JP2016094924A - マフラおよび圧縮機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができるマフラ、および、それを備える圧縮機構を提供することである。【解決手段】マフラ26は、吐出ポート23bを有するフロントヘッド23に取り付けられる。マフラは、マフラ空間形成部26bを備える。マフラ空間形成部は、フロントヘッドと共にマフラ空間90を形成する。マフラ空間形成部は、略円形の上部軸受貫通孔26cを有する。マフラ空間形成部の外縁である境界線31は、第1範囲41と、第2範囲42とを有する。第1範囲は、仮想基準円32に沿っている。第2範囲は、仮想基準円から、仮想基準円の中心に向かって凹んでいる。第1範囲の長さは、境界線の長さの50%以上である。仮想基準円に直交する第1方向に沿って見た場合に、仮想基準円の中心は、上部軸受貫通孔の中心から第1距離D1だけ離れている。【選択図】図4

Description

本発明は、マフラ、および、それを備える圧縮機構に関する。
従来、空気調和装置等の冷凍装置に備えられる圧縮機として、ロータリ圧縮機が用いられている。特許文献1(特開2011−157911号公報)に開示されるように、ロータリ圧縮機は、主として、ケーシングと、圧縮機構と、モータと、クランクシャフトとを備える。ケーシングの内部空間において、圧縮機構は、モータの下方に設置され、クランクシャフトを介してモータと連結されている。圧縮機構には、マフラが取り付けられている。マフラは、圧縮機構から冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するためのマフラ空間を形成する。マフラ空間は、圧縮機構の冷媒の吐出孔と連通している。
ロータリ圧縮機の圧縮機構は、圧縮された冷媒を吐出孔からマフラ空間に周期的に吐出する。これにより、マフラ空間では、冷媒の周期的な圧力変動に起因する音響共鳴が発生する。音響共鳴の一次モードでは、吐出孔の近傍の空間、および、クランクシャフトに対して吐出孔の反対側の空間の2箇所において、圧力変動の大きさが最大となる腹が形成される。音響共鳴の一次モードのエネルギーは、マフラを振動させて、圧縮機から発生する騒音の原因となる。そのため、マフラ空間で発生する音響共鳴のエネルギーを低減する方法が求められている。
本発明の目的は、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができるマフラ、および、それを備える圧縮機構を提供することである。
本発明の第1観点に係るマフラは、吐出孔を有するヘッドに取り付けられるマフラである。マフラは、マフラ空間形成部を備える。マフラ空間形成部は、ヘッドと共にマフラ空間を形成する。マフラ空間形成部は、略円形の貫通孔を有する。マフラ空間形成部の外縁である境界線は、第1範囲と、第2範囲とを有する。第1範囲は、仮想基準円に沿っている。第2範囲は、仮想基準円から、仮想基準円の中心に向かって凹んでいる。第1範囲の長さは、境界線の長さの50%以上である。仮想基準円に直交する第1方向に沿って見た場合に、仮想基準円の中心は、貫通孔の中心から第1距離だけ離れている。
第1観点に係るマフラは、圧縮機構に取り付けられる。圧縮機構は、圧縮された冷媒をマフラ空間に周期的に吐出する。これにより、マフラ空間では、冷媒の周期的な圧力変動が発生する。この圧力変動に起因して、マフラ空間では進行波が発生および干渉し、音響共鳴が励起される。音響共鳴の一次モードのエネルギーは、マフラの振動の原因となる。
第1観点に係るマフラでは、マフラ空間は、反射空間を有している。反射空間は、吐出孔の反対側に形成され、かつ、マフラ空間の周方向において周囲より狭くなっている空間である。進行波は、反射空間において、マフラおよびヘッドの表面で反射しやすい。反射によって進行波が減衰することで、音響共鳴の振幅の大きさが低減される。そのため、反射空間は、音響共鳴の一次モードのエネルギーを低下させて、マフラの振動を抑制する効果を有する。従って、第1観点に係るマフラは、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
本発明の第2観点に係るマフラは、第1観点に係るマフラであって、第1距離は、仮想基準円の直径の5%以上である。
本発明の第3観点に係る圧縮機構は、気体を圧縮して吐出孔から吐出する圧縮機構である。圧縮機構は、ヘッドと、第1観点または第2観点に係るマフラとを備える。吐出孔は、マフラ空間と連通し、かつ、略円形である。
第3観点に係る圧縮機構は、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機構は、第3観点に係る圧縮機構であって、第1方向に沿って見た場合に、第1直線と第2直線との間の角度は、30°以下である。第1直線は、貫通孔の中心と吐出孔の中心とを結ぶ。第2直線は、貫通孔の中心と仮想基準円の中心とを結ぶ。
本発明の第5観点に係る圧縮機構は、第4観点に係る圧縮機構であって、仮想基準円の中心は、第1直線上にある。
本発明に係るマフラおよび圧縮機構は、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。 マフラが取り付けられたフロントヘッドの斜視図である。 マフラが取り付けられたフロントヘッドの上面図である。 図3と同様の上面図であって、突出部の外縁である境界線、上部軸受貫通孔および吐出ポートが示されている図である。 参考例としての仮想マフラ空間の概念図である。 仮想マフラ空間で発生する一次共鳴モードを表す概念図である。 マフラ空間における冷媒の流れを表す図である。 図4と同様の図であって、仮想基準円の中心の位置の好ましい範囲を示す図である。
本発明の実施形態である圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の圧縮機は、ロータリ圧縮機である。ロータリ圧縮機は、空気調和装置等の冷凍装置に備えられる冷媒回路に取り付けられる。ロータリ圧縮機は、冷媒回路を流れる冷媒ガスを圧縮する。
(1)圧縮機の構成
図1は、ロータリ圧縮機101の縦断面図である。ロータリ圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、モータ16と、クランクシャフト17と、吸入管19と、吐出管20と、下部反射板31とを備える。ロータリ圧縮機101で圧縮される冷媒は、例えば、R410A、R22、R32および二酸化炭素である。次に、ロータリ圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、円筒形の胴部11と、ボウル形の頂部12と、ボウル形の底部13とから構成される。頂部12は、胴部11の上端部と気密状に連結されている。底部13は、胴部11の下端部と気密状に連結されている。
ケーシング10は、ケーシング10の内部空間および外部空間の圧力および温度の変化によって変形および破損が起こりにくい剛性部材で成形されている。ケーシング10は、胴部11の円筒形の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。ケーシング10の内部空間の下部は、潤滑油が貯留される油貯留部10aである。潤滑油は、ケーシング10の内部空間に存在する摺動部の潤滑性を向上させるために用いられる冷凍機油である。
ケーシング10は、主として、圧縮機構15と、モータ16と、クランクシャフト17とを収容している。圧縮機構15は、クランクシャフト17を介してモータ16と連結されている。吸入管19および吐出管20は、ケーシング10を貫通し、ケーシング10と気密状に連結されている。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、主として、ピストン21と、フロントヘッド23と、シリンダ24と、リアヘッド25と、マフラ26とから構成される。フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25は、レーザ溶接およびボルト等によって気密状に連結されている。
圧縮機構15は、低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮し、高圧の冷媒ガスを吐出する。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間である。以下、圧縮機構15の上方、かつ、モータ16の下方の高圧空間を、下部高圧空間91と呼び、モータ16の上方の高圧空間を、上部高圧空間92と呼ぶ。圧縮機構15は、油貯留部10aに貯留されている潤滑油に浸かっている。潤滑油は、圧縮機構15の摺動部に供給される。
圧縮機構15は、フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25によって囲まれた空間である圧縮室40を有する。ピストン21は、圧縮室40に収容されている。圧縮室40は、ピストン21によって、吸入管19と連通する吸入室と、高圧空間S1と連通する吐出室とに区画される。
ピストン21は、クランクシャフト17の偏心軸部17aが嵌め込まれている。クランクシャフト17が回転すると、ピストン21は、公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、吸入室および吐出室の容積が周期的に変化する。
フロントヘッド23は、クランクシャフト17を支持するための上部軸受23aを有している。フロントヘッド23は、ケーシング10の胴部11の内周面11aに固定されている。上部軸受23aは、フロントヘッド23の上端面の中央部から上方に向かって延びている部分である。フロントヘッド23は、圧縮機構15の外部空間に圧縮室40の冷媒を吐出するための円形の孔である吐出ポート23bを有する。
フロントヘッド23の上面には、吐出弁23cが取り付けられている。吐出弁23cは、吐出ポート23bの上方の開口に取り付けられる。吐出弁23cは、圧縮機構15の外部空間から圧縮室40への冷媒の逆流を防ぐ。吐出弁23cの一端は、フロントヘッド23に固定されている。吐出弁23cの他端は、吐出ポート23bの圧力が上昇すると、フロントヘッド23から離れる。これにより、圧縮室40は、吐出ポート23bを介して圧縮機構15の外部空間と連通する。
シリンダ24は、フロントヘッド23とリアヘッド25との間に挟まれている。シリンダ24は、円筒形状を有している。フロントヘッド23は、シリンダ24の上面を覆っている。リアヘッド25は、シリンダ24の下面を覆っている。
リアヘッド25は、クランクシャフト17を支持するための下部軸受25aを有している。下部軸受25aは、リアヘッド25の下端面の中央部から下方に向かって延びている部分である。
マフラ26は、フロントヘッド23の上端面に固定されている。マフラ26は、フロントヘッド23の吐出ポート23bから冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために取り付けられている。マフラ26は、フロントヘッド23と共にマフラ空間90を形成する。マフラ空間90は、上部軸受23aの周囲に形成される環状の空間である。マフラ空間90は、吐出ポート23bと連通する。マフラ26の詳細な構成は、後述する。
(1−3)モータ
モータ16は、圧縮機構15の上方に設置されるブラシレスDCモータである。モータ16は、主として、ステータ51と、ロータ52とから構成される。ステータ51は、ケーシング10の胴部11の内周面11aに固定される円筒形の部材である。ロータ52は、ステータ51の内側に設置される円柱形の部材である。
ステータ51とロータ52との間には、エアギャップ53と呼ばれる隙間が形成されている。ステータ51の外周面には、鉛直方向に沿ってコアカット(図示せず)と呼ばれる溝が形成されている。下部高圧空間91および上部高圧空間92は、エアギャップ53およびコアカットを介して連通している。
ステータ51は、主として、ステータコア61と、インシュレータ62とを有する。インシュレータ62は、ステータコア61の鉛直方向の両端面に取り付けられている。ステータコア61は、電磁鋼からなる多数の円環状板が鉛直方向に積層された略円筒形状の部材である。ステータコア61の略円筒形状の軸方向は、鉛直方向である。ステータコア61は、ケーシング10に固定されている。具体的には、ステータコア61の外周面は、ケーシング10の胴部11の内周面11aに溶接等により固定されている。ステータコア61は、複数のティースを有する。ステータコア61のティースは、インシュレータ62と共に、導線が巻き付けられている。これにより、ステータコア61の各ティースには、コイル72aが形成されている。
ロータ52は、ロータコア52aと、複数の磁石52bと、上部端板52cと、下部端板52dとを有する。ロータコア52aは、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成される。磁石52bは、ロータコア52aに埋め込まれている。磁石52bは、ロータコア52aの周方向に沿って、等間隔に配置されている。上部端板52cは、ロータコア52aの上端面を覆う金属板である。下部端板52dは、ロータコア52aの下端面を覆う金属板である。
(1−4)クランクシャフト
クランクシャフト17は、回転軸17xの周りを回転する。回転軸17xは、クランクシャフト17の中心軸である。クランクシャフト17は、回転軸17xが鉛直方向に沿うように配置されている。クランクシャフト17は、偏心軸部17aを有している。クランクシャフト17の偏心軸部17aは、圧縮機構15のピストン21と連結している。クランクシャフト17の鉛直方向上側の端部は、モータ16のロータ52と連結している。クランクシャフト17は、上部軸受23aおよび下部軸受25aによって支持されている。
(1−5)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の胴部11を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、吸入管19の端部は、圧縮機構15に嵌め込まれている。ケーシング10の外部空間において、吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の頂部12を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、吐出管20の端部は、上部高圧空間92に位置している。ケーシング10の外部空間において、吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(2)マフラの構成
図2は、マフラ26が取り付けられたフロントヘッド23の斜視図である。図3は、マフラ26が取り付けられたフロントヘッド23の上面図である。図3には、マフラ26で覆われた吐出ポート23bが示されている。マフラ26は、固定部26aと、突出部26bとから構成される。固定部26aは、フロントヘッド23の上端面に固定される環状の部分である。突出部26bは、フロントヘッド23から上方に向かって突出している部分である。突出部26bは、フロントヘッド23の上部軸受23aが貫通する円形の孔である上部軸受貫通孔26cを有している。突出部26bは、2個のマフラ吐出孔26dを有している。マフラ吐出孔26dは、マフラ空間90と下部高圧空間91とを連通する。図2および図3には、突出部26bの外縁である境界線31が示されている。
図4は、図3と同様の上面図であって、境界線31、上部軸受貫通孔26cおよび吐出ポート23bが示されている図である。図4には、さらに、仮想基準円32が示されている。仮想基準円32は、境界線31を覆う最小の円である。図4では、境界線31と仮想基準円32との区別がつきやすいように、仮想基準円32は、実際よりわずかに大きく描かれている。図4には、2つのマフラ吐出孔26dの位置が示されている。図4において、マフラ空間90は、境界線31と上部軸受貫通孔26cとの間の領域である。
境界線31は、第1範囲41と第2範囲42とから構成される環形状を有している。第1範囲41は、仮想基準円32に沿っている曲線部分である。第2範囲42は、仮想基準円32から、仮想基準円32の中心32xに向かって凹んでいる曲線部分である。第1範囲41の長さは、境界線31の長さの50%以上である。仮想基準円32と直交する方向に沿って見た場合に、仮想基準円32の中心32xは、上部軸受貫通孔26cの中心26xから第1距離D1だけ離れている。第1距離D1は、仮想基準円32の直径の5%以上である。仮想基準円32の中心32xは、上部軸受貫通孔26cの中心26xと、吐出ポート23bの中心23xとを結ぶ直線上にある。この直線は、図4において、鎖線で示されている。
このように、クランクシャフト17の回転軸17xに沿って見た場合に、マフラ26は、上部軸受貫通孔26cの中心26xから吐出ポート23bの中心23xに向かって偏心した状態で、フロントヘッド23の上端面に固定されている。これにより、マフラ空間90は、反射空間90aを有している。反射空間90aは、上部軸受貫通孔26cの中心26xに対して吐出ポート23bの反対側にあり、かつ、周囲よりも狭くなっている空間である。すなわち、仮想基準円32の径方向において、反射空間90aの寸法は、反射空間90aを除くマフラ空間90の寸法よりも短い。
2つのマフラ吐出孔26dは、マフラ空間90の周方向において、吐出ポート23bと反射空間90aとの間に位置している。図4に示されるように、吐出ポート23b、マフラ吐出孔26d、反射空間90aおよびマフラ吐出孔26dは、マフラ空間90の周方向に沿って、この順番で配置されている。
(3)圧縮機の動作
ロータリ圧縮機101の動作について説明する。モータ16が始動すると、ロータ52に連結されているクランクシャフト17の偏心軸部17aは、回転軸17xを中心に偏心回転する。
クランクシャフト17の回転により、偏心軸部17aに連結されているピストン21は、圧縮室40において、回転軸17xを中心とする公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、圧縮室40の吸入室および吐出室の容積が周期的に変化する。
低圧のガス冷媒は、吸入管19から圧縮室40の吸入室に吸入される。吸入室の容積は、ピストン21の公転運動によって減少する。これにより、吸入室の冷媒が圧縮され、吸入室は、高圧のガス冷媒が満たされた吐出室となる。高圧のガス冷媒は、吐出室から吐出ポート23bを介してマフラ空間90に吐出される。マフラ空間90に吐出された冷媒は、マフラ吐出孔26dを通過して、下部高圧空間91に吐出される。
下部高圧空間91に吐出された冷媒は、ステータ51とロータ52との間のエアギャップ53を通過して、上部高圧空間92に流入する。上部高圧空間92の冷媒は、吐出管20からケーシング10の外部に吐出される。
ケーシング10の油貯留部10aに貯留されている潤滑油は、主として、圧縮機構15の摺動部に供給される。圧縮機構15の摺動部に供給された潤滑油は、圧縮室40に流入する。圧縮室40において、潤滑油は、微小な油滴となって、冷媒ガスに混入する。そのため、圧縮機構15から吐出された圧縮冷媒は、潤滑油を含んでいる。圧縮冷媒に含まれる潤滑油の一部は、上部高圧空間92において、冷媒の流れによる遠心力によって冷媒から分離され、ケーシング10の内周面に付着する。ケーシング10の内周面に付着した潤滑油は、ケーシング10の内周面を伝って落下して、油貯留部10aに戻る。
(4)特徴
図5は、参考例としての仮想マフラ空間93の概念図である。仮想マフラ空間93は、仮想マフラ空間93の中心93iに対して対称な円環形状を有している。仮想マフラ空間93は、吐出ポート93bから冷媒が周期的に吐出される空間である。吐出ポート93bからの冷媒の周期的な吐出によって生じた圧力波は、仮想マフラ空間93を時計回りの方向に伝播する進行波と、仮想マフラ空間93を反時計回りの方向に伝播する進行波とに分かれる。図5において、進行波は、点線の矢印で示されている。これらの2つの進行波が互いに干渉して、仮想マフラ空間93で音響共鳴が発生する。
図6は、仮想マフラ空間93で発生する音響共鳴の一次モードである一次共鳴モードを表す概念図である。一次共鳴モードは、圧力変動が大きい一対の「腹」と、圧力変動が小さい一対の「節」とを有する。図6において、一次共鳴モードの腹は、「+」および「−」の符号が付されている領域である。ある時点において、「+」の符号は、圧力が最大となる腹を表し、「−」の符号は、圧力が最小となる腹を表す。図6において、「+」の符号が付されている領域と、「−」の符号が付されている領域とは、上記の圧力変動に起因して周期的に入れ替わる。
実施形態において、圧縮機構15は、圧縮室40で圧縮されたガス冷媒を、マフラ空間90に周期的に供給する。具体的には、ピストン21の公転運動の周期と同じ時間間隔で、圧縮室40で圧縮されたガス冷媒は、吐出ポート23bを介してマフラ空間90に供給される。マフラ空間90は、圧縮された冷媒が吐出ポート23bから周期的に吐出される環状の空間である。上述の仮想マフラ空間93と同様に、吐出ポート23bから吐出された冷媒は、マフラ空間90を時計回りの方向に流れる冷媒と、マフラ空間90を反時計回りの方向に流れる冷媒とに分かれる。図7は、マフラ空間90における冷媒の流れを表す図である。図7において、冷媒の流れは、点線の矢印で示されている。図7に示されるように、マフラ空間90における2つの冷媒の流れは、反射空間90aに向かう。吐出ポート23bの近傍の空間から反射空間90aに向かって、マフラ空間90は、徐々に狭くなっている。
また、仮想マフラ空間93と同様に、吐出ポート23bから周期的に吐出される冷媒により、圧力波が発生する。この圧力波は、2つの進行波に分かれ、これらの進行波が互いに干渉することで、マフラ空間90で音響共鳴が発生する。進行波は、マフラ26の内周面、および、上部軸受23aの外周面に反射しながら、マフラ空間90の周方向に沿って伝達する。進行波の反射の割合は、吐出ポート23bの近傍の空間から反射空間90aに近付くにつれて、徐々に増加する。これは、マフラ空間90において、反射空間90aは、反射空間90aを除く空間よりも狭いため、マフラ空間90を伝達する進行波は、反射空間90aにおいて反射しやすいからである。
すなわち、反射空間90aにおいて、進行波は干渉によって減衰し、その結果、マフラ空間90で発生する一次共鳴モードのエネルギーが低下する。一次共鳴モードのエネルギーは、マフラ26を振動させ、ロータリ圧縮機101から発生する騒音の原因となる。従って、マフラ空間90が反射空間90aを有するように、マフラ26をフロントヘッド23に偏心して取り付けることにより、マフラ空間90で励起される一次共鳴モードのエネルギーを低下させることができる。その結果、マフラ26の振動が低減され、ロータリ圧縮機101から発生する騒音が低減される。特に、マフラ空間90で励起される一次共鳴モードに起因する1kHz帯域の騒音が、効果的に低減される。
(5)変形例
(5−1)変形例A
実施形態では、仮想基準円32の中心32xは、上部軸受貫通孔26cの中心26xと、吐出ポート23bの中心23xとを結ぶ直線上にある。しかし、マフラ空間90が反射空間90aを有していれば、仮想基準円32の中心32xは、この直線上になくてもよい。
図8は、図4と同様の図であって、仮想基準円32の中心32xの位置の好ましい範囲を示す図である。図8には、第1直線L1および第2直線L2が示されている。第1直線L1は、上部軸受貫通孔26cの中心26xと、吐出ポート23bの中心23xとを結ぶ直線である。第2直線L2は、上部軸受貫通孔26cの中心26xと、仮想基準円32の中心32xとを結ぶ直線である。仮想基準円32と直交する方向に沿って見た場合に、第1直線L1と第2直線L2との間の角度θは、30°以下であることが好ましい。
なお、実施形態では、仮想基準円32の中心32xは、第1直線L1の上にあり、第1直線L1と第2直線L2との間の角度θは、0°である。
(5−2)変形例B
実施形態では、マフラ26は、固定部26aと突出部26bとから構成され、突出部26bは、フロントヘッド23の上端面の吐出ポート23bを覆い、フロントヘッド23から上方に向かって突出している部分である。しかし、マフラ26は、圧縮機構15の冷媒吐出孔を覆う部材であれば、フロントヘッド23に取り付けられていなくてもよい。例えば、マフラ26は、冷媒吐出孔を有するリアヘッド25に取り付けられていてもよい。この場合、マフラ26は、リアヘッド25の下端面に形成された窪みを覆う平面板金であってもよい。
(5−3)変形例C
実施形態では、突出部26bは、2個のマフラ吐出孔26dを有している。しかし、突出部26bは、1個のマフラ吐出孔26dを有していてもよい。
(5−4)変形例D
実施形態では、マフラ空間90に吐出された冷媒は、マフラ吐出孔26dを通過して、下部高圧空間91に直接吐出される。しかし、マフラ空間90に吐出されてマフラ吐出孔26dを通過した冷媒は、下部高圧空間91に直接吐出されずに、他の空間を経由して下部高圧空間91に吐出されてもよい。
本発明に係るマフラおよび圧縮機構は、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
15 圧縮機構
23 フロントヘッド(ヘッド)
23b 吐出ポート(吐出孔)
26 マフラ
26b 突出部(マフラ空間形成部)
26c 上部軸受貫通孔(貫通孔)
31 境界線
32 仮想基準円
41 第1範囲
42 第2範囲
90 マフラ空間
D1 第1距離
L1 第1直線
L2 第2直線
特開2011−157911号公報

Claims (5)

  1. 吐出孔(23b)を有するヘッド(23)に取り付けられるマフラであって、
    前記ヘッドと共にマフラ空間(90)を形成するマフラ空間形成部(26b)を備え、
    前記マフラ空間形成部は、略円形の貫通孔(26c)を有し、
    前記マフラ空間形成部の外縁である境界線(31)は、
    仮想基準円(32)に沿っている第1範囲(41)と、
    前記仮想基準円から、前記仮想基準円の中心に向かって凹んでいる第2範囲(42)と、
    を有し、
    前記第1範囲の長さは、前記境界線の長さの50%以上であり、
    前記仮想基準円に直交する第1方向に沿って見た場合に、前記仮想基準円の中心は、前記貫通孔の中心から第1距離(D1)だけ離れている、
    マフラ(26)。
  2. 前記第1距離は、前記仮想基準円の直径の5%以上である、
    請求項1に記載のマフラ。
  3. 気体を圧縮して前記吐出孔から吐出する圧縮機構であって、
    前記ヘッドと、
    請求項1または2に記載の前記マフラと、
    を備え、
    前記吐出孔は、前記マフラ空間と連通し、かつ、略円形である、
    圧縮機構(15)。
  4. 前記第1方向に沿って見た場合に、前記貫通孔の中心と前記吐出孔の中心とを結ぶ第1直線(L1)と、前記貫通孔の中心と前記仮想基準円の中心とを結ぶ第2直線(L2)との間の角度は、30°以下である、
    請求項3に記載の圧縮機構。
  5. 前記仮想基準円の中心は、前記第1直線上にある、
    請求項4に記載の圧縮機構。
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CN106050609A (zh) * 2016-05-31 2016-10-26 芜湖卓越空调零部件有限公司 一种压缩机用轴承消声器

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