JP2016093764A - 流体混合器 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出成形による成形が可能な螺旋溝を有するエレメントを備え、高い生産性を有する流体混合器を提供する。
【解決手段】本発明は、筐体8と、筐体の内周面と嵌合するエレメント7とを有する流体混合器に関する。エレメントの外周面には、エレメントの内部に形成された第二流路3の流路軸線を中心軸Bとする螺旋溝9が形成され、螺旋溝と筐体の内周面により第一流路1に接続する螺旋流路が形成される。螺旋溝の底面には複数の連通孔10が形成され、複数の連通孔はそれぞれ第二流路に接続する複数の分岐流路4となり、分岐流路は、螺旋流路2の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において第二流路とそれぞれ接続するように設けられている。そして、エレメントの少なくとも螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、筐体8と、筐体の内周面と嵌合するエレメント7とを有する流体混合器に関する。エレメントの外周面には、エレメントの内部に形成された第二流路3の流路軸線を中心軸Bとする螺旋溝9が形成され、螺旋溝と筐体の内周面により第一流路1に接続する螺旋流路が形成される。螺旋溝の底面には複数の連通孔10が形成され、複数の連通孔はそれぞれ第二流路に接続する複数の分岐流路4となり、分岐流路は、螺旋流路2の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において第二流路とそれぞれ接続するように設けられている。そして、エレメントの少なくとも螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、化学工場、半導体製造分野、食品分野、医療分野、バイオ分野などの各種産業における流体輸送配管に用いられる流体混合器、特に流体が流れる方向の濃度分布や温度分布をムラなく均一化して混合させることのできる流体混合器に関する。
従来から、流体輸送配管に装着して管内を流れる流体を均一に混合する流体混合器として、図8に示すような流体混合器がある(例えば、特許文献1参照)。図8の流体混合器は、第一流路101と、第一流路101に接続する螺旋流路102と、螺旋流路102から分岐する複数の分岐流路104と、複数の分岐流路104が各々接続する第二流路103と、を有し、複数の分岐流路104は、螺旋流路102の異なる位置から各々分岐し、第二流路103の異なる位置において第二流路103と各々接続することを特徴としている。
流体混合器は、両端部に接続部を設けたエレメント105が筐体106内に配置され、キャップナット109を締め付けることによりエレメント105と筐体106とが挟持固定されている。エレメント105の内部には第一流路101と第二流路103が形成されている。エレメント105の外周面には螺旋溝107が形成されており、螺旋溝107の内周面と筐体106の内周面とで螺旋流路102が形成されている。螺旋流路102の一端部は第一流路101に接続している。螺旋溝107の底面には複数の連通孔108が形成され、連通孔108は螺旋流路102と第二流路103とを連通する分岐流路104となる。
流体混合器の上流側から水と薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃くなった状態で流したとき、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、第一流路101から螺旋流路102に流れていく。螺旋流路102を流れる部分的に濃度が濃くなった薬液の部分が螺旋流路102の分岐流路104aの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路104aを流れて第二流路103を通って流体混合器の外部へ流れる。残りの薬液は螺旋流路102の下流側へ流れ、濃度が濃くなった残りの薬液の部分が分岐流路104bの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路104bを流れて第二流路103を通って流体混合器の外部へ流れる。以下、上記分岐流路104a、104bと同様に濃度が濃くなった残りの薬液の部分はその他の分岐流路104c、104d、104e、104fを流れて第二流路103を通って流体混合器の外部へ流れる。このとき、分岐流路104aを流れる濃度が濃くなった薬液の一部は、他の濃度が濃くなった薬液よりも早く外部に流出し、時間差で分岐流路104b、分岐流路104c、分岐流路104d、分岐流路104e、分岐流路104fの順で濃度が濃くなった薬液の一部ずつが流体混合器から流出する。つまり、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は流体混合器よって時間差で6つに分割されて流れることとなり、濃度の濃くなっていない薬液と各々混ざり合うことで流体の流れ方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。
しかしながら、前記従来の流体混合器は、第二流路103の流路軸線を中心として均等に回転して形成される螺旋溝107を有するエレメント105を備えているので、射出成形によって大量生産をすることが難しい。すなわち、エレメント105を射出成形によって成形しようとすると、螺旋溝107と金型における螺旋溝107を形成するための凸部とが干渉し、エレメント105を金型から取り出すことができなくなる。従って、エレメント105の螺旋溝107は一般的には切削加工によって成形される。エレメント105の螺旋溝107は穴加工などの単純な加工とは異なり、長い加工時間を必要とする。従って、流体混合器の口径が大きくなれば大きくなるほど、エレメント105の加工時間が長くなり、流体混合器の生産性が低下するという問題があった。
本発明の目的は、射出成形による成形が可能な螺旋溝を有するエレメントを備え、高い生産性を有する流体混合器を提供することである。
請求項1の発明によれば、一端面には流体入口が形成されかつ一端部の内部には第一流路が形成される筐体と、前記筐体の内周面と嵌合しかつ他端面には流体出口が形成されるエレメントと、を有する流体混合器であって、前記エレメントの内部には、前記流体出口に接続しかつ前記第一流路と離間または連通する第二流路が形成され、前記エレメントの外周面には、前記第二流路の流路軸線を中心軸とする螺旋溝が形成され、前記螺旋溝と前記筐体の内周面により前記第一流路に接続する螺旋流路が形成され、前記螺旋溝の底面には複数の連通孔が形成され、前記複数の連通孔はそれぞれ前記第二流路に接続する複数の分岐流路となり、前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路とそれぞれ接続するように設けられている、流体混合器において、前記エレメントの少なくとも前記螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されていることを特徴とする流体混合器が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、エレメントの少なくとも螺旋溝を射出成形で成形可能な形状に形成したことにより、エレメントを切削加工により成形しようとしたときに最も時間を要する螺旋溝を射出成形で形成することができる。従って、エレメントの生産性を向上させることができ、ひいては流体混合器の生産性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、筐体と、前記筐体の内周面と嵌合し、一端面には流体入口が形成され、かつ他端面には流体出口が形成されているエレメントと、を有する流体混合器であって、前記エレメントの内部には、前記流体入口に接続する第一流路と、前記流体出口に接続しかつ前記第一流路と離間または連通する第二流路とが形成され、前記エレメントの外周面には、前記第二流路の流路軸線を中心軸とする螺旋溝が形成され、前記螺旋溝と前記筐体の内周面により前記第一流路に接続する螺旋流路が形成され、前記螺旋溝の底面には複数の連通孔が形成され、前記複数の連通孔はそれぞれ前記第二流路に接続する複数の分岐流路となり、前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路とそれぞれ接続するように設けられている、流体混合器において、前記エレメントの少なくとも前記螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されていることを特徴とする流体混合器が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、請求項1の発明と同様に、エレメントの生産性を向上させることができ、ひいては流体混合器の生産性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、前記螺旋溝を画定する溝壁は、複数の垂直部と複数の傾斜部とを有し、前記複数の垂直部は、前記エレメントの中心軸を含む仮想平面に対して略垂直に交差するように形成されるとともに、前記第二流路を挟んで、前記第二流路の流路軸線方向に千鳥状に配置され、前記複数の傾斜部は、前記中心軸に対して傾斜する方向でありかつ前記仮想平面に対して略垂直方向に延在するように形成されるとともに、前記第二流路を挟んで、前記第二流路の流路軸線方向に千鳥状に配置され、前記垂直部と前記傾斜部は、交互にかつ連続的に接続されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の流体混合器が提供される。
すなわち、請求項3の発明では、螺旋溝を簡単な形状で形成することができるので、金型形状を簡単にすることができる。また、簡単な形状であることから、射出成形の成形条件の幅を広くすることができ、熟練を要さずともエレメントを成形することができる。
請求項4の発明によれば、前記溝壁の両端部は前記傾斜部で形成され、隣接する二つの前記垂直部を接続する前記傾斜部が最短長で形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の流体混合器が提供される。
すなわち、請求項4の発明では、流体が第一流路から螺旋流路に流入するときに、流体の流れを妨げずに流入させることができる。
請求項5の発明によれば、前記エレメントは、前記仮想平面がパーティング面となる金型を用いて射出成形されることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の流体混合器が提供される。
すなわち、請求項5の発明では、エレメントを金型から取り出すときに、螺旋溝の溝壁と金型とが干渉することがないので、簡単な構成の金型を用いてエレメントを成形することができる。
請求項1〜5に記載の発明によれば、エレメントの螺旋溝を射出成形で成形可能な形状にすることによって、エレメントを効果的に成形することができるので、流体混合器の生産性を向上させることができる。
−第一の実施形態−
以下、図1〜3を参照して、本発明の第一の実施形態に係る流体混合器について説明する。図1は、第一の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。図2は、第一の実施形態に係る流体混合器のエレメントの概略構成を示す斜視図である。図3は、第一の実施形態に係るエレメントの概略構成を示す(a)平面図、(b)正面図、および(c)底面図である。第一の実施形態に係る流体混合器は、略円筒形に形成されているエレメント7と、略円筒形に形成されておりかつ内径がエレメント7の外径と略同径に形成されている筐体8とを備える。エレメント7は筐体8の内周面と嵌合するようにされている。
以下、図1〜3を参照して、本発明の第一の実施形態に係る流体混合器について説明する。図1は、第一の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。図2は、第一の実施形態に係る流体混合器のエレメントの概略構成を示す斜視図である。図3は、第一の実施形態に係るエレメントの概略構成を示す(a)平面図、(b)正面図、および(c)底面図である。第一の実施形態に係る流体混合器は、略円筒形に形成されているエレメント7と、略円筒形に形成されておりかつ内径がエレメント7の外径と略同径に形成されている筐体8とを備える。エレメント7は筐体8の内周面と嵌合するようにされている。
筐体8は例えばポリ塩化ビニル(以下、PVCと記す)製である。第一の実施形態では、筐体8の中心軸とエレメント7の中心軸Bは同一である。筐体8の一端面には第一開口5が形成され、筐体8の一端部の内部に第一開口5に接続する第一流路1が形成されている。筐体8の一端面には、止水部材が嵌着される環状溝が形成され、一端部の外周面にはキャップナット11が螺合される雄ネジ部が形成されている。筐体8の他端部の内周面にはエレメント7が螺合される雌ネジ部が形成され、外周面にはキャップナット11が螺合される雄ネジ部が形成されている。
エレメント7は例えばPVC製である。エレメント7の一端面には第三開口16が形成され、他端面には第二開口6が形成され、第三開口16から第二開口6にかけて流路断面積が漸次大きくなっている直線状の第二流路3が形成されている。エレメント7の外周面には、一端面を起点として他端部に向かって、第二流路3の流路軸線を中心軸とする螺旋溝9が形成され、螺旋溝9と筐体8の内周面とで螺旋流路2が形成される。螺旋溝9の深さは一端から他端に向かって徐々に浅くなるように形成されている。螺旋溝9の底面には、螺旋流路2と第二流路3とを各々連通する複数の分岐流路4となる連通孔10が形成されている。エレメント7の一端面には、止水部材が嵌着される環状溝が形成されている。エレメント7の他端部の外周面には止水部材が嵌着される環状溝が形成されるとともに、筐体8に螺合されるための雄ネジ部が形成されている。螺旋流路2の一端部は第一流路1に接続されている。第一の実施形態では、第一流路1と第二流路3が第三開口16によって連通しているが、別の実施形態では、第三開口16を封鎖し、第一流路1と第二流路3を直接には非連通とし、すなわち離間させる。
螺旋溝9を画定する溝壁13は複数の垂直部14と複数の傾斜部15とを有している。複数の垂直部14は略同一形状であり、第一の実施形態では流体混合器の流路軸線方向と平行に延びるエレメント7の中心軸Bを含む所定の仮想平面Aに対して、略垂直に交差するように形成されている。また、垂直部14は第二流路3を挟んで、第二流路3の流路軸線方向に千鳥状に配置されている。複数の傾斜部15はそれぞれ略同一形状であり、中心軸Bに対して傾斜する方向でありかつ上記仮想平面Aに対して略垂直方向に延在するように形成されている。また、傾斜部15は第二流路3を挟んで、第二流路3の流路軸線方向に千鳥状に配置されている。また、傾斜部15は、両側に隣接する垂直部14を最短長で接続するように形成されている。溝壁13の一端部と他端部はともに傾斜部15で形成されている。溝壁13の一端部を傾斜部15で形成することによって、第一流路1を流れる流体の流れを妨げることなく、流体を螺旋流路2に流入させることができる。溝壁13の他端部を傾斜部15で形成することによって、特に図2および図3(a)から理解できるように、螺旋流路2の他端部において螺旋流路2の幅を効果的に減少させることができ、螺旋流路2の他端部に形成された分岐流路4から流体を効果的に第二流路3に流入させることができる。また、溝壁13は、傾斜部15と垂直部14とが交互に接続されるとともに、一端部から他端部に向かって連続的に接続して形成されている。
筐体8の一端面には、流体混合器と外部の配管とを接続するための継手12が止水部材を介して当接されている。エレメント7の他端面には、流体混合器との外部の配管とを接続するための継手12が止水部材を介して当接されている。継手12はそれぞれキャップナット11によって筐体8またはエレメント7に固定されている。
第一の実施形態では、複数の垂直部14および複数の傾斜部15はそれぞれ略同一の形状に形成されているが、それぞれ異なる形状にしてもよく、特に限定されない。垂直部14であれば、例えば、垂直部14の厚みが仮想平面Aに対して垂直方向に仮想平面Aから離れるにつれ小さくなるように傾斜を設けてもよい。また、傾斜部15は、仮想平面Aに対して略垂直方向に延在するように形成されているのであれば、例えば、仮想平面Aに対して垂直な方向から見たときに、蛇行したり、湾曲したりするように形成してもよい。
次に、図2〜4を参照して、エレメント7を射出成形によって形成することについて説明する。図4は、エレメント7を成形した後、金型21を開けたときの(a)固定側金型23の平面図、および(b)金型21の正面図である。
エレメント7を射出成形するための金型21は、固定側金型23と可動側金型22と第二流路3を形成するためのスライドコア24を備えている。固定側金型23と可動側金型22にはともにキャビティ25が形成され、キャビティ25内には螺旋溝9を形成するための凸部26が形成されている。固定側金型23と可動側金型22のパーティング面27は、エレメント7の中心軸Bを含む上述の仮想平面A上に配置されている。また、分岐流路4はキャビティ25の内周面に仮想平面Aと直交する方向に凸部(図示せず)を設けることによって形成することができる。
エレメント7を成形するには、まず、射出成形機(図示せず)内で溶融された原料が射出成形機のノズル(図示せず)から固定側金型23と可動側金型22とが閉じている状態の金型21に射出される。金型21に射出された原料はスプルーなどの流路(図示せず)からキャビティ25に流入する。キャビティ25内に原料が充填された後、金型21が冷却され、その後、金型21が開かれ、エレメント7が取り出される。
ここで、エレメント7の螺旋溝9の溝壁13は複数の垂直部14と複数の傾斜部15とが交互に接続され、エレメント7の一端から他端に向かって連続的に接続されている。また、パーティング面27は垂直部14と直交する仮想平面A上に配置されている。溝壁13が垂直部14と傾斜部15から構成され、パーティング面27が仮想平面A上に配置されており、かつ垂直部14および傾斜部15が仮想平面Aに対して垂直に延在しているので、エレメント7を固定側金型23から取り出すときに、溝壁13とキャビティ25の凸部26とが干渉することがなく、溝壁13を損傷させずに円滑に取り出すことができる。また、エレメント7は、螺旋溝9が簡単な形状で形成されているので、金型21を簡単な構成にすることができるだけでなく、射出成形するときの成形条件の幅を広くすることができ、熟練を要さずとも成形することができる。
エレメント7の螺旋溝9を射出成形によって成形可能な形状に形成することによって、エレメント7の生産性を向上させることができる。流体混合器の他の部品は簡単な形状であることから、エレメント7の生産性を向上させることによって、流体混合器の生産性を向上させることができる。特に、大口径の流体混合器においては、エレメント7を切削加工によって形成しようとすると多大な時間を要するので、大きな効果を得ることができる。
−第二の実施形態−
以下、図5〜6を参照して、本発明の第二の実施形態に係る流体混合器について説明する。図5は、第二の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。図6は、第二の実施形態に係るエレメントの概略構成を示す(a)平面図、(b)正面図、および(c)底面図である。なお、図1〜3と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
以下、図5〜6を参照して、本発明の第二の実施形態に係る流体混合器について説明する。図5は、第二の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。図6は、第二の実施形態に係るエレメントの概略構成を示す(a)平面図、(b)正面図、および(c)底面図である。なお、図1〜3と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
筐体32は例えばPVC製である。第二の実施形態では、筐体32は略円筒形に形成されている。筐体32の両端部の外周面にはそれぞれキャップナット11が螺合される雄ネジ部が形成されている。その他の筐体32の構成については、第一の実施形態と同様なので、説明を省略する。
エレメント31は例えばPVC製である。第二の実施形態では、エレメント31は略円筒形に形成されている。エレメント31の一端面には第一開口5が形成され、一端部の内部には第一開口5に接続する第一流路1が形成されている。エレメント31の他端面には第二開口6が形成され、一端部から他端部にかけて内部に第二開口6に接続する直線状の第二流路3が第一流路1から離間するように形成されている。エレメント31の外周面には、一端部から他端部に向かって、第二流路3の流路軸線を中心軸とする螺旋溝9が形成され、螺旋溝9と筐体32の内周面とで螺旋流路2が形成される。螺旋流路2の一端部は第一流路1に接続されている。螺旋溝9の底面には、螺旋流路2と第二流路3とを各々連通する複数の分岐流路4となる連通孔10が形成されている。螺旋溝9の溝壁13は複数の垂直部14と複数の傾斜部15とを有している。垂直部14は第二流路3を挟んで、第二流路3の流路軸線方向に千鳥状に配置されている。傾斜部15は第二流路3を挟んで、第二流路3の流路軸線方向に千鳥状に配置されている。溝壁13の一端部と他端部はともに傾斜部15で形成されている。また、溝壁13は傾斜部15と垂直部14とが交互に接続するとともに、一端部から他端部に向かって連続的に接続して形成されている。エレメント31の両端面および両端部には、止水部材が嵌着される環状溝がそれぞれ形成されている。その他のエレメント31の構成については、第一の実施形態と同様なので、説明を省略する。
エレメント31の両端面には、流体混合器と外部の配管とを接続するための継手12が止水部材を介して当接されている。継手12はそれぞれキャップナット11によってエレメント31に固定されている。
次に、図5〜7を参照して、エレメント31を射出成形によって形成するための金型について説明する。図7は、第二の実施形態に係るエレメントを成形した後、金型21を開けたときの(a)固定側金型23の平面図、および(b)金型21の正面図である。なお、図4と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
エレメント31を射出成形するための金型21は固定側金型23と可動側金型22と第一流路1、第二流路3をそれぞれ形成するためのスライドコア33、24を備えている。その他の金型21の構成およびエレメント31の成形方法、エレメント31の形状を射出成形可能な形状にしたことによる効果は第一の実施形態と同様なので省略する。
本発明に係る流体混合器のエレメント7、31の材質は、射出成形によって成形することができる材質であれば特に限定されることはなく、例えば、PVC、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニリデンフルオロライドなどが挙げられる。また、筐体8、32、キャップナット11、継手12の材質は特に限定されることはなく、例えば、PVC、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオロライドなどの樹脂、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属などが挙げられる。
なお、上記第一の実施形態および第二の実施形態を任意に組み合わせて流体混合器を構成してもよい。すなわち、本発明の特徴および機能を実現できる限り、本発明は実施形態の流体混合器に限定されない。
1 第一流路
2 螺旋流路
3 第二流路
4 分岐流路
7 エレメント
8 筐体
9 螺旋溝
10 連通孔
13 溝部
14 垂直部
15 傾斜部
21 金型
22 可動側金型
23 固定側金型
26 凸部
27 パーティング面
31 エレメント
32 筐体
A 仮想平面
B 中心軸
2 螺旋流路
3 第二流路
4 分岐流路
7 エレメント
8 筐体
9 螺旋溝
10 連通孔
13 溝部
14 垂直部
15 傾斜部
21 金型
22 可動側金型
23 固定側金型
26 凸部
27 パーティング面
31 エレメント
32 筐体
A 仮想平面
B 中心軸
Claims (5)
- 一端面には流体入口が形成されかつ一端部の内部には第一流路が形成される筐体と、前記筐体の内周面と嵌合しかつ他端面には流体出口が形成されるエレメントと、を有する流体混合器であって、
前記エレメントの内部には、前記流体出口に接続しかつ前記第一流路と離間または連通する第二流路が形成され、
前記エレメントの外周面には、前記第二流路の流路軸線を中心軸とする螺旋溝が形成され、前記螺旋溝と前記筐体の内周面により前記第一流路に接続する螺旋流路が形成され、
前記螺旋溝の底面には複数の連通孔が形成され、
前記複数の連通孔はそれぞれ前記第二流路に接続する複数の分岐流路となり、
前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路とそれぞれ接続するように設けられている、
流体混合器において、
前記エレメントの少なくとも前記螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されていることを特徴とする、
流体混合器。 - 筐体と、前記筐体の内周面と嵌合し、一端面には流体入口が形成され、かつ他端面には流体出口が形成されているエレメントと、を有する流体混合器であって、
前記エレメントの内部には、前記流体入口に接続する第一流路と、前記流体出口に接続しかつ前記第一流路と離間または連通する第二流路とが形成され、
前記エレメントの外周面には、前記第二流路の流路軸線を中心軸とする螺旋溝が形成され、
前記螺旋溝と前記筐体の内周面により前記第一流路に接続する螺旋流路が形成され、
前記螺旋溝の底面には複数の連通孔が形成され、
前記複数の連通孔はそれぞれ前記第二流路に接続する複数の分岐流路となり、
前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置からそれぞれ分岐し、かつ前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路とそれぞれ接続するように設けられている、
流体混合器において、
前記エレメントの少なくとも前記螺旋溝が射出成形で成形可能な形状に形成されていることを特徴とする、
流体混合器。 - 前記螺旋溝を画定する溝壁は、複数の垂直部と複数の傾斜部とを有し、
前記複数の垂直部は、前記エレメントの中心軸を含む仮想平面に対して略垂直に交差するように形成されるとともに、前記第二流路を挟んで、前記第二流路の流路軸線方向に千鳥状に配置され、
前記複数の傾斜部は、前記中心軸に対して傾斜する方向でありかつ前記仮想平面に対して略垂直方向に延在するように形成されるとともに、前記第二流路を挟んで、前記第二流路の流路軸線方向に千鳥状に配置され、
前記垂直部と前記傾斜部は、交互にかつ連続的に接続されることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の流体混合器。 - 前記溝壁の両端部は前記傾斜部で形成され、隣接する二つの前記垂直部を接続する前記傾斜部が最短長で形成されていることを特徴とする、
請求項3に記載の流体混合器。 - 前記エレメントは、前記仮想平面がパーティング面となる金型を用いて射出成形されることを特徴とする、
請求項3または請求項4に記載の流体混合器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014230142A JP2016093764A (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 流体混合器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2014
- 2014-11-12 JP JP2014230142A patent/JP2016093764A/ja active Pending
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