JP2016101786A - 異常揺動判定装置、異常揺動判定システムおよび異常揺動判定方法 - Google Patents

異常揺動判定装置、異常揺動判定システムおよび異常揺動判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異常揺動を早期に検知する。【解決手段】振動波形生成部531は、鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサが計測した前記物理量に基づいて、物理量の時間領域の波形を生成する。ローパスフィルタ部532は、振動波形生成部531が生成した波形をローパス処理する。移動平均算出部533は、ローパス処理された波形に基づいて物理量の移動平均値を算出する。移動平均減算部534は、ローパスフィルタ部532が生成した波形から移動平均値を減算する。異常揺動判定部542は、移動平均減算部534の演算結果に基づいて、鉄道車両の異常揺動の有無を判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定装置、異常揺動判定システムおよび異常揺動判定方法に関する。
鉄道車両の輪軸は、レールと車輪との接触部である踏面に勾配を有する。具体的には、鉄道車両の車輪の踏面は、輪軸の外側に向かって縮径するテーパ状となっている。これにより、鉄道車両は、レールと台車との相対位置を中立に保つ自己操舵特性を有する。鉄道車両の速度が低い場合、自己操舵特性は、鉄道車両の安定した走行に寄与することができる。他方、鉄道車両の速度が上昇し、所定の蛇行動限界速度に近づくと、輪軸の振動が発散し、減衰しにくくなる。輪軸の振動の発散、すなわち異常揺動は、車輪のフランジ部とレールとが接触し、台車部品、車輪の踏面およびレールの劣化の原因となる。
特許文献1には、鉄道車両の異常揺動を検知する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術は、台車の振動加速度に、異常揺動時の固有周波数帯域のバンドパスフィルタをかけることで、異常揺動の発生を検知するものである。
特開2006−335320号公報
固有周波数帯域の振動加速度を抽出するためにデジタルフィルタを設計する場合、急峻な減衰特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いることが妥当である。また、異常揺動の固有周波数は、現在運用されている車両においては、1Hzから10Hzまでの周波数帯域に存在する。
しかしながら、FIRフィルタによって1Hzから10Hzまでの周波数帯域の成分を通過させるバンドパスフィルタを設計する場合、フィルタの次数を高くとる必要がある。
フィルタリングの遅れ量は、サンプリング間隔にフィルタの次数を乗算して得られる値の二分の一であるため、バンドパスフィルタを用いて揺動判定を行う場合、フィルタリングによる遅れ量が大きくなり、異常揺動を早期に検知することができない可能性がある。例えば、サンプリング間隔が10msである場合、適切な精度のバンドパスフィルタを実現するには、フィルタの次数として150から200程度が必要となる。そのため、フィルタリングの遅延時間は750msから1sとなる。
また、異常揺動の固有振動の有無を判定する他の方法として、台車の振動加速度をフーリエ変換する方法が挙げられるが、フーリエ変換の演算量はデジタルフィルタリングと比較して処理するデータ量および演算量が多く、異常揺動を早期に検知することができない可能性がある。
本発明の目的は、異常揺動を早期に検知することができる異常揺動判定装置、異常揺動判定システムおよび異常揺動判定方法を提供することにある。
第1の態様は、鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定装置であって、鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサが計測した前記物理量に基づいて、前記物理量の時間領域の波形を生成する振動波形生成部と、前記振動波形生成部が生成した前記波形から、前記鉄道車両の異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去した波形を生成するローパスフィルタ部と、前記ローパスフィルタ部が生成した前記波形から前記物理量の移動平均値を算出する移動平均算出部と、前記ローパスフィルタ部が生成した前記波形から前記移動平均算出部が算出した移動平均値を減算する移動平均減算部と、前記移動平均減算部の演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定部とを備える異常揺動判定装置である。
また、第2の態様は、第1の態様において、前記移動平均減算部の演算結果の二乗移動平均値を算出する二乗移動平均算出部をさらに備え、前記異常揺動判定部は、前記二乗移動平均算出部の演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定装置である。
また、第3の態様は、第2の態様において、前記異常揺動判定部が、前記二乗移動平均算出部の演算結果が所定の閾値を超える場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する異常揺動判定装置である。
また、第4の態様は、第2または第3の態様において、前記二乗移動平均算出部が、前記移動平均減算部の演算結果の二乗移動平均値の時間領域の波形を算出し、前記異常揺動判定部が、前記波形の傾きが所定の閾値を超える場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する異常揺動判定装置である。
また、第5の態様は、第2から第4の何れかの態様において、前記異常揺動判定部が、前記移動平均減算部の演算結果が第1の閾値を超えた時刻から、前記第1の閾値より大きい第2の閾値を超えた時刻までの時間が、所定の閾値以下である場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する異常揺動判定装置である。
また、第6の態様は、第1から第5の何れかの態様において、前記二乗移動平均算出部の演算に用いられる複数の前記物理量を記憶するバッファと、前記二乗移動平均算出部の演算結果を記憶する二乗移動平均記憶部とをさらに備え、前記二乗移動平均算出部が、前記ローパスフィルタが生成した前記波形に表される前記物理量のうち最新の物理量を、前記二乗移動平均の演算に用いられる前記物理量の標本数で除算するステップと、前記最新の物理量の除算によって求められた値を、前記二乗移動平均記憶部が記憶する前記演算結果に加算するステップと、前記ローパスフィルタが生成した前記波形に表される前記物理量のうち最も新しいものを、前記バッファに追加するステップと、前記バッファから最古の物理量を取り出すステップと、前記最古の物理量を前記二乗移動平均の演算に用いられる前記物理量の標本数で除算するステップと、前記最古の物理量の除算によって求められた値を、前記二乗移動平均記憶部が記憶する前記演算結果から減算するステップとを実行することで前記移動平均減算部の演算結果の二乗移動平均値を算出する異常揺動判定装置である。
また、第7の態様は、第1から第6の何れかの態様において、前記異常揺動判定部が、前記センサが計測した前記物理量が所定の閾値以上である場合に、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定装置である。
また、第8の態様は、第1から第7の何れかの態様において、鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサと、前記鉄道車両の走行により発電する発電装置と、異常揺動判定装置とを備え、前記異常揺動判定装置が、前記発電装置が発電した電力によって駆動する異常揺動判定システムである。
また、第9の態様は、鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定方法であって、鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサが計測した前記物理量に基づいて、前記物理量の時間領域の波形を生成する振動波形生成ステップと、前記振動波形生成ステップにて生成した前記波形から、前記鉄道車両の異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去した波形を生成するフィルタリングステップと、前記フィルタリングステップにて生成した前記波形から前記物理量の移動平均値を算出する移動平均算出ステップと、前記フィルタリングステップにて生成した前記波形から前記移動平均算出ステップにて算出した移動平均値を減算する移動平均減算ステップと、前記移動平均減算ステップの演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定ステップとを有する異常揺動判定方法である。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、異常揺動判定装置は、ローパスフィルタによって異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去したのち、移動平均を減算することで、異常揺動に係る周波数より小さい成分を除去する。これにより、バンドパスフィルタを適用する場合と比較してフィルタの次数を低く抑えることができるため、異常揺動判定装置は、早期に異常揺動を検知することができる。
一実施形態による異常揺動判定システム1の構成を示す側面図である。 一実施形態による異常揺動判定装置5のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。 一実施形態による異常揺動判定装置5のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。 第1リングバッファ521が記憶するデータの例を示す図である。 ローパスフィルタ部532が生成するフィルタデータの例を示す図である。 第2リングバッファ522が記憶するデータの例を示す図である。 移動平均減算部534が第2リングバッファ522に格納されたデータを基に、移動平均値を算出する処理を示すブロック線図である。 第3リングバッファ523が記憶するデータの例を示す図である。 二乗移動平均算出部535が第3リングバッファ523のデータを基に、二乗移動平均値を算出する処理を示すブロック線図である。 一実施形態に係る異常揺動判定装置5が複数のプロセスを起動させるメインとなる動作を示すフローチャートである。 一実施形態に係る振動判定部501のプロセスP1を示すフローチャートである。 一実施形態に係る加速度処理部503のプロセスP2を示すフローチャートである。 異常揺動判定方法に係る波形を示す図である。 一実施形態に係るステートマシン504によるプロセスP3を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態による異常揺動判定システム1の構成を示す側面図である。
異常揺動判定システム1は、鉄道車両の台車の蛇行動による揺動が発散した状態である異常揺動が生じているか否かを判定する。異常揺動判定システム1は、加速度センサ2、発電装置3、蓄電装置4、異常揺動判定装置5、中継装置6、および上位装置7を備える。
加速度センサ2は、鉄道車両の台車枠に設けられる。加速度センサ2は、台車枠を介して、鉄道車両の輪軸長手方向の振動の加速度を計測する。加速度センサ2は、計測した加速度が所定の閾値以上になったときに、異常揺動判定装置5に割込信号を入力する。また加速度センサ2は、加速度が所定の閾値以上になったことによる割り込み信号の入力の後、加速度が所定の閾値未満の状態が所定期間続いたときに、異常揺動判定装置5に割込信号を入力する。
加速度センサ2は、自分自身の状態を示すビットを格納するステータスレジスタを備える。ステータスレジスタには、少なくとも、割込要因ビットおよびセンサデータが格納される。割込要因ビットとは、加速度センサ2が入力した割込信号の発生要因が、加速度が所定の閾値以上になったことによるものか、加速度が所定の閾値未満の状態が所定期間続いたことによるものかを示すビットである。
発電装置3は、鉄道車両の走行にともなる台車枠の振動を電気に変換する装置(例えば、ピエゾ素子)である。発電装置3が生成した電気は、蓄電装置4に蓄積される。発電装置3は、台車枠に設けられる。
蓄電装置4は、発電装置3が生成した電気を蓄積する。また蓄電装置4は、蓄積した電気を異常揺動判定装置5に供給する。蓄電装置4は、台車枠に設けられる。
異常揺動判定装置5は、加速度センサ2が計測した加速度に基づいて異常揺動が生じているか否かを判定する。異常揺動判定装置5は、判定結果を無線により中継装置6を介して上位装置7に送信する。異常揺動判定装置5は、台車枠に設けられる。
中継装置6は、異常揺動判定装置5から受信した情報を、上位装置7に伝送する。また上位装置7から受信した情報を、異常揺動判定装置5に伝送する。中継装置6は、鉄道車両の車体のうち、台車との接続箇所の近傍に設けられる。
上位装置7は、鉄道車両の運行情報を管理する装置である。上位装置7は、少なくとも異常揺動判定装置5の判定結果を提示する。
図2は、一実施形態による異常揺動判定装置5のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
異常揺動判定装置5は、CPU51、主記憶装置52、補助記憶装置53、インタフェース54、シグナルコンディショナ55、および無線ユニット56を備えるコンピュータである。
CPU51は、異常揺動判定プログラムを補助記憶装置53から読み出して主記憶装置52に展開し、当該異常揺動判定プログラムに従って異常揺動の有無を判定する。また、CPU51は、異常揺動判定プログラムに従って、所定の記憶領域を主記憶装置52に確保する。
シグナルコンディショナ55は、加速度センサ2が出力するセンサデータをフィルタリングして、デジタル信号に変換する。シグナルコンディショナ55は、CPU51が供給するクロックによって駆動する。なお、加速度センサ2がシグナルコンディショナ55と同等の機能を有している場合、異常揺動判定装置5は、シグナルコンディショナ55を備えなくても良い。
図3は、一実施形態による異常揺動判定装置5のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
CPU51は、異常揺動判定プログラムを実行することで、振動判定部501、電源制御部502、加速度処理部503およびステートマシン504を備える。
加速度処理部503は、加速度センサ2が生成したセンサデータを処理する処理部である。加速度処理部503は、振動波形生成部531、ローパスフィルタ部532、移動平均算出部533、移動平均減算部534、および二乗移動平均算出部535を備える。
ステートマシン504は、加速度処理部503の演算結果に基づいて異常揺動の有無を判定する処理部である。ステートマシン504は、カウンタ部541、異常揺動判定部542、および出力部543を備える。
また、CPU51は、異常揺動判定プログラムを実行することで、第1リングバッファ521、第2リングバッファ522、第3リングバッファ523、二乗移動平均記憶部524、カウンタ記憶部525の記憶領域を主記憶装置52に確保する。
振動判定部501は、加速度センサ2から割込み信号の入力を受け付けた場合に、加速度センサ2のステータスレジスタに格納された割込要因ビットを読み出す。
電源制御部502は、加速度センサ2から割込み信号の入力を受け付けた場合に、CPU51のモードを切り替える。CPU51のモードとしては、ランモード(Run mode)およびドーズモード(Doze mode)が挙げられる。
ランモードは、CPU51の全ての駆動クロック発生回路に電力が供給される動作モードである。つまり、CPU51がランモードである場合、すべての処理部に電力供給が行われる。
ドーズモードは、CPU51の制御範囲以外の箇所である加速度センサ2および無線ユニット56のみを駆動する駆動クロック発生回路に電力が供給される動作モードである。つまり、CPU51が受け持つ動作はすべて停止し、加速度センサ2からの割込み入力の待機状態となる。CPU51への割込み入力により、CPU51は再度ランモードへ切り替わる。
振動波形生成部531は、加速度センサ2が計測したセンサデータを取得する。振動波形生成部531は、所定の時間(例えば、2秒)の間に取得したセンサデータを第1リングバッファ521に記録する。これにより、第1リングバッファ521には、時刻と加速度の関係を表す最新(例えば、2秒)の時間領域の振動波形が記録される。
ローパスフィルタ部532は、第1リングバッファ521に記録された振動波形に対し、鉄道車両の異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去するローパス処理を施す。例えば、ローパスフィルタ部532は、次数が20前後のFIRフィルタを用いて振動波形をフィルタリングする。これにより、加速度センサ2によるサンプリング周波数が100Hzである場合、遅延時間を85msに抑えることができる。
移動平均算出部533は、ローパスフィルタ部532によってフィルタリングされた波形に基づいて、サンプリング時刻ごとの加速度の移動平均値を算出する。
移動平均減算部534は、ローパスフィルタ部532によってフィルタリングされた波形に示されるサンプリング時刻ごとの加速度から、移動平均算出部533が算出した移動平均値を減算する。これにより、移動平均減算部534は、振動波形のうち低周波領域の成分(直流成分近辺の成分)をカットすることができる。
二乗移動平均算出部535は、移動平均減算部534が低周波領域をカットした振動波形に示される複数の加速度の二乗移動平均値を算出する。
カウンタ部541は、二乗移動平均算出部535が算出した二乗移動平均値が所定の閾値以上となった回数を示すカウンタ値を、カウンタ記憶部525に記録する。
異常揺動判定部542は、カウンタ記憶部525が記憶するカウンタ値に基づいて、鉄道車両に異常揺動が生じているか否かを判定する。
出力部543は、異常揺動判定部542による判定結果を出力する。
第1リングバッファ521は、加速度センサ2が計測したセンサデータを記憶する。図4は、第1リングバッファ521が記憶するデータの例を示す図である。
第1リングバッファ521は、図4に示すように、N+1(Nは正の整数)個のセンサデータを格納可能なバッファである。ここでNは、ローパスフィルタ部532のフィルタ次数である。第1リングバッファ521へのデータの格納は、格納場所0番地からN+1番地まで順に行い、N+1番地まで達した後は、再び0番地へ上書き格納し再使用される。つまり、第1リングバッファ521は、リング状のバッファである。仮にセンサデータACCが取得され、第1リングバッファ521のP番地へ格納した場合、最新のデータは図3のData(P)であり、最古のデータは1番地上のデータData(P+1)である。したがって、5番地前から現在までのデータは、Data(P―5)、Data(P―4)、Data(P―3)、Data(P―2)、Data(P―1)、Data(P)となる。
第2リングバッファ522は、第1リングバッファ521に格納されたデータに対してローパスフィルタ処理を施したデータを記憶する。図5は、ローパスフィルタ部532が生成するフィルタデータの例を示す図である。また図6は、第2リングバッファ522が記憶するデータの例を示す図である。図7は、移動平均減算部534が第2リングバッファ522に格納されたデータを基に、移動平均値を算出する処理を示すブロック線図である。
第2リングバッファ522は、図6に示すように、M個のデータを格納可能なバッファである。第2リングバッファ522へのデータの格納は、格納場所0番地からM番地まで順に行い、M番地まで達した後は、再び0番地へ上書き格納し再使用される。つまり、第2リングバッファ522は、リング状のバッファである。仮にローパスフィルタ処理が施されたデータfDataをq番地へ格納した場合、fData(q)が最新のデータであり、最古のデータはfData(q+1)である。
第3リングバッファ523は、第2リングバッファ522に格納されたデータから移動平均値を減じたデータを記憶する。図8は、第3リングバッファ523が記憶するデータの例を示す図である。図9は、二乗移動平均算出部535が第3リングバッファ523のデータを基に、二乗移動平均値を算出する処理を示すブロック線図である。
第3リングバッファ523は、図8に示すように、M個のセンサデータを格納可能なバッファである。第3リングバッファ523へのデータの格納は、格納場所0番地からM番地まで順に行い、M番地まで達した後は、再び0番地へ上書き格納し再使用される。つまり、第3リングバッファ523は、リング状のバッファである。仮にフィルタ処理後のデータfData(q)から移動平均値Sを減じたデータfData2(q)が取得され、第3リングバッファ523のq番地へ格納した場合、最新のデータは図8のData2(q)であり、最古のデータは1番地上のデータData2(q+1)である。
二乗移動平均記憶部524は、二乗移動平均算出部535の演算結果を記憶する。
カウンタ記憶部525は、二乗移動平均算出部535が算出した二乗移動平均値が所定の閾値以上となった回数を示すカウンタ値を記憶する。
次に、本実施形態に係る異常揺動判定装置5の動作について説明する。
図10は、一実施形態に係る異常揺動判定装置5が複数のプロセスを起動させるメインとなる動作を示すフローチャートである。
CPU51が起動すると、補助記憶装置53から異常揺動判定プログラムを読み出して実行することで、初期化処理を実行する(ステップS1)。当該初期化処理では、少なくとも図示しないレジスタおよび主記憶装置52に記憶される値がリセットされる。
ステップS1によりハードウェアおよびリングバッファなどの変数の初期化が完了すると、CPU51の電源制御部502は、まずCPU51のモードをドーズモードに切り替え(ステップS2)、加速度センサ2からの割込み信号の入力を待機する(ステップS3)。電源制御部502は、加速度センサ2からの割込み信号の入力を受け付けると、CPU51のモードをランモードに切り替える(ステップS4)。
次に、CPU51は、振動判定部501、加速度処理部503および図示しないタイマカウンタに、本プロセスと並行するプロセスP1およびP2の実行を開始させる(ステップS5)。
図11は、一実施形態に係る振動判定部501のプロセスP1を示すフローチャートである。
加速度センサ2は、センサ自体に印加する振動加速度が予め設定した閾値を超過すると、加速度センサ2内のステータスレジスタの割込み要因ビットを1に設定し、電気信号による割込み信号をCPU51へ出力する。その後、加速度センサ2は、センサ自体に印加する振動加速度が予め設定した閾値を下回ると、割込み要因ビットを0に設定し、電気信号による割込み信号をCPU51へ出力する。
振動判定部501は、まず加速度センサ2のステータスレジスタの値を取得する(ステップS101)。次に、振動判定部501は、ステータスレジスタの割込要因ビットの値が1を示すか否かを判定する(ステップS102)。ステータスレジスタの値が1である場合(ステップS102:YES)、振動判定部501は、主記憶装置52のアクティブ検知フラグをONにする(ステップS103)。他方、ステータスレジスタの値が0である場合(ステップS102:NO)、振動判定部501は、主記憶装置52のアクティブ検知フラグをOFFにする(ステップS104)。
振動判定部501は、以上の処理を繰り返し実行する。
図12は、一実施形態に係る加速度処理部503のプロセスP2を示すフローチャートである。
振動波形生成部531は、主記憶装置52のアクティブ検知フラグがONであるか否かを判定する(ステップS201)。アクティブ検知フラグがOFFを示す場合(ステップS201:NO)、加速度処理部503は、処理をステップS201に戻し、アクティブ検知フラグがONであるか否かの判定を繰り返す。
他方、アクティブ検知フラグがONを示す場合(ステップS201:YES)、振動波形生成部531は、加速度センサ2のステータスレジスタの値を読み込む(ステップS202)。次に、振動波形生成部531は、ステータスレジスタに格納されたセンサデータが読み出せる状態であるか否かを判定する(ステップS203)。ステータスレジスタに格納されたセンサデータが読み出せない状態である場合(ステップS203:NO)、加速度処理部503は、処理をステップS201に戻し、アクティブ検知フラグがONであるか否かの判定を繰り返す。
図13は、異常揺動判定方法に係る波形を示す図である。
他方、ステータスレジスタに格納されたセンサデータが読み出せる状態である場合(ステップS203:YES)、振動波形生成部531は、加速度センサ2からセンサデータを読み出し、当該センサデータを第1リングバッファ521に記録する(ステップS204)。図13(A)は、図3に示す第1リングバッファ521に格納されたN+1個分のデータを連続して描画した時間領域の振動波形である。
次に、ローパスフィルタ部532は、第1リングバッファ521が記憶する所定時間(例えば、2秒)前から現在時刻までの振動波形について、ローパス処理を施す(ステップS205)。ローパスフィルタ部532は、図5に示すように、N+1個のフィルタ係数からなるフィルタ係数群Cf(i)(i=0→N)を有する。ローパスフィルタ部532は、第1リングバッファ521に格納された最新のN+1個のデータData(i)に対して、以下の式(1)に示すように、それぞれフィルタ係数Cf(i)を乗じ、乗じた結果の和fL(p)を算出する。
Figure 2016101786
ローパスフィルタ部532は、第1リングバッファ521のデータが更新される度に当該処理を実行し、結果であるfL(p)を第2リングバッファ522に格納する。図13(B)はローパス処理後に第2リングバッファ522に格納された最新のデータfData(q)を数秒分連続して描画したものである。
次に、移動平均算出部533は、ローパス処理が施された第2リングバッファ522のデータについて移動平均値を算出する(ステップS206)。
移動平均算出部533は、図7に示すようなM(Mは正の整数)個のフィルタ処理後のデータfData(q)の積和演算結果(移動平均値)を納めるバッファ変数Sを有する。Mは移動平均値を算出する幅に相当する時間T1とセンサデータを離散化する際に実行したサンプリング周波数を乗じることで決定される。
ここで、移動平均算出部533が移動平均値を算出する手順について説明する。まず、移動平均算出部533は、フィルタ処理後の最新データfData(q)をMで除して、Sへ加算する。次に移動平均算出部533は、フィルタ処理後の最古データfData(q+1)をMで除したものをSから減じる。移動平均算出部533は、この処理を第2リングバッファ522のデータが更新される毎に実行することで、最新のデータからM個前に格納されたデータまでの移動平均値をSとして随時算出することができる。
ここで、移動平均算出部533がバッファ変数Sを用いて移動平均値を算出する理由を説明する。通常、移動平均値を算出する場合、移動平均算出部533は、第2リングバッファ522に格納された各加速度を読み出し、当該加速度の総和を算出して標本数で除算する。この場合、第2リングバッファ522へのアクセス回数は、標本数と等しくなる。つまり、標本数が100である場合、アクセス回数は100となる。これに対し、上述した方法を用いると、第2リングバッファ522へのアクセス回数は、標本数によらず最新の加速度を格納するときと最古の加速度を取り出す時の2回となる。これにより、加速度処理部503は、移動平均値の算出に係る時間を低減することができる。図13(C)は、数秒分のSを連続して描画したものである。
移動平均減算部534は、式(2)に示す通り、フィルタ後のデータfData(q)からSを減じたデータfData2(q)を算出する(ステップS207)。
Figure 2016101786
次に、移動平均減算部534は、フィルタ後のデータfData(q)からSを減じたデータfData2(q)を第3リングバッファ523に格納する。図13(D)は、第3リングバッファ523に格納されたfData2(q)を数秒間分連続して描画したものである。
二乗移動平均算出部535は、第3リングバッファ523に格納されたfData2(i)のうち最新のデータL個をそれぞれ二乗して標本数Lで除算する(ステップS208)。Lは、移動平均の時間長にセンサデータを離散化する際に実行したサンプリング周波数を乗じることで決定される値である。二乗移動平均算出部535は、図8に示すようなL個のデータの積和演算結果を格納するバッファ変数Sを有する。
二乗移動平均算出部535は、第3リングバッファ523の最新データfData(q)の二乗結果をLで除算した値をバッファ変数Sへ加算する(ステップS209)。次に、二乗移動平均算出部535は、第3リングバッファ523の最古データfData(q+1)の二乗結果をLで除算し(ステップS210)、当該値をバッファ変数Sから減算する(ステップS211)。
これにより、式(3)の通り、二乗移動平均算出部535は、二乗移動平均記憶部524に、移動平均減算部534の演算結果の二乗移動平均値fms(q)を記録することができる。
Figure 2016101786
そして、加速度処理部503は、処理をステップS201に戻し、アクティブ検知フラグがONであるか否かの判定を繰り返す。なお、二乗移動平均算出部535が算出する二乗移動平均値を時間軸上に並べると、図13(E)に示す波形が得られる。
加速度処理部503は、以上の処理を繰り返し実行する。
また、図示しないタイマカウンタは、10ms毎に、図示しないレジスタのタイマカウンタ値に1を加算し続けるプロセスを実行する。これにより、異常揺動判定装置5は、レジスタのタイマカウンタ値をタイムスタンプとして利用することができる。
ステップS5により振動判定部501、加速度処理部503および図示しないタイマカウンタが、本プロセスと並行する所定のプロセスP1およびP2の実行を開始すると、主記憶装置52のアクティブ検知フラグがONであるか否かを判定する(ステップS6)。アクティブ検知フラグがOFFである場合(ステップS6:NO)、電源制御部502は、図示しないレジスタのデータバッファリングフラグがONであるか否かを判定する(ステップS7)。データバッファリングフラグとは、プロセスP2によって第1リングバッファ521へのデータの格納が開始されているか否かを示すビットである。
データバッファリングフラグがOFFである場合(ステップS7:NO)、電源制御部502は、処理をステップS2に戻し、CPU51をドーズモードに切り替える。他方、データバッファリングフラグがONである場合(ステップS7:YES)、電源制御部502は、データバッファリングフラグをOFFに変更し(ステップS8)、処理をステップS2に戻し、CPU51をドーズモードに切り替える。
他方、アクティブ検知フラグがONである場合(ステップS6:YES)、電源制御部502は、データバッファリングフラグがONであるか否かを判定する(ステップS9)。データバッファリングフラグがOFFである場合(ステップS9:NO)、ステートマシン504は、プロセスP3を開始する(ステップS10)。他方、データバッファリングフラグがONである場合(ステップS9:YES)、電源制御部502は初期化処理を省略したプロセスP3(プロセスP3−2)を開始する(ステップS11)。
ステートマシン504がプロセスP3またはP3−2の実行を開始すると、CPU51は、ステートマシン504からのプロセスP3の終了通知を待機する(ステップS12)。CPU51の電源制御部502は、ステートマシン504からプロセスP3またはP3−2の終了通知を受けると、処理をステップS2に戻し、CPU51をドーズモードに切り替える。
図14は、一実施形態に係るステートマシン504によるプロセスP3を示すフローチャートである。
ステートマシン504は、電源制御部502からのプロセス開始命令(ステップS10)を受けると、プロセスP3を開始し、初期化処理を開始する(ステップS301)。ステートマシン504は、初期化処理を完了すると、データバッファリングフラグをONに切り替える(ステップS302)。なお、アクティブ検知フラグおよびデータバッファリングフラグがONである場合(ステップS7:YES)、ステートマシン504は、初期化処理およびデータバッファリングフラグのONへの切り替えを省略してプロセスP3−2を開始する(ステップS11)。つまり、プロセスP3−2とは、プロセスP3のステップS301およびS302を省略したものである。
ステートマシン504が初期化処理を終了し、または省略した場合、ステートマシン504のカウンタ部541は、二乗移動平均記憶部524が記憶する加速度の二乗移動平均値が所定の閾値を越えているか否かを判定する(ステップS303)。加速度の二乗移動平均値が所定の閾値を越えていない場合(ステップS303:NO)異常揺動判定部542は、異常揺動が発生していないと判定する。他方、加速度の二乗移動平均値が所定の閾値を越えている場合(ステップS303:YES)、異常揺動判定部542は、図示しないレジスタの第1の異常フラグをONにする(ステップS304)。なお、第1の異常フラグとは、異常揺動が発生していることを示すビットである。
また、加速度の二乗移動平均値が所定の閾値を越えている場合、カウンタ部541は、前回の演算周期にて第1の異常フラグがONであったか否かを判定する(ステップS305)。前回の演算周期にて第1の異常フラグがOFFであった場合(ステップS305:NO)、カウンタ部541は、カウンタ記憶部525が記憶するカウンタ値に1を加算する(ステップS306)。他方、前回の演算周期にて第1の異常フラグがONであった場合(ステップS305:YES)、カウンタ記憶部525が記憶するカウンタ値には、既に異常揺動の回数が加算されているため、カウンタ値の更新を行わない。
次に、異常揺動判定部542は、カウンタ記憶部525が記憶するカウンタ値が所定の閾値を越えたか否かを判定する(ステップS307)。カウンタ値が所定の閾値を越えた場合(ステップS307:YES)、異常揺動判定部542は、図示しないレジスタの第2の異常フラグをONにする(ステップS308)。なお、第2の異常フラグとは、異常揺動が頻発していることを示すビットである。他方、カウンタ値が所定の閾値以下である場合(ステップS307:NO)、異常揺動判定部542は、第2の異常フラグをOFFのままにする。
そして、異常揺動判定部542が異常揺動の有無を判定すると、出力部543は、中継装置6へ、第1の異常フラグ、第2の異常フラグ、カウンタ値、およびタイマカウンタ値を含む評価データを送信し(ステップS309)、ステートマシン504は、プロセスP3を終了する。
中継装置6は、異常揺動判定装置5から評価データを受信すると、当該評価データを上位装置7に伝送する。そして、上位装置7は、異常揺動判定装置5から受信した評価データに基づいて、異常揺動の有無、異常揺動の種別(第1の異常フラグ、第2の異常フラグ)、異常揺動の検知回数、および異常揺動の検知時刻を提示する。なお、カウンタ記憶部525が記憶するカウンタ値は、異常揺動の原因の点検および処置等を終えた運転士等がCPU51をリセット(ハードウェアリセット)することで、0に戻すことができる。
このように、本実施形態によれば、異常揺動判定装置5は、ローパス処理および移動平均値の減算により、異常揺動に係る周波数成分を有する振動データを抽出する。これにより、バンドパスフィルタを適用する場合と比較してフィルタの次数を低く抑えることができるため、異常揺動判定装置5は、早期に異常揺動を検知することができる。
ここで、異常揺動判定装置5が加速度の二乗移動平均値に基づいて異常揺動の有無を判定する理由を説明する。鉄道車両がレールに設けられた分岐器を通過する場合、台車の車軸長手方向に振動が発生する。これに対して、異常揺動判定装置5が加速度の二乗移動平均値に基づいて異常揺動の有無を判定することで、このような瞬間的な振動が生じたとしても分岐器の前後の加速度により二乗移動平均値の増加量が抑えられるため、異常揺動の誤検出を防ぐことができる。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、異常揺動判定装置5が加速度の二乗移動平均値が所定の閾値を超えるか否かに基づいて異常揺動の有無を判定するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る異常揺動判定装置5は、加速度の二乗移動平均値の増加率(波形の傾き)が所定の閾値を超えるか否かに基づいて異常揺動の有無を判定しても良い。これにより、異常揺動判定装置5は、例えば分岐器が近接して複数設けられるために二乗移動平均値が所定の閾値を超えるような場合にも、異常揺動の誤検出を防ぐことができる。
また、他の実施形態に係る異常揺動判定装置5は、加速度の二乗移動平均値が第1の閾値を超えた時刻から、加速度の二乗移動平均値が第2の閾値を超えた時刻までの時間が、所定の閾値を超えるか否かに基づいて異常揺動の有無を判定しても良い。なお、第2の閾値は、第1の閾値より大きい値である。これにより、異常揺動判定装置5は、例えば分岐器が近接して複数設けられるために二乗移動平均値が所定の閾値を超えるような場合にも、異常揺動の誤検出を防ぐことができる。
また、上述した実施形態に係る異常揺動判定装置5は、CPU51のドーズモード時に、加速度処理部503へ電力を供給するが、これに限られない。例えば、電源制御部502は、アクティブ検知フラグがONであることを検出したときに加速度処理部503への電源供給を開始させ、アクティブ検知フラグがOFFであることを検出したときに加速度処理部503への電源供給を遮断させても良い。
1…異常揺動判定システム 2…加速度センサ 3…発電装置 4…蓄電装置 5…異常揺動判定装置 6…中継装置 7…上位装置 51…CPU 52…主記憶装置 53…補助記憶装置 54…インタフェース 55…シグナルコンディショナ 56…無線ユニット 501…振動判定部 502…電源制御部 503…加速度処理部 504…ステートマシン 521…第1リングバッファ 522…第2リングバッファ 523…第3リングバッファ 524…二乗移動平均記憶部 525…カウンタ記憶部 531…振動波形生成部 532…ローパスフィルタ部 533…移動平均算出部 534…移動平均減算部 535…二乗移動平均算出部 541…カウンタ部 542…異常揺動判定部 543…出力部

Claims (9)

  1. 鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定装置であって、
    鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサが計測した前記物理量に基づいて、前記物理量の時間領域の波形を生成する振動波形生成部と、
    前記振動波形生成部が生成した前記波形から、前記鉄道車両の異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去した波形を生成するローパスフィルタ部と、
    前記ローパスフィルタ部が生成した前記波形から前記物理量の移動平均値を算出する移動平均算出部と、
    前記ローパスフィルタ部が生成した前記波形から前記移動平均算出部が算出した移動平均値を減算する移動平均減算部と、
    前記移動平均減算部の演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定部と
    を備える異常揺動判定装置。
  2. 前記移動平均減算部の演算結果の二乗移動平均値を算出する二乗移動平均算出部をさらに備え、
    前記異常揺動判定部は、前記二乗移動平均算出部の演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する
    請求項1に記載の異常揺動判定装置。
  3. 前記異常揺動判定部が、前記二乗移動平均算出部の演算結果が所定の閾値を超える場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する
    請求項2に記載の異常揺動判定装置。
  4. 前記異常揺動判定部が、前記二乗移動平均値の増加率が所定の閾値を超える場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する
    請求項2または請求項3に記載の異常揺動判定装置。
  5. 前記異常揺動判定部が、前記移動平均減算部の演算結果が第1の閾値を超えた時刻から、前記第1の閾値より大きい第2の閾値を超えた時刻までの時間が、所定の閾値以下である場合に、前記鉄道車両の異常揺動があると判定する
    請求項2から請求項4の何れか1項に記載の異常揺動判定装置。
  6. 前記二乗移動平均算出部の演算に用いられる複数の前記物理量を記憶するバッファと、
    前記二乗移動平均算出部の演算結果を記憶する二乗移動平均記憶部と
    をさらに備え、
    前記二乗移動平均算出部が、
    前記移動平均減算部が算出した最新の物理量に係る値を前記バッファに追加するステップと、
    最新の前記物理量に係る値を、前記二乗移動平均記憶部が記憶する前記演算結果に加算するステップと、
    前記バッファから最古の物理量に係る値を読み出すステップと、
    最古の前記物理量に係る値を、前記二乗移動平均記憶部が記憶する前記演算結果から減算するステップと
    を実行することで前記移動平均減算部の演算結果の二乗移動平均値を算出する
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の異常揺動判定装置。
  7. 前記異常揺動判定部が、前記センサが計測した前記物理量が所定の閾値以上である場合に、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の異常揺動判定装置。
  8. 鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサと、
    前記鉄道車両の走行により発電する発電装置と、
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の異常揺動判定装置と
    を備え、
    前記異常揺動判定装置が、前記発電装置が発電した電力によって駆動する
    異常揺動判定システム。
  9. 鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定方法であって、
    鉄道車両の台車の輪軸長手方向の振動の大きさに係る物理量を計測するセンサが計測した前記物理量に基づいて、前記物理量の時間領域の波形を生成する振動波形生成ステップと、
    前記振動波形生成ステップにて生成した前記波形から、前記鉄道車両の異常揺動に係る周波数より大きい成分を除去した波形を生成するフィルタリングステップと、
    前記フィルタリングステップにて生成した前記波形から前記物理量の移動平均値を算出する移動平均算出ステップと、
    前記フィルタリングステップにて生成した前記波形から前記移動平均算出ステップにて算出した移動平均値を減算する移動平均減算ステップと、
    前記移動平均減算ステップの演算結果に基づいて、前記鉄道車両の異常揺動の有無を判定する異常揺動判定ステップと
    を有する異常揺動判定方法。
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