ部100Nを設け、金属カラー103の内周に、雄ねじ部100Nに螺号する雌ねじ部103Nを設けている。この構成によれば、金属カラー103の位置を栓92の移動方向に調整することができる。このため、マグネット101と金属カラー103の間隔(離間距離)を調整することができる。この間隔の調整により、栓92の移動に要する操作力を容易に調整することができ、例えば、栓92を手動操作する際に好適な操作力に容易に調整することができる。
例えば、空気電池システム1の各部材のレイアウトや各部の形状は適宜に変更しても良い。一例を挙げると、マグネット101を栓92側に配置し,マグネット101に引き寄せられる金属カラー103を底板82側に配置する場合を説明したが、マグネット101と金属カラー103の位置を置き換えても良い。
さらに、上述の各実施形態では、空気電池システム1の栓構造に本発明を適用する場合を説明したが、空気電池システム1に限定されず、例えば、鉛電池やアルカリ電池、リチウム電池など、様々な栓構造に広く適用可能である。
10 空気電池
11 電池ケース
13 空気極
15 金属極
41 ケース
50 カートリッジ
80 注液装置
81 仕切り板
82 底板
91 注液口
92 栓
100N 雄ねじ部
101 マグネット
103 金属カラー(磁性体部品)
103N 雌ねじ部
111 突出部(流量調整部材)
111G筒状部
111K 突出部の開口部
Claims (5)
- 注液口と前記注液口を開閉する栓とを備える注液装置において、
前記栓は注液口上部を覆う栓本体部と注液口内を開閉自在に移動する突出部とを備え、
前記突出部は該突出部が注液口内の移動に応じて注液口を通る液体の流量を可変させる流量調整部材を備え、
前記栓本体部と注液口周辺とには互いに対峙してそれぞれマグネットと磁性体部品、又は対峙磁極を異ならせたマグネットとマグネットを設けて前記栓による注液口の閉塞状態を磁力により維持することを特徴とする注液装置。 - 前記流量調整部材は、前記栓と前記注液口との間に空く開口量を調整する部材であって、前記栓が前記注液口から離間するに従って前記開口の面積を徐々に大きくすることを特徴とする請求項1に記載の注液装置。
- 前記流量調整部材は、前記栓から前記注液口内に向かって細くなる先細形状の突起であることを特徴とする請求項2に記載の注液装置。
- 前記流量調整部材は、前記注液口の内面に沿って摺動自在に前記栓から延びる筒状の突起と、前記栓の移動に応じて前記注液口に連通する開口を大きくするように前記突起に設けられた開口部とを有することを特徴とする請求項2に記載の注液装置。
- 前記栓と前記注液口のいずれか一方側に前記マグネットを設けるとともに、他方側に前記マグネットに引き寄せられる前記磁性体部品、又は磁極を異ならせた前記マグネットからなる部品を設け、
前記注液口の外周に、前記栓の移動方向に沿って延びる雄ねじ部を設け、
前記雄ねじ部に、前記部品を螺合し、この螺合量に応じて前記マグネットと前記部品との間の間隔を調整自在にしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注液装置。
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