JP2016091814A - 電子顕微鏡および画像生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡100では、エネルギーフィルターを備えた電子顕微鏡であって、測定の対象となる元素のポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得部34と、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する画像処理部36と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子顕微鏡および画像生成方法に関する。
電子エネルギー損失スペクトル分光法(Electron EnergyLoss Spectroscopy、EELS)は、試料に電子ビームを照射し、試料を透過した電子の損失エネルギー強度をスペクトルとして得る手法である。試料内で電子が損失するエネルギーは、試料を構成する元素や原子間の結合状態などによって変化する。したがって、EELSスペクトルから、定性・定量分析や、電子状態を解析することができる。
また、エネルギーフィルターは、EELSによる分析を2次元的な画像情報として得る手段であり、エネルギー分光された電子の中で、特定のエネルギーを持つ電子を用いて結像することが可能となるため、注目されている(例えば特許文献1参照)。
エネルギーフィルターを搭載した透過電子顕微鏡(EF−TEM)において、エネルギーフィルター像を取得する方法として、2ウィンドウ法(2−Window Method)、3ウィンドウ法(3−Window Method)、スペクトラム・イメージング(EF−TEM Spectrum Imaging)法が知られている。
2ウィンドウ法は、試料の同じ場所から特定の元素の内殻励起前のバックグラウンド強度Iと内殻励起後のスペクトル強度Iを測定し、I=I/Iを計算してエネルギーフィルター像(元素マップ画像)を得る手法である。2ウィンドウ法は、Jump Ratio Imagingとも呼ばれる。
2ウィンドウ法では、定性的な元素マップを得ることができる。また、2ウィンドウ法では、質量厚さに関する情報を得ることができる、回折によるコントラストを減らす効果がある、エッジが重なっている場合や複雑なバックグラウンドの場合でも使用できる、といったメリットがある。ただし、2ウィンドウ法では、アーティファクトに対する注意が必要になる。
3ウィンドウ法は、試料の同じ場所から特定の元素の内殻励起前のバックグラウンド強度をエネルギーを変えて2つ取得し、2つの強度から内殻励起後のバックグラウンドを外挿して求め、内殻励起直後のスペクトル強度から差し引くことでエネルギーフィルター像(元素マップ画像)を得る手法である。3ウィンドウ法は、Elemental Mappingとも呼ばれる。
3ウィンドウ法で得られたエネルギーフィルター像の各ピクセルの強度は元素の濃度に比例しており、定性的・定量的な議論が可能である。
スペクトラム・イメージング法は、所定のエネルギー幅で高圧(加速電圧)を振り連続的にエネルギーフィルター像を取得することによって、CCDカメラの画素数に対応するスペクトラム・イメージングデータを形成して、通常のEELSスペクトルの解析と同様のデータ処理を可能にする手法である。
スペクトラム・イメージング法では、試料上の位置とスペクトルを関連づけたデータを取得することができる。スペクトラム・イメージング法では、任意の点(領域)のスペクトルを表示したり、任意の元素のマッピングや線分析を行ったりすることができる。また
、スペクトラム・イメージング法では、定量マッピングを行うことができる。
特開2001−6601号公報
ここで、3ウィンドウ法でエネルギーフィルター像を取得した場合、得られた元素マップ画像が妥当か否かの判断が難しい。例えば、選択されたポストエッジのエネルギー範囲、第1および第2プリエッジのエネルギー範囲が適切でない場合や、ゼロロスのずれにより、適切な元素マップ画像が得られない場合があるが、3ウィンドウ法で得られた元素マップ画像では妥当か否かの判断が難しい。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる電子顕微鏡を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる画像生成方法を提供することにある。
(1)本発明に係る電子顕微鏡は、
エネルギーフィルターを備えた電子顕微鏡であって、
測定の対象となる元素のポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得部と、
前記フィルター像取得部で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、前記フィルター像取得部で取得された前記ポストエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する画像処理部と、
を含み、
前記ポストエッジ像は、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
前記第1プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
前記第2プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子であって前記第1プリエッジ像で選択された電子よりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である。
このような電子顕微鏡では、画像処理部において、3つのエネルギーフィルター像を使って第1元素マップ画像を生成し、かつ、第1元素マップ画像を得るための3つのエネルギーフィルター像のうちの、ポストエッジ像および第2プリエッジ像を使って第2元素マップ画像を生成することができる。これにより、第1元素マップ画像と第2元素マップ画像とを比較することができ、元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
(2)本発明に係る電子顕微鏡において、
測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける測定条件受付部を含み、
前記フィルター像取得部は、前記測定条件受付部が受け付けた前記ポストエッジの情報に応じた前記ポストエッジ像、前記測定条件受付部が受け付けた前記第1プリエッジの情報に応じた前記第1プリエッジ像、および前記測定条件受付部が受け付けた前記第2プリエッジの情報に応じた前記第2プリエッジ像を取得してもよい。
このような電子顕微鏡では、第1元素マップ画像および第2元素マップ画像を生成するための3つのエネルギーフィルター像を取得することができる。
(3)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記画像処理部で生成された前記第1元素マップ画像および前記第2元素マップ画像を表示部に表示させる制御を行う表示制御部を含んでいてもよい。
このような電子顕微鏡では、表示部に表示された第1元素マップ画像と第2元素マップ画像とを比較して、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
(4)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記フィルター像取得部で取得した前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、前記第2プリエッジ像、および前記画像処理部で生成した前記第1元素マップ画像、および前記第2元素マップ画像を一連の画像群として記憶部に記憶させる制御を行う記憶制御部を含んでいてもよい。
このような電子顕微鏡では、測定結果(ポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、第1元素マップ画像、第2元素マップ画像)を一連の画像群として一括保存することができる。したがって、画像の関連性の把握が容易である。
(5)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記画像処理部は、
前記第1プリエッジ像および前記第2プリエッジ像から前記ポストエッジ像のバックグラウンド強度を推定し、前記ポストエッジ像からバックグラウンド成分を除去して、前記第1元素マップ画像を生成し、
前記ポストエッジ像の強度を前記第2プリエッジ像の強度で割ることにより、前記第2元素マップ画像を生成してもよい。
このような電子顕微鏡では、生成方法の異なる2つの第1元素マップ画像および第2元素マップ画像が生成されるため、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
(6)本発明に係る画像生成方法は、
エネルギーフィルターを備えた電子顕微鏡における画像生成方法であって、
ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得工程と、
前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する画像処理工程と、
を含み、
前記ポストエッジ像は、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
前記第1プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
前記第2プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子であって前記第1プリエッジ像で選択された電子よりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である。
このような画像生成方法では、画像処理工程において、3つのエネルギーフィルター像を使って第1元素マップ画像を生成し、かつ、第1元素マップ画像を得るための3つのエネルギーフィルター像のうちの、ポストエッジ像および第2プリエッジ像を使って第2元素マップ画像を生成する。これにより、第1元素マップ画像と第2元素マップ画像とを比較することができ、元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
(7)本発明に係る画像生成方法において、
測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける測定条件受付工程を含み、
前記フィルター像取得工程では、前記測定条件受付工程で受け付けた前記ポストエッジの情報に応じた前記ポストエッジ像、前記測定条件受付工程で受け付けた前記第1プリエッジの情報に応じた前記第1プリエッジ像、および前記測定条件受付工程で受け付けた前記第2プリエッジの情報に応じた前記第2プリエッジ像を取得してもよい。
このような画像生成方法では、第1元素マップ画像および第2元素マップ画像を生成するための3つのエネルギーフィルター像を取得することができる。
(8)本発明に係る画像生成方法において、
前記画像処理工程で生成された前記第1元素マップ画像および前記第2元素マップ画像を表示部に表示させる制御を行う画像表示制御工程を含んでいてもよい。
このような画像生成方法では、表示部に表示された第1元素マップ画像と第2元素マップ画像とを比較して、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
(9)本発明に係る画像生成方法において、
前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、前記第2プリエッジ像、および前記画像処理工程で生成された前記第1元素マップ画像、および前記第2元素マップ画像を一連の画像群として記憶部に記憶させる制御を行う記憶制御工程を含んでいてもよい。
このような画像生成方法では、測定結果(ポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、第1元素マップ画像、第2元素マップ画像)を一連の画像群として一括保存することができる。したがって、画像の関連性の把握が容易である。
(10)本発明に係る画像生成方法において、
前記画像処理工程では、前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、および前記第2プリエッジ像から3ウィンドウ法により前記第1元素マップ画像を生成し、前記ポストエッジ像、および前記第2プリエッジ像から2ウィンドウ法により前記第2元素マップ画像を生成してもよい。
このような画像生成方法では、生成方法の異なる2つの第1元素マップ画像および第2元素マップ画像が生成されるため、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
本実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 EELSスペクトルの一例を示す図。 元素マップ画像を得るための測定条件を入力するためのGUIの一例を示す図。 本実施形態に係る電子顕微鏡を用いた画像生成方法の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 電子顕微鏡
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を模式的に示す図である。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、エネルギーフィルター10を備えている。電子顕微鏡100では、エネルギーフィルター10を用いて、エネルギーフィルター像(元素マップ画像)を得ることができる。ここで、エネルギーフィルター像とは、試料Sを透過した電子のうち、特定のエネルギーを持つ電子のみを選択して得られた像である。例えば、特定の元素の吸収端エネルギーを選択することにより、当該元素のマッピングが可能である。
電子顕微鏡100は、さらに、電子顕微鏡本体1と、エネルギーフィルター制御部20と、処理部30と、操作部40と、表示部42と、記憶部44と、情報記憶媒体46と、を含む。
電子顕微鏡本体1は、透過電子顕微鏡(TEM)の構成を有している。電子顕微鏡本体1には、エネルギーフィルター10が組み込まれている。電子顕微鏡本体1は、電子線源11と、集束レンズ12と、試料ステージ(ゴニオメーター)13と、対物レンズ15と、中間レンズ16と、投影レンズ17と、撮像部18と、を備えている。
電子線源11は、電子線EBを発生させる。電子線源11は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する。電子線源11としては、例えば、電子銃を用いることができる。電子線源11として用いられる電子銃は特に限定されず、例えば熱電子放出型や、熱電界放出型、冷陰極電界放出型などの電子銃を用いることができる。
集束レンズ(コンデンサーレンズ)12は、電子線源11の後段(電子線EBの下流側)に配置されている。集束レンズ12は、電子線源11で発生した電子線EBを集束して試料Sに照射するためのレンズである。集束レンズ12は、図示はしないが、複数のレンズを含んで構成されていてもよい。
試料ステージ(ゴニオメーター)13は、試料室において、試料Sを保持する。図示の例では、試料ステージ13は、試料ホルダー14を介して、試料Sを保持している。試料ステージ13は、例えば、対物レンズ15の上部磁極と下部磁極との間に試料Sを位置させる。試料ステージ13は、試料ホルダー14を移動および静止させることにより、試料Sの位置決めを行うことができる。試料ステージ13は、試料Sを水平方向(電子線EBの進行方向に対して直交する方向)や鉛直方向(電子線EBの進行方向に沿う方向)に移動させることができる。試料ステージ13は、さらに、試料Sを傾斜させることができる。
試料ステージ13は、図示の例では、対物レンズ15のポールピース(図示せず)の横から試料Sを挿入するサイドエントリーステージである。なお、図示はしないが、試料ステージ13は、対物レンズ15のポールピースの上方から試料Sを挿入するトップエントリーステージであってもよい。
対物レンズ15は、集束レンズ12の後段に配置されている。対物レンズ15は、試料Sを透過した電子線EBで結像するための初段のレンズである。対物レンズ15は、図示はしないが、上部磁極(ポールピースの上極)、および下部磁極(ポールピースの下極)を有している。対物レンズ15では、上部磁極と下部磁極との間に磁場を発生させて電子線EBを集束させる。
中間レンズ16は、対物レンズ15の後段に配置されている。中間レンズ16は、図示はしないが、複数のレンズを含んで構成されていてもよい。投影レンズ17は、中間レンズ16の後段に配置されている。中間レンズ16および投影レンズ17は、対物レンズ15によって結像された像をさらに拡大し、撮像部18に結像させる。電子顕微鏡100では、対物レンズ15、中間レンズ16、および投影レンズ17によって、結像系が構成されている。
撮像部18は、結像系によって結像された透過電子顕微鏡像を撮影する。また、撮像部18は、エネルギーフィルター像を撮影することができる。撮像部18は、例えば、CCDカメラやCMOSカメラ等のデジタルカメラである。撮像部18は、撮影したエネルギーフィルター像を処理部30に出力する。
エネルギーフィルター10は、鏡筒内に組み込まれている。すなわち、エネルギーフィルター10は、インコラム型(in−column type)のエネルギーフィルターである。具体的には、エネルギーフィルター10は、中間レンズ16と投影レンズ17との間に配置されている。エネルギーフィルター10は、例えば、オメガフィルターである。なお、エネルギーフィルター10は、オメガフィルターに限定されず、ガンマフィルター、マンドリンフィルター、アルファフィルター等であってもよい。
エネルギーフィルター10は、試料Sを透過した電子をエネルギー分光する。具体的には、エネルギーフィルター10は、試料Sを透過した電子のうち、特定のエネルギーを持つ電子のみを選択するための装置である。
エネルギーフィルター10には、入射クロスオーバー面、入射像面、出射クロスオーバー面(エネルギースペクトル面)、出射像面(アクロマティック面)が存在する。出射クロスオーバー面はエネルギー分散を生じる面であり、出射像面はエネルギー分散の無い面である。エネルギーフィルター10は、電子レンズと同様な結像作用を有し、入射クロスオーバー面は出射クロスオーバー面に投影され、入射像面は出射像面に投影される。
電子顕微鏡100では、出射クロスオーバー面に配置されたエネルギー選択スリット19を用いて取り込むエネルギーを選択し、投影レンズ17で出射像面を撮像部18に投影することにより、エネルギーフィルター像を得ることができる。
エネルギーフィルター制御部20は、エネルギーフィルター10を制御する。エネルギーフィルター制御部20は、測定条件受付部32からの測定条件の情報(後述するポストエッジの情報、第1及び第2プリエッジの情報)を受け取り、当該測定条件に基づいて、エネルギーフィルター10を制御する。
電子顕微鏡本体1は、図示の例では、除振機50を介して架台52上に設置されている。
操作部40は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部30に送る処理を行う。操作部40は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクな
どである。
表示部42は、処理部30によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部42は、例えば、元素マップ画像を得るための測定条件を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、表示部42は、処理部30で生成された元素マップ(3ウィンドウ法による元素マップ画像、2ウィンドウ法による元素マップ画像)を表示する。
記憶部44は、処理部30のワーク領域となるもので、その機能はRAMなどにより実現できる。記憶部44は、処理部30が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部44は、処理部30の作業領域として用いられ、処理部30が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
情報記憶媒体46(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部30は、情報記憶媒体46に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体46には、処理部30の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムを記憶することができる。
処理部30は、記憶部44に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理を行う。処理部30は、記憶部44に記憶されているプログラムを実行することで、以下に説明する、測定条件受付部32、フィルター像取得部34、画像処理部36、表示制御部38、記憶制御部39として機能する。処理部30の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。なお、処理部30の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。処理部30は、測定条件受付部32と、フィルター像取得部34と、画像処理部36と、表示制御部38と、記憶制御部39と、を含む。
測定条件受付部32は、試料Sを構成している元素のうち、測定対象となる元素の元素マップ画像を得るための測定条件を受け付ける。具体的には、測定条件受付部32は、測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける。以下、ポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報について説明する。
図2は、EELSスペクトルの一例を示す図である。
ポストエッジの情報とは、ポストエッジ像を取得するための情報である。ポストエッジ像とは、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である。ポストエッジの情報は、例えば、図2に示すように、ポストエッジ像を取得するためのエネルギー範囲の中央値Epostの情報と、エネルギー幅Wpostの情報と、を含む。
第1プリエッジの情報とは、第1プリエッジ像を取得するための情報である。第1プリエッジ像とは、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも低エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である。第1プリエッジの情報は、例えば、図2に示すように、第1プリエッジを取得するためのエネルギー範囲の中央値Epre1の情報と、エネルギー幅Wpre1の情報と、を含む。
第2プリエッジの情報とは、第2プリエッジ像を取得するための情報である。第2プリエッジ像とは、測定対処となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも低エネルギー側の電子であって、第1プリエッジ像で選択した電子よりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である。第2プリエッジの情報は、例えば、図2に示すように、第2プリエッジを取得するためのエネルギー範囲の中央値Epre2の情報と、エネルギー幅Wpre2の情報と、を含む。
図3は、元素マップ画像を得るための測定条件を入力するためのGUI2の一例を示す図である。
図3に示すように、GUI2には、ポストエッジの情報(Epost)を入力する入力欄2a、第1プリエッジの情報(Epre1)を入力する入力欄2b、第2プリエッジの情報(Epre2)を入力する入力欄2cが設けられている。また、GUI2には、各エッジのエネルギー幅Wpost,Wpre1,Wpre2の情報を入力する入力欄2dが設けられている。なお、図示の例では、各エッジのエネルギー幅Wpost,Wpre1,Wpre2を入力する入力欄2dは共通であり、各エッジのエネルギー幅Wpost,Wpre1,Wpre2は同じ大きさに設定される。
ユーザーがこれらの入力欄2a,2b,2c,2dに操作部40を介して、ポストエッジの情報(Epost,Wpost)、第1プリエッジの情報(Epre1,Wpre1)、第2プリエッジの情報(Epre2,Wpre2)を入力すると、これらの情報が測定条件受付部32に送られる。そして、これらの情報を、測定条件受付部32が受け付ける。
なお、GUI2において、ユーザーが特定の元素を選択することで、その元素に対応したポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報が測定条件受付部32に送られてもよい。これにより、これらの情報を測定条件受付部32が受け付けることができる。
また、図3に示すGUI2には、後述する元素マップ画像生成処理(3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像を表示させる処理)を選択するチェックボックス2eが設けられている。ユーザーがこのチェックボックス2eをチェックすると、後述する元素マップ画像生成処理(3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像を表示させる処理)を行うための信号が測定条件受付部32に送られる。そして、この信号を、測定条件受付部32が受け付ける。これにより、元素マップ画像生成処理が行われる。
測定条件受付部32は、受け付けたポストエッジの情報(Epost,Wpost)、第1プリエッジの情報(Epre1,Wpre1)、第2プリエッジの情報(Epre2,Wpre2)をエネルギーフィルター制御部20に送る処理を行う。エネルギーフィルター制御部20はこれらの情報に基づいてエネルギーフィルター10を制御し、撮像部18においてポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像が撮影される。
具体的には、エネルギーフィルター制御部20は、ポストエッジの情報(Epost,Wpost)を受け取ると、試料Sを透過した電子のうち、中央値Epost、エネルギー幅Wpostのエネルギー範囲の電子が選択されるようにエネルギーフィルター10を制御する。これにより、撮像部18において、ポストエッジ像が撮影される。
また、エネルギーフィルター制御部20は、同様に、第1プリエッジの情報(Epre1,Wpre1)を受け取った場合、中央値Epre1、エネルギー幅Wpre1のエネ
ルギー範囲の電子が選択されるようにエネルギーフィルター10を制御する。これにより、撮像部18において、第1プリエッジ像が撮影される。また、エネルギーフィルター制御部20は、同様に、第2プリエッジの情報(Epre2,Wpre2)を受け取った場合、中央値Epre2、エネルギー幅Wpre2のエネルギー範囲の電子が選択されるようにエネルギーフィルター10を制御する。これにより、撮像部18において、第2プリエッジ像が撮影される。
フィルター像取得部34は、測定条件受付部32が受け付けたポストエッジの情報(Epost,Wpost)に応じたポストエッジ像、第1プリエッジの情報(Epre1,Wpre1)に応じた第1プリエッジ像、および第2プリエッジの情報(Epre2,Wpre2)に応じた第2プリエッジ像を取得する処理を行う。フィルター像取得部34は、撮像部18から、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得する。
画像処理部36は、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第1マップ画像を生成し、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する。
画像処理部36は、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像から3ウィンドウ法を用いて元素マップ画像(第1元素マップ画像)を生成する。具体的には、画像処理部36は、第1プリエッジ像および第2プリエッジ像からバックグラウンド強度を推定し、ポストエッジ像からバックグラウンド成分を除去する。これにより、3ウィンドウ法による元素マップ画像が得られる。
また、画像処理部36は、ポストエッジ像および第2プリエッジ像から2ウィンドウ法を用いて元素マップ画像(第2元素マップ画像)を生成する。具体的には、画像処理部36は、ポストエッジ像の強度Ipostを第2プリエッジ像の強度Ipre2で割る処理、すなわち、Ipost/Ipre2を計算する処理を行う。これにより、第2元素マップ画像が得られる。
表示制御部38は、画像処理部36で生成された第1元素マップ画像および第2元素マップ画像を表示部42に表示させる制御を行う。表示制御部38は、例えば、第1元素マップ画像および第2元素マップ画像を比較しやすいように第1元素マップ画像および第2元素マップ画像を並べて表示部42に表示させる制御を行う。
記憶制御部39は、フィルター像取得部34で取得したポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、および画像処理部36で生成した第1元素マップ画像、および第2元素マップ画像を一連の画像群として記憶部44に記憶させる制御を行う。記憶制御部39は、例えば、測定対象となる元素ごとにポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、第1元素マップ画像、および第2元素マップ画像を読み出せるように記憶部44に記憶させる制御を行う。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、フィルター像取得部34は、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得し、画像処理部36が、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する。すなわち、画像処理部36で
は、3つのエネルギーフィルター像を使って3ウィンドウ法による元素マップ画像を生成し、かつ、3ウィンドウ法で元素マップ画像を得るための3つのエネルギーフィルター像のうちの、ポストエッジ像および第2プリエッジ像を使って2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成する。これにより、3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像とを比較することができ、ユーザーが元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
電子顕微鏡100では、測定条件受付部32は測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付け、フィルター像取得部34は測定条件受付部32が受け付けたポストエッジの情報に応じたポストエッジ像、測定条件受付部32が受け付けた第1プリエッジの情報に応じた第1プリエッジ像、および測定条件受付部32が受け付けた第2プリエッジの情報に応じた第2プリエッジ像を取得する。これにより、3ウィンドウ法による元素マップ画像および2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成するための3つのエネルギーフィルター像を取得することができる。
電子顕微鏡100では、表示制御部38は画像処理部36で生成された3ウィンドウ法による元素マップ画像および2ウィンドウ法によるマップ画像を表示部42に表示させる制御を行う。そのため、電子顕微鏡100では、ユーザーが表示部42に表示された3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像とを比較して、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
電子顕微鏡100では、記憶制御部39はフィルター像取得部34で取得したポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、および画像処理部36で生成した3ウィンドウ法による元素マップ画像、および2ウィンドウ法による元素マップ画像を一連の画像群として記憶部44に記憶させる制御を行う。そのため、電子顕微鏡100では、測定結果(ポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、3ウィンドウ法による元素マップ画像、2ウィンドウ法による元素マップ画像)を一連の画像群として一括保存することができる。したがって、画像の関連性の把握が容易である。
2. 画像生成方法
次に、本実施形態に係る電子顕微鏡を用いた画像生成方法について図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る電子顕微鏡を用いた画像生成方法の一例を示すフローチャートである。
まず、測定条件受付部32が、試料Sを構成する元素のうち、測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける(ステップS10)。
具体的には、ユーザーが図2に示すGUI2に操作部40を介して、ポストエッジの情報(Epost,Wpost)、第1プリエッジの情報(Epre1,Wpre1)、第2プリエッジの情報(Epre2,Wpre2)を入力すると、これらの情報が測定条件受付部32に送られる。そして、これらの情報を、測定条件受付部32が受け付ける。また、ユーザーがGUI2に操作部40を介して、元素マップ画像生成処理を選択するためのチェックボックス2eをチェックすると、当該元素マップ画像生成処理を行うための信号が測定条件受付部32に送られる。そして、この信号を、測定条件受付部32が受け付ける。
測定条件受付部32が受け付けたポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報は、エネルギーフィルター制御部20に送られ、これらの情報に基
づいてエネルギーフィルター10が制御される。そして、電子顕微鏡本体1において、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像が撮像部18で撮像される。
次に、フィルター像取得部34が、撮像部18から、ステップS10において測定条件受付部32が受け付けたポストエッジの情報に応じたポストエッジ像、測定条件受付部32が受け付けた第1プリエッジの情報に応じた第1プリエッジ像、および測定条件受付部32が受け付けた第2プリエッジの情報に応じた第2プリエッジ像を取得する(ステップS12)。
次に、画像処理部36が、ステップS12においてフィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて3ウィンドウ法による元素マップ画像を生成し、フィルター像取得部34で取得されたポストエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成する(ステップS14)。
なお、元素マップ画像生成処理を選択するためのチェックボックス2eがチェックされていない場合、すなわち、測定条件受付部32が元素マップ画像生成処理を行うための信号を受け付けていない場合、画像処理部36は、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて3ウィンドウ法による元素マップ画像のみを生成し、2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成しない。
次に、記憶制御部39が、フィルター像取得部34で取得したポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、および画像処理部36で生成した3ウィンドウ法による元素マップ画像、および2ウィンドウ法による元素マップ画像を一連の画像群として記憶部44に記憶させる制御を行う(ステップS16)。
次に、表示制御部38が、画像処理部36で生成された3ウィンドウ法による元素マップ画像および2ウィンドウ法による元素マップ画像を表示部42に表示させる制御を行う(ステップS18)。そして、処理部30は、処理を終了する。
本実施形態に係る電子顕微鏡100を用いた画像生成方法は、例えば、以下の特徴を有する。
本実施形態に係る画像生成方法では、ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得工程(ステップS12)と、フィルター像取得工程(ステップS12)で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて3ウィンドウ法による元素マップ画像を生成し、フィルター像取得工程(ステップS12)で取得されたポストエッジ像、および第2プリエッジ像に基づいて2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成する画像処理工程(ステップS14)と、を含む。すなわち、画像処理工程では、3つのエネルギーフィルター像を使って3ウィンドウ法による元素マップ画像を生成し、かつ、3ウィンドウ法で元素マップ画像を得るための3つのエネルギーフィルター像のうちの、ポストエッジ像および第2プリエッジ像を使って2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成する。これにより、3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像とを比較することができ、ユーザーは元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
本実施形態に係る画像生成方法では、フィルター像取得工程(ステップS12)では、測定条件受付工程(ステップS10)で受け付けたポストエッジの情報に応じたポストエッジ像、測定条件受付工程で受け付けた第1プリエッジの情報に応じた第1プリエッジ像、および測定条件受付工程で受け付けた第2プリエッジの情報に応じた第2プリエッジ像
を取得する。これにより、3ウィンドウ法による元素マップ画像および2ウィンドウ法による元素マップ画像を生成するための3つのエネルギーフィルター像を取得することができる。
本実施形態に係る画像生成方法では、画像処理工程(ステップS14)で生成された3ウィンドウ法による元素マップ画像および2ウィンドウ法による元素マップ画像を表示部42に表示させる制御を行う画像表示制御工程(ステップS18)を含む。そのため、ユーザーは表示部42に表示された3ウィンドウ法による元素マップ画像と2ウィンドウ法による元素マップ画像とを比較して、得られた元素マップ画像の妥当性を容易に評価することができる。
本実施形態に係る画像生成方法では、フィルター像取得工程(ステップS12)で取得されたポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、および画像処理工程(ステップS14)で生成された3ウィンドウ法による元素マップ画像、および2ウィンドウ法による元素マップ画像を一連の画像群として記憶部44に記憶させる制御を行う記憶制御工程(ステップS16)を含む。そのため、測定結果を一連の画像群(ポストエッジ像、第1プリエッジ像、第2プリエッジ像、3ウィンドウ法による元素マップ画像、2ウィンドウ法による元素マップ画像)として一括保存することができる。したがって、画像の関連性の把握が容易である。
3. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した電子顕微鏡100では、図1に示すように、エネルギーフィルター10がインコラム型のエネルギーフィルターである例について説明したが、本発明に係る電子顕微鏡100は、ポストコラム型(post−column type)のエネルギーフィルターであってもよい。ここで、ポストコラム型のエネルギーフィルターとは、電子顕微鏡の鏡筒下に装着されるタイプのエネルギーフィルターをいう。ポストコラム型のエネルギーフィルターとしては、磁界型セクタータイプの分光器などが挙げられる。本発明に係る電子顕微鏡が、ポストコラム型のエネルギーフィルターであった場合でも、上述した電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。
また、例えば、上述した電子顕微鏡100では、電子顕微鏡本体1が透過電子顕微鏡(TEM)の構成を有している例について説明したが、本発明に係る電子顕微鏡では、電子顕微鏡本体1が走査透過電子顕微鏡(STEM)の構成を有していてもよい。本発明に係る電子顕微鏡の電子顕微鏡本体1が走査透過電子顕微鏡の構成を有している場合であっても、上述した電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子顕微鏡本体、10…エネルギーフィルター、11…電子線源、12…集束レンズ、13…試料ステージ、14…試料ホルダー、15…対物レンズ、16…中間レンズ、17…投影レンズ、18…撮像部、19…エネルギー選択スリット、20…エネルギーフィ
ルター制御部、30…処理部、32…測定条件受付部、34…フィルター像取得部、36…画像処理部、38…表示制御部、39…記憶制御部、40…操作部、42…表示部、44…記憶部、46…情報記憶媒体、50…除振機、52…架台、100…電子顕微鏡

Claims (10)

  1. エネルギーフィルターを備えた電子顕微鏡であって、
    測定の対象となる元素のポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得部と、
    前記フィルター像取得部で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、前記フィルター像取得部で取得された前記ポストエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第2元素マップ画像を生成する画像処理部と、
    を含み、
    前記ポストエッジ像は、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
    前記第1プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
    前記第2プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子であって前記第1プリエッジ像で選択された電子よりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である、電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける測定条件受付部を含み、
    前記フィルター像取得部は、前記測定条件受付部が受け付けた前記ポストエッジの情報に応じた前記ポストエッジ像、前記測定条件受付部が受け付けた前記第1プリエッジの情報に応じた前記第1プリエッジ像、および前記測定条件受付部が受け付けた前記第2プリエッジの情報に応じた前記第2プリエッジ像を取得する、電子顕微鏡。
  3. 請求項1または2において、
    前記画像処理部で生成された前記第1元素マップ画像および前記第2元素マップ画像を表示部に表示させる制御を行う表示制御部を含む、電子顕微鏡。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記フィルター像取得部で取得した前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、前記第2プリエッジ像、および前記画像処理部で生成した前記第1元素マップ画像、および前記第2元素マップ画像を一連の画像群として記憶部に記憶させる制御を行う記憶制御部を含む、電子顕微鏡。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記画像処理部は、
    前記第1プリエッジ像および前記第2プリエッジ像から前記ポストエッジ像のバックグラウンド強度を推定し、前記ポストエッジ像からバックグラウンド成分を除去して、前記第1元素マップ画像を生成し、
    前記ポストエッジ像の強度を前記第2プリエッジ像の強度で割ることにより、前記第2元素マップ画像を生成する、電子顕微鏡。
  6. エネルギーフィルターを備えた電子顕微鏡における画像生成方法であって、
    ポストエッジ像、第1プリエッジ像、および第2プリエッジ像を取得するフィルター像取得工程と、
    前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第1元素マップ画像を生成し、前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、および前記第2プリエッジ像に基づいて第2
    元素マップ画像を生成する画像処理工程と、
    を含み、
    前記ポストエッジ像は、測定対象となる元素の内殻電子励起による損失スペクトルのエッジよりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
    前記第1プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像であり、
    前記第2プリエッジ像は、前記エッジよりも低エネルギー側の電子であって前記第1プリエッジ像で選択された電子よりも高エネルギー側の電子を選択して得られたエネルギーフィルター像である、画像生成方法。
  7. 請求項6において、
    測定の対象となる元素のポストエッジの情報、第1プリエッジの情報、および第2プリエッジの情報を受け付ける測定条件受付工程を含み、
    前記フィルター像取得工程では、前記測定条件受付工程で受け付けた前記ポストエッジの情報に応じた前記ポストエッジ像、前記測定条件受付工程で受け付けた前記第1プリエッジの情報に応じた前記第1プリエッジ像、および前記測定条件受付工程で受け付けた前記第2プリエッジの情報に応じた前記第2プリエッジ像を取得する、画像生成方法。
  8. 請求項6または7において、
    前記画像処理工程で生成された前記第1元素マップ画像および前記第2元素マップ画像を表示部に表示させる制御を行う画像表示制御工程を含む、画像生成方法。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、
    前記フィルター像取得工程で取得された前記ポストエッジ像、前記第1プリエッジ像、前記第2プリエッジ像、および前記画像処理工程で生成された前記第1元素マップ画像、および前記第2元素マップ画像を一連の画像群として記憶部に記憶させる制御を行う記憶制御工程を含む、画像生成方法。
  10. 請求項6ないし9のいずれか1項において、
    前記画像処理工程では、
    前記第1プリエッジ像および前記第2プリエッジ像から前記ポストエッジ像のバックグラウンド強度を推定し、前記ポストエッジ像からバックグラウンド成分を除去して、前記第1元素マップ画像を生成し、
    前記ポストエッジ像の強度を前記第2プリエッジ像の強度で割ることにより、前記第2元素マップ画像を生成する、画像生成方法。
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