JP2016101678A - 無線綴じ冊子の製本方法 - Google Patents

無線綴じ冊子の製本方法

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Abstract

【課題】 優れた見開き性を備えた無線綴じ冊子を簡単な方法で製本できる無線綴じ冊子の製本方法を提供する。【解決手段】 本発明の無線綴じ冊子の製本方法は、表紙材の裏面中央に設けた2本のスジ又は折り目のうちの一方を反対側に折り曲げて2つに折り、当該一方の折り目を前記本文の背面に揃えて当該表紙材を前記本文に沿わせて配置する工程と、当該表紙材の折り目を含み前記本文背部の全面にコールドグルー接着剤である第1の接着剤を層状に塗布する工程と、前記第1の接着剤層表面の固化が認められたところで、当該第1の接着剤よりも相対的に高粘度の第2の接着剤を塗布する工程と、前記第2の接着剤塗布後に前記表紙材で前記本文をくるみ、当該本文の背面を押圧状態に保持する工程とを含むことを特徴とする。第1の接着剤は下塗り、上塗りの2回塗りとすることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、無線綴じ冊子の製本技術、具体的には優れた見開き性を備える無線綴じ冊子の製本方法および当該製本方法によって製本される無線綴じ冊子に関する。
ノートブックその他の冊子では、紙材を所定枚数揃えて重ね束ねて積層体からなる本文をなし、その背面及び必要に応じて当該面の近傍に接着剤を塗布して表紙材を貼り付けた無線綴じの製本方式が多用されている。この製本方式は、上記のとおり本文の背となる面(必要に応じてその近傍)を接着剤で固定するため、一応、冊子を喉の部分まで開くといわれており、また中綴じに比較して安価であり本文を構成する紙材の枚数の自由度が高いという利点があることが知られている。
しかしながら、この製本方式では、塗付後の接着剤層に対し本文の各紙材の背側の端部は垂直に配置固定されることになるので、冊子の任意の頁を開いた場合に、通常、接着剤層に略垂直に一端を固定されたそれぞれの紙材が特に背部近傍にて盛り上がり、開いた左右の紙材が略180度開いた状態とならず、見開きが良好とは言えない問題があった。
また、近年、無線綴じ冊子の製本においては、表紙材を本文背部に接着するのにホットメルト系の接着剤が多用されている。接着剤塗布の際に、加熱により溶融した低粘度の接着剤が本文と見返し(表紙材)との間の喉元に回り込んでそこで表紙材とこれに接する1枚目の紙材の背側の端部とが接着され、これにより本文の1枚目の紙材が良好に見開けないという問題があった。また、冊子からの本文の各紙材の接着を向上させ脱落を防止するために、本文背部にその厚さ方向に略平行に切り溝などを設け、表紙材の内面を接着剤によって接着することが行われている。確かに切り溝などを設けることにより、本文の各紙材は表紙材背部の内面への接着性が向上することになるが、切り溝を通して浸透した接着剤により本文の隣接する各紙材の喉元側の端辺が接着され、180度見開けないことも生じる。
特開2004−188863-号公報 実用新案登録第3167600号明細書 実開昭48−36911号公報
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、優れた見開き性を備えた無線綴じ冊子を製本できる無線綴じ冊子の製本方法を提供することを目的とする。
前記目的は、本発明の一局面によれば、複数の紙材の束からなる本文と、これをくるむ表紙材とを前記本文背部に塗布した接着剤によって接着させてなる無線綴じ冊子の製本方法であって、前記表紙材の裏面中央に設けた2本の折り目のうちの一方を反対側に折り曲げて2つに折り、当該一方の折り目を前記本文の背面に揃えて当該表紙材を前記本文に沿わせて配置する工程と、当該表紙材の折り目を含み前記本文背部の全面にコールドグルー接着剤である第1の接着剤を層状に塗布する工程と、前記第1の接着剤層表面の固化が認められたところで、当該表面の全面に当該第1の接着剤よりも相対的に高粘度の第2の接着剤を層状に塗布する工程と、前記第2の接着剤塗布後に前記表紙材で前記本文をくるみ、当該本文の背面を押圧状態に保持したまま乾燥させる工程とを含むことを特徴とする無線綴じ冊子の製本方法によって達成される。
前記本文は、ペラの紙材を重ね束ねた積層体であってもよく、2つ折りした折丁の丁合によって構成された積層体であってもよい。
前記本文背部と略面一となるように、当該背部側縁に沿ってその長さ方向全体に略平行に厚さ方向に加圧し、前記第1の接着剤層表面が固化するまで該加圧状態を保持する工程をさらに含めることができる。その上で、第1の接着剤を本文の背面全面に層状に塗布する。この塗布回数は好ましくは2回に設定し、前記第1の接着剤層表面の固化が認められた後に、さらに当該接着剤層の全面に第1の接着剤を層状に塗布できる。塗布回数を3回以上に設定することも可能であるが、製本に長時間を要することになる。
前記第1の接着剤は、コールドグルータイプであれば特に制限はないが、不揮発分が有姿の全量に対して10重量%以上であることが好ましい。不揮発分を前記範囲とすることで、第1の接着剤は紙の繊維内に浸透し、本文と第1の接着剤層との接着を向上させ、本文中の各紙材又は折丁の脱落(落丁)を抑制することができる。このような第1の接着剤の具体例としては、酢酸ビニル樹脂系又はエチレン酢酸ビニル樹脂系のエマルション接着剤などが挙げられる。なお、この第1の接着剤は、後述する第2の接着剤がコールドグルータイプである場合、当該第2の接着剤を任意の希釈倍率で希釈したものであってもよい。このように第1の接着剤を第2の接着剤よりも相対的に低粘度とすることで、第1の接着剤層の弾性・柔軟性が向上する。そして、本発明者は、これにより固化した第1の接着剤層に端辺が固着した状態で本文の各紙材が当該接着剤層に対し略垂直の状態からさらに傾くだけの動きの自由度が増し、結果としてこのことが本発明の製本方法によって得られる無線綴じ冊子の見開き性の向上に寄与しているものと推測している。
前記第2の接着剤は、不揮発分が有姿の全量に対して40〜60重量%の範囲にあることが好ましい。不揮発分がこの範囲にあることで、第1の接着剤層と表紙材との接着を向上させることができる。前記第2の接着剤は、コールドグルータイプであってもホットメルトタイプであってもよいが、好ましくは前者を用いるのがよい。前者の具体例としては、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系のエマルション接着剤などが挙げられる。
また、前記目的は、本発明の別の局面によれば、前記無線綴じ冊子の製本方法を用いて製本した無線綴じ冊子であって、前記本文を任意の頁で開いた場合に左頁から喉元へ、喉元から右頁に連続した印刷領域が形成されてなることを特徴とする無線綴じ冊子によって達成される。前記印刷領域には、例えば方眼目盛などを印刷できる。これにより、冊子を開いた状態で左右の頁に跨る1つの方眼紙が形成され、結果としてより長い時間、より多くのプロットを描くことができるようになる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法によれば、本文の背部を第2の接着剤と比べ相対的に低い所定の粘度の第1の接着剤で固め、その接着剤層表面が固化したところで、第1の接着剤よりも相対的に高い粘度の第2の接着剤を塗布し、前記表紙材の背部分の内面と一体的に固着させるようにしたことで、得られる無線綴じ冊子は優れた見開き性を備えることができる。
また、本発明の無線綴じ冊子は、前記のように優れた見開き性を有することから、任意に開いた左右の頁に跨る1つの連続した印刷領域を設定できる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法に使用される表紙材の一例を示す部分側面図である。 本発明の無線綴じ冊子の製本方法における表紙材の配置及び圧締の工程の一例を示す説明図である。 本発明の無線綴じ冊子の製本方法における第1の接着剤の塗布(下塗り)工程の一例を示す説明図である。 図1Cに続く第1の接着剤(上塗り)及び第2の接着剤の塗付工程の一例を示す説明図である。 図1Dに続く表紙材のくるみ工程及び加圧工程をの一例を示す説明図である。 本発明の製本方法によって得られる無線綴じ冊子の一例を模式的に示す横断面図である。 図2に示す無線綴じ冊子の優れた見開き性を説明するための図である。
[本発明の無線綴じ冊子の製本方法]
以下、添付の図1A〜図1Fを参照しながら、本発明の無線綴じ冊子の製本方法の一例について詳細に説明する。ただし、本発明の製本方法は以下の例に限定されない。
図1Aは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法に使用される表紙材の一例を示す部分側面図である。図1Bは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法における表紙材の配置及び圧締の工程の一例を示す説明図であり、図1Cは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法における第1の接着剤の塗布(下塗り)工程の一例を示す説明図である。また、図1Dは、図1Cに続く第1の接着剤(上塗り)及び第2の接着剤の塗付工程の一例を示し、図1Eは、図1Dに続く表紙材のくるみ工程及び加圧工程をの一例を示す説明図である。
本発明の無線綴じ冊子1に使用される本文2としては、ペラの紙材を所定の枚数重ね束ねた積層体であっても、各葉の紙材を中央から2つ折りにした折丁を用い、それぞれの折丁を折れ目を揃え重ね合わせて丁合を取り、所定の枚数の積層体であってもよい。これらのうちでは、後者の折丁の丁合によって構成される積層体を本文2として用いるのが好ましい。また、本文2を構成する紙材は、その表裏面の喉元側の端縁までを印刷領域とし、適宜の印刷を施しておくことができる。
本文2を構成する紙材は、その種類を問わず、雑誌、ノートブックなどの冊子の本文に通常用いられるものを特に制限なく使用できる。このような紙材の具体例としては、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙及び薄葉印刷用紙などの非塗工印刷用紙;微塗工印刷用紙;アート紙、コート紙、軽量コート紙などの塗工印刷用紙;色上質紙などの特殊印刷用紙;複写用紙、コピー用紙などの情報用紙などが挙げられ、これらは単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。また、紙材の米坪量についても特に制限がなく、例えば40〜150g/mの範囲のものを使用できる。例えば製本する冊子がノートブックの場合、米坪量70g/m前後の紙材が使用されるのが通常である。
(1)表紙材のスジ押し又は折り目付け
表紙材3は、最終的に化粧裁断を行うことから、製本する冊子1の表表紙部3a、裏表紙部3b及び背部3cのそれぞれの大きさを加え合わせたよりも僅かに大きい面積を備えた矩形状の紙材である。表紙材3としては通常、無線綴じ冊子に使用される従来公知の各種の紙が使用可能である。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙などの塗工印刷用紙;色上質紙などの特殊印刷用紙などが使用できる。表紙材の米坪量についてはとくに制限がなく、例えば80〜300g/mの範囲のものを使用できる。
まず、図1Aに示すように、表紙材3の中央領域に所定の間隔だけ離して、スジ押し機(不図示)によって互いに平行に2本のスジ4、4を刻設する。それぞれのスジ4の幅H(表紙材3の裏面上において、スジの長さ方向に直交する方向の幅)は0.3〜0.8mm、好ましくは0.4〜0.7mmに設定できる。従来の無線綴じ冊子の製本方法においては、表紙材に刻設されるスジの幅は1mm又はそれ以上に設定されていたが、冊子の背部と表裏の表紙材との間の端縁をシャープにして外観を良好にするために、スジの幅は極力狭くするのがよい。
スジ押しを行う場合、スジ押し機(不図示)はスジ押し用の回転円板を備えた従来公知のものを使用でき、スジ4の幅の設定は、前記回転円板の表紙材3への押し付け力を調整することにより行われる。また、スジ4の幅Hを前記のように狭くする場合には、より厚さの薄い回転用円板を適宜用いるようにしてもよい。
なお、2本のスジ4、4の代わりに、折り機(不図示)を用いて平行な2本の折り目(不図示)を設けてもよい。スジ4、4を刻設するか折り目を設けるかは、例えば表紙材3の種類や米坪によって決定できる。例えば、表紙材3の紙質が強い、米坪が相対的に大きいなどといった場合には、折り機による折り目を設けることが困難なことが多いので、スジを刻設するのがよい。その反面、紙質が弱い、米坪が相対的に小さいなどの場合には、折り目を十分にシャープに形成できるので、折り機を用いて折り目を設けることができる。
(2)本文2への表紙材3の積層配置工程
図1Bに示すように、表紙材3の一方のスジ4を折れ目にして当該スジ4が外側にくるように反対側に略2つ折りし、このスジ4を本文2の背となる面2aに面一に揃えて積層配置する。表紙材3は、本文2の表面(表表紙)側、裏面(裏表紙)側のいずれに配置してもよい。(但し、本文2の表表紙側に表紙材3を配置する場合には、表紙材3の表表紙部3aが直接、本文2の表面に接するようにし、本文2の裏表紙側に表紙材3を配置する場合には、表紙材3の裏表紙部3bが直接、本文2の裏表紙側に接するように配置する点には留意する必要がある。)この工程では、本文2と表紙材3とを1組とし、複数組を重ね合わせるようにしてもよい。こうすることで、一度に複数組について第1の接着剤5を塗布でき、作業の効率化が図られる。第1の接着剤5を塗布するに当たっては、予め湿らせた布や金属製のブラシなどを用いて少なくとも本文2の背面2aを粗面にしておくのが好ましい。
前記した1組又は複数組の組み合わせのいずれの場合も、図2Bに示すように、圧締具10、10を用い、本文2の背部2aと略面一となるように、当該背部2aの側縁に沿ってその長さ方向全体に本文2の厚さ方向に加圧するのが好ましい。このように圧締具10、10を用いることで、積層された折丁の折り目近傍を圧縮し、上下の紙材を密着させることができるので、後述する第1の接着剤5の接着性にも有利に働くことになる。この圧締具10、10は、後述する第2の接着剤6の塗布工程の前まで用い、それまで前記した1組又は複数組の組み合わせの厚さ方向への加圧状態を保持するのがよい。
(3)第1の接着剤の塗布・乾燥工程
揃えて積層配置された1組又は複数組の本文2の背面2a及び表紙材3のスジ4内の全面に第1の接着剤5を塗布する(図1C参照)。ここで、第1の接着剤5はコールドグルー接着剤であればその種類に特に制限がなく、従来公知の澱粉系接着剤、膠、合成樹脂系エマルション接着剤などを第1の接着剤5として使用できる。第1の接着剤5が固体又は粉末である場合には、水に溶解して水溶液として使用できる。合成樹脂系エマルション接着剤は、具体的には、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂又はアクリル樹脂などが挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用できる。酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤の具合例としては、MB接着7KM(松本久夫商店製)などが、またエチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤の具合例としては、サクラノールV−200(石塚産業(株)製)などが挙げられる。また、アクリル樹脂系エマルション接着剤の具体例としては、スリーボンド1541C((株)スリーボンド製)などが挙げられる。
第1の接着剤5は、その揮発分が有姿の全量に対して10重量%以上、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%含むものを使用できる。揮発分が増加するに応じて、初期又は固化後の接着性が向上し、落丁を防止できるので、適宜試行錯誤などによって使用する紙材及び表紙材に適した不揮発分の接着剤を決定できる。
また、第1の接着剤5は、塗布直後に塗面から流れ落ちないが、可能な限り低い粘性を備えるものであるのがよい。粘性が低いと、本文2の背面に露出する繊維の内部に第1の接着剤5が浸透することから、製本後の冊子1の本文2からの落丁を防止可能となる。このような程度の粘性に調整するように、第1の接着剤5に水を加え、例えば2倍、3倍又は4倍などに希釈することができる。第1の接着剤5の粘度は、その種類や使用環境条件によって大きく変化するので、一概には言えないが、例えば接着剤製造元の提示するカタログ、技術資料などに掲載されている公称粘度(30℃)で言えば、10〜20000mPa・sの範囲が目途になるものと思われる。
第1の接着剤5の塗布量又は塗厚は、揃って配置されている本文2の背面2aと表紙材3のスジ4の全面に目視にてムラが極力できないように層状に塗布されれば特に制限されない。塗布量のおおよその目安としては、1m当たりに換算して50〜100g程度を参考にすることができる。また、第1の接着剤5の塗布方法としては特に制限がなく、刷毛塗りなどの従来公知の方法を採用できる。また、ロールコータ、バーコータなどの従来公知の各種塗工機などを用いた塗工法を用いてもよい。
第1の接着剤5を塗布した後は、本文2と表紙材3との組み合わせ(1組又は複数組)をその厚さ方向に加圧状態を保持したまま第1の接着剤5をその接着剤層の表面に固化が認められるようになるまで乾燥固化させる。このとき、接着剤層の表面に不織布、寒冷紗、ティッシュペーパーなどの補強材を全面に敷設することができる。乾燥は、ドライヤーなどの従来公知の器具などを用いて従来公知の方法により行い、又は例えば30分程度またはそれ以上の時間、室内などに静置する方法により行ってもよい。
第1の接着剤5は、下塗り及び上塗りの2回、重ねて塗布することもできる。この場合、下塗り51の塗布後、下塗り層51の表面の固化が認められたところで、続いて当該下塗り層の全面にこれを被覆するように上塗り52を層状に塗布するのが好ましい。下塗り面には、その全面に不織布、寒冷紗、ティッシュペーパーなどの補強材を敷設できる。各種の第1の接着剤のうち、下塗り51と上塗り52とは同種のものを用いてもよく、異種のものを用いてもよい。そうして、上塗り52層については十分固化するまで乾燥させる。乾燥は、ドライヤーなどの従来公知の器具などを用いて従来公知の方法により行い、又は例えば一昼夜又はそれ以上の時間、室内や乾燥機内などに静置する方法で行ってもよい。
1回塗りの場合の第1の接着剤層5又は複数回塗りの上塗り層52が乾燥固化したら、続くクルミ作業に備えて表紙材3の折り曲げた表表紙部3a又は裏表紙部3bを反対方向に折り返す。複数組の積層体に第1の接着剤5を塗布した場合には、第1の接着剤層5又は上塗り層52の乾燥固化を待って、各組を切り離した上で、前記と同様に表紙材3の折り返しを行う。
(4)第2の接着剤の塗布工程
次に、乾燥硬化した第1の背着剤層5(又は52)に重ねて、その全面に前記した第2の接着剤6を塗布し第2の接着剤層6を設ける。第2の接着剤6としては、その種類について特に制限されず、第1の接着剤5と同様、従来公知の澱粉系接着剤、膠、前記例示の合成樹脂を主成分とする合成樹脂系エマルション接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂を主成分とするホットメルト系接着剤などを使用できる。第2の接着剤6は、第1の接着剤5と同種であってもよく、異種であってもよい。第1の接着剤5と同種のものを第2の接着剤6として用いる場合、合成樹脂エマルション系、特に酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤、アクリル樹脂系エマルション接着剤を用いるのが好ましい。これらのエマルション接着剤の具体例は前記の通りである。
第2の接着剤6は、その不揮発分が有姿の全量に対して40〜65重量%、好ましくは45〜60重量%、より好ましくは45〜55重量%であるものを使用するのが好ましい。このように揮発分の範囲に設定されることで、初期及び固化後の接着力が向上し、その結果第1の接着剤層と表紙材の背部内面との高い接着性が得られる。また、第2の接着剤6の粘度(公称粘度、30℃)は、不揮発分である樹脂成分の種類や使用環境条件などによって変わるので、一概に言えないが、1〜60Pa・sの範囲内のものが使用できるものと思われる。
第2の接着剤6の塗布量又は塗厚は、揃って配置されている本文2の背面2aと表紙材3のスジ4の全面に目視にてムラが極力できないように層状に塗布されれば特に制限されない。塗布量のおおよその目安としては、第1の接着剤5の場合と同様、1m当たりに換算して50〜100g程度を参考にすることができる。また、第2の接着剤6の塗布方法としては特に制限がなく、刷毛塗りなどの従来公知の方法を採用できる。また、ロールコータ、バーコータなどの従来公知の各種塗工機などを用いた塗工法を用いてもよい。
(5)表紙材を折り返し本文の背面及び表裏面をくるむ工程
第2の接着剤6の塗布後すぐに、折り返した表紙材3を今度はスジ4の各々が内側になるようにそれぞれを折り返してコの字状に形成し、これにより本文2の第2の接着層6を塗布した背面2aと表裏面とをそれぞれ表紙材3の背部3c、表表紙部3a及び裏表紙部3bでくるむ。
(6)第2の接着剤を乾燥する工程
その後、図1Eに示すように、押圧手段12を用いて外部から表紙材3の背部3cを通して本文2の背面2aに向けて加圧する。これにより第2の接着剤6を本文2の背面2aと表紙材3の背部内面との隙間で第2の接着剤層6を拡散させるとともに、第1の接着剤5が充填されていない他方のスジ4の内部にも充填させ、加圧状態を保持しながら第2の接着剤6を硬化養生させる。この加圧状態は、第2の接着剤6が固化するまで保持されるのが好ましい。押圧手段12は、例えば電気鏝などのように加熱可能に構成されたものであってもよい。この場合、押圧手段12により加圧状態を保持するとともに、加温することで、第2の接着剤6の乾燥固化を早めることができる。第2の接着剤6が十分に固化したら、冊子1の背部分を除く3辺の化粧断ちを行う。かくして、製本作業が完了し、無線綴じ冊子1が得られる。
[無線綴じ冊子]
次に、本発明の無線綴じ冊子について説明する。図2は、前記した本発明の無線綴じ冊子の製本方法によって製本された無線綴じ冊子の断面図を示している。この図に示すように、本発明の製本方法により得られる無線綴じ冊子1は、紙材を所定枚数重ね合せた紙材積層体からなる本文2と、中央領域に所定の間隔だけ離して互いに平行に刻設されたスジ4、4によって区画された表表紙部3a、裏表紙部3b及び背部3cからなる表紙材3とが、本文2の背面2aと背部3cとの間に順次積層固化された第1の接着剤層5(下塗り51、上塗り52)及び第2の接着剤層6を介して接着固定された形態を備えている。なお、図2中、図1A〜図1Eの各図と共通する各部については同じ符号を用いることとし、必要な場合以外、前記と重複する事項の説明は割愛する。
こうして得られる本発明の冊子1においては、本文2の各紙材を接着固定するのに第2の接着剤と比較し相対的に低い粘性の第1の接着剤を用いたことで、より接着剤層の柔軟性・弾性が増し、結果として各紙材の動きの自由度が向上すると考えられる。その結果、本文2の任意の頁で開いた場合、図3に示すように、表紙材3の背部3cが強制的に折れ曲がり、それとともに背部3cに略垂直に固定された左右の頁の個々の紙材2は水平に倒れていき、根本の自由堂が高いことから互いに180度開いた状態になろうとし、結果として優れた見開き性を得ることができる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法は、種々の無線綴じ冊子の製本に適用可能であるが、特に30〜300枚程度のノートブックなどの冊子の製本に有効に適用できるものである。そして、本発明の製本方法によって製本される無線綴じ冊子は略180度の見開き性を示すので、本文を任意の頁で開いた場合に左頁から喉元にまた喉元から右頁に連続した印刷領域が形成可能となる。この印刷領域には、例えば方眼目盛を印刷することができる。このような方眼目盛を印刷した冊子の場合、従来の1頁毎方眼目盛が印刷されたものよりも長時間にわたりデータのプロットが可能となるといった利点がある。
図1A〜図1Eに示す方法で本発明の無線綴じ冊子であるノートブックを以下のように作製した。このノートブックのサイズはB5版である。本文はB4版よりも僅かに面積の大きい上質紙(米坪70g/m)15枚をそれぞれ2つ折りした折丁を束ねて30枚で構成した。各折丁には、折り目を含む中央領域に当該折り目で左右対称となるように1mmm方眼目盛を印刷してある。折丁におけるこの印刷部分と折り目を除く3辺との間の余白を約20mmとした。また、表紙材として、米坪100g/mの上質紙を用い、その中央領域に2本の折り目を設けた。この表紙材のサイズもB4版よりも僅かに大きくし、最終的な化粧裁断が可能とされている。
本文の折り目と表紙材の一方のスジとを揃えて両者を積層したものを1組とし、これを100組(ノート100冊分)積層し、その背の部分近傍を図1Bに示すように、圧締具によって当該積層体の厚さ方向に加圧した。そうして、本文と表紙材とを揃えた面(背面)に第1の接着剤を層状に下塗りし、当該層の表面の固化が認められたところで、第1の接着剤の上塗りを行った。ここで、第1の接着剤としては、スリーボンド1541C(アクリル樹脂系エマルション接着剤、スリーボンド社製)を水で4倍に希釈したものを用いた。ちなみに、この水性接着剤の性状は、粘度(BH型粘度計No.4、20rpm、25℃)が1.12Pa.sであり、加熱残分(不揮発分に相当、JIS K6833準拠)が54.2重量%である。
その後一昼夜静置し第1の接着剤の上塗りが十分に乾燥固化したところで、ノート1冊分をそれぞれ切り離し、表紙材の折り返しを行った。そうして、第1の接着剤層の全面にさらに第2の接着剤を層状に塗布し、すぐに表紙材でくるんだ。ここで、第2の接着剤として、前記したスリーボンド1541Cの原液を用いた。包んだノートのそれぞれを背部分を下にして縦置きし、100冊分水平方向に積層した。100冊のノートの厚さ方向に圧締するとともに、前記背部分の全面を押圧手段により加圧した。この加圧状態は、第2の接着剤が乾燥固化するまで保持した。その後、各ノートの背部を除く3辺について化粧裁断を行い、ノートのサイズをB5版とした。
第1の接着剤の下塗りの塗布量は、ノート1冊(厚さ3mm、高さ280mm)、100冊重ねて得られる塗布面に対し、4倍希釈のエマルション接着剤を6g使用したので、計算上、71g/mとなる。上塗りも同様に、71g/mであった。また、第2の接着剤mの塗布量は、同様の計算のより80g/mであった。
こうして得られたノートブックの本文における任意の頁を開いたところ、左右の頁は互いに略180度開くこと、よって優れた見開き性を有することを確認した。また、100冊のうち任意の10冊を抜き取り、それぞれの本文のうちの1枚の小口側の端部を指でつまみ、上下に20回ゆすったが、それによる落丁も認められなかった。よって、抜き取った10冊のノートの本文を構成する各紙材は、当該ノートの背に十分接着されていることが推測された。
1 無線綴じ冊子
2 紙材(紙材積層体)
3 表紙材
3a 表表紙部
3b 裏表紙部
3c 表紙材の背部
4 スジ
5 第1の接着剤(層)
51 下塗り(第1の接着剤)
52 上塗り(第1の接着剤)
6 第2の接着剤(層)
10 圧締手段
12 押圧手段
H スジの幅
本発明は、無線綴じ冊子の製本技術、具体的には優れた見開き性を備える無線綴じ冊子の製本方法および当該製本方法によって製本される無線綴じ冊子に関する。
ノートブックその他の冊子では、紙材を所定枚数揃えて重ね束ねて積層体からなる本文をなし、その背面及び必要に応じて当該面の近傍に接着剤を塗布して表紙材を貼り付けた無線綴じの製本方式が多用されている。この製本方式は、上記のとおり本文の背面(必要に応じてその近傍)を接着剤で固定するため、一応、冊子を喉の部分まで開くといわれており、また中綴じに比較して安価であり本文を構成する紙材の枚数の自由度が高いという利点があることが知られている。
しかしながら、この製本方式では、塗付後の接着剤層に対し本文の各紙材の背側の端部は垂直に配置固定されることになるので、冊子の任意の頁を開いた場合に、通常、接着剤層に略垂直に一端を固定されたそれぞれの紙材が特に背部近傍にて盛り上がり、開いた左右の紙材が略180度開いた状態とならず、見開きが良好とは言えない問題があった。
また、近年、無線綴じ冊子の製本においては、表紙材を本文の背面に接着するのにホットメルト系の接着剤が多用されている。接着剤塗布の際に、加熱により溶融した低粘度の接着剤が本文と見返し(表紙材)との間の喉元に回り込んでそこで表紙材とこれに接する1枚目の紙材の背側の端部とが接着され、これにより本文の1枚目の紙材が良好に見開けないという問題があった。また、冊子からの本文の各紙材の接着を向上させ脱落を防止するために、本文の背面にその厚さ方向に略平行に切り溝などを設け、表紙材の内面を接着剤によって接着することが行われている。確かに切り溝などを設けることにより、本文の各紙材は表紙材背部の内面への接着性が向上することになるが、切り溝を通して浸透した接着剤により本文の隣接する各紙材の喉元側の端辺が接着され、180度見開けないことも生じる。
特開2004−188863-号公報 実用新案登録第3167600号明細書 実開昭48−36911号公報
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、優れた見開き性を備えた無線綴じ冊子を製本できる無線綴じ冊子の製本方法を提供することを目的とする。
前記目的は、本発明の一局面によれば、複数の紙材の束からなる本文と、これをくるむ表紙材とを前記本文の背面に塗布した接着剤によって接着させてなる無線綴じ冊子の製本方法であって、前記表紙材の裏面中央領域に該表紙材を表表紙部、背部及び裏表紙部に区画するように所定の間隔だけ離して設けた2本のスジ又は折り目のうちの一方を反対側に折り曲げて2つに折り、当該一方の折り目を前記本文の背面の側縁に揃えて当該表紙材を前記本文に沿わせて配置する工程と、当該表紙材の折り目を含み前記本文の背面全面にコールドグルー接着剤である第1の接着剤を層状に塗布する工程と、前記第1の接着剤層表面の固化が認められたところで、当該表面の全面に当該第1の接着剤よりも相対的に高粘度の第2の接着剤を層状に塗布する工程と、前記第2の接着剤塗布後に前記表紙材で前記本文をくるみ、当該本文の背面を押圧状態に保持したまま乾燥させる工程とを含むことを特徴とする無線綴じ冊子の製本方法によって達成される。
前記本文は、ペラの紙材を重ね束ねた積層体であってもよく、2つ折りした折丁の丁合によって構成された積層体であってもよい。
1組の圧締具によって前記本文の喉元を当該本文の厚さ方向に挟んで加圧状態とし、前記第1の接着剤層表面が固化するまで該加圧状態を保持する工程をさらに含めることができる。その上で、第1の接着剤を本文の背面全面に層状に塗布する。この塗布回数は好ましくは2回に設定し、前記第1の接着剤層表面の固化が認められた後に、さらに当該接着剤層の全面に第1の接着剤を層状に塗布できる。塗布回数を3回以上に設定することも可能であるが、製本に長時間を要することになる。
前記第1の接着剤は、コールドグルータイプであれば特に制限はないが、不揮発分が有姿の全量に対して10重量%以上であることが好ましい。不揮発分を前記範囲とすることで、第1の接着剤は紙の繊維内に浸透し、本文と第1の接着剤層との接着を向上させ、本文中の各紙材又は折丁の脱落(落丁)を抑制することができる。このような第1の接着剤の具体例としては、酢酸ビニル樹脂系又はエチレン酢酸ビニル樹脂系のエマルション接着剤などが挙げられる。なお、この第1の接着剤は、後述する第2の接着剤がコールドグルータイプである場合、当該第2の接着剤を任意の希釈倍率で希釈したものであってもよい。このように第1の接着剤を第2の接着剤よりも相対的に低粘度とすることで、第1の接着剤層の弾性・柔軟性が向上する。そして、本発明者は、これにより固化した第1の接着剤層に端辺が固着した状態で本文の各紙材が当該接着剤層に対し略垂直の状態からさらに傾くだけの動きの自由度が増し、結果としてこのことが本発明の製本方法によって得られる無線綴じ冊子の見開き性の向上に寄与しているものと推測している。
前記第2の接着剤は、不揮発分が有姿の全量に対して40〜60重量%の範囲にあることが好ましい。不揮発分がこの範囲にあることで、第1の接着剤層と表紙材との接着を向上させることができる。前記第2の接着剤は、コールドグルータイプであってもホットメルトタイプであってもよいが、好ましくは前者を用いるのがよい。前者の具体例としては、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系のエマルション接着剤などが挙げられる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法によれば、本文の背部を第2の接着剤と比べ相対的に低い所定の粘度の第1の接着剤で固め、その接着剤層表面が固化したところで、第1の接着剤よりも相対的に高い粘度の第2の接着剤を塗布し、前記表紙材の背部分の内面と一体的に固着させるようにしたことで、得られる無線綴じ冊子は優れた見開き性を備えることができる。
また、本発明の無線綴じ冊子は、前記のように優れた見開き性を有することから、任意に開いた左右の頁に跨る1つの連続した印刷領域を設定できる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法に使用される表紙材の一例を示す部分側面図である。 本発明の無線綴じ冊子の製本方法における表紙材の配置及び圧締の工程の一例を示す説明図である。 本発明の無線綴じ冊子の製本方法における第1の接着剤の塗布(下塗り)工程の一例を示す説明図である。 図1Cに続く第1の接着剤(上塗り)及び第2の接着剤の塗付工程の一例を示す説明図である。 図1Dに続く表紙材のくるみ工程及び加圧工程をの一例を示す説明図である。 本発明の製本方法によって得られる無線綴じ冊子の一例を模式的に示す横断面図である。 図2に示す無線綴じ冊子の優れた見開き性を説明するための図である。
[本発明の無線綴じ冊子の製本方法]
以下、添付の図1A〜図1Fを参照しながら、本発明の無線綴じ冊子の製本方法の一例について詳細に説明する。ただし、本発明の製本方法は以下の例に限定されない。
図1Aは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法に使用される表紙材の一例を示す部分側面図である。図1Bは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法における表紙材の配置及び圧締の工程の一例を示す説明図であり、図1Cは、本発明の無線綴じ冊子の製本方法における第1の接着剤の塗布(下塗り)工程の一例を示す説明図である。また、図1Dは、図1Cに続く第1の接着剤(上塗り)及び第2の接着剤の塗付工程の一例を示し、図1Eは、図1Dに続く表紙材のくるみ工程及び加圧工程をの一例を示す説明図である。
本発明の無線綴じ冊子1に使用される本文2としては、ペラの紙材を所定の枚数重ね束ねた積層体であっても、各葉の紙材を中央から2つ折りにした折丁を用い、それぞれの折丁を折れ目を揃え重ね合わせて丁合を取り、所定の枚数の積層体であってもよい。これらのうちでは、後者の折丁の丁合によって構成される積層体を本文2として用いるのが好ましい。また、本文2を構成する紙材は、その表裏面の喉元側の端縁までを印刷領域とし、適宜の印刷を施しておくことができる。
本文2を構成する紙材は、その種類を問わず、雑誌、ノートブックなどの冊子の本文に通常用いられるものを特に制限なく使用できる。このような紙材の具体例としては、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙及び薄葉印刷用紙などの非塗工印刷用紙;微塗工印刷用紙;アート紙、コート紙、軽量コート紙などの塗工印刷用紙;色上質紙などの特殊印刷用紙;複写用紙、コピー用紙などの情報用紙などが挙げられ、これらは単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。また、紙材の米坪量についても特に制限がなく、例えば40〜150g/mの範囲のものを使用できる。例えば製本する冊子がノートブックの場合、米坪量70g/m前後の紙材が使用されるのが通常である。
(1)表紙材のスジ押し又は折り目付け
表紙材3は、最終的に化粧裁断を行うことから、製本する冊子1の表表紙部3a、裏表紙部3b及び背部3cのそれぞれの大きさを加え合わせたよりも僅かに大きい面積を備えた矩形状の紙材である。表紙材3としては通常、無線綴じ冊子に使用される従来公知の各種の紙が使用可能である。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙などの塗工印刷用紙;色上質紙などの特殊印刷用紙などが使用できる。表紙材の米坪量についてはとくに制限がなく、例えば80〜300g/mの範囲のものを使用できる。
まず、図1Aに示すように、表紙材3の中央領域に所定の間隔だけ離して、スジ押し機(不図示)によって互いに平行に2本のスジ4、4を刻設する。それぞれのスジ4の幅H(表紙材3の裏面上において、スジの長さ方向に直交する方向の幅)は0.3〜0.8mm、好ましくは0.4〜0.7mmに設定できる。従来の無線綴じ冊子の製本方法においては、表紙材に刻設されるスジの幅は1mm又はそれ以上に設定されていたが、冊子の背部と表裏の表紙材との間の端縁をシャープにして外観を良好にするために、スジの幅は極力狭くするのがよい。
スジ押しを行う場合、スジ押し機(不図示)はスジ押し用の回転円板を備えた従来公知のものを使用でき、スジ4の幅の設定は、前記回転円板の表紙材3への押し付け力を調整することにより行われる。また、スジ4の幅Hを前記のように狭くする場合には、より厚さの薄い回転用円板を適宜用いるようにしてもよい。
なお、2本のスジ4、4の代わりに、折り機(不図示)を用いて平行な2本の折り目(不図示)を設けてもよい。スジ4、4を刻設するか折り目を設けるかは、例えば表紙材3の種類や米坪によって決定できる。例えば、表紙材3の紙質が強い、米坪が相対的に大きいなどといった場合には、折り機による折り目を設けることが困難なことが多いので、スジを刻設するのがよい。その反面、紙質が弱い、米坪が相対的に小さいなどの場合には、折り目を十分にシャープに形成できるので、折り機を用いて折り目を設けることができる。
(2)本文2への表紙材3の積層配置工程
図1Bに示すように、表紙材3の一方のスジ4を折れ目にして当該スジ4が外側にくるように反対側に略2つ折りし、このスジ4を本文2の背面2aに面一に揃えて積層配置する。表紙材3は、本文2の表面(表表紙)側、裏面(裏表紙)側のいずれに配置してもよい。(但し、本文2の表表紙側に表紙材3を配置する場合には、表紙材3の表表紙部3aが直接、本文2の表面に接するようにし、本文2の裏表紙側に表紙材3を配置する場合には、表紙材3の裏表紙部3bが直接、本文2の裏表紙側に接するように配置する点には留意する必要がある。)この工程では、本文2と表紙材3とを1組とし、複数組を重ね合わせるようにしてもよい。こうすることで、一度に複数組について第1の接着剤5を塗布でき、作業の効率化が図られる。第1の接着剤5を塗布するに当たっては、予め湿らせた布や金属製のブラシなどを用いて少なくとも本文2の背面2aを粗面にしておくのが好ましい。
前記した1組又は複数組の組み合わせのいずれの場合も、図2Bに示すように、圧締具10、10を用い、本文2の背面2aと略面一となるように、当該背面2aの側縁に沿ってその長さ方向全体に本文2の厚さ方向に加圧するのが好ましい。このように圧締具10、10を用いることで、積層された折丁の折り目近傍を圧縮し、上下の紙材を密着させることができるので、後述する第1の接着剤5の接着性にも有利に働くことになる。この圧締具10、10は、後述する第2の接着剤6の塗布工程の前まで用い、それまで前記した1組又は複数組の組み合わせの厚さ方向への加圧状態を保持するのがよい。
(3)第1の接着剤の塗布・乾燥工程
揃えて積層配置された1組又は複数組の本文2の背面2a及び表紙材3のスジ4内の全面に第1の接着剤5を塗布する(図1C参照)。ここで、第1の接着剤5はコールドグルー接着剤であればその種類に特に制限がなく、従来公知の澱粉系接着剤、膠、合成樹脂系エマルション接着剤などを第1の接着剤5として使用できる。第1の接着剤5が固体又は粉末である場合には、水に溶解して水溶液として使用できる。合成樹脂系エマルション接着剤は、具体的には、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂又はアクリル樹脂などが挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用できる。酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤の具合例としては、MB接着7KM(松本久夫商店製)などが、またエチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤の具合例としては、サクラノールV−200(石塚産業(株)製)などが挙げられる。また、アクリル樹脂系エマルション接着剤の具体例としては、スリーボンド1541C((株)スリーボンド製)などが挙げられる。
第1の接着剤5は、その揮発分が有姿の全量に対して10重量%以上、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%含むものを使用できる。揮発分が増加するに応じて、初期又は固化後の接着性が向上し、落丁を防止できるので、適宜試行錯誤などによって使用する紙材及び表紙材に適した不揮発分の接着剤を決定できる。
また、第1の接着剤5は、塗布直後に塗面から流れ落ちないが、可能な限り低い粘性を備えるものであるのがよい。粘性が低いと、本文2の背面に露出する繊維の内部に第1の接着剤5が浸透することから、製本後の冊子1の本文2からの落丁を防止可能となる。このような程度の粘性に調整するように、第1の接着剤5に水を加え、例えば2倍、3倍又は4倍などに希釈することができる。第1の接着剤5の粘度は、その種類や使用環境条件によって大きく変化するので、一概には言えないが、例えば接着剤製造元の提示するカタログ、技術資料などに掲載されている公称粘度(30℃)で言えば、10〜20000mPa・sの範囲が目途になるものと思われる。
第1の接着剤5の塗布量又は塗厚は、揃って配置されている本文2の背面2aと表紙材3のスジ4の全面に目視にてムラが極力できないように層状に塗布されれば特に制限されない。塗布量のおおよその目安としては、1m当たりに換算して50〜100g程度を参考にすることができる。また、第1の接着剤5の塗布方法としては特に制限がなく、刷毛塗りなどの従来公知の方法を採用できる。また、ロールコータ、バーコータなどの従来公知の各種塗工機などを用いた塗工法を用いてもよい。
第1の接着剤5を塗布した後は、本文2と表紙材3との組み合わせ(1組又は複数組)をその厚さ方向に加圧状態を保持したまま第1の接着剤5をその接着剤層の表面に固化が認められるようになるまで乾燥固化させる。このとき、接着剤層の表面に不織布、寒冷紗、ティッシュペーパーなどの補強材を全面に敷設することができる。乾燥は、ドライヤーなどの従来公知の器具などを用いて従来公知の方法により行い、又は例えば30分程度またはそれ以上の時間、室内などに静置する方法により行ってもよい。
第1の接着剤5は、下塗り及び上塗りの2回、重ねて塗布することもできる。この場合、下塗り51の塗布後、下塗り層51の表面の固化が認められたところで、続いて当該下塗り層の全面にこれを被覆するように上塗り52を層状に塗布するのが好ましい。下塗り面には、その全面に不織布、寒冷紗、ティッシュペーパーなどの補強材を敷設できる。各種の第1の接着剤のうち、下塗り51と上塗り52とは同種のものを用いてもよく、異種のものを用いてもよい。そうして、上塗り52層については十分固化するまで乾燥させる。乾燥は、ドライヤーなどの従来公知の器具などを用いて従来公知の方法により行い、又は例えば一昼夜又はそれ以上の時間、室内や乾燥機内などに静置する方法で行ってもよい。
1回塗りの場合の第1の接着剤層5又は複数回塗りの上塗り層52が乾燥固化したら、続くクルミ作業に備えて表紙材3の折り曲げた表表紙部3a又は裏表紙部3bを反対方向に折り返す。複数組の積層体に第1の接着剤5を塗布した場合には、第1の接着剤層5又は上塗り層52の乾燥固化を待って、各組を切り離した上で、前記と同様に表紙材3の折り返しを行う。
(4)第2の接着剤の塗布工程
次に、乾燥硬化した第1の背着剤層5(又は52)に重ねて、その全面に前記した第2の接着剤6を塗布し第2の接着剤層6を設ける。第2の接着剤6としては、その種類について特に制限されず、第1の接着剤5と同様、従来公知の澱粉系接着剤、膠、前記例示の合成樹脂を主成分とする合成樹脂系エマルション接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂を主成分とするホットメルト系接着剤などを使用できる。第2の接着剤6は、第1の接着剤5と同種であってもよく、異種であってもよい。第1の接着剤5と同種のものを第2の接着剤6として用いる場合、合成樹脂エマルション系、特に酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション接着剤、アクリル樹脂系エマルション接着剤を用いるのが好ましい。これらのエマルション接着剤の具体例は前記の通りである。
第2の接着剤6は、その不揮発分が有姿の全量に対して40〜65重量%、好ましくは45〜60重量%、より好ましくは45〜55重量%であるものを使用するのが好ましい。このように揮発分の範囲に設定されることで、初期及び固化後の接着力が向上し、その結果第1の接着剤層と表紙材の背部内面との高い接着性が得られる。また、第2の接着剤6の粘度(公称粘度、30℃)は、不揮発分である樹脂成分の種類や使用環境条件などによって変わるので、一概に言えないが、1〜60Pa・sの範囲内のものが使用できるものと思われる。
第2の接着剤6の塗布量又は塗厚は、揃って配置されている本文2の背面2aと表紙材3のスジ4の全面に目視にてムラが極力できないように層状に塗布されれば特に制限されない。塗布量のおおよその目安としては、第1の接着剤5の場合と同様、1m当たりに換算して50〜100g程度を参考にすることができる。また、第2の接着剤6の塗布方法としては特に制限がなく、刷毛塗りなどの従来公知の方法を採用できる。また、ロールコータ、バーコータなどの従来公知の各種塗工機などを用いた塗工法を用いてもよい。
(5)表紙材を折り返し本文の背面及び表裏面をくるむ工程
第2の接着剤6の塗布後すぐに、折り返した表紙材3を今度はスジ4の各々が内側になるようにそれぞれを折り返してコの字状に形成し、これにより本文2の第2の接着層6を塗布した背面2aと表裏面とをそれぞれ表紙材3の背部3c、表表紙部3a及び裏表紙部3bでくるむ。
(6)第2の接着剤を乾燥する工程
その後、図1Eに示すように、押圧手段12を用いて外部から表紙材3の背部3cを通して本文2の背面2aに向けて加圧する。これにより第2の接着剤6を本文2の背面2aと表紙材3の背部内面との隙間で第2の接着剤層6を拡散させるとともに、第1の接着剤5が充填されていない他方のスジ4の内部にも充填させ、加圧状態を保持しながら第2の接着剤6を硬化養生させる。この加圧状態は、第2の接着剤6が固化するまで保持されるのが好ましい。押圧手段12は、例えば電気鏝などのように加熱可能に構成されたものであってもよい。この場合、押圧手段12により加圧状態を保持するとともに、加温することで、第2の接着剤6の乾燥固化を早めることができる。第2の接着剤6が十分に固化したら、冊子1の背部分を除く3辺の化粧断ちを行う。かくして、製本作業が完了し、無線綴じ冊子1が得られる。
[無線綴じ冊子]
次に、本発明の無線綴じ冊子について説明する。図2は、前記した本発明の無線綴じ冊子の製本方法によって製本された無線綴じ冊子の断面図を示している。この図に示すように、本発明の製本方法により得られる無線綴じ冊子1は、紙材を所定枚数重ね合せた紙材積層体からなる本文2と、中央領域に所定の間隔だけ離して互いに平行に刻設されたスジ4、4によって区画された表表紙部3a、裏表紙部3b及び背部3cからなる表紙材3とが、本文2の背面2aと背部3cとの間に順次積層固化された第1の接着剤層5(下塗り51、上塗り52)及び第2の接着剤層6を介して接着固定された形態を備えている。なお、図2中、図1A〜図1Eの各図と共通する各部については同じ符号を用いることとし、必要な場合以外、前記と重複する事項の説明は割愛する。
こうして得られる本発明の冊子1においては、本文2の各紙材を接着固定するのに第2の接着剤と比較し相対的に低い粘性の第1の接着剤を用いたことで、より接着剤層の柔軟性・弾性が増し、結果として各紙材の動きの自由度が向上すると考えられる。その結果、本文2の任意の頁で開いた場合、図3に示すように、表紙材3の背部3cが強制的に折れ曲がり、それとともに背部3cに略垂直に固定された左右の頁の個々の紙材2は水平に倒れていき、根本の自由堂が高いことから互いに180度開いた状態になろうとし、結果として優れた見開き性を得ることができる。
本発明の無線綴じ冊子の製本方法は、種々の無線綴じ冊子の製本に適用可能であるが、特に30〜300枚程度のノートブックなどの冊子の製本に有効に適用できるものである。そして、本発明の製本方法によって製本される無線綴じ冊子は略180度の見開き性を示すので、本文を任意の頁で開いた場合に左頁から右頁に両頁の喉元も含めて連続した印刷領域が形成可能となる。この印刷領域には、例えば方眼目盛を印刷することができる。これにより、冊子を開いた状態で左右の頁に跨る1つの方眼紙が形成される。そして、このような方眼目盛を印刷した冊子の場合、従来の1頁毎方眼目盛が印刷されたものよりも長時間にわたりデータのプロットが可能となるといった利点がある。
図1A〜図1Eに示す方法で本発明の無線綴じ冊子であるノートブックを以下のように作製した。このノートブックのサイズはB5版である。本文はB4版よりも僅かに面積の大きい上質紙(米坪70g/m)15枚をそれぞれ2つ折りした折丁を束ねて30枚で構成した。各折丁には、折り目を含む中央領域に当該折り目で左右対称となるように1mmm方眼目盛を印刷してある。折丁におけるこの印刷部分と折り目を除く3辺との間の余白を約20mmとした。また、表紙材として、米坪100g/mの上質紙を用い、その中央領域に2本の折り目を設けた。この表紙材のサイズもB4版よりも僅かに大きくし、最終的な化粧裁断が可能とされている。
本文の折り目と表紙材の一方のスジとを揃えて両者を積層したものを1組とし、これを100組(ノート100冊分)積層し、その背の部分近傍を図1Bに示すように、圧締具によって当該積層体の厚さ方向に加圧した。そうして、本文と表紙材とを揃えた面(背面)に第1の接着剤を層状に下塗りし、当該層の表面の固化が認められたところで、第1の接着剤の上塗りを行った。ここで、第1の接着剤としては、スリーボンド1541C(アクリル樹脂系エマルション接着剤、スリーボンド社製)を水で4倍に希釈したものを用いた。ちなみに、この水性接着剤の性状は、粘度(BH型粘度計No.4、20rpm、25℃)が1.12Pa.sであり、加熱残分(不揮発分に相当、JIS K6833準拠)が54.2重量%である。
その後一昼夜静置し第1の接着剤の上塗りが十分に乾燥固化したところで、ノート1冊分をそれぞれ切り離し、表紙材の折り返しを行った。そうして、第1の接着剤層の全面にさらに第2の接着剤を層状に塗布し、すぐに表紙材でくるんだ。ここで、第2の接着剤として、前記したスリーボンド1541Cの原液を用いた。包んだノートのそれぞれを背部分を下にして縦置きし、100冊分水平方向に積層した。100冊のノートの厚さ方向に圧締するとともに、前記背部分の全面を押圧手段により加圧した。この加圧状態は、第2の接着剤が乾燥固化するまで保持した。その後、各ノートの背部を除く3辺について化粧裁断を行い、ノートのサイズをB5版とした。
第1の接着剤の下塗りの塗布量は、ノート1冊(厚さ3mm、高さ280mm)、100冊重ねて得られる塗布面に対し、4倍希釈のエマルション接着剤を6g使用したので、計算上、71g/mとなる。上塗りも同様に、71g/mであった。また、第2の接着剤mの塗布量は、同様の計算のより80g/mであった。
こうして得られたノートブックの本文における任意の頁を開いたところ、左右の頁は互いに略180度開くこと、よって優れた見開き性を有することを確認した。また、100冊のうち任意の10冊を抜き取り、それぞれの本文のうちの1枚の小口側の端部を指でつまみ、上下に20回ゆすったが、それによる落丁も認められなかった。よって、抜き取った10冊のノートの本文を構成する各紙材は、当該ノートの背に十分接着されていることが推測された。
1 無線綴じ冊子
2 紙材(紙材積層体)
2a 背面
3 表紙材
3a 表表紙部
3b 裏表紙部
3c 表紙材の背部
4 スジ
5 第1の接着剤(層)
51 下塗り(第1の接着剤)
52 上塗り(第1の接着剤)
6 第2の接着剤(層)
10 圧締手段
12 押圧手段
H スジの幅

Claims (10)

  1. 複数の紙材の束からなる本文と、これをくるむ表紙材とを前記本文背部に塗布した接着剤によって接着させてなる無線綴じ冊子の製本方法であって、
    前記表紙材の裏面中央に設けた2本のスジ又は折り目のうちの一方を反対側に折り曲げて2つに折り、当該一方の折り目を前記本文の背面に揃えて当該表紙材を前記本文に沿わせて配置する工程と、
    当該表紙材の折り目を含み前記本文背部の全面にコールドグルー接着剤である第1の接着剤を層状に塗布する工程と、
    前記第1の接着剤層表面の固化が認められたところで、当該表面の全面に当該第1の接着剤よりも相対的に高粘度の第2の接着剤を層状に塗布する工程と、
    前記第2の接着剤塗布後に前記表紙材で前記本文をくるみ、当該本文の背面を押圧状態に保持したまま乾燥させる工程とを含むことを特徴とする無線綴じ冊子の製本方法。
  2. 前記本文は、2つ折りした折丁の丁合からなる束である請求項1に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  3. 前記本文背部と略面一となるように、当該背部側縁に沿ってその長さ方向全体に略平行に厚さ方向に加圧し、前記第1の接着剤層表面の固化するまで該加圧状態を保持する工程をさらに含む請求項1又は2に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  4. 前記第1の接着剤層表面の固化が認められた後に、当該接着剤層にさらに第1の接着剤を層状に塗布する請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  5. 前記第1の接着剤は、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系のエマルション接着剤である請求項5に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  6. 前記第2の接着剤は、不揮発分が有姿の全量に対して40〜60重量%の範囲にある請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  7. 前記第2の接着剤は、コールドグルータイプである請求項6に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  8. 前記第2の接着剤は、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系のエマルション接着剤である請求項7に記載の無線綴じ冊子の製本方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線綴じ冊子の製本方法を用いて製本した無線綴じ冊子であって、前記本文を任意の頁で開いた場合に左頁から右頁に連続した印刷領域が形成されてなることを特徴とする無線綴じ冊子。
  10. 前記印刷領域には、方眼紙が印刷されてなる請求項9に記載の無線綴じ冊子。

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