JP2016095490A - 光学系、観察光学系および光学装置 - Google Patents

光学系、観察光学系および光学装置 Download PDF

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Akiko Nagahara
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由紀子 永利
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Abstract

【課題】反射面の数が少なくても、適切な像ぶれ補正が可能な光学系、観察光学系および光学装置を得る。【解決手段】物体側から順に対物光学系10、および対物光学系10の光軸に沿って配置された反射面光学系13が配置されてなる光学系において、第1反射面11aを、反射面11aと光軸Z1との交点を通り、反射面11aによる折り曲げの前後の光軸Z1、Z2を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる。さらに、第1反射面11aおよび第2反射面12aを各々、両反射面11a、12aの各々と光軸Z2との交点を通り、かつ各反射面11a、12aの法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる。以上の2つの回動動作を一方あるいは双方行うことにより、対物光学系10が結像する像をシフトさせて、対物光学系の結像位置を移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は光学系に関し、特に、対物光学系とその像側に配された反射面光学系とを備えてなる、像ぶれ補正機能を備えた光学系に関するものである。
また本発明は、上述のような光学系を含む観察光学系、さらにはそのような観察光学系を備えてなる双眼鏡等の光学装置に関するものである。
従来、遠景の光学像を拡大して観察するための光学観察装置として、1つの望遠光学系を備える単眼鏡(フィールドスコープ)や、左右方向に並べた一対の望遠光学系を備える双眼鏡などが知られている。また、手振れなどの振動による光学像の像ぶれを防止するために、光学像の像ぶれを補正する光学系を備えた光学装置も知られている。
光学装置の像ぶれ補正光学系としては、望遠光学系に設けられた正立プリズムを駆動して像ぶれを補正するものや、複数の反射ミラーを駆動して像ぶれを補正するものなどが公知となっている。反射ミラーを駆動する像ぶれ補正光学系は、正立プリズムを駆動する像ぶれ補正光学系に比べて軽量であり、かつローコストという特長がある。
特許文献1には、望遠光学系を構成する対物光学系と接眼光学系との間に、第1〜第4反射部材を備える像ぶれ補正光学系を配置した光学観察装置が記載されている。第1〜第4反射部材は、反射ミラーにより構成されている。この特許文献1に示された像ぶれ補正光学系は、対物光学系の第1光軸を第1反射部材により偏向して第2光軸とし、第2光軸を第3反射部材により偏向して第3光軸とし、第3光軸を第3反射部材により偏向して第4光軸とし、第4光軸を第4反射部材により偏向して、接眼光学系に入射する第5光軸としている。そして第2反射部材および第3反射部材は、それぞれ回動可能な可動反射部材となっており、第2反射部材および第3反射部材を、直交する2つの回動軸周りでそれぞれ独立して回動させることで、第1方向(ピッチ方向)および第2方向(ヨー方向)の像ぶれを補正可能となっている。
一方特許文献2には、撮影レンズの像側に、第1の可動ミラーおよび第2の可動ミラーを備える像ぶれ補正光学系を配置した撮影光学系が記載されている。第1の可動ミラーは、撮影レンズの光軸を上方に偏向し、第2の可動ミラーは、第2の可動ミラーで折り曲げられた光軸が、撮影レンズの光軸と第1の可動ミラーで偏向した光軸とを含む平面に対して垂直な方向に偏向する向きに配置されている。第2の可動ミラーで折り曲げられた光軸上の焦点面には、フィルムが配置されている。第1の可動ミラーおよび第2の可動ミラーは、それぞれが独立して回動することにより、撮像装置の動きによるフィルム面上での像ぶれを補正することができる。
特開平10−333201号公報 特開平11−305276号公報
例えば双眼鏡等の光学装置に内蔵される像ぶれ補正光学系は、配置スペースの確保が容易であること、応答速度が速いこと、携帯性向上のために小型・軽量であること等が望まれている。しかし特許文献1に示された像ぶれ補正光学系は、4個の反射部材を必要とし、反射部材の個数分だけ光路も長くなるため、軽量化や小型化が難しいという問題が認められる。
一方、特許文献2に示された像ぶれ補正光学系のように、2つの可動反射部材のみで構成することも考えられるが、この構成では、像ぶれ補正光学系に入射する撮影レンズの光軸の向きと、像ぶれ補正光学系から射出する光軸の向きとが直交してしまうという問題がある。それら2つの光軸の向きを同じにするためには、さらに1枚反射面を追加する必要があるため、その反射面を挿入することで系構造全体が大きくなってしまう。またコスト面においても不利となる。
上記2つの光軸の向きを同じにするように2枚の反射部材を平行に配置し、この状態で特許文献2に示されたように2枚の反射部材をそれぞれ回動させた場合には、適切な像観察や撮像が不可能になるほど光学像が回転してしまう、という問題が生じる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、反射面を用いて像ぶれ補正を行う構成を有し、像ぶれ補正光学系に入射する光軸と像ぶれ補正光学系から射出する光軸の向きを同じにするために反射面の数が増えることを回避して、必要な反射面の数を少なく抑えることができ、そして、適切な像ぶれ補正を可能にする光学系、望遠光学系および光学装置を提供することを目的とする。
本発明による第1の光学系は、
物体側から順に対物光学系、および対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
第1反射面は対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
第1反射面で反射後の光軸と対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
第1反射面と第2反射面のいずれか一方を、この反射面と上記光軸との交点を通り、この反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
第1反射面および第2反射面を各々上記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
そして、下記条件式
1.05<F/D<2.50 ……(1)
ただし、
F:対物光学系の焦点距離
D:対物光学系の光軸上における、回動軸Aの周りに回動する反射面から、対物光学系の反射面光学系側の焦点位置までの空気換算長
が満足されていることを特徴とするものである。
なお上記F/Dの値については、下記条件式(1)’
1.10<F/D<2.30 ……(1)’
が満足されていることが、より望ましい。
また、本発明による第2の光学系は、
物体側から順に対物光学系、および対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
第1反射面は対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
第1反射面で反射後の光軸と対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
第1反射面と第2反射面のいずれか一方を、この反射面と上記光軸との交点を通り、この反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
第1反射面および第2反射面を各々上記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
そして、下記条件式
3.50<F/d<6.00 ……(2)
ただし、
F:対物光学系の焦点距離
d:対物光学系の光軸上における第1反射面と第2反射面との間の空気換算長
が満足されていることを特徴とするものである。
なお上記F/dの値については、下記条件式(2)’
3.80<F/d<5.50 ……(2)’
が満足されていることが、より望ましい。
また、本発明による第3の光学系は、
物体側から順に対物光学系、および対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
第1反射面は対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
第1反射面で反射後の光軸と対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
第1反射面と第2反射面のいずれか一方を、この反射面と上記光軸との交点を通り、この反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
第1反射面および第2反射面を各々上記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
そして、下記条件式
0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
ただし、
φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
が満足されていることを特徴とするものである。
なお上記φDia/Hの値については、下記条件式(3)’
0.78<φDia/H<1.35 ……(3)’
が満足されていることが、より望ましい。
また、本発明による第4の光学系は、
物体側から順に対物光学系、および対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
第1反射面は対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
第1反射面で反射後の光軸と対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
第1反射面と第2反射面のいずれか一方を、この反射面と上記光軸との交点を通り、この反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
第1反射面および第2反射面を各々上記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
そして、下記条件式
0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.70 ……(12)
ただし、
H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
dm1:対物光学系の光軸上における、対物光学系の最も物体側の面から第1反射面までの長さ
が満足されていることを特徴とするものである。
なお上記(H−φDia/2)/dm1の値については、下記条件式(12)’
0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.40 ……(12)’
が満足されていることがより望ましく、下記条件式(12)”
0.10<(H−φDia/2)/dm1<0.35 ……(12)”
が満足されていることが、よりさらに望ましい。
ここで、以下で述べる「本発明の光学系」あるいは「本発明による光学系」とは、上記第1、第2、第3および第4の光学系全てを指すものとする。
なお、上記第1の光学系においても、前述した条件式(2)が満足されていることが望ましい。
その上でさらに、前述した条件式(3)が満足されていることがより望ましい。
また、上記第1の光学系において、前述した条件式(3)が満足されていることが望ましい。
また、上記第1の光学系において、前述した条件式(12)が満足されていることが望ましい。
上記第2の光学系においても、前述した条件式(3)が満足されていることが望ましい。
さらに、上記第3の光学系においても、前述した条件式(12)が満足されていることが望ましい。
他方、本発明の光学系においては、第2反射面を構成する部材よりも、対物光学系による結像位置側に少なくとも1つの光学面が存在し、そして下記条件式
1.50<Lair/φDia<3.50 ……(4)
ただし、
Lair:対物光学系の最も像側の面と、上記光学面のうち最も第2反射面に近い光学面との間の長さ
φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
が満足されていることが望ましい。
なお上記Lair/φDiaの値については、下記条件式(4)’
1.80<Lair/φDia<3.30 ……(4)’
が満足されていることが、より望ましい。
ここで、上記の「光学面」とは、屈折面、反射面および回折面のいずれであってもよく、そのような光学面を有する光学素子の具体例としては、フィルタ、プリズム、ミラー、レンズ、回折格子等が挙げられる。また、対物光学系による結像面も、この光学面に含まれるものとする。一方、絞りの開口部は、この光学面には含まれないものとする。
また、本発明の光学系においては、第1反射面および第2反射面が、上記回動動作をしない状態で、対物光学系の光軸に対して45°傾斜していることが望ましい。
本発明による観察光学系は、以上述べた本発明による光学系のいずれかと、第2反射面の後方(対物光学系による結像位置側)に配された接眼光学系とを有することを特徴とするものである。
この本発明による観察光学系においては、第2反射面と接眼光学系との間に正立光学系が配置されていることが望ましい。
そのような正立光学系としては、II型ポロプリズムから構成されたものが好適に用いられ得る。
また、本発明による観察光学系においては、下記条件式
0.30<Dair/F<0.70 ……(5)
ただし、
Dair:対物光学系の最も像側の面と、正立光学系の最も第2反射面に近い面との間の長さ
F:対物光学系の焦点距離
が満足されていることが望ましい。
なお上記Dair/Fの値については、下記条件式(5)’
0.30<Dair/F<0.70 ……(5)
が満足されていることが、より望ましい。
さらに、本発明による観察光学系においては、
対物光学系と第2反射面との間に配される第1遮光部材、および第1反射面と正立光学系との間に配される第2遮光部材の少なくとも一方が設けられ、
基準状態下での、第1反射面で折り曲げられる前後の光軸を含む面を座標面とし、第1反射面上における光軸の位置を原点とし、第1反射面から第2反射面に向かう光軸の向きを+y方向、対物光学系から第1反射面に向かう光軸の向きを+z方向とするyz座標系において、
第1遮光部材の、対物光学系と第1反射面との間の光軸側の先端点をM(ym,zm)、
第2遮光部材の、第2反射面と正立光学系との間の光軸側の先端点をN(yn,zn)、
視野角0度の光線と対物光学系の最も像側の面との交点のうち、y座標がより大である方の交点をP1(y1,z1)、
視野角0度の光線と第2反射面との交点のうち、z座標がより小である方の交点をP2(y2,z2)、
視野角0度の光線と第1反射面との交点のうち、z座標がより大である方の交点をP3(y3,z3)、
視野角0度の光線と正立光学系の最も第2反射面側の面との交点のうち、y座標がより小である方の交点をP4(y4,z4)、
としたとき、下記条件式
y3<ym<y1 ……(6)
z1<zm<z2 ……(7)
y2<yn<y4 ……(8)
z3<zn<z4 ……(9)
の少なくとも1つが満足されていることが望ましい。
その場合は、さらに下記条件式
0.08<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)
0.08<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)
なお上記(z2−zm)/(z2−z1)の値については、下記条件式(10)’
0.20<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)’
が満足されていることがより望ましく、下記条件式(10)”
0.27<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)”
が満足されていることが、よりさらに望ましい。
また、上記(zn−z3)/(z4−z3)の値については、下記条件式(11)’
0.20<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)’
が満足されていることがより望ましく、下記条件式(11)”
0.27<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)”
が満足されていることが、よりさらに望ましい。
他方、本発明による光学装置は、以上述べた本発明による観察光学系を備えたことを特徴とするものである。そのような光学装置としては、例えば双眼鏡が挙げられる。
本発明による光学系は、前述した通り、
反射面光学系が、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
第1反射面は対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
第1反射面で反射後の光軸と対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
第1反射面と第2反射面のいずれか一方を、この反射面と上記光軸との交点を通り、この反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
第1反射面および第2反射面を各々上記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成されているので、対物光学系が結像する像を、前者の動作により一方向にシフトさせ、また後者の動作により上記一方向と交わる方向にシフトさせることができる。それにより、上記像を任意の方向にシフト可能となるので、適切な像ぶれ補正が可能になる。
そして本発明による光学系は、2つの反射面を用いるだけで上記の効果が得られるものとなっているので、大型化することを回避可能で、また、コスト面でも有利なものとなる。より詳しく説明すれば、本発明による光学系においては、像ぶれ補正のための反射面光学系を構成する第1反射面および第2反射面が、対物光学系の結像位置を移動させる動作をしない基準状態では互いに平行に配置されるので、この反射面光学系に入射する光軸と反射面光学系から射出する光軸とが、元より平行になる。そこで、これら2つの光軸の向きを同じに揃えるためにさらに別の反射面が必要になることがなく、その点から、本発明による光学系は大型化が回避され、またコスト面でも有利なものとなる。
さらに、特に本発明の第1の光学系によれば、条件式(1)が満足されていることにより、第1反射面あるいは第2反射面と対物光学系とが干渉することを防止しやすくなり、そして、第1反射面や第2反射面の回動角に対する像シフト量の比率を、より高くすることができる。その詳しい理由については、後に実施形態に即して詳しく説明する。
また、特に本発明の第2の光学系によれば、条件式(2)が満足されていることにより、同じく、第1反射面あるいは第2反射面と対物光学系とが干渉することを防止しやすくなり、そして、第1反射面や第2反射面の回動角に対する像シフト量の比率を、より高くすることができる。その詳しい理由については、後に実施形態に即して詳しく説明する。
また、特に本発明の第3の光学系によれば、条件式(3)が満足されていることにより、第1反射面あるいは第2反射面を介さないで抜ける迷光の発生を防止しやすくなり、そして、光学系の長さ(第1反射面と第2反射面との間で延びる光軸方向の長さ)を抑えて、光学系をよりコンパクトにすることができる。その詳しい理由については、後に実施形態に即して詳しく説明する。
また、特に本発明の第4の光学系によれば、条件式(12)が満足されていることにより、第1反射面および第2反射面を介さずに抜ける迷光を防止した上で、光軸シフト方向(第1反射面および第2反射面により光軸が変位する方向)への厚みを抑えた構成とすることが可能になる。その詳しい理由については、後に実施形態に即して詳しく説明する。
他方、本発明による観察光学系および光学装置は、本発明の光学系を備えたものであるので、以上説明した効果を同様に奏することができる。
本発明の一実施形態に係る観察光学系を概略的に示す斜視図 図1の観察光学系における一部光学要素の配置状態を説明する図 本発明の実施例1に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例2に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例3に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例4に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例5に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例6に係る観察光学系を示す断面図 本発明の一実施形態による光学装置を示す平面図 図9に示す光学装置の側面図 図9に示す光学装置の像ぶれ補正制御に関わる構成を示すブロック図 本発明の実施例7に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例8に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例9に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例10に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例11に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例12に係る観察光学系を示す断面図 本発明の実施例13に係る観察光学系を示す断面図 本発明の観察光学系の作用を説明する概略図 本発明の観察光学系の作用を説明する概略図 本発明の観察光学系の作用を説明する概略図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光学系の構成例を示す斜視図である。本実施形態の光学系は、物体側から順に対物光学系10、この対物光学系10の光軸Zに沿って順次配置された第1ミラー11、および第2ミラー12を備えて構成されている。第1ミラー11および第2ミラー12はそれぞれ、第1反射面11aおよび第2反射面12aを有している。なお図1中では、対物光学系10の光軸Zのうち、対物光学系10から第1反射面11aまでをZ1、第1反射面11aから第2反射面12aまでをZ2、第2反射面12a以降をZ3として表示している。なお、上記対物光学系10から第1反射面11aまでの光軸Z1と、第1反射面11aで反射した後の光軸Z2は、一つの平面を形成する。
第1ミラー11および第2ミラー12はそれぞれが像ぶれ補正のための動作が可能とされて、反射面光学系13を構成している。第1ミラー11および第2ミラー12は、像ぶれ補正しない基準状態下では互いに平行となる状態に配置されている。本実施形態において、第1ミラー11および第2ミラー12は共に平行平面板から構成されているので、それらが互いに平行に配置されると、第1反射面11aおよび第2反射面12aが互いに平行となる。対物光学系10を通過した光は、第1反射面11aで反射して、第2反射面12aに入射する。
なお図1に示すように、対物光学系10から第1反射面11aに向かう光軸Z1の向きを+z方向、後述する像ぶれ補正動作がなされない基準状態下で第1反射面11aから第2反射面12aに向かう光軸Z2の向きを+y方向、この+y方向および上記+z方向に対して直角な一つの方向を+x方向と規定する。第1ミラー11は、上記基準状態下で、yz面内で光軸Z1に対して45度(゜)傾斜する状態に配置されている。
以上説明した本実施形態の光学系は、一例として双眼鏡やフィールドスコープ等の光学装置に適用される観察光学系を構成するものである。すなわち、上記第2反射面12aの後方(対物光学系10からの光が進行する方向)には、正立光学系としてのII型ポロプリズム14、および接眼光学系15がこの順に配置されており、それらのプリズム14および接眼光学系15と本実施形態の光学系とから観察光学系が構成されている。なお図1および後述する図2中では、対物光学系10および接眼光学系15を概略的に示してある。
次に、像ぶれ補正動作について説明する。一つの像ぶれ補正動作は、第1反射面11aを(つまり第1ミラー11を)、この第1反射面11aと光軸Z1との交点を通り、第1反射面11aによる折り曲げの前後の光軸Z1、Z2を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作である。この第1反射面11aの回動により、対物光学系10の結像位置が±y方向にシフト(偏位)するので、接眼光学系15を通して観察される像が光学装置の振動により±y方向へ像ぶれを起こすとき、その像ぶれを補正することができる。なお、この補正の制御等については、後に詳しく説明する。
ここで、以上のように第1反射面11aを回動させる代わりに、第2反射面12aを(つまり第2ミラー12を)、この第2反射面12aと光軸Z2との交点を通り、第2反射面12aによる折り曲げの前後の光軸Z2、Z3を含む面に垂直な回動軸の周りに回動させるようにしてもよい。
また、さらになされ得る別の像ぶれ補正動作は、第1反射面11aを(つまり第1ミラー11を)、第1反射面11aと光軸Z1との交点を通り、かつ第1反射面11aの法線から外れた軸である回動軸B1の周りに回動させると共に、第2反射面12aを(つまり第2ミラー12を)、第2反射面12aと光軸Z2との交点を通り、かつ第2反射面12aの法線から外れた軸である回動軸B2の周りに回動させる動作である。なお上記回動軸B1および回動軸B2は互いに平行とされており、回動軸B1周りの第1反射面11aの回動、および回動軸B2周りの第2反射面12aの回動は互いに同期して、つまり同じ方向に同じ角速度でなされる。
ここで、第1反射面11aを回動軸Aの周りに回動させ、また第1反射面11aおよび第2反射面12aをそれぞれ回動軸B1、B2の周りに回動させる機構としては、公知のものが適用可能であり、特に何らかの機構に限定されるものではない。例えば、第1反射面11aおよび第2反射面12aをそれぞれ回動軸B1、B2の周りに回動させる機構の中に、第1反射面11aを回動軸Aの周りに回動させる機構が搭載された構成を適用することができる。そのような構成の場合、上述した「別の像ぶれ補正動作」がなされた状態で、先に述べた「一つの像ぶれ補正動作」がなされる場合は、回動軸Aは基準状態における位置から変位していることになる。それに対して、「別の像ぶれ補正動作」がなされない状態で「一つの像ぶれ補正動作」がなされる場合は、回動軸Aは基準状態における位置と同じ位置に保たれている。他方、回動軸B1、B2は、上記「一つの像ぶれ補正動作」がなされるか否かに関わらず一定である。
以上述べた各回動軸B1、B2周りの反射面11a、12aの回動により、対物光学系10の結像位置が±x方向にシフト(偏位)するので、接眼光学系15を通して観察される像が光学装置の振動により±x方向へ像ぶれを起こすとき、その像ぶれを補正することができる。この補正の制御等については、後に詳しく説明する。
なお、上述のように互いに平行とされる回動軸B1および回動軸B2の一例として、本発明では、それらが同一軸をなす、つまりそれらが共通の1本の直線上に存在する形態も適用可能である。
以上述べた第1ミラー11の回動軸B1周りの回動と第2ミラー12の回動軸B2周りの回動、並びに第1ミラー11の回動軸A周りの回動は、公知のミラー保持機構およびミラー回転駆動機構によって行うことができる。
ここで本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(1)
1.05<F/D<2.50 ……(1)
ただし、
F:対物光学系10の焦点距離
D:対物光学系10の光軸上における、回動軸Aの周りに回動する第1反射面11aから、対物光学系10の反射面光学系13側の焦点位置までの空気換算長
が満足されている。
後述する表27には、上記条件式(1)の他、条件式(2)〜(5)、(10)〜(12)が数値範囲を規定している条件、つまり文字式の部分の値を、後述する実施例1〜6毎にまとめて示してある。なおこの表27において、条件式(1)の条件に関しては、上段に第1反射面11aを回動させる場合の値を、そして下段に第2反射面12aを回動させる場合の値を示している。
条件式(1)が満足されていることにより、以下の効果が得られる。すなわち、F/Dの値が下限値の1.05を超えていることにより、第1反射面11aあるいは第2反射面12aと対物光学系10とが干渉することを防止しやすくなる。他方、F/Dの値が上限値の2.50を下回っていることにより、第1反射面11aや第2反射面12aの回動角に対する像シフト量の比率を、より高くすることができる。それにより、応答性の高い像ぶれ補正が可能になる。
なお本実施形態の光学系においては、下記条件式(1)’
1.10<F/D<2.30 ……(1)’
も満足されているので、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
また本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(2)
3.50<F/d<6.00 ……(2)
ただし、
F:対物光学系10の焦点距離
d:対物光学系10の光軸上における第1反射面11aと第2反射面12aとの間の空気換算長
が満足されている(表27参照)。
条件式(2)が満足されていることにより、以下の効果が得られる。すなわち、F/dの値が下限値の3.50を上回っていることにより、第1反射面11aあるいは第2反射面12aと対物光学系10とが干渉することを防止しやすくなる。他方、F/dの値が上限値の6.00を下回っていることにより、第1反射面11aや第2反射面12aの回動角に対する像シフト量の比率を、より高くすることができる。それにより、応答性の高い像ぶれ補正が可能になる。
なお本実施形態の光学系においては、下記条件式(2)’
3.80<F/d<5.50 ……(2)’
も満足されているので、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
また本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(3)
0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
ただし、
φDia:対物光学系10の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
H:第1反射面11aおよび第2反射面12aによる光軸Zの変位量
が満足されている(表27参照)。なお上記最大有効径の値は、軸上マージナル光線の高さの2倍の値となる。
条件式(3)が満足されていることにより、以下の効果が得られる。すなわち、φDia/Hの値が下限値の0.70を上回っていることにより、第1反射面11aあるいは第2反射面12aを介さないで抜ける迷光の発生を防止しやすくなる。他方、φDia/Hの値が上限値の1.50を下回っていることにより、光学系の上下方向(図1のy方向)の長さを抑えて、光学系をよりコンパクトにすることができる。
なお本実施形態の光学系においては、下記条件式(3)’
0.78<φDia/H<1.35 ……(3)’
も満足されているので、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
また本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(12)
0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.70 ……(12)
ただし、
H:第1反射面11aおよび第2反射面12aによる光軸Zの変位量
φDia:対物光学系10の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
dm1:対物光学系10の光軸上における、対物光学系10の最も物体側の面から第1反射面11aまでの長さ
が満足されている(表27参照)。
条件式(12)が満足されていることにより、第1反射面11aおよび第2反射面12aを介さずに抜ける迷光の発生を防止した上で、光軸シフト方向(第1反射面11aおよび第2反射面12aにより光軸Zが変位する方向)への厚みを抑えた構成とすることが可能になる。その詳しい理由を、図2および図19〜21を参照して説明する。ここでは、図19〜21の煩雑化を避けるため、H、φDiaおよびdm1を図2に示す。
図19の構成において、仮に遮光部材21および22が無いとすると、同図中の太線で示す光線LB2が第1反射面11aと第2反射面12aとの間を素抜けて、迷光となる。それを避ける上で、遮光部材21および22を設けることが考えられるが、遮光部材21および22が本来通過させるべき光の光路に入り込んでケラれを起こすことがなく、かつ迷光を防止するためには、それらの図中上下方向位置を、適正位置に設定する必要がある。図19に、迷光となる光線LB1を破線で示している。図19の構成では遮光部材21により、迷光となる光線LB2のうち上側から光線LB1までが遮光され、遮光部材22によって光線LB1から下側まで遮光することができるので本来の通過させるべき光線のケラれを発生させることなく迷光を遮光することが可能となっている。
図20には、図19の構成と比較して、第1反射面11aと第2反射面12aとの間隔をより広くした構成を示す。この構成では、光軸Zの変位量Hがより大きくなるので、(H−φDia/2)/dm1の値もより大となる。そしてこの図20の構成では、例えば、本来通過させるべき光線の光路を遮光しない範囲で破線で示す光線LB1を遮光部材21および22それぞれが遮光するような位置に各々を設定すれば、本来の通過させるべき光線のケラれを発生させることなく全迷光の遮光が可能となるので、遮光部材21および22の図中上下左右方向位置の設定の自由度が、図19の構成と比較して大きくなる。つまりこの構成においては、迷光発生を防止することが容易になる。ただし、この構成では、光軸Zの変位方向の反射面光学系のサイズが大きくなりがちで、光学系の薄型化が難しくなる。
また図21には、図19の構成と比較して、第1反射面11aおよび第2反射面12aをより対物光学系10に近付けた構成を示す。この構成ではdm1の値がより小さくなるので、(H−φDia/2)/dm1の値も、図20の構成と同様により大となる。図21の構成では、本来通過させるべき光線の光路を遮光せずに、破線で示す光線LB1を遮光部材21および22の両方で遮光することは困難となり、したがってこの構成においては、迷光発生を防止することが困難となる。
以上より、上記光線のケラれと迷光発生を共に防止するためには、基本的に図20に示すような構成を採用するのが好ましいと言える。その場合、(H−φDia/2)/dm1の値が上限値の0.70以上となるほどに大きいと、光軸Zの変位方向の反射面光学系のサイズが大きくなるが、(H−φDia/2)/dm1の値が上限値の0.70を下回っていれば、上記の大型化を回避して、ひいては光学系全体をコンパクトに構成可能となる。
その一方、(H−φDia/2)/dm1の値が下限値の0.00以下となるほどに小さいと、迷光発生を防止することが難しくなるが、下限値の0.00を上回っていれば、迷光発生の防止も容易となる。
なお、(H−φDia/2)/dm1の値について、下記条件式(12)’
0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.40 ……(12)’
や、さらには下記条件式(12)”
0.10<(H−φDia/2)/dm1<0.35 ……(12)”
が満足されている場合は、上記の効果がより顕著となる。
本実施形態に係る光学系においては、第2反射面12aを構成する第2ミラー12より後方に、光学面を有するII型ポロプリズム(以下、単にポロプリズムという)14および接眼光学系15が配置されているが、それらの光学面のうち最も第2反射面12aに近いのは、ポロプリズム14の光入射面である。
そして、本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(4)
1.50<Lair/φDia<3.50 ……(4)
ただし、
Lair:対物光学系10の最も像側の面と、ポロプリズム14の光入射面(最も第2反射面12aに近い光学面)との間の長さ
φDia:対物光学系10の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
が満足されている。
条件式(4)が満足されていることにより、以下の効果が得られる。すなわち、Lair/φDiaの値が下限値の1.50を上回っていることにより、第1反射面11aおよび第2反射面12aを配置するためのスペースを確保しやすくなる。他方、Lair/φDiaの値が上限値の3.50を下回っていることにより、光学系の全長が長くなり過ぎるのを抑えることができる。なお先に述べた通り、上記の「最も第2反射面12aに近い光学面」としては、対物光学系10による結像面も含むものである。この結像面を上記光学面とした場合に条件式(4)が満足されていれば、対物光学系10によって物体の像が結像される前に、反射面の回転による像ぶれ補正動作が完了していることになる。
なお本実施形態の光学系においては、下記条件式(4)’
1.80<Lair/φDia<3.30 ……(4)’
も満足されているので、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
本実施形態に係る光学系は、ポロプリズム14からなる正立光学系および接眼光学系15と共に観察光学系を構成するものであるが、上記正立光学系の最も第2反射面12aに近い面は、ポロプリズム14の光入射面である。
また、本実施形態では、第1反射面11aおよび第2反射面12aが、像ぶれ補正動作しない状態で、対物光学系の光軸に対して45°傾斜している。このような構成を採用することにより、反射面光学系の構造を簡易化することができる。
そして、本実施形態に係る光学系においては、下記条件式(5)
0.30<Dair/F<0.70 ……(5)
ただし、
Dair:対物光学系10の最も像側の面と、ポロプリズム14の光入射面(正立光学系の最も第2反射面12aに近い面)との間の長さ
F:対物光学系の焦点距離
が満足されている。
条件式(5)が満足されていることにより、以下の効果が得られる。すなわち、Dair/Fの値が下限値の0.30を上回っていることにより、第1反射面11aおよび第2反射面12aを配置するためのスペースを確保しやすくなる。他方、Dair/Fの値が上限値の0.70を下回っていることにより、光学系の全長が長くなり過ぎるのを抑えることができる。
なお本実施形態の光学系においては、下記条件式(5)’
0.37<Dair/F<0.62 ……(5)’
も満足されているので、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
本実施形態に係る光学系においては、図2に側面形状を示すように、対物光学系10と第2反射面12aとの間に第1遮光部材21が配され、また正立光学系を構成するポロプリズム14と第1反射面11aとの間に第2遮光部材22が配されている。なお遮光部材21および22は、図1においては省略されている。以下、これらの遮光部材21および22の位置について詳しく説明する。
この位置を規定するために、以下の通りのyz座標系を考える。このyz座標系は、像ぶれ補正動作がなされない基準状態下で考えるものであり、第1反射面11aで折り曲げられる前後の光軸Zを含む面を座標面とし、第1反射面11a上における光軸Zの位置を原点とし、第1反射面11aから第2反射面12aに向かう光軸Zの向きを+y方向、対物光学系10から第1反射面11aに向かう光軸Zの向きを+z方向とする座標系である。
以上のyz座標系において、
第1遮光部材21の、対物光学系10と第1反射面11aとの間の光軸Z側の先端点をM(ym,zm)、
第2遮光部材22の、第2反射面12aと正立光学系10との間の光軸Z側の先端点をN(yn,zn)、
視野角0度の光線と対物光学系10の最も像側の面との交点のうち、y座標がより大である方の交点をP1(y1,z1)、
視野角0度の光線と第2反射面12aとの交点のうち、z座標がより小である方の交点をP2(y2,z2)、
視野角0度の光線と第1反射面11aとの交点のうち、z座標がより大である方の交点をP3(y3,z3)、
視野角0度の光線とポロプリズム14の光入射面との交点のうち、y座標がより小である方の交点をP4(y4,z4)、
としたとき、本実施形態では特に後述する実施例4、5、7〜11、および13において、下記条件式(6)〜(9)が全て満足されている。また、実施例2では条件式(6)および(7)が、実施例3および6では条件式(8)および(9)が、実施例12では条件式(7)〜(9)が満足されている。表27では、条件式(6)〜(9)が満足されている状態を「OK」と表記して示している。なお、条件式(6)〜(9)における各条件の値を表28に示してある。
y3<ym<y1 ……(6)
z1<zm<z2 ……(7)
y2<yn<y4 ……(8)
z3<zn<z4 ……(9)
上記条件式(6)〜(9)が満足されていれば、第1反射面11aあるいは第2反射面12aを介さないで抜ける迷光の発生を防止しやすくなる。なお、第1遮光部材21と第2遮光部材22の一方だけが設けられた場合、あるいはそれらが両方とも設けられた場合において、条件式(6)〜(9)のうちの少なくとも一つが満足されていれば、上記迷光の発生を防止する効果がそれなりに得られる。
また本実施形態では、特に後述する実施例2、4および5において、下記条件式(10)が満足されている。また実施例3〜6では、下記条件式(11)が満足されている。
0.08<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)
0.08<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)
上記条件式(10)が満足されていれば、以下の効果が得られる。すなわち、(z2−zm)/(z2−z1)の値が下限値の0.08を上回っていることにより、第2反射面12aと第1遮光部材21との干渉を防止しやすくなる。他方、(z2−zm)/(z2−z1)の値が上限値の1.00を下回っていることにより、第2反射面12aを介さないで抜ける迷光の発生を防止しやすくなる。
なお本実施形態の光学系において、下記条件式(10)’
0.20<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)’
が、さらには下記条件式(10)”
0.27<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)”
が満足されていれば、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
また、上記条件式(11)が満足されていれば、以下の効果が得られる。すなわち、(zn−z3)/(z4−z3)の値が下限値の0.08を上回っていることにより、第1反射面11aと第2遮光部材22との干渉を防止しやすくなる。他方、(zn−z3)/(z4−z3)の値が上限値の1.00を下回っていることにより、第1反射面11aを介さないで抜ける迷光の発生を防止しやすくなる。
なお本実施形態の光学系において、下記条件式(11)’
0.20<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)’
が、さらには下記条件式(11)”
0.27<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)”
が満足されていれば、以上述べた効果がさらに顕著なものとなる。
次に、本発明の光学系の数値実施例について説明する。実施例1〜6の光学系の断面図を、それぞれ図3〜図8に示す。なおこれらの図3〜図8には、対物光学系、反射面光学系、正立光学系および接眼光学系を含む観察光学系の例を示す。
<実施例1>
実施例1を示す図3では、左側が物体側、右側が像側として、無限遠合焦状態での光学系配置を示している。また図3では、図1中に概略を示した対物光学系10をOB、第1反射面11aをM1、第2反射面12aをM2、ポロプリズム14からなる正立光学系をER、接眼光学系15をOCとしてそれぞれ示している。また図3におけるEPは、アイポイントを示す。以上のことは、後述する図4〜図8においても同様である。
図3に示す通り対物光学系OBは一例として、正の屈折力を有する(以下、これを単に「正の」あるいは「正」という)レンズL11、および負の屈折力を有する(以下、これを単に「負の」あるいは「負」という)レンズL12を、物体側からこの順に配置して構成されている。正レンズL11は例えば両凸レンズ、負レンズL12は例えば負のメニスカスレンズである。なお正レンズL11と負レンズL12は、互いに接合されている。
一方接眼光学系OCは、例えば両凹レンズである負レンズL21、正のメニスカスレンズである正レンズL22、正のメニスカスレンズである正レンズL23、両凸レンズである正レンズL24、負のメニスカスレンズである負レンズL25、および両凸レンズである正レンズL26を、物体側からこの順に配置して構成されている。なお正レンズL24と負レンズL25は、互いに接合されている。
なお正立光学系ERについて図3では、光路長が分かり易くなるように、正立プリズム(ポロプリズム)を展開してガラスブロックとして示している。
実施例1の光学系の基本レンズデータを表1に、諸元を表2に示す。表1および表2において、長さを示すデータの単位はmm、角度を示すデータの単位は度(゜)である。同様に、実施例2〜13のズームレンズの基本レンズデータ、諸元を表3〜表26に示す。以下、表中の記号の意味について、実施例1のものを例に挙げて説明するが、実施例2〜13のものについても基本的に同様である。
表1の基本レンズデータにおいて、Siの欄には最も物体側の構成要素の物体側の面を1番目として像側に向かうに従って順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。なお、面間隔の最後の値は、接眼光学系OCの正レンズL26のアイポイントEP側の面からアイポイントEPまでの間隔の値である。曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
また、基本レンズデータにおいて、Ndjの欄には最も物体側のレンズを1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の構成要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄にはj番目の構成要素のd線に対するアッベ数を示している。なお、基本レンズデータには、レンズ以外の第1反射面M1、第2反射面M2、正立光学系ERの3つの光学面も併せて示している。それらの面の曲率半径の欄には、∞と記載している。
一方、表2の諸元には、対物光学系の焦点距離F(d線に関する値)、倍率、口径および視野角に加えて、先に述べたD、d、φDia、H、Lair、Dairおよびdm1の値を記載している。なおDの値については、回動軸Aの周りに回動させる反射面を第1反射面M1としたときの値を上段に、第2反射面M2としたときの値を下段に示してある。ただし後述する実施例6では、第1反射面M1を回動させる場合のみを示してある。
<実施例2>
図4に、実施例2の観察光学系の断面図を示す。この実施例2の観察光学系の構成は、基本的に実施例1のものと同様である。実施例2の観察光学系の基本レンズデータを表3に、諸元を表4に示す。
<実施例3>
図5に、実施例3の観察光学系の断面図を示す。この実施例3の観察光学系の構成は、基本的に実施例1のものと同様である。ただし、接眼光学系OCの正レンズL26として、平凸レンズが用いられている。実施例3の観察光学系の基本レンズデータを表5に、諸元を表6に示す。
<実施例4>
図6に、実施例4の観察光学系の断面図を示す。この実施例4の観察光学系は、実施例1のものと比べると、光軸Zを第1反射面M1で直角に下方に向けて折り曲げるようにした点で基本的に異なるものである。また本実施例では、接眼光学系OCの正レンズL26として、平凸レンズが用いられている。実施例4の観察光学系の基本レンズデータを表7に、諸元を表8に示す。
<実施例5>
図7に、実施例5の観察光学系の断面図を示す。この実施例5の観察光学系は、実施例1のものと比べると、光軸Zを第1反射面M1で斜め下方(基準状態下で垂直方向に対して30度の角度をなす方向)に向けて折り曲げるようにした点で基本的に異なるものである。そのためにこの実施例4の観察光学系では、第1反射面M1が、基準状態下で、対物光学系10(図1参照)からの光軸Zに対して60度の角度をなすように配置されている。
またこの実施例5の観察光学系は、実施例1のものと比べると、接眼光学系OCが5枚のレンズL21〜L25から構成されている点でも異なっている。すなわち、本実施例において接眼光学系OCは、物体側から順に正メニスカスレンズからなる正レンズL21、正メニスカスレンズからなる正レンズL22、両凸レンズからなる正レンズL23、負メニスカスレンズからなる負レンズL24、および正メニスカスレンズからなる正レンズL25を配置して構成されている。
なお、上に述べた実施例1〜4においては、前述したように第1反射面M1および第2反射面M2による光軸の変位量をHとし、対物光学系OBの光軸Z上における第1反射面M1と第2反射面M2との間の空気換算長をdとしたときH=dであるが、この実施例5においては、H<dとなる。より具体的には、H=(31/2/2)dである。実施例5の観察光学系の基本レンズデータを表9に、諸元を表10に示す。
<実施例6>
図8に、実施例6の観察光学系の断面図を示す。この実施例6の観察光学系は、実施例4のものと同様に、接眼光学系OCの正レンズL26として平凸レンズが用いられると共に、光軸Zを第1反射面M1で直角に下方に向けて折り曲げるようにしたものであるが、ここでは図4に示した第2反射面M2を有するミラーに代わるものとして、プリズムPRが用いられている。この構成においては、第1反射面M1で反射した後にプリズムPRの一つの内側面INに入射した光が全反射し、正立光学系ERに導かれる。つまり本実施例においては、上記プリズムPRの内側面INが第2反射面とされている。
なお、上に述べた実施例1〜4においては、前述したように第1反射面M1および第2反射面M2による光軸の変位量をHとし、対物光学系OBの光軸Z上における第1反射面M1と第2反射面M2との間の空気換算長をdとしたときH=dであるが、この実施例6においては、H>dとなる。Hの値は、プリズムPRの材料の屈折率に応じて変わるものであるが、この屈折率は当然1より大であるので、H>dとなる。実施例6の観察光学系の基本レンズデータを表11に、諸元を表12に示す。
<実施例7>
図12に、実施例7の観察光学系の断面図を示す。この実施例7の観察光学系の構成は、基本的に実施例1のものと同様である。実施例7の観察光学系の基本レンズデータを表13に、諸元を表14に示す。
<実施例8>
図13に、実施例8の観察光学系の断面図を示す。この実施例8の観察光学系の構成は、基本的に実施例1のものと同様である。実施例8の観察光学系の基本レンズデータを表15に、諸元を表16に示す。
<実施例9>
図14に、実施例9の観察光学系の断面図を示す。この実施例9の観察光学系は、基本的に実施例1のものと同様の構成の対物光学系OBを有している。一方接眼光学系OCは、例えば両凹レンズである負レンズL21、正のメニスカスレンズである正レンズL22、負のメニスカスレンズである負レンズL23、両凸レンズである正レンズL24、および両凸レンズである正レンズL25を、物体側からこの順に配置して構成されている。なお負レンズL23と正レンズL24は、互いに接合されている。実施例9の観察光学系の基本レンズデータを表17に、諸元を表18に示す。
<実施例10>
図15に、実施例10の観察光学系の断面図を示す。この実施例10の観察光学系の構成は、基本的に実施例9のものと同様である。実施例10の観察光学系の基本レンズデータを表19に、諸元を表20に示す。
<実施例11>
図16に、実施例11の観察光学系の断面図を示す。この実施例11の観察光学系は、基本的に実施例1のものと同様の構成の対物光学系OBを有している。一方接眼光学系OCは、例えば両凹レンズである負レンズL21、正のメニスカスレンズである正レンズL22、両凸レンズである正レンズL23、両凸レンズである正レンズL24、平凹レンズである負レンズL25、および平凸レンズである正レンズL26を、物体側からこの順に配置して構成されている。なお正レンズL24と負レンズL25は、互いに接合されている。実施例11の観察光学系の基本レンズデータを表21に、諸元を表22に示す。
<実施例12>
図17に、実施例12の観察光学系の断面図を示す。この実施例11の観察光学系において対物光学系OBは例えば、両凸レンズである正レンズL11、負のメニスカスレンズである負レンズL12、平凸レンズである正レンズL13、および負のメニスカスレンズである負レンズL14を、物体側からこの順に配置して構成されている。正レンズL11と負レンズL12は、互いに接合されている。
一方接眼光学系OCは、例えば平凹レンズである負レンズL21、両凸レンズである正レンズL22、両凸レンズである正レンズL23、両凸レンズである正レンズL24、および平凹レンズである負レンズL25を、物体側からこの順に配置して構成されている。なお正レンズL24と負レンズL25は、互いに接合されている。実施例12の観察光学系の基本レンズデータを表23に、諸元を表24に示す。
<実施例13>
図18に、実施例13の観察光学系の断面図を示す。この実施例13の観察光学系は、基本的に実施例1のものと同様の構成の対物光学系OBを有している。一方接眼光学系OCは、例えば負のメニスカスレンズである負レンズL21、正のメニスカスレンズである正レンズL22、両凹レンズである負レンズL23、両凸レンズである正レンズL24、および両凸レンズである正レンズL25を、物体側からこの順に配置して構成されている。なお負レンズL23と正レンズL24は、互いに接合されている。なお本実施例では、実施例4の光学系と同様に、光軸Zを第1反射面M1で直角に下方に向けて折り曲げるようにしている。実施例13の観察光学系の基本レンズデータを表25に、諸元を表26に示す。
また表27に、前述した条件式(1)〜(5)、(10)〜(12)が数値範囲を規定している条件、つまり文字式の部分の値を、実施例1〜6の各々について示してある。また表28には、前述した条件式(6)〜(9)における各条件の値を示してある。
次に、本発明の一実施形態に係る光学装置について、図9〜図11を参照して説明する。この光学装置は一例として双眼鏡であり、図9および図10はそれぞれ、この双眼鏡の光学系の平面形状と側面形状を示している。なお図9および図10では、各光学要素に、図3〜図8におけるものと同じ符号を用いた上で、その各符号の末尾に、右眼用は「R」を、左眼用は「L」を付して示してある。
図11は、上記双眼鏡における像ぶれ補正制御回路およびその周辺の回路を示すブロック図である。図示のようにこの像ぶれ補正制御回路30は、制御プログラムに基づいて像ぶれ補正機構を制御するCPU(Central Processing Unit)31を有している。そしてこのCPU31には、双眼鏡30のx軸周りおよびy軸周りの振れ量を測定する振れ測定センサ32と、後述する第1アクチュエータ39および第2アクチュエータ40をそれぞれ駆動するドライバ33、34と、制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)35とが接続されている。
また、像ぶれ補正制御回路30とは別に双眼鏡には、x軸用位置センサ36、y軸用位置センサ37、および電源スイッチ38が取り付けられ、それらは各々CPU31に接続されている。なお以下の電気的あるいは機械的構成に関する説明では、光学要素を示す図9および図10から離れて、図1を参照して説明する。
双眼鏡にはさらに、第1アクチュエータ39と、第2アクチュエータ40とが設けられている。第1アクチュエータ39は、例えばフラットコイル式のボイスコイルモータ(Voice Coil Motor)等によりy軸方向に移動する図示外の可動部を備えており、この可動部の移動により、図示外のリンク機構等を介して第1ミラー11を回動軸Aの周りに回動させる。第2アクチュエータ40も、例えばフラットコイル式のボイスコイルモータ等によりx軸方向に移動する図示外の可動部を備えており、この可動部の移動により、図示外のリンク機構等を介して第1ミラー11および第2ミラー12をそれぞれ回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる。
上記x軸用位置センサ36は、第2アクチュエータ40の可動部のx軸方向位置を検出して、その位置を示す位置検出信号をCPU31に入力する。またy軸用位置センサ37は、第1アクチュエータ39の可動部のy軸方向位置を検出して、その位置を示す位置検出信号をCPU31に入力する。
次に、像ぶれ補正制御回路30によって制御される像ぶれ補正動作について説明する。像ぶれ補正制御回路30は、電源スイッチ38のオン操作により作動を開始する。振れ測定センサ32は、双眼鏡30のx軸周りおよびy軸周りの振れを検出し、振れ検出信号をCPU31に入力する。CPU31は、振れ測定センサ32からの振れ検出信号と、x軸用位置センサ36が検出した第2アクチュエータ40の可動部の位置と、y軸用位置センサ37が検出した第1アクチュエータ39の可動部の位置とに基づいてドライバ33、34を制御し、光学像の像ぶれが補正されるように第1アクチュエータ39および第2アクチュエータ40を駆動させる。
双眼鏡がx軸周り方向に振れて、ピッチ方向の像ぶれが発生した場合、CPU31は、第1アクチュエータ39の可動部をy軸方向に移動させる。この可動部の移動は、像ぶれの方向および量に応じた方向および量でなされ、それに対応して第1ミラー11が回動軸Aの周りに回動する。それにより、図1に示す光軸Z3の向きがyz面内で偏向し、ピッチ方向の像ぶれが補正される。
また、双眼鏡がy軸周り方向に振れて、ヨー方向の像ぶれが発生した場合、CPU31は、第2アクチュエータ40の可動部をx軸方向に移動させる。この可動部の移動は、像ぶれの方向および量に応じた方向および量でなされ、それに対応して第1ミラー11および第2ミラー12が共に回動軸B1、B2の周りに回動する。それにより、図1に示す光軸Z3の向きがxz面内で偏向し、ヨー方向の像ぶれが補正される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、前述したII型ポロプリズム14からなる正立光学系に代えて、I型ポロプリズムや、ダハプリズム等のその他のプリズムからなる正立光学系を適用することもできる。ただし、観察光学系の前後方向(図1中のz方向)の長さを短く抑える上では、II型ポロプリズムを適用するのが効果的である。また、対物光学系OBや接眼光学系OCを構成する各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数等の値は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
10 対物光学系
11 第1ミラー
11a 第1反射面
12 第2ミラー
12a 第2反射面
13 反射面光学系
14 正立光学系(II型ポロプリズム)
15 接眼光学系
21 第1遮光部材
22 第2遮光部材
30 像ぶれ補正制御回路
31 CPU
32 振れ測定センサ
33、34 ドライバ
35 ROM
36 x軸用位置センサ
37 y軸用位置センサ
38 電源スイッチ
39 第1アクチュエータ
40 第2アクチュエータ
A、B1、B2 回動軸
ER 正立光学系
OB 対物光学系
OC 接眼光学系
M1 第1反射面
M2、IN 第2反射面
Z 光軸

Claims (20)

  1. 物体側から順に対物光学系、および前記対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
    前記反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
    前記第1反射面は前記対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
    前記第1反射面で反射後の光軸と前記対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
    前記第1反射面と前記第2反射面のいずれか一方を、該反射面と前記光軸との交点を通り、該反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
    前記第1反射面および前記第2反射面を各々前記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
    下記条件式を満足する光学系。
    1.05<F/D<2.50 ……(1)
    ただし、
    F:対物光学系の焦点距離
    D:対物光学系の光軸上における、回動軸Aの周りに回動する反射面から、対物光学系の反射面光学系側の焦点位置までの空気換算長
  2. 物体側から順に対物光学系、および前記対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
    前記反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
    前記第1反射面は前記対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
    前記第1反射面で反射後の光軸と前記対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
    前記第1反射面と前記第2反射面のいずれか一方を、該反射面と前記光軸との交点を通り、該反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
    前記第1反射面および前記第2反射面を各々前記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
    下記条件式を満足する光学系。
    3.50<F/d<6.00 ……(2)
    ただし、
    F:対物光学系の焦点距離
    d:対物光学系の光軸上における第1反射面と第2反射面との間の空気換算長
  3. 物体側から順に対物光学系、および前記対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
    前記反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
    前記第1反射面は前記対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
    前記第1反射面で反射後の光軸と前記対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
    前記第1反射面と前記第2反射面のいずれか一方を、該反射面と前記光軸との交点を通り、該反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
    前記第1反射面および前記第2反射面を各々前記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
    下記条件式を満足する光学系。
    0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
    ただし、
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
  4. 物体側から順に対物光学系、および前記対物光学系の光軸に沿って配置された反射面光学系を有し、
    前記反射面光学系は、互いに平行に配置される第1反射面および第2反射面を有し、
    前記第1反射面は前記対物光学系の光軸と直交する直線を含み、かつ
    前記第1反射面で反射後の光軸と前記対物光学系の光軸とで平面を形成するように配置された基準状態を取り得ると共に、
    前記第1反射面と前記第2反射面のいずれか一方を、該反射面と前記光軸との交点を通り、該反射面による折り曲げの前後の光軸を含む面に垂直な回動軸Aの周りに回動させる動作、または、
    前記第1反射面および前記第2反射面を各々前記光軸との交点を通り、かつ各反射面の法線から外れた軸であって、互いに平行とされた回動軸B1、B2の周りに互いに同期して回動させる動作、もしくはその両動作によって、対物光学系の結像位置を移動させるように構成され、
    下記条件式を満足する光学系。
    0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.70 ……(12)
    ただし、
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    dm1:対物光学系の光軸上における、対物光学系の最も物体側の面から第1反射面までの長さ
  5. 下記条件式を満足する請求項1に記載の光学系。
    3.50<F/d<6.00 ……(2)
    ただし、
    F:対物光学系の焦点距離
    d:対物光学系の光軸上における第1反射面と第2反射面との間の空気換算長
  6. 下記条件式を満足する請求項5に記載の光学系。
    0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
    ただし、
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
  7. 下記条件式を満足する請求項1に記載の光学系。
    0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
    ただし、
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
  8. 下記条件式を満足する請求項1に記載の光学系。
    0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.70 ……(12)
    ただし、
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    dm1:対物光学系の光軸上における、対物光学系の最も物体側の面から第1反射面までの長さ
  9. 下記条件式を満足する請求項2に記載の光学系。
    0.70<φDia/H<1.50 ……(3)
    ただし、
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
  10. 下記条件式を満足する請求項3に記載の光学系。
    0.00<(H−φDia/2)/dm1<0.70 ……(12)
    ただし、
    H:第1反射面および第2反射面による光軸の変位量
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
    dm1:対物光学系の光軸上における、対物光学系の最も物体側の面から第1反射面までの長さ
  11. 前記第2反射面を構成する部材よりも、対物光学系による結像位置側に少なくとも1つの光学面が存在し、
    下記条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の光学系。
    1.50<Lair/φDia<3.50 ……(4)
    ただし、
    Lair:対物光学系の最も像側の面と、前記光学面のうち最も第2反射面に近い光学面との間の長さ
    φDia:対物光学系の最も物体側の面における軸上光線の最大有効径
  12. 前記第1反射面および第2反射面が、前記回動動作をしない状態で、対物光学系の光軸に対して45°傾斜している請求項1から11のいずれか1項に記載の光学系。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の光学系と、前記第2反射面の、対物光学系による結像位置側に配された接眼光学系とを有する観察光学系。
  14. 前記第2反射面と前記接眼光学系との間に正立光学系が配置されている請求項13に記載の観察光学系。
  15. 前記正立光学系がII型ポロプリズムから構成されている請求項14に記載の観察光学系。
  16. 下記条件式を満足する請求項14または15に記載の観察光学系。
    0.30<Dair/F<0.70 ……(5)
    ただし、
    Dair:対物光学系の最も像側の面と、正立光学系の最も第2反射面に近い面との間の長さ
    F:対物光学系の焦点距離
  17. 前記対物光学系と前記第2反射面との間に配される第1遮光部材、および前記第1反射面と前記正立光学系との間に配される第2遮光部材の少なくとも一方が設けられ、
    前記基準状態下での、前記第1反射面で折り曲げられる前後の光軸を含む面を座標面とし、前記第1反射面上における前記光軸の位置を原点とし、前記第1反射面から前記第2反射面に向かう光軸の向きを+y方向、前記対物光学系から前記第1反射面に向かう光軸の向きを+z方向とするyz座標系において、
    第1遮光部材の、対物光学系と第1反射面との間の光軸側の先端点をM(ym,zm)、
    第2遮光部材の、第2反射面と正立光学系との間の光軸側の先端点をN(yn,zn)、
    視野角0度の光線と対物光学系の最も像側の面との交点のうち、y座標がより大である方の交点をP1(y1,z1)、
    視野角0度の光線と第2反射面との交点のうち、z座標がより小である方の交点をP2(y2,z2)、
    視野角0度の光線と第1反射面との交点のうち、z座標がより大である方の交点をP3(y3,z3)、
    視野角0度の光線と正立光学系の最も第2反射面側の面との交点のうち、y座標がより小である方の交点をP4(y4,z4)、
    としたとき、下記条件式の少なくとも1つを満足する請求項14から16のいずれか1項に記載の観察光学系。
    y3<ym<y1 ……(6)
    z1<zm<z2 ……(7)
    y2<yn<y4 ……(8)
    z3<zn<z4 ……(9)
  18. 下記条件式の少なくとも1つを満足する請求項17に記載の観察光学系。
    0.08<(z2−zm)/(z2−z1)<1.00 ……(10)
    0.08<(zn−z3)/(z4−z3)<1.00 ……(11)
  19. 請求項13から18のいずれか1項に記載の観察光学系を備えた光学装置。
  20. 双眼鏡である請求項19に記載の光学装置。
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