JP2016095960A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でバッテリケースに適度な量の液冷媒を収容することができ、走行効率の低下を抑制することができる電動車両を提供する。
【解決手段】電動車両10Aは、絶縁性の液冷媒である第1冷媒r1が直接接触することにより冷却されるバッテリセル64及びバッテリセル64を収容し第1冷媒r1が流通するバッテリケース74を有し、且つ電動機27に電力を供給するバッテリ26を備える。バッテリセル64の外表面の少なくとも一部には、第1冷媒r1よりも比重の小さい樹脂部材70、72が被覆されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両駆動用の電動機に電力を供給するバッテリを備える電動車両に関する。
電気自動車、内燃機関を搭載するハイブリッド自動車、及び燃料電池を搭載する燃料電池自動車等の電動車両は、車両駆動用の電動機に電力を供給するバッテリが搭載され、このバッテリは、放電時及び充電時に化学反応により発熱する。このようなバッテリの発熱、温度上昇を抑制することは、バッテリの動作特性の維持、及び寿命の低下を回避する上で重要である。
この種のバッテリにおいて、例えば、特許文献1には、バッテリセル(特許文献1では蓄電装置5と称している。)が収容されたバッテリケース内に液冷媒を流通させることにより当該バッテリセルを冷却する技術的思想が開示されている。
国際公開第2008/050736号パンフレット
ところで、バッテリセルの冷却に用いられる液冷媒としては、例えば、フロリナート(登録商標)(密度≒1800[kg/m3])等のフッ素系不活性液体が用いられることがある。
上述した特許文献1のようなバッテリにおいて、このような液冷媒をバッテリセルの外表面の略全てに直接接触するように流通させる場合、バッテリケースに収容される液冷媒の容量(体積)が必要以上に大きくなりバッテリの重量が増大することがある。そうすると、バッテリが搭載された電動車両の重量についても増大するため、電動車両の走行効率(電費)が低下するおそれがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、簡易な構成でバッテリケースに適度な量の液冷媒を収容することができ、これによって、走行効率の低下を抑制することができる電動車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動車両は、車両駆動用の電動機を備える電動車両において、絶縁性の液冷媒が直接接触することによって冷却されるバッテリセル及び前記バッテリセルを収容し前記液冷媒が流通するバッテリケースを有し、且つ前記電動機に電力を供給するバッテリを備え、前記バッテリセルの外表面の少なくとも一部には、前記液冷媒よりも比重の小さい樹脂部材が被覆されていることを特徴とする。
このような構成によれば、バッテリセルの外表面の少なくとも一部に樹脂部材を被覆しているので、このような樹脂部材を設けない場合と比較して、バッテリケースに収容される液冷媒の容量を減らすことができる。これにより、簡易な構成でバッテリケースに適度な量の液冷媒を収容することができる。また、樹脂部材の比重を液冷媒の比重よりも小さくしているので、電動車両の重量の増大による走行効率の低下を抑制することができる。
上記の電動車両において、前記バッテリセルの中央部には、前記液冷媒が直接接触し、前記バッテリセルの少なくとも一方の端部側には、前記樹脂部材が被覆されていてもよい。
このような構成によれば、発熱し易いバッテリセルの中央部を効率的に冷却することができると共にバッテリケースに適度な量の液冷媒を収容することができる。
上記の電動車両において、前記樹脂部材は、独立発泡性の樹脂であってもよい。このような構成によれば、樹脂部材の軽量化を図りつつその内部に液冷媒が浸入することを抑えることができるので、電動車両の重量の増大による走行効率の低下を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、バッテリセルの外表面の少なくとも一部に樹脂部材を被覆しているので、簡易な構成でバッテリケースに適度な量の液冷媒を収容することができ、これによって、電動車両の走行効率の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る電動車両の模式的平面図である。 図1の電動車両の右側面図である。 図1の電動車両の背面図である。 図1に示すバッテリの分解斜視図である。 バッテリセルユニットの一部透視斜視図である。 図5のバッテリセルユニットの縦断面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。 図4のバッテリ内の第1冷媒の流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る電動車両の模式的平面図である。 図9の電動車両の右側面図である。 図9に示すバッテリの分解斜視図である。 図11のバッテリ内の第1冷媒の流れを示す説明図である。
以下、本発明に係る電動車両について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、前後、左右、上下の方向は、各図の矢印の方向に従う。
(第1実施形態)
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る電動車両10Aは、車両駆動用の電動機27と、この電動機27に電力を供給するためのバッテリ26とを搭載する車両であり、例えば、電気自動車、内燃機関を搭載するハイブリッド自動車、及び燃料電池を搭載する燃料電池自動車等がこれに該当する。
電動車両10Aは、給電装置14と組み合わされて接触給電システム12Aを構成し、走行しながら給電装置14から供給される電力をバッテリ26に充電する。給電装置14は、例えば、高速道路や一般道路等の走行路の側方に所定区間の長さで設けられている。所定区間の長さは、任意に設定可能であるが、例えば、所定電費を有する電動車両10Aがある給電装置14の位置から次の給電装置14の位置までに走行可能な充電量を充電できる程度の長さに設定されている。
給電装置14は、図示しない電源装置から電力が供給される導電材料からなる上下一対の架線16p、16nと、これら架線16p、16nを支持するガイドポスト18とを備える。上方に位置する正極側の架線16pには、直流の高電圧が電源装置から印加され、下方に位置する負極側の架線16nには直流の基準電圧が印加される。
このような電動車両10Aは、前輪WFと後輪WRの間の側部から展開して車幅方向外側に延出する充電アーム20を有している。図1〜図3では、電動車両10Aの車体右側部に充電アーム20を設けた例を示しているが、電動車両10Aの車体左側部に充電アーム20を設けてもよい。充電アーム20は、その先端部を構成する充電ヘッド22を含む。充電ヘッド22は、互いに離間して設けられた上下一対の受電部24n、24pを備える。
上方に位置する正極側の受電部24pと下方に位置する負極側の受電部24nのそれぞれは、図示しないケーブルや電気回路を介してバッテリ26に電気的に接続されている。そして、上方に位置する受電部24p及び架線16pが互いに接触すると共に下方に位置する受電部24n及び架線16nが互いに接触することにより、バッテリ26が充電される。
本実施形態では、バッテリ26は、電動車両10Aの後部(車室よりも後方)に設けられており、図示しないケーブルや電気回路を介して車体前部に設けられた電動機27に電力を供給する。これにより、電動機27の作用下によって電動車両10Aの駆動輪が回転駆動され電動車両10Aが走行可能となる。なお、電動機27は、車体の任意の位置に設けることが可能である。
電動車両10Aは、放電時及び充電時に化学反応により発熱するバッテリ26を冷却する冷却機構28をさらに備えている。冷却機構28は、バッテリ26内に第1冷媒r1(液冷媒)を導入する第1導入路30と、バッテリ26内から導出された第1冷媒r1が流通する第1導出路32と、第1導出路32の第1冷媒r1を第2冷媒r2との間で熱交換して第1導入路30に導く熱交換器34と、第2冷媒r2を熱交換器34に導入する第2導入路36と、熱交換器34から導出された第2冷媒r2が流通する第2導出路38と、第2導出路38の第2冷媒r2の熱を放熱して第2導入路36に導く放熱器(ラジエータ)40とを有している。
第1導入路30には、第1冷媒r1を第1導入路30、バッテリ26、第1導出路32、及び熱交換器34に循環させるための第1ポンプ42が設けられている。第2導入路36には、第2冷媒r2を第2導入路36、熱交換器34、第2導出路38、及び放熱器40に循環させるための第2ポンプ44が設けられている。ただし、第1ポンプ42は、第1導入路30ではなく第1導出路32に設けられていてもよく、第2ポンプ44は、第2導入路36ではなく第2導出路38に設けられていてもよい。
第1冷媒r1としては、例えば、フロリナート(登録商標)(密度≒1800[kg/m3])等の絶縁性のフッ素系不活性液体を用いることができる。第2冷媒r2としては、第1冷媒r1よりも密度の小さい冷媒が用いられる。このような第2冷媒r2としては、例えば、クーラント液(密度≒1000[kg/m3])が挙げられる。ただし、第2冷媒r2は、クーラント液に限定されず、例えば、気体であっても構わない。
このように、第2冷媒r2の密度を第1冷媒r1の密度よりも小さくしているので、第1冷媒r1を車体前部の放熱器40まで導く構成に比べて、電動車両10Aの重量を軽くすることができる。これにより、電動車両10Aの走行効率の低下を抑制することができる。
放熱器40は、電動車両10Aの前部のフロントグリル開口近傍に設けられている。これにより、電動車両10Aの走行風により放熱器40が冷却される。
図4に示すように、バッテリ26は、左右一対のバッテリ本体46、48を有している。各バッテリ本体46、48は、上方が開口したケース50と、ケース50内に収容された複数のバッテリセルユニット52と、ケース50の開口を閉塞するようにしてケース50に装着されるカバー54とを含む。
各ケース50には、第1導入路30の端部が接続される入力部56を介して流入した第1冷媒r1をケース50の左右方向に拡散させる導入部58と、第1導出路32の端部が接続される出力部60にケース50内の第1冷媒r1を導く導出部62とが設けられている。本実施形態では、導入部58がケース50の前方下部に設けられると共に導出部62がケース50の前方上部に設けられている。ただし、ケース50に対する導入部58及び導出部62の配置は任意に選定することが可能である。
各ケース50内には、例えば、18個の略直方体形状のバッテリセルユニット52が配置されている。具体的には、バッテリセルユニット52は、その長手方向を上下方向に向けた状態(縦置き状態)で、左右方向に6個ずつ前後方向に3列並べられている。ただし、バッテリセルユニット52の形状、個数、及び配置は任意に設定可能である。
図5〜図7に示すように、バッテリセルユニット52は、電気的に直列接続された複数(図示例では4つ)のバッテリセル64と、バッテリセル64を支持するための複数(図示例では5つ)の支持板66と、支持板66を固定する固定部材68と、バッテリセル64に設けられた一対の樹脂部材70、72と、バッテリセル64、支持板66、及び樹脂部材70、72を収容して内部に第1冷媒r1が流通する直方体形状のバッテリケース74とを備えている。
バッテリセル64は、公知の構成であり、正極電極とセパレータと負極電極とからなる単セルが複数積層され電気的に前記単セルが直列接続されたバッテリセル本体と電解液とを収容するラミネートケース76を含む。
ラミネートケース76は、一対のシート体(ラミネートフィルム)の外縁部を互いに熱融着することにより形成されている。また、ラミネートケース76の外側には、前記単セルが電気的に直列接続されたバッテリセル本体の最も高電位側の正極電極に接続された正極側のセル端子78pと最も低電位側の負極電極に接続された負極側のセル端子78nとが露出している。
本実施形態では、バッテリセル64は、バッテリケース74の長手方向に沿って延在しており、正極側のセル端子78pがバッテリセル64の長手方向の片方の端部に設けられると共に負極側のセル端子78nがバッテリセル64の長手方向のもう片方の端部(正極側のセル端子78pが設けられていない側の端部)に設けられている。
そして、隣接するバッテリセル64の正極側のセル端子78pと負極側のセル端子78nとが互いに接続され、複数のバッテリセル64の最も高電位側のセル端子78pに接続された正極側のユニット端子80pと、複数のバッテリセル64の最も低電位側のセル端子78nに接続された負極側のユニット端子80nとがバッテリケース74の長手方向の片側(上側)から露出している。これにより、バッテリセル64で発生した電力をバッテリケース74の外部に取り出すことができる。
支持板66は、バッテリセル64よりも一回り大きい矩形状の金属板として構成されている。ただし、支持板66は、金属以外の材料で構成することも可能である。複数の支持板66は、厚み方向(左右方向)に沿って所定間隔で並べられており、隣接する支持板66の間にバッテリセル64が配設されている。
固定部材68は、各支持板66の隅部及びバッテリケース74を貫通する複数(図5では4つ)のボルト82と、バッテリケース74の外側に位置するボルト82の端部に螺合するナット84とを含む。これにより、支持板66がバッテリケース74に対して固定される。
一対の樹脂部材70、72は、バッテリセル64の長手方向(上下方向)に沿って互いに離間して配設されている。すなわち、一対の樹脂部材70、72は、バッテリセル64の長手方向の両端部側に設けられ、バッテリセル64の長手方向の中央部には設けられていない。樹脂部材70は、各バッテリセル64及び各支持板66の長手方向の一端部側(下端部側)の外表面を被覆するように設けられ、樹脂部材72は、各バッテリセル64及び各支持板66の長手方向の他端部側(上端部側)の外表面を被覆するように設けられている。
本実施形態では、樹脂部材70、72は、バッテリケース74内を長手方向に3つの空間に仕切るようにバッテリケース74の内面に接触している。これにより、支持板66の長手方向と直交する方向(前後方向及び左右方向)においてバッテリセル64及び支持板66の移動が規制される。ただし、樹脂部材70、72は、バッテリケース74の内面に接触していなくても構わない。
樹脂部材70、72は、第1冷媒r1よりも比重が小さい。換言すれば、樹脂部材70、72の密度は、第1冷媒r1の密度よりも小さい。このような樹脂部材70、72の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ等が挙げられる。また、本実施形態において、樹脂部材70、72は、独立発泡性の樹脂で構成するのが好ましい。樹脂部材70、72の内部への第1冷媒r1の浸入を防止しつつ軽量化を図ることができるからである。ただし、樹脂部材70、72は、独立発泡性の樹脂で構成されていなくてもよい。
バッテリケース74のうち支持板66の短手方向(前後方向)に指向する片方(前方)の壁面には複数の流入孔86a〜86cが形成され、バッテリケース74のうち支持板66の短手方向に指向するもう片方(後方)の壁面には複数の流出孔88a〜88cが形成されている。
本実施形態では、流入孔86a〜86c及び流出孔88a〜88cは、バッテリケース74の長手方向に沿って所定間隔で3つずつ設けられている。具体的には、図7から諒解されるように、バッテリケース74の長手方向において、流入孔86a及び流出孔88aは樹脂部材70よりも一端側(下方)に互いに対向して位置し、流入孔86b及び流出孔88bは樹脂部材70と樹脂部材72との間に互いに対向して位置し、流入孔86c及び流出孔88cは樹脂部材72よりも他端側(上方)に互いに対向して位置している。
本実施形態に係る電動車両10Aは基本的には以上のように構成されており、次にその作用及び効果について説明する。
本実施形態の電動車両10Aにおいてバッテリ26を冷却する場合、第1ポンプ42及び第2ポンプ44を駆動する。第1ポンプ42が駆動されると、第1導入路30、バッテリ26、第1導出路32、及び熱交換器34の循環流路に第1冷媒r1が流通する。具体的には、図8に示すように、第1導入路30の第1冷媒r1がバッテリ26の入力部56を介して導入部58に流入する。導入部58の第1冷媒r1は、左右方向に拡散しながらケース50内に導入されて各バッテリセルユニット52を冷却する。
すなわち、ケース50内に導入された第1冷媒r1は、最も前方に位置するバッテリセルユニット52の各流入孔86a〜86cからバッテリケース74内に流入し、各バッテリセル64に直接接触して冷却した後で各流出孔88a〜88cから外部に流出する。このとき、流入孔86aから流入した第1冷媒r1は、各バッテリセル64の一端側(下端側)を冷却して流出孔88aから流出し、流入孔86bから流入した第1冷媒r1は、各バッテリセル64の中央部を冷却して流出孔88bから流出し、流入孔86cから流入した第1冷媒r1は、各バッテリセル64の他端側(上端側)を冷却して流出孔88cから流出する。そして、各流出孔88a〜88cから流出した第1冷媒r1は、後方に位置するバッテリセルユニット52の各流入孔86a〜86cから流入してバッテリケース74内の各バッテリセル64を冷却する。
そして、最も後方に位置するバッテリセルユニット52の各流出孔88a〜88cから流出した冷却した第1冷媒r1は、ケース50の後壁に沿って上方に導かれてユニット端子80p、80nを冷却した後で導出部62により出力部60に導かれる。出力部60から流出した第1冷媒r1は、第1導出路32を介して熱交換器34に導かれる。
熱交換器34では、第1冷媒r1と第2ポンプ44の作用により第2導入路36から導かれた第2冷媒r2との間で熱交換が行われ、放熱された第1冷媒r1が再び第1導入路30に戻される。一方、熱交換器34で受熱された第2冷媒r2は、第2導出路38を介して放熱器40に導かれて走行風により放熱されて再び第2導入路36に戻される。これにより、バッテリ26が連続的且つ効率的に冷却される。
ところで、バッテリセルユニット52において、バッテリケース74内に樹脂部材70、72を設けない場合、バッテリケース74内に過大な量の第1冷媒r1が収容され、その結果、バッテリ26の重量が増大して電動車両10Aの走行効率が低下することがある。
しかしながら、本実施形態によれば、バッテリセル64の外表面の少なくとも一部に樹脂部材70、72を被覆しているので、このような樹脂部材70、72を設けない場合と比較して、バッテリケース74に収容される第1冷媒r1の容量を減らすことができる。これにより、簡易な構成でバッテリケース74に適度な量の第1冷媒r1を収容することができる。また、樹脂部材70、72の比重を第1冷媒r1の比重よりも小さくしているので、電動車両10Aの重量の増大による走行効率の低下を抑制することができる。
また、各バッテリセル64の両端部側に樹脂部材70、72を設けると共に各バッテリセル64の中央部には樹脂部材70、72を設けていない。つまり、バッテリセル64の中央部の外表面には第1冷媒r1が接触する。そのため、発熱し易いバッテリセル64の中央部を効率的に冷却することができると共にバッテリケース74に適度な量の第1冷媒r1を収容することができる。
さらに、樹脂部材70、72を独立発泡性の樹脂で構成しているので、樹脂部材70、72の軽量化を図りつつその内部に第1冷媒r1が浸入する(浸み込む)ことを抑えることができる。これにより、電動車両10Aの重量の増大による走行効率の低下を効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電動車両10Bについて図9〜図12を参照しながら説明する。なお、第2実施形態に係る電動車両10Bにおいて、第1実施形態に係る電動車両10Aと同一又は同様の機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る電動車両10Bは、上述した給電装置14と組み合わされて接触給電システム12Bを構成する。なお、図9及び図10では、給電装置14及び電動車両10Bを構成する充電アーム20の図示を省略している。
図9及び図10に示すように、本実施形態に係る電動車両10Bは、バッテリ90の構成が上述した電動車両10Aと異なる。具体的には、バッテリ90は、電動車両10Bの車室の下方に配置されている。そのため、冷却機構28を構成する熱交換器34が車体前方側に配置され、第2冷媒r2の流路長が第1実施形態に係る第2冷媒r2の流路長よりも短くなっている。
図11及び図12に示すように、バッテリ90は、左右一対のバッテリ本体92、94を有している。各バッテリ本体92、94は、上方が開口したケース96と、ケース96内に収容された複数のバッテリセルユニット52と、ケース96の開口を閉塞するようにしてケース96に装着されるカバー54とを含む。
各バッテリ本体92、94のケース96には、入力部98を介して流入した第1冷媒r1を各ケース96に導入するための導入部100と、各ケース96内の第1冷媒r1が導かれる導出部102と、導出部102の第1冷媒r1を出力部106に導くチューブ状の接続部104とが設けられている。
導入部100はバッテリ本体92のケース96の前壁とバッテリ本体94のケース96の前壁とに跨って設けられており、導入部100の左右中央の下方の位置に入力部98が位置している。また、導出部102はバッテリ本体92のケース96の後壁とバッテリ本体94のケース96の後壁とに跨って設けられており、導出部102の左右中央の位置に接続された接続部104が各ケース96の上方を通り前方まで延在している。
各ケース96内には、例えば、36個の略直方体形状のバッテリセルユニット52が配置されている。具体的には、バッテリセルユニット52の長手方向を左右方向に向けた状態(横置き状態)で、前後方向に6個ずつ上下方向に3段並べた18個のバッテリセルユニット52が左右対称に2セット並べられている。ただし、バッテリセルユニット52の形状、個数、及び配置は任意に設定可能である。
本実施形態では、図12に示すように、第1導入路30からバッテリ90の入力部98に導かれた第1冷媒r1は、導入部100を介してバッテリ本体92、94の各ケース96内に流入する。そして、各ケース96内に流入した第1冷媒r1は、左右方向に拡散して各バッテリセルユニット52を構成するバッテリケース74内を流通してバッテリセル64を冷却すると共に各バッテリセルユニット52のユニット端子80p、80nを冷却して導出部102に導かれる。
このとき、各バッテリセルユニット52は、バッテリセル64の両端部側の外表面に樹脂部材70、72が被覆された構成を有しているので、バッテリケース74内には適度な量の第1冷媒r1が流通し、各バッテリセル64が効率的に冷却される。導出部102の第1冷媒r1は、接続部104を介してケース96の前方に位置する出力部106まで導かれて第1導出路32に流れることとなる。
このような本実施形態に係る電動車両10Bによれば、上述した第1実施形態に係る電動車両10Aと同様の効果を奏する。
上述した第1及び第2実施形態では、一対の樹脂部材70、72のいずれか一方を省略してもよい。
本発明に係る電動車両は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A、10B…電動車両 12A、12B…接触給電システム
14…給電装置 26、90…バッテリ
27…電動機 28…冷却機構
46、48、92、94…バッテリ本体
50、96…ケース 52…バッテリセルユニット
54…カバー 64…バッテリセル
66…支持板 68…固定部材
70、72…樹脂部材 74…バッテリケース
86a〜86c…流入孔 88a〜88c…流出孔
r1…第1冷媒(液冷媒) r2…第2冷媒

Claims (3)

  1. 車両駆動用の電動機を備える電動車両において、
    絶縁性の液冷媒が直接接触することによって冷却されるバッテリセル及び前記バッテリセルを収容し前記液冷媒が流通するバッテリケースを有し、且つ前記電動機に電力を供給するバッテリを備え、
    前記バッテリセルの外表面の少なくとも一部には、前記液冷媒よりも比重の小さい樹脂部材が被覆されていることを特徴とする電動車両。
  2. 請求項1記載の電動車両において、
    前記バッテリセルの中央部には、前記液冷媒が直接接触し、
    前記バッテリセルの少なくとも一方の端部側には、前記樹脂部材が被覆されていることを特徴とする電動車両。
  3. 請求項1又は2に記載の電動車両において、
    前記樹脂部材は、独立発泡性の樹脂であることを特徴とする電動車両。
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