JP2016097883A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断する。
【解決手段】車両用操舵装置11は、操舵反力発生装置15及び転舵装置17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行うクラッチ装置19、異常診断部63、及び駆動制御部65などを備える。クラッチ装置19は、遊星歯車機構31、ロック用環状歯車33、ロックピン39、及びロック用環状歯車33の回転角を検出する第1及び第2回転角センサ57,59を有する。異常診断部63は、ステアバイワイヤモードにおいて、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値に基づいて、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転しているか否かを判定し、同判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステア・バイ・ワイヤ方式の車両用操舵装置に関する。
最近、ステア・バイ・ワイヤ(Steer By Wire)と呼ばれる方式の操舵装置が開発されている。特許文献1には、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置が開示されている。
特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置は、操舵入力手段に連結された操舵入力軸と、舵取り機構に連結された操舵出力軸と、操舵入力軸と操舵出力軸との間に設けられ、システムの異常時に、機械的に切り離されていた操舵入力手段と舵取り機構との間を連結するバックアップ手段と、を備える。バックアップ手段は、操舵入力軸に連結されたキャリアと、操舵出力軸に連結されたサン歯車またはリング歯車を有する遊星歯車機構と、サン歯車またはリング歯車のうち操舵出力軸に連結されていない歯車と操舵出力軸との間に設けた電磁クラッチと、を備えて構成される。
特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置によれば、増速機を用いることなくクラッチへの入力トルクを小さくできると共に、従来技術と比べてバッテリ消費量を低減することができるという。
特開2005−335433号公報
特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置では、例えば、キャリアに回動自在に支持されているピニオン(以下、“遊星歯車”と呼ぶ)及びリング歯車(以下、“環状内歯歯車”と呼ぶ)の噛み合わせ部分に異物の噛み込みを生じるケースがある。こうしたケースでは、遊星歯車と環状内歯歯車とが異物を挟んで剛体結合することになる。その結果、操舵入力手段(以下、“操舵部”と呼ぶ)と舵取り機構(以下、“転舵部”と呼ぶ)との間が唐突に機械的な連結状態に陥ってしまう。
しかしながら、特許文献1に係るSBW方式の車両用操舵装置では、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合に、その異常状態を診断すること、特に、異常状態に陥った原因を診断することについては言及されていない。
本発明は、前記の実情に鑑みてなされたものであり、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断可能な車両用操舵装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、(1)に係る発明は、車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータを有する操舵部と、前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、前記転舵輪に対して転舵力を付与する転舵モータを有し、当該転舵輪を転舵するための転舵部と、前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、少なくとも、前記操舵部、前記転舵部、及び、前記クラッチ装置の異常診断を行う異常診断部と、を備え、前記クラッチ装置は、環状内歯歯車、太陽歯車、及び、遊星キャリアに回動自在に支持される遊星歯車を有する遊星歯車機構と、前記太陽歯車に連動するように設けられるロック用環状歯車と、を有し、前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうちいずれか一方に連動するように設けられ、前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられ、前記異常診断部は、前記操舵角検出部及び前記転舵角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、ことを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明によれば、異常診断部は、操舵角検出部及び転舵角検出部の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車、遊星キャリア、及び、太陽歯車が同期回転しているか否か否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置の異常診断を行うため、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、(2)に係る発明は、車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータを有する操舵部と、前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、前記転舵輪に対して転舵力を付与する転舵モータを有し、当該転舵輪を転舵するための転舵部と、前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、前記クラッチ装置を切離状態にした状態で、前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵部材の操舵角に基づき設定される目標転舵角に追従させるように前記転舵モータを駆動すると共に、前記転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力モータを駆動するステアバイワイヤモードでの操舵制御を、少なくとも実行可能な制御部と、少なくとも、前記操舵部、前記転舵部、及び、前記クラッチ装置の異常診断を行う異常診断部と、を備える。前記クラッチ装置は、環状内歯歯車、太陽歯車、及び、遊星キャリアに回動自在に支持される遊星歯車を有する遊星歯車機構と、前記太陽歯車に連動するように設けられるロック用環状歯車と、前記ロック用環状歯車の歯溝に係脱自在に設けられ、前記切替アクチュエータと連係動作するロック部材と、を有する。前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうちいずれか一方に連動するように設けられる。前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられる。
そして、前記異常診断部は、前記制御部が前記ステアバイワイヤモードでの操舵制御を実行中に、前記操舵角検出部及び前記転舵角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、ことを最も主要な特徴とする。
(2)に係る発明によれば、(1)に係る発明と同様に、異常診断部は、操舵角検出部及び転舵角検出部の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車、遊星キャリア、及び、太陽歯車が同期回転しているか否か否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置の異常診断を行うため、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、(3)に係る発明は、(1)又は(2)に係る発明であって、前記ロック用環状歯車の回転角を検出する回転角検出部をさらに有し、前記異常診断部は、前記操舵角検出部、前記転舵角検出部、及び、前記回転角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、ことを特徴とする。
(3)に係る発明によれば、異常診断部は、操舵角検出部、転舵角検出部、及び、回転角検出部の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車、遊星キャリア、及び、太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置の異常診断を行うため、(1)又は(2)に係る発明と同様に、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)〜(3)のいずれか一に係る発明であって、前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部に連動するように設けられ、前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記転舵部に連動するように設けられる、ことを特徴とする。
(4)に係る発明によれば、環状内歯歯車が操舵部に連動するように設けられる一方、遊星キャリアが転舵部に連動するように設けられるため、(1)〜(3)に係る発明の作用効果に加えて、ステアバイワイヤモードにおいて、運転者が操舵部材を操作する際に要する力を軽減することができる。
また、(5)に係る発明は、(4)に係る発明であって、前記制御部は、前記切替アクチュエータの駆動制御を行う機能をさらに有し、前記異常診断部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記クラッチ装置が異常状態にある旨の診断を下し、前記制御部は、前記クラッチ装置が異常状態にある旨の診断が下された場合に、当該クラッチ装置を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように前記切替アクチュエータの駆動制御を行う、ことを特徴とする。
ステアバイワイヤモードでの操舵制御中に、クラッチ装置が異常状態にある旨の診断が下される等、操舵機能に何らかの異常が生じた場合、制御部は、クラッチ装置を切離状態から連結状態にするように切替アクチュエータの駆動制御を行うのが原則である。クラッチ装置を機械的な連結状態にした方が、運転者の操舵に係る運転意図を適確に伝えられると考えられるからである。
ところが、これには例外がある。例えば、環状内歯歯車と遊星歯車との間、又は、太陽歯車と遊星歯車との間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合がそれである。かかる場合に、クラッチ装置を切離状態から連結状態に切替えると、異物の噛み込み部分に大きな負荷がかかる。その結果、異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を招来するおそれがある。
そこで、(5)に係る発明では、環状内歯歯車、遊星キャリア、及び、太陽歯車(以下、“遊星歯車機構に属する歯車等”と呼ぶ場合がある)の同期回転に起因しクラッチ装置が異常状態にある旨の診断が下された場合に、制御部は、クラッチ装置を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように切替アクチュエータの駆動制御を行うこととした。
(5)に係る発明によれば、(4)に係る発明の作用効果に加えて、仮に、遊星歯車機構に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を期待することができる。
また、(6)に係る発明は、(5)に係る発明であって、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記制御部は、前記操舵部材に係る操舵角に対する前記目標転舵角の比である舵角比を、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる、ことを特徴とする。
(6)に係る発明によれば、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、制御部は、舵角比を、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させるため、仮に、遊星歯車機構に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を一層期待することができる。
また、(7)に係る発明は、(5)に係る発明であって、前記異常診断部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記目標転舵角及び前記転舵輪の実転舵角間の偏差が大きいほど、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を前記異常診断部が下す際に用いる前記偏差に係るしきい値を緩和させる、ことを特徴とする。
(7)に係る発明によれば、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、目標転舵角及び転舵輪の実転舵角間の偏差が大きいほど、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部が下す際に用いる前記偏差に係るしきい値を緩和させるため、(5)に係る発明の作用効果に加えて、目標転舵角及び転舵輪の実転舵角間の偏差が前記偏差に係るしきい値を超えることに起因し操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部が下すタイミングを、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて遅らせることができる。
また、(8)に係る発明は、(6)に係る発明であって、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記制御部は、前記操舵部材に係る操舵角に対する前記目標転舵角の比である舵角比を、前記環状内歯歯車及び前記遊星キャリアの同期回転を維持するように設定することを特徴とする。
(8)に係る発明によれば、環状内歯歯車、遊星キャリア、及び、太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合、つまり、ステアバイワイヤモードでの操舵制御中に何らかの異常が生じた場合に、制御部は、環状内歯歯車及び遊星キャリアの同期回転を維持するように舵角比を設定するため、仮に、遊星歯車機構に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を期待することができる。
また、(9)に係る発明は、(5)〜(7)のいずれか一に係る発明であって、前記制御部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記操舵反力モータ又は前記転舵モータのうち少なくともいずれか一方の駆動力を、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる制御を行う、ことを特徴とする。
(9)に係る発明によれば、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータ又は転舵モータのうち少なくともいずれか一方の駆動力を、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる制御を行うため、クラッチ装置が有する遊星歯車機構に伝わる操舵反力又は転舵力を、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させることができる。その結果、仮に、遊星歯車機構に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果をより一層期待することができる。
また、(10)に係る発明は、(5)〜(8)のいずれか一に係る発明であって、前記制御部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記操舵反力モータの駆動を停止させると共に前記転舵モータを駆動させる制御を行う、ことを特徴とする。
(10)に係る発明によれば、遊星歯車機構に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータの駆動を停止させると共に転舵モータを駆動させる制御を行うため、クラッチ装置が有する遊星歯車機構に対する操舵反力の伝達を絶つと共に、転舵モータの転舵力を用いて転舵輪を転舵させることができる。その結果、仮に、遊星歯車機構に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置が異常状態に陥っている場合であっても、クラッチ装置が有する遊星歯車機構に伝わる力を可及的に抑制しながら、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を高めることができる。
本発明によれば、操舵部と転舵部との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の操舵モードがステアバイワイヤ(SBW)モードである際の制御装置の動作説明に供するフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成図である。
車両用操舵装置11は、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の操舵装置である。この車両用操舵装置11は、後記する転舵モータ29の駆動により転舵力を発生させる機能(SBWモード)、例えば後記する操舵反力モータ16の失陥時において、転舵モータ29の駆動により運転者の手動による操舵に係る補助力を発生させる電動パワーステアリング(Electronic Power steering:EPS)機能(EPSモード)、並びに、例えば操舵反力モータ16及び転舵モータ29の失陥時において、運転者の手動による操舵を行わせる機能(マニュアルステアリングモード)を有する。
前記の諸機能を実現するために、車両用操舵装置11は、図1に示すように、ステアリングホイール13と、操舵反力発生装置15と、転舵装置17と、クラッチ装置19と、を備える。車両用操舵装置11は、車両Vに搭載されている。車両Vは、一対の転舵輪21a,21bを備える。
ステアリングホイール13は、運転者の運転意図にしたがって操作される部材である。ステアリングホイール13は、本発明の“操舵部材”に相当する。ステアリングホイール13には、操舵軸23が設けられている。操舵軸23は、運転者によるステアリングホイール13の操作にしたがって、軸周りに回転するように構成されている。
操舵反力発生装置15は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ステアリングホイール13を握る運転者の手元に操舵に係る反力(手応え)を発生させる機能を有する。操舵反力発生装置15は、操舵反力モータ16を有する。操舵反力モータ16には、操舵軸23が連結されている。操舵反力モータ16は、操舵軸23を軸周りに回転させるための操舵トルクを発生させる。これにより、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、ステアリングホイール13を握る運転者の手元には、操舵に係る反力(手応え)が伝えられるようになっている。
ステアリングホイール13、操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15、及び操舵軸25は、本発明の“操舵部”に相当する。
転舵装置17は、ラック・アンド・ピニオン機構(不図示)を介して、転舵軸25の回転運動をラック軸27の直線運動に変換する機能を有する。転舵装置17は、転舵モータ29を有する。転舵モータ29には、転舵軸25及びラック軸27が連結されている。転舵モータ29は、ラック軸27を軸方向に沿って直線運動させるための転舵トルクを発生させる。ラック軸27には、図示しないタイロッドを介して一対の転舵輪21a,21bが連結されている。一対の転舵輪21a,21bは、ラック軸27の直線運動によって転舵されるようになっている。
転舵軸25、ラック軸27、及び、転舵モータ29を有する転舵装置17は、本発明の“転舵部”に相当する。
クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を結合し又は切り離す機能を有する。こうした機能を実現するために、クラッチ装置19は、遊星歯車機構31を備える。この遊星歯車機構31は、環状内歯歯車31aと、遊星歯車31bと、太陽歯車31cと、遊星キャリア31dと、を有して構成されている。
また、クラッチ装置19は、ロック用環状歯車33及びロック装置35を備える。ロック装置35は、ロック用環状歯車33の歯溝に係脱自在に設けられるロックピン39と、ロックピン39を進退方向に往復駆動する電磁ソレノイド37と、から構成される。ロックピン39は、本発明の“ロック部材”に相当する。
環状内歯歯車31aは、操舵軸23のうち転舵装置17の側端部に固定され、操舵軸23と同軸の軸周りに操舵軸23と一体に回転するように構成される。太陽歯車31cは、転舵軸25と同軸の回転軸周りに自在に回転するように構成される。遊星歯車31bは、環状内歯歯車31a及び太陽歯車31c間に設けられた周回状の間隙に、環状内歯歯車31a及び太陽歯車31cのそれぞれに係合するように、相互に均等な間隔を置いて複数(例えば3つなど)設けられる。複数の遊星歯車31bのそれぞれは、転舵軸25と同軸の軸周りに転舵軸23と一体に回転する遊星キャリア31dに対して回転自在に軸支されている。
ロック用環状歯車33は、外歯歯車である。ロック用環状歯車33は、太陽歯車31cと同軸の軸周りに太陽歯車31cと一体に回転するように構成される。ロックピン39は、不図示の付勢手段によって、ロック用環状歯車33に近接する方向に付勢されている。ロックピン39がロック用環状歯車33の歯溝に係合すると、ロック用環状歯車33の回転運動が規制されるようになっている。
電磁ソレノイド37は、励磁電流の供給によってロックピン39を引き込むように変位させることで、ロックピン39とロック用環状歯車33との係合を解除するように動作する。電磁ソレノイド37は、本発明の“切替アクチュエータ”に相当する。
ロック装置35は、制御装置40から送られてくる制御信号にしたがって動作するように構成される。制御装置40は、電磁ソレノイド37に励磁電流を供給することで、ロック用環状歯車33に対するロックピン39の係合を解除するように動作する。
次に、クラッチ装置19の作用について説明する。ロックピン39がロック用環状歯車33の歯溝に係合すると、ロック用環状歯車33と同軸の軸周りにロック用環状歯車33と一体に回転する太陽歯車31cの回転運動が規制される。
太陽歯車31cの回転運動が規制された状態で、運転者がステアリングホイール13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って環状内歯歯車31aが回転する。このとき、太陽歯車31cの回転運動が規制されているため、遊星歯車31bは自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転する。遊星歯車31bの公転によって、遊星歯車31bを軸支する遊星キャリア31d及びこの遊星キャリア31dと一体に回転する転舵軸25が回転する。
要するに、ロックピン39がロック用環状歯車33の歯溝に係合した状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を結合する結合状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられる。
一方、ロック用環状歯車33の歯溝に対するロックピン39の係合が解除されると、ロック用環状歯車33と一体に回転する太陽歯車31cは回転自在な状態になる。
太陽歯車31cが回転自在な状態で、運転者がステアリングホイール13を操作すると、操舵軸23の回転に伴って環状内歯歯車31aが回転する。このとき、遊星歯車31bは、自転しながら太陽歯車31cの周囲を公転しようとする。しかし、遊星キャリア31dには、転舵軸25及びラック軸27を介して転舵輪21a,21bが連結されている。このため、遊星キャリア31dの回転に対する抵抗力は、回転自在の状態にある太陽歯車31cの回転に対する抵抗力と比べてはるかに大きい。したがって、遊星歯車31bが自転すると、太陽歯車31cの方が回転(自転)し、遊星キャリア31dは回転しない。つまり、転舵軸25は回転しない。
要するに、ロック用環状歯車33の歯溝に対するロックピン39の係合が解除された状態では、クラッチ装置19は、操舵軸23及び転舵軸25の間を切り離した切離状態になる。このとき、操舵軸23の回転力は、転舵軸25へと伝えられない。
次に、制御装置40に対する入出力系統について説明する。
制御装置40には、入力系統として、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ43、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、ラックストロークセンサ49、車速センサ51、ヨーレートセンサ53、加速度センサ55、第1回転角センサ57、及び、第2回転角センサ59が接続されている。
操舵角センサ41及び操舵トルクセンサ43は、操舵軸23に設けられている。操舵角センサ41は、運転者によるステアリングホイール13の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。操舵角センサ41は、本発明の“操舵角検出部”に相当する。また、操舵トルクセンサ43は、運転者によるステアリングホイール13の操舵トルクを検出し、検出した操舵トルク情報を制御装置40に与える。
操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16に設けられている。操舵反力モータレゾルバ45は、操舵反力モータ16の回転動作量(操舵角)を検出し、検出した操舵角情報を制御装置40に与える。操舵反力モータレゾルバ45は、本発明の“操舵角検出部”に相当する。
転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29に設けられている。転舵モータレゾルバ47は、転舵モータ29の回転動作量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。転舵モータレゾルバ47は、本発明の“転舵角検出部”に相当する。
ラックストロークセンサ49は、ラック軸27に設けられている。ラックストロークセンサ49は、ラック軸27の直線移動量(転舵角)を検出し、検出した転舵角情報を制御装置40に与える。ラックストロークセンサ49は、本発明の“転舵角検出部”に相当する。
車速センサ51は、車両Vの速度(車速)を検出し、検出した車速情報を制御装置40に与える。ヨーレートセンサ53は、車両Vのヨーレートを検出し、検出したヨーレート情報を制御装置40に与える。そして、加速度センサ55は、車両Vの横加速度(横G)及び縦加速度(縦G)を検出し、検出した横G情報及び縦G情報を制御装置40に与える。
第1及び第2回転角センサ57,59は、ロック用環状歯車33(太陽歯車31c)の回転方向及び回転動作量(回転角)を検出し、検出した回転角情報を制御装置40に与える。第1及び第2回転角センサ57,59としては、例えば、ロック用環状歯車33(太陽歯車31c)の回転角を非接触で検出可能なタイプのセンサを好適に用いることができる。第1及び第2回転角センサ57,59は、本発明の“回転角検出部”に相当する。
一方、制御装置40には、出力系統として、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37が接続されている。
制御装置40は、入力系統を介して入力した検出信号、及び、車両用操舵装置11の各種構成部材に係る異常診断結果などに基づいて、車両用操舵装置11の操舵モードを、SBWモード、EPSモード、又は、マニュアルステアリングモードのいずれかに決定する機能、決定した操舵モードにしたがって、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御を行うための制御信号をそれぞれ生成する機能、並びに、生成した制御信号に基づいて、操舵反力モータ16、転舵モータ29、及び、電磁ソレノイド37の駆動制御を行う機能を有する。
制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、操舵反力モータ16の駆動制御を行うことにより、ステアリングホイール13を握る運転者の手元に対し、適切な操舵に係る反力(手応え)を伝えるように動作する。
また、制御装置40は、車両用操舵装置11がSBWモードで動作している際に、転舵モータ29の駆動制御を行うことにより、運転者の運転意図にしたがって転舵輪21a,21bを転舵するように動作する。
さらに、制御装置40は、SBWモードでの操舵制御を実行中に、例えば、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行う機能を有する。
詳しく述べると、制御装置40は、角度検出値取得部61、異常診断部63、及び、駆動制御部65を備えて構成される。
角度検出値取得部61は、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59のそれぞれで検出された角度検出値を取得する機能を有する。
異常診断部63は、車両用操舵装置11が有する操舵機能を維持するために不可欠な構成要素(操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置15、転舵モータ29を有する転舵装置17、及び、制御装置40など)の稼働状況を調査し、その調査結果に基づいて、操舵機能を維持可能か否かに係る診断を行う。
詳しく述べると、異常診断部63は、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31c(以下、“遊星歯車機構31に属する歯車等”と呼ぶ場合がある)が同期回転しているか否かを判定し、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、クラッチ装置19が異常状態にある旨の診断を下すように動作する。
具体的には、異常診断部63は、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値を横並びに対比し、これらの角度検出値が、予め適宜定められる回転ゆれ許容範囲内に収束している場合に、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の診断を下すように動作する。
駆動制御部65は、原則として、操舵機能を維持不能である旨の診断が下された場合に、クラッチ装置19を切離状態から連結状態に切り替えて、非SBWモードによる操舵制御を行う。ここで、非SBWモードによる操舵制御とは、クラッチ装置19の連結状態で行われる、EPSモード又はマニュアルステアリングモードのうちいずれかの操舵モードによる操舵制御を意味する。いかなるケースにおいてEPSモード又はマニュアルステアリングモードのうちいずれの操舵モードが選択されるのかについては、本発明の主題から離れるため、その説明を省略する。
ただし、駆動制御部65は、遊星歯車機構31に属する歯車等の同期回転に起因しクラッチ装置19が異常状態にある旨の診断が下された場合に、クラッチ装置19を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように電磁ソレノイド37の駆動制御を行う。
次に、車両用操舵装置11の操舵モードがSBWモードである際の制御装置40の動作について、図2を参照して説明する。図2は、車両用操舵装置11の操舵モードがSBWモードである際の制御装置40の動作説明に供するフローチャート図である。
ステップS11〜S13において、制御装置40の角度検出値取得部61は、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59のそれぞれで検出された角度検出値を順次取得する。
ステップS14において、制御装置40の異常診断部63は、ステップS11〜S13で取得した角度検出値に基づいて、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転しているか否かを調べる。ステップS14の判定の結果、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない(クラッチ装置19は正常に動作している)旨の判定が下された場合(ステップS14の“No”)、制御装置40は、処理の流れをステップS11へ戻し、以降の処理を順次行わせる。一方、ステップS14の判定の結果、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合(ステップS14の“Yes”)、制御装置40は、処理の流れを次のステップS15へと進ませる。
ステップS15において、制御装置40の異常診断部63は、遊星歯車機構31に属する歯車等の同期回転に起因してクラッチ装置19が異常状態にある旨の診断を下す。
ステップS16において、制御装置40の駆動制御部65は、クラッチ装置19を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように電磁ソレノイド37の駆動制御を行う。
ステップS17において、制御装置40の駆動制御部65は、操舵反力モータ16の駆動を停止させると共に、転舵モータ29を駆動させる制御を行う。これは、クラッチ装置19が有する遊星歯車機構31に対する操舵反力の伝達を絶つと共に、転舵モータ29の転舵力を用いて転舵輪21a,21bを転舵させることに基づく。その後、制御装置40は、処理の流れをステップS11へと戻し、以降の処理を順次行わせる。
なお、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している状態が解消した場合、車両用操舵装置11の動作モードを、操舵反力モータ16及び転舵モータ29の両者を駆動させる通常のSBWモードに戻すように構成してもよい。
〔本発明の実施形態に係る車両用操舵装置11の作用効果〕
第1の観点(請求項1に対応)に基づく車両用操舵装置11では、車両Vの転舵輪21a,21bを転舵する際に操作されるステアリングホイール(操舵部材)13に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置(操舵部)15と、ステアリングホイール13に係る操舵角を検出する操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45と、転舵輪21a,21bに対して転舵力を付与する転舵モータ29を有し、転舵輪21a,21bを転舵するための転舵装置(転舵部)17と、転舵輪21a,21bに係る転舵角を検出する転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47と、操舵反力発生装置(操舵部)15及び転舵装置(転舵部)17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37を有するクラッチ装置19と、少なくとも、操舵反力発生装置(操舵部)15、転舵装置(転舵部)17、及び、クラッチ装置19の異常診断を行う異常診断部63と、を備える。
クラッチ装置19は、環状内歯歯車31a、太陽歯車31c、及び、遊星キャリア31dに回動自在に支持される遊星歯車31bを有する遊星歯車機構31と、太陽歯車31cに連動するように設けられるロック用環状歯車33と、を有する。
環状内歯歯車31aは、遊星歯車31bを介して遊星キャリア31d及び太陽歯車31cに連結されると共に、操舵反力発生装置(操舵部)15又は転舵装置(転舵部)17のうちいずれか一方に連動するように設けられる。遊星キャリア31dは、遊星歯車31bを介して環状内歯歯車31a及び太陽歯車31cに連結されると共に、操舵反力発生装置(操舵部)15又は転舵装置(転舵部)17のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられる。
そして、異常診断部63は、操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45及び転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行う。
第1の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かに係る判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行うため、操舵部15と転舵部17との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、第2の観点(請求項2に対応)に基づく車両用操舵装置11では、車両Vの転舵輪21a,21bを転舵する際に操作されるステアリングホイール(操舵部材)13に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータ16を有する操舵反力発生装置(操舵部)15と、ステアリングホイール13に係る操舵角を検出する操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45と、転舵輪21a,21bに対して転舵力を付与する転舵モータ29を有し、転舵輪21a,21bを転舵するための転舵装置(転舵部)17と、転舵輪21a,21bに係る転舵角を検出する転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47と、操舵反力発生装置(操舵部)15及び転舵装置(転舵部)17の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37を有するクラッチ装置19と、クラッチ装置19を切離状態にした状態で、転舵輪21a,21bの実転舵角を、少なくともステアリングホイール13の操舵角に基づき設定される目標転舵角に追従させるように転舵モータ29を駆動すると共に、転舵装置(転舵部)17の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように操舵反力モータ16を駆動するステアバイワイヤモードでの操舵制御を、少なくとも実行可能な駆動制御部(制御部)65と、少なくとも、操舵反力発生装置(操舵部)15、転舵装置(転舵部)17、及び、クラッチ装置19の異常診断を行う異常診断部63と、を備える。
クラッチ装置19は、環状内歯歯車31a、太陽歯車31c、及び、遊星キャリア31dに回動自在に支持される遊星歯車31bを有する遊星歯車機構31と、太陽歯車31cに連動するように設けられるロック用環状歯車33と、ロック用環状歯車33の歯溝に係脱自在に設けられ、電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37と連係動作するロックピン(ロック部材)39と、を有する。
環状内歯歯車31aは、遊星歯車31bを介して遊星キャリア31d及び太陽歯車31cに連結されると共に、操舵反力発生装置(操舵部)15又は転舵装置(転舵部)17のうちいずれか一方に連動するように設けられる。遊星キャリア31dは、遊星歯車31bを介して環状内歯歯車31a及び太陽歯車31cに連結されると共に、操舵反力発生装置(操舵部)15又は転舵装置(転舵部)17のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられる。
そして、異常診断部63は、駆動制御部65がステアバイワイヤモードでの操舵制御を実行中に、操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45及び転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行う。
第2の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、第1の観点に基づく車両用操舵装置11と同様に、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かに係る判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行うため、操舵部15と転舵部17との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、第3の観点(請求項3に対応)に基づく車両用操舵装置11では、ロック用環状歯車33の回転角を検出する第1及び第2回転角センサ(回転角検出部)57,59をさらに有し、異常診断部63は、操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)45、転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)47、並びに、第1及び第2回転角センサ(回転角検出部)57,59の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、クラッチ装置19の異常診断を行う、構成を採用してもよい。
また、第3の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、第1及び第2の観点に基づく車両用操舵装置11と同様に、操舵部15と転舵部17との間が唐突に機械的な連結状態に陥った場合であっても、その原因を適確に診断することができる。
また、第4の観点(請求項4に対応)に基づく車両用操舵装置11では、環状内歯歯車31aは、遊星歯車31bを介して遊星キャリア31d及び太陽歯車31cに連結されると共に、操舵反力発生装置(操舵部)15に連動するように設けられ、遊星キャリア31dは、遊星歯車31bを介して環状内歯歯車31a及び太陽歯車31cに連結されると共に、転舵装置(転舵部)17に連動するように設けられる、構成を採用してもよい。
第4の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、環状内歯歯車31aが操舵部15に連動するように設けられる一方、遊星キャリア31dが転舵部17に連動するように設けられるため、第1の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、ステアバイワイヤモードにおいて、運転者がステアリングホイール13を操作する際に要する力を軽減することができる。
また、第5の観点(請求項5に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)65は、電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37の駆動制御を行う機能をさらに有し、異常診断部63は、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、クラッチ装置19が異常状態にある旨の診断を下し、駆動制御部(制御部)65は、クラッチ装置19が異常状態にある旨の診断が下された場合に、クラッチ装置19を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37の駆動制御を行う、構成を採用してもよい。
ステアバイワイヤモードでの操舵制御中に、クラッチ装置19が異常状態にある旨の診断が下される等、操舵機能に何らかの異常が生じた場合、駆動制御部(制御部)65は、クラッチ装置19を切離状態から連結状態にするように電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37の駆動制御を行うのが原則である。クラッチ装置19を機械的な連結状態にした方が、運転者の操舵に係る運転意図を適確に伝えられると考えられるからである。
ところが、これには例外がある。例えば、環状内歯歯車31aと遊星歯車31bとの間、又は、太陽歯車31cと遊星歯車31bとの間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合がそれである。かかる場合に、クラッチ装置19を切離状態から連結状態に切替えると、異物の噛み込み部分に大きな負荷がかかる。その結果、異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を招来するおそれがある。
そこで、第5の観点に基づく車両用操舵装置11では、遊星歯車機構31に属する歯車等の同期回転に起因しクラッチ装置19が異常状態にある旨の診断が下された場合に、駆動制御部(制御部)65は、クラッチ装置19を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)37の駆動制御を行うこととした。
第5の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、第3の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、仮に、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を期待することができる。
なお、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合とは、操舵機能に異常が生じた状態である。かかる異常状態を除くため、当該車両Vは、サービス施設で保守点検を受けることになる。したがって、本件発明が適用される場面は、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じた時点から、当該車両Vが自走によりサービス施設に到達する時点までとなる。
また、第6の観点(請求項6に対応)に基づく車両用操舵装置11では、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、駆動制御部(制御部)65は、ステアリングホイール13に係る操舵角に対する目標転舵角の比である舵角比を、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる、構成を採用してもよい。
第6の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、駆動制御部(制御部)65は、舵角比を、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させるため、仮に、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を一層期待することができる。
また、第7の観点(請求項7に対応)に基づく車両用操舵装置11では、異常診断部63は、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、目標転舵角及び転舵輪21a,21bの実転舵角間の偏差が大きいほど、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部63が下す際に用いる前記偏差に係るしきい値を緩和させる、構成を採用してもよい。
第7の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、目標転舵角及び転舵輪21a,21bの実転舵角間の偏差が大きいほど、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部63が下す際に用いる前記偏差に係るしきい値を緩和させるため、第3の観点に基づく車両用操舵装置11の作用効果に加えて、目標転舵角及び転舵輪21a,21bの実転舵角間の偏差が前記偏差に係るしきい値を超えることに起因し操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部63が下すタイミングを、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて遅らせることができる。
ちなみに、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を異常診断部63が下した場合、駆動制御部65は、車両用操舵装置11の電源を遮断する制御を行うことになる。この点、第5の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、そのような事態に陥るタイミングを、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて遅らせることができる。
また、第8の観点(請求項8に対応)に基づく車両用操舵装置11では、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、駆動制御部(制御部)65は、ステアリングホイール13に係る操舵角に対する目標転舵角の比である舵角比を、環状内歯歯車31a及び遊星キャリア31dの同期回転を維持するように設定するため、仮に、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を一層期待することができる。
また、第9の観点(請求項9に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)65は、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータ16又は転舵モータ29のうち少なくともいずれか一方の駆動力を、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる制御を行う、ことを特徴とする。
第9の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータ16又は転舵モータ29のうち少なくともいずれか一方の駆動力を、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる制御を行うため、クラッチ装置19が有する遊星歯車機構31に伝わる操舵反力又は転舵力を、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させることができる。その結果、仮に、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合であっても、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果をより一層期待することができる。
また、第10の観点(請求項10に対応)に基づく車両用操舵装置11では、駆動制御部(制御部)65は、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータ16の駆動を停止させると共に転舵モータ29を駆動させる制御を行う、ことを特徴とする。
第10の観点に基づく車両用操舵装置11によれば、遊星歯車機構31に属する歯車等が同期回転している旨の判定が下された場合に、操舵反力モータ16の駆動を停止させると共に転舵モータ29を駆動させる制御を行うため、クラッチ装置19が有する遊星歯車機構31に対する操舵反力の伝達を絶つと共に、転舵モータ29の転舵力を用いて転舵輪21a,21bを転舵させることができる。その結果、仮に、遊星歯車機構31に属する歯車間に異物の噛み込みが生じることでクラッチ装置19が異常状態に陥っている場合であっても、クラッチ装置19が有する遊星歯車機構31に伝わる力を可及的に抑制しながら、その異物の噛み込み度合いが重篤になる事態を回避する効果を高めることができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
すなわち、本発明に係る実施形態の説明中、制御装置40は、SBWモードでの操舵制御を実行中に、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定する構成を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。
例えば、制御装置40は、操舵反力モータレゾルバ45、転舵モータレゾルバ47、並びに、第1及び第2回転角センサ57,59の角度検出値の時間変化に基づいてそれぞれの角速度を算出し、算出したそれぞれの角速度値に基づいて、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転しているか否かを判定する構成を採用してもよい。この場合において、算出したそれぞれの角速度値がほぼ横並びの値を呈する際に、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cが同期回転している旨の判定を下すように構成すればよい。
なお、本発明の実施形態に係る遊星歯車機構31では、この遊星歯車機構31を構成する環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び太陽歯車31cの3要素のうちいずれか2要素が同期回転していれば、残りの1要素も同期回転している特性を有する。そこで、この特性を利用して、例えば、環状内歯歯車31a及び遊星キャリア31dが同期回転している旨の判定が下された際に、環状内歯歯車31a、遊星キャリア31d、及び、太陽歯車31cの3要素が同期回転している旨の判定を下す構成を採用してもよい。
11 車両用操舵装置
13 ステアリングホイール(操舵部材)
15 操舵反力発生装置(操舵部)
16 操舵反力モータ
17 転舵装置(転舵部)
19 クラッチ装置
21a,21b 転舵輪
29 転舵モータ
31 遊星歯車機構
31a 環状内歯歯車
31b 遊星歯車
31c 太陽歯車
31d 遊星キャリア
33 ロック用環状歯車
37 電磁ソレノイド(切替アクチュエータ)
39 ロックピン(ロック部材)
41 操舵角センサ(操舵角検出部)
45 操舵反力モータレゾルバ(操舵角検出部)
47 転舵モータレゾルバ(転舵角検出部)
49 ラックストロークセンサ転舵角検出部)
57 第1回転角センサ(回転角検出部)
59 第2回転角センサ(回転角検出部)
63 異常診断部
65 駆動制御部(制御部)
V 車両

Claims (10)

  1. 車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータを有する操舵部と、
    前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記転舵輪に対して転舵力を付与する転舵モータを有し、当該転舵輪を転舵するための転舵部と、
    前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、
    前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、
    少なくとも、前記操舵部、前記転舵部、及び、前記クラッチ装置の異常診断を行う異常診断部と、を備え、
    前記クラッチ装置は、
    環状内歯歯車、太陽歯車、及び、遊星キャリアに回動自在に支持される遊星歯車を有する遊星歯車機構と、
    前記太陽歯車に連動するように設けられるロック用環状歯車と、を有し、
    前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうちいずれか一方に連動するように設けられ、
    前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられ、
    前記異常診断部は、前記操舵角検出部及び前記転舵角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 車両の転舵輪を転舵する際に操作される操舵部材に対して操舵反力を付与可能な操舵反力モータを有する操舵部と、
    前記操舵部材に係る操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記転舵輪に対して転舵力を付与する転舵モータを有し、当該転舵輪を転舵するための転舵部と、
    前記転舵輪に係る転舵角を検出する転舵角検出部と、
    前記操舵部及び前記転舵部の間を機械的な連結状態にし又は切離状態にする動作を行う切替アクチュエータを有するクラッチ装置と、
    前記クラッチ装置を切離状態にした状態で、前記転舵輪の実転舵角を、少なくとも前記操舵部材の操舵角に基づき設定される目標転舵角に追従させるように前記転舵モータを駆動すると共に、前記転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力モータを駆動するステアバイワイヤモードでの操舵制御を、少なくとも実行可能な制御部と、
    少なくとも、前記操舵部、前記転舵部、及び、前記クラッチ装置の異常診断を行う異常診断部と、を備え、
    前記クラッチ装置は、
    環状内歯歯車、太陽歯車、及び、遊星キャリアに回動自在に支持される遊星歯車を有する遊星歯車機構と、
    前記太陽歯車に連動するように設けられるロック用環状歯車と、
    前記ロック用環状歯車の歯溝に係脱自在に設けられ、前記切替アクチュエータと連係動作するロック部材と、を有し、
    前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうちいずれか一方に連動するように設けられ、
    前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部又は前記転舵部のうち前記一方とは異なる他方に連動するように設けられ、
    前記異常診断部は、前記制御部が前記ステアバイワイヤモードでの操舵制御を実行中に、前記操舵角検出部及び前記転舵角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用操舵装置であって、
    前記ロック用環状歯車の回転角を検出する回転角検出部をさらに有し、
    前記異常診断部は、前記操舵角検出部、前記転舵角検出部、及び、前記回転角検出部の角度検出値に基づいて、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記クラッチ装置の異常診断を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用操舵装置であって、
    前記環状内歯歯車は、前記遊星歯車を介して前記遊星キャリア及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記操舵部に連動するように設けられ、
    前記遊星キャリアは、前記遊星歯車を介して前記環状内歯歯車及び前記太陽歯車に連結されると共に、前記転舵部に連動するように設けられる、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項4に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記切替アクチュエータの駆動制御を行う機能をさらに有し、
    前記異常診断部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記クラッチ装置が異常状態にある旨の診断を下し、
    前記制御部は、前記クラッチ装置が異常状態にある旨の診断が下された場合に、当該クラッチ装置を切離状態から連結状態にする動作を禁止するように前記切替アクチュエータの駆動制御を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項5に記載の車両用操舵装置であって、
    前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記制御部は、前記操舵部材に係る操舵角に対する前記目標転舵角の比である舵角比を、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項5に記載の車両用操舵装置であって、
    前記異常診断部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記目標転舵角及び前記転舵輪の実転舵角間の偏差が大きいほど、操舵制御系統が異常状態にある旨の診断を前記異常診断部が下す際に用いる前記偏差に係るしきい値を緩和させる、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項6に記載の車両用操舵装置であって、
    前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記制御部は、前記操舵部材に係る操舵角に対する前記目標転舵角の比である舵角比を、前記環状内歯歯車及び前記遊星キャリアの同期回転を維持するように設定する
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  9. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記操舵反力モータ又は前記転舵モータのうち少なくともいずれか一方の駆動力を、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転していない旨の判定が下された場合と比べて低減させる制御を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
  10. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の車両用操舵装置であって、
    前記制御部は、前記環状内歯歯車、前記遊星キャリア、及び、前記太陽歯車が同期回転している旨の判定が下された場合に、前記操舵反力モータの駆動を停止させると共に前記転舵モータを駆動させる制御を行う、
    ことを特徴とする車両用操舵装置。
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