JP2016102053A - シリコチタネート成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量の被処理水溶液を、大きい流速で吸着媒充填層を通過させる吸着処理において、成形体の磨耗が抑制され、なおかつ、高いセシウム及びストロンチウムの選択吸着特性を有するシリコチタネート成形体、該成形体を製造する方法、該成形体を含む吸着剤を提供することを目的とする。【解決手段】シリカ、アルミナ、ジルコニア、及び酸化タングステンの群から選ばれる一つ以上の酸化物と、シチナカイト構造を有するシリコチタネートを含むシリコチタネート成形体。当該成形体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化タングステンの群から選ばれる少なくとも一つ以上の酸化物ゾル、シリコチタネート、及び水を混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を成形して成形体を得る成形工程と、該成形体を焼成する焼成工程を有するシリコチタネート成形体の製造方法により得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、シチナカイト構造を有するシリコチタネートと酸化物を含む成形体、該成形体の製造方法、及び該成形体を用いた吸着剤に関する。本発明の成形体は、例えば海水、地下水中のセシウム、ストロンチウムの吸着除去処理の用途に有用である。
海水、地下水中のセシウム、ストロンチウムの吸着除去処理剤としてシリコチタネートが使用されている。
非特許文献1には、結晶化シリコチタネートのペレット成形体を用いた、セシウムを含む廃液からのセシウムの除去が開示されている。しかしながら、当該ペレット成形体は、これを充填したカラムにセシウムを含む廃液を流すと、成形体の一部が溶解又は摩耗しカラムに詰まる。そのため、非特許文献1で開示された成形体では、セシウムを含む廃液の処理能力が低下することが課題であった。カラムの詰まりを防ぐためには、成形体をあらかじめアルカリ溶液で処理するなどして、溶出や摩耗する成分を除去する方法が開示されている。
特許文献1には、放射性ストロンチウム及び放射性セシウムを含有する水溶液からのストロンチウム、セシウムの吸着剤として、磁性体にケイチタン酸、ゼオライト等の吸着物質を担持した剤を用いた処理方法が開示されている。
特許文献2には、ストロンチウム及びセシウムの吸着剤として、樹脂に吸着物質を担持した吸着剤を使用した放射性廃液処理装置が開示されている。
特許文献3には、放射性セシウム汚染物収納用容器として、セピオライト粉末及び/又はケイチタン酸塩等の混合粉末を当該収納用容器底部に敷き詰め処理する処理法が開示されている。
非特許文献1に記載の方法は、吸着剤をあらかじめ前処理しないと処理能力が低下する。特許文献1及び2に記載の方法は、吸着物質を担体に担持した吸着剤を用いており、吸着剤の単位重量当たり、又は単位体積当たりの吸着能力が低いものであった。特許文献3に記載の方法は、被処理水溶液を吸着剤充填層に通す方法に比べ、吸着処理の効率は悪いものであった。
特開2013−88391号公報 特許第5285171号公報 特許第4919528号公報
May Nyman,et al,"Characterization of UOP IONSIV IE−911",SANDIA REPORT,SAND2001−0999,Printed june 2001,Sandia National Laboratories
本発明は、大量の被処理水溶液を、大きい流速で吸着媒充填層を通過させる吸着処理における過酷な条件下で使用しても、成形体の磨耗が抑制され、なおかつ、高いセシウム及びストロンチウムの選択吸着特性を有するシリコチタネート成形体、当該成形体を製造する方法、当該成形体を含む吸着剤を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題に対し鋭意検討した。その結果、シチナカイト構造を有するシリコチタネートの成形体であって、特定の酸化物を含有する成形体が、被処理水溶液を大きい流速で流す条件下での吸着処理に用いても、成形体の摩耗が著しく抑制されること、さらには、海水又は地下水などの水溶液中のセシウム及びストロンチウムの選択吸着特性が高いことを見出した。
すなわち、本発明は、特定の酸化物とシチナカイト構造を有するシリコチタネート成形体、該成形体の製造方法、及び該成形体を用いた吸着剤である。
以下、本発明のシリコチタネート成形体について詳細に説明する。
本発明はシリコチタネート成形体に係る。本発明のシリコチタネート成形体は無機結合剤として酸化物を含有する。酸化物は、シリカ、ジルコニア、アルミナ及び酸化タングステンの群から選ばれるいずれか1種以上であり、更に好ましくはシリカ又はジルコニアの少なくともいずれかであり、また更に好ましくはシリカである。
本発明のシリコチタネート成形体に含有されるシリコチタネートは、シチナカイト構造を有する。これにより、本発明のシリコチタネート成形体がセシウム及びストロンチウムに対する高い選択吸着性を有する。ここでシチカナイト構造とは結晶構造の一つであり、E.V.Sokolova他,Sov.Phys.Dokl.34,583(1989)(以下、「参考文献1」とする。)、又は、M.J.Buerger他,W.A.DollAse,Z.KRISTALLOGR.,125,92(1967)(以下、「参考文献2」とする。)、又はAmerican Mineralogist Crystal Structure Database(http://ruff.geo arizona.edu./AMS/amcsd.php、検索日:2014年7月1日、以下、「参照HP1」とする。)におけるsitinakite、のいずれかに記載された粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターンにおいて示される特徴的なピークに帰属される結晶構造である。本発明の成形体は当該ピークを有していれば、含有するシリコチタネートとして、シチナカイト構造のシリコチタネート単独、又は、後述するシリコチタネート組成物のいずれであってもよい。
本発明のシリコチタネート成形体に含有される酸化物は、平均粒子径が0.01以上1.00μm以下であり、0.05〜1.00μmの粒子であることが好ましく、更には、平均粒子径が0.05〜0.20μmであることが好ましい。平均粒子径が0.01μm以上、特に0.05μm以上であるとシリコチタネートの細孔を閉塞しにくくなるため吸着能力がより高くなる。平均粒子径1.00μm以下であるとシリコチタネート成形体を構成する粉末の間に空隙が生じにくい。
本発明のシリコチタネート成形体は、シリコチタネート100重量部に対して、酸化物が5以上30重量部以下であり、5〜20重量部、すなわち5重量部以上20重量部以下であることが好ましく、更には5〜15重量部、すなわち5重量部以上15重量部以下であることが好ましく、更には5〜10重量部、すなわち5重量部以上10重量部以下であることが好ましい。酸化物が5重量部以上であると結合力が大きくなり、成形体の強度が高くなる。酸化物が30重量部以下、特に20重量部以下であると成形体の単位重量当たり、又は単位体積当たりの吸着能力が高くなる。
本発明のシリコチタネート成形体の全細孔容積は0.10mL/g以上であり、好ましくは0.20mL/g以上、更に好ましくは0.25mL/g以上、特に好ましくは0.30mL/gである。これにより、本発明の成形体を吸着剤として用いた際に、当該成形体内部への吸着物質の拡散の効率がよくなるため、より効率よく吸着処理を行うことができ、かつ、選択的なストロンチウム吸着性能を示す。通常、本発明のシリコチタネート成形体の細孔容積は0.60mL/g以下である。
ここで全細孔容積とは、一般的な水銀圧入法試験により測定され、5〜5000nmの範囲における細孔容積の合計を表す。
本発明のシリコチタネート成形体は、特に細孔径20〜60nmの規則的な細孔を有することが好ましい。ここで、細孔径20〜60nmの規則的な細孔を有することは、全細孔容積に対する、細孔径20〜60nmの範囲での細孔容積の比率で表すことができる。具体的に、当該細孔容積の比率は0.10以上であることが好ましく、更に好ましくは0.30以上、また更に好ましくは0.50以上、特に好ましくは0.60以上である。これにより、特に成形体内部へ物質拡散が促進され、本発明のシリコチタネート成形体を吸着剤として使用した際に高い性能、特に高いストロンチウム吸着性能を示す。
本発明のシリコチタネート成形体に含有されるシリコチタネートは、ニオブを含有してもよい。これにより本発明のシリコチタネート成形体が、より高いセシウム及びストロンチウムの選択吸着性を有する。
本発明のシリコチタネート成形体のNb/Tiモル比は0.10以上であることが好ましく、更に好ましくは0.20以上、また更に好ましく0.40以上である。これにより本発明のシリコチタネート成形体がより高いセシウム、及びストロンチウム、特ストロンチウムに対する吸着性能を有する。通常、Nb/Tiモル比は1.5以下であれば十分な吸着性能を示す。
本発明のシリコチタネート成形体の形状は、例えば、円柱状、円板状、中空状、多面体状、球状、略球状、三つ葉状及び塊状からなる群の少なくとも1種であり、更に好ましくは円柱状、球状、三つ葉状及び塊状からなる群の少なくとも1種であり、特に好ましくは円柱状、又は塊状の少なくともいずれかである。
本発明のシリコチタネート成形体は、好ましくは平均径が0.1mm以上、更には0.3mm以上であることが好ましい。これにより、本発明のシリコチタネート成形体を充填層に充填した際に、圧力損失が小さくなり、被処理溶液を通液した際に消費するエネルギーが少なくなる。一方、平均直径は5.0mm以下、更には4.0mm以下、また更には2.0mm以下であることが好ましい。これにより、充填層単位体積当りの表面積が大きくなる。
本発明のシリコチタネート成形体は、セシウム吸着の選択性が高い。そのため、本発明のシリコチタネート成形体は、セシウム吸着に対する分配係数が800,000mL/g以上、更には1,000,000mL/g以上であり、また更には2,000,000mL/g以上である。セシウム吸着に対する分配係数が800,000mL/g以上であれば、処理溶液中のセシウム以外の共存成分、たとえば、海水中であればカルシウムやマグネシウム等が吸着されにくくなり、セシウム吸着をより効率的に吸行うことできる。
本発明のシリコチタネート成形体は、ストロンチウム吸着の選択性が高い。そのため、本発明のシリコチタネート成形体は、ストロンチウム吸着に対する分配係数が4,000mL/g以上、更には5,000mL/g以上であり、また更には6,000mL/g以上である。ストロンチウム吸着に対する分配係数が4,000mL/g以上であれば、処理溶液中のストロンチウム以外の共存成分、たとえば、海水中であればカルシウムやマグネシウム等が吸着されにくくなり、ストロンチウム吸着をより効率的に行うことできる。
本発明のシリコチタネート成形体の摩耗度は10重量%以下、更には6重量%以下であり、更には4重量%以下であることが好ましい。摩耗度が10重量%以下であることで、本発明のシリコチタネート成形体を吸着剤として使用するにあたりカラム等に充填する際に、浄化装置底部や配管のつまりの原因となる吸着剤の破砕物が生じにくくなる。
ここで、本発明における摩耗度とは、シリコチタネート成形体同士、又は当該成形体とカラム等の壁面の間の磨耗により、該成形体から脱落した固形分の重量を元の成形体に対する重量比で表した値である。磨耗度評価は、例えば、JIS−K−1464(工業用乾燥剤の摩耗試験)又は米国特許59258284号公報に記載の方法、あるいはそれらに準じた方法により求めることができる。
本発明のシリコチタネート成形体は、かさ密度が0.55g/cm以上、更には0.60g/cm以上、また更には0.70g/cm以上であることが好ましい。かさ密度が0.55g/cm以上であることで、より少量の吸着剤でセシウム及びストロンチウムを吸着することができる。これにより、カラム等の充填層の体積を減らすことができ、処理装置の小型化が可能となる。一方、かさ密度は0.95g/cm以下であることが好ましい。かさ密度が0.95g/cm以下であることで、カラム内における被処理水溶液の流通に偏りが生じにくく、カラムとしての吸着性能の低下を抑制できる。
本発明のシリコチタネート成形体のシリコチタネートは、結晶化度の高いシチナカイト構造を有するシリコチタネートであることが好ましい。結晶化度が高いと、セシウム及びストロンチウムに対してより高い選択性での吸着処理が可能となる。金属塩を原料として用いる中和法により得られるシリコチタネート、又は金属アルコキシドを原料として用いる加水分解法により得られるシリコチタネートが好ましく、中和法により得られるシリコチタネートが好ましい。中和法により得られるシリコチタネートは、特に高い結晶化度を有するため、より高い選択的な吸着能力を有する。
本発明のシリコチタネート成形体は、少なくともシチナカイト構造を有するシリコチタネート(以下、「S型シリコチタネート」ともいう。)を含んでいればよい。しかし、シチナカイト構造以外の結晶構造のシリコチタネート、またはシリコチタネート以外の物質を含む組成物であってもよい。具体的には、S型シリコチタネート、及びニオブを含有し、なおかつ、少なくとも2θ=27.8±0.5°及び2θ=29.4±0.5°に回折ピークを有するシリコチタネート組成物、あるいは、S型シリコチタネート、及びニオブを含有し、なおかつ、少なくとも2θ=8.8±0.5°、2θ=10.0±0.5°、及び2θ=29.6±0.5°からなる群の2以上に回折ピークを有するシリコチタネート組成物の少なくともいずれかを挙げることができる。当該組成物を含むことにより、本発明のシリコチタネート成形体が、より高いストロンチウムの吸着特性を有する。
本明細書において、2θは、CuKα線(波長λ=1.5405Å)を線源としたXRDパターンにおけるX線回折角の値(°)である。
本発明のシリコチタネート成形体の含む組成物は、当該組成物中にニオブを含有していれば、ニオブの状態は特に限定されない。例えば、ニオブはニオブ含有化合物、更にはニオブ酸塩、ニオブシリケート、ニオブチタネート及びNb−Si−Ti系酸化物からなる群のいずれかであってもよい。また、S型シリコチタネートにニオブが含まれていてもよい。
本発明のシリコチタネート成形体の含む組成物は、2θ=27.8±0.5°及び2θ=29.4±0.5°に回折ピークを有する結晶性物質(以下、単に「結晶性物質A」ともいう。)と、S型シリコチタネートを含むシリコチタネート組成物であることが好ましい。ここで、結晶性物質Aとして、S型シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネート、チタン酸塩、ニオブ酸塩、ケイ酸塩、ニオブシリケート、ニオブチタネート、及びNb−Si−Ti系酸化物からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、好ましくは、S型シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネート、更に好ましくはヴィノグラドバイト構造を有するシリコチタネート(以下、「V型シリコチタネート」ともいう。)を挙げることができる。
なお、V型シリコチタネートは、American Mineralogist Crystal Structure Database(http://ruff.geo.arizona.edu./AMS/amcsd.php、検索日:2015年3月20日、以下「参照HP2」とする。)におけるvinogradoviteに相当するXRDピークを有する結晶性シリコチタネートである。V型シリコチタネートは、少なくとも2θ=27.8±0.5°及び2θ=29.4±0.5°に特徴的なXRDピークを有する。
本発明のシリコチタネート成形体の含む組成物がS型シリコチタネートと、S型シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネート(以下、「非S型シリコチタネート」ともいう。)を含む場合、シリコチタネート組成物は、S型シリコチタネートと非S型シリコチタネートを含んでいればよく、S型シリコチタネートと非S型シリコチタネートとの混合物、又は、S型シリコチタネートと非S型シリコチタネートの混晶からなるシリコチタネートの少なくともいずれかであればよい。
本発明のシリコチタネート成形体の含む組成物は、2θ=8.8±0.5°、2θ=10.0±0.5°、及び2θ=29.6±0.5°からなる群の2以上に回折ピークを有する結晶性物質(以下、単に「結晶性物質B」ともいう。)と、S型シリコチタネートとを含むシリコチタネート組成物であることが好ましい。ここで、結晶性物質Bとして、S型シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネート、チタン酸塩、ニオブ酸塩、ケイ酸塩、ニオブシリケート、ニオブチタネート、及びNb−Si−Ti系酸化物からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、好ましくは、ニオブ酸塩又はケイ酸塩の少なくともいずれか、更に好ましくはニオブ酸塩を挙げることができる。
ここで、前記のXRDピークを有していれば、結晶性物質Bは2以上の化合物であってもよく、2以上のニオブ酸塩であることが好ましい。
結晶性物質Bがニオブ酸塩を含む場合、シリコチタネート組成物に含まれるニオブ酸塩の組成は、NaxNbyOz・nHO(ここでx=1〜20,y=1〜30、z=5〜80、n=10〜100)が挙げられる。
本発明のシリコチタネート成形体の含む組成物は、S型シリコチタネートと、結晶性物質Aと、結晶性物質Bを含む組成物であってもよい。
次に、本発明のシリコチタネート成形体の製造方法について説明する。
本発明のシリコチタネート成形体は、酸化物ゾル、シリコチタネート及び水を混合して混合物を得る混合工程、該混合物を成形して成形体を得る成形工程、及び、該成形体を焼成する焼成工程、を含むことを特徴とする製造方法により製造することができる。
(混合工程)
混合工程では、酸化物ゾル、シリコチタネート及び水を混合する。
本発明のシリコチタネートは、シチナカイト型構造を有する。シチナカイト構造を有するシリコチタネートを用いることで、シリコチタネート成形体がセシウム吸着、及びストロンチウム吸着に対する高い選択性を示す。
好ましいシチナカイト型シリコチタネートとして、チタン源、シリコン源、アルカリ源、及び水を以下の組成となるように混合してシリコチタネートゲルを得るゲル化工程、当該シリコチタネートゲルを結晶化する結晶化工程を含むことを特徴とする製造方法により得られたシチナカイト型シリコチタネートを挙げることができる。
ゲル化工程において、シリコチタネートゲルを得る方法として、中和法又は加水分解法を挙げることができる。中和法は、無機チタン源、無機シリコン源、酸又はアルカリ、及び水を混合してゲルを得る。加水分解法は、チタン源及びシリコン源として金属アルコキシド、酸又はアルカリ及び水を混合してゲルを得る。得られるシチナカイト構造を有するシリコチタネートの結晶化度が高いことから、特に中和法を用いることが好ましい。
ゲル化工程において、無機チタン源としては、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、メタチタン酸ソーダ、及び、塩化チタンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
無機シリコン源は無機珪酸化合物であることが好ましい。無機珪酸化合物として、珪酸ソーダ、シリカゾル、ヒュームドシリカ、及び、ホワイトカーボンの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
アルカリ源はアルカリ金属水酸化物であることが好ましい。安価であるため、アルカリ源は水酸化ナトリウムであることがより好ましい。
ゲル化工程では、上記のチタン源、シリコン源、水、及びアルカリ源を以下のモル比で混合することで無定形のシリコチタネートゲルを得ることができる。
0.5≦Si/Tiモル比≦2.0
20≦HO/Tiモル比≦150
1.0≦アルカリ金属/Tiモル比≦5.0
更には、下記のモル比で混合することができる。
0.5≦Si/Tiモル比≦1.5
50≦HO/Tiモル比≦150
2.0≦アルカリ金属/Tiモル比≦4.0
ゲル化工程では、シリコチタネートゲルに二オブ源を添加することが好ましい。これにより、得られるシリコチタネート成形体のセシウム及びストロンチウム吸着性能がより向上する。
ニオブ源は酸化ニオブ、又は水酸化ニオブの少なくともいずれかであることが好ましく、更に好ましくは水酸化ニオブである。これにより、シリコチタネートに含まれるニオブの比率が大きくなる。
シリコチタネートゲルに含まれるニオブは、Nb/Tiモル比で0.01以上1.5以下であることが好ましく、更に好ましく0.15以上1.5以下である。これにより、副生物の生成が低減され、吸着性能が向上する。
結晶化工程では、シリコチタネートゲルを結晶化する。ゲル化工程で得られたシリコチタネートゲルをオートクレーブ中で攪拌しながら水熱処理することで結晶化したシリコチタネートゲルを得ることができる。水熱処理の温度は、150℃以上230℃以下、更には170℃以上200℃以下が挙げられる。水熱処理の時間は、24時間以上120時間以下、24時間以上96時間以下、また更には24時間以上48時間以下が挙げられる。
結晶化工程で得られるシリコチタネートは、少なくともS型シリコチタネートを含んでいればよい。しかし、S型シリコチタネート、またはシリコチタネート以外の物質を含む組成物であってもよい。具体的には、S型シリコチタネート、及びニオブを含有し、結晶性物質Aを有するシリコチタネート組成物、あるいは、S型シリコチタネート、及びニオブを含有し、なおかつ、結晶性物質Bを有するシリコチタネート組成物の少なくともいずれかを挙げることができる。
結晶化工程で得られるシリコチタネートの平均粒子径は1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、更に好ましくは2.0μm以上8.0μm以下である。これにより、後述する混合工程において、より均一な混合物を短時間で得ることが可能となる。
ここで、シリコチタネートに係わる「平均粒子径」とは、体積基準で表される粒子径分布の累積曲線が中央値(メディアン径;累積曲線の50%に対応する粒子径)である粒と同じ体積の球の直径をいい、レーザー回折法による粒子径分布測定装置によって測定することができる。
混合工程では、得られたシリコチタネート、酸化物ゾル、水を混合して混合物を得る。
酸化物ゾルは結合剤として機能する。酸化物ゾルは、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、及び、酸化タングステンゾルから選ばれる1種以上のゾルを用いることができる。特にシリカゾル及び又はジルコニアゾルの少なくともいずれかが好ましく、更にはシリカゾルが好ましい。シリカゾル、又はジルコニアゾルの少なくともいずれか、更にはシリカゾルを用いることで焼成工程における焼成温度を250℃以下まで下げることができる。
酸化物ゾル中の、酸化物の平均粒子径は0.01〜1.00μmであることが好ましく、更には平均粒子径が0.01〜0.20μmであり、0.05〜0.20μmであることが好ましい。ゾル中の酸化物の平均粒子径が0.01μm以上、特に0.05μm以上であるとシリコチタネートの細孔を閉塞しないため、より高い吸着能力を示す。平均粒子径1.00μm以下であるとシリコチタネート成形体を構成する粉末の間に空隙が発生しにくくなる。
酸化物ゾルの、酸化物の含有量は30重量%以上70重量%以下、更には50〜70重量%、すなわち50重量%以上70重量%以下であることが好ましく、また更には55〜65重量%、すなわち55重量%以上65重量%以下であることが好ましい。30重量部以上、特に50重量%以上であると混合時に水を加える際に、混合物の粘度が安定するため、より少ない水の量で混合が可能となり、得られる成形体の強度が向上する。70重量%以下であると、混合時に酸化物の分散性が向上するため、分散剤の添加が不要となり、分散剤由来の不純物による焼成への影響を防ぐことができるため、十分な成形体強度が得られる。
シリコチタネート100重量部に対して、酸化物ゾル中の酸化物は5〜20重量部、すなわち5重量部以上20重量部以下であることが好ましく、更には5〜15重量部、すなわち5重量部以上15重量部以下であることが好ましく、更には5〜10重量部、すなわち5重量部以上10重量部以下であることが好ましい。酸化物が5重量部以上であると結合力が大きく成形体の強度が低高くなる。酸化物が20重量部以下であると成形体の単位重量当たり、又は単位体積当たりの吸着能力が高くなる。
シリコチタネート100重量部に対して、水(ゾル由来の水を含む)は、30重量部以上80重量部以下、更には30〜60重量部、すなわち30重量部以上60重量部以下であることが好ましく、更には35〜55重量部、すなわち35重量部以上55重量部以下であることが好ましい。水の重量部が30以上であると混合の際に粘度が低くなり、均一な混合を行うことができる。水の重量部が80重量部以下、特に60重量部以下であると、混合の際に混合物中への空気の同伴を防げるため、得られる成形体の強度が向上する。
混合工程では、まず、上記のシリコチタネート、酸化物ゾルを混合し、混合しながら水を添加することが好ましい。最終的に以下の組成となる混合物が得られれば任意の混合方法であればよい。混合工程では、必要に応じて成形助剤やpH調整剤を添加することができ、混合開始前に加える、又は水を加える際に同時に加えることができる。
シリコチタネート : 100重量部
酸化物 : 5〜30重量部
水 : 30〜80重量部、更に好ましくは30〜60重量部
成形助剤は混合物の粘度を高くする機能を有する化合物であればよい。カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びトリポリりん酸ナトリウムの群から選ばれる1種以上を挙げることができる。特に好ましい成形助剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」とする。)を挙げることができる。
pH調整剤は混合物の粘度を調整する化合物であればよい。硝酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、アンモニアの群から選ばれる1種以上を挙げることができる。特に好ましいpH調整剤として、酢酸又はアンモニアの少なくともいずれか、更には酢酸を挙げることができる。
混合方法として、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ニーダー、ナウターミキサー、又はミックスマラーいずれか一つの方法で行うことができる。
(成形工程)
成形工程では、混合工程で得られた混合物を任意の成形方法により成形する。成形方法は、円柱状や三つ葉状をはじめ多角形状に成形するのであれば、例えば、押し出し成形法が挙げられる。さらに、押し出し成形体を破砕・整粒し、任意の大きさの成形体を得ることができる。また、ビーズ状に成形するのであれば転動造粒法が挙げられる。転動造粒法には、例えば、ブレード型、パン型、ドラム型、羽根撹拌式による転動造粒が挙げられる。
(焼成工程)
成形工程で得られた成形体を焼成することで本発明のシリコチタネート成形体を得ることができる。成形体を焼成することにより、得られるシリコチタネート成形体の耐圧強度が高くなる。焼成温度は、80〜500℃で焼成することが好ましく、更には100〜500℃で焼成することが好ましく、また更には150〜300℃で焼成することが好ましい。無機結合剤として酸化物ゾルを用いたことで、80〜500℃という低温で焼成しても、機械的強度が向上し、十分な磨耗度を有するシリコチタネート成形体を得ることができる。焼成保持時間は、0.5時間以上、更には1時間以上を挙げることができる。焼成雰囲気は酸化雰囲気下であればよく、例えば大気中を挙げることができる。更には、好ましい焼成雰囲気としては5L/min以上、更には20L/min以上の大気気流中で焼成することを挙げることができる。これにより、成形体の焼結性がより向上する傾向にある。
本発明にシリコチタネート成形体は、水溶液中のセシウム及びストロンチウムを吸着するための吸着剤として使用することができる。
本発明のシリコチタネート成形体を吸着剤と使用する場合、必要に応じて解砕などにより任意の大きさとしてもよい。
本発明の成形体は吸着剤として用いることができる。この際、本発明の成形体だけを吸着剤として用いてもよく、また、任意の成分の吸着剤を混ぜて吸着剤としてもよい。
本発明により、カラムへの充填、又は吸着剤としての使用において、成形体の磨耗が抑制されたシチカナイト構造のシリコチタネートを含むシリコチタネート成形体を提供することができる。
本発明のシリコチタネートの成形体は、磨耗度が低いため、大きい流速で吸着媒充填層を通過させるような、大量の被処理水溶液の吸着除去処理に用いても、磨耗により脱落した固形物の閉塞による性能低下を抑制できる。
合成例1で得られたシリコチタネートのX線回折図を示す図である。 合成例2で得られたシリコチタネートのX線回折図を示す図である。 合成例3で得られたシリコチタネートのX線回折図を示す図である。 合成例4で得られたシリコチタネートのX線回折図を示す図である。 合成例5で得られたシリコチタネートのX線回折図を示す図である。 実施例4で得られたシリコチタネート成形体のX線回折図を示す図である。 実施例4で得られたシリコチタネート成形体の水銀圧入法試験により得られた細孔径分布を示す図である。 実施例6で得られたシリコチタネート成形体のX線回折図を示す図である。 実施例7で得られたシリコチタネート成形体の水銀圧入法試験により得られた細孔径分布を示す図である。 比較例1で得られたシリコチタネート成形体の水銀圧入法試験により得られた細孔径分布を示す図である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
(X線回折)
一般的なX線回折装置(装置名:MXP3HF型X線回折計、マックスサイエンス社製)を使用して、試料のパターンを測定した。測定条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : ステップスキャン
スキャン条件: 毎秒0.04°
発散スリット: 1.00deg
散乱スリット: 1.00deg
受光スリット: 0.30mm
計測時間 : 3.00秒
測定範囲 : 2θ=5.0°〜60.0°
得られたXRDパターンと、参考文献1、参考文献2、又は参照HP1に記載されたXRDパターンとを比較することで、シチナカイト構造の同定を行った。
(シリコチタネートの組成)
一般的なICP−AES装置(装置名:OPTIMA3000DV、PERKIN−ELMER社製)を使用して、シリコチタネートの組成を測定した。100mlフラスチックメスフラスコに硝酸1ml、フッ素酸2ml、シリコチタネート0.1gを添加し、これに水を加えて100mlの試料溶液をする。前記試料溶液に超音波を約30分間かけた後、100倍希釈し装置に投入した。スカンジウム内標法でチタン、シリコン濃度を測定した。
(粒度分布)
一般的な粒子径分布測定装置(装置名:マイクロトラックHRAMODEL 9320−X100、日機装製)を使用して、試料の粒度分布測定を測定した。測定条件は、粒子屈折率 1.66、分散媒 屈折率1.33とした。前処理として50mlガラスビーカーに試料約0.4g入れ、水を約40g加え、ホモジナイザーを用いて超音波をかけて2分間処理し十分に分散させた。この試料分散液を粒度分布測定装置に投入し、各粒子径毎の体積分布を測定した。得られた体積分布から各粒子の粒子径、個数分布及び個数の累積分布を求めた。当該累積分布が50%を示す粒子径を平均粒径とした。
(細孔容積・細孔径測定)
一般的な水銀ポロシメ−タ装置(装置名:ポロシメーターオートポア9510、島津製作所製)を使用して、試料の細孔容積、細孔径の測定を行った。測定条件は以下の通りである。
Pore Diameter:5〜5000nm
試料予備乾燥条件:−100kPa,110℃×3h。
(吸着試験)
シリコチタネート成形体を用いて、水溶液中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
被処理水溶液として、以下の成分を含む水溶液(以下、「模擬海水」とする。)を調製した。
NaCl : 2.21g/L
MgCl : 0.99g/L
CaCl : 0.15g/L
NaSO : 0.39g/L
KCl : 0.06gL
セシウム : 1mg/L
ストロンチウム : 1mg/L
模擬海水1リットルに、乾燥重量で0.05gのシリコチタネート成形体を添加した。これを温度25℃、及び、攪拌速度800rpmで24時間、撹拌することにより吸着試験を行った。
(セシウム及びストロンチウム濃度の測定)
試料水溶液中のセシウム及びストロンチウム濃度はICP法により測定した。測定には一般的なICP−MASS(装置名:NExION300S、PERKIN−ELMER社製)で測定した。吸着試験を行う前の処理溶液中の濃度をC(mg/L)、吸着試験を行った後の処理溶液中の濃度をC(mg/L)とした。
(分配係数の算出法)
吸着試験の条件、及びICP法によるセシウム及びストロンチウムの濃度を下記式に代入し、セシウム及びストロンチウムの分配係数を算出した。
分配係数Kd=(C。−C)/C×V/m
C。:処理溶液の初期濃度(mg/L)
C :処理溶液の処理後濃度(mg/L)
V :処理溶液の液量(mL)
m :処理前の吸着剤の乾燥重量(g)
(磨耗試験及び摩耗度測定法)
磨耗度試験及び磨耗度測定法は、JIS−K−1464(工業用乾燥剤の磨耗試験)及び米国特許59258284号公報に準拠した。すなわち、水7.5g、及び、任意の形状の成形体、例えば直径0.5mm、高さ0.3〜0.6mmの円柱状の成形体を乾燥重量で2.5g、30mL広口ポリビンに入れた。ポリビンを、ペイントシェーカー(トーヨーセイキ社)を用いて5分間、振とう撹拌し、成形体を磨耗させた。磨耗により成形体から脱落した脱落物を、100メッシュ(150μm)篩にかけることで分離回収し、200℃、12時間以上乾燥した。乾燥後の脱落物重量を測定し、以下の式により磨耗度を算出した。
摩耗度(%)=(脱落物の乾燥重量/試験前の成形体乾燥重量)×100
(かさ密度の測定)
試料の嵩密度は、以下の方法により測定した。大きさをそろえた成形体を、乾燥重量で1kgをはかり取った。この所定重量の成形体を、自然落下によりメスシリンダー内に挿入し、メスシリンダー目盛より体積を読み取った。あるいは大きさをそろえた成型体を十分に乾燥させた後、自然落下によりメスシリンダー内に挿入し、メスシリンダー目盛より体積4.5mLを測り取った時の成形体乾燥重量を読み取った
以下の式により、かさ密度を算出した。
かさ密度 = W/V (g/cm
W :シリコチタネート成形体の乾燥重量(g)
V :メスシリンダーの読み取り値(cm
合成例1(シリコチタネート粉末の調製)
ケイ酸ソーダ(SiO;29.1重量%)2.87kg、硫酸チタン水溶液(TiO;13.31重量%)6.68kg、水酸化ナトリウム(NaOH;48重量%)6.32kg、及び、純水9.30kgを混合し、以下の組成を有する無定形シリコチタネートゲルを得、これを原料組成物とした。
Si/Tiモル比 = 1.25
Na/Tiモル比 = 3.3
O/Tiモル比 = 82
Nb/Tiモル比=0.2となるように、得られた原料組成物に酸化ニオブ粉末を添加した。添加後の原料組成物をステンレス製オートクレーブ(装置名:TAS−4型、耐圧硝子工業製)に入れた。原料組成物を攪拌しながら180℃で72時間加熱して、これを結晶化させた。結晶化時の圧力は0.8MPaであった。当該圧力は180℃での水蒸気圧に該当する。結晶化後、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して粉末状のシリコチタネートを得、これを本合成例1のシリコチタネート粉末とした。
本合成例のシリコチタネート粉末の組成は以下のとおりであった。
Si/Tiモル比 = 0.68
Na/Tiモル比 = 1.25
Nb/Tiモル比 = 0.19
また、本合成例のシリコチタネート粉末の平均粒子径は8.5μmであった。
本合成例のシリコチタネート粉末のXRDパターンを図1に示す。得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンは参考文献1、参考文献2、及び、参照HP1に記載されているシチナカイト構造のXRDピークと同様なピークであり、シチナカイト構造以外に帰属されるXRDピークはなかった。
合成例2(シリコチタネート粉末の調製)
オルトケイ酸テトラエチル、及び、オルトチタン酸テトライソプロピルを混合し、水酸化ナトリウム(NaOH;7重量%)溶液に添加調製した無定形シリコチタネートゲルを下記の組成となるように90分間混合し、原料混合物とした。
Si/Tiモル比 = 1.18
Na/Tiモル比 = 3.8
O/Tiモル比 = 82
前記原料混合物を窒素バブリングし、副生成物として含まれるエタノール、イソプロピルアルコールを除去した。窒素バブリング後、原料混合物を撹拌しながらステンレス製オートクレーブ(4L、耐圧硝子工業、立円筒型)にて180℃で72時間加熱して結晶化させた。結晶化後、冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して粉末状のシリコチタネートを得、これを本合成例のシリコチタネート粉末とした。
また、本合成例のシリコチタネート粉末の平均粒子径は4.0μmであった。
得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンを図2に示す。得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンは参考文献1、参考文献2、参照HP1に記載されているシチナカイト構造のXRDピークと同様なピークであり、シチナカイト構造以外に帰属されるXRDピークはなかった。
合成例3(シリコチタネート粉末の調製)
ケイ酸ソーダ(SiO;29.1重量%)0.37kg、オキシ硫酸チタン水溶液(TiO;8.03重量%)1.21kg、水酸化ナトリウム(NaOH;48重量%)0.84kg、及び、純水4.71kgを混合し、以下の組成を有する無定形シリコチタネートゲルを得、これを原料組成物とした。
Si/Tiモル比 = 1.44
Na/Tiモル比 = 3.5
O/Tiモル比 = 109
当該原料組成物に、Nb/Tiモル比=0.55となるように二オブ源として水酸化ニオブ粉末を添加したこと、原料組成物の加熱時間を24時間にしたこと以外は合成例1と同様な方法で結晶化させ、更に冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して粉末状のシリコチタネートを得、これを本合成例のシリコチタネート粉末とした。
本合成例のシリコチタネート粉末の組成は以下のとおりであった。
Si/Tiモル比 = 0.89
Na/Tiモル比 = 1.48
Nb/Tiモル比 = 0.53
また、本合成例のシリコチタネート粉末の平均粒子径は2.3μmであった。
本合成例のシリコチタネート粉末のXRDパターンを図3に示す。得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンは、参照HP1、及び参照HP2に記載されているXRDピークと比較した結果、シチナカイト構造、及び、ヴィノグラドバイト構造を有するシリコチタネート組成物の粉末であることを確認した。
合成例4(シリコチタネート粉末の調製)
ケイ酸ソーダ(SiO;29.1重量%)0.35kg、オキシ硫酸チタン水溶液(TiO;8.03重量%)1.11kg、水酸化ナトリウム(NaOH;48重量%)0.81kg、及び、純水3.92kgを混合し、以下の組成を有する無定形シリコチタネートゲルを得、これを原料組成物とした。
Si/Tiモル比 = 1.30
Na/Tiモル比 = 3.3
O/Tiモル比 = 109
当該原料組成物に、Nb/Tiモル比=0.35となるように、二オブ源として水酸化ニオブ粉末を添加したこと、原料組成物の加熱時間を24時間したこと以外は合成例1と同様な方法で結晶化させ、更に冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して粉末状のシリコチタネートを得、これを本合成例のシリコチタネート粉末とした。
本合成例のシリコチタネート粉末の組成は以下のとおりであった。
Si/Tiモル比 = 0.64
Na/Tiモル比 = 0.99
Nb/Tiモル比 = 0.34
また、本合成例のシリコチタネート粉末の平均粒子径は5.4μmであった。
本合成例のシリコチタネート粉末のXRDパターンを図4に示す。得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンは、参照HP1に記載されているXRDピークと比較した結果、シチナカイト構造を有するシリコチタネート、及び、ニオブ酸塩を含むシリコチタネート組成物の粉末であることを確認した。
合成例5(シリコチタネート粉末の調製)
ケイ酸ソーダ(SiO;29.1重量%)0.356kg、オキシ硫酸チタン水溶液(TiO;8.03重量%)1.16kg、水酸化ナトリウム(NaOH;48重量%)0.83kg、及び、純水4.38kgを混合し、以下の組成を有する無定形シリコチタネートゲルを得、これを原料組成物とした。
Si/Tiモル比 = 1.42
Na/Tiモル比 = 3.5
O/Tiモル比 = 109
当該原料組成物に、Nb/Tiモル比=0.60となるように、二オブ源として水酸化ニオブ粉末を添加したこと、原料組成物の加熱時間を24時間したこと以外は合成例1と同様な方法で結晶化させ、更に冷却、ろ過、洗浄、及び乾燥して粉末状のシリコチタネートを得、これを本合成例のシリコチタネート粉末とした。
本合成例のシリコチタネート粉末の組成は以下のとおりであった。
Si/Tiモル比 = 0.86
Na/Tiモル比 = 1.37
Nb/Tiモル比 = 0.58
また、本合成例のシリコチタネート粉末の平均粒子径は2.1μmであった。
本合成例のシリコチタネート粉末のXRDパターンを図5に示す。得られたシリコチタネート粉末のXRDパターンは、参照HP1、及び、参照HP2に記載されているXRDピークと比較した結果、シチナカイト構造を有するシリコチタネート、ヴィノグラドバイト構造を有するシリコチタネート、及びニオブ酸塩を含むシリコチタネート組成物の粉末であることを確認した。
実施例1
無機結合剤としてシリカゾルを使用したシリコチタネート成形体を得た。すなわち、合成例1で得られたシリコチタネート粉末、シリカゾル、及び、CMCを以下の重量割合となるように混合し、混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
シリカ : 10重量部
水 : 48重量部
CMC : 5重量部
無機結合剤としてのシリカゾルは、ゾル濃度40重量%及び平均ゾル粒径0.02μmのシリカゾル(商品名:スノーテック40、日産化学工業製)を使用した。また、CMCには(商品名:ゼロゲンWS−D、第一工業製薬)を使用した。
得られた混合物はヘンシェルミキサーで20分間混合した後、押出し成形して、直径0.5mmの円柱状の成形体を得た。得られた成形体を25L/minの空気流通下で、100℃、13時間焼成し、本実施例のシリコチタネート成形体とした。
本実施例のシリコチタネート成形体を解砕し、直径0.5mm、長さ0.3〜0.6mmの円柱状のペレット剤に整粒し、これを処理剤とした。
本実施例のシリコチタネート成形体のかさ密度は0.77g/mLであり、摩耗度は1.6重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いて、模擬海水中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.009重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は2,200,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.78重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は5,600mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例2
無機結合剤として、酢酸を添加したシリカゾルを使用してシリコチタネート成形体を得た。すなわち、合成例1のシリコチタネート粉末、シリカゾル、酢酸、及び、CMCを以下の割合となるように混合したこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例のシリコチタネート成形体を得た。
シリコチタネート : 100重量部
シリカ : 10重量部
水 : 44重量部
酢酸 : 3.6重量部
CMC : 5重量部
本実施例のシリコチタネート成形体のかさ密度は0.76g/mLであり、摩耗度は2.6重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いた吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.008重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は2,500,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.77重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は6,000mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例3
合成例2のシリコチタネート粉末、ジルコニアゾル、水、pH調製剤としてアンモニア、及び、CMCを以下の割合で混合し、混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
ジルコニア : 25重量部
水 : 64重量部
アンモニア : 5重量部
CMC : 5重量部
無機結合剤としてのジルコニアゾルは、ゾル濃度40重量%、及び平均ゾル粒径0.8μmのジルコニアゾルを使用した。
得られた混合物を実施例1と同様な方法で成形、及び、焼成し、本実施例のシリコチタネート成形体を得た。
本実施例のシリコチタネート成形体のかさ密度は0.6g/mLであり、摩耗度は5.6重量%であった。なお、摩耗試験前後において、シリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いた吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.023重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は850,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.84重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は4,000mL/gであった。本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例4
合成例3のシリコチタネート粉末を用い、かつ、以下の重量割合となるよう混合した以外は、実施例1と同様な方法で混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
シリカ : 15重量部
水 : 44重量部
CMC : 3重量部
得られた混合物はヘンシェルミキサーで20分間混合した後、押出し成形して、直径1.0mmの円柱状の成形体を得た。得られた成形体を25L/minの空気流通下で、100℃、13時間焼成し、本実施例のシリコチタネート成形体とした。
本実施例のシリコチタネート成形体を解砕し、直径1.0mm、長さ1.0〜3.0mmの円柱状のペレット剤を得た。
本実施例の成形体のXRDパターンを図6に示す。得られたXRDパターンを、参照HP1、及び参照HP2に記載されているXRDピークと比較した結果、シチナカイト構造、及び、ヴィノグラドバイト構造を有することを確認した。また、合成例3のシリコチタネート粉末と同様のXRDパターンであることも確認した。
当該成形体のかさ密度は0.66g/mLであった。
摩耗度は4.0重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
また、水銀圧入法試験の結果、本実施例のシリコチタネート成形体の全細孔容積は0.35mL/gであり、全細孔容積に対する細孔径20〜60nmの範囲での細孔容積の比率は0.70であることを確認した。細孔径分布を図7に示す。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いて、模擬海水中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.011重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は1,800,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.58重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は14,000mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例5
シリコチタネート成形体を解砕し、0.3〜0.6mmに分級して不定形の塊状としたこと以外は実施例4と同様な方法で成形体を得た。
当該成形体のかさ密度は0.65g/ml、磨耗度は3.0重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いて、模擬海水中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
整粒剤の吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.024重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は810、000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.54重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は17,000mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例6
シリコチタネート粉末を合成例4のシリコチタネートにし、以下の重量割合となるよう混合した以外は、実施例1と同様な方法で混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
シリカ : 15重量部
水 : 41重量部
CMC : 3重量部
得られた混合物はヘンシェルミキサーで20分間混合した後、押出し成形して、直径1.5mmの円柱状の成形体を得た。得られた成形体を25L/minの空気流通下で、100℃、13時間焼成し、本実施例のシリコチタネート成形体とした。
本実施例のシリコチタネート成形体を解砕し、0.3〜0.6mmに分級して不定形の塊状の成形体を得た。
本実施例の成形体のXRDパターンを図8に示す。得られたXRDパターンを、参照HP1に記載されているXRDピークと比較した結果、シチナカイト構造のシリコチタネート、及び、ニオブ酸塩を有することを確認した。また、合成例4のシリコチタネート粉末と同様のXRDパターンであることも確認した。
当該成形体のかさ密度は0.60g/mLであり、摩耗度は2.1重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いて、模擬海水中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.0052重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は3,800,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.76重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は6,300mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
実施例7
合成例5のシリコチタネート粉末を用い、かつ、以下の重量割合となるよう混合した以外は、実施例1と同様な方法で混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
シリカ : 15重量部
水 : 37重量部
CMC : 3重量部
得られた混合物はヘンシェルミキサーで20分間混合した後、押出し成形して、直径1.0mmの円柱状の成形体を得た。得られた成形体を25L/minの空気流通下で、100℃、13時間焼成し、本実施例のシリコチタネート成形体とした。
本実施例のシリコチタネート成形体を解砕し、直径1.0mm、長さ1.0〜3.0mmの円柱状のペレット剤を得た。
当該成形体を解砕し、0.3〜0.6mmに分級して不定形の塊状とした。
当該成形体のかさ密度は0.66g/mLであった。摩耗度は3.6重量%であった。なお、摩耗試験前後におけるシリコチタネート成形体の形状変化はなかった。
また、水銀圧入法試験の結果、本実施例のシリコチタネート成形体の全細孔容積は0.29mL/gであり、全細孔容積に対する細孔径20〜60nmの範囲での細孔容積の比率は0.65であることを確認した。細孔径分布を図9に示す。
本実施例のシリコチタネート成形体を用いて、模擬海水中のセシウムおよびストロンチウムの吸着試験を行った。
吸着試験後の模擬海水中のセシウム濃度は0.012重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のセシウムに対する分配係数は1,600,000mL/gであった。また、吸着試験後の模擬海水中のストロンチウム濃度は0.51重量ppmであった。これより本実施例のシリコチタネート成形体のストロンチウムに対する分配係数は19,0000mL/gであった。
本実施例のシリコチタネート成形体が、海水成分共存下で優れたセシウムおよびストロンチウム吸着選択性を示すことが確認できた。
比較例1
無機結合剤としてアタパルジャイト型粘土(商品名:MINUGEL MB、Active Minerals Company)を使用してシリコチタネート成形体を得た。すなわち、合成例1のシリコチタネート粉末、アタパルジャイト型粘土及び、CMCを以下の割合で混合し、混合物を得た。
シリコチタネート : 100重量部
アタパルジャイト型粘土 : 25重量部
水 : 33重量部
CMC : 5重量部
得られた混合物を実施例1と同様な方法で成形、焼成して本比較例のシリコチタネート成形体を得た。
本比較例のシリコチタネート成形体のかさ密度は0.6g/mLであり、摩耗度は16.6重量%であった。摩耗試験前後において、評価後のシリコチタネート成形体が粉化していることが確認された。
また、水銀圧入法試験の結果、本比較例のシリコチタネート成形体の全細孔容積は0.19mL/gであり、全細孔容積に対する細孔径20〜60nmの範囲での細孔容積の比率は0.096であることを確認した。細孔径分布を図10に示す。
実施例1〜6、比較例1の評価結果を表1に示す。表1において、S型はS型シリコチタネート、V型はV型シリコチタネート、Kd(Cs)はセシウムの分配係数、Kd(Sr)はストロンチウムの分配係数を表す。
Figure 2016102053
本発明は、シチナカイト構造を有するシリコチタネートと酸化物を含むシリコチタネート成形体、該成形体の製造方法、及び該成形体を用いた吸着剤を提供するものである。本発明のシリコチタネート成形体は、特に被処理水溶液を大きな流速、かつ大量に流す条件下でも、ストロンチウム又はセシウムの吸着剤として使用することができる。得られたシリコタネート成形体は、カラム充填時及び被処理液の通水時において成形体からの脱落物によるカラム性能の低下を抑制でき、なおかつ、海水、地下水に共存するセシウムまたはストロンチウムなどの有害イオンを効率よく処理できる。

Claims (11)

  1. シリカ、アルミナ、ジルコニア、及び酸化タングステンの群から選ばれる一つ以上の酸化物と、シチナカイト構造を有するシリコチタネートを含むシリコチタネート成形体。
  2. 全細孔容積が0.10mL/g以上である請求項1に記載のシリコチタネート成形体。
  3. 全細孔容積に対する細孔径20〜60nmの範囲での細孔容積の比率が0.10以上である請求項1又は2に記載のシリコチタネート成形体。
  4. 前記シリコチタネートがニオブを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリコチタネート成形体。
  5. 前記シチナカイト構造を有するシリコチタネートが、シチナカイト構造を有するシリコチタネート、及びニオブを含有し、なおかつ、少なくとも2θ=27.8±0.5°及び2θ=29.4±0.5°に回折ピークを有するシリコチタネート組成物、あるいは、シチナカイト構造を有するシリコチタネート、及びニオブを含有し、なおかつ、少なくとも2θ=8.8±0.5°、2θ=10.0±0.5°、及び2θ=29.6±0.5°からなる群の2以上に回折ピークを有するシリコチタネート組成物である請求項1乃至4いずれか一項に記載のシリコチタネート成形体。
  6. シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化タングステンの群から選ばれる少なくとも一つ以上の酸化物ゾル、シリコチタネート、及び水を混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を成形して成形体を得る成形工程と、該成形体を焼成する焼成工程を有する、請求項1乃至5いずれか一項に記載のシリコチタネート成形体の製造方法。
  7. 前記ゾル中の酸化物粒子の平均粒径が0.01〜1.00μmであることを特徴とする請求項6に記載のシリコチタネート成形体の製造方法。
  8. 前記混合工程において、前記混合物のシリコチタネート100重量部に対し、酸化物ゾル中の酸化物が5〜30重量部となるように混合することを特徴とする請求項6又は7に記載のシリコチタネート成形体の製造方法。
  9. 前記混合工程において、シリコチタネート粉末100重量部に対し、水30〜60重量部となる組成となるように混合することを特徴とする請求項6乃至8いずれか一項に記載のシリコチタネート成形体の製造方法。
  10. 前記焼成工程における焼成温度が80〜500℃であることを特徴とする請求項6乃至9いずれかに一項に記載のシリコチタネート成形体の製造方法。
  11. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のシリコチタネート成形体を含むセシウム又はストロンチウム吸着剤。
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