JP2016093539A - 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法 - Google Patents

被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光音響イメージングにおいて、光学特性値を精度良く取得することのできる被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法を提供する。
【解決手段】被検体情報取得装置は、複数の音響波検出素子e1,e2,e3の感度分布に基づき、複数の音響波検出素子e1,e2,e3のそれぞれに対応する所定の感度領域を設定する設定部41と、所定の感度領域に関心領域が含まれていない音響波検出素子e1,e2,e3が取得した、関心領域に対応する検出信号を用いずに、関心領域における初期音圧を取得する初期音圧取得部42と、初期音圧取得部42が用いた検出信号に基づき、関心領域における積算光量値を取得する光量値取得部43と、初期音圧取得部42が取得した初期音圧と、光量値取得部43が取得した積算光量値と、を用いて、関心領域における光学特性値を取得する光学特性値取得部44と、を備える信号処理手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体に光を照射することにより発生した光音響波を検出することにより、被検体情報を取得する被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法に関する。
レーザーなどの光源から被検体に照射した光を被検体内に伝播させ、被検体内の情報を得る光イメージング装置の研究が医療分野を中心に積極的に進められている。このような光イメージング技術の一つとして、光音響イメージング(PAI:Photoacoustic Imaging)がある。光音響イメージングとは、光源から発生したパルス光を被検体(生体)に照射し、被検体内を伝播・拡散した光が被検体内で吸収されて発生する光音響波を検出し、検出した音響波を解析処理することで、被検体内の光学特性に関連した情報を可視化する技術である。これにより、被検体内の光学特性値分布、特に、吸収係数分布、酸素飽和度分布などを得ることができる。
光音響イメージングでは、被検体内における関心領域から発生する光音響波の初期音圧P0は、次式で表すことができる。
Figure 2016093539
ここで、Γはグルナイゼン係数であり、体積膨張係数βと音速cの二乗の積を定圧比熱CPで割ったものである。Γは被検体が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られている。そして、μaは関心領域の吸収係数、Φは関心領域における積算光量値である。
特許文献1には、被検体中を伝搬してきた光音響波の音圧Pの時間変化を音響波検出器で検出し、その検出結果から被検体内の初期音圧分布を算出する技術が記載されている。特許文献1によると、算出された初期音圧をグルナイゼン係数Γで除することにより、μaとΦの積、つまり光エネルギー吸収密度を得ることができる。そして、式(1)で示されるように、初期音圧P0から吸収係数μaを得るためには、光エネルギー吸収密度を光量Φで除することが必要である。
特開2010−88627号公報 特開2006−51355号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光音響イメージングにおいては、さらに光学特性値を精度良く取得することが望まれていた。
そこで、本発明は、光音響イメージングにおいて、光学特性値をより精度良く取得することのできる被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明に係る被検体情報取得装置は、光源と、光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を検出して複数の検出信号を出力する音響波検出器と、複数の検出信号に基づいて関心領域における光学特性値を取得する信号処理手段と、を有し、信号処理手段は、複数の検出信号の一部の検出信号を選択し、一部の検出信号と、一部の検出信号に対応する関心領域における光量値と、を用いて関心領域における光学特性値を取得する。
本発明によれば、光学特性値をより精度良く取得することのできる被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第1の実施形態に係る被検体情報取得方法のフローチャート図である。 第2の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第2の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第2の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る別の被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る別の被検体情報取得装置の模式図である。 第4の実施形態に係る別の被検体情報取得装置の模式図である。
光音響イメージングにおいて、光音響波を検出して取得した検出信号は、バックグランドノイズを含んでいる。そのため、光音響イメージングにおいては、バックグランドノイズを含むS/Nが低い検出信号を用いずに、関心領域における初期音圧を取得することが望ましい。例えば、特許文献2には、超音波イメージングではあるが、関心領域と音響波検出素子とのなす角度が所定の値以下である場合(音響波検出素子に対応する所定の感度領域に関心領域が含まれていない場合)、音響波検出素子が関心領域からの音響波の受信を阻止することが記載されている。このような方法を行うことにより、S/Nが低い検出信号を用いずに超音波画像を取得している。
そこで、本発明者は、特許文献2に記載の技術を光音響イメージングに適用した。具体的には、シミュレーションにより、所定の感度領域に関心領域が含まれていない音響波検出素子が取得した検出信号を用いずに再構成を行い、関心領域における初期音圧を取得した。このようにして得られた初期音圧は、S/Nが低い検出信号を用いずに再構成された初期音圧であるため、ノイズによる誤差が小さい。そして、本発明者は、この初期音圧を用いて、特許文献1に記載の方法で、関心領域における吸収係数を求めた。しかしながら、上記方法で算出された吸収係数の値は、シミュレーションで設定した吸収係数の値とは異なっていた。
そこで、上記課題に鑑み、本発明者が鋭意検討した結果、初期音圧を取得する際には、音響波検出素子の感度に基づいて用いる検出信号を選択していたのに対し、積算光量値を取得する際には、音響波検出素子の感度を考慮していなかったことが原因であることがわかった。
そこで、本発明者は、吸収係数の取得の際に、音響波検出素子の感度に基づいて用いる検出信号を選択することに加え、音響波検出素子の感度に基づいて積算光量値を取得することにより、精度良く光学特性値としての吸収係数を取得できることを見出した。
以下に、シミュレーションによる本発明に係る実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。光源10から発したパルス光は、光学系11に導かれ、照射光12として被検体30に照射される。被検体30内の光吸収体31から発生した光音響波32は、音響波検出素子e1,e2,e3を備えた音響波検出器20で検出される。そして、音響波検出器20が取得した複数の検出信号は、信号収集器47で増幅、デジタル変換され、信号処理装置40のメモリに格納される。そして、信号処理手段としての信号処理装置40に備えられた初期音圧取得部としての初期音圧取得モジュール42は、複数の検出信号を用いて画像再構成することにより、被検体30内の関心領域33における初期音圧を取得する。また、信号処理装置40に備えられた光量値取得部としての光量値取得モジュール43は、関心領域33における積算光量値を取得する。そして、信号処理装置40に備えられた光学特性値取得部としての光学特性値取得モジュール44は、関心領域33における初期音圧及び光量値を用いて、関心領域33における光学特性値を取得する。そして、取得した光学特性値を表示手段としての表示装置50に表示させる。
ここで、関心領域とは、初期音圧取得モジュール42により再構成される領域の最小単位であるボクセルのことを指す。なお、初期音圧取得モジュール42は、被検体30の全領域にわたって関心領域を設定することにより、被検体全体の初期音圧分布を取得することができる。また、同様に、光量値取得モジュール43および光学特性値取得モジュール44は、被検体の全領域にわたって関心領域を設定することにより、被検体全体の積算光量値分布および吸収係数分布を取得することができる。
ここで、図1に示す音響波検出素子e1,e2,e3のそれぞれが取得した関心領域33に対応する検出信号をPd1(rT)、Pd2(rT)、Pd3(rT)とする。また、音響波検出素子の正面から入ってきた光音響波に対して、音響波検出素子の正面からθだけ角度を持って入ってきた光音響波の検出信号への変換効率をA(θ)とする。そして、関心領域33に対してそれぞれの音響波検出素子のなす角度をθ1、θ2、θ3とすると、それぞれの音響波検出素子の指向性による変換効率は、A(θ1),A(θ2),A(θ3)と表現できる。また、検出信号Pd1(rT)、Pd2(rT)、Pd3(rT)のそれぞれに対応する関心領域33における光量値Φ1(rT)、Φ2(rT)、Φ3(rT)とする。ここで、本実施形態では、関心領域33を光吸収体31の位置rTに設定している。
ここで、音響波検出素子から関心領域33までの距離をrとし、被検体内の光音響波の伝搬速度をcとし、被検体30に照射光12を照射した時間をt=0とする。この場合、関心領域に対応する検出信号とは、t=r/cの時間に音響波検出素子が取得した検出信号のことを指す。また、関心領域に対応する検出信号に対応する、関心領域33における光量値とは、t=0の時間に照射された照射光12の関心領域33における光量値のことを指す。
(一部の検出信号を用いないシミュレーション例)
以下に、図1を用いて、音響波検出素子の感度に基づき、一部の検出信号を用いずに取得した初期音圧より、吸収係数を取得するシミュレーションの例を説明する。本シミュレーションでは、光吸収体31の吸収係数を、μa=0.088/mmと設定した。
まず、初期音圧取得モジュール42は、式(2)に示すように検出信号Pd1(rT)、Pd2(rT)、Pd3(rT)と、変換効率A(θ1),A(θ2),A(θ3)を用いて、関心領域33における初期音圧P0(rT)を取得する。
Figure 2016093539

ここで、シミュレーションにより得られた検出信号、および、シミュレーションで設定した変換効率は、以下のとおりである。
Pd1(rT)=132Pa
Pd2(rT)=231Pa
Pd3(rT)=198Pa
A(θ1)=0.4
A(θ2)=0.7
A(θ3)=0.6
そして、これらのパラメータを用いて、式(2)より算出した初期音圧は、P0(rT)=990となる。
また、図1においては、音響波検出素子の変換効率が所定の値より大きい領域(所定の感度領域)を、点線の三角形の領域で示す。ここでは、変換効率A(θ)=0.5を所定の値として設定している。
ここで、本実施形態においては、音響波検出素子e1に対応する三角形の領域(所定の感度領域)に関心領域33が含まれていない。そのため、初期音圧取得モジュール42は、音響波検出素子e1が取得した関心領域33に対応する検出信号Pd1(rT)を用いずに、式(3)で示される関心領域33における初期音圧P0’(rT)を取得する。
Figure 2016093539
そして、前述したパラメータを用いて、式(3)から算出される関心領域33における初期音圧は、P0’(rT)=660となった。
次に、光量値取得モジュール43は、被検体の背景光学係数などから光伝搬モンテカルロ法・輸送方程式・光拡散方程式等を用いて、被検体内の積算光量値を取得する。
例えば、光量値取得モジュール43は、検出信号Pd1(rT)、Pd2(rT)、Pd3(rT)のそれぞれに対応する関心領域33における光量値Φ1(rT)、Φ2(rT)、Φ3(rT)を算出する。
そして、光量値取得モジュール43は、これらを用いて式(4)で示される関心領域33における積算光量値Φ(rT)を取得する。
Figure 2016093539
ここで、シミュレーションで得られた関心領域における光量値は、以下のとおりであった。
Φ1(rT)=3750mJ/m2
Φ2(rT)=3750mJ/m2
Φ3(rT)=3750mJ/m2
そして、これらのパラメータを用いて、式(4)より関心領域における積算光量値を算出すると、Φ(rT)=11250mJ/m2となる。
次に、光学特性値取得モジュール44は、式(3)に示す関心領域33における初期音圧P0’(rT)と、式(4)に示す関心領域33における積算光量値Φ(rT)とを用いて、式(5)に示す関心領域33における吸収係数μa(rT)を取得する。
ここで、グリュナイゼン係数Γ=1としている。
Figure 2016093539
ここで、前述したパラメータを用いて式(5)より算出される、光吸収体の位置rTに設定された関心領域33における吸収係数は、μa=0.059/mmとなる。一方、シミュレーションで設定された光吸収体31の吸収係数は、μa=0.088/mmである。これより、式(5)より求めた吸収係数は設定値より小さくなっていることがわかる。すなわち、上記方法により取得した初期音圧を用いて吸収係数を取得する場合には、積算光量値の取得にさらなる工夫が必要である。
(一部の検出信号および一部の光量値を用いないシミュレーション例)
そこで、以下に、本発明者が見出した本実施形態に係る被検体情報取得方法を、図2のフローチャートを用いて説明する。以下の番号は、図2に示す処理番号と一致する。
(S100:音響波検出素子の感度分布に基づいて、所定の感度領域を設定する工程)
この工程では、複数の音響波検出素子の感度分布に基づいて、複数の音響波検出素子のそれぞれに対応する所定の感度領域を設定する。それぞれの音響波検出素子に対応する所定の感度領域のテーブルを、信号処理装置40のメモリに格納する。
ここでは、信号処理装置40に備えられた設定部としての設定モジュール41が、音響波検出素子の感度が所定の値より大きい領域を、所定の感度領域として設定してもよい。なお、所定の値は、システムノイズに基づき、設定モジュール41により自動で設定されてもよい。また、所定の値は、音響波検出素子の感度をヒストグラムとして表示装置50に表示させ、作業者がヒストグラムに基づいて所定の値を選択してもよい。このとき、所定の値は、システムノイズを考慮して選択することが好ましい。
ここで、音響波検出素子の感度とは、例えば、音響波検出素子の変換効率や、関心領域から音響波検出素子までの光音響波の拡散や散乱による減衰を示す減衰率などによって決定される。なお、変換効率は、光音響波が音響波検出素子に入射する角度などにより決定される。また、減衰率は、関心領域と音響波検出素子との距離などにより決定される。
例えば、上記で示したシミュレーションの例の場合、設定モジュール41は、変換効率A(θ)=0.5を所定の値として設定した。そして、音響波検出素子e1,e2,e3のそれぞれについて、変換効率A(θ)が0.5より大きい領域を三角形の領域で示した。その結果、音響波検出素子e1の変換効率A(θ)が0.5より大きい領域(所定の感度領域)に関心領域33が含まれていなかった。
また、音響波検出素子の感度分布の画像から選択された任意の領域に基づき、所定の感度領域を設定することもできる。
例えば、まず、表示装置50に、信号処理装置40のメモリに格納しておいた音響波検出素子の感度分布の画像データを表示させる。そして、作業者が、表示された感度分布の画像からPCの入力デバイスを用いて任意の領域を選択する。そして、設定モジュール41は、選択された任意の領域を、所定の感度領域として設定することができる。このとき、例えば、感度分布の画像を表示しながら、マウスによる認識や、タッチパネル上のセンサによる認識方法で始点から終点までを結んで任意の領域を選択することができる。
なお、設定モジュール41は、選択された任意の領域の感度分布に基づき、所定の感度領域として設定してもよい。例えば、最も小さい感度を基準として所定の感度領域を設定したりすることができる。
また、それぞれの音響波検出素子について個別に所定の感度領域を設定してもよいし、あるいは、1つの音響波検出素子について所定の感度領域を設定し、その所定の感度領域と同様の感度領域を、他の音響波検出素子に対して設定してもよい。
(S200:所定の感度領域に関心領域が含まれない音響波検出素子が取得した検出信号を用いずに、関心領域における初期音圧を取得する工程)
この工程では、S100で設定した所定の感度領域に、関心領域が含まれない音響波検出素子について、その音響波検出素子が取得した関心領域に対応する検出信号を用いずに、関心領域における初期音圧を取得する。そして、この初期音圧のデータを信号処理装置40のメモリに格納する。
例えば、上記で示したシミュレーションの例の場合、音響波検出素子e1に対応する所定の感度領域に関心領域33が含まれていなかった。そのため、初期音圧取得モジュール42は、検出信号Pd1(rT)、Pd2(rT)、Pd3(rT)のうち、音響波検出素子e1が取得した関心領域に対応する検出信号Pd1(rT)を用いずに、画像再構成を行うことにより、式(4)で示された初期音圧P0’(rT)を取得する。
このとき、初期音圧取得モジュール42が行う画像再構成アルゴリズムとしては、例えば、トモグラフィー技術で通常に用いられるタイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影などがある。
なお、本発明においては、関心領域の一部にでも所定の感度領域が含まれていれば、所定の感度領域に関心領域が含まれているとすることができる。
また、本発明において検出信号を用いないとは、初期音圧を取得する際に、検出信号を全く用いないことも、実質的に検出信号を用いていないことも含む概念である。
(S300:初期音圧を取得する際に用いない検出信号に対応する光量値を用いずに、関心領域における積算光量値を取得する工程)
この工程では、S200で用いなかった検出信号に対応する、関心領域における光量値を用いずに、関心領域における積算光量値を取得する。そして、この積算光量値のデータを、信号処理装置40のメモリに格納する。
例えば、光量値取得モジュール43は、光量値Φ1(rT)、Φ2(rT)、Φ3(rT)のうち、初期音圧取得モジュール42が用いなかった検出信号Pd1(rT)に対応する関心領域における光量値Φ1(rT)を用いずに、式(6)で示される関心領域における積算光量値Φ’(rT)を取得する。
Figure 2016093539
すなわち、光量値取得モジュール43は、初期音圧取得モジュール42が初期音圧を算出する際に用いた検出信号に対応する、関心領域における光量値を用いて、関心領域における積算光量値を取得している。
ここで、前述したパラメータを用いて、式(6)から求めた関心領域33における積算光量値は、Φ’(rT)=7500mJ/m2となる。
なお、本発明において光量値を用いないとは、積算光量値を取得する際に、光量値を全く用いないことも、実質的に光量値を用いていないことも含む概念である。
また、本実施形態では、照射光12の照射条件が一定であるため、関心領域33に照射される光量は一定である。そのため、複数の音響波検出素子が取得した複数の検出信号に対応する光量値も一定となる。このような場合、光量値取得モジュール43は、初期音圧取得モジュール42が初期音圧を取得する際に用いた検出信号の数に、関心領域33に到達した光量を掛けた値を、関心領域33における積算光量値として取得してもよい。本発明において、このように取得した積算光量値も、光量値を用いずに取得した積算光量値、として取り扱う。
(S400:関心領域における初期音圧および積算光量値を用いて、関心領域における光学特性値を取得する工程)
この工程では、S200で取得した関心領域における初期音圧と、S300で取得した関心領域における積算光量値とを用いて、関心領域における光学特性値としての吸収係数を取得する。
例えば、上記で示されたシミュレーションの例の場合、光学特性値取得モジュール44は、式(3)に示す初期音圧P0’(rT)と、式(6)に示す積算光量値Φ’(rT)と、を式(1)に適用させる。そして、式(7)で示される関心領域33における吸収係数μa(rT)を取得する。ここで、グリュナイゼン係数Γ=1としている。
Figure 2016093539
例えば、前述したパラメータを用いて、式(7)より求められた関心領域33における吸収係数は、μa=0.088/mmである。一方、式(5)より求められた関心領域33における吸収係数は、μa=0.059/mmであった。そして、シミュレーションで設定した光吸収体31の吸収係数は、μa=0.088/mmである。すなわち、式(7)によれば、式(5)と比べ、より精度良く吸収係数を求めることができる。
以上のように、所定の感度領域に関心領域に含まれない音響波検出素子について、その音響波検出素子が取得した関心領域に対応する検出信号と、その検出信号に対応する関心領域における光量値と、を用いないことにより、ノイズによる誤差が少なく、定量性の高い吸収係数を取得することができる。
なお、以上の工程を複数の波長において行うことにより、波長毎における吸収係数を取得してもよい。そして、これらの吸収係数を用いて、光学特性値としての酸素飽和度などを取得してもよい。
また、以上の工程を含んだプログラムを、コンピュータとしての信号処理装置40に実行させてもよい。
(第2の実施形態)
図3A〜3Cは、本実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。
本実施形態に係る被検体情報取得装置は、1つの音響波検出素子を備えた音響波検出器20を有している。また、被検体30と音響波検出器20とを相対的に移動させるための検出器走査機構21を有している。本実施形態において、検出器走査機構21は、1つの音響波検出素子を備えた音響波検出器20を紙面右方向に走査することにより、複数の位置で光音響波を検出可能としている。ここで、図3A、3B、3Cに示すそれぞれの位置における音響波検出素子を、e1,e2,e3とする。また、三角形で示した領域は、音響波検出素子に対応する所定の感度領域を示す。
本発明において、複数の音響波検出素子とは、音響波検出素子が複数の位置で光音響波を検出可能であることを指す。すなわち、本実施形態のように、音響波検出器20を走査することにより、複数の位置で光音響波を検出可能とした音響波検出素子についても、複数の音響波検出素子とする。
また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、照射光12を走査するために、光学系11を走査する光学走査機構13が設けられている。そして、本実施形態では、音響波検出器20と照射光12とが同期して走査されている。このように、音響波検出器20と照射光12とを同期して走査することによって、音響波検出素子に対応する所定の感度領域(三角形の領域)に照射光12が常に照射されるため、S/Nの高い検出信号を常に取得することが可能となる。
本実施形態に係る被検体情報取得装置においても、第1の実施形態と同様に、音響波検出素子e1に対応する所定の感度領域に関心領域33が含まれていない。そのため、初期音圧取得モジュール42は、音響波検出素子e1が取得した関心領域33に対応する検出信号を用いずに、関心領域33における初期音圧を取得する。そして、光量値取得モジュール43は、初期音圧を取得する際に用いない検出信号に対応する関心領域33における光量値を用いずに、関心領域33における積算光量値を取得する。そして、光学特性値取得モジュール44は、この初期音圧と積算光量値とを用いて、式(7)で示される関心領域33における吸収係数を取得する。このように吸収係数を取得することにより、本実施形態においても、高精度に吸収係数を取得することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、所定の感度領域に関心領域が含まれていない音響波検出素子について、その音響波検出素子が取得した関心領域に対応する検出信号、および、その検出信号に対応する関心領域におの値とは、全く同一の値も、吸収係数を取得する際に実質的に同一となるような値も含む概念である。
以下に、本実施形態に係る被検体情報取得方法を、図1に示す被検体情報取得装置を用いて説明する。
本実施形態において、初期音圧取得モジュール42は、所定の感度領域に関心領域33が含まれない音響波検出素子e1が取得した、関心領域33に対応する検出信号に、第1の低減係数を掛ける。そして、初期音圧取得モジュール42は、第1の低減係数がかけられた検出信号も用いて、関心領域33における初期音圧を取得する。
このように、所定の感度領域に関心領域が含まれない音響波検出素子について、この音響波検出素子が取得した関心領域に対応する検出信号に、第1の低減係数を掛けることにより、S/Nが低い検出信号を低減して、初期音圧を取得することができる。そのため、ノイズによる誤差の少ない初期音圧を取得することができる。
次に、光量値取得モジュール43は、第1の低減係数をかけられた検出信号に対応する関心領域33における光量値に、第2の低減係数を掛ける。そして、光量値取得モジュール43は、第2の低減係数がかけられた光量値も用いて、関心領域33における積算光量値を取得する。
そして、光学特性値取得モジュール44は、初期音圧取得モジュール42が取得した初期音圧と、光量値取得モジュール43が取得した積算光量値とを用いて、関心領域33における吸収係数を取得する。
このように、検出信号に第1の低減係数を掛けることに加え、この検出信号に対応する光量値にも第2の低減係数を掛けることにより、吸収係数を高精度に取得することができる。
なお、第1の低減係数および第2の低減係数は、1より小さい値である。また、関心領域によって別の低減係数を設定してもよい。また、第1の低減係数および第2の低減係数は同一の値であることが好ましい。ここで、同一の値とは、全く同一の値も、吸収係数を取得する際に実質的に同一となるような値も含む概念である。
(第4の実施形態)
本発明は、図4A〜4Cに示される被検体情報取得装置や、図5A〜5Cに示される被検体情報取得装置にも適用可能である。図4A〜4Cに示す被検体情報取得装置は、検出器走査機構21が音響波検出器20を被検体30の周囲を回転走査することにより、複数の位置で光音響波を検出可能としている。また、被検体30と音響波検出器20との間の音響インピーダンスマッチングを図るために、被検体30は水槽81に満たされた水80に浸かっている。また、被検体30を走査する被検体走査機構34を有している。このような構成とすることで、保持板等で形状を規定出来ない部位でも測定可能となる。また、被検体に対して多くの方向に検出素子を設置可能となるため、情報量の多いデータの取得が可能となる。
図4A〜4Cに示す被検体情報取得装置では、図4Aの状態から、被検体走査機構34が被検体を紙面下方向に走査することにより、図4Bの状態となる。そして、図4Bの状態から、検出器走査機構21が音響波検出器20を走査することにより、図4Cの状態となる。ここで、図4A、4B、4Cのそれぞれの状態における音響波検出素子を、e1,e2,e3とする。また、点線で示した三角形の領域は、音響波検出素子に対応する所定の感度領域を示す。
また、図5A〜5Cで示された被検体情報取得装置は、音響波検出器20と光学系11とが1つのハウジング70に収めて設けられている。また、このハウジング70はハンドヘルド機構71を備え、作業者がハンドヘルド機構71を把持して、ハウジング70を走査することを可能にしている。このようにハウジング70を走査することによって、音響波検出素子が複数の位置で光音響波を検出可能としている。図5A〜5Cにおいては、作業者がハンドヘルド機構71を把持してハウジング70を紙面右方向に走査することにより、音響波検出素子が光音響波を検出している。ここで、図5A、5B、5Cのそれぞれの状態における音響波検出素子を、e1,e2,e3とする。また、点線で示した三角形の領域は、音響波検出素子に対応する所定の感度領域を示す。
ただし、本実施形態は、他の実施形態と異なり、音響波検出器20を機械的に走査するのではなく、ハンドヘルド機構71を作業者が把持してハウジング70を自由に走査している。そのため、光音響波32を検出した時の音響波検出器20と関心領域33との位置関係を把握することができない。しかし、音響波検出器20が取得した検出信号から関心領域に対応する検出信号を抽出するためには、音響波検出器20と関心領域33との位置関係を把握する必要がある。そこで、本実施形態においては、ハウジング70の位置、すなわちハウジング70に収められた音響波検出器20及び光学系11の位置を検出するための位置検出器72をハウジング70が備えていることが好ましい。
図4A〜4Cおよび図5A〜5Cに示す被検体情報取得装置において、音響波検出素子e1に対応する所定の感度領域に関心領域33が含まれていない。そのため、信号処理装置40は、第1および第2の実施形態で説明した被検体情報取得方法や、第3の実施形態で説明した被検体情報取得方法を用いて、関心領域33の吸収係数を取得することができる。このように吸収係数を取得することにより、本実施形態においても、高精度に吸収係数を取得することができる。
以下、主要な構成について説明する。
(光源10)
光源10は、5ナノ秒乃至50ナノ秒のパルス光を発生可能な光源を備えている。光源としては大きな出力が得られるレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のTi:Saレーザーや、アレキサンドライトレーザーがよい。異なる波長の単波長レーザーを複数で保有していてもよい。
(光学系11)
光源10から出射されたパルス光は、典型的にはレンズやミラーなどの光学部品により、所望の光分布形状に加工されながら被検体に導かれるが、光ファイバなどの光導波路などを用いて伝搬させることも可能である。光学系11は、例えば、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板などである。このような光学部品は、光源から発せられたパルス光が被検体に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が被検体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。なお、照射光を走査するために、光学系11に光学走査機構を設けてもよい。
(音響波検出器20)
光により被検体表面及び被検体内部で発生する光音響波を検出する検出器である音響波検出器20は、音響波を検知し、アナログ信号である電気信号に変換するものである。以後、単に探触子あるいはトランスデューサということもある。圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなど音響波信号を検知できるものであれば、どのような音響波検出器を用いてもよい。
また、音響波検出器20は、複数の音響波検出素子を備えている。この複数の音響波検出素子を1次元、または2次元に並べてアレイ状に配置することにより、複数の位置で光音響波を検出可能としている。このよう多次元配列素子を用いることで、同時に複数の位置で音響波を検出することができ、検出時間を短縮できると共に、被検体の振動などの影響を低減できる。
なお、複数の位置で光音響波を検出可能とするために、音響波検出器20が検出器走査機構21によって機械的に走査可能に構成されていてもよい。また、作業者が把持して音響波検出器20を自由に走査できるハンドヘルド機構を備えることもできる。
(信号収集器47)
音響波検出器20より得られた電気信号を増幅し、その電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する信号収集器47を有することが好ましい。信号収集器47は、典型的には増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。音響波検出器から得られる検出信号が複数の場合は、同時に複数の信号を処理できることが望ましい。それにより、画像を形成するまでの時間を短縮できる。なお、本明細書において「検出信号」とは、音響波検出器20から出力されるアナログ信号も、信号収集器47によりAD変換されたデジタル信号も含む概念である。
(信号処理装置40)
信号処理装置40は、画像再構成などを行うことにより被検体内部の光学特性値を取得する。信号処理装置40には、典型的にはワークステーションなどが用いられ、画像再構成処理などがあらかじめプログラミングされたソフトウェアにより行われる。例えば、ワークステーションで使われるソフトウェアとしては、設定モジュール41、初期音圧取得モジュール42、光量値取得モジュール43、光学特性値取得モジュール44などがある。
なお、それぞれのモジュールを、別々のハードウェアとして設けてもよい。この場合、それぞれのハードウェアを総じて信号処理装置40としてもよい。
また、場合によっては、信号収集器47、信号処理装置40は一体化される場合もある。この場合、ワークステーションで行うようなソフトウェア処理ではなく、ハードウェア処理により被検体の光学特性値を生成することもできる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
20 音響波検出器
30 被検体
40 信号処理装置
41 設定モジュール
42 初期音圧取得モジュール
43 光量値取得モジュール
44 光学特性値取得モジュール
本発明に係る被検体情報取得装置は、光源と、光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を検出して複数の検出信号を出力する音響波検出器と、複数の検出信号に基づいて関心領域における光学特性値を取得する信号処理手段と、を有し、信号処理手段は、前記複数の検出信号を第1の重み係数に基づいて補正することにより補正信号を取得し、前記複数の検出信号に対応する前記関心領域における光量値を第2の重み係数に基づいて補正することにより、前記複数の検出信号に対応する前記関心領域における補正光量値を取得し、前記補正信号と前記補正光量値とに基づいて前記光学特性値を取得する。

Claims (19)

  1. 光源と、
    前記光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を検出して複数の検出信号を出力する音響波検出器と、
    前記複数の検出信号に基づいて関心領域における光学特性値を取得する信号処理手段と、を有し、
    前記信号処理手段は、
    前記複数の検出信号の一部の検出信号を選択し、
    前記一部の検出信号と、前記一部の検出信号に対応する前記関心領域における光量値と、を用いて前記関心領域における前記光学特性値を取得する
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記音響波検出器は、光音響波を互いに異なる複数の位置で検出して前記複数の検出信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記光源は、光を異なる複数のタイミングで出射し、
    前記音響波検出器は、前記複数のタイミングの光照射によりそれぞれ発生した光音響波を検出して前記複数の検出信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記音響波検出器を前記被検体に対して相対的に移動させる検出器走査機構を更に有し、
    前記検出器走査機構は、前記複数のタイミングで前記音響波検出器の位置がそれぞれ異なるように前記音響波検出器を移動させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記光源からの光を前記被検体に導く光学系と、
    前記光学系を前記被検体に対して相対的に移動させる光学系走査機構と、を更に有し、
    前記光学系走査機構は、前記複数のタイミングで前記光学系の位置がそれぞれ異なるように前記光学系を移動させることを特徴とする請求項3または4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記音響波検出器は複数の音響波検出素子を備える
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記信号処理手段は、
    前記一部の検出信号に対応する前記関心領域における光量値を積算して前記関心領域における積算光量値を取得し、
    前記一部の検出信号と、前記関心領域における積算光量値とを用いて、前記関心領域における前記光学特性値を取得する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記信号処理手段は、
    前記一部の検出信号を用いて前記関心領域における初期音圧を取得し、
    前記関心領域における前記初期音圧および前記積算光量値を用いて前記関心領域における前記光学特性値を取得する
    ことを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記信号取得手段は、前記音響波検出器の感度分布に基づいて前記複数の検出信号から前記一部の検出信号を選択する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記信号取得手段は、
    前記複数のタイミングのそれぞれにおいて、前記関心領域における前記音響波検出器の感度が所定の値以上のときに前記音響波検出器が検出した検出信号を選択し、選択された検出信号を前記一部の検出信号とすることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記信号取得手段は、
    前記複数の音響波検出素子のそれぞれにおいて、前記関心領域における前記音響波検出素子の感度が所定の値以上のときに前記音響波検出素子が検出した検出信号を選択し、選択された検出信号を前記一部の検出信号とする
    ことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記音響波検出器の感度は、前記音響波検出器の光音響波から検出信号への変換効率、及び前記関心領域から前記音響波検出器までの光音響波の減衰のうち少なくとも1つに基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記信号処理手段は、前記関心領域における前記光学特性値として前記関心領域における吸収係数を取得する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  14. 前記信号処理手段は、
    前記一部の検出信号を重み係数に基づいて補正して補正信号を取得し、
    前記一部の検出信号に対応する前記関心領域における光量値を前記重み係数に基づいて補正して、前記一部の検出信号に対応する前記関心領域における補正光量値を取得し、
    前記補正信号と前記関心領域における前記補正光量値とを用いて前記関心領域における前記光学特性値を取得する
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  15. 光を異なる複数のタイミングで出射する光源と、
    前記複数のタイミングで光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を検出して複数の検出信号を出力する音響波検出器と、
    前記複数の検出信号に基づいて関心領域における光学特性値を取得する信号処理手段と、を有し、
    前記信号処理手段は、
    前記複数の検出信号の少なくとも一部の検出信号を選択し、
    前記少なくとも一部の検出信号と、前記少なくとも一部の検出信号に対応する前記関心領域における光量値と、を用いて前記関心領域における前記光学特性値を取得する
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  16. 前記音響波検出器を前記被検体に対して相対的に移動させる検出器走査機構を更に有し、
    前記検出器走査機構は、前記複数のタイミングで前記音響波検出器の位置がそれぞれ異なるように前記音響波検出器を移動させる
    ことを特徴とする請求項15に記載の被検体情報取得装置。
  17. 前記光源からの光を前記被検体に導く光学系と、
    前記光学系を前記被検体に対して相対的に移動させる光学系走査機構と、を更に有し、
    前記光学系走査機構は、前記複数のタイミングで前記光学系の位置がそれぞれ異なるように前記光学系を移動させることを特徴とする請求項15または16に記載の被検体情報取得装置。
  18. 光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を検出して得られた複数の検出信号に基づいて関心領域における光学特性値を取得する信号処理方法であって、
    前記複数の検出信号の一部の検出信号を選択する工程と、
    前記一部の検出信号と、前記一部の検出信号に対応する前記関心領域における光量値と、を用いて前記関心領域における前記光学特性値を取得する工程と、を有する
    ことを特徴とする信号処理方法。
  19. 請求項18に記載の信号処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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