JP2016100476A - 磁心および変圧器 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れた磁心を提供する。
【解決手段】磁心12は、重ねて配置された複数の層状ユニットのそれぞれの両端部をオーバーラップ接合させることによって形成された環状体を含み、複数の層状ユニットのそれぞれが合金リボンの積層体によって構成されている。環状体は、少なくとも最内周の層状ユニットを含む1つまたは複数の内周側層状ユニットであってオーバーラップ接合された内周側層状ユニットと、内周側層状ユニットの外周側でオーバーラップ接合された外周側層状ユニットとを含んでおり、内周側層状ユニットのオーバーラップ長が、外周側層状ユニットのオーバーラップ長よりも長い。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁心およびこれを備えた変圧器に関する。
近年の省エネルギー化の要請に適合する変圧器として、アモルファス変圧器が知られている。アモルファス変圧器は、アモルファス合金リボンを積層することによって形成された磁心(コア)を備えている。薄いアモルファス合金の積層体によって形成される磁心を用いれば、ヒステリシス損および渦電流の大きさを低減することができる。このため、アモルファス変圧器は、珪素鋼板を磁心に用いる変圧器に比べて、無負荷損(コアロス)を小さくできるという利点を有している。
アモルファス変圧器に用いるアモルファス合金として、例えばFe−Si−B系合金が広く用いられている。アモルファスFe−Si−B系合金は、例えば、回転する冷却ロールに溶融状態の合金材料(溶湯)を接触させ、急冷・凝固させることによってリボン状に作製される。このようにして得られたアモルファス合金リボンを重ね合わせ、全体を折り曲げることによって、中心に窓部を有する概ね矩形(またはO字型)の環状の磁心を作製することができる。
磁心には、例えば銅線などから形成されたコイルが取り付けられる。磁心は、窓部を挟んで対向する一対の脚部を有しており、一対の脚部のそれぞれについてコイルが設けられる。この構成において、一方のコイルに交流電流を流すことによって、他方のコイルにおいて変圧された交流電流を発生させることができる。なお、コイルによって覆われていない、磁心の脚部を繋ぐ部分はヨーク部と呼ばれる。
アモルファス変圧器の磁心を作製するために、アモルファス合金リボンは、所定の長さに切断され、長さが略揃った複数枚を一単位とする層状ユニット(以下、単にユニットと呼ぶことがある)にまとめられる。また、長さが異なる複数の層状ユニットが形成され、これらが重ねて配置される。重ねられたユニットは、ユニットの両端部が接合するように折り曲げられて環状に成型される。磁心は、例えば、中央に矩形状の窓部を有する矩形枠状に成型されてもよい。
このとき、一般的には、重ねられたユニットのうちの磁心内周部を構成するユニットは短く、外周部を構成するユニットは長く形成されている。このようにすれば、環状にしたときにも、内周側と外周側とで同様の接合状態を実現することができる。
その後、所定の磁気特性を得るために、環状にまとめられた磁心に対して磁場を印加しながら熱処理が施される。
その後、熱処理が終わった磁心の脚部に、コイルを取り付ける作業が行われる。このために、ユニット両端部の接合部分を開いて、磁心をU字型の状態にする。このU字型の状態で、磁心の脚部のそれぞれに嵌め込むように一対のコイルを設置する。その後、U字の開口を再び閉じるようにユニットの両端部を折り曲げる。これにより、脚部にコイルが巻回された磁心が作製される。
特開昭59−175110号公報 特開2005−72161号公報
上述したように、環状の磁心を得るために、ユニットは折り曲げられ、その両端部が接合されている。両端部の接合の方式としては、例えば、ユニットの端部間に所定の間隙を空けて突き合わせて接合する方式が知られている。この方式はステップラップ接合と呼ばれている。また、ユニットを比較的長く形成しておき、ユニットの端部を一部重ね合わせるように接合する方式も知られている。この方式はオーバーラップ接合と呼ばれている。
特許文献1には、ユニット端の接合部(ユニット端の間のギャップ)の位置をずらしてステップラップ接合を行う技術が開示されている。また、特許文献1には、ステップラップ接合とオーバーラップ接合とを組み合わせて用いることも記載されている。特許文献1の図6には、ステップラップ接合させた部分を挟みこむようにしてオーバーラップ接合させる部分を内周側および外周側に設ける形態が記載されている。
また、特許文献2にも、ユニット両端の接合部をずらすようにして分散させる三相三脚タイプの磁心が開示されている。三相三脚タイプの磁心とは、間に中央の脚部を挟んで2つの窓部が設けられた磁心である。コイルは、3つの脚部のそれぞれに対して周囲を巻回するように設けられる。特許文献2には、接合部分をずらして配置することによって、接合部(ヨーク部)における磁束の漏れを改善することが記載されている。
しかし、上記のようなアモルファス変圧器などに用いる磁心を作製する工程において、磁場中熱処理後に、環状にされた接合部(ユニット端部)を開いてU字型にする工程や、コイル装填時にU字型の状態を維持させるときに、熱処理によって脆化したユニットの取り扱いが容易ではなかった。アモルファス合金リボンからなるユニットは、特に熱処理後に脆くなっており、破断させずに折り曲げなどの作業を行うことに注意を要し、このことが生産性の低下を招いていた。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであり、その主な目的は、製造工程における作業性を向上させ得る構成を有する磁心を提供することである。
本発明の実施形態による磁心は、重ねて配置された複数の層状ユニットのそれぞれの両端部をオーバーラップ接合することによって形成された環状体を含み、前記複数の層状ユニットのそれぞれが合金リボンの積層体によって構成されている磁心であって、前記環状体は、少なくとも最内周の層状ユニットを含む1つまたは複数の内周側層状ユニットであってオーバーラップ接合された内周側層状ユニットと、前記内周側層状ユニットの外周側でオーバーラップ接合された外周側層状ユニットとを含んでおり、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長が、前記外周側層状ユニットのオーバーラップ長よりも長い。
ある実施形態において、前記環状体は、矩形の窓部を囲むように配置された一対の脚部および一対のヨーク部を有し、前記内周側層状ユニットおよび前記外周側層状ユニットは、前記一対のヨーク部のうちの一方においてオーバーラップ接合しており、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長は、前記一対の脚部の間隔の1/3以上の長さである。
ある実施形態において、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆う。
ある実施形態において、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆い、かつ、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長が、前記一対の脚部の間隔の80%以上100%以下の長さである。
ある実施形態において、前記外周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆わない。
ある実施形態において、前記複数の層状ユニットの全てがオーバーラップ接合されている。
ある実施形態において、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長は、20mm以上500mm以下であり、かつ、前記外周側層状ユニットのオーバーラップ長は、10mm以上20mm以下である。
ある実施形態において、前記複数の層状ユニットのうちの前記内周側層状ユニットを除く層状ユニットのオーバーラップ接合部分が、内周側から外周側に向かう方向においてずれた位置に設けられている。
本発明の実施形態による変圧器は、上記のいずれかの磁心と、前記磁心に装着される少なくとも2つのコイルとを備える。
本発明の実施形態によれば、磁心の製造工程において、作業効率を向上させることができる。
本発明の実施形態による磁心を示す模式的な側面図である。 比較例の磁心を示す模式的な側面図であり、(a)は環状に閉じた状態、(b)はU字状に開いた状態を示す。 実施例の磁心を示す模式的な側面図であり、(a)は環状に閉じた状態、(b)はU字状に開いた状態を示す。 図3に示した磁心の別の形態を示す模式的な側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限られない。
図1は、アモルファス変圧器の磁心として用いられる、本発明の実施形態による磁心10を示す側面図である。磁心10は、2つの窓部20を有し、3つの脚部18を有する、三相三脚タイプの磁心である。磁心10は、隣接して配置された2つの内側の磁心12A、12Bと、磁心12A、12Bの外側において磁心12A、12Bをまとめて巻回するように設けられた外側の磁心14とを有している。
磁心12A、12Bのそれぞれは、窓部20を中央に有する環状体の形状をなしている。本実施形態において、窓部20は、縦長の長方形の断面形状を有している。磁心12A、12B、14において、窓部20の長辺と平行に延びる部分が、磁心10の外側の脚部18を構成する。磁心10の内側の脚部18は、2つの磁心12A、12Bによって構成されている。
磁心12A、12Bは、それぞれ、複数の層状ユニットの両端部を近接させ、オーバーラップ接合することによって環状に形成されている。なお、層状ユニットのそれぞれは、長さが略揃った複数枚(例えば、10〜50枚)のアモルファス合金リボンの積層体によって構成されている。また、磁心14も同様に、アモルファス合金リボンを積層して形成される層状ユニットを複数重ねた状態で磁心12A、12Bをまとめて巻回し、端部同士を接合することによって形成されている。なお、磁心12A、12Bおよび磁心14において、ユニットの接合部が設けられるヨーク部以外の部分は、アモルファス合金リボンの幅方向端部が露出した面に、エポキシ樹脂などを塗布することによって固められていてもよい。前記エポキシ樹脂の塗布硬化により、コアの機械的強度を向上させることができる。また、アモルファス合金リボンの幅方向端部の脱落を抑制することができる。
ここで、図2(a)および(b)を参照しながら、比較例の磁心92の構成を説明する。図2(a)に示すように、比較例の磁心92では、複数の層状ユニット94が、ヨーク部96(脚部98を繋ぐ部分)においてオーバーラップ接合されている。また、磁心92では、内周側から外周側に向かって、各ユニットの接合位置Cが左右の一方向(図示する形態では右方向)に順次ずれている。ただし、図示する形態において、最外周のユニットUnでは、接合位置Cが反対側に大きくシフトし、最内周ユニットU0の接合位置と同様の位置に形成されている。これは、接合位置Cを順次ずらしていた結果、最外周ユニットUnの一周内側のユニットの接合位置が、片側脚部の上方近傍の位置まで達したためである。
図2(b)には、各ユニットの端部を開いて、U字型の状態にした様子を示している。このU字型の状態において、上からコイル(図示せず)を嵌め込むことができる。
ここで、図2(a)に示すように、オーバーラップ接合の接合位置Cをユニット94の重ね合わせ方向において順次ずらす構成を採用する場合、最内周のユニットU0では、一方の端部と他方の端部との重なり部分が脚部98の近傍に位置することがある。この場合において、図2(b)に示すように、最内周ユニットU0の一方(図では左側)の端部において、脚部98から突出する部分の長さが短くなる。
コイル装着時において、図2(b)に示すように、脚部98の延びる方向に沿ってユニットの端部をまとめた状態にするとき、作業者が手でユニット端部を手で掴んで束にして立たせようとする(端部を開いてU字型の形状を維持する)。このとき、上記のように最内周ユニットU0の端部の突出長さが短いと、熱処理後のアモルファス合金リボンは、熱処理前に比べて脆化しているので、折り曲げられた合金リボンが破断しないように立たせるには細心の注意が必要である。したがって、作業時間が長時間となり、生産性が低下していた。
更には、最内周のユニットU0における片側の端部(脚部からの突出部分)が短い場合、上記のようにユニットを立たせたり、コイルを装着後、再度折り曲げたりする作業において、この部分が折れてしまうことがあった。これは、最内周ユニットU0では折り曲げた状態での曲率半径が最も小さいためと思われる。前記のように折れてしまう状態には至らずも、一部が割れたり、一部が破断することもあった。
このように合金リボンに破損が生じていると、変圧器に磁心を組み込んだあと、破損個所から発生した合金リボンの破砕粉が周囲の絶縁油中に浮遊し、変圧器の絶縁破壊を招くおそれが生じる。このため、破砕粉を除去する工程が余分に必要になる。
このような問題に対処するために、本発明の実施形態における磁心では、左右の脚部から延びる両端部のオーバーラップ長が、最内周ユニットU0(あるいは最内周ユニットU0を含む複数の内周側ユニット)において、外周側ユニットに比べて長くなる構成を採用する。これにより、図2(a)に示したように、オーバーラップ接合の接合位置をユニット積層方向でずらす場合においても、作業性の低下を防止することができる。また、最内周ユニットU0が作業中に破損してしまう可能性を低減することができる。
以下、図3(a)および(b)を参照しながら、本発明の実施形態の磁心12の構成を具体的に説明する。なお、以下に説明する磁心12は、図1に示したような三相三脚磁心を構成する磁心12A、12Bのいずれか一方または両方であってよい。また、以下に説明する磁心12は、単相二脚磁心として単体で用いられる磁心であってもよい。
図3(a)に示すように、本実施形態の磁心12では、層状ユニットU0〜Unが、ヨーク部16(脚部18を繋ぐ部分)の一方においてオーバーラップ接合されている。すなわち、各層状ユニットU0〜Unは、その両端部が重なるように接合されている。
また、磁心12において、最内周ユニットU0(図において破線で示す)の接合部におけるオーバーラップの長さ(ラップ長さ)が、比較的長くなっている。すなわち、図3(b)に示すように、最内周ユニットU0において、脚部から突出するユニット両端部の長さが比較的長いものとなっている。なお、本明細書では、最内周のユニットをU0と表し、その他のユニットを内周側から順にU1、U2、・・・・・、Un-1、Unというように表すことがある。ユニットUnは、最外周ユニットを表す。なお、磁心12は、例えば、15層から200層の層状ユニットから構成されていてよい。
また、磁心12では、最外周ユニットUnおよび最内周ユニットU0を除くユニットU1〜Un-1の接合位置Cが、内周側から外周側に向かって右方向に順次ずれている。ただし、磁心12において、ユニットU1〜Un-1の接合位置Cが、内周側から外周側に向かって左方向に順次ずれていてもよい。また、ここでは、説明を容易にするために、図面に従って右方向および左方向を設定しているが、実際の使用状況における方向を意味するものではないことは言うまでもない。また、ここで言う左右方向は、磁心12の脚部18が並ぶ方向、すなわち、ヨーク部が延びる方向に対応する。
なお、図示するように、接合位置Cを右方向に順次ずらす形態では、層状ユニットU1〜Un-1のそれぞれにおいて、右側の脚部から延びるユニット端部(右側ユニット端部)の外周側に、左側の脚部から延びるユニット端部(左側ユニット端部)を重ねることが好ましい。このようにすれば、あるユニットの左側ユニット端部と、一周外周側のユニットの右側ユニット端部とが、間隔(例えば0mm超15mm未満)を空けて付き合うようにして配置される。これにより、各ユニットでオーバーラップ接合を行う場合にも、外周側に出っ張った形状となることが抑制され、よりコンパクトな磁心を得ることができる。
ここで、ユニットU1の接合位置Cは、左側の脚部寄りの位置に設けられており、ユニットUn-1の接合位置Cは、右側の脚部寄りの位置に設けられている。また、最外周ユニットUnでは、接合位置Cが反対側に大きくシフトしており、ユニットU1の接合位置と同様の位置に形成されている。これは、接合位置Cを順次ずらしていた結果、最外周ユニットUnの一周内側のユニットUn-1の接合位置が、片側脚部の上方近傍の位置に達しているためである。ただし、これに限られず、最外周ユニットUnの接合位置は、磁心のサイズやユニットの積層数などに応じて、任意の位置に設けられていてよい。以下、別の形態の磁心12を説明する。
図4は、別形態の磁心12の構成を示す図である。図4に示す磁心12では、一方の脚部近傍に接合位置が設けられた内周側のユニットU1から、反対側の脚部の近傍に接合位置が設けられたユニットUmまで、オーバーラップ接合位置が順次右方向にずれている。ただし、ユニットUmは、例えば、周方向中程に位置するユニットである。この場合、ユニットUmの外側のユニットの接合位置が、ユニットU1と同様の位置(例えば図4中のCで示す位置)に設けられていてよい。また、このユニットから、再度、外周側に向かって接合位置が順次右方向にずれるように外周側のユニットの接合位置が設定されていてよい。図4に示す形態では、最外周ユニットUnの接合位置は、ユニットUmと同様に、反対側の脚部の近傍に位置している。
このように内周から外周に向かって接合位置をずらす形態において、磁心のサイズなどに応じて、最外周ユニットUnの接合位置は任意の位置に設けられ得る。なお、図4には、接合位置の右方向への順次ずれが2回繰り返される形態を示しているが、順次ずれは3回以上繰り返されてもよい。また、ユニットの層数が少ない場合などにおいて、最外周ユニットUnは、1回目の右方向への順次ずれの途中の接合位置(脚部から離れた位置)で接合されていてもよい。
以下、再び図3(a)および(b)を参照して磁心12の構成を説明する。磁心12において、最内周ユニットU0におけるオーバーラップ長は、例えば、その一周だけ外側のユニットU1におけるオーバーラップ長よりも長くなっている。
なお、最内周ユニットU0およびユニットU1の長さは、磁心のサイズに応じて適宜選択されて良い。例えば、最内周ユニットU0の長さは、400mm〜5000mmであってよく、ユニットU1の長さは、300mm〜4000mmであってよい。ただし、本実施形態では、最内周ユニットU0が、外周側のユニットU1に比べてオーバーラップ長がより長くなるようにユニットの長さが適宜選択されている。
また、上記には、一周外側のユニットU1に対して最内周ユニットU0のオーバーラップ長が長い場合を説明しているが、最内周ユニットU0が他のユニット(例えば、3番目に内周側のユニットU2)のオーバーラップ長より長い形態であってもよい。このとき、ユニットU1は、最内周ユニットU0と同程度、あるいは、わずかに長いオーバーラップ長となっていてもよい。本明細書では、このようにオーバーラップ長が外周側ユニットに比べて長く、典型的には、後述する窓部Wの1/3以上の長さを有するユニットをまとめて内周側ユニットと呼ぶことがある。
最内周ユニットU0(または内周側ユニット)のオーバーラップ長を比較的長くし、外周側のユニット(たとえば、ユニットU1〜Un)のオーバーラップ長よりも長くするが、ここで、最内周ユニットU0のオーバーラップ長は、例えば、図3(a)に示す窓部20の幅Wの1/3以上に設定されている。窓部20の幅Wは、一対の脚部18の間の距離を意味する。また、外周側ユニット(ここではユニットU1〜Un)のオーバーラップ長は、例えば、窓部20の幅Wの1/3未満で、かつ10〜20mmに設定されている。
ここで、オーバーラップ長の設計について説明する。磁束の漏れを低減するためには、ある程度のオーバーラップ長を設けることが好ましいが、オーバーラップ長が長すぎると、磁心のサイズが大きくなるという問題も生じ得る。このため、窓部20の幅Wが例えば100mm〜500mmの場合において、従来、オーバーラップ長は、全てのユニットで、例えば10〜20mm程度に設定されることが多かった。
例えば、図2(a)に示す比較例では、最内周ユニットU0も含めてすべてのユニットのオーバーラップ長が窓部の幅Wの1/3未満に設定されている。これに対して、図3に示す実施形態では、最内周ユニットU0におけるオーバーラップ長を、窓部の幅Wの1/3以上、より好ましくは、窓部の幅Wの1/2以上に設定している。このように、最内周ユニットU0を含む内周側ユニットが通常よりも長いオーバーラップ長を持つように設計することで、ユニット接合部の開閉にかかる作業をより容易に行うことができる。
なお、磁心のサイズ(または窓部の幅W)によって適宜選択されてよいが、最内周ユニットU0におけるオーバーラップ長は、例えば、34mm〜500mmに設定されていてよく、その他のユニットU1〜Unにおけるオーバーラップ長は、10mm〜20mmに設定されていてもよい。また、本実施形態のように内周側ユニットのオーバーラップ長を選択的に長く、典型的には窓部の幅Wの1/3以上に設定する構成は、窓部の幅Wが400mm以下の時に効果的であり、特に300mm以下、さらには250mm以下のときに特に効果的であることが本発明者によって確認された。
また、作業性をさらに向上させるという観点からは、最内周ユニットU0(または内周側ユニット)のオーバーラップ長は、窓部の幅W(一対の脚部の間隔)の80%以上100%以下の長さであってよく、より好ましくは、窓部の幅Wの90%以上100%以下の長さに設定される。
図3(a)に示すように、最内周ユニットU0では、窓部20の中心20c(一対の脚部間の間隙の中心)を覆うように、オーバーラップ接合部分が形成されている。なお、接合位置Cをユニット積層方向においてずらす構成を採用しているので、少なくともユニットU1のオーバーラップ接合部分は、上記の窓部の中心20cを覆わない。
また、以上には、各層状ユニットが、10〜50枚程度のアモルファス合金リボンの積層体から構成される形態を説明したが、最内周ユニットU0において、熱処理後のアモルファス合金リボンを伸ばして(立たして)、再度折り曲げる際、20〜40枚の積層体であると、破損が抑制され、かつ作業性も優れており好ましい。
なお、上述した実施例の磁心12を用いた変圧器は、公知の方法を適用して作製することができる。すなわち、公知の方法によってアモルファス合金リボンを形成し、これを所定の長さで切断および配置し、これらを積層して巻回することによって磁心を作製し、磁場中で熱処理する。熱処理後、接合部を開いてU字型にしてから、コイルを装着し、再度接合部で接合することによってアモルファス変圧器が得られる。
アモルファス合金リボンとしては、例えばFe−Si−B系合金リボンを用いることができる。アモルファスFe−Si−B系合金リボンは、例えば、回転する冷却ロールに溶融状態の合金材料(溶湯)を接触させ、急冷・凝固させることによって作製される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、種々の改変が可能である。例えば、最内周ユニットを除く層状ユニットU1〜Unにおいて、外形寸法の制約等に適合させるために、磁気特性の劣化が許容される範囲でステップラップ接合される層状ユニットが含まれていてもよい。ただし、ステップラップ接合した部分では、磁束の漏れが発生しやすいので、より向上した磁気特性を得るという観点からは、すべてのユニットU0〜Unがオーバーラップ接合されていることが好適である。なお、本実施形態の構成において、磁心として良好な磁気特性を達成するためには、層状ユニット全体のうちの例えば90%以上の層状ユニットがオーバーラップ接合されていることが好ましく、95%以上の層状ユニットがオーバーラップ接合されていることがより好ましい。
また、図1に示した三相三脚タイプの磁心において、外側の磁心14は、図3(a)に示したような最内周ユニットのオーバーラップ長が長い構成を有していなくてよい。磁心14の場合、最内周ユニットの接合位置を、脚部の近傍ではなくヨーク部中央に設ける構成を採用することも容易である。したがって、外側の磁心14では、最内周ユニットを長めに形成することなく、第1接続部分および第2接続部分の長さを十分に確保できる。
本発明の実施形態による磁心は、変圧器やリアクトルなどを構成するコアとして好適に利用される。
10 磁心
12、12A、12B 磁心
14 磁心
16 ヨーク部
18 脚部
20 窓部
W 窓部の幅(一対の脚部間の距離)

Claims (9)

  1. 重ねて配置された複数の層状ユニットのそれぞれの両端部をオーバーラップ接合させることによって形成された環状体を含み、前記複数の層状ユニットのそれぞれが合金リボンの積層体によって構成されている磁心であって、
    前記環状体は、少なくとも最内周の層状ユニットを含む1つまたは複数の内周側層状ユニットであってオーバーラップ接合された内周側層状ユニットと、前記内周側層状ユニットの外周側でオーバーラップ接合された外周側層状ユニットとを含んでおり、
    前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長が、前記外周側層状ユニットのオーバーラップ長よりも長い、磁心。
  2. 前記環状体は、矩形の窓部を囲むように配置された一対の脚部および一対のヨーク部を有し、前記内周側層状ユニットおよび前記外周側層状ユニットは、前記一対のヨーク部のうちの一方においてオーバーラップ接合しており、
    前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長は、前記一対の脚部の間隔の1/3以上の長さである、請求項1に記載の磁心。
  3. 前記内周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆う、請求項2に記載の磁心。
  4. 前記内周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆い、かつ、前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長が、前記一対の脚部の間隔の80%以上100%以下の長さである、請求項1から3のいずれかに記載の磁心。
  5. 前記外周側層状ユニットのオーバーラップ接合部分は、前記一対の脚部間の間隙の中心を覆わない、請求項3または4に記載の磁心。
  6. 前記複数の層状ユニットの全てがオーバーラップ接合されている、請求項1から5のいずれかに記載の磁心。
  7. 前記内周側層状ユニットのオーバーラップ長は、20mm以上500mm以下であり、かつ、前記外周側層状ユニットのオーバーラップ長は、10mm以上20mm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の磁心。
  8. 前記複数の層状ユニットのうちの前記内周側層状ユニットを除く層状ユニットのオーバーラップ接合部分が、内周側から外周側に向かう方向においてずれた位置に設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の磁心。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の磁心と、
    前記磁心に装着される少なくとも2つのコイルと
    を備える変圧器。
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