JP2016102278A - 帽子の製造方法及び帽子 - Google Patents

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Abstract

【課題】真っ直ぐな状態へと戻ろうとする力がレンゲに生じにくく、クラウンを綺麗な曲面状に維持することのできる帽子の製造方法を提供する。【解決手段】(1)略半球状のクラウン10を構成する複数枚のレンゲ11〜16のうち少なくとも一部のレンゲ11,12における表芯地11a,12aを曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地11b,12bを表芯地11a,12aよりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる粗湾曲工程と、(2)表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型50にセットするセット工程と、(3)表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを加熱プレス型50で加熱しながらプレスすることにより、表芯地11a,12aと裏芯地11b,12bとを一体化させるとともに曲面状に成形する本成形工程と、を経ることによって帽子を製造する。【選択図】図5

Description

本発明は、略半球状のクラウンが複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合わされることによって構成された帽子の製造方法と、当該製造方法を用いて製造された帽子とに関する。
野球帽などの帽子におけるクラウンは、通常、「レンゲ」と呼ばれる略二等辺三角形状に裁断された複数枚の生地の側縁同士を縫合することにより、略半球状に形成される。略半球状に形成されたクラウンには、鍔やビン皮など、帽子の種類に応じて必要な部材を取り付けた後、仕上げ工程として「型入れ」という作業が行われる。型入れは、略半球状に形成された型(通常、加熱されている。)をクラウンの内側に挿入した状態で、クラウンの外面を手などで押さえ付ける工程である。この型入れによって、シワを伸ばしてクラウンの形を整えたり、ビン皮などをクラウンに馴染ませたりすることが可能である。型入れに用いる金型としては、例えば、特許文献1〜3に示すものなどが提案されている。しかし、型入れが施された帽子は、クラウンの形が整えられているといっても、それは新品状態における一時的なものに過ぎず、使用や洗濯を重ねるうちに、クラウンの形状が崩れるという問題があった。
ところで、本出願人は、複数枚のレンゲを継ぎ合わせることにより、クラウンを略半球状に形成した帽子であって、少なくとも1枚のレンゲを、その片面にホットメルト接着剤が塗布された接着芯地と、接着芯地におけるホットメルト接着剤が塗布された面に重ねられた表地とで構成し、接着芯地と表地とを重ねた状態で加熱プレス型でプレスしながら加熱することにより、当該レンゲを略球面状に湾曲して形成したものを既に提案している(特許文献4を参照。)。これにより、クラウン全体を綺麗な略半球状とすることや、クラウンの保形性を向上させることなどが可能になる。しかし、特許文献4の帽子は、レンゲを半ば強制的に略球面状に成形するものであったため、表芯地と接着芯地との間に生ずる応力差によって、略球面状に湾曲された後のレンゲに真っ直ぐな状態へと戻ろうとする力が生じ、実際に得られるレンゲの曲率半径が所望の曲率半径よりも大きくなってしまうという課題があった。
また、本出願人は、複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合せることにより、クラウンを略半球状に形成した帽子であって、クラウンの前部を形成する前側レンゲを、加熱プレス型でプレスしながら加熱することにより略球面状に成形したことを特徴とする帽子を既に提案している(特許文献5を参照。)。特許文献5では、加熱プレス型でプレスを行う前側レンゲを、縫合によって予め略球面状に形成することについても提案している。これにより、加熱プレス型を閉じる際における前側レンゲの移動を防止し、前側レンゲを所望の形状に成形することが可能になる。しかし、特許文献5の帽子でも、表芯地と接着芯地との間に応力差が生じることには変わらず、実際に得られるレンゲの曲率半径が所望の曲率半径よりも僅かに大きくなってしまうという課題があった。
特開2003−166113号公報 特開2009−041138号公報 特開2010−236173号公報 特開2012−162828号公報 特開2014−167180号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、加熱プレス型でレンゲを曲面状に成形した後でも、真っ直ぐな状態へと戻ろうとする力がレンゲに生じにくく、実際に得られるレンゲの曲率半径が所望の曲率半径よりも大きくなるのを抑えることのできる帽子の製造方法を提供するものである。また、この帽子の製造方法によって製造された帽子を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
略半球状のクラウンが複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合せることによって構成された帽子の製造方法であって、
前記複数枚のレンゲのうち少なくとも一部のレンゲを、表芯地と裏芯地とで構成し、
当該一部のレンゲを、
表芯地を曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地を表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる粗湾曲工程と、
粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型における凸曲面状のプレス面を有する雄型と凹曲面状のプレス面を有する雌型との間にセットするセット工程と、
セット工程を終えた表芯地及び裏芯地を加熱プレス型で加熱しながらプレスすることにより、表芯地と裏芯地とを一体化させるとともに曲面状に成形する本成形工程と、
を経ることにより製造する
ことを特徴とする帽子の製造方法
を提供することによって解決される。
このように、粗湾曲工程において、裏芯地を表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させることにより、本成形工程を終えた後の前記一部のレンゲには、真っ直ぐな状態へ戻ろうとする力が生じないようにすることが可能になる。
本発明の構成は、クラウンを形成する全てのレンゲにおいて採用してもよいが、この場合には、クラウン全体が硬めの感触となり、帽子の被り心地が低下するおそれがある。このため、本発明の構成は、クラウンを形成する複数枚のレンゲのうち一部のレンゲのみに施すと好ましい。特に、クラウン前部を形成する前側レンゲのみに採用すると好ましい。クラウンの保形性や見栄えを良くする観点からは、前側レンゲが最も重要であることに加えて、前側レンゲは多少硬めとなっても着用者に違和感を与えにくいからである。前側レンゲは、クラウンにおける着用者の頭部左前部を覆う(クラウン左前部を形成する)左前レンゲと、クラウンにおける着用者の頭部右前部を覆う(クラウン右前部を形成する)右前レンゲとで構成されることが多い。
本発明の帽子の製造方法において、前記一部のレンゲは、1枚のレンゲで構成してもよい(1枚のレンゲであっても、その頂点から底辺に向かって所定深さの切込を設け、その切込における対向辺部を互いに縫合する方法や、それに予め曲げ癖を付けること等によって粗湾曲させることができる。)が、互いに繋ぎ合わされる複数枚のレンゲ(クラウンで隣り合って配される複数枚のレンゲ)で構成すると好ましい。これにより、これら複数枚のレンゲを繋ぎ合せただけで、粗湾曲工程を終えることが可能になる。
具体的には、前記一部のレンゲを、互いに繋ぎ合わされる2枚のレンゲ(例えば、左前レンゲと右前レンゲ)とし、粗湾曲工程における表芯地の粗湾曲を、当該2枚のレンゲの表芯地における繋ぎ合わされる側の側縁同士を互いに縫合することによって行うとともに、粗湾曲工程における裏芯地の粗湾曲を、当該2枚のレンゲの裏芯地における繋ぎ合わされる側の側縁同士を互いに縫合することによって行うと好ましい。
このとき、前記2枚のレンゲのそれぞれの裏芯地における互いに繋ぎ合わされる側の側縁(以下、「内方側縁」と呼ぶことがある。)を、前記2枚のレンゲのそれぞれの表芯地における互いに繋ぎ合わされる側の側縁(内方側縁)と重なるように形成し、前記2枚のレンゲのそれぞれの裏芯地における互いに繋ぎ合わされない側の側縁(以下、「外方側縁」と呼ぶことがある。)を、前記2枚のレンゲのそれぞれの表芯地における互いに繋ぎ合わされない側の側縁(外方側縁)よりも内側に控えて形成すると好ましい。表芯地及び裏芯地の内方側縁を互いに重なるように形成しても、裏芯地を表芯地よりも厚みのある素材で形成することや、裏芯地を表芯地よりも硬めの素材で形成すること等によって、裏芯地の曲率半径を表芯地の曲率半径よりも小さくすることができる。この点、表芯地及び裏芯地の内方側縁を互いに重なるように形成しておけば、セット工程において、表芯地の繋ぎ目と裏芯地の繋ぎ目とが重なるように、表芯地と裏芯地とをセットし、本成形工程を行う際に、表芯地及び裏芯地の繋ぎ目周辺が相対的に移動しないようにすることが可能になる。また、裏芯地の外方側縁を表芯地の外方側縁よりも控えることで、本成形工程を終えた後の前記一部のレンゲに、真っ直ぐな状態へ戻ろうとする力がさらに生じにくくすることも可能になる。
本発明の帽子の製造方法において、粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地は、そのまま加熱プレス型にセットしてもよいが、粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を互いに仮留めする仮留め工程をセット工程の前に設けると好ましい。これにより、表芯地と裏芯地とを互いに位置決めした状態で加熱プレス型にセットすることが可能になり、加熱プレス型を型締めする際や本成形工程を行う際に、表芯地と裏芯地とが位置ずれしないようにすることができる。したがって、前記一部のレンゲをより綺麗な曲面状に成形することが可能になる。仮留めの具体的な方法は、特に限定されないが、表芯地と裏芯地とを糸(以下、「仮留糸」という。)で縫着する方法等が例示される。仮留糸は、本成形工程を終えた後に取り外される。仮留糸は、表芯地や裏芯地とは色の異なる目立つ色のものであると好適である。
本発明の帽子の製造方法において、前記一部のレンゲには、装飾等を施す必要は特にない。しかし、前記一部のレンゲを前側レンゲ(左前レンゲ及び右前レンゲ)とした場合等には、刺繍によってレンゲの外面にエンブレム等を表したい場合がある。ところが、クラウンを完全に半球状とした後では、レンゲに刺繍を施しにくいことがある。このため、前記一部のレンゲの外面に刺繍を施す刺繍工程を設ける場合、この刺繍工程は、セット工程よりも前に設けると好ましい。ただし、刺繍が施された前記一部のレンゲを加熱プレス型にセットして本成形工程を行うと、刺繍が施された部分が潰れるおそれがある。このため、セット工程において、前記刺繍に対応した箇所に逃がし部が形成された厚手の面材を加熱プレス型の雌型と前記一部のレンゲの表芯地との間に設けると好ましい。これにより、刺繍が施された部分が潰れることなく、前記一部のレンゲに本成形工程を施すことが可能となる。
また、上記課題は、
略半球状のクラウンが複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合せることによって構成された帽子であって、
前記複数枚のレンゲのうち少なくとも一部のレンゲが、表芯地と裏芯地とで構成され、
当該一部のレンゲが、
表芯地を曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地を表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる粗湾曲工程と、
粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型における凸曲面状のプレス面を有する雄型と凹曲面状のプレス面を有する雌型との間にセットするセット工程と、
セット工程を終えた表芯地及び裏芯地を加熱プレス型で加熱しながらプレスすることにより、表芯地と裏芯地とを一体化させるとともに曲面状に成形する本成形工程と、
を経ることにより製造された
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
この帽子は、上述した本発明の帽子の製造方法を用いて好適に製造することができるものとなっている。
以上のように、本発明によって、加熱プレス型でレンゲを曲面状に成形した後でも、真っ直ぐな状態へと戻ろうとする力がレンゲに生じにくく、実際に得られるレンゲの曲率半径が所望の曲率半径よりも大きくなるのを抑えることのできる帽子の製造方法を提供することが可能になる。また、この帽子の製造方法によって製造された帽子を提供することも可能になる。
本発明の帽子の製造方法で製造した帽子を示した斜視図である。 図1に示した帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。 左前レンゲの表芯地と右前レンゲの表芯地とをそれぞれ裏側から見た状態を示した図である。 左前レンゲの裏芯地と右前レンゲの裏芯地とをそれぞれ裏側から見た状態を示した図である。 セット工程を終えた加熱プレス型を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。 本成形工程を行っている加熱プレス型を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。 本成形工程を終えた後の加熱プレス型を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。 加熱プレス型における雄型のプレス面を該プレス面に垂直な方向(鉛直下側)から見た状態を示した図である。 本成形工程の前後における前側レンゲの形状の変化を示した写真である。
1. 本発明の帽子
本発明に係る帽子及びその製造方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の帽子の製造方法で製造した帽子を示した斜視図である。図2は、図1に示した帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。図3は、左前レンゲ11の表芯地11aと右前レンゲ12の表芯地12aとをそれぞれ裏側から見た状態を示した図である。図3においては、左前レンゲ11の裏芯地11b及び右前レンゲ12の裏芯地12bをそれぞれ破線で示している。図4は、左前レンゲ11の裏芯地11bと右前レンゲ12の裏芯地12bとをそれぞれ裏側から見た状態を示した図である。図4においては、左前レンゲ11の表芯地11a及び右前レンゲ12の表芯地12aをそれぞれ破線で示している。
本発明に係る帽子は、図1に示すように、略半球状のクラウン10を備えたものとなっている。クラウン10は、略二等辺三角形状の複数枚のレンゲ11〜16の側縁同士を互いに繋ぎ合せることにより、略半球状に形成されている。クラウン10を形成するレンゲの枚数は、特に限定されないが、本実施態様の帽子においては、クラウン10の左前部を形成する左前レンゲ11と、クラウン10の右前部を形成する右前レンゲ12と、クラウン10の左側部を形成する左横レンゲ13と、クラウン10の右側部を形成する右横レンゲ14と、クラウン10の左後部を形成する左後レンゲ15と、クラウン10の右後部を形成する右後レンゲ16とで構成される計6枚のレンゲ11〜16でクラウン10を構成している。以下においては、クラウン10の前部を形成する左前レンゲ11と右前レンゲ12とを合わせて「前側レンゲ11,12」と表記することがある。
レンゲ11,12,13,14,15,16は、図2に示すように、それぞれ、表地11aと裏地11b、表地12aと裏地12b、表地13aと裏地13b、表地14aと裏地14b、表地15aと裏地15b、表地16aと裏地16bとで構成された複層構造を有している。このうち、前側レンゲ11,12の表地11a,12aは、やや硬めの生地(芯地)によって形成しており、前側レンゲ11,12の裏地11b,12bも、やや硬めの生地(芯地)によって形成している。これに対し、表地13a,14a,15a,16a及び裏地13b,14b,15b,16bは、芯地ではなく、柔らか目の生地を使用している。以下においては、芯地によって形成した左前レンゲ11の表地11a及び裏地11b並びに右前レンゲ12の表地12a及び裏地12bを、それぞれ、「表芯地11a」及び「裏芯地11b」並びに「表芯地12a」及び「裏芯地12b」と表記することがある。
本実施態様の帽子では、その前側レンゲ11,12が、後述する粗湾曲工程とセット工程と本成形工程とを経て曲面状に成形されており、真っ直ぐな状態へと戻ろうとする力が前側レンゲ11,12に生じにくく、前側レンゲ11,12を綺麗な曲面状に保持できるものとなっている。
2. 本発明の帽子の製造方法
上述した本実施態様の帽子は、以下の方法により製造される。本実施態様の帽子を製造する各工程のうち、前側レンゲ11,12に直接関係しない工程(レンゲ13〜16、帯材20、ビン皮30及び鍔40の裁断、縫製又は縫合等)については、従来の帽子と同様の方法を採用することができる。このため、以下においては、本実施態様の帽子を製造する各工程のうち、前側レンゲ11,12に関する工程を中心に説明し、その他の工程については説明を割愛する。
本実施態様の帽子において、前側レンゲ11,12は、
(1)表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを粗湾曲させる粗湾曲工程と、
(2)粗湾曲工程を終えた表芯地11a,12aの外面に刺繍を施す刺繍工程と、
(3)刺繍工程を終えた表芯地11a,12aと粗湾曲工程を終えた裏芯地11b,12bとを互いに仮留めする仮留め工程と、
(4)仮留め工程を終えた表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型50にセットするセット工程と、
(5)セット工程を終えた表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを加熱プレス型50で加熱しながらプレスする本成形工程と、
を経ることにより製造される。
表芯地11a,12aに用いる生地の種類は、後述する粗湾曲工程等を行うことができるものであれば特に限定されず、合成繊維や天然繊維からなる各種の生地や、これに樹脂シート等をラミネートした生地を用いることができる。本実施態様の製造方法において、表芯地11a,12aは、ポリエステル繊維からなる糸(番手10/−)を織製した生地(打込本数31本(タテ)×33本(ヨコ)の裏面に、エチレン酢酸ビニル(EVA)とポリエチレンとをブレンドした樹脂シートをラミネートした生地を用いている。
また、裏芯地11b,12bに用いる生地の種類も、後述する粗湾曲工程等を行うことができるものであれば特に限定されず、合成繊維や天然繊維からなる各種の生地や、これに樹脂シート等をラミネートした生地を用いることができる。本実施態様の製造方法において、裏芯地11b,12bは、ポリエステル繊維からなる糸(タテ糸の番手10/2、ヨコ糸の番手10/2)を織製した生地(目付370g/m、打込本数25本(タテ)×25本(ヨコ))を用いている。裏芯地11b,12bの外面(表芯地11a,12a)に貼り付けられる面には、後述するように接着剤が塗布されている。
2.1 粗湾曲工程
粗湾曲工程は、表芯地11a,12aを曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地11b,12bを表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる工程である。既に述べた通り、粗湾曲工程の具体的な方法は、特に限定されない。本実施態様の製造方法では、図3に示される表芯地11aにおける内方側縁Aと表芯地12aにおける内方側縁Bとを互いに縫合することによって、表芯地11a,12aを曲面状に粗湾曲させるとともに、図4に示される裏芯地11bにおける内方側縁Cと裏芯地12bにおける内方側縁Dとを互いに縫合することによって、裏芯地11b,12bを曲面状に粗湾曲させている。すなわち、内方側縁A,B,C,Dは、いずれも凸な曲線を為しているため、表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bがいずれも平面状に裁断されたものであったとしても、内方側縁A,B,C,Dを上記のように縫合することによって、縫合後の表芯地11aと表芯地12a、及び、縫合後の裏芯地11bと裏芯地12bを、図2に示すように、いずれも曲面状に立体的に粗湾曲(略球面状に粗湾曲)させることができる。
粗湾曲工程において、裏芯地11b,12bの曲率半径を、表芯地11a,12aの曲率半径よりも小さくする方法は、特に限定されない。例えば、図4における裏芯地11b,12bの内方側縁C,Dのカーブを、表芯地11a,12aの内方側縁A,Bのカーブよりもきつくすれば、縫合後の裏芯地11b,12bの曲率半径を、縫合後の表芯地11a,12aの曲率半径よりも小さくすることができる。しかし、この場合には、後述する加熱プレス型50を型締めする際や本成形工程を行う際に、表芯地11aと表芯地12aとの繋ぎ目周辺と裏芯地11bと裏芯地12bとの繋ぎ目周辺とが相対的に移動するようになり、前側レンゲ11,12を綺麗な曲面状に仕上げることが難しくなるおそれがある。このため、本実施態様の製造方法においては、図4に示すように、裏芯地11bの内方側縁Cを、表芯地11aの内方側縁Aにおける区間Aと、互いに重なる同じカーブで形成して、裏芯地12bの内方側縁Dを、表芯地12aの内方側縁Bにおける区間Bと、互いに重なる同じカーブで形成している。裏芯地11b,12bは、表芯地11a,12aよりも厚く硬めの生地によって形成されているため、裏芯地11b,12bの内方側縁C,Dに一致させても、裏芯地11b,12bの曲率半径は、表芯地11a,12aの曲率半径よりも小さくなる。
表芯地11a,12aの縫合部の中心部(裏面側から見て最も窪んだ箇所)における曲率半径(rとする。)に対する裏芯地11b,12bの縫合部の中心部(裏面側から見て最も窪んだ箇所)における曲率半径(rとする。)の比r/rは、1未満であれば特に限定されない。しかし、比r/rを小さくしすぎると、後述する本成形工程において、裏芯地11b,12bが表芯地11a,12aに沿いにくくなるだけでなく、本成形工程後において、裏芯地11b,12bが表芯地11a,12aを内側へ引っ張る力が強くなりすぎるおそれもある。このため、比r/rは、0.6以上とすると好ましい。比r/rは、0.7以上であるとより好ましく、0.8以上であるとさらに好ましい。一方、比r/rを大きくしすぎると、本成形工程を終えた前側レンゲ11,12に発現し得る真っ直ぐな状態へ戻ろうとする力を抑制できなくなるおそれがある。このため、比r/rは、0.99以下とすると好ましい。比r/rは、0.97以下であるとより好ましく、0.95以下であるとさらに好ましい。
また、本実施態様の製造方法においては、図4に示すように、裏芯地11bの外方側縁Cを、表芯地11aの外方側縁Aよりも幅Wだけ内側に控えて、裏芯地12bの外方側縁Dを、表芯地12aの外方側縁Bよりも幅Wだけ内側に控えている。裏芯地11b,12bの外方側縁C,Dは、後述する本成形工程において、それぞれ表芯地11a,12aの外方側縁A,Bに略一致する箇所で定着される。このため、本成形工程を終えた後の裏芯地11b,12bから表芯地11a,12aに対して、内側に曲げようとする力が加わるようにすることができる。よって、前側レンゲ11,12をより綺麗な曲面状に形成することが可能となっている。裏芯地11b,12bの外方側縁C,Dを控える幅Wは、裏芯地11b,12bの厚さや横幅等によっても異なり、特に限定されない。しかし、幅Wを狭くしすぎると、上記の効果が奏されにくくなるおそれがある。このため、幅Wは、0.3mm以上とすると好ましい。幅Wは、0.5mm以上とするとより好ましく、1mm以上とするとさらに好ましい。一方、幅Wを広くしすぎると、裏芯地11b,12bから表芯地11a,12aへ加えられる表芯地11a,12aを内側に曲げようとする力が大きくなりすぎるおそれがある。このため、幅Wは、通常、5mm以下とされる。幅Wは、3mm以下であると好ましく、2mm以下であるとより好ましい。本実施態様の製造方法において、幅Wは約1mmとしている。
ところで、本実施態様の製造方法においては、裏芯地11b,12bの下縁C,Dを表芯地11a,12aの下縁A、Bよりも幅Wだけ内側に控えている。幅Wの具体的な値は、特に限定されないが、本実施態様の製造方法においては、10〜15mmとしている。
2.2 刺繍工程
刺繍工程は、粗湾曲工程を終えた表芯地11a,12aの外面に刺繍17(図2を参照)を施す工程となっている。刺繍17は、帽子にエンブレムを設けることや、帽子に装飾のための模様を表すこと等を目的として施され、その目的に応じた文字又は図形等を表した形態で設けられる。刺繍17を設ける場所は、その目的等によっても異なり、特に限定されないが、本実施態様の帽子においては、表芯地11aと表芯地12aとの境界の略中央部に刺繍17を設けており、刺繍17が帽子のエンブレムとして機能するようにしている。刺繍17を施す方法は、従来の刺繍と同様の方法を採用することができるため、詳しい説明は割愛する。
2.3 仮留め工程
仮留め工程は、刺繍工程を終えた表芯地11a,12aと、粗湾曲工程を終えた裏芯地11b,12bとを重ねて互いに工程である。これにより、表芯地11a,12aと裏芯地11b,12bとを互いに位置決めした状態で加熱プレス型にセットすることが可能になる。仮留めの具体的な方法は、特に限定されないが、本実施態様の製造方法においては、表芯地11a,12aと裏芯地11b,12bとの中央部付近を仮留糸(図示省略)で局所的に縫着している。本実施態様の製造方法において、表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bは、いずれも紺色や黒色の暗色としているため、仮留糸は、白色(明色)としている。これにより、仮留糸を目立たせ、本成形工程を終えた後に仮留糸を容易に取り外すことが可能となっている。また、仮留糸の取り外し忘れを防止することも可能となっている。
2.4 セット工程
図5は、セット工程を終えた加熱プレス型50を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。セット工程は、図5に示すように、表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型50における凸曲面状のプレス面51aを有する雄型51と凹曲面状のプレス面52aを有する雌型52との間にセットする工程である。図5を見ると、裏芯地11b,12bの曲率半径が、表芯地11a,12aの曲率半径よりも小さくなっていることが分かる。
接着剤は、表芯地11a,12aと裏芯地11b,12bとの間に介在されるのであれば、どのような態様で設けるのかは特に限定されない。接着剤は、表芯地11a,12aの裏面に塗布してもよいが、通常、裏芯地11b,12bの表面に塗布される。本実施態様の製造方法においては、裏芯地11b,12bの表面に接着剤を点状に塗布している(いわゆる「ドット糊」)。このように、接着剤を点状に塗布することにより、本成形工程を終えた後の前側レンゲ11,12に皺が形成されにくくすることが可能となっている。使用する接着剤の種類は、後述する本成形工程において溶融し、本成形工程後に硬化するものであれば特に限定されない。このような接着剤としては、エチレン酢酸ビニル(EVA)等の熱可塑性樹脂からなるホットメルト型接着剤が挙げられる。
加熱プレス型50は、雄型51と雌型52が非鉛直方向(水平方向など)に対向するように配置されたものであってもよいが、本実施態様の加熱プレス型50は、雄型51と雌型52が鉛直方向に対向するように配置されたものとなっている。これにより、表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを支持するための機構を別途設けなくても、セット工程を行うことが可能となるし、加熱プレス型50の機構も簡素で省スペースなものとすることができる。この場合、いずれを上型(鉛直上側に配される型)としていずれを下型(鉛直下側に配される)するかは特に限定されないが、本実施態様の加熱プレス型50においては、雄型51を上型とし、雌型52を下型としている。
また、本実施態様の製造方法においては、図5に示すように、雄型51のプレス面51a及び雌型52のプレス面52aを、それぞれ厚手(非圧縮時の厚さが1〜20mm程度)の面材53,54で覆っている。このため、後述する本成形工程で加熱されたプレス面51a,52aが裏芯地11b,12b及び表芯地11a,12aに直接的に接触しないようになっており、裏芯地11b,12b及び表芯地11a,12aを熱によって痛みにくくしている。面材53,54の素材は、特に限定されないが、後述するように、本成形工程における裏芯地11b,12b及び表芯地11a,12aの加熱を、プレス面51a又はプレス面52aから吹き付けられる加圧蒸気によって行う場合には、不織布等、通気性を有するものであると好ましい。これにより、本成形工程においてプレス面51a,52aから吹き付けられる加圧蒸気をプレス面51aとプレス面52aとの間で拡散させることが可能になり、裏芯地11b,12b及び表芯地11a,12aにおける広い範囲を均一に加熱することが可能になる。また、面材53,54を、不織布等のクッション性を有する素材としておけば、加熱プレス型50を型締めした際に、裏芯地11b,12b及び表芯地11a,12aが狭い隙間内にピッタリと挟み込まれないようにして、前側レンゲ11,12にシワが形成されるのを防止することが可能になる。
ところで、本実施態様の製造方法においては、図5に示すように、表芯地11a,12aが配される側の面材54として、その中央部に開口部54a(逃がし部)が設けられたものを用いている。本実施態様の製造方法では、上述したように、表芯地11a,12aの中央部に刺繍17が施されるところ、面材54が刺繍17に当たると、後述する本成形工程において、刺繍17が潰れるおそれがある。この点、面材54における刺繍17に重なる箇所に逃がし部として開口部54aを設けておくことで、刺繍17が潰れることなく本成形工程を行うことが可能となっている。開口部54aの開口形状は、刺繍17を入れることが可能な形態であれば特に限定されない。また、刺繍17の逃がし部は、面材54を表裏に貫通する開口部54aである必要はなく、面材54を表裏に貫通しない凹部(面材54における表芯地11a,12aが配される側に設けた凹部)としてもよい。
また、面材54における表芯地11a,12aが載置される側の面は、金網で覆うことも好ましい。これにより、本成形工程を終えた後の表芯地11a,12aの外面のてかりを防止することが可能になる。セット工程を終えると、加熱プレス型50を型締めして、後述する本成形工程が行われる。
[本成形工程]
図6は、本成形工程を行っている加熱プレス型50を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。本成形工程は、図6に示すように、前側レンゲ11,12の表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bを、プレス型50で加熱しながらプレスすることにより、表芯地11a,12aと裏芯地11b,12bとを一体化させるとともに略球面状に成形する工程となっている。
本成形工程における表芯地11a,12a及び裏芯地11b,12bの加熱は、雄型51や雌型52の内部に収容した熱源(ヒーターやバーナーなど)で雄型51や雌型52を直接的に加熱することによって行ってもよいが、本実施態様の製造方法においては、雄型51から吹き付ける加圧蒸気によって行うようにしている。すなわち、雄型51のプレス面51aには、図6に示すように、直径1cm程度の複数の蒸気吹付孔51bを設けており、これらの蒸気吹付孔51bから吹き付けられる加圧蒸気によって前側レンゲ11,12を加熱するようにしている。蒸気吹付孔51bから吹き付けられた加圧蒸気は、雄型51のプレス面51aと雌型52のプレス面52aとの間を拡散した後、雌型52のプレス面52aに設けられた複数の蒸気抜孔52bから抜けるようになっている。蒸気吹付孔51b及び蒸気抜孔52bは、それぞれプレス面51a及びプレス面52aにおける中心部及びその周辺に7行7列で計49個(図8を参照)ずつ設けている。図8は、加熱プレス型50における雄型51のプレス面51aを垂直な方向(鉛直下側)から見た状態を示した図である。
蒸気吹付孔51bから吹き付ける加圧蒸気の温度は、特に限定されないが、低すぎると、前側レンゲ11,12に高い保形性を付与することが困難になるおそれがある。このため、加圧蒸気の温度は、通常、80℃以上とされる。加圧蒸気の温度は、90℃以上であると好ましく、100℃以上であると好ましい。一方、蒸気吹付孔51bから吹き付ける加圧蒸気の温度を高くしすぎると、前側レンゲ11,12が焦げるおそれがある。このため、加圧蒸気の温度は、通常、150℃以下とされる。加圧蒸気の温度は、130℃以下であると好ましく、120℃以下であるとより好ましい。本実施態様の製造方法において、加圧蒸気の温度は、約110℃としている。
また、蒸気吹付孔51bから加圧蒸気を吹き付ける時間(加熱時間)は、本成形工程を行う前側レンゲ11,12を形成する生地の厚さなどによっても異なり、特に限定されない。しかし、加熱時間が短すぎると、前側レンゲ11,12を所望の形状に成形して維持しにくくなるおそれがある。このため、加熱時間は、通常、5秒以上とされる。加熱時間は、10秒以上であると好ましく、15秒以上であるとより好ましい。一方、加熱時間を長くしすぎると、本成形工程において、前側レンゲ11,12を所望の形状に成形して維持することが困難になるおそれがある。また、帽子の生産性も低下するおそれがある。さらに、加圧蒸気の温度によっては、前側レンゲ11,12が焦げるおそれがある。このため、加熱時間は、通常、120秒以下とされる。加熱時間は、60秒以下であると好ましく、40秒以下であるとより好ましい。本実施態様の製造方法において、前側レンゲ11,12を形成する生地の厚さは2mm程度となっており、本成形工程における加熱時間は、20秒としている。ただし、加熱時間の終了後に、プレス面51aとプレス面52aとの間に残留する蒸気を蒸気抜孔52bから抜くバキューム時間を別途20秒設けている。
図9は、本成形工程の前後における前側レンゲ11,12の形状の変化を示した写真である。本成形工程を終えた後の前側レンゲ11,12は、図9の下側に示すように、本成形工程前(同図上側)よりも、曲率半径が小さく見た目が自然で綺麗な略球面状となっている。本成形工程を完了すると、前側クラウン11,12を冷却する。前側クラウン11,12は、積極的に冷却してもよいが、通常、自然冷却で十分である。
[その他]
本成形工程を終えると、続いて、クラウン成形工程を行う。クラウン成形工程は、図2に示すように、本成形工程を終えた前側レンゲ11,12に、他のレンゲ13〜16を繋ぎ合せて略半球状のクラウン10を得る工程である。他のレンゲ13〜16は、前側レンゲ11,12に繋ぎ合せる前に、予め互いに繋ぎ合せていてもよいし、前側レンゲ11,12にレンゲ13,14を繋ぎ合せ、さらにレンゲ15,16を繋ぎ合せるようにしてもよい。レンゲ11〜16を互いに繋ぎ合せる方法は、通常、ミシンなどを用いて各生地を縫合することによって行われる。このとき、レンゲ11〜16の境界部には、通常、帯材20(図2を参照)が縫い合わせられる。クラウン成形工程を終えて略半球状となったクラウン10には、ビン皮30(図2を参照)や鍔40(図2を参照)など、帽子の種類に応じて必要な部材が取り付けられる。クラウン10の内側には、半球状に形成されたメッシュ生地(図示省略)を取り付けることもできる。
クラウン成形工程を終えると、続いて、型入工程を行う。型入工程は、クラウン形成工程を終えたクラウン10を型入れしてクラウン10のシワを伸ばす工程である。型入れは、略半球状に形成された型(通常、加熱されている。)をクラウン10の内側に挿入した状態で、クラウン10の外面を手などで押さえ付けることなどにより行う。この型入工程によって、シワを伸ばしてクラウン10の形を整えたり、ビン皮などをクラウン10に馴染ませたりすることが可能である。型入工程に用いる型としては、従来から用いられている各種のものを使用することができる。型入工程を完了すると、本実施態様の帽子の製造方法は完了する。
[用途]
本発明の帽子の製造方法は、略半球状のクラウンを備えた各種の帽子を製造するのに用いることができる。略半球状のクラウンを備えた帽子としては、野球帽のようにクラウン前部の下縁に鍔(前鍔)を備えたキャップ型のもののほか、クラウン全周部の下縁に鍔(プリム)を備えたハット型のものなどが例示される。本発明の帽子の製造方法は、クラウンの保形性を向上させることができるものであるため、着用や洗濯などによるクラウンの型崩れが問題となりやすい、野球帽などの運動帽や、通学帽や、作業帽など、頻繁な着用と洗濯が想定される帽子を製造するのに特に好適である。
10 クラウン
11 左前レンゲ(前側レンゲ)
11a 表芯地(表地)
11b 裏芯地(裏地)
12 右前レンゲ(前側レンゲ)
12a 表地
12b 裏地
13 左横レンゲ
13a 表地
13b 裏地
14 右横レンゲ
14a 表地
14b 裏地
15 左後レンゲ
15a 表地
15b 裏地
16 右後レンゲ
16a 表地
16b 裏地
20 帯材
30 ビン皮
40 鍔
50 加熱プレス型
51 雄型
51a プレス面
51b 蒸気吹付孔
52 雌型
52a プレス面
52b 蒸気抜孔
53 面材
54 面材
54a 開口部(逃がし部)

Claims (7)

  1. 略半球状のクラウンが複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合せることによって構成された帽子の製造方法であって、
    前記複数枚のレンゲのうち少なくとも一部のレンゲを、表芯地と裏芯地とで構成し、
    当該一部のレンゲを、
    表芯地を曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地を表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる粗湾曲工程と、
    粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型における凸曲面状のプレス面を有する雄型と凹曲面状のプレス面を有する雌型との間にセットするセット工程と、
    セット工程を終えた表芯地及び裏芯地を加熱プレス型で加熱しながらプレスすることにより、表芯地と裏芯地とを一体化させるとともに曲面状に成形する本成形工程と、
    を経ることにより製造する
    ことを特徴とする帽子の製造方法。
  2. 前記一部のレンゲを、互いに繋ぎ合わされる2枚のレンゲとし、
    粗湾曲工程における表芯地の粗湾曲を、当該2枚のレンゲの表芯地における繋ぎ合わされる側の側縁同士を互いに縫合することによって行うとともに、
    粗湾曲工程における裏芯地の粗湾曲を、当該2枚のレンゲの裏芯地における繋ぎ合わされる側の側縁同士を互いに縫合することによって行う請求項1記載の帽子の製造方法。
  3. 前記2枚のレンゲのそれぞれの裏芯地における互いに繋ぎ合わされる側の側縁を、前記2枚のレンゲのそれぞれの表芯地における互いに繋ぎ合わされる側の側縁と重なるように形成し、
    前記2枚のレンゲのそれぞれの裏芯地における互いに繋ぎ合わされない側の側縁を、前記2枚のレンゲのそれぞれの表芯地における互いに繋ぎ合わされない側の側縁よりも内側に控えて形成する
    請求項2記載の帽子の製造方法。
  4. 前記一部のレンゲを、クラウン左前部を形成する左前レンゲと、クラウン右前部を形成する右前レンゲとした請求項2又は3記載の帽子の製造方法。
  5. 粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を互いに仮留めする仮留め工程をセット工程の前に設けた請求項1〜4いずれか記載の帽子の製造方法。
  6. 前記一部のレンゲの外面に刺繍を施す刺繍工程をセット工程よりも前に設け、
    セット工程において、前記刺繍に対応した箇所に逃がし部が形成された厚手の面材を加熱プレス型の雌型と前記一部のレンゲの表芯地との間に設ける
    請求項1〜5いずれか記載の帽子の製造方法。
  7. 略半球状のクラウンが複数枚のレンゲを互いに繋ぎ合せることによって構成された帽子であって、
    前記複数枚のレンゲのうち少なくとも一部のレンゲが、表芯地と裏芯地とで構成され、
    当該一部のレンゲが、
    表芯地を曲面状に粗湾曲させるとともに、裏芯地を表芯地よりも小さな曲率半径の曲面状に粗湾曲させる粗湾曲工程と、
    粗湾曲工程を終えた表芯地及び裏芯地を、接着剤を介して互いに重ね合わせた状態で、加熱プレス型における凸曲面状のプレス面を有する雄型と凹曲面状のプレス面を有する雌型との間にセットするセット工程と、
    セット工程を終えた表芯地及び裏芯地を加熱プレス型で加熱しながらプレスすることにより、表芯地と裏芯地とを一体化させるとともに曲面状に成形する本成形工程と、
    を経ることにより製造された
    ことを特徴とする帽子。
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