JP2016093375A - 照射位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便かつ迅速にビームの照射装置の照射位置を検出可能な照射位置検出装置を提供する。
【解決手段】 カウチ上の照射対象に対して、互いに異なる複数の照射角度からビームを照射可能な照射装置によるビームの照射位置を検出する検出装置であって、所定の中心軸に対して回転対称の形状をなし、光透過性を有し、カウチ上に配されて、照射装置が照射するビームを、側面から受けるシンチレータを具備し、シンチレータの平面側または底面側から、少なくとも前記シンチレータをその画角内に含む画像を撮像し、照射装置がビームを照射したときに撮像した画像を取得し、当該取得した画像からシンチレータ内のビーム通過経路を検出し、当該検出したビーム通過経路に基づき、ビームの照射位置を検出する照射位置検出装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線の照射位置を検出する照射位置検出装置に関する。
放射線治療に用いられるビームの照射装置は、例えば回転機能を持つガントリーに搭載され、カウチに横たわった患者に対して相対的に移動しつつ(ガントリー角を変えつつ)ビームの照射を行うことが可能になっている。また、カウチも、照射装置の移動軌跡の作る面の法線に対して角度(カウチ角度)を設定可能になっている。また、ロボットアームの先端にビーム照射装置を設置したものもあり、放射線治療装置は4π方向からのビーム照射が可能な仕様となっている。
そしてこれにより、ターゲットとなるがん細胞等に対して的確にビームを当てながら、その近隣にある正常細胞にビームが当たらないようにビームの照射位置が制御される。また近年ではターゲットとなる細胞にビームを、より集中させる技術が開発されており、照射位置の再現精度をより高めること、またその質の保証及び管理(Quality Assurance/Quality control;QA/QC)を行うことが重要視されるようになっている。
臨床の現場では、壁面レーザあるいは画像誘導装置等によりビームの照射位置(アイソセンタ)が設定される。そして当該ビームの照射位置が治療者の所望の位置となっているかを評価するときには、従来、次の作業を行っている。
すなわち評価者は、ビームの照射位置の移動方向に垂直(照射装置の移動軌跡の作る面に平行)、かつアイソセンタ(ビームの照射予定点)を通る面内に、放射線用フィルムを配する。そして評価者は、ビームの照射装置を制御して照射位置を上記移動方向に沿って変更しながら(例えば上記軸に対して30度ずつ角度を変えながら)、当該放射線用フィルムに対してビームを照射する。
この照射の結果、放射線用フィルムを現像して得られるパターンは、複数の方向へ放射状にビームが通過した跡を示したものとなる。評価者は、各ビームの通過軌跡の中心に沿って直線を引き、各ビームの通過軌跡の交点が、アイソセンタに相当する点から所定の半径(例えば半径1mm)以内にあるか否かを調べる。
ここで所定の半径内にあれば十分な精度にてビームを照射可能であると判断し、所定の範囲内になければ、ビームの照射装置の調整が必要であると判断する(いわゆるスターショット法やWinston-Lutzテスト)。
inet:谷 正司、"EPIDとImageJによるWinston-Lutzテスト"、[online]、 [平成26年10月8日検索]、インターネット<URL: http://katarou-kai.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20140319104309-7D462E3CA60F6A6126A93682A37FAC7E15A65F3151A6392254C260781778DC6E.pdf>
しかしながら、上記従来の方法では、フィルムを現像する時間を要し、精度の判定に時間がかかっていた。また上記の方法ではフィルムの面内方向の精度しか検証できないが、近年では上記のフィルムの面(つまり患者の横断面)に対して斜めに照射することができる照射装置もあり、用途が限られていた。さらに医療の現場でもデジタル化が進んでおり、現像タイプのフィルムが使用しにくくなっているという問題もある。フィルムを使わずに放射線治療装置に設置された検出器(Electric Portal Imaging Device:EPIDなど)を利用する手法もあるが、検出器が放射線治療装置と一緒に回転することにより、照射位置ごとに検出器も動いてしまい、検出器の設置精度に問題があった。また、アイソセンタ位置でのビーム位置を直接観ることはできず、アイソセンタ上に設置した金属球をアイソセンタ位置から数十cm程度離れた位置でしか見ることができないという問題もある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、簡便かつ迅速にビームの照射装置の照射位置を検出可能な照射位置検出装置を提供することを、その目的の一つとする。
なお、非特許文献1には、ビーム強度を可視化するEPIDと、タングステン球を用いたテストツールとを用い、ビーム照射時のタングステン球の影を検出してWinston-Lutzテストを行う技術が開示されている。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、カウチ上の照射対象に対して、互いに異なる複数の照射角度からビームを照射可能な照射装置によるビームの照射位置を検出する検出装置であって、所定の中心軸に対して回転対称の形状をなし、光透過性を有するシンチレータであって、前記カウチ上に配されて、前記照射装置が照射するビームを、側面から受けるシンチレータと、前記シンチレータの平面側または底面側から、少なくとも前記シンチレータをその画角内に含む画像を撮像する撮像手段と、前記照射装置がビームを照射したときに前記撮像手段にて撮像した画像を取得し、当該取得した画像から前記シンチレータ内のビーム通過経路を検出し、当該検出したビーム通過経路に基づき、ビームの照射位置を検出する検出手段と、を含むこととしたものである。
本発明によると、シンチレーション光の画像データを利用することで、簡便かつ迅速に照射装置のビーム照射位置を検出できる。
本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置の構成例を表す概略図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置の例を表す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置が得る画像データの例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置の検出体の一例を表す概略図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置のハット部材の一例を表す側面、底面、及び断面図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置の検出体の作用の一例を表す概略図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置により得られる画像データの例とその処理例とを表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置により得られるもう一つの画像データの例とその処理例とを表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置により得られる画像データの例を表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置による画像処理例を表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置により得られるもう一つの画像データの例を表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置により得られる画像データを比較した例を表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置により得られるさらにもう一つの画像データの例を表す説明図である。 本発明の一実施例に係る照射位置検出装置によるもう一つの画像処理例を表す説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る照射位置検出装置1は、カウチ上の照射対象に対して、互いに異なる複数の照射角度からビームを照射可能な照射装置によるビームの照射位置を検出するものである。
[基本構成]
具体的にこの照射位置検出装置1は、図1に例示するように、検出体10と、画像処理装置20とを含んで構成される。ここで検出体10は、所定の中心軸Cに対して回転対称の形状をなし、光透過性を有するシンチレータ11を含む。また画像処理装置20は、撮像部21と、画像処理制御部22とを含んで構成される。この画像処理制御部22は一般的なコンピュータにより実現でき、制御部25,記憶部26,操作部27,表示部28,及びインタフェース部29を含んで構成される。なお、本実施の形態で用いる図面に示されるシンチレータ11や撮像部21等の大きさや配置位置等は、実態の大きさや配置の状況を示したものではなく、その縮尺は図示の都合または内容の説明のために変更されている。
検出体10のシンチレータ11は、図1に例示したように、光透過性を有し、円柱形状をなすプラスチックシンチレータである。このシンチレータ11は必ずしも円柱形状でなくとも、正多角柱形状、あるいは円筒形状や正多角形の筒状といった中空の形状等、所定の中心軸Cに対して回転対称の形状をなし、当該中心軸Cを法線とする平面111と底面112と(筒状体の場合はこれら平面111及び底面112は仮想的なものでよい)を備える形状であればよい。照射装置の評価者は、この中心軸Cをアイソセンタに一致させた状態で、検出体10のシンチレータ11をカウチ上に固定しておく。シンチレータ11を固定するため、例えばシンチレータ11が転がらないように保持する保持体を用いてもよいが、このような保持体は適宜選択できるので、その詳細な説明(及び図示)を省略する。
以下の説明では、カウチの長手方向(ビーム照射装置の回転軌跡がつくる面に垂直の方向)をZ軸とし、鉛直上方をY軸、これらの軸に直交する、カウチの幅方向の軸をX軸とする。シンチレータ11は、先に述べた中心軸CがZ軸方向に一致するよう配されている。
画像処理装置20の撮像部21は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS等の撮像素子を備えたカメラ等であり、撮像指示を受けて、設定された撮像方向の画像を撮像した画像データを生成して出力するものである。本実施の形態では、この撮像部21は、検出体10のシンチレータ11の平面側または底面側に配され、またその光軸が中心軸Cに一致するよう配される。つまり、この撮像部21の撮像方向はシンチレータ11の平面または底面の法線方向(Z軸方向)となる。またこの撮像部21が撮像する範囲(画角)内には、少なくともシンチレータ11が含まれるようにしておく。
画像処理制御部22の制御部25は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部26に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態ではこの制御部25は、照射装置がビームを照射したときに撮像部21が撮像して得た画像データを取得し、当該取得した画像データからシンチレータ11内のビーム通過経路を検出する。そしてこの制御部25は、当該検出したビーム通過経路に基づき、ビームの照射位置を検出する処理を行う。この制御部25の詳しい処理の内容は後述する。
記憶部26は、メモリデバイス等であり、制御部25によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、コンピュータ可読かつ非一時的(Non-transitory)な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部26に複写されたものであってもよい。またこの記憶部26は、制御部25のワークメモリとしても動作し、画像データ等を記憶する。
操作部27は、キーボードやマウス等であり、利用者の指示操作を受け入れて、当該受け入れた指示操作の内容を表す情報を制御部25に出力する。表示部28は、ディスプレイ等であり、制御部25から入力される指示に従って画像を表示出力する。
インタフェース部29は、USB(Universal Serial Bus)インタフェース等であり、撮像部21に接続されて、撮像部21が出力する画像データを制御部25に対して出力する。またこのインタフェース部29は制御部25が出力する指示を、撮像部21に対して出力する。
ここで制御部25による処理の内容について説明する。この制御部25は、記憶部26に格納されたプログラムを実行することにより、機能的には、図2に例示するように、画像データ受入部31と、シンチレーション光検出部32と、ビーム通過経路検出部33と、検出結果生成部34と、出力部35とを含んで構成される。
画像データ受入部31は、インタフェース部29を介して撮像部21が出力する画像データを受け入れる。シンチレーション光検出部32は、画像データ受入部31が受け入れた画像データからシンチレーション光を検出する。具体的に本実施の形態では、撮像の際に室内灯を消灯するなど環境光が撮像部21に入射しないようにしておくことにより、主な光源をシンチレーション光とする画像データが得られる。
シンチレーション光検出部32は、この画像データから、輝度が所定の閾値より高い画素を抽出することでシンチレーション光の軌跡上にある直線状の画素群と、シンチレーション光で照明されたシンチレータ11の外形線を表す画素群とを抽出して、それぞれ画素群P,Qとしてラベリングする(図3(a))。ここでシンチレーション光検出部32は、画像データのうち、直線状に配列されている画素群を、ビームの通過経路上の画素群Pとする。またシンチレーション光検出部32は、シンチレータ11の平面または底面形状(ここでの例では、回転軸を対称軸とした回転体形状としているので円形状)に配列される画素群を、画素群Qとする。これらの画素群の検出は、例えばハフ変換等の公知の処理により行う。
ビーム通過経路検出部33は、シンチレーション光検出部32が画像データから検出してシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pとしてラベリングした画素に基づき、シンチレータ11内でのビームの通過経路を検出する。具体的にシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pとしてラベリングされる画素は一般に、図3(a)に例示したように、幅wの直線上に配列される。そこでビーム通過経路検出部33は、この幅wの直線の幅方向中心を通過する仮想線分Lを特定する情報を、ビーム通過経路を表す情報として生成する。一例としてこの仮想線分Lを特定する情報は、画像データの画素配列を表す(ξ,η)座標系における直線の式として表すことができる。
また、このビーム通過経路検出部33は、画像データから抽出したシンチレーション光で照明されたシンチレータ11の外形線を表す画素群Qから、シンチレータ11の中心(中心軸C)cを見出す。この中心cの検出は、例えば当該画素群Qに外接する矩形の対角線の交点を求める方法など、広く知られた処理を利用できるので、ここでの詳しい説明を省略する。
検出結果生成部34は、ビーム通過経路検出部33が検出したシンチレーション光の軌跡を表す仮想線分Lが、シンチレータ11の中心cを通過しているか否かを検出する。具体的にこの検出結果生成部34は、検出されているシンチレータ11の中心cから仮想線分Lまでの距離(中心cから仮想線分Lへ下ろした垂線の足をFとしたときの垂線の長さcF)を求めて出力する。この演算は広く知られているのでここでの詳しい説明は省略する。出力部35は、検出結果生成部34が生成した情報を表示部28に対して出力する。
本実施の形態の一例に係る照射位置検出装置1は、以上の構成を備えてなり、次のように動作する。本実施の形態の一例では、壁面レーザあるいは画像誘導装置等によりビームの照射位置(アイソセンタ)が設定され、検出体10のシンチレータ11の中心軸Cを、このアイソセンタに一致させた状態でカウチ上に固定する。
また画像処理装置20の撮像部21をシンチレータ11の底面側に配し、その光軸をシンチレータ11の中心軸Cに一致させる。またこの撮像部21の撮像範囲(画角)に、シンチレータ11が含まれるようにその位置やズームを設定しておく。
評価者は、ビームの照射装置を制御して照射位置を上記移動方向に沿って変更しながら(例えば上記軸に対して30度ずつ角度を変えながら)、検出体10にビームを照射する。画像処理装置20の撮像部21は、ビームが照射されたときに撮像して得た画像データを、制御部25に出力する。
画像処理装置20の制御部25は、当該画像データを受け入れる。そして制御部25は受け入れた画像データから、輝度が所定の閾値より高い画素を抽出することでシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pと、シンチレーション光で照明されたシンチレータ11の外形線を表す画素群Qとを抽出する。さらに制御部25は、ここで抽出した幅wの線分上に配列される画素群Pから、その幅方向中心を通る線分として、ビーム通過経路を表す仮想線分Lを特定する情報(画像データの画素配列を表す(ξ,η)座標系における直線の式)を演算により得る。
具体的に、画素群Pの幅方向中心が、互いに異なる位置にある画素(ξ1,η1)と(ξ2,η2)とを含むとき、仮想線分Lの式は、η=(η2−η1)×(ξ−ξ1)/(ξ2−ξ1)+η1で表される。画像処理装置20は、また、シンチレータ11の外形線を表す画素群Qから、その群に外接する矩形の対角線の交点を求める方法など、広く知られた処理を用いてシンチレータ11の中心c(中心軸Cを軸の方向から見た点)を見出す。
画像処理装置20は、そして、当該見出したシンチレータ11の中心c(アイソセンタに相当する位置)から仮想線分Lまでの距離r(中心cから仮想線分Lへ下ろした垂線の足をFとしたときの垂線の長さcF)を求めて出力する。
こうして、本実施の形態の照射位置検出装置1では、評価者が、ビームの照射装置を制御して照射位置を上記移動方向に沿って変更しながら、検出体10であるシンチレータ11にビームを照射するごとに、照射時に撮像して得られた画像データを解析して、シンチレータ11の中心c(アイソセンタに設定される)からのビームの通過経路のずれ量rを出力する。評価者は、ずれ量rが所定の範囲(例えば1mm)以内にあるか否かを調べることで、ビームの照射装置の調整が必要であるか否かを判断する。
[反射鏡の利用]
本実施の形態の上記基本構成では、ビームの通過経路がXY面内(画素配列を表す(ξ,η)座標系内)でずれている場合に、そのずれ量rを検出することが可能となる。しかしながら、シンチレータ11が円柱形状である場合はZ軸方向のずれ量については検出が困難である。同様に、Z軸に鉛直にビームが入射するべきところ、この所望の角度に対してビームの通過経路が傾いているものの、中心軸Cに交差している場合にはその検出が困難である。そこで、本発明の実施の形態の別の例では、これらの検出を容易にするため、図4に例示するように、検出体10を、シンチレータ11と、ハット部材12とを含んで構成する。ここでシンチレータ11は、所定の中心軸Cに対して回転対称の形状(一例としては円柱形状)をなし、光透過性を有するものとする。図4では、現実にはハット部材12を通じて可視光では視認できなくてもよいシンチレータ11の概略外形線を一点鎖線にて示している。
ここでハット部材12は、所定の中心軸γに対して回転対称な形状を有し、当該中心軸γがシンチレータ11の平面の中心と底面の中心とを通過する軸(中心軸C)に一致するよう位置合わせされる。また、このハット部材12は、一方側(以下、底面側とする)に向って(中心軸γに沿ってその方向に向うほど)その径が大きくなるよう形成された筒状の部材であり、さらにそのシンチレータ11に向く内面が、シンチレータ11が発するシンチレーション光を反射するよう鏡面加工されてなる。
具体的にハット部材12は、図5(a)から(c)にその側面図、底面図(径の大きい側から見た図)、及び断面図をそれぞれ例示するように、切頭直円錐形をなす筒状体である本体120と、本体120内面側に配される鏡面加工層121と、シンチレータ保持体122とを含んで構成される。ここで鏡面加工層121は、本体120内面にアルミニウムを真空蒸着する等して形成される。また本実施の形態のある例では、この本体120の径の小さい側の端部は当該径を有する円筒状に延伸され(図5(a)の120p)、その内側にシンチレータ保持体122としてのクランプ(一般的なパイプクランプのようなもので構わない)を備える。
本実施の形態のこの例においては、ハット部材12のシンチレータ保持体122としてのクランプに、シンチレータ11を挟んで固定する。このとき、シンチレータ11の中心軸Cと、ハット部材12の中心軸γとを一致させて固定する。なお、シンチレータ保持体122はここで述べたものに限られず、シンチレータ11を、その中心軸Cと、ハット部材12の中心軸γとを一致させつつハット部材12に固定できるものであれば、その形状などを問うものではなく、どのようなものであってもよい。またこのハット部材12は、例えばアクリル樹脂など、照射されるビームを透過させるもので形成する。
本実施の形態のこの例では、画像処理装置20の撮像部21が、検出体10のハット部材12の底面側(径の大きい側)に配され、その光軸が中心軸C(中心軸γ)に一致するよう配される。従ってその撮像方向はハット部材12の底面の法線方向となる。またこの撮像部21が撮像する範囲(画角)内には、少なくともシンチレータ11及びハット部材12の内面(鏡面加工された部分)が含まれるようにしておく。また、この例でも検出体10をカウチ上に固定するため、転がらないように保持する保持体を用いてもよいが、このような保持体も適宜選択できるので、その詳細な説明(及び図示)を省略する。
本実施の形態のこの例では、画像処理装置20の制御部25は図2に例示したのと同様の機能的構成を備えるが、ビーム通過経路検出部33と、検出結果生成部34との動作が少々異なる。そこで以下では、ビーム通過経路検出部及び検出結果生成部については区別のため符号を違えて、ビーム通過経路検出部33′,検出結果生成部34′として示す。すなわち、本実施の形態のこの例では、制御部25の画像データ受入部31は、インタフェース部29を介して撮像部21が出力する画像データを受け入れる。またシンチレーション光検出部32は、画像データ受入部31が受け入れた画像データからシンチレーション光を検出する。具体的に本実施の形態では、撮像の際に室内灯を消灯するなど環境光が撮像部21に入射しないようにしておくことにより、主な光源をシンチレーション光とする画像データが得られる。
本実施の形態では、ハット部材12の鏡面加工された内面で反射されたシンチレーション光による画素群Rは、シンチレータ11内部の直線経路上の各部で発光するシンチレーション光を円錐形の鏡面で反射した像を表すものとなる。具体的に先の例と同様、カウチの長手方向(ビーム照射装置の回転軌跡がつくる面に垂直の方向)をZ軸とし、鉛直上方をY軸、これらの軸に直交する、カウチの幅方向の軸をX軸として、シンチレータ11を、先に述べた中心軸CがZ軸方向に一致するよう配する。なお、以下の例ではハット部材12がなす円錐形の頂点の位置(ここではハット部材12が切頭直円錐形としているので現実には頂点はないが、側面を延長した場合に頂点となるべき位置)を原点(0,0,0)とする。
ここで、図6に概要を示すように、シンチレータ11にビームが入射した位置での発光点をpi(pix,piy,piz)、シンチレータ11からビームが出射する位置での発光点をpo(pox,poy,poz)、シンチレータ11の底面の半径をrscとし、ハット部材12を中心軸γを含む面で破断したとき、その円錐形状の一対の母線同士がつくる角が90度であるとする。
このとき撮像部21には、上記発光点piから中心軸Cに下ろした垂線の延長線上であって、ハット部材12の内面と交差する二点Ri_1(pix×piz/rsc,piy×piz/rsc,piz),Ri_2(−pix×(2rsc+piz)/rsc,−piy×(2rsc+piz)/rsc,piz)をそれぞれ起点とし、発光点poから中心軸Cに下ろした垂線の延長線上であって、ハット部材12の内面と交差する二点Ro_1(pox×poz/rsc,poy×poz/rsc,poz),Ro_2(−pox×(2rsc+poz)/rsc,−poy×(2rsc+poz)/rsc,poz)をそれぞれ終点とする一対の半円弧状の反射光が到来する。撮像部21の撮像面はXY平面であるので、撮像部21が撮像して出力する画像データには、(pix×piz/rsc,piy×piz/rsc)に相当する座標を起点として、(pox×poz/rsc,poy×poz/rsc)に相当する座標を終点とする半円弧状の、周囲よりも輝度の高い画素群R1と、(−pix×(2rsc+piz)/rsc,−piy×(2rsc+piz)/rsc)に相当する座標を起点として、(−pox×(2rsc+poz)/rsc,−poy×(2rsc+poz)/rsc)に相当する座標を終点とする半円弧状の、周囲よりも輝度の高い画素群R2とが含まれる(図3(b))。なお、画素群R1,R2は、ビームの通過経路によっては、互いの端部が重なり合って、一つの円環状の、周辺よりも輝度が高い画素群Rとして画像データに含まれることもある。また、画素群R1,R2の両端部(始点及び終点に対応する画素)は、画素群R1またはR2に含まれる画素のうちでもその輝度が比較的高いものとなっている。
シンチレーション光検出部32は、従って、受け入れた画像データから、輝度が所定の閾値より高い画素を抽出することで、シンチレータ11内部を通過するビームによるシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pを抽出する(図3(b))。ここで画素群Pの抽出方法は既に述べたのと同様にできるので繰り返しての説明を省略する。シンチレーション光検出部32は、この画素群に含まれる画素群Pをラベリングしておく。
ビーム通過経路検出部33′は、シンチレーション光検出部32が画像データから検出してシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pに含まれる画素としてラベリングした画素に基づき、シンチレータ11内でのビームの通過経路を検出する。具体的にシンチレーション光の軌跡上にある画素群Pとしてラベリングされる画素は一般に、図3(a)に例示したものと同様に、幅wの直線上に配列される。そこでビーム通過経路検出部33′は、この幅wの直線の幅方向中心を通過する仮想線分Lを特定する情報を、ビーム通過経路を表す情報として生成する。ここでの例においても、仮想線分Lを特定する情報は、画像データの画素配列を表す座標系における直線の式として表すことができる。ビーム通過経路検出部33′は、この仮想線分Lの両端の座標をそれぞれ(ξi,ηi),(ξo,ηo)として取得しておく。
ビーム通過経路検出部33′は、また撮像部21から受け入れた画像データから、画素群Pを取除いた修正画像データを生成する。そしてビーム通過経路検出部33′は、輝度閾値Lminを予め定めた初期値に設定し、この修正画像データに含まれる画素のうち、当該輝度閾値Lminを超えるものを抽出する(有意画素の抽出処理)。ビーム通過経路検出部33′は、抽出された画素を有意画素とし、ラベリングされていない有意画素の一つを注目画素として選択し、当該画素に固有なラベルを発行してラベリングする。ビーム通過経路検出部33′は、当該選択した注目画素の近傍8画素のいずれかに有意画素があれば当該有意画素のそれぞれにも、注目画素と同じラベルでラベリングを行う。以下、この有意画素のそれぞれを順次注目画素として選択しつつ、その近傍8画素に有意画素が含まれるか否かの判断を行い、ラベリングの処理を行う。
こうしてビーム通過経路検出部33′は、有意画素が連続している領域(以下、高輝度連続領域と呼ぶ)ごとに、当該領域内の画素について当該領域固有のラベリングを施していく(連続領域検出処理)。ビーム通過経路検出部33′は、互いに異なるラベリングを施された画素ごと(つまり高輝度連続領域ごと)にその外接矩形を求める。ビーム通過経路検出部33′は求められた外接矩形のうち、予め定めた面積を下回る面積の外接矩形を除き、求められた外接矩形(検出した高輝度連続領域)の数を調べる。ここで求められた外接矩形の数が、2または4でなければ、ビーム通過経路検出部33′は輝度閾値Lminを予め定めた増分値だけ増分させて、有意画素の抽出処理に戻って処理を続ける。
また求められた外接矩形の数が2または4であれば、ビーム通過経路検出部33′は、当該外接矩形の中心座標を求める。以下では、この中心座標の値を、(ξ1,η1),(ξ2,η2)…とする。
ビーム通過経路検出部33′は、ここで求めた中心座標が4つである場合、そのうちの一つ、例えば(ξ1,η1)を含む、一対の中心座標の組、つまり、(ξ1,η1)と(ξ2,η2)、(ξ1,η1)と(ξ3,η3)、(ξ1,η1)と(ξ4,η4)を得て、これらの組のそれぞれに含まれる2つの中心座標を通過する線分L1,L2,L3の式を求める。そしてビーム通過経路検出部33′は、求められた各線分L1,L2,L3と、仮想線分Lの一方端側座標(ξi,ηi)までの距離と、他方端の座標(ξo,ηo)までの距離(L1について距離d1_1,d1_2、L2について距離d2_1,d2_2…)とを求める。そして求められた各距離d1_1,d1_2,… ,d3_2のうち、もっとも短い距離となっているものを選択する。ここでは例えば、線分L1((ξ1,η1)と(ξ2,η2)とを結ぶ線分)と仮想線分Lの一方端側座標(ξi,ηi)までの距離d1_1が最も短かったとする(この仮定をおいても一般性は失われない)。ビーム通過経路検出部33′は、この線分L1を、同じシンチレータ光の反射光どうしを連結する連結線とする。
ビーム通過経路検出部33′は、この連結線L1が通過しない一対の中心座標(ξ3,η3)と(ξ4,η4)とを通過するもう一つの連結線である線分L1′の式を求め、さらにこれらの線分L1,L1′の交点座標(ξc,ηc)を求める。そしてビーム通過経路検出部33′は、この交点座標(ξc,ηc)を、シンチレータ11の中心軸C上の点(中心点c)に相当する位置とする(図7)。なお、ビーム通過経路検出部33′は、線分L1′と仮想線分Lの他方端側座標(ξo,ηo)との距離が予め定めたしきい値より大きい場合にエラー(検出体10の配置等が間違っている可能性がある)を報知してもよい。
この例では、ビーム通過経路検出部33′は、ビームがシンチレータ11に入射したときに、中心軸Cに対し、ビーム入射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像(上記の中心座標(ξ1,η1)にある画素に相当する)と、当該位置に対して中心軸Cに対して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像(上記の中心座標(ξ2,η2)にある画素に相当する)と、シンチレータ11の側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像(仮想線分Lの一方端側座標(ξi,ηi)にある画素に相当する)との組、及び、ビームがシンチレータから出たときに、中心軸Cに対し、当該ビーム出射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像(例えば上記の中心座標(ξ3,η3)にある画素に相当する)と、当該位置に対して中心軸Cに対して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像(例えば上記の中心座標(ξ4,η4)にある画素に相当する)と、シンチレータ11の側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像(仮想線分Lの一方端側座標(ξo,ηo)にある画素に相当する)との組、のうち少なくとも一方の組に含まれる各像に基づいて、中心軸Cを検出している。
検出結果生成部34′は、このビーム通過経路検出部33′が検出したシンチレーション光の軌跡を表す仮想線分Lが、シンチレータ11の中心点cの座標(ξc,ηc)を通過しているか否かを検出する。具体的にこの検出結果生成部34′は、検出されているシンチレータ11の中心点cから仮想線分Lまでの距離(中心cから仮想線分Lへ下ろした垂線の足をFとしたときの垂線の長さCF)Δxyを求めて出力する。この演算は広く知られているので、ここでの詳しい説明は省略する。
検出結果生成部34′は、ビーム通過経路検出部33′が2つの連結線L1,L1′を求めている場合は、連結線L1,L1′のそれぞれについて、シンチレータ11の中心点cの座標(ξc,ηc)を中心とし、それぞれの連結線が通過する中心座標を通る円の半径r1,r2を求める。
またこの検出結果生成部34′は、ビーム通過経路検出部33′が2つの連結線L1,L1′を求めていない場合(高輝度連続領域が2つ見出されている場合)は、各高輝度連続領域の外接矩形の中心座標(ξ1,η1)と(ξ2,η2)との中点をシンチレータ11の中心点cの座標(ξc,ηc)とする。そして検出結果生成部34′は、図8に例示するように、これら中心座標(ξ1,η1)と(ξ2,η2)とを結ぶ線分と、高輝度連続領域の外接矩形とが交差する位置(一方の高輝度連続領域についてP1,P2の2つある)のそれぞれと、中心点cとの距離をそれぞれ、r1,r2とする。このとき、Δxy=0とする。
そして検出結果生成部34′は、Z軸に鉛直な方向に対するビームのずれ角ΔθZを、
Figure 2016093375
として求める。ここで|*|は、*の絶対値を表す。また、rscは、シンチレータ11の半径である。
検出結果生成部34′は、上記r1,r2の平均(算術平均)ravと、ΔθZと、Δxyとを、出力する。出力部35は、検出結果生成部34′が出力するこれらの情報を表示部28に対して表示出力する。
これにより本実施の形態のこの例に係る照射位置検出装置1は次のように動作する。ここでは、シンチレータ11が円柱形状である場合で、ハット部材12をその中心軸γを含む面で破断したとき、その円錐形状の一対の母線同士がつくる角が90度であるとする。また壁面レーザあるいは画像誘導装置等によりビームの照射位置(アイソセンタ)が設定され、検出体10のシンチレータ11の中心軸C上の点(Z軸の値がzであるような点)を、このアイソセンタに一致させた状態でカウチ上に固定する。
また画像処理装置20の撮像部21をシンチレータ11の底面側に配し、その光軸をシンチレータ11の中心軸Cに一致させる。またこの撮像部21の撮像範囲(画角)に、シンチレータ11とハット部材12内側の鏡面加工された部分が含まれるように、その位置やズームを設定しておく。
評価者は、ビームの照射装置を制御して照射位置を上記移動方向に沿って変更しながら(例えば上記軸に対して30度ずつ角度を変えながら)、検出体10にビームを照射する。画像処理装置20の撮像部21は、ビームが照射されたときに撮像して得た画像データを、制御部25に出力する。
制御部25は、この画像データから、輝度が所定の閾値より高く、かつ直線状に配列されている画素を抽出することでシンチレーション光の軌跡上にある画素(P)を見出す。さらに制御部25は、ビーム通過経路を表す仮想線分Lを特定する情報(画像データの画素配列を表す座標系における直線の式)を演算により得る。
またこの制御部25は、この画素(P)以外の画素について、有意画素が連続する領域(高輝度連続領域)が2つ、または4つとなるまで輝度の閾値を高めていく。そして連続する領域が4つとなったときに、これらのうち一対の対応する領域(同じシンチレーション光を原因とする高輝度部分同士)を結ぶ2つの線分の交点を中心点cとして、この中心点cと仮想線分Lとの距離Δxyと、中心点cと上記2つの線分のそれぞれが通過する高輝度連続領域までの距離r1,r2とを求めてその平均ravを演算し、さらに(1)式によりΔθZを求めて、これらの値を出力する。
評価者は、これらの値により、シンチレータ11の中心c(アイソセンタに設定される)からのビームの通過経路のずれ量を調べる。すなわち、ビームの通過経路がアイソセンタに対してXY面内にずれている場合は、その量Δxy(ずれていない場合はΔxy=0となる)を参照すればよい。またZ軸方向にXY面に平行にずれている場合には、その分だけravの値が既定の値(アイソセンタのZ軸座標値)からずれることとなるため、この値ravを参照すればよい。
また、Z軸に鉛直な方向に対してビームの通過経路が傾いている場合は、中心軸Cに交差しているか否かに関わらず、ビームのシンチレータ11への入射点のZ座標と、出射点のZ座標とが相違するため、r1,r2とに有意な差が現れて、その傾きの量ΔθZが得られることとなる。つまり評価者はこのΔθZによりZ軸に鉛直な方向に対するビームの通過経路の傾きを調べることができる。
評価者は、ずれ量Δxy及びZ軸方向のずれ量が所定の範囲(例えば1mm)以内にあるか否か、またΔθZが所望の角度となっているかを調べることで、ビームの照射装置の調整が必要であるか否かを判断する。
[高輝度部分とシンチレーション光の軌跡の端点とを用いる例]
ここでは画像処理装置20は、中心軸Cに対し、ビーム入射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像の座標と、当該位置に対して中心軸Cに対して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像の座標との双方を用いていたが本実施の形態はこれに限られない。
すなわち、画像処理装置20は、高輝度連続領域が4つ得られた場合に、いずれかの中心座標を順次注目中心座標とし、注目中心座標と仮想線分Lの各端点座標との距離(画素配列の(ξ,η)座標系上のユークリッド距離でよい)を演算する。ここでは中心座標(ξ1,η1)について仮想線分Lの一方端側座標(ξi,ηi)までの距離をd1_i、仮想線分Lの他方端側座標(ξo,ηo)までの距離をd1_oとすると、各中心座標について、dj_i,dj_o(j=1,2,3,4)が得られる。
画像処理装置20は、これらdj_i,dj_o(j=1,2,3,4)から最も短いものを選択し、当該選択した距離に係る中心座標を選択する。ここでは一般性を失わずに中心座標(ξ1,η1)が選択されたものとする。この中心座標と同じシンチレーション光を原因とする反射像は、上記dj_i,dj_o(j=1,2,3,4)のうち2番目に短いものに係る中心座標となる(ここでは一般性を失わずに中心座標(ξ2,η2)が選択されたものとする)が、画像処理装置20は、この2番目に短い距離に係る中心座標は用いずに、最も短い距離に係る中心座標と仮想線分Lの端点の座標とを結ぶ線分L1の式を求める。
また、画像処理装置20は、これらdj_i,dj_o(j=1,2,3,4)から3番目に短いものを選択し、当該選択した距離に係る中心座標と仮想線分Lの端点の座標とを結ぶ線分L1′の式を求める。画像処理装置20は、これら線分L1,L1′の交点から中心点cを求める。
この処理は、ビームがシンチレータ11に入射したときに中心軸に対してビーム入射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像と、当該位置に対して中心軸Cに対して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像とのうち、シンチレータ11の側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像に近い側の反射像と、シンチレータ11の側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像との組、及び、ビームがシンチレータ11から出たときに、中心軸Cに対してビーム出射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像と、当該位置に対して中心軸Cに対して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像とのうち、シンチレータ11の側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像に近い側の反射像と、シンチレータの側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像との組を用いることに相当する。
以下画像処理装置20は、先の例と同じ処理により、ビームの通過経路がアイソセンタに対してXY面内にずれている場合のずれ量Δxy、rav、Z軸に鉛直な方向に対するビームのずれ角ΔθZを求めて表示出力する。
[画像認識による例]
また、ここでは画像処理装置20は、輝度閾値を変化させることで、ビームがシンチレータ11に入射またはシンチレータ11から出射したときに、シンチレータ11の中心軸Cに対して当該ビーム入射側または出射側の位置に現れるシンチレーション光の反射像と、当該位置に対して中心軸Cに関して点対称の位置に現れるシンチレーション光の反射像とを見出していた。しかしながら本実施の形態はこれに限られない。
本実施の形態の一例では、画像処理装置20は、撮像部21から受け入れた画像データから、一対の半円弧状(実際には渦巻形状の一部であるが半円に近似して求めることができる)または、一つの円弧状の高輝度部分(周辺よりも輝度の比較的高い部分)を画像認識により求め、これら半円弧状部分の各端点(合計4点)を見出し、それぞれの位置(ξ1,η1),(ξ2,η2)…を用いて上記直線L1,L1′を求め、それらの交点から中心点cを求めてもよい。
また円弧状の高輝度部分が見出されたときには、画像処理装置20は、当該高輝度部分のうちでもより高輝度となっている当該円弧の直径上の2点を見出して(ξ1,η1),(ξ2,η2)とし、その2点の位置の平均から中心点cを求めてもよい。
以下画像処理装置20は、輝度閾値を変化させた場合と同じ処理により、ビームの通過経路がアイソセンタに対してXY面内にずれている場合のずれ量Δxy、rav、Z軸に鉛直な方向に対するビームのずれ角ΔθZを求めて表示出力する。
[撮像部の冷却]
なお、ここまでの例において、撮像部21では、撮像素子を冷却するなどして画像データに含まれ得るノイズを低減するようにしてもよい。
本発明の実施例に係る照射位置検出装置1の動作例について説明する。図9は、アイソセンタを通過するビームを、Z軸に鉛直な方向(ここではY軸に平行とした)から角度を5度ずつ変えながら照射したときに得られる画像データの例を示したものである。
図9に例示するように、この例では、Y軸に対する角度が大きくなるほど高輝度な画素の範囲が広がっていくこととなる。そこでこの高輝度な画素の範囲に内接する円の半径r1と、外接する円の半径r2とを用いた(1)式により、Z軸に鉛直な方向に対するビームのずれ角ΔθZを評価できることが理解される。
またこの図9に示した像のうちY軸に対する角度が0度のものと、35度のものとについて、所定の輝度閾値より高い輝度となっている画素を抽出した像を図10(a),(b)に示す。図10(a),(b)の双方とも(仮想線分Lに相当する画素群Pを除いて)高輝度画素領域は2つだけ検出されている。従って、当該高輝度な画素の領域中心を結ぶ線分は、中心点cを通過すると判断される。つまりXY面内のずれ量Δxyは「0」(アイソセンタを通過している)と評価されている。
図11は、アイソセンタからZ軸方向に5ミリだけずれた位置を通過するビームを、Z軸に鉛直な方向(ここではY軸に平行とした)から角度を5度ずつ変えながら照射したときに得られる画像データの例を示したものである。
このアイソセンタからZ軸の負の方向(撮像位置に近い側)に5ミリだけずれた位置を通過するビームを照射した場合に得られた画像データと、図9に例示したアイソセンタを通過するビームを照射した場合に得られた画像データとを、Y軸に対する角度が0度である場合について重ね合わせて比較したものを図12に示す。
図12に例示するように、アイソセンタからZ軸の負の方向(撮像位置に近い側)に5ミリだけずれた位置を通過するビームを照射した場合に得られた画像データにおける高輝度画素領域の中心位置(輝度を反転して高輝度ほど黒く示す)が、アイソセンタを通過するビームを照射した場合に得られる画像データにおける高輝度画素領域の中心位置(高輝度ほど白く示される)よりも、中心点cからより遠い位置となっている(つまり、ravが大きくなっている)。そこで評価者は、このravの大きさを評価することにより、Z軸方向のずれ量を評価できることとなる。
図13は、アイソセンタからX軸方向に5ミリだけずれた位置を通過するビームを、Z軸に鉛直な方向(ここではY軸に平行とした)から角度を5度ずつ変えながら照射したときに得られる画像データの例を示したものである。また図13に示した像のうちY軸に対する角度が35度のものについて、所定の輝度閾値より高い輝度となっている画素を抽出した像を図14に示す。
図13,14から理解されるように、この例では(仮想線分Lに相当する画素を除いて)高輝度画素領域が4つ検出される。そしてビームのY軸に対する角度が大きくなるほど、高輝度画素領域の内接円の半径r1と、外接円の半径r2との差が大きくなる。これより(1)式により、Z軸に鉛直な方向に対するビームのずれ角ΔθZを評価できることが理解される。
また、共通するシンチレーション光に対応する高輝度画素領域同士を結ぶ線分の交点から求められる中心点cと、仮想線分Lとの距離Δxy(図14を参照)により、XY面内のビームのずれ量を評価できる。
1 照射位置検出装置、10 検出体、11 シンチレータ、12 ハット部材、20 画像処理装置、21 撮像部、22 画像処理制御部、25 制御部、26 記憶部、27 操作部、28 表示部、29 インタフェース部、31 画像データ受入部、32 シンチレーション光検出部、33,33′ ビーム通過経路検出部、34,34′ 検出結果生成部、35 出力部、111 平面、112 底面、120 本体、121 鏡面加工層、122 シンチレータ保持体。

Claims (5)

  1. カウチ上の照射対象に対して、互いに異なる複数の照射角度からビームを照射可能な照射装置によるビームの照射位置を検出する検出装置であって、
    所定の中心軸に対して回転対称の形状をなし、光透過性を有するシンチレータであって、前記カウチ上に配されて、前記照射装置が照射するビームを、側面から受けるシンチレータと、
    前記シンチレータの平面側または底面側から、少なくとも前記シンチレータをその画角内に含む画像を撮像する撮像手段と、
    前記照射装置がビームを照射したときに前記撮像手段にて撮像した画像を取得し、当該取得した画像から前記シンチレータ内のビーム通過経路を検出し、当該検出したビーム通過経路に基づき、ビームの照射位置を検出する検出手段と、
    を含む照射位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の照射位置検出装置であって、
    所定の中心軸に対して回転対称な形状を有し、当該中心軸が前記シンチレータの平面の中心と底面の中心とを通過する軸に一致するよう位置合わせされ、前記撮像手段により撮像される側に向って、その径が大きくなる筒状の部材であって、前記シンチレータ側に向く内面がシンチレーション光を反射する鏡面加工されたハット部材をさらに有し、
    当該ハット部材が前記シンチレータとともに前記カウチ上に配され、
    前記撮像手段は、前記シンチレータと、前記ハット部材の内面とをその画角に含む画像を撮像し、
    前記検出手段は、前記照射装置がビームを照射したときに前記撮像手段にて撮像した画像を取得し、当該取得した画像から前記シンチレータ内のビーム通過経路を検出し、当該検出したビーム通過経路に基づき、ビームの照射位置を検出する照射位置検出装置。
  3. 請求項2に記載の照射位置検出装置であって、
    前記検出手段は、前記ハット部材の内面の反射像であって、
    前記ビームが前記シンチレータに入射したときにビーム入射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像の少なくとも一方と、前記シンチレータの側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像との組、及び、
    前記ビームが前記シンチレータから出たときにビーム出射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像の少なくとも一方と、前記シンチレータの側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像との組、
    に含まれる像に基づいて、前記中心軸を検出し、当該中心軸を通る経路と、前記ビーム通過経路とのずれをさらに検出する照射位置検出装置。
  4. 請求項2に記載の照射位置検出装置であって、
    前記検出手段は、前記ハット部材の内面の反射像であって、
    前記ビームが前記シンチレータに入射したときにビーム入射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像と、
    前記ビームが前記シンチレータから出たときにビーム出射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像と、
    に基づいて、前記中心軸を検出し、当該中心軸を通る経路と、前記ビーム通過経路とのずれをさらに検出する照射位置検出装置。
  5. 請求項2に記載の照射位置検出装置であって、
    前記検出手段は、前記ハット部材の内面の反射像であって、
    前記ビームが前記シンチレータに入射したときにビーム入射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像のうち、前記シンチレータの側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像に近い側の反射像と、前記シンチレータの側面上に現れるビーム入射時のシンチレーション光の像との組、及び、
    前記ビームが前記シンチレータから出たときにビーム出射側の位置と、当該位置に対して前記中心軸に対して点対称の位置とに現れるシンチレーション光の反射像のうち、前記シンチレータの側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像に近い側の反射像と、前記シンチレータの側面上に現れるビーム出射時のシンチレーション光の像との組、
    の少なくとも一方の組に含まれる像に基づいて、前記中心軸を検出し、当該中心軸を通る経路と、前記ビーム通過経路とのずれをさらに検出する照射位置検出装置。

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