JP2016090519A - 太陽電池付き時計、及び変形痕を隠す方法 - Google Patents

太陽電池付き時計、及び変形痕を隠す方法 Download PDF

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Abstract

【課題】腕時計で要求される耐熱温度のような比較的低い温度で熱成形可能で熱により変形しやすい光透過性反射板に変形痕が形成される場合であっても、文字板の美観が保たれる太陽電池付き時計を提供する。
【解決手段】文字板は太陽電池30と、太陽電池30の表側に配置され、耐熱温度が60℃以下である熱可塑性樹脂で形成され、表側に艶消し層22が形成される光透過性反射板21と、光透過性反射板21の表側に配置される光透過性基板20とを備え、艶消し層22は、光透過性媒質に拡散剤を混合した材料で形成され、拡散剤の光透過性媒質に対する重量比は、8%以上である。
【選択図】図3

Description

本発明は太陽電池付き時計、及び変形痕を隠す方法に関する。
太陽電池付き時計の文字板は、太陽電池の発電に必要な光を透過させるため光透過性の材質で形成される。また、文字板に金属様の光沢を持たせて美観を向上させるために、文字板の材質及び構造として、光を透過し、かつ、光を反射するものを採用する場合がある。
下記特許文献1には、第1の透過性反射板の視認側の表面に凹凸状の模様を形成し、第2の透過性反射板のソーラーセルと対向する表面に拡散層を設けた表示板が記載されている。
特開2010−276456号公報
上記特許文献1に記載の表示板では、透過性反射板の表裏いずれかに拡散層を設けることで、ソーラーセルの発電に必要な光を透過しつつ、ソーラーセルを視認できなくして、高級感のある表示板を得ている。しかしながら、ソーラーセル付時計用文字板はデザインの多様化が求められ、さまざまな反射率の半透過反射板を用いる必要があるが、ソーラーセル付時計用文字板に適した厚さの半透過反射板は選択肢が限られる。そして、この条件に適した光透過性反射板が熱成形可能な材料で形成されたものである場合、比較的高温の環境下で太陽電池付き時計を使用すると光透過性反射板が軟化する場合がある。光透過性反射板が軟化すると、太陽電池の表面形状が光透過性反射板に転写され、光透過性反射板が変形して変形痕が形成され、文字板の美観を損なう場合がある。
本発明の目的は、光透過性反射板を備える太陽電池付き時計において、文字板の美観を保つことである。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下の通りである。
(1)太陽電池と、前記太陽電池の表側に配置され、耐熱温度が60℃以下である熱可塑性樹脂で形成され、表側に艶消し層が形成される光透過性反射板と、前記光透過性反射板の表側に配置される光透過性基板と、を備える太陽電池付き時計。
(2)(1)において、前記艶消し層は、光透過性媒質に拡散剤を混合した材料で形成され、前記拡散剤の前記光透過性媒質に対する重量比は、8%以上である太陽電池付き時計。
(3)(1)又は(2)において、前記光透過性反射板と前記艶消し層との間に、光透過性有色層をさらに備える太陽電池付き時計。
(4)(1)乃至(3)のいずれか一項において、前記太陽電池と、前記光透過性反射板とは、互いに押圧された状態で固定される太陽電池付き時計。
(5)太陽電池と、前記太陽電池の表側に重ねて配置され、耐熱温度が60℃以下である熱可塑性樹脂で形成される光透過性反射板とを備える文字板において、前記太陽電池の表側の面に形成された突起によって、前記光透過性反射板に形成される変形痕を隠す方法であって、表側に艶消し層を形成した前記光透過性反射板を、光透過性基板の裏側に重ねて配置し、前記光透過性基板を前記光透過性反射板と一体にして固定する変形痕を隠す方法。
上記本発明の(1)の側面によれば、腕時計で要求される耐熱温度のような比較的低い温度で熱成形可能で熱により変形しやすい光透過性反射板に変形痕が形成される場合であっても、文字板の美観が保たれる太陽電池付き時計が得られる。
また、上記本発明の(2)の側面によれば、光透過性反射板に視認され得る大きさの点状変形痕が形成される場合であっても、変形痕が視認しづらい太陽電池付き時計が得られる。
また、上記本発明の(3)の側面によれば、光透過性反射板の点状変形痕がさらに視認しづらい太陽電池付き時計が得られる。
また、上記本発明の(4)の側面によれば、太陽電池と光透過性基板とを確実に固定することができるとともに、高温の環境に置かれたとしても、点状変形痕が視認されづらい太陽電池付き時計が得られる。
また、上記本発明の(5)の側面によれば、腕時計で要求される耐熱温度のような比較的低い温度で熱成形可能で熱により変形しやすい光透過性反射板に変形痕が形成される場合であっても、文字板の美観が保たれるように変形痕を隠す方法が得られる。
本発明の実施形態に係る太陽電池付き時計を示す平面図である。 太陽電池付き時計の断面図である。 太陽電池付き時計の断面の拡大図である。 艶消し層による光の反射を説明する図である。 比較例における光の反射を説明する図である。 変形例に係る太陽電池付き時計の断面の拡大図である。 太陽電池を収めた中枠を示す平面図である。 中枠に嵌合された光透過性反射板を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池付き腕時計1を示す平面図である。図1には、ベゼル2a、見返しリング2b、文字板3、時字5、日窓6、指針7、竜頭8が示されている。また、図2は、図1のII−II線における太陽電池付き時計1の断面図である。図2には、ベゼル2a、見返しリング2b、時字5、風防9、胴10、裏蓋11、ムーブメント12、光透過性基板20及び光透過性反射板21から構成される文字板3、太陽電池30が示されている。
なお、図1に示した太陽電池付き時計1のデザインは一例にすぎない。ここで示したもの以外にも、例えば、文字板3及び太陽電池付き時計1の外形形状を、丸型でなく角型にしてもよいし、見返しリング2bに秒を表示するインデックスを付けてもよい。また、見返しリング2bは無くてもよい。本実施形態では、指針7を時針、分針の2本としているが、秒針を加えることとしてもよく、日窓6には日付を表示することとするが、それに限らず、曜日を表示することとしてもよい。また、タイムゾーンやサマータイムの有無、電池の残量、各種の表示を行う補助指針を備えることとしてもよい。その場合、ベゼル2aの外側に、竜頭8の他にボタンを備えることとして、ユーザが種々の操作を行えるようにしてもよい。
太陽電池付き時計1には、文字板3を覆うように、ガラス等の透明材料により形成された風防9がベゼル2aに取り付けられている。また、胴10、ベゼル2a、見返しリング2b、及び風防9が一体となった外装部品には、文字板3、太陽電池30、及びムーブメント12が収容されており、裏側は裏蓋11によって閉じられている。本明細書では、太陽電池付き時計1の風防9が配置される側(図2における紙面上側)を表側、裏蓋11が配置される側(図2における紙面下側)を裏側、及び、表側及び裏側に対応した面を、それぞれ、表側の面及び裏側の面と呼ぶこととする。
文字板3の裏側には、太陽電池30が配置され、表側から入射した光により発電がなされる。そのため、文字板3を構成する光透過性基板20及び光透過性反射板21は、ある程度光を透過する材質で形成される。また、光透過性反射板21は、熱可塑性樹脂で形成され、光の反射率が30%〜70%と比較的高く、好ましくは金属様光沢を持つ。このような特性を持つ材質であれば、光透過性反射板21を形成する材質としてどのようなものを用いてもよいが、好適な例として、PET(polyethylene terephthalate)の多層積層により干渉反射を生じさせるフィルムを挙げることができる。このような光透過性反射板21は、裏側に配置された太陽電池30に光を透過させつつ、金属に似た光沢により文字板3の美観を向上させる。このような光透過性反射板21は、その材質上、あるいは構造上、耐熱温度が比較的低い場合があり、例えば、光透過性反射板21として東レ株式会社製のピカサス(登録商標)を使用した場合、その耐熱温度は60℃である。なお、光透過性反射板21の耐熱温度は、材料特性として示されることがある他、熱間プレスの適用可能温度の下限値として示される場合もある。
図3は、本実施形態に係る太陽電池付き時計1の断面の拡大図であり、図2に示す拡大領域50を拡大したものである。時字5が表側の面に配置された光透過性基板20は、裏側の面が平滑面である。光透過性基板20の裏側には、光透過性反射板21が配置される。光透過性反射板21の表側には、艶消し層22が形成される。本実施形態において、艶消し層22は、光透過性媒質である透明なインキ中に光を乱反射する拡散剤を混合した材料で構成され、光透過性反射板21の表側の面に印刷される。本実施形態において、透明インキと拡散剤との重量比は10%である。もっとも、透明インキと拡散剤との重量比は10%以下でもよい。ただし、後述するように、光透過性反射板21に形成される変形痕を視認しづらくするためには、透明インキと拡散剤との重量比は8%以上であることが望ましい。光透過性反射板21の裏側には、太陽電池30が配置される。なお、光透過性基板20の表側の面又は裏側の面を凹凸面として、同心円模様や放射線状の模様等を形成することとしてもよい。
本実施形態に係る太陽電池付き時計1において、光透過性基板20の厚さは400μm〜500μmであり、光透過性反射板21の厚さは100μmである。過去に製造した時計に、この厚さの光透過性反射板21を標準的に用いていれば、同じ厚さのものを選択することにより、文字板3以外の部材の設計変更が不要となり、メリットが大きい。例えば、100μmの厚さで、反射率の種類が選択できる光透過性反射板21としては、前述のピカサス(登録商標)が適している。但し、文字板3を構成する光透過性反射板21の最適な厚さは100μmに限らず、過去に製造した時計に100μm以外の厚さの光透過性反射板21が標準的に用いている場合は、その厚さが最適である。
太陽電池30は、表面に微小な凹凸を有する場合がある。例えば、アモルファスシリコン太陽電池の場合、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりアモルファスシリコンの薄膜を形成するか、又はITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を形成すると、表面に直径数百μmのスパッタ痕が形成される場合がある。太陽電池30の表面にスパッタ痕があると、太陽電池付き時計1の耐熱温度付近か、又はそれを上回る程度の高温、例えば自動車のダッシュボード中等、に置かれたとき、軟化した光透過性反射板21に太陽電池30のスパッタ痕が転写される場合がある。光透過性反射板21にスパッタ痕が転写されると、太陽電池付き時計1を再び冷却しても、転写されたスパッタ痕と同程度の大きさの点状変形痕が光透過性反射板21に残留して、文字板3の美観を損なう場合がある。なお、光透過性反射板21に残留する変形痕の形状は、太陽電池30のスパッタ痕の形状に応じて変化し、必ずしも点状とは限らず、線状等の場合もあり得る。
図4は、艶消し層22による光の反射を説明する図である。太陽電池30のスパッタ痕が転写された光透過性反射板21は、表側の面に点状変形痕21aが凸状に浮き出て形成される場合がある。光透過性反射板21の表側の面に艶消し層22を有していない場合、点状変形痕21aが形成されると、点状変形痕21a部分とその他の部分で光透過性反射板21における入射光の反射の仕方が異なることとなり、点状変形痕21aが視認されることとなる。本実施形態に係る太陽電池付き時計1は、光透過性反射板21の表側の面に艶消し層22を有し、光透過性反射板21に点状変形痕21aが形成されたとしても、艶消し層22により光が拡散されるため点状変形痕が視認されづらくなり、文字板3の美観が保たれる。艶消し層22は、光透過性媒質に対する拡散剤22aの重量比が10%であり、視認できるスパッタ痕(直径が100μm前後よりも大きいスパッタ痕)により形成された光透過性反射板21の点状変形痕を視認しづらくするのに十分な光拡散効果がある。
図4では、点状変形痕21a部分に入射する第1の入射光60と、点状変形痕21aが形成されていない部分に入射する第2の入射光61とについて、それぞれ反射光を示している。第1の入射光60は、艶消し層22に含まれる拡散剤22aにより反射・拡散され、第1の反射光60aと、第2の反射光60bとが生じる。また、第2の入射光61についても、艶消し層22に含まれる拡散剤22aにより反射・拡散され、第3の反射光61aと、第4の反射光61bとが生じる。第1〜4の反射光は、点状変形痕21aの表面付近と他の部分の表面付近において、拡散剤22aによってそれぞれ同じ条件の下で拡散が生じるものであるから、文字板3を観察する者は、第1〜4の反射光のいずれが点状変形痕21a部分から反射された光であるか判別することができず、従って、点状変形痕21aが視認されづらくなる。
視認され得る点状変形痕21aの直径は、100μm程度である。直径が100μm前後か、これよりも小さい点状変形痕21aは、そもそも肉眼で視認することが困難である。そして、本発明の発明者の実験により、直径が100μmよりも大きい点状変形痕は、光透過性媒質に対する拡散剤22aの重量比が6%のときには視認され、光透過性媒質に対する拡散剤22aの重量比が8%のときにはほぼ視認されず、光透過性媒質に対する拡散剤22aの重量比が10%のときには視認されない、という結果が得られた。この実験結果により、本発明の発明者が見出したところによれば、直径が100μmよりも大きいスパッタ痕により形成された光透過性反射板21の点状変形痕21aを視認しづらくするには、艶消し層22を構成する光透過性媒質に対する拡散剤22aの重量比は8%以上であればよい。従って、本実施形態に係る太陽電池付き時計1では、光透過性反射板21に形成される点状変形痕21aがその大きさによらず視認されづらく、文字板3の美観が保たれることとなる。
図5は、比較例における光の反射を説明する図である。比較例では、艶消し層22が光透過性基板20の裏側の面に形成されている。比較例に係る太陽電池付き時計のその他の構成については、本実施形態に係る太陽電池付き時計1と変わらないものとする。図5では、点状変形痕21a部分に入射する第1の入射光60と、点状変形痕21aが形成されていない部分に入射する第2の入射光61とについて、それぞれ反射光を示している。
第1の入射光60は、艶消し層22に含まれる拡散剤22aにより反射・拡散され、第5の反射光60cと、第6の反射光60dとが生じる。また、第2の入射光61についても、艶消し層22に含まれる拡散剤22aにより反射・拡散され、第7の反射光61cと、第8の反射光61dとが生じる。ここで、第6の反射光60dと第8の反射光61dのように、点状変形痕21a部分に入射する光と、点状変形痕21aが形成されていない部分に入射する光とが、同じ条件で反射される場合もある。しかし、第5の反射光60cと第7の反射光61cとは、それぞれ異なる条件で反射されて視認されることとなる。第5の反射光60cは、艶消し層22の裏側に形成された点状変形痕21aの表面で反射される。一方、第7の反射光61cは、点状変形痕21aが形成されていない光透過性反射板21の表面で反射される。そのため、第5の反射光60cと第7の反射光61cとでは、反射面の条件、光の光路長、空気中を通る光路の長さ等が異なることとなる。そのため、点状変形痕21a部分とその他の部分で、入射光の反射の仕方が異なることとなる。点状変形痕21a部分で反射した光は、点状変形痕21aの各部の形状に応じた方向に反射し、その反射光は点状変形痕21aの形状を反映したものとなる。そして、点状変形痕21aの形状を反映した光は、再び艶消し層22内を通過する際、艶消し層22の拡散効果が大きくなければ、点状変形痕21aの形状を反映した状態が軽減されるだけで、この状態が維持されて点状変形痕21の形状として視認されることとなる。もっとも、拡散剤22aの重量比を非常に大きくすれば、比較例の場合であっても、点状変形痕21aを視認しづらくすることはできる。しかし、拡散剤22aの重量比を非常に大きくした場合は、艶消し層22の過度の曇りにより、光透過性反射板21の金属感を損ねたり、太陽電池30の発電量が低下して十分な発電量が得られなくなったりする。本実施形態のように、艶消し層22を光透過性反射板21の表側の面に形成すれば、拡散剤22aの重量比が比較的少ない場合であっても、点状変形痕21aを視認しづらくすることができる。そのため、本実施形態に係る太陽電池付き時計1によれば、光透過性反射板21の光沢を艶消し層22により過度に曇らせることなく、また、艶消し層22の過度の曇りによる太陽電池30の発電量の低下を防いで、点状変形痕21aを視認しづらくすることができる。
また、当然ではあるが、艶消し層22を光透過性反射板21の裏側の面に形成しても、点状変形痕21aを視認されづらくする効果は得られない。これは、艶消し層22は、その裏側に配置されたものについては、艶消し層22を介して視認することで、視認されづらくなるのに対し、その表側に配置されたものについては、艶消し層22を介さずに視認することとなるためである。従って、艶消し層22は、本実施形態のように、光透過性反射板21の表側の面に形成する必要がある。
なお、光透過性基板20の表側の面又は裏側の面を凹凸面として模様を形成する場合、艶消し層22により光が拡散されることに加えて、光透過性基板20に形成された模様により、さらに光透過性反射板21の点状変形痕が視認されづらくなる。
図6は、本実施形態の変形例に係る太陽電池付き時計1の断面の拡大図である。変形例に係る太陽電池付き時計1と、図3に示す太陽電池付き時計との違いは、光透過性反射板21と艶消し層22との間に、文字板3を加飾するための光透過性有色層23をさらに備える点である。変形例に係る太陽電池付き時計1では、光透過性反射板21の表側に形成された艶消し層22で光が拡散されることに加え、光透過性反射板21と艶消し層22との間に形成された光透過性有色層23により特定の波長の光の透過が妨げられ、光透過性反射板21の点状変形痕がさらに視認しづらくなる。
なお、光透過性有色層23は、光透過性基板20の裏側の面に形成してもよい。すなわち、光透過性反射板21の表側に形成された艶消し層22と、光透過性基板20の裏側に形成された光透過性有色層23とが、接するようにしてもよい。その場合であっても、文字板3が加飾されるだけではなく、艶消し層22で光が拡散され、光透過性有色層23により特定の波長の光の透過が妨げられ、光透過性反射板21の点状変形痕が視認しづらくなる。
また、光透過性有色層23は、光透過性基板20の表側に形成してもよい。その場合であっても、文字板3が加飾されるだけではなく、艶消し層22で光が拡散され、光透過性有色層23により特定の波長の光の透過が妨げられ、光透過性反射板21の点状変形痕が視認しづらくなる。また、光透過性基板20の表側に光透過性有色層23を形成しつつ、光透過性基板20の裏側に凹凸面を形成して、同心円模様や放射線状の模様等を形成することとしてもよい。光透過性基板20の裏側に模様を形成する場合、光透過性反射板21に形成された点状変形痕と模様とが重なることで、点状変形痕がさらに視認しづらくなる。当然ながら、上記の構成を組み合わせた構成を採用することとしてもよい。
なお、艶消し層22は、拡散剤により光を拡散する他、表面の凹凸により光を拡散する場合もある。艶消し層22の表側の面に加飾のための光透過性有色層23等を印刷すると、艶消し層22の表面に形成された凹凸が埋められて平滑になり、光を拡散する効果が弱まる場合があり、光透過性反射板21に形成された点状変形痕が視認されやすくなる場合がある。これが文字板3の外観や透過率に悪影響を及ぼす場合には、光透過性有色層23は、光透過性基板20の表側もしくは裏側、又は光透過性反射板21と艶消し層22との間に形成すると良い。
図7は、太陽電池30を収めた中枠40を示す平面図である。中枠40は、内部にムーブメント12等を収めるケースである。太陽電池30は、ムーブメント12の表側に重ねて配置される。太陽電池30は、太陽電池30の周縁に形成された切り欠きと、中枠40の周縁に形成された切り欠きと、を合わせるように配置することで位置合わせされて配置される。中枠40は、第1嵌合部41と第2嵌合部42とを有する。第1嵌合部41及び第2嵌合部42は、太陽電池30の表側に重ねて配置される光透過性反射板21の位置合わせ及び光透過性基板20の嵌合のための部材である。
図8は、中枠40に配置された光透過性反射板21を示す平面図である。光透過性反射板21は、中枠40の有する第1嵌合部41及び第2嵌合部42で位置合わせされる。光透過性基板20が第1嵌合部41及び第2嵌合部42に嵌合により固定されることで、光透過性反射板21は、中枠40から脱落することなく保持される。このとき、光透過性反射板21と太陽電池30とは、互いに接触し、互いに押圧された状態で固定される。このことが、太陽電池30のスパッタ痕が光透過性反射板21に転写される要因の1つである。なお、図7、図8に示した太陽電池30及び光透過性反射板21の固定構造は一例である。このような構造に限らず、文字板3を構成する部材が動かないようにするためには、光透過性反射板21を太陽電池30に対して押圧した状態で固定することが必要である。
太陽電池30のスパッタ痕が光透過性反射板21に転写されているか否かは、以下の方法で判別することができる。はじめに、スパッタ痕を有する場合がある太陽電池30を用意する。太陽電池付き時計が製品として使用される条件を再現するため、太陽電池30は、中枠40に配置した状態で用意することが望ましい。
次に、太陽電池30の表側に、光透過性反射板21と光透過性基板20を配置する。太陽電池30を中枠40に配置する場合、光透過性反射板21は、中枠40の有する第1嵌合部41及び第2嵌合部42に嵌合し、光透過性基板20は、これらの嵌合部に嵌合させて固定することが望ましい。
その後、太陽電池30、光透過性反射板21、及び光透過性基板20を、太陽電池付き時計1について要求される耐熱温度である所定の温度、例えば60℃、に加熱する。加熱により光透過性反射板21が軟化する場合、太陽電池30の有するスパッタ痕が光透過性反射板21に転写されることがある。
最後に、光透過性反射板21の表側の面、内部、裏側の面を観察する。それにより、光透過性反射板21に、点状変形痕等の変形痕が形成されているか否かを検査する。
光透過性反射板21に点状変形痕等の変形痕が観察される場合であっても、以下の方法で変形痕が視認されづらい太陽電池付き時計を設計することができる。はじめに、光透過性反射板21において観察された変形痕のうち、視認され得るものの大きさを測定する。
次に、視認され得る変形痕の大きさの測定結果に基づいて、光透過性反射板21の表側に形成する艶消し層について、拡散剤の光透過性媒質に対する重量比を設定する。拡散剤の光透過性媒質に対する重量比の下限値は、すべての大きさの変形痕が視認されづらくなるように定められる。拡散剤の光透過性媒質に対する重量比は、その下限値を上回るようにしつつ、文字板3として所望の光沢感が得られるように調整することで定められてよい。
本実施形態に係る太陽電池付き時計1では、太陽電池30の表側の面に形成されたスパッタ痕等である突起により、光透過性反射板21に点状変形痕等の変形痕が形成される場合がある。その場合であっても、表側に艶消し層22を形成した光透過性反射板21を、光透過性基板20の裏側に重ねて配置し、一体に固定する方法を文字板3に適用することによって、変形痕を隠すことができる。光透過性反射板21の表側に形成された艶消し層22によって、いずれの場所に入射する光も同じ条件で反射されることとなるため、光透過性反射板21に形成された変形痕が視認されづらくなる。光透過性基板20は、光透過性反射板21を押さえ付けて固定される。そのため、光透過性反射板21に形成される変形痕によって光透過性基板20に同様な変形痕が形成されないように、光透過性基板20の材質として、少なくとも60℃では変形しない材質を用いる必要がある。ここで、光透過性反射板21は、60℃以下で変形する材質を用いて形成されてよいため、換言すると、光透過性基板20は、光透過性反射板21よりも耐熱温度が高い材質を用いて形成される。
1 太陽電池付き時計、2a ベゼル、2b 見返しリング、3 文字板、5 時字、6 日窓、7 指針、8 竜頭、9 風防、10 胴、11 裏蓋、12 ムーブメント、20 光透過性基板、21 光透過性反射板、21a 点状変形痕、22 艶消し層、22a 拡散剤、23 光透過性有色層、30 太陽電池、40 中枠、41 第1嵌合部、42 第2嵌合部、50 拡大領域、60 第1の入射光、60a 第1の反射光、60b 第2の反射光、60c 第5の反射光、60d 第6の反射光、61 第2の入射光、61a 第3の反射光、61b 第4の反射光、61c 第7の反射光、61d 第8の反射光。

Claims (5)

  1. 太陽電池と、
    前記太陽電池の表側に配置され、耐熱温度が60℃以下である熱可塑性樹脂で形成され、表側に艶消し層が形成される光透過性反射板と、
    前記光透過性反射板の表側に配置される光透過性基板と、
    を備える太陽電池付き時計。
  2. 前記艶消し層は、光透過性媒質に拡散剤を混合した材料で形成され、前記拡散剤の前記光透過性媒質に対する重量比は、8%以上である
    請求項1に記載の太陽電池付き時計。
  3. 前記光透過性反射板と前記艶消し層との間に、光透過性有色層をさらに備える
    請求項1又は2に記載の太陽電池付き時計。
  4. 前記太陽電池と、前記光透過性反射板とは、互いに押圧された状態で固定される
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池付き時計。
  5. 太陽電池と、前記太陽電池の表側に重ねて配置され、耐熱温度が60℃以下である熱可塑性樹脂で形成される光透過性反射板とを備える文字板において、
    前記太陽電池の表側の面に形成された突起によって、前記光透過性反射板に形成される変形痕を隠す方法であって、
    表側に艶消し層を形成した前記光透過性反射板を、光透過性基板の裏側に重ねて配置し、
    前記光透過性基板を前記光透過性反射板と一体にして固定する
    変形痕を隠す方法。
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