JP2016096726A - 畜産動物用飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物の免疫グロブリンG産生を増強することができる畜産動物用飼料を提供する。【解決手段】海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られるカルシウム強化海洋ミネラル複合体を含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、畜産動物用飼料及びその製造方法に関する。
従来、ミネラルは、食品として利用される他、畜産動物用飼料にも広く利用されてきた。ミネラルの中でも、海洋ミネラルは、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等の常量元素に加え、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)等の生体内必須微量元素が含まれているため、各種治療剤や飼料に有用に用いられてきた。
海洋ミネラルを添加した畜産動物用飼料として、例えば、特許文献1には、海水中のピコプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水の濃縮液を酢酸で処理し、塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られる、キレート化されたミネラル分を含む残留物からなる常量及び生体内必須微量元素含有海洋ミネラル複合体を有効成分とする畜産動物飼料添加剤が記載されている。
また、特許文献2には、海水中のピコプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られる、カルシウム強化海洋ミネラル複合体を有効成分として含有する抗ストレス剤が記載されている。
一方、動物のウイルスや病原性細菌による感染症は免疫機能の不全又は免疫力の低下によるものであることが知られている。また、ウイルスや病原性細菌と結合することができる免疫グロブリン(Ig)が、感染症から身を守るために動物の生体に必要不可欠なものであることも知られている。免疫グロブリンには、IgM、IgA、IgE、IgD、IgGの5種類があり、この中で、IgGは、動物の生体内に最も多く含まれている免疫グロブリンである。IgGの移行経路は動物によって異なっており、ヒト及び霊長類の場合、胎盤を通じて母親の血液中のIgGが子へ移行するため、子は母親と同質且つ同レベルのIgGを有する。一方、豚、牛、馬、羊などの畜産動物では、胎盤を通じてIgGが移行せず、母親の初乳を飲むことによってIgGが母親から子へ移行することになるが、受け取るIgGが少ない場合や、IgGの吸収能力が低い場合、子が死亡することがある。よって、畜産動物を感染症から守るために、畜産動物のIgG産生を増強することが望まれている。また、畜産動物の感染症の治療又は予防にワクチンを用いる場合には、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物のIgG産生を増強することも求められている。
特開2010−88311号公報 特開2012−46432号公報
上記のように、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物の免疫グロブリンG(IgG)産生を増強することが望まれている。それ故、本発明は、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物のIgG産生を増強することができる畜産動物用飼料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の海洋ミネラル成分を含む畜産動物用飼料により、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物のIgG産生を増強することができることを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られるカルシウム強化海洋ミネラル複合体を含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料。
(2)畜産動物が豚である(1)の畜産動物用飼料。
(3)海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去してカルシウム強化海洋ミネラル複合体を生成させることを含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料の製造方法。
本発明によれば、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物の免疫グロブリンG(IgG)産生を増強することができる畜産動物用飼料を得ることができる。
図1は、実施例における、試験区及び対照区の子豚の免疫グロブリンGの測定値を示す図である。 図2は、参考例における、カルシウム強化MCMの経口給与が単離ストレス付加採卵鶏ヒナの血中コルチコステロン濃度に与える影響を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の畜産動物用飼料は、カルシウム強化海洋ミネラル複合体(カルシウム強化MCM)を含む。
カルシウム強化MCMは、海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られる。得られたカルシウム強化MCMは、海水中のプランクトンによりキレート化されている。
カルシウム強化MCMの製造に用いることができる海水としては、例えば、水深約80〜120m程度の清浄な海水域から汲み上げた海水を用いることができる。表1に、典型的な黒潮海域(大洗沖)の海面下約100mで汲んだ清浄な海水18リットルに含まれる主要元素とその割合を示す。
Figure 2016096726
カルシウム強化MCMの製造に用いることができる炭酸カルシウムとしては、特に限定されずに、例えば、焼成した炭酸カルシウムを用いることができる。
炭酸カルシウム及び酢酸の海水濃縮液への添加は、特に限定されずに、炭酸カルシウム及び酢酸を同時に、別々に、又は順次に海水濃縮液へ添加することができるが、好ましくは、炭酸カルシウムに酢酸を投入したものを海水濃縮液に添加する。炭酸カルシウム及び酢酸を海水濃縮液へ添加する際、必要に応じてマグネシウム(Mg)などのミネラルを塩化物などの形で補強してもよい。また、不純物の吸着除去のために活性炭などの吸着剤を用いてもよい。
塩化ナトリウム及び有毒成分の除去は、例えば、酢酸を添加することによって行うことができる。
カルシウム強化MCMは、例えば、以下のようにして得られる。海水、好ましくは太陽光線の届く深度である水深約80〜120mの海水を通常150〜250L、好ましくは200L採取し、この原料海水を通常1/3〜2/3、好ましくは1/2になるまで加熱濃縮して海水濃縮液を得る。塩化マグネシウム及び活性炭を用いる場合、この海水濃縮液に、体積比で0.1〜0.3%、好ましくは0.2%の塩化マグネシウム及び0.0005〜0.002%、好ましくは0.001%の活性炭を添加し、約100℃に加熱する。そして、海水濃縮液に対する体積比10〜30%、好ましくは20%の炭酸カルシウムを約300〜500℃に焼成し、これに炭酸カルシウムに対して0.5〜1.5体積倍、好ましくはほぼ同体積の酢酸を投入して反応させた後、これを海水濃縮液に投入し全体を固形物とする。全体を固形物とするには、炭酸カルシウムに対してほぼ同体積の酢酸を投入したものを複数回に分け(通常8〜10回)、海水濃縮液に投入する。酢酸は含量98〜99.9%グレードの酢酸が好ましく用いられる。この固形物約30Lに原料海水40〜50L、好ましくは45Lを加えて固形物を含む流動体とした後、これを室温で100時間以上、好ましくは150〜350時間沈殿槽に置き塩化ナトリウム及び重金属を沈殿させる。これをろ過すると沈殿物と不純物を除去した透明な水溶物を得ることができる。ろ過はろ紙又は樹脂フィルターなどを用いて行うことができる。この水溶物を体積比で1/3〜1/5、好ましくは1/4に加熱濃縮し、室温で結晶化させ、加熱乾燥させることによりカルシウム強化海洋MCM結晶を得ることができる。結晶化は、通常、室温で40〜50日間行い、乾燥は、通常、乾燥機を使用して90℃で120〜180時間乾燥させる。これを粉砕後、フローター若しくは篩を使用して粒度を均一とし、通常10〜30メッシュのカルシウム強化MCMが得られる。
カルシウム強化MCMは、好ましくは、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)及びマンガン(Mn)から選ばれる1種以上を含む。ここで、カルシウム強化MCMに含まれるナトリウム(Na)は、原料海水中に含まれるNaのうち、塩化ナトリウムとして除去されずに残存したナトリウムである。
カルシウム強化MCM中のカルシウム(Ca)の含有量は、好ましくは、金属元素の全重量に対して40〜70重量%である。カルシウム強化MCMがカルシウムを高い含有量で含むことにより、本発明の飼料は、免疫グロブリンG産生を増強する効果に加えて、抗ストレス効果も示し、特に、糖質コルチコイドの分泌を抑制することができる。カルシウム強化MCM中の各金属元素の、金属元素の全重量に対する好ましい含有量は、ナトリウム(Na)は5〜30重量%であり、カリウム(K)は2.5〜20重量%であり、マグネシウム(Mg)は10〜30重量%である。また、カルシウム強化MCM中の鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)及びマンガン(Mn)の含有量は、通常、金属元素の全重量に対して2重量%未満の量である。カルシウム強化MCMが、各金属元素を上記の範囲の含有量で含むことにより、本発明の飼料は、高い免疫グロブリンG(IgG)産生能力及び高い抗ストレス効果を有する。
カルシウム強化MCMは、好ましくは、セレンを実質的に含まない。カルシウム強化MCM中のセレンの含有量は、好ましくは、50μg/カルシウム強化MCM1g未満である。これにより、飼料を低コストで製造することができる。
本発明の飼料は、カルシウム強化MCMの他に、通常の配合飼料に使用される原料を畜産動物の種類、発育ステージ、地域などの飼育環境に応じて適宜配合してもよい。かかる原料としては、例えば穀物類又は加工穀物類(トウモロコシ、マイロ、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、キビ、小麦粉、小麦胚芽粉など)、糟糠類(ふすま、米糠、コーングルテンフィードなど)、植物性油粕類(大豆油粕、ごま油粕、綿実油粕、落花生粕、ヒマワリ粕、サフラワー粕など)、動物性原料(脱脂粉乳、魚粉、肉骨粉など)、カルシウム強化MCM以外のミネラル類(リン酸カルシウム、無水ケイ酸など)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸など)、アミノ酸(グリシン、メチオニンなど)、ビール酵母などの酵母類、無機物質の微粉末(結晶性セルロース、タルク、シリカ、白雲母、ゼオライトなど)などが挙げられる。
本発明の飼料は、カルシウム強化MCMをそのまま用いたものであってもよく、また、カルシウム強化MCMに、配合飼料に通常使用される賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などの飼料用添加剤、所望によりその他の成分(抗生物質や殺菌剤、駆虫剤、防腐剤など)を配合して用いたものであってもよい。好ましくは、本発明の飼料は、カルシウム強化MCMをそのまま用いたものである。
本発明の飼料の形態は特に限定されるものではなく、例えば、粉末状、顆粒状、ペースト状、ペレット状、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル)、錠剤などが挙げられる。
本発明の飼料中のカルシウム強化MCMの配合量は特に限定されるものではなく、例えば、飼料全体の25〜100重量%、好ましくは40〜100重量%の範囲である。飼料中のカルシウム強化MCMの配合量がこの範囲であると、この飼料を給与した畜産動物において、高い免疫グロブリンG産生増強効果及び高い抗ストレス効果が得られる。しかし、上記配合量は、対象の畜産動物の種類、体重、飼育条件、給与方法などにより適宜調節できる。
本発明の飼料は、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料である。本発明の飼料は、ワクチンの活性を阻害せずに畜産動物の免疫グロブリンG産生を増強して、畜産動物の免疫力を向上させることができる点で優れる。よって、本発明の飼料は、感染症を治療又は予防するためのワクチンと併用することができる。また、本発明の飼料は、免疫グロブリンG産生を増強するために用いられるだけでなく、免疫グロブリンA産生を増強するためにも用いることができる。また、本発明の飼料は、水溶性カルシウムを高い含有量で含むため、畜産動物の抗ストレス性を向上させるための抗ストレス剤として用いることもでき、特に、糖質コルチコイドの分泌抑制剤として有用に用いることができる。さらに、本発明の飼料は、給与された畜産動物に良好な免疫力を付与するほか、その生産物(肉、卵)に多様な機能を付与することができるため、畜産動物の肉質を改善するために用いることもできる。
本発明の飼料の給与対象となる畜産動物は、特に限定されずに、例えば、豚、牛、馬、羊、鶏などが挙げられるが、好ましくは豚及び鶏であり、特に好ましくは豚である。また、本発明の飼料は、畜産動物の子の死亡率を減少させることができるため、畜産動物の子に給与することが好ましく、子豚に給与することがより好ましい。畜産動物の子とは、出生後、離乳食の摂取を経て、一般の餌が食べられるまでの間の畜産動物の子供のことであり、動物種によってそれぞれ異なるが、例えば、子豚とは、生後2ケ月以内の豚のことである。
本発明は、上記の畜産動物用飼料の製造方法にも関する。すなわち、本発明は、海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去してカルシウム強化海洋ミネラル複合体を生成させることを含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料の製造方法にも関する。
本発明は、上記の畜産動物用飼料を畜産動物に給与して飼育する、畜産動物の飼育方法も含む。本発明の飼料の畜産動物への給与は、該飼料の形態、用途、使用目的等に応じて、一般の飼料の給与方法に準じて行えばよく、特に限定はされない。本発明の畜産動物の飼育方法において、上記飼料の給与量は、対象とする畜産動物の種類、年齢若しくは日齢、性別等により適宜決定すればよい。給与時期も特に限定されるものではなく、畜産動物の飼育開始から終了の間に渡って継続して給与してもよいし、その間に断続的に給与してもよいし、特定の期間のみに継続して給与してもよい。また、給与時期を対象となる畜産動物やその産物の性質に応じて適宜決定してもよい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.カルシウム強化MCMの調製
黒潮海域(ひたちなか市沖)の海面下約100mの清浄な原料海水を200L採取し、これを加熱濃縮して100Lの海水濃縮液を得た。この海水濃縮液に体積比で0.2%の塩化マグネシウム、及び0.001%の活性炭を添加し、100℃に加熱した。別に、海水濃縮液に対する体積比20%の炭酸カルシウムを約400℃に焼成し、これに炭酸カルシウムと同体積の酢酸を投入して酢酸カルシウムに変化させた後、全体が固形物となるまで海水濃縮液に投入した。全体が固形物となるまでにこの操作を8回繰り返した。この固形物約30Lに原料海水45Lを加えて固形物を含む流動体とした後、これを室温で120時間沈殿槽に置き塩化ナトリウム及び重金属を沈殿させた。これをろ紙でろ過して沈殿物と不純物を除去した澄明な水溶物を得た。この水溶物を体積比で1/4に加熱濃縮後、室温で約3日間(冬期)〜約10日間(夏期)かけて結晶化させ、約90℃で150時間乾燥させることにより、カルシウムを強化した海洋ミネラル複合体(カルシウム強化MCM)結晶を得た。これを、粉砕後粒度を均一として、約20メッシュのカルシウム強化MCM約7kgを得た。表2に、調製したカルシウム強化MCMについて、カルシウム強化MCM100g当りの成分組成を分析した結果を示す。
Figure 2016096726
2.カルシウム強化MCMの豚への給与試験
調製したカルシウム強化MCMを畜産動物用飼料として豚に給与した。具体的には、試験区及び対照区のそれぞれについて、母豚3腹から各腹5頭ずつ産まれた計15頭ずつの子豚を試験対象とした。接種ワクチンとして、マイコミックス3(豚インフルエンザ・豚パスツレラ・マイコプラズマ・ハイオニューモニエ感染症混合不活化ワクチン)(微生物化学研究所製)を4週齢、7週齢時の子豚に接種した。試験区の子豚には、カルシウム強化MCMを水で1000倍に希釈したものを給与した。カルシウム強化MCM希釈液の子豚への給与は、哺乳中は、ボトル式給水器にて自由飲水させ、離乳後は、飲水自動添加機(ドサトロン)を用いて飲水添加することで給与した。対照区の子豚には、カルシウム強化MCMを含んでいない水を、試験区の子豚と同様の方法で給与した。
試験区及び対照区の各子豚を4週齢、7週齢、12週齢時に採血し、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンA(IgA)及び接種したワクチンについて抗体応答を調べた。試験区及び対照区の免疫グロブリンG(IgG)の測定結果を表3及び図1に示す。
Figure 2016096726
表3及び図1より、カルシウム強化MCMを給与することにより、豚の免疫グロブリンG(IgG)が有意に増加することが示された。免疫グロブリンA(IgA)については、試験区は対照区と比較して若干高かった。また、接種したワクチンについての抗体応答の結果から、カルシウム強化MCMは、ワクチンの活性を阻害しないことが示された。よって、カルシウム強化MCMを豚に給与することにより、ワクチンの活性を阻害せずに豚の免疫グロブリンG(IgG)産生を増強することができることが示された。
(参考例)
カルシウム強化MCMの採卵鶏ヒナに対する血中コルチコステロン分泌抑制作用試験(抗ストレス試験)
初生の採卵鶏雄ヒナ(Julia)を千葉県東金市三宅孵卵場より購入し、自由摂食で飼育した。飲水中にそれぞれ0.2%、1.0%のカルシウム強化MCMを混ぜたもの、及びカルシウム強化MCMを混ぜないものを用意し、自由飲水させた。4日間の群飼後、ヒナに単離ストレス(ヒナは集団で飼育している時はストレスを受けないが、単離することによりストレスを受ける。)を10分間暴露し、ストレスを付加した。ストレス付加後、静脈より採血し、鶏における糖質コルチコイドであるコルチコステロンをELISAにて測定し、血中コルチコステロン濃度を指標に、カルシウム強化MCMの抗ストレス効果を調べた。コルチコステロン濃度は、ポストホックテストとしてボンフェローニ(Bonferroni)法により有意差の検定を行った。その結果、カルシウム強化MCM給与区において血中コルチコステロン濃度が濃度依存的に有意に抑制されることが認められた。カルシウム強化MCMを混ぜないものを給与した対照区のコルチコステロン濃度を100とすると、0.2%MCM溶液給与区及び1%MCM溶液給与区のコルチコステロン濃度はそれぞれ52.6、23.9であった。このことから、カルシウム強化MCM給与区で単離ストレス条件下における血中コルチコステロン濃度の上昇が濃度依存的に有意に抑制されることが認められた。
表4及び図2に、カルシウム強化MCM経口給与が単離ストレス付加採卵鶏ヒナの血中コルチコステロン濃度に与える影響を示す。
Figure 2016096726
表4及び図2より、カルシウム強化MCMは、ストレス指標であるヒナの血中コルチコステロン濃度上昇を抑制することが明らかになった。

Claims (3)

  1. 海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去して得られるカルシウム強化海洋ミネラル複合体を含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料。
  2. 畜産動物が豚である請求項1の畜産動物用飼料。
  3. 海水中のプランクトンに由来する有機成分とその有機成分によりキレート化されたミネラル分を含有する海水濃縮液に、炭酸カルシウムと酢酸を加え、反応させて得られる固形物を含む流動体から塩化ナトリウム及び有毒成分を除去してカルシウム強化海洋ミネラル複合体を生成させることを含む、免疫グロブリンG産生を増強するための畜産動物用飼料の製造方法。
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