JP2016098719A - バルブユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2通路31は、軸線βが直線である筒状の空間として設けられている。そして、第2通路31を全閉にしている状態の第2弁体25を、仮に、第1通路30に向かって軸線β方向に移動させたときに第2弁体25が通過する通過領域γを考えると、第1弁体27の回転領域δの一部は通過領域γに存在する。そして、第2通路31の壁には、第2通路31から第1通路30に流入したEGRガスの流れが第1通路30における流れの下流側に向かうのを促進する下流側誘導手段51が設けられている。これにより、第1弁体27へのEGRガスの到達を抑制することで第1弁体27への水滴の発生を抑えることができ、コンプレッサの水滴による潰蝕を抑制することができる。
【選択図】図3
Description
この低圧EGR装置は、吸入空気の流れる吸気流路とEGRガスの流れる低圧EGR流路とを備えている。
また低圧EGR装置は、吸気流路と低圧EGR流路との合流部に発生する負圧を調整する吸気絞り弁体(以下、第1弁体と呼ぶことがある。)と、低圧EGR流路の開度を調整する低圧EGR調整弁体(以下、第2弁体と呼ぶことがある。)とを備えている。
このバルブユニットは、吸気流路の一部を成す第1通路と、低圧EGR流路の一部を成す第2通路とを有する通路形成部材を備え、第1通路内に第1弁体を収容し、第2通路内に第2弁体を収容している(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この場合、第1弁体がEGRガスの流れる第2通路に近づくことになり、第1弁体にEGRガスが当たる可能性が高まる。
すなわち、低温の第1弁体にEGRガスが当たった際にEGRガス中の水蒸気が冷やされることで結露してしまい、第1弁体に水滴が発生し、この発生した水滴がターボチャージャーのコンプレッサを潰蝕してしまう虞がある。
そして、ターボチャージャーのタービンを通過した低圧の排気ガスである低圧EGRガスを吸入空気の流れに還流して、ターボチャージャーのコンプレッサに導くために用いられている。
通路形成部材は、吸入空気が流れる第1通路、および、この第1通路に接続する第2通路を有し、この第2通路に低圧EGRガスを導入して第1通路を流れる吸入空気に合流させる。
第1弁体は、第1通路に収容され、回転駆動されて吸入空気の流れを絞る。
第2弁体は、第2通路に収容され、回転駆動されて低圧EGRガスの流れを絞る。
そして、第2通路を全閉にしている状態の第2弁体を、仮に、第1通路に向かって第2通路の軸線方向に移動させたときに第2弁体が通過する通過領域を考えると、第1弁体の回転領域の一部、または、全部は通過領域に存在する。
そして、第1弁体、第1通路の壁、または、第2通路の壁には、第2通路から第1通路に流入した低圧EGRガスの流れが第1通路における流れの下流側に向かうのを促進する下流側誘導手段が設けられている
このため、ターボチャージャーのコンプレッサが水滴によって潰蝕されることを抑制することができる。
実施例1のバルブユニット1を含むエンジン吸排気システム2を、図1を用いて説明する。
エンジン吸排気システム2は、エンジン3に吸入される吸入空気をターボチャージャー4によりエンジン3に過給する吸排気システムとなっており、高圧EGR装置5と低圧EGR装置6とが設けられている。
なお、この実施例に示すエンジン3は、車両駆動用のディーゼルエンジンであり、吸気を気筒に導く吸気流路7と、気筒内で発生した排気ガスを大気中に排出する排気流路8とを備える。
高圧EGR装置5は、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路7に戻す高圧EGR流路12を備えている。
図1に示す高圧EGR装置5において、高圧EGR流路12は、排気流路8側がエキゾーストマニホールドに接続され、吸気流路7側がインテークマニホールドのサージタンク13に接続されている。
なお、図1は具体例であり、高圧EGRクーラ16、バイパス17および切り替え弁18を搭載しないものであってもよい。
より具体的には、低圧EGR流路20は、ターボチャージャー4のタービン21およびDPF9を通過した排気ガスの一部をターボチャージャー4のコンプレッサ22に導くように排気流路8側がDPF9より排気下流側の排気流路8に接続され、吸気流路7側がターボチャージャー4のコンプレッサ22より吸気上流側の吸気流路7に接続されている。
なお、この第1弁体27により、吸気負圧を発生させることにより、低圧EGR装置6においても差圧が確保でき、低圧EGR装置6においても多量のEGRガスをエンジン3に還流することができるようになる。
バルブユニット1は低圧EGR装置6を構成するものであり、図2に示すように、吸入空気が流れる第1通路30、および、この第1通路30に接続する第2通路31を有し、この第2通路31にEGRガスを導入して第1通路30を流れる吸入空気に合流させる通路形成部材32を備える。
なお、第1通路は吸気流路7の一部を成し、第2通路31は低圧EGR流路20の一部を成している。
第2弁体25は、第2通路31内に収容される板状のバタフライバルブであり、通路形成部材32に回動自在に支持される第2シャフト34と一体に回転駆動されてEGRガスの流れを絞る。
なお、第1シャフト33と第2シャフト34とは平行配置されている。
リンク装置36には、電動アクチュエータ35の出力特性を変化させて第1弁体27へ伝達する特性変換部が設けられており、第2弁体25が所定開度より大きくなってから第2弁体25の開度アップに連動させて第1弁体27の開度を小さくするように設けられている。
従動アーム41も、板形状を呈し、耐摩耗性に優れた材料であるナイロン系樹脂等により形成されたものであり、従動アーム41の回動端側がカムプレート40に対して所定の隙間を隔てて重なるように、第1シャフト33に対して直角に固定配置されている。
係合部45は、カム溝43内に嵌り合う円筒状のローラ45aと、従動アーム41の回動端側に固定されてローラ45aを回動自在に支持する軸部45bからなる。
カム溝43aは、カムプレート40の回転中心と同一中心の円弧溝であり、第2弁体25が第2通路31を最大に絞る全閉開度θ0から所定中間開度θ1に至る回動範囲において第1弁体27の開度を最大開度に保つように設けられている。
第1通路30は、軸線αが直線である円筒空間として設けられている。また、第2通路31は、軸線βが直線である円筒空間として設けられている。
ここで、軸線αと軸線βとは直交している。
ここで、回転領域δは、第1弁体27が回動した時に第1弁体27が通過する領域となっている。
なお、第1弁体27はバルブユニット1の小型化のため第2通路31に近づくように配されており、通路形成部材32の第1通路30流れ上流側の一部が削除されて形成されている。
より具体的には、張り出し部50の通過領域γ内の部分を、仮に、第2通路31におけるEGRガスの流れる側に向かって軸線β方向に移動させたときに通過する張り出し部通過領域εと回転領域δとの間に重なりが生じていることになる。
なお、張り出し部50は、第2通路31と一体に形成されるものであってもよいし、別体に形成された後に第2通路31に固定されるものであってもよい。
実施例1のバルブユニット1において、第2通路31は、軸線βが直線である円筒空間として設けられ、第2通路31を全閉にしている状態の第2弁体25を、仮に、第1通路30に向かって軸線β方向に移動させたときに第2弁体25が通過する通過領域γを考えると、第1弁体27の回転領域δの一部は通過領域γに存在する。
そして、第2通路31の壁には、EGRガスの流れに対し第1弁体25の回転領域δの一部を遮蔽する張り出し部50が設けられている。
この結果、吸入空気の温度が低い場合であっても、ターボチャージャー4のコンプレッサ22が水滴によって潰蝕されることを抑制することができる。
実施例2のバルブユニット1を図4に示す。なお、実施例1と同一機能物には同一符号を付して示している。
なお、図4(a)は、第1弁体27の平面図を表している。
第1弁体27は板状のバタフライバルブであり、第1弁体27の厚さ方向に貫通する孔52が設けられている。
これにより、孔52を通過する吸入空気の流れにより、第1弁体27へのEGRガスの到達を抑制できる。そして、孔52は、第2通路31から第1通路30に流入したEGRガスの流れが第1通路30における流れの下流側に向かうのを促進する下流側誘導手段51として機能している。
また、軸線ζ方向が長径となる楕円形状を呈する孔52を軸線ζ方向に軸線ζと平行に複数配したことにより、エアカーテン状の気流を形成できるため、第1弁体27へのEGRガスの到達をより効果的に抑制できる。
この結果、吸入空気の温度が低い場合であっても、ターボチャージャー4のコンプレッサ22が水滴によって潰蝕されることを抑制することができる。
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例によれば、第1シャフト33は通過領域γ内に存在していたが、この態様に拘るものではなく、第1シャフト33を通過領域γ外に配する構成としてもよい。
また、実施例1によれば、張り出し部50は第2通路31の壁に設けられていたが、張り出し部50を第1通路30の壁に設けてもよい。
また、第1弁体27と第2弁体25とをリンク装置36を介さず1つの電動モータ35と第1弁体27と第2弁体25それぞれを駆動する減速機構39によって駆動させてもよい。
さらに、第1通路30と第2通路31との接続に際しては、軸線αと軸線βとが交差しないように第1通路30と第2通路31とを接続してもよい。
また、実施例においては、バルブユニット1は、下流側誘導手段51として張り出し部50、または、孔52のいずれかを備えるものであったが、バルブユニット1を、張り出し部50と孔52の双方を備える構成としてもよい。
4 ターボチャージャー 21 タービン 22 コンプレッサ 25 第2弁体
27 第1弁体 30 第1通路 32 通路形成部材 51 下流側誘導手段
β 軸線 γ 通過領域 δ 回転領域
Claims (5)
- エンジン(3)に吸入される吸入空気をターボチャージャー(4)により前記エンジン(3)に過給する吸排気システム(2)に組み付けられるユニットであり、
前記ターボチャージャー(4)のタービン(21)を通過した低圧の排気ガスである低圧EGRガスを吸入空気の流れに還流して、前記ターボチャージャー(4)のコンプレッサ(22)に導くために用いられるバルブユニット(1)において、
吸入空気が流れる第1通路(30)、および、この第1通路(30)に接続する第2通路(31)を有し、この第2通路(31)に低圧EGRガスを導入して前記第1通路(30)を流れる吸入空気に合流させる通路形成部材(32)と、
前記第1通路(30)に収容され、回転駆動されて吸入空気の流れを絞る第1弁体(27)と、
前記第2通路(31)に収容され、回転駆動されて低圧EGRガスの流れを絞る第2弁体(25)とを備え、
前記第2通路(31)は、軸線(β)が直線である筒状の空間として設けられ、
前記第2通路(31)を全閉にしている状態の前記第2弁体(25)を、仮に、前記第1通路(30)に向かって前記第2通路(31)の軸線(β)方向に移動させたときに前記第2弁体(25)が通過する通過領域(γ)を考えると、
前記第1弁体(27)の回転領域(δ)の一部、または、全部は前記通過領域(γ)に存在し、
前記第1弁体(27)、前記第1通路(30)の壁、または、前記第2通路(31)の壁には、前記第2通路(31)から前記第1通路(30)に流入した低圧EGRガスの流れが前記第1通路(30)における流れの下流側に向かうのを促進する下流側誘導手段(51)が設けられていることを特徴とするバルブユニット(1)。 - 請求項1に記載のバルブユニット(1)において、
前記下流側誘導手段(51)は、前記第1通路(30)の壁、または、前記第2通路(31)の壁に設けられて、低圧EGRガスの流れに対し前記第1弁体(27)の回転領域(δ)の一部、または、全部を遮蔽する張り出し部(50)であることを特徴とするバルブユニット(1)。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブユニット(1)において、
前記第1弁体(27)は板状であり、
前記下流側誘導手段(51)は、前記第1弁体の厚さ方向に貫通する孔(52)であることを特徴とするバルブユニット(1)。 - 請求項3に記載のバルブユニット(1)において、
前記第1弁体(27)は、軸線(ζ)を回動中心として回動し、
前記孔(52)は、前記軸線(ζ)方向に複数設けられていることを特徴とするバルブユニット(1)。 - 請求項3に記載のバルブユニット(1)において、
前記第1弁体(27)は、軸線(ζ)を回動中心として回動し、
前記孔(52)は、前記軸線(ζ)方向に延びた長穴であることを特徴とするバルブユニット(1)。
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