JP2016100110A - ワイヤーハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流が流れる回路に適用可能なワイヤーハーネスにおいて、柔軟性を向上させること。
【解決手段】ワイヤーハーネス100は、曲げ可能な複数の電線9と、複数の電線9の第一端部91側に設けられた複数の電線9の共通の接続先であり、複数の電線9に電気的に接続された第一接続部材1と、複数の電線9の第二端部92側に設けられた複数の電線9の共通の接続先であり、複数の電線9に電気的に接続された第二接続部材2と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の電線とこれらの電線に接続される接続部材とを備えるワイヤーハーネスに関する。
自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスは、複数の電線とこの電線に接続される接続部材とを備える。
また、特許文献1には、ワイヤーハーネスが、複数の電線が編まれた部分である電線編み部を備える例が示されている。なお、特許文献1に示される例では、ワイヤーハーネスにおける複数の電線は、それぞれ独立した回路である。
特開2006−190495号公報
ところで、1つの回路においてより大きな電流が流れる場合、ワイヤーハーネスを構成する電線に比較的太い電線が採用されることがある。しかしながら、太い電線においては、細い電線に比べ曲げにくいといった柔軟性に欠ける点が懸念される。
本発明は、大電流が流れる回路に適用可能なワイヤーハーネスにおいて、柔軟性を向上させることを目的とする。
第1態様に係るワイヤーハーネスは、曲げ可能な複数の電線と、前記複数の電線の第一端部側に設けられた前記複数の電線の共通の接続先であり、前記複数の電線に電気的に接続された第一接続部材と、前記複数の電線の第二端部側に設けられた前記複数の電線の共通の接続先であり、前記複数の電線に電気的に接続された第二接続部材と、を備える。
第2態様に係るワイヤーハーネスは、第1態様に係るワイヤーハーネスの一態様である。第2態様に係るワイヤーハーネスにおいては、前記複数の電線は、撚り合わされた少なくとも2つ以上の前記電線を含む1つ以上の電線ユニットを含む。
第3態様に係るワイヤーハーネスは、第2態様に係るワイヤーハーネスの一態様である。第3態様に係るワイヤーハーネスにおいては、前記複数の電線は、複数の前記電線ユニットを含み、前記複数の電線ユニットは、相互に平行となるように配設されている。
第4態様に係るワイヤーハーネスは、第1態様に係るワイヤーハーネスの一態様である。第4態様に係るワイヤーハーネスにおいては、前記複数の電線は、螺旋状に巻かれた螺旋部を含む。
第5態様に係るワイヤーハーネスは、第1態様に係るワイヤーハーネスの一態様である。第5態様に係るワイヤーハーネスにおいては、前記複数の電線は、波状に曲げられた波状部を含む。
第6態様に係るワイヤーハーネスは、第1態様から第5態様のいずれか1つに係るワイヤーハーネスの一態様である。第6態様に係るワイヤーハーネスにおいては、前記第一接続部材及び前記第二接続部材の少なくとも一方は、前記複数の電線に物理的に一括して接続された端子である。
上記の各態様において、曲げ可能な複数の電線が、共通の第一接続部材及び第二接続部材に接続されている。即ち、太い電線の代わりに、複数の細い電線を用いることで、太い電線と同程度の電流を流すことができ、かつ、柔軟性を向上させることができる。
また、第2態様において、複数の電線は、撚り合わされた少なくとも2つ以上の電線を含む1つ以上の電線ユニットを含む。この場合、電線ユニットにおいて、複数の電線がばらけてしまうことを抑制でき、ワイヤーハーネスの取扱い性能が向上する。
また、第3態様において、複数の電線ユニットは、相互に平行となるように配設されている。この場合、複数の電線ユニット各々の変形が、他の電線ユニットの変形に影響を及ぼしにくくなり、複数の電線ユニット各々が曲がり易くなる。そのため、ワイヤーハーネスの柔軟性をより向上させることができる。
また、第4態様において、複数の電線は、螺旋状に巻かれた螺旋部を含む。この場合、螺旋部が曲がり易く、ワイヤーハーネスの柔軟性をより向上させることができる。
また、第5態様において、複数の電線は、波状に曲げられた波状部を含む。この場合、波状部が曲がり易く、ワイヤーハーネスの柔軟性をより向上させることができる。
また、第6態様において、第一接続部材及び第二接続部材の少なくとも一方は、複数の電線に物理的に一括して接続された端子であるため、電線と第一接続部材、第二接続部材或いは第一接続部材及び第二接続部材の両方との接続作業を容易に行うことができる。
第1実施形態に係るワイヤーハーネスが適用された回路の概略図である。 第1実施形態に係るワイヤーハーネスの側面図である。 第1実施形態に係るワイヤーハーネスの電線の配置例の一例を示す断面図である。 第1実施形態に係るワイヤーハーネスの電線の配置例の一例を示す断面図である。 第2実施形態に係るワイヤーハーネスの側面図である。 第3実施形態に係るワイヤーハーネスの側面図である。 第4実施形態に係るワイヤーハーネスの側面図である。 第5実施形態に係るワイヤーハーネスの側面図である。 第5実施形態に係るワイヤーハーネスの一部切り欠き側面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<第1実施形態>
図1,2及び図3,4を参照しつつ、第1実施形態に係るワイヤーハーネス100について説明する。ワイヤーハーネス100は、複数の電線9と第一接続部材1と第二接続部材2とを備える。ワイヤーハーネス100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
図1は、ワイヤーハーネス100の適用箇所を示す概略図である。図2は、ワイヤーハーネス100を示した側面図である。なお、図2では、ワイヤーハーネス100に含まれる電線9の配置は、簡略化して示されている。また、図2では、曲げられた態様のワイヤーハーネス100が仮想線(二点鎖線)で示されている。図3,4は、それぞれワイヤーハーネス100の複数の電線9の配置例を示した断面図である。
<ワイヤーハーネス:電線>
図2に示されるように、ワイヤーハーネス100は、曲げ可能な複数の電線9を含む。本実施形態に示されるように、電線9は、例えば、芯線81と芯線81の周囲を覆う絶縁被覆82とを含む絶縁電線であることが考えられる。なお、本実施形態において、曲げ可能な電線9とは、柔軟な比較的細い電線を指す。
また、本実施形態において、ワイヤーハーネス100は、太さが同じ1種類の電線9を複数含む。なお、ワイヤーハーネス100が、太さが異なる複数種類の電線9を含む場合も考えられる。
芯線81は、例えば、銅又はアルミニウム等の金属を主成分とする部材であることが考えられる。また、絶縁被覆82は、例えば、ポリエチレン又は塩化ビニル等を主成分とする合成樹脂の部材であることが考えられる。
また、本実施形態では、複数の電線9は、撚り合わされた少なくとも2つ以上の電線を含む1つ以上の電線ユニット90を含んでいる。図1〜4に示される例は、ワイヤーハーネス100が、2本の電線9が撚り合わされた電線ユニット90を3つ含む場合の事例である。即ち、図1〜4に示される例において、ワイヤーハーネス100は、6本の電線9を含んでいる。
なお、ワイヤーハーネスが、3本以上の電線9が撚り合わされた電線ユニットを複数含む場合も考えられる。また、ワイヤーハーネスが、2本以上の電線9が撚り合わされた電線ユニットを1つ含む場合も考えられる。また、ワイヤーハーネスに含まれる電線9が、6本以外の場合も考えられる。
また、本実施形態では、電線ユニット90に含まれる2本の電線9が撚り合わされている。このような電線ユニット90は、例えば、既存の撚り線機等を用いて容易に作ることができる。
また、本実施形態において、複数の電線9の両端部では、絶縁被覆82が除去され芯線81が露出している。両端部の絶縁被覆82から延び出た芯線81には、それぞれ後述する第一接続部材1及び第二接続部材2が接続される。以下、必要に応じ、電線9の両端部のうち、第一接続部材1が設けられる側を第一端部91と称し、第二接続部材2が設けられる側を第二端部92と称して説明する。
また、本実施形態では、電線ユニット90の両端部において、2本の電線9の撚りが解かれている。即ち、本実施形態では、電線ユニット90の第一端部91において、2本の電線9の撚りが解かれた状態で、電線9と第一接続部材1とが接続される、同様に、電線ユニット90の第二端部92において、本の電線9の撚りが解かれた状態で、電線9と第二接続部材2とが接続される。
また、本実施形態では、複数(本例では3つ)の電線ユニット90は、相互に平行となるように配設されている。即ち、本実施形態のワイヤーハーネス100において、電線ユニット90同士は、編まれていない。この場合、1つの電線ユニット90の変形が、他の電線ユニット90に影響を及ぼしにくくなり、全体的に複数の電線ユニット90の柔軟性を向上させることができる。
なお、複数の電線ユニット90は、例えば、図3に示されるように直線状に並んで相互に平行となるように配設されている場合、或いは、図4に示されるように、隣り合う各電線ユニット90の中心間の距離が最も小さくなるように並んで相互に平行となるように配設されている場合等が考えられる。
図3に示される例では、複数の電線ユニット90が、直線状に並んで相互に平行となるように配設されているため、このワイヤーハーネス100を、例えば、間隔が狭い隙間のような箇所に容易に敷設することが可能となる。また、この場合、複数の電線ユニット90が並ぶ方向に直交する方向に比較的曲げ易くなる。
また、図4に示される例では、複数の電線ユニット90が、隣り合う各電線ユニット90の中心間の距離が最も小さくなるように並んで相互に平行となるように配設されているため、電線ユニット90の径方向における寸法を全体的に小さくすることができる。この場合、ワイヤーハーネス100の複数の電線9が要するスペースを小さくすることが可能となる。
<ワイヤーハーネス:第一接続部材及び第二接続部材>
ワイヤーハーネス100において、第一接続部材1は、複数の電線9の第一端部91側に設けられている。第一接続部材1は、複数の電線9の共通の接続先である。第一接続部材1は、複数の電線9に電気的に接続されている。
また、ワイヤーハーネス100において、第二接続部材2は、複数の電線9の第二端部92側に設けられている。第二接続部材2は、複数の電線9の共通の接続先である。第二接続部材2は、複数の電線9に電気的に接続されている。
ワイヤーハーネス100においては、複数の電線9は、各電線9が共通の第一接続部材1及び第二接続部材2に接続されている。即ち、ワイヤーハーネス100において、複数の電線9全体が、第一接続部材1と第二接続部材2との間の1つの導電路を成している。
また、本実施形態において、第一接続部材1及び第二接続部材2の少なくとも一方は、複数の電線9に物理的に一括して接続された端子である。なお、本実施形態は、第一接続部材1及び第二接続部材2が複数の電線9に物理的に一括して接続された端子である場合の事例である。また、本実施形態では、ワイヤーハーネス100が、同様の構造を有する第一接続部材1及び第二接続部材2を含んでいる。しかしながら、ワイヤーハーネス100における第一接続部材1と第二接続部材2との構造が異なっていてもよい。
本実施形態において、第一接続部材1は、図2に示されるように、電線9との接続部分である電線接続部11と、相手側部材71との接続部分である接点部12と、電線接続部11と接点部12との間の中間部13と、を含む端子である。
電線接続部11は、複数の電線9に物理的に接続される部分である。図2に示されるように、本実施形態では、電線接続部11は、複数の電線9に一括して圧着される部分である。しかしながら、電線接続部11が、超音波溶接又は熱溶接等によって複数の電線9に一括して溶接される場合等も考えられる。
また、電線接続部11は、複数の電線9の芯線81に圧着される第一圧着部111と、複数の電線9の絶縁被覆82に圧着される第二圧着部112と、を含んでいる。本実施形態では、第一圧着部111が、複数の電線9の芯線81の周囲を一括して覆うようにかしめられることで、複数の電線9の芯線81と第一接続部材1とが電気的に及び物理的に接続されている。また、第二圧着部112が、複数の電線9の絶縁被覆82の周囲を一括して覆うようにかしめられることで、複数の電線9と第一接続部材1との物理的な接続状態が安定する。
また、本実施形態では、複数の電線9の第一端部91において、各電線ユニット90に含まれる2本の電線9の撚りが解かれている。そして、これらの電線9の撚りが解かれた状態で、第一接続部材1の第一圧着部111及び第二圧着部112に圧着されている。この場合、複数の電線9と第一接続部材1との電気的な接続状態及び物理的な接続状態が安定する。
接点部12は、相手側部材71に物理的に接続される部分である。相手側部材71は、第一接続部材1によって、複数の電線9と電気的に接続される部材である。本実施形態において、相手側部材71は、車両に搭載される電装機器である。相手側部材71は、車両に搭載される電装機器において、比較的大きな電流を必要とする機器であることが考えられ、例えば、R/B(リレーボックス)、BAT(バッテリ)又はST(スターターモーター)等が考えられる。
また、本実施形態では、接点部12には、ボルト締結用の接続孔121が形成されている。接続孔121は、第一接続部材1の接点部12における一方の主面から他方の主面に貫通する貫通孔である。本実施形態では、相手側部材71にもボルト締結用の相手側接続孔が形成されていることが考えられる。そして、第一接続部材1の接点部12の接続孔121と相手側部材71の相手側接続孔とが重なった状態で、この2つの接続孔にボルトが通され締められることにより、第一接続部材1と相手側部材71とが電気的に及び物理的に接続される。
中間部13は、電線接続部11と接点部12とを連結する部分である。本実施形態では、中間部13は、電線9の長手方向に沿って電線接続部11から延出して形成されている。即ち、中間部13と電線接続部11とは、一の直線に沿って並んで形成されている。一方、接点部12は、中間部13における電線接続部11側に対し反対側の部分から上記一の直線の延在方向に直交する方向に沿って延出して形成されている。即ち、本実施形態では、接点部12と中間部13とが成す角度が直角である端子が第一接続部材1として採用されている。なお、第一接続部材1として、電線接続部11、中間部13及び接点部12が一の直線上に並んで形成された端子が採用されてもよい。
また、本実施形態では、第二接続部材2は、第一接続部材1と同様の構造を有する。即ち、第二接続部材2は、電線9との接続部分である電線接続部21と、相手側部材72との接続部分である接点部22と、電線接続部21と接点部22との間の中間部23と、を含む端子である。電線接続部21は、複数の電線9の第二端部92側の芯線81に圧着される第一圧着部211と絶縁被覆82に圧着される第二圧着部212とを含む。接点部22には、相手側部材72とのボルト締結用の接続孔221が形成されている。相手側部材72は、相手側部材71と同様、車両に搭載される電装機器において、比較的大きな電流を必要とする機器であることが考えられる。なお、本実施形態では、第二接続部材2は、第一接続部材1と同じ構造を有するため、各構成の詳細な説明については省略する。
<ワイヤーハーネス>
複数の電線9、第一接続部材1及び第二接続部材2を備えるワイヤーハーネス100は、車両に設けられる1つの回路において、少なくとも一部の区間に設けられる。ワイヤーハーネス100においては、曲げ可能な複数の電線9が、共通の第一接続部材1及び第二接続部材2に接続されている。即ち、太い電線の代わりに、複数の細い電線9が用いられている。即ち、ワイヤーハーネス100においては、複数の比較的細い電線9を用いて太い電線と同程度の電流を流すことができる。そして、細い電線9は、太い電線に比べ、曲げ易い。このため、ワイヤーハーネス100の柔軟性を向上させることができる。
また、太い電線によって回路が構成される場合、サイズラインナップが限られることにより過剰サイズによる製造コストの増大が懸念される。一方、本実施形態においては、その回路に必要な電流に応じて電線9の数を選定することにより、ワイヤーハーネス100を必要最小限の電線9を用いて作ることもできる。この場合、製造コストを抑制できる。なお、ワイヤーハーネス100が、このワイヤーハーネス100が適用される回路が必要とする電線9の最小の数よりも、多くの電線9を備える場合も考えられる。
また、ワイヤーハーネス100において、複数の(本例では3つ)の電線ユニット90は、相互に平行となるように配設されている。そして、各電線ユニット90は、それぞれ独立した状態で変形することが可能である。即ち、複数の電線ユニット90各々は、第一接続部材1と第二接続部材2との間の区間において、隣り合う電線ユニット90と繋がっていない。このため、複数の電線ユニット90は、例えば、相互にすれ違うように、又は隣り合う電線ユニット90間の間隔が大きくなるように、又は隣り合う電線ユニット90間の間隔が小さくなるように変形することが可能である。このため、各電線ユニット90の柔軟性が損なわれず、ワイヤーハーネス100の柔軟性がより向上する。
また、ワイヤーハーネス100において、複数の電線9は、撚り合わされた少なくとも2つ以上(本例では2本)の電線9を含む1つ以上(本例では3つ)の電線ユニット90を含む。この場合、複数の電線9がばらけてしまうことを抑制でき、例えば、ワイヤーハーネス100を車両に敷設する作業及び運搬作業時等における取扱い性能が向上する。
また、ワイヤーハーネス100において、複数(本例では3つ)の電線ユニット90は、相互に平行となるように配設されているため、3つの電線ユニット90各々の変形が、他の電線ユニット90の変形に影響を及ぼしにくくなり、複数の電線ユニット90各々が曲がり易くなる。
また、ワイヤーハーネス100において、第一接続部材1及び第二接続部材2の少なくとも一方(本例では両方)は、複数(本例では6本)の電線9に物理的に一括して接続された端子であるため、電線9と第一接続部材1及び第二接続部材2との接続作業を容易に行うことができる。
また、第一接続部材1及び第二接続部材2を繋ぐ区間(複数の電線9が成す導電路)が柔軟に曲げ可能であるため、ワイヤーハーネス100においては、第一接続部材1と複数の電線9との接続部分及び第二接続部材2と複数の電線9との接続部分に大きな応力が加わることを抑制できる。
また、ワイヤーハーネス100は、例えば、図1に示されるような回路に適用可能である。以下、図1に示す車両に搭載される回路の一例を参照しつつ、ワイヤーハーネス100の適用例について説明する。
図1には、接地されたBAT101、ST102、R/B103、ALT104(オルタネータ)、F/B105(ヒューズボックス)、DCDC106(DC―DCコンバータ)及び接地されたサブBAT107を含む回路150が示されている。回路150において、各構成は、導電路151〜158によって繋がれている。即ち、回路150は、接地点とBAT101とを繋ぐ導電路151、BAT101とST102とを繋ぐ導電路152、BAT101とR/B103とを繋ぐ導電路153、R/B103とALT104とを繋ぐ導電路154、R/B103とF/B105とを繋ぐ導電路155、F/B103とDCDC106とを繋ぐ導電路156、DCDC106とサブBAT107とを繋ぐ導電路157及び接地点とサブBAT107とを繋ぐ導電路158を含んでいる。
図1に示される回路は、BAT101とサブBAT107とを繋ぐ回路であり、ヒューズによって保護されていない回路である。そして、図1においては、例えば、一端がBAT101若しくはサブBAT107に繋がれ、比較的大きな電流が流れることが予想される導電路151〜153及び157,158に、ワイヤーハーネス100が採用されることが考えられる。この場合、太い電線の代わりに、ワイヤーハーネス100を採用することで、導電路151〜153及び157,158の経路の自由度が向上する。
なお、図1において、上記以外の導電路154〜156には、1本の電線が採用されている。しかしながら、導電路154〜156にもワイヤーハーネス100が採用されてもよい。
また、各導電路151〜153及び157,158に流れる電流に応じて最適な数の電線9を含むワイヤーハーネス100を採用することにより、製造コストを抑制することも可能である。特に、ワイヤーハーネス100が1種類の電線9を含むときに、1種類の電線9の数を変更して各導電路151〜153及び157,158に適した本数の電線9を含むワイヤーハーネス100が作られる場合、より製造コストを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図5を参照しつつ、第2実施形態に係るワイヤーハーネス200について説明する。ワイヤーハーネス200は、第一接続部材1と第二接続部材2とを繋ぐ複数の電線9の代わりに、複数の電線9Aを含む。図5は、ワイヤーハーネス200の側面図である。なお、図5において、図1〜4に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
ワイヤーハーネス200において、複数の電線9Aは、螺旋状に巻かれた螺旋部90Aを含む。なお、図5に示されるように、本実施形態は、ワイヤーハーネス200が3本の電線9Aを含む場合の事例である。また、図5において、ワイヤーハーネス200に含まれる電線9Aの配置は、簡略化して示されている。
第1実施形態と同様、本実施形態においても複数の電線9Aは、相互に平行となるように配設されている場合が好ましい。電線9Aが変形しやすく、ワイヤーハーネス200の柔軟性が向上するためである。なお、電線9Aの配置例としては、上述のように直線状に並ぶ場合又は隣り合う電線9Aの中心間の距離が最小となるように並べられる場合等が考えられる。
本実施形態では、電線9Aは、自然状態で螺旋状に巻かれた螺旋部90Aを有する形態を維持する。なお、自然状態の電線9Aは、外力が加えられていない状態の電線9Aを意味する。
また、本実施形態において、3本の電線9A各々の螺旋部90Aの螺旋ピッチは同じである。しかしながら、複数の電線9Aの螺旋部の螺旋ピッチがそれぞれ異なる場合又は全て異なる場合も考えられる。
また、本実施形態において、電線9Aの第一端部91及び第二端部92では、螺旋状に巻かれた螺旋部90Aが形成されていない。即ち、電線9Aの第一端部91及び第二端部92においては、直線状に沿う3本の電線9Aの周囲を一括して覆うように第一接続部材1及び第二接続部材2が圧着されている。この場合、電線9Aと第一接続部材1及び第二接続部材2との接続状態が安定する。このような電線9Aは、例えば、全長に亘って螺旋部90Aを有する状態からその第一端部91及び第二端部92における螺旋巻きを解き、その解いた部分を延ばすことによって得ることができる。また、予め、第一端部91及び第二端部92において、螺旋部90Aが形成されていない電線9Aを使用してワイヤーハーネス200が作られる場合も考えられる。
ワイヤーハーネス200においては、複数の電線9Aが曲がった経路に配設された状態において、曲線経路の外側に配設された電線9Aと曲線経路の内側に配設された電線9Aとの経路差が、電線9Aの螺旋部90Aが伸縮するように変形することで吸収される。より具体的には、例えば、曲線経路のうち比較的外側に配設された電線9Aの螺旋部90Aが伸びるように変形し、曲線経路のうち比較的内側に配設された電線9Aの螺旋部90Aが縮むように変形することで、曲線経路の外側と内側とに生じる経路の差が吸収される。このため、本実施形態においては、複数の電線9Aを一括してある方向に曲げることが容易となり、ワイヤーハーネス200の柔軟性が向上する。
<第3実施形態>
次に、図6を参照しつつ、第3実施形態に係るワイヤーハーネス300について説明する。ワイヤーハーネス300は、複数の電線9,9Aの代わりに、複数の電線9Bを含む。図6は、ワイヤーハーネス300の側面図である。なお、図6において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について説明する。
ワイヤーハーネス300において、複数の電線9Bは、波状に曲げられた波状部90Bを含む。なお、図6に示されるように、本実施形態は、ワイヤーハーネス300が3本の電線9Bを含む場合の事例である。また、図6において、ワイヤーハーネス300に含まれる電線9Bの配置は、簡略化して示されている。
第1実施形態と同様、本実施形態においても複数の電線9Bは、相互に平行となるように配設されている場合が好ましい。電線9Bが変形しやすく、ワイヤーハーネス300の柔軟性が向上するためである。なお、電線9Bの配置例としては、上述のように直線状に並ぶ場合又は隣り合う電線9Bの中心間の距離が最小となるように並べられる場合等が考えられる。
本実施形態では、電線9Bは、自然状態で波状に曲げられた波状部90Bを有する形態を維持する。なお、自然状態の電線9Bは、外力が加えられていない状態の電線9Bを意味する。
本実施形態では、複数の電線9Bの波状部90Bは、電線9Bの長手方向に沿って交互に連続するそれぞれ反対側に突出するように曲げられた部分を含む。また、本実施形態では、3本の電線9Bは、自然状態において同じ形状を有する場合が示されている。なお、ワイヤーハーネス300に含まれる電線9Bがそれぞれ異なる場合又は全て異なる場合も考えられる。
また、本実施形態において、電線9Bの第一端部91及び第二端部92では、波状に曲げられた波状部90Bが形成されていない。この場合、第2実施形態に示されるように、電線9Bと第一接続部材1及び第二接続部材2との接続状態が安定する。
ワイヤーハーネス300においては、複数の電線9Bが曲がった経路に配設された状態において、曲線経路の外側に配設された電線9Bと曲線経路の内側に配設された電線9Bとの経路差が、電線9Bの波状部90Bが伸縮するように変形することで吸収される。より具体的には、例えば、曲線経路のうち比較的外側に配設された電線9Bの波状部90Bが伸びるように変形し、曲線経路のうち比較的内側に配設された電線9Bの波状部90Bが縮むように変形することで、曲線経路の外側と内側とに生じる経路の差が吸収される。このため、本実施形態においては、複数の電線9Bを一括してある方向に曲げることが容易となり、ワイヤーハーネス300の柔軟性が向上する。
<第4実施形態>
次に、図7を参照しつつ、第4実施形態に係るワイヤーハーネス400について説明する。ワイヤーハーネス400は、複数の電線9,9A,9Bの代わりに、複数の電線9Cを含む。図7は、ワイヤーハーネス300の側面図である。なお、図7において、図1〜6に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と異なる点について説明する。
ワイヤーハーネス400において、複数の電線9Cは、自然状態において直線状を維持する電線である。なお、図7において、ワイヤーハーネス400に含まれる電線9Cの配置は、簡略化して示されている。
本実施形態において、複数の電線9Cは、第一端部91及び第二端部92で纏められているが、第一端部91と第二端部92との中間部分では、分離した状態である。即ち、複数の電線9C各々は、第一接続部材1と第二接続部材2との間の区間において、隣り合う電線9Cと繋がっていない。このため、複数の電線9Cは、例えば、相互にすれ違うように、又は隣り合う電線9C間の間隔が大きくなるように、又は隣り合う電線9C間の間隔が小さくなるように変形することが可能である。これにより、本実施形態では、複数の電線9Cの柔軟性が保持される。
即ち、本実施形態では、複数の電線9Cは、その中間部分において電線9C間の間隔が大きくなるように或いは小さくなるように変形することが可能である。これにより、本実施形態においても電線9Cの柔軟性が損なわれず、ワイヤーハーネス400の柔軟性が向上する。
<第5実施形態>
次に、図8,9を参照しつつ、第5実施形態に係るワイヤーハーネス500について説明する。ワイヤーハーネス500は、第一接続部材1及び第二接続部材2の代わりに、第1実施形態と異なる構造の第一接続部材1D及び第二接続部材2Dを含む。図8は、ワイヤーハーネス500の側面図である。図9は、ワイヤーハーネス500の一部分解側面図である。また、図9は、ワイヤーハーネス500の一部切り欠き側面図でもある。なお、図8,9において、図1〜7に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態と異なる点について説明する。
なお、本実施形態では、図8,9に示されるように、複数の電線9の第一端部91側について説明する。そして、本実施形態では、第1実施形態と同様、第一接続部材1Dと第二接続部材2Dとの構造が同じである場合を説明する。このため、以下の第一端部91側の構造の説明は、第二端部92側の説明としても有効である。即ち、図8,9に示される第一端部91が第二端部92であってもよい。また、図8,9に示される第一接続部材1Dが第二接続部材2Dであってもよい。
ワイヤーハーネス500において、複数の電線9の第一端部91には、コネクタ6が設けられている。コネクタ6は、電線9を収容可能なキャビティ61と複数の電線9に電気的に接続されるバスバー62とを含む。
本実施形態では、第1実施形態と同様、ワイヤーハーネス500は、2本の電線9が撚り合わされた3つの電線ユニット90を含む。そして、電線ユニット90の第一端部91側では、2本の電線9が共通の端子(以下、中継用端子5)に圧着されている。即ち、本実施形態では、3つの中継用端子5が、それぞれ3本の電線ユニット90の端部に設けられている。
そして、本実施形態において、コネクタ6は、3つの電線ユニット90に設けられた3つの中継用端子5をそれぞれ収容可能な3つのキャビティ61を含む。コネクタ6のキャビティ61は、コネクタ6の第一面69側で開口している。なお、コネクタ6の第一面69は、複数の電線9側の面である。本実施形態では、複数の電線9に接続された中継用端子5が、第一面69側から近付けられ、キャビティ61内に収容される。
バスバー62は、キャビティ61内に設けられている。本実施形態において、バスバー62は、キャビティ61の最奥(第一面69から最も奥の位置)に設けられている。
本実施形態において、キャビティ61の最奥に設けられたバスバー62は、コネクタ6の第一面69側に突出する3つの第一接続部621を含む。この3つの第一接続部621には、電線ユニット90にそれぞれ設けられた中継用端子5が接続される。本実施形態では、第一接続部621は、棒状に形成されている。この場合、第一接続部621と中継用端子5の先端に形成された孔とが嵌合することにより、バスバー62と中継用端子5とが電気的に及び物理的に接続される。
また、本実施形態において、バスバー62は、コネクタ6の第一面69に対し反対側の面(第二面68)側に突出する1つの第二接続部622を含む。この1つの第二接続部622には、相手側部材7Dが接続される。なお、コネクタ6の第二面68側には、第二接続部622を取り囲む相手側キャビティ67が形成されている。
本実施形態において、ワイヤーハーネス500の接続相手である相手側部材7Dは、コネクタである。相手側部材7Dは、図8,9に示されるように、例えば、コネクタ71Dと端子72Dと絶縁電線73Dとを含むコネクタ付電線である。なお、相手側部材7Dが、機器コネクタ等である場合も考えられる。
また、本実施形態では、図8,9に示されるように、相手側部材7Dの絶縁電線73Dは、ワイヤーハーネス500に含まれる電線9に比べ比較的太い電線が採用されている。このような図8,9に示される例においては、例えば、コネクタ6よりもワイヤーハーネス500側の部分が曲線状の経路に敷設され、コネクタ6よりも相手側部材7D側の部分が直線状の経路に敷設されることが考えられる。
本実施形態では、例えば、相手側部材7Dがコネクタ6の第二面68側から近付けられ、相手側キャビティ67に収容される。そして、相手側部材7Dの端子72Dの先端に形成された孔と第二接続部622とが嵌合することにより、バスバー62と相手側部材7Dとが電気的に及び物理的に接続される。
以上のように、本実施形態において、複数の電線9の共通の接続先は、コネクタ6のバスバー62である。即ち、本実施形態では、第一接続部材1Dは、コネクタ6のバスバー62である。図8,9に示されるように、ワイヤーハーネス500は、コネクタ6を介して相手側部材7Dに電気的に接続される。また、本実施形態においても、ワイヤーハーネス500は、柔軟性に優れている。そのため、ワイヤーハーネス500を車両に搭載される回路の少なくとも一部に適用することで、回路が敷設される経路の自由度が高まる。
<応用例>
第1実施形態〜第5実施形態において、複数の電線9,9A,9B,9Cに部分的にテープが巻き付けられ、複数の電線9,9A,9B,9Cが束ねられている場合も考えられる。
なお、本発明に係るワイヤーハーネスは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは、各実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 第一接続部材
100 ワイヤーハーネス
2 第二接続部材
9 電線
90 電線ユニット
90A 螺旋部
90B 波状部
91 第一端部
92 第二端部

Claims (6)

  1. 曲げ可能な複数の電線と、
    前記複数の電線の第一端部側に設けられた前記複数の電線の共通の接続先であり、前記複数の電線に電気的に接続された第一接続部材と、
    前記複数の電線の第二端部側に設けられた前記複数の電線の共通の接続先であり、前記複数の電線に電気的に接続された第二接続部材と、を備える、ワイヤーハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記複数の電線は、撚り合わされた少なくとも2つ以上の前記電線を含む1つ以上の電線ユニットを含む、ワイヤーハーネス。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記複数の電線は、複数の前記電線ユニットを含み、
    前記複数の電線ユニットは、相互に平行となるように配設されている、ワイヤーハーネス。
  4. 請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記複数の電線は、螺旋状に巻かれた螺旋部を含む、ワイヤーハーネス。
  5. 請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記複数の電線は、波状に曲げられた波状部を含む、ワイヤーハーネス。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第一接続部材及び前記第二接続部材の少なくとも一方は、前記複数の電線に物理的に一括して接続された端子である、ワイヤーハーネス。
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