JP2016091653A - 組電池および二次電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】横向きに配置される二次電池において、軸芯の内周側の電解液の減少・枯渇を抑制する構造を提供する。【解決手段】横向きに配置された二次電池セルは、捲回軸25を有する捲回群20が収容され、電解液15が注入された電池容器と、電池容器に固定され、少なくとも一部が電解液15に浸漬された液面上昇用部材71とを備え、液面上昇用部材71は、電池容器の底面と捲回群20の軸方向の一端面との間、および電池容器の電池蓋と捲回群20の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、捲回軸20の中心軸Oを通る水平面h−hより下方側の領域に配置されている。【選択図】図8

Description

この発明は、組電池および二次電池セルに関する。
リチウムイオン二次電池セル等に代表される円筒形二次電池セルにおいては、正極合剤が形成された正極電極と負極合剤が形成された負極電極とをセパレータを介して軸芯の周囲に捲回して電極群を構成する。電極群は、電池缶および電池蓋により構成される電池容器内に、電極群の軸方向の一端面および他端面が、それぞれ、電池缶の底面または電池蓋に対向するように電池缶内に収容される。電池缶内に、電解液が注入され、電池蓋を電池缶にかしめることにより円筒形二次電池セルが形成される。リチウムイオンは、充電時には負極に、放電時には正極に移動する。電解液は、コスト面から少量とすることが望しく、通常、電池缶の容積の半分未満の量とされている。
組電池は、正・負極外部端子がバスバーにより相互に接続された複数の円筒形二次電池セルを備える。組電池には、電極群の軸方向が水平に配置した、換言すれば、すべての円筒形二次電池セルを横向きに配置した構成のものがある。
一方、円筒形二次電池セルは、電池缶を絞り加工により作製するため、底面のコーナ曲面部において、ピンホール等のめっき不良が発生し、この部分から腐食が生じ易い。このため、電極群の軸方向を垂直にして配置する、所謂、縦型の二次電池セルにおいて、電池缶のコーナ曲面部内面を樹脂の塗膜で覆う構造とすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−236930号公報
円筒形二次電池セルが横向きに配列された組電池では、各円筒形二次電池セルの電解液の深さは、水平に配置された電池缶の半分未満となる。このため、充電時に電極群の膨張により電極群から押し出された電解液が、放電時に十分に電極群内部に浸透し難くなり、充放電サイクルを繰り返すと電極群内部において、電解液の減少や枯渇が生じる恐れがある。これにより、電池容量の低下等の電池特性の劣化が発生する。
特許文献1には、円筒形二次電池セルを横向きに配列する組電池に適用することは記載されていない。しかし、仮に、円筒形二次電池セルを横向きに配列する組電池に適用したとしても、このような電解液の減少、枯渇に起因する電池容量の低下等の電池特性の劣化を抑制することはできない。
本発明の組電池は、正・負極外部端子が導電性接続部材により電気的に接続され、軸方向を横向きにして配置された複数の二次電池セルを備え、二次電池セルのそれぞれは、捲回軸の周囲に正極と負極がセパレータを介して捲回された捲回群を有する捲回構造体と、底面と、底面の周囲に、底面にほぼ直交して設けられた周側部と、底面に対向する面に配置された電池蓋とを有し、捲回群の捲回軸が、周側部とほぼ平行に収容され、電解液が注入された電池容器と、電池容器の周側部の内面に固定され、少なくとも一部が電池容器内に注入された電解液に浸漬された液面上昇用部材と、を備え、液面上昇用部材は、電池容器の底面と捲回群の軸方向の一端面との間、および電池容器の電池蓋と捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、捲回軸の中心軸を通る水平面より下方側の領域に配置されている。
また、本発明の二次電池セルは、捲回軸の周囲に正極と負極がセパレータを介して捲回された捲回群を有する捲回構造体と、底面と、底面の周囲に、底面にほぼ直交して設けられた周側部と、底面に対向する面に配置された電池蓋とを有し、捲回群の捲回軸が、周側部とほぼ平行に収容され、電解液が注入された電池容器と、電池容器の周側部の内面に固定され、少なくとも一部が電池容器内に注入された電解液に浸漬された液面上昇用部材と、電池容器に設けられた、液面上昇用部材の位置を示すためのマークと、を備え、液面上昇用部材は、電池容器の底面と捲回群の軸方向の一端面との間、および電池容器の電池蓋と捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、捲回軸の中心軸を通る平面により分割された領域の一方側にのみ配置されている。
この発明によれば、電極群内部における電解液の低減、枯渇を抑制することができる。
この発明の組電池の一実施形態を示す外観斜視図。 図1に示された組電池の分解斜視図。 円筒形二次電池セルの断面図。 図3に示された円筒形二次電池セルの分解斜視図。 図3の捲回電極群の詳細を示すための一部を切断した状態の斜視図。 円筒形二次電池セルの底面側の拡大断面図。 円筒形二次電池セルの電池蓋側の拡大断面図。 (a)〜(d)は、いすれも、液面上昇用部材の形状を示す図。 円筒形二次電池セルの外観を示す斜視図。 円筒形二次電池セルを縦向きに配置して非水電解液を注入した状態の断面図。
−組電池の構造−
以下、この発明の組電池および二次電池セルの一実施の形態を図面と共に説明する。
図1は、この発明の組電池の一実施の形態を示す外観斜視図であり、図2は、図1に示された組電池の分解斜視図である。
図1および2に示すように、組電池1は複数の円筒形二次電池セル8を有する。以下では、円筒形二次電池セル8として、リチウムイオン二次電池セルを一実施の形態として説明する。各円筒形二次電池セル8は、一対の片面支持枠2、4と冷却支持枠3とによって保持されている。片面支持枠2、4、冷却支持枠3は、円筒形二次電池セル8の列(単電池列8Rという。)に沿った方向を長手方向とする長方形状の平面形状を有する。片面支持枠4の下面4eおよび片面支持枠2の上面2eは、ほぼ水平に配置され、冷却支持枠3は、片面支持枠2と片面支持枠4との間に配置される。
片面支持枠2の上面2eは平坦面とされ、上面2eに対向する面側には、複数の円筒形二次電池セル8を収容する半円筒状の収納溝2dが形成されている。片面支持枠4は、片面支持枠2と対称な構造を有する。つまり、片面支持枠4の下面4eは平坦面とされ、下面4eに対向する面側には、複数の円筒形二次電池セル8を収容する半円筒状の収納溝4dが形成されている。冷却支持枠3には、片面支持枠2、4に対向する上下各面に、半円筒状の収納溝2d、4dと同様な半円筒状の収納溝3dが形成されている。
各円筒形二次電池セル8は、冷却支持枠3の下面側の半円筒状の収納溝3dと片面支持枠4の半円筒状の収納溝4dとの間、および冷却支持枠3の上面側の半円筒状の収納溝3dと片面支持枠2の半円筒状の収納溝2dとの間に、それぞれ、複数(例えば6個)配列されている。この状態で、各円筒形二次電池セル8は、ほぼ水平状態に保持される。つまり、各円筒形二次電池セル8は、冷却支持枠3と一対の片面支持枠2、4との間に、各円筒形二次電池セル8の軸方向が円筒形二次電池セル8の配列方向に直交し、かつ、ほぼ水平状態に配置されるように配列されている。
上側片面支持枠2と冷却支持枠3の長手方向の両端部および中央部には、その幅方向の端部にボルト9が挿通され、ボルト9は下側片面支持枠4に螺合されている。これによって、片面支持枠2、4は冷却支持枠3に連結され、円筒形二次電池セル8は、収納溝2d、3dによって形成される収納空間内、および収納溝4d、3dによって形成される収納空間内に収納され、外周面が支持枠2、3、4の収納溝2d、3d、4dによって保持されている。換言すると、互いに階層的に配置された第1および第2の単電池列8Rは、冷却支持枠3および一対の支持枠2、4により挟持されている。
片面支持枠2、4および冷却支持枠3の幅方向両側面には、ボルト6cによって、サイドプレート6a、7aが装着され、円筒形二次電池セル8の軸方向両端部はサイドプレート6a、7aによって支持されている。
サイドプレート6aには、片面支持枠2、4および冷却支持枠3への組み付け前に、あらかじめ、円筒形二次電池セル8の正負極に接続される端子バスバー6bが装着されて、サイドプレート組立体6として構成される。サイドプレート7aには、片面支持枠2、4および冷却支持枠3への組み付け前に、あらかじめ、円筒形二次電池セル8の正負極に接続される端子バスバー7bが装着されて、サイドプレート組立体7として構成される。サイドプレート6a、7aには、サイドプレート6a、7aが相対向する面側に、それぞれ、円筒形二次電池セル8の軸方向両端部が嵌入される凹部6dおよび不図示の凹部7dが形成され、端子バスバー6b、7bに対して円筒形二次電池セル8の正負極接続位置が設定される。なお、円筒形二次電池セル8は、隣接する正負極が、交互に反転した状態、換言すれば、軸方向の端部が180度異なる姿勢で配列され、隣接する正極と負極とが端子バスバー6b、7bにより電気的に接続されている。
片面支持枠2、4および冷却支持枠3は、伝熱性の良い材料、例えばアルミニウム、伝熱性の高い樹脂よりなり、ダイカストやモールド成形によって形成される。サイドプレート6a、7aは絶縁材、例えば樹脂よりなり、モールド成形される。
円筒形二次電池セル8の円筒外周面は樹脂シート8aによって被覆され、樹脂シート8aは収納溝2d、3d、4dに密着している。樹脂シート8aは、熱伝導性および絶縁性が良好な樹脂によって形成され、円筒形二次電池セル8は片面支持枠2、4および冷却支持枠3に対して絶縁されており、円筒形二次電池セル8の熱は、樹脂シート8aを介して片面支持枠2、4および冷却支持枠3に伝達される。したがって、樹脂シート8aは熱伝導性の高い材料を採用するのが好ましい。
上側片面支持枠2には、長手方向両端部と中央部に、冷却支持枠3に接触する接触面2a、2b、2cが形成され、下側片面支持枠4には、長手方向両端部と中央部に、冷却支持枠3に接触する接触面4a、4b、4cが形成されている。冷却支持枠3には、接触面2a、4a、接触面2b、4b、接触面2c、4cにそれぞれ接触する接触面3a、3b、3cが形成されている。接触面2a〜2c、3a〜3cの相互接触、接触面2a〜2c、4a〜4cの相互接触によって、円筒形二次電池セル8から片面支持枠2、4に伝達された熱は、すみやかに冷却支持枠3に伝達される。
図2に示すように、冷却支持枠3には、幅方向中央であって、厚さ方向中央の位置で、長手方向(円筒形二次電池セル8配列方向)に、貫通する冷却パイプ5によって冷媒通路が設けられている。冷却パイプ5には、冷却水が冷媒として一方向もしくは双方向に流される。これによって、冷却支持枠3が冷却されるとともに、冷却支持枠3を介して、片面支持枠2、4が冷却される。
冷却パイプ5はステンレス鋼等の耐腐食性材料によって、冷却支持枠3と別体で製作され、冷却支持枠3の鋳造時にインサートされ、あるいは、鋳造後に圧入されて固定される。冷却パイプ5は冷却支持枠3に密着し、冷却支持枠3を良好な冷却効率で冷却する。
[円筒形二次電池セルの構造]
図3は、本実施の形態に係わる円筒形二次電池セル8の断面図である。図3において、円筒形二次電池8は、横向きに配置されているが、以下の説明では、上・下方向を図3に図示の方向として説明する。
円筒形二次電池セル8は、底部(底面)12cを有し、上部に開口部12bが開口された円筒形の電池缶12と、電池缶12の開口部12bを封口するハット型の電池蓋13とにより構成される電池容器14を有する。電池容器14の内部には、以下に説明する発電用の各構成部材が収容され、非水電解液15が注入されている。
円筒形の電池缶12には、上端側に設けられた開口部12b側に電池缶12の内側に突き出した溝12aが形成されている。
電池缶12の内部には、捲回電極群(捲回群)20が配置されている。捲回電極群20は、軸方向に沿う中空部25cを有する細長い円筒形の軸芯(捲回軸)25と、軸芯25の周囲に捲回された正極電極21(図5参照)および負極電極22(図5参照)とを備える。円筒形状の軸芯25は、軸方向(図3、4における左右方向)の両端部の断面形状が異なる。軸芯25の右端部には、内周面に環状の溝25a(図5参照)が形成されている。軸芯25の左端部には、外周面に環状の段部25b(図5参照)が形成されている。段部25bの先端側には、軸芯25の中空部25cと軸芯25の外部とを連通するための開口部25d(図5も参照)が、軸芯25の径方向に貫通して形成されている。軸芯25の右端部の内周面の環状の溝25aに円筒状の正極集電リング37が圧入されている。
正極集電リング37は、円盤状の基部37aと、この基部37aの内周部において軸芯25側に向かって突出し、軸芯25の内面に圧入される下部筒部37bと、外周縁において電池蓋13側に突き出す上部筒部37cとを有する。正極集電リング37はこの下部筒部37bにより軸芯25の上端部に固定、支持されている。
正極電極21の正極タブ26は、正極集電リング37の上部筒部37cに溶接されている。正極集電リング37は例えばアルミニウム系金属により形成され、上部筒部37cの外周には、正極電極21の正極タブ26および押え部材38が溶接されている。多数の正極タブ26を、正極集電リング37の上部筒部37cの外周に密着させておき、正極タブ26の外周に押え部材38をリング状に巻き付けて仮固定し、この状態で超音波溶接により接合される。
軸芯25の左側部の外周面に形成された環状の段部25bには、負極集電リング31が圧入されて固定されている。負極集電リング31は、例えば、銅系金属により形成され、円盤状の基部31aに軸芯25の段部25bに圧入される開口部31bが形成され、外周縁に、電池缶12の底部側に向かって突き出す外周筒部31cが形成されている。負極集電リング31の基部31aには、軸芯25の中空部25cに注入された非水電解液15を捲回電極群20に浸透させるための開口部31d(図4参照)が形成されている。
負極電極22の負極タブ27は、負極集電リング31の外周筒部31cに接合される。
負極集電リング31の外周筒部31cの外周には、負極電極22の負極タブ27および押え部材32が溶接されている。多数の負極タブ27を、負極集電リング31の外周筒部31cの外周に密着させておき、負極タブ27の外周に押え部材32をリング状に巻き付けて仮固定し、この状態で溶接される。負極集電リング31の基部31aには、接続リード板60が、抵抗溶接、或いはレーザ溶接等により接合されている。
多数の正極タブ26は、正極集電リング37に溶接され、多数の負極タブ27が負極集電リング31に溶接されることにより、正極集電リング37、負極集電リング31および捲回電極群20が一体的にユニット化された捲回構造体30が構成される。電池缶12の内部には、非水電解液15が所定量注入されている。非水電解液15の一例として、リチウム塩がカーボネート系溶媒に溶解した溶液が挙げられる。
図4は、図3に示された円筒形二次電池セルの分解斜視図である。
円筒形状の軸芯25の溝25aに圧入された正極集電リング37は、例えば、アルミニウム系金属により形成されている。正極集電リング37の基部37aには、電池内部で発生するガスを放出するための開口部37dが形成されている。正極集電リング37に形成された開口部37eは、接続リード板60を電池缶12に溶接するための電極棒(図示せず)を挿通するためのものである。電極棒を正極集電リング37に形成された開口部37eから軸芯25の中空部25cに差し込み、その先端部で接続リード板60を電池缶12の底部12cの内面に押し付けて抵抗溶接を行う。これにより捲回構造体30は電池缶12の底部12cに固定される。また、負極集電リング31に接続されている電池缶12の底面は一方の出力端子として作用し、捲回電極群20に蓄電された電力を電池缶12から取り出すことができる。正極集電リング37の基部37aの上面には、複数のアルミニウム箔が積層されて構成されたフレキシブルな接続部材43が、その一端部を溶接されて接合されている。
[電池蓋ユニット]
正極集電リング37の上部筒部37c上には、電池蓋ユニット40が配置されている。
電池蓋ユニット40は、リング形状をした絶縁板44、絶縁板44に設けられた開口部44aに嵌入された接続板45、接続板45に溶接されたダイアフラム47およびダイアフラム47に、かしめと溶接により固定された電池蓋13により構成される。
絶縁板44は、円形の開口部44aを有する絶縁性樹脂材料からなるリング形状を有し、正極集電リング37の上部筒部37c上に載置されている。
絶縁板44は、開口部44aおよび下方に突出する側部44bを有している。絶縁板44の開口部44a内には接続板45が嵌合されている。接続板45の下面には、接続部材43の他端部が溶接されて接合されている。
接続板45は、アルミニウム系金属で形成され、中央部を除くほぼ全体が均一な厚さでかつ、中央側が少々低い位置に撓んだ、ほぼ皿形状を有している。接続板45の中心には、薄肉でドーム形状に形成された突起部45aが形成されており、突起部45aの周囲には、複数の開口部45bが形成されている。開口部45bは、電池内部に発生するガスを放出する機能を有している。接続板45の突起部45aはダイアフラム47の中央部の底面に抵抗溶接または摩擦攪拌接合により接合されている。
ダイアフラム47はアルミニウム系金属で形成され、ダイアフラム47の中心部を中心とする円形の切込み47aを有する。切込み47aはプレスにより上面側をV字形状に押し潰して、残部を薄肉にしたものである。ダイアフラム47は、電池の安全性確保のために設けられており、電池の内圧が上昇すると、切込み47aにおいて開裂し、内部のガスを放出する機能を有する。
ダイアフラム47は周縁部において電池蓋13の周縁部を固定している。ダイアフラム47は図4に図示されるように、当初、周縁部に電池蓋13側に向かって起立する側壁47bを有している。この側壁47b内に電池蓋13を収容し、かしめ加工により、側壁47bを電池蓋13の上面側に屈曲して固定する。
電池蓋13は、炭素鋼等の鉄で形成され、表裏両面にニッケルめっきが施されており、ダイアフラム47に接触する円盤状の周縁部13aと、この周縁部13aから突出する筒部13bを有するハット型を有する。筒部13bには開口部13cが形成されている。この開口部13cは、電池内部に発生するガス圧によりダイアフラム47が開裂した際、ガスを電池外部に放出するためのものである。電池蓋13は一方の電力出力端として作用し、電池蓋13から蓄電された電力を取り出すことができる。
ダイアフラム47と電池蓋13とのかしめ部を覆う絶縁部材からなるガスケット53が設けられている。ガスケット53は、ゴムで形成されており、限定する意図ではないが、1つの好ましい材料の例として、フッ素系樹脂を挙げることができる。
ガスケット53は、リング状の基部53aの周側縁に、上部方向に向けてほぼ垂直に起立して形成された外周壁部53bを有する形状を有している。
プレス等により、電池缶12と共にガスケット53の外周壁部53bを屈曲して基部53aと外周壁部53bにより、ダイアフラム47と電池蓋13を圧接するようにかしめ加工される。これにより、電池蓋13、ダイアフラム47、絶縁板44および接続板45が一体に形成された電池蓋ユニット40がガスケット53を介して電池缶12に固定されると共に、絶縁板44が捲回構造体30の正極集電リング37に当接し、捲回構造体30を電池缶12の缶底側に押しつけている。
[捲回電極群]
図5は、捲回電極群20の構造の詳細を示すための分解断面斜視図である。
捲回電極群20は、軸芯25の周囲に、正極電極21、負極電極22、および第1、第2のセパレータ23、24が捲回された構造を有する。
軸芯25は、例えば、PP(ポリプロピレン)のような絶縁材により形成され、中空円筒形状を有する。軸芯25には、第1のセパレータ23、負極電極22、第2のセパレータ24および正極電極21が、順に積層され、捲回されている。最内周の負極電極22の内側には第1のセパレータ23および第2のセパレータ24が数周(図5では、1周)捲回されている。第1のセパレータ23および第2のセパレータ24は、絶縁性の多孔質体で形成されている。
最内周(軸芯25側)では、負極電極22の捲き始めが正極電極21の捲き始めよりも周方向に延出している。また、最外周(電池缶側)では負極電極22が正極電極21よりも外周側に捲回されており、負極電極22の捲き終わりが正極電極21の捲き終わりよりも周方向に延出されている。最外周の負極電極22の外周に第2のセパレータ24が捲回されている。最外周の第2のセパレータ24終端が接着テープ29で止められる(図4参照)。尚、最外周で第1のセパレータ23および第2のセパレータ24が数回、捲回された後、接着テープ29で止められることもある。
正極電極21は、アルミニウム箔により形成され長尺な形状を有し、正極金属箔21aと、この正極金属箔21aの両面に正極合剤が塗布された正極合剤層21bを有する。正極金属箔21aの長手方向に延在する上方側の側縁は、正極合剤が塗布されず正極金属箔21aが露出した正極箔露出部21cとなっている。この正極箔露出部21cには、軸芯25の軸に沿って上方に突き出す多数の正極タブ26が等間隔に一体的に形成されている。
正極合剤は正極活物質と、正極導電材と、正極バインダとからなる。正極活物質として、コバルト、マンガン、ニッケル等のリチウム酸化物が挙げられる。正極バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やフッ素ゴムなどが挙げられる。
正極合剤を正極金属箔21aに塗布する方法の例として、ロール塗工法、スリットダイ塗工法、等が挙げられる。正極合剤に分散溶液を混練したスラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、プレスし、裁断する。正極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。正極金属箔21aを裁断する際、正極タブ26を一体的に形成する。すべての正極タブ26の長さは、ほぼ同じである。
負極電極22は、銅箔により形成され長尺な形状を有する負極金属箔22aと、この負極金属箔22aの両面に負極合剤が塗布された負極合剤層22bとを有する。負極金属箔22aの長手方向に延在する下方側の側縁は、負極合剤が塗布されず銅箔が露出した負極箔露出部22cとなっている。この負極箔露出部22cには、軸芯25の軸に沿って正極タブ26とは反対方向に延出された、多数の負極タブ27が等間隔に一体的に形成されている。
負極合剤は、負極活物質と、負極バインダと、増粘剤とからなる。負極活物質としては、黒鉛炭素が挙げられる。負極合剤を負極金属箔22aに塗布する方法の例として、ロール塗工法、スリットダイ塗工法等が挙げられる。
負極合剤に分散溶媒を混練したスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、裁断する。負極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。負極金属箔22aをプレスにより裁断する際、負極タブ27を一体的に形成する。すべての負極タブ27の長さは、ほぼ同じである。
第1、第2のセパレータ23、24の幅は、負極電極22の負極合剤層22bの幅よりも大きい。負極電極22の負極合剤層22bの幅は、正極電極21の正極合剤層21bの幅よりも大きい。負極合剤層22bの幅および長さを正極合剤層21bの幅および長さよりも大きくして、正極合剤層21bの全領域を負極合剤層22bで覆う構造とされている。
第1のセパレータ23および第2のセパレータ24は、それぞれ、例えば、厚さ40μmのポリエチレン製多孔膜で形成されている。
非水電解液15は、ほぼ水平状態に配置された円筒形二次電池セル8の内部に注入され、その液面は、ほぼ水平となっている。図10は、円筒形二次電池セル8に非水電解液15を注入した直後の状態を示す断面図である。
非水電解液15の注入は、円筒形二次電池セル8を、横向きに対して直交する方向、換言すれば、縦向きにした状態で行う。電池缶12に電池蓋ユニット40をかしめる前に、軸芯25の上端側から軸芯25の中空部25c内に非水電解液15を注入する。非水電解液15の注入量は、電池缶12内に捲回構造体30が収容された状態で、電池缶12の高さの半分未満とする。非水電解液15は、図10に図示されるように軸芯25の下部端部に設けられた開口部25dから、図示の矢印に示すように、軸芯25の外側に流動し、電池缶12の内部の下半分側に貯留される。この後、電池蓋ユニット40を電池缶12にかしめて、円筒形二次電池セル8を横向きにすると図3に図示された状態となる。
電池缶12の底部12c側の内部には、底部12c側の液面上昇用部材71が固定され(図6参照)、電池缶12の電池蓋ユニット40側の内部には、電池蓋13側の液面上昇用部材72が固定されている(図7参照)。液面上昇用部材71、72は、非水電解液15の液面を上昇させるための部材である。以下、底部12c側および電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材71、72について説明する。
[液面上昇用部材]
図6は、円筒形二次電池セルの底面側の拡大断面図であり、図7は、円筒形二次電池セルの電池蓋側の拡大断面図である。
底部12c側の液面上昇用部材71は、負極集電リング31に接合された負極タブ27および押え部材32の外周側に配置されている。液面上昇用部材71は、接着剤75により電池缶12の円筒状の周側部12dの内面に接着されている。液面上昇用部材71の内面71aは、押え部材32から離間しており、液面上昇用部材71と押え部材32との間には隙間が形成されている。また、液面上昇用部材71の捲回電極群20に対面する側の側面71bは、負極タブ27から離間しており、液面上昇用部材71と負極タブ27との間には隙間が形成されている。
非水電解液15は、液面上昇用部材71の内面71aと押え部材32との隙間、および液面上昇用部材71の側面71bと負極タブ27との隙間を通って流動する。
図8(a)〜(d)は、いずれも、液面上昇用部材71の形状を示す図である。
図8(a)は、液面上昇用部材71が、円弧状のリング構造を有する一例を示す。液面上昇用部材71は、電池缶12の周側部12dの内面から、押え部材32に対して所定の隙間が形成される位置まで軸芯25側に延在された幅(半径方向の長さ)を有する。液面上昇用部材71は、円筒形二次電池セル8をほぼ水平にしたとき、その円周方向の両端部端部e、eが非水電解液15の上面15aから少し突き出す長さとされている。つまり、液面上昇用部材71は、両端部e、eを除くほぼ全体が非水電解液15中に浸漬している。また、液面上昇用部材71の両側の端部e、eは、軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hより下方に位置している。すなわち、液面上昇用部材71は、軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hにより2分割される上下の領域のうち、非水電解液15が貯留されている下側の領域内に配置されている。
図8(b)に図示された液面上昇用部材71は、円筒形二次電池セル8をほぼ水平にしたとき、その円周方向の両端部e、eが非水電解液15の上面15aより下方に位置する長さとされている。つまり、液面上昇用部材71は、その全体が非水電解液15中に浸漬している。他の構造は、図8(a)に図示された液面上昇用部材71と同様である。
図8(c)に図示された液面上昇用部材71は、その内面71aが、非水電解液15の上面15aとほぼ平行な平面とされた、断面がほぼドーム型形状とされた構造を有する。
図8(d)に図示された例では、電池缶12内に複数(実施形態では2つ)の液面上昇用部材71が装着されている。図8(d)では、複数の液面上昇用部材71は、円周方向に離間して配置された状態で図示されている。しかし、複数の液面上昇用部材71は、円周方向に離間せず、相互に端部が接触した連続状に配置してもよい。また、図8(d)では、各液面上昇用部材71は、その全体が非水電解液15中に浸漬されているが、各液面上昇用部材71の外側の端部e、eが非水電解液15から突き出すようにしてもよい。
図7に図示されるように、電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材72は、正極集電リング37に接合された正極タブ26および押え部材38の外周側に配置されている。電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材72も、接着剤76により電池缶12の円筒状の周側部12dの内面に接着される。電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材72の構造および取付構造は、底部12c側の液面上昇用部材71と同様な構造を採用することができる。
但し、正極集電リング37側では、正極集電リング37と液面上昇用部材72との間に非水電解液15を流動させる必要はないので、図7に図示されるように、電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材72は押え部材38に接触させてもよい。この場合、非水電解液15が電池缶12の底部12c側から上昇する際、正極集電リング37の外側に空気を抜く必要があるが、多数の正極タブ26相互の間には隙間が形成されている。このため、正極タブ26は押え部材38で覆われているが、正極タブ26相互間において空気抜きがなされる。
底部12c側および電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材71、72は、例えば、ポリエチレン、ポリプロプレン等の樹脂、またはゴム等の絶縁性材料により形成することができる。また、負極タブ27、正極タブ26、押え部材32、38等に対して絶縁された状態の構造とすれば、金属材料等の導電性材料を用いることもできる。
次に、液面上昇用部材71、72の機能について説明する。
円筒形二次電池セル8は、充電時に捲回電極群20が膨張して非水電解液15が捲回電極群20から押し出され、放電時に、負極電極22からリチウムイオンが非水電解液15中に抜け出し正極電極21に挿入される。円筒形二次電池セル8に注入される非水電解液15は、コスト低減のために極力、少量とされ、非水電解液15が横向きに配置される円筒形二次電池セル8では、非水電解液15の上面15aが軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hより低い位置となる(図8参照)。このため、充放電サイクルが繰り返されると、捲回電極群20の内周側、換言すれば、軸芯25近傍側において、非水電解液15の減少や枯渇が生じるおそれがある。これに伴い、リチウムイオンによる充放電反応に支障がでる。つまり、円筒形二次電池セル8の電池容量の低下等の電池特性の劣化が発生する。
本発明の実施形態によれば、非水電解液15中に、液面上昇用部材71、72の少なくとも一部が浸漬されるので、非水電解液15中に浸漬された液面上昇用部材71、72の体積分、非水電解液15の上面15aが上昇する。非水電解液15の上面15aが上昇することにより、非水電解液15を、捲回電極群20の内周側に浸透させ、かつ、拡散を促進することができる。すなわち、捲回電極群20の内周側における非水電解液15の減少、枯渇を抑制し、以て、円筒形二次電池セル8の電池容量の低下等の電池特性の劣化を抑制することができる。
円筒形二次電池セル8に注入される非水電解液15の量は、円筒形二次電池セル8が、軸芯25の中心軸Oがほぼ水平にされた状態において、その上面15aが、軸芯25の下面(軸芯25の中心軸Oを通る鉛直面(水平面h−hに直交する面))と軸芯25の外周面とが交差する面に接する位置(図8において二点鎖線で示す上面15aの位置)よりも低くてもよい。液面上昇用部材71、72の体積を大きくすれば、非水電解液15の上面15aが高くなるので、その幅(軸方向の長さ)を、例えば、1mm以上と、大きくすることが好ましい。円筒形二次電池セル8の軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hの上方側の領域には、非水電解液15が貯留されていないので、この領域には、液面上昇用部材71、7を設ける必要はない。本実施形態では、電池缶12内における、軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hの下方側の領域内のみに液面上昇用部材71、72設けている。このため、コストおよび重量の低減を図ることができる。
図9は、円筒形二次電池の外観を示す斜視図である。
図9に図示されるように、電池缶12の底部12cの周縁部および電池缶12の電池蓋ユニット40側の周縁部には、液面上昇用部材71、72の位置を示す位置マーク81、82が設けられている。
位置マーク81、82は、それぞれ、電池缶12の底部12c側および電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材71、72の中央位置に対応して設けられている。すなわち、位置マーク81、82は、電池缶12の外周面と、軸芯25の中心軸Oを通る鉛直面(水平面h−hに直交する面)とが交差する面に設けられている。
このため、円筒形二次電池セル8を、冷却支持枠3の収納溝3dと一対の片面支持枠2、4の収納溝2d、4dそれぞれの間に収容する際、位置マーク81、82を冷却支持枠3の収納溝3dまたは片面支持枠4の収納溝4dの底部中心に合わせることにより、確実に、液面上昇用部材71、72を非水電解液15中に浸漬することができる。
上記実施形態によれば下記の効果を奏する。
(1)円筒形二次電池セル8の電池容器14における電池缶12の底部12c側および電池蓋ユニット40側に非水電解液15の液面を上昇するための液面上昇用部材71、72を設けた。このため、円筒形二次電池セル8を横向きに配置した状態において、非水電解液15の上面15aが、非水電解液15中に浸漬する液面上昇用部材71、72の体積分、上昇する。これにより、捲回電極群20の内周側に生じやすい非水電解液15の減少や枯渇を抑制し、以て、円筒形二次電池セル8の電池容量の低下等の電池特性の劣化を抑制することができる。
(2)液面上昇用部材71、72は、それぞれ、電池缶12の周側部12dと負極集電リング31に接合された負極タブ27および押え部材32との間、および電池缶12の周側部12dと正極集電リング37に接合された正極タブ26および押え部材38との間に配置される。この領域は、通常、如何なる部材も配置されないデッドスペースとなっている。従って、液面上昇用部材71、72の装着に伴う、円筒形二次電池セル8のサイズの増大を無くすことができる。
(3)液面上昇用部材71、72は、それぞれ、軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hの下方側の領域内に配置される大きさとした。このため、非水電解液15の液面上昇に関与しない、軸芯25の中心軸Oを通る水平面h−hの上方側に配置される液面上昇用部材71、72の部分を削減することができ、コストおよび重量の低減を図ることができる。
(4)底部側の液面上昇用部材71は、押え部材32および負極タブ27との間に隙間が形成されるように設けられている。このため、非水電解液15の、電池缶12内における軸方向の流動が速やかになる。
(5)円筒形二次電池セル8の電池缶12の底部12cの周縁部および電池缶12の底部12cに対向する面側の開口部12bに、底部12c側および電池蓋ユニット40側の液面上昇用部材71、72の位置を示す位置マーク81、82が設けられている。このため、円筒形二次電池セル8の内部に設けられた液面上昇用部材71、72の位置を、円筒形二次電池セル8の外部から確認することが可能となり、円筒形二次電池セル8を、冷却支持枠3および片面支持枠2、4それぞれとの間に収容する作業の効率化を図ることができる。
なお、上記実施形態においては、液面上昇用部材71、72は、電池缶12における底部12c側および電池蓋ユニット40側の2か所に設けた構造として例示した。しかし、液面上昇用部材71、72は、電池缶12における底部12c側と電池蓋ユニット40側とのいずれか一方に設けるようにしてもよい。
上記実施形態においては、負極タブ27の外周に押え部材32が接合され、正極タブ26の外周に押え部材38が接合された構造として例示した。しかし、押え部材32、38を無くし、負極タブ27または正極タブ26が、非水電解液15に、直接、接する構造としてもよい。
上記実施形態においては、位置マーク81、82は、それぞれ、内部に設けられた液面上昇用部材71、72の中央部と対応する位置に設けられている構造として例示した。しかし、位置マーク81、82は、液面上昇用部材71、72とは反対側、換言すれば、液面上昇用部材71、72の中央部とは180度異なる位置に設けてもよい。また、位置マーク81、82は、液面上昇用部材71、72の中央部に対応する位置ではなく、液面上昇用部材71、72の円周方向における両側の端部e、eに対応して設けてもよい。位置マーク81、82は、電池缶12の底部12c側および電池蓋ユニット40側の両側に設ける必要はなく、一方側のみに設けてもよい。但し、上記実施形態のように、円筒形二次電池セル8の正負極が、交互に反転して配列される構造の組電池の場合には、位置マーク81、82を、電池缶12の底部12cおよび電池蓋ユニット40の両側に設けると、円筒形二次電池セル8の挿入作業の効率化を図ることができる。
上記実施形態では、電池缶12の底部12cが、捲回電極群20の負極電極22に接続され、電池蓋ユニット40が捲回電極群20の正極電極21に接続された構造の円筒形二次電池セル8として例示した。しかし、本発明は、電池缶が、捲回電極群の正極電極に接続され、電池蓋ユニットが捲回電極群の負極電極に接続された構造の円筒形二次電池セルに適用することができる。
上記実施形態では、二次電池として、非水電解液を用いた円筒形のリチウムイオン電池の場合で説明した。しかし、本発明は、ニッケル水素電池またはニッケル水素電池のように水溶性電解液を用いる二次電池にも適用が可能である。さらに、円筒形電池に限らず、正極電極および負極電極がセパレータを介して捲回された角形または平形電池にも適用が可能である。
その他、本発明の組電池は、発明の趣旨の範囲内において、種々、変形して構成することが可能であり、要は、横向きに配置された複数の二次電池セルを備える組電池であって、各二次電池セルは、捲回軸を有する捲回群が収容され、電解液が注入された電池容器と、電池容器に固定され、少なくとも一部が電解液に浸漬された液面上昇用部材とを備え、液面上昇用部材は、電池容器の底面と捲回群の軸方向の一端面との間、および電池容器の電池蓋と捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、捲回軸の中心軸を通る水平面より下方側の領域に配置されているものであればよい。
また、本発明の二次電池セルは、要するに、捲回軸を有する捲回群が収容され、電解液が注入された電池容器と、電池容器に固定され、少なくとも一部が電解液に浸漬された液面上昇用部材とを備え、液面上昇用部材は、電池容器の底面と捲回群の軸方向の一端面との間、および電池容器の電池蓋と捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、捲回軸の中心軸を通る平面によりに分割された領域の一方側にのみ配置されているものであればよい。
1 組電池
2、4 片面支持枠
2a〜2c、3a〜3c、4a〜4c 接触面
2d〜4d 収納溝
2e 上面
3 冷却支持枠
4e 下面
6、7 サイドプレート組立体
6a、7a サイドプレート
6b、7b 端子バスバー
8 円筒形二次電池セル
8R 単電池列
12 電池缶
12b 開口部
12c 底部
12d 周側部
13 電池蓋
14 電池容器
15 非水電解液
15a、15a 上面
20 捲回電極群(捲回群)
21 正極電極
22 負極電極
25 軸芯(捲回軸)
25c 中空部
25d 開口部
26 正極タブ
27 負極タブ
30 捲回構造体
31 負極集電リング
32 押え部材
37 正極集電リング
38 押え部材
40 電池蓋ユニット
71 液面上昇用部材
71a 内面
71b 側面
72 液面上昇用部材
75、76 接着剤
81、82 位置マーク
、e 端部
h−h 軸芯25の中心軸Oを通る水平面
O 中心軸

Claims (11)

  1. 正・負極外部端子が導電性接続部材により電気的に接続され、軸方向を横向きにして配置された複数の二次電池セルを備え、
    前記二次電池セルのそれぞれは、
    捲回軸の周囲に正極と負極がセパレータを介して捲回された捲回群を有する捲回構造体と、
    底面と、前記底面の周囲に、前記底面にほぼ直交して設けられた周側部と、前記底面に対向する面に配置された電池蓋とを有し、前記捲回群の前記捲回軸が、前記周側部とほぼ平行に収容され、電解液が注入された電池容器と、
    前記電池容器の前記周側部の内面に固定され、少なくとも一部が前記電池容器内に注入された前記電解液に浸漬された液面上昇用部材と、を備え、
    前記液面上昇用部材は、前記電池容器の前記底面と前記捲回群の軸方向の一端面との間、および前記電池容器の前記電池蓋と前記捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、前記捲回軸の中心軸を通る水平面より下方側の領域に配置されている、組電池。
  2. 請求項1に記載の組電池において、
    前記電池容器に、前記液面上昇用部材の位置を示すためのマークが設けられている、組電池。
  3. 請求項1に記載の組電池において、
    前記液面上昇用部材は、接着剤により前記電池容器の前記周側部の内面に固定されている、組電池。
  4. 請求項1に記載の組電池において、
    前記液面上昇用部材は、絶縁性樹脂により形成されている、組電池。
  5. 請求項1に記載の組電池において、
    前記液面上昇用部材は、前記電池容器の前記底面と前記捲回群の軸方向の前記一端面との間、および前記電池容器の前記電池蓋と前記捲回群の軸方向の前記他端面との間の両側に設けられている、組電池。
  6. 請求項1に記載の組電池において、
    前記液面上昇用部材は、前記電池容器の前記底面と前記捲回群の前記一端面との間に配置されており、
    前記捲回構造体は、前記電池容器の前記底面に対面する前記捲回群の前記一端面側に、前記捲回群の前記一端面から離間して設けられた集電部材と、前記集電部材と前記捲回群とを接続する複数の接続リードとをさらに備え、
    前記接続リードは、それぞれ、前記捲回群の前記一端面から前記集電部材側に延在された延在部と、前記集電部材に接続された接続端部とを有し、
    前記液面上昇用部材は、前記接続リードの前記延在部および前記接続リードの前記接続端部と間隙を存して固定されている、組電池。
  7. 請求項6に記載の組電池において、
    前記集電部材に接合された前記接続リードの前記接続端部上に、押え部材が接合されており、
    前記液面上昇用部材は、前記押え部材と間隙を存して固定されている、組電池。
  8. 請求項1に記載の組電池において、
    前記液面上昇用部材は、前記電池容器の前記電池蓋と前記捲回群の前記他端面との間に配置されており、
    前記捲回構造体は、前記電池容器の前記電池蓋に対面する前記捲回群の前記他端面側に、前記捲回群の前記他端面から離間して設けられた集電部材と、前記集電部材と前記捲回群とを接続する複数の接続リードとをさらに備え、
    前記接続リードは、それぞれ、前記捲回群の前記他端面から前記集電部材側に延在された延在部と、前記集電部材に接続された接続端部とを有し、
    前記液面上昇用部材は、前記接続リードの前記延在部と間隙を存して固定されている、組電池。
  9. 請求項8に記載の組電池において、
    前記集電部材に接合された前記接続リードの前記接続端部上に、押え部材が接合されており、
    前記液面上昇用部材は、前記押え部材に接触した状態で固定されている、組電池。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組電池に用いられる二次電池セル。
  11. 捲回軸の周囲に正極と負極がセパレータを介して捲回された捲回群を有する捲回構造体と、
    底面と、前記底面の周囲に、前記底面にほぼ直交して設けられた周側部と、前記底面に対向する面に配置された電池蓋とを有し、前記捲回群の前記捲回軸が、前記周側部とほぼ平行に収容され、電解液が注入された電池容器と、
    前記電池容器の前記周側部の内面に固定され、少なくとも一部が前記電池容器内に注入された前記電解液に浸漬された液面上昇用部材と、
    前記電池容器に設けられた、前記液面上昇用部材の位置を示すためのマークと、を備え、
    前記液面上昇用部材は、前記電池容器の前記底面と前記捲回群の軸方向の一端面との間、および前記電池容器の前記電池蓋と前記捲回群の軸方向の他端面との間の少なくとも一方に、前記捲回軸の中心軸を通る平面により分割された領域の一方側にのみ配置されている、二次電池セル。

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