JP2016103101A - 耐震解析装置、方法及びプログラム - Google Patents

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【課題】ダンパを介して支持される構造物であっても高精度な評価が可能な耐震解析技術を提供する。【解決手段】耐震解析装置10は、質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]を入力する第1入力部11と、構造物の複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々における複素固有値λj及び複素固有モードVjを導出する導出部13と、振動モードjの各々における固有振動数ωj、モード減衰比ζj及び刺激係数βjを計算する計算部14と、地震波u"の応答スペクトルS(ω,ζ)を演算する演算部15と、応答スペクトルの値S(ωj,ζj)並びに刺激係数βjに基づいて振動モードj(=1,2,…N)毎の質点の最大応答値{x"j}maを算出する算出部17と、複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々に対応する最大応答値{x"j}maxを互いに加算させる加算部18と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物の耐震性を解析する耐震解析技術に関する。
発電プラント等における機器の耐震解析技術として、応答スペクトル法が知られている。応答スペクトルとは、入力地震波に対する1自由度系の最大応答値を計算したものであり、1自由度系のモード減衰比毎に計算され、固有振動数をパラメータ(横軸)とし、グラフ化して表される。
応答スペクトル法では、固有値解析により制振対象の固有振動数、振動モードを求め、応答スペクトルを用いて各振動モードの応答を計算し、その後、各モードの応答を加算することで構造物の各質点の応答値を得る。
応答スペクトル法の利点は、計算が簡易である点と、応答スペクトルを周期方向に拡幅することで入力地震波や対象機器の振動特性の不確かさを吸収し、耐震解析の評価を保守側とすることができる点と、である。
特開2008−31735号公報
従来の応答スペクトル法は、構造物の実モーダル解析に基づいており、実固有値解析により得られる固有値および振動モードが用いられる。このために、従来の応答スペクトル法による耐震解析の評価では減衰の効果を考慮しない状態の振動モードを用いた評価となる。
これに対して、構造物にダンパを設置した場合、局所的に大きな減衰力が作用するため、振動モードが、減衰を考慮しない状態と相違する。このため、実モーダル解析に基づく応答スペクトル法では、構造物にダンパを設置した場合、耐震解析の評価精度の低下が避けられない。
ダンパを用いた場合の耐震解析の評価手法として、直接積分法による評価がある。しかし、直接積分法では、ダンパのように局所的に大きな減衰力が作用する場合において詳細な解析が可能である一方、他方において、計算に時間を要する点や、地震波や機器の振動特性の不確かさを考慮する手法が確立されていない点などの課題がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、ダンパを介して支持される構造物であっても高精度な評価が可能な耐震解析技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る耐震解析装置は、ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力する第1入力部と、前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出する導出部と、前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算する計算部と、地震波の応答スペクトルを演算する演算部と、前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出する算出部と、複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させる加算部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る耐震解析方法は、ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力するステップと、前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出するステップと、前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算するステップと、地震波を入力し、入力された前記地震波の応答スペクトルを演算するステップと、前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出するステップと、複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させるステップと、を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の実施形態に係る耐震解析プログラムは、コンピュータに、ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力するステップ、前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出するステップ、前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算するステップ、地震波を入力し、入力された前記地震波の応答スペクトルを演算するステップ、前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出するステップ、複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させるステップ、を実行させることを特徴とする。
本発明の実施形態により、ダンパを介して支持される構造物であっても高精度な評価が可能な耐震解析技術が提供される。
本発明の第1実施形態に係る耐震解析装置を示すブロック図。 本発明の実施形態に適用される構造物の解析モデルを示す図。 本発明の第2実施形態に係る耐震解析装置の主要構成を選択して示すブロック図。 本発明の第3実施形態に係る耐震解析装置を示すブロック図。 構造物に適用されるダンパの減衰係数に対する、地震波の入力加速度と構造物の質点の相対応答加速度とを示すグラフ。 (A),(B)は第3実施形態に係る耐震解析装置の効果を検証する式。 耐震解析装置の検証に適用する三質点系解析モデルを示す図。 地震波の入力に対する三質点系解析モデルの質点の絶対応答加速度の出力結果を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお以下において、「"」の記号は、時間による二回微分を示す。
図1に示すように耐震解析装置10は、ダンパを介して支持される構造物の解析モデル(図2)の質点の運動方程式を構成する質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]を入力する第1入力部11と、質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]に基づいて構造物の複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々における複素固有値λj及び複素固有モードVjを導出する導出部13と、複素固有値λj及び複素固有モードVjに基づいて振動モードjの各々における固有振動数ωj、モード減衰比ζj及び刺激係数βjを計算する計算部14と、地震波u"の応答スペクトルS(ω,ζ)を演算する演算部15と、固有振動数ωj及びモード減衰比ζjにおける応答スペクトルの値S(ωjj)並びに刺激係数βjに基づいて振動モードj(=1,2,…N)毎の質点の最大応答値{x"j}maxを算出する算出部17と、複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々に対応する最大応答値{x"j}maxを互いに加算させる加算部18と、を備えている。
さらに耐震解析装置10は、演算部15において演算された応答スペクトルS(ω,ζ)を、周波数方向に拡幅して、算出部17に出力する拡幅処理部16を備えている。
図2に示す解析モデルでは、構造物の重量を集中させた質量mの質点を定義し、それぞれの質点がバネ定数kの剛性要素により連結され他端が床面2に支持され、さらに質点の内いくつかが、減衰係数cのダンパを介して側面3に支持される、p個の多質点系を考える。
図2の式(1)は、この多質点系モデルについての振動方程式である。各々の質点の変位xを式(2)のようにベクトル表示した場合、行列式で表される質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]が理論的に求められる。
質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]を求める方法としては、有限要素法等が挙げられるが、特に限定されない。
第1入力部11は、このように構造物の解析モデルに基づき理論的に求めた質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]を入力する。
地震波u"は、床面2に設けたセンサ(図示略)の出力値を模擬したもので、過去の地震の実測信号である場合の他に、仮想的なシミュレーション信号である場合もある。地震波入力部12は、このような地震波u"を外部入力する。
導出部13は、複素固有値λjの導出部13Aと複素固有モードVjの導出部13Bとから構成されている。
導出部13における複素固有値λj及び複素固有モードVjの導出は、質量行列[M]、減衰行列[C]及び剛性行列[K]を入力し、一般に用いられているQR法などを用いて行うが、特に限定されない。
ここで、λj及びVjの添え字のjは、解析モデル(図2)の振動形態を固有振動数の小さい順番で複数に分類した際の、j次の振動モードを意味する。ここでは、解析モデルの振動モードjを、1次からN次(j=1,2,…N)に分類している。
導出部13Aは複素固有値λjの実部λjR及び虚部λjIを出力し、導出部13Bはベクトル表示される複素固有モードVjを出力する。
計算部14は、固有振動数ωjの計算部14Aと、モード減衰比ζjの計算部14Bと、刺激係数βjの計算部14Cとから構成されている。
計算部14Aは、実部λjR及び虚部λjIの二乗和の平方根をとることにより振動モードjの固有振動数ωjを計算する。
計算部14Bは、実部λjR及び虚部λjIの二乗和の平方根の逆数を実数部λjRに乗算し、さらに負号を乗じることにより振動モードjのモード減衰比ζjを計算する。
刺激係数βjは、対応する次数の振動モードjの励起され易さを示す定数である。
計算部14Cは、複素固有モードVjのベクトルと質量行列[M]と励振ベクトルeとの積をモード質量mで除算して刺激係数βjを計算する。
応答スペクトルS(ω,ζ)とは、地震波u"に対し、1質点系の解析モデルの固有振動数ωと減衰比ζとを変化させ、質点の応答の最大値をプロットした軌跡をいう。
演算部15には、地震波u"が入力され、入力された地震波u"の応答スペクトルS(ω,ζ)を演算する。
実施形態において応答スペクトルS(ω,ζ)は、評価指標である地震波u"が加速度であるために、加速度応答スペクトルSa(ω,ζ)である。一方において、評価指標が速度の場合は、速度応答スペクトルSv(ω,ζ)、変位の場合には変位応答スペクトルSd(ω,ζ)となる。
なお、応答スペクトルS(ω,ζ)の軌跡は、シャープなピークを複数有し、そのような箇所では、周波数ωの変動に対する軌跡の変化率が大きくなり、応答スペクトルS(ω,ζ)の値を過少評価してしまうおそれがある。
そこで、拡幅処理部16は、演算部15において演算された応答スペクトルS(ω,ζ)を、周波数方向に拡幅して、算出部17に出力する。これにより、安全性評価を保守的に行うことができる。
算出部17は、振動モードj(=1,2,…N)毎に、固有振動数ωj及びモード減衰比ζjにおける応答スペクトルの値S(ωjj)を求める。
そして、このS(ωjj)に、刺激係数βj及び複素固有モードVjを積算し、振動モードjにおける解析モデル(図2)の質点の最大応答値{x"j}maxを算出する。
加算部18は、複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々に対応する最大応答値{x"j}maxを互いに加算させて加算応答値x"maxを出力する。
なお、第1実施形態における加算部18Aは、互いに加算する前に各々の最大応答値{x"j}maxを二乗し、互いに加算した後で平方根をとって加算応答値x"maxを出力している。
このように、加算部18は、互いに加算する前後の最大応答値{x"j}maxに他の演算処理を実行することができる。
(第2実施形態)
次に図3に基づいて本発明における第2実施形態について説明する。なお第2実施形態は、第1実施形態(図1)に機能追加したものであるが、図3は、第2実施形態に係る耐震解析装置の構成を選択的に図示している。また、図3において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態において外部生成していた減衰行列[C]を、耐震解析装置10で内部生成することを示す。
図3に示す第2実施形態の耐震解析装置10は、モード行列Φ(={φ12…φN})を入力する第2入力部22と、モード行列Φ及び質量行列[M]に基づきモード質量msjを定義する定義部25と、構造物(図2)の質点に接続されるダンパの減衰係数cを入力する第3入力部23と、を備えている。
モード行列Φ(={φ12…φN})とは、各モードに関するモードベクトφjを格納した行列である。モードベクトルφjとは、各振動モードにおける各質点の変位の比を表すベクトルである。
そして、定義部25において、このモード行列Φ及び質量行列[M]を取得して、定義式に従って、モード質量msjが定義される。
一方において複素固有値導出部13Aは、減衰行列[C](図1)を考慮せず質量行列[M]及び剛性行列[K]に基づいて仮-固有値λsjを導出する。さらに計算部14(14A,14B)において、この仮-固有値λsjに基づいて仮-固有振動数ωsj及び仮-モード減衰比ζsjが計算される。
さらに第2実施形態の耐震解析装置10は、モード質量mj、仮-固有振動数ωsj及び仮-モード減衰比ζsjに基づいて仮-減衰行列[Cs]を生成する第1生成部26と、この仮-減衰行列[Cs]の要素に減衰係数cを加算して減衰行列[C]を生成する第2生成部27と、を備えている。
ここで第1生成部26において、[2ζsj,msjsj]は、ダンパ(図2)が設けられていない(減衰係数c=0である)場合の、仮-モード減衰比ζsj、モード質量msj、仮-固有振動数ωsjの積で表される対角行列である。
そして仮-モード減衰比ζsjの定義から成立する次式(3)を変形して、第1生成部26で実行される仮-減衰行列[Cs]の生成式が得られる。
[2ζsj,msjsj]=[Φ]T[[Cz][Φ] (3)
第3入力部23は、構造物の解析モデル(図2)の質点に接続されるダンパの減衰係数cを入力する。そして第2生成部27は、この仮-減衰行列[Cs]の要素に減衰係数cを加算して減衰行列[C]を生成する。
ここで仮-減衰行列[Cs]に減衰係数cの行列を加算する方法としては、図2においてダンパが設置される質点の位置に対応する仮-減衰行列[Cs]の要素に減衰係数cが加えられる。
例えば、図1の式(2)を拡張して、次式(4)のように質点の変位ベクトルが表されるとする。
x={x1,x2,…xn,…xm,…xNT (4)
ここで、質点nと質点mの間にダンパが設置される場合には、第2生成部27に示すように、減衰行列[Cs]のn行n列およびm行m列にcを加え、n行m列およびm行n列に−cを加える。
第2生成部27で生成された減衰行列[C]は、ダンパが適用された解析モデルを反映したものである。このように生成された減衰行列[C]は、第1実施形態に戻って、第1入力部11に入力される。
このように、ダンパの設けられていない構造物の減衰がモード減衰比で与えられ、これにダンパの減衰係数cを組み合わせて減衰行列[C]を生成し、ダンパの設けられた構造物の耐震解析に適用する。
(第3実施形態)
次に図4に基づいて本発明における第3実施形態について説明する。なお第3実施形態は、第1実施形態(図1)に機能追加したものである。このため、図4において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
図4に示す第3実施形態の耐震解析装置10は、最大応答値{x"j}maxと地震波u"の最大値u"maxとの差分信号{z"j}maxを出力する差分出力部19をさらに備えている。
そして、加算部18Bは、複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々に対応する差分信号{z"j}maxを互いに加算し、さらに地震波u"maxを加算する演算を実行する。
第1実施形態の加算部18A(図1)では、最大応答値{x"j}max(j=1,2,…N))の二乗和の平方根をとる処理を実行していた。
この場合、図5に示すように、ダンパを適用した構造物は、非適用である場合に比べ、地震波が入力される固定面(地盤、床、壁など)に対する相対応答加速度が小さくなる。このため、構造物の絶対応答加速度における入力加速度の占める割合が大きくなる。
すると、構造物の絶対応答加速度を加算する処理において、入力加速度を多重して加算する可能性がある。
そこで、第2実施形態では、差分出力部19において最大応答値{x"j}maxと地震波u"の最大値u"maxとの差分信号{z"j}maxを出力する。
ここでx"jは絶対応答加速度、u"は入力加速度、z"jは相対加速度に相当する。
そして、加算部18Bにおいて、複数の振動モードj(=1,2,…N)の各々に対応する差分信号{z"j}maxの二乗和をとり、これに地震波u"maxの二乗を加算してから平方根をとって、加算応答値x"maxを出力している。
図6を参照して第2実施形態の効果の検証を行う。
図6(A)は第1実施形態を検証する検証式を示し、図6(B)は第2実施形態を検証する検証式を示している。
第2実施形態の効果が顕著に表れる、ダンパ減衰が大きく構造物の相対応答加速度が限りなく零となる場合(図5の横軸方向の領域)を検討する。この場合、理想的には、構造物の絶対応答加速度x"jは、入力加速度u"に等しい計算結果となる。
図6(A)の数式(5)は、第1実施形態(図1)の加算部18Aの処理を示している。ダンパの減衰係数cが大きく構造物の相対応答加速度z"jが限りなく零となる場合、絶対応答加速度x"jの応答スペクトルSa(ωjj)は、入力加速度u"maxとほぼ等しくなる(数式(6))。このため、数式(7)が得られる。
この式(7)より、絶対応答加速度x"maxと入力加速度u"maxとは一致せず、第1実施形態の場合は評価の精度が充分とは言えないことが分かる。
一方、図6(B)の数式(8)は、第2実施形態(図4)の加算部18Bの処理を示している。数式(9)は、数式(8)を相対加速度z"jの応答スペクトルSrjj)を用いて表した式である。
ダンパの減衰係数cが大きく構造物の相対応答加速度z"jが限りなく零となる場合、相対加速度z"jの応答スペクトルSrjj)は、ほぼ零となる(数式(10))。このため、式(11)に示すように、絶対応答加速度x"jと入力加速度u"maxとは一致して、第2実施形態の場合は高精度の評価が可能なことが分かる。
図7は、第2実施形態の効果の検証を行うための三質点系の解析モデルを示している。
ここで、質点の質量mを1kgに設定し、質点を結ぶ剛性要素のバネ定数kを104Nmに設定し、ダンパの粘性定数cを50Ns/m、80Ns/mに設定する。
図8は、模擬的な地震波u"の入力に対する第1実施形態の耐震解析装置10(図1)の加算応答値x"max(絶対応答加速度)の出力結果を実施例1とし、第2実施形態の耐震解析装置10(図4)の加算応答値x"max(絶対応答加速度)の出力結果を実施例2とし、精度に対する信頼性の高い直接積分法による出力結果を比較例として示している。
これより、実施例2は、直接積分法による比較例に対して概略一致する結果を示し、実施例1は、比較例に対し安全側に偏向して安定した結果を出力することが明らかになった。なお、実モーダル解析による従来例の検証結果の記載を省略するが、実施例1及び実施例2は共にこの従来例よりも優れた結果となっている。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の耐震解析装置によれば、応答スペクトル法に複素モーダル解析を組み合わせることにより、ダンパを介して支持される構造物であっても高精度な評価を実施することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、耐震解析装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、耐震解析プログラムにより動作させることが可能である。
2…床面、3…側面、10…耐震解析装置、11…第1入力部、12…地震波入力部、13…導出部、13A(13)…複素固有値導出部(導出部)、13B(13)…複素固有モード導出部(導出部)、14A(14)…固有振動数計算部(計算部)、14B(14)…モード減衰比計算部(計算部)、14C(14)…刺激係数計算部(計算部)、15…応答スペクトル演算部(演算部)、16…拡幅処理部、17…最大応答値算出部(算出部)、18(18A,18B)…加算部、19…差分出力部、22…第2入力部、23…第3入力部、25…モード質量定義部(定義部)、26…仮-減衰行列生成部(第1生成部)、27…減衰行列生成部生成部(第2生成部)。

Claims (6)

  1. ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力する第1入力部と、
    前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出する導出部と、
    前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算する計算部と、
    地震波の応答スペクトルを演算する演算部と、
    前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出する算出部と、
    複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させる加算部と、を備えることを特徴とする耐震解析装置。
  2. 請求項1に記載の耐震解析装置において、
    前記振動モードの各々に関するモードベクトルを入力する第2入力部と、
    前記モードベクトル及び前記質量行列に基づきモード質量を定義する定義部と、
    前記解析モデルの質点に接続される前記ダンパの減衰係数を入力する第3入力部と、を備え、
    前記導出部に、前記減衰行列を考慮せず前記質量行列及び剛性行列に基づいて仮-固有値を導出させ、
    前記計算部に、前記仮-固有値に基づいて仮-固有振動数及び仮-モード減衰比を計算させ、
    前記モード質量、前記仮-固有振動数及び前記仮-モード減衰比に基づいて仮-減衰行列を生成する第1生成部と、
    前記仮-減衰行列の要素に前記減衰係数を加算して前記減衰行列を生成する第2生成部と、を備えることを特徴とする耐震解析装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の耐震解析装置において、
    前記最大応答値と前記地震波の最大値との差分信号を出力する差分出力部をさらに備え、
    前記加算部は、複数の前記振動モードの各々に対応する前記差分信号を互いに加算し、さらに前記地震波を加算する演算を実行することを特徴とする耐震解析装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐震解析装置において、
    前記演算部において演算された前記応答スペクトルを周波数方向に拡幅して前記算出部に出力する拡幅処理部をさらに備えることを特徴とする耐震解析装置。
  5. ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力するステップと、
    前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出するステップと、
    前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算するステップと、
    地震波を入力し、入力された前記地震波の応答スペクトルを演算するステップと、
    前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出するステップと、
    複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させるステップと、を含むことを特徴とする耐震解析方法。
  6. コンピュータに、
    ダンパを介して支持される構造物の解析モデルの質点の運動方程式を構成する質量行列、減衰行列及び剛性行列を入力するステップ、
    前記質量行列、減衰行列及び剛性行列に基づいて前記構造物の複数の振動モードの各々における複素固有値及び複素固有モードを導出するステップ、
    前記複素固有値及び複素固有モードに基づいて前記振動モードの各々における固有振動数、モード減衰比及び刺激係数を計算するステップ、
    地震波を入力し、入力された前記地震波の応答スペクトルを演算するステップ、
    前記固有振動数及び前記モード減衰比における前記応答スペクトルの値並びに前記刺激係数に基づいて前記振動モード毎の前記質点の最大応答値を算出するステップ、
    複数の前記振動モードの各々に対応する前記最大応答値を互いに加算させるステップ、を実行させることを特徴とする耐震解析プログラム。
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