JP2016089110A - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】十分なナーリング効果を確保しつつも、フィルム幅方向両端部に形成するナーリング加工領域の幅を狭くすることができるナーリング加工熱可塑性樹脂フィルム、及びそれを巻回してなるフィルムロールを提供する。
【解決手段】少なくとも一方の面における幅方向端部に凹凸付与領域を有する長尺の熱可塑性樹脂フィルムであって、凹凸付与領域は熱可塑性樹脂フィルムの長手方向において非連続に配置される複数の凹凸単位を含み、凹凸単位は、線状の凹部と、その周縁に設けられ、凹凸付与領域以外のフィルム面よりも突出している凸部とで構成されており、凹部の長さが2mm以上である熱可塑性樹脂フィルム、及びそれを巻回してなるフィルムロールである。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムに関し、詳しくは幅方向端部に凹凸付与領域を有する熱可塑性樹脂フィルムに関する。また、この熱可塑性樹脂フィルムを巻回してなるフィルムロール、及びこの熱可塑性樹脂フィルムを保護フィルムとした偏光板にも関する。
光学フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムは通常、長尺(帯状)物として製造され、得られた長尺状のフィルムは、取扱性の観点から、巻芯に巻き取ったフィルムロールの状態で保管されたり、あるいは輸送されたりする。
フィルムロールにおける巻きズレや巻き緩み、フィルムの厚みムラに起因して発生する帯状の凹凸欠陥(ゲージバンド)、フィルムの巻き重ねにより生じるフィルム同士のブロッキングやフィルム表面の引っ掻き傷等の不具合を抑制するために、フィルムの巻き取り前に、幅方向端部に凹凸を設けるナーリング加工を施すことが知られている(例えば、特許文献1〜6)。
特開2012−118238号公報 特開2011−143710号公報 特開2010−221620号公報 特開2009−040964号公報 特開2007−070514号公報 特開平10−244587号公報
ナーリング加工による上記不具合を抑制する効果(以下、ナーリング効果ともいう。)は、ナーリング凸部の高さ、及びナーリング凸部とその上に巻き重ねられるフィルム表面との接触面積に依存することがわかっており、これら2つのパラメータを適切な範囲で制御することが重要である。しかし、例えば上記接触面積を大きくしてナーリング効果を高めるために、フィルム幅方向端部に形成する凹凸付与領域(ナーリング加工領域)の幅を広くすると、そもそも凹凸付与領域は製品としては使用できない領域であるので、フィルムの有効幅(使用可能な幅)が低減してしまう。フィルムの歩留まり向上のためには、凹凸付与領域の幅はできるだけ狭いことが望ましい。
そこで本発明は、十分なナーリング効果を確保しつつも、フィルム幅方向端部に形成する凹凸付与領域(ナーリング加工領域)の幅を狭くすることができるナーリング加工熱可塑性樹脂フィルム、及びそれを巻回してなるフィルムロールの提供を目的とする。
本発明は、以下に示す熱可塑性樹脂フィルム及びフィルムロールを提供する。
[1] 少なくとも一方の面における幅方向端部に凹凸付与領域を有する長尺の熱可塑性樹脂フィルムであって、
前記凹凸付与領域は、前記熱可塑性樹脂フィルムの長手方向において非連続に配置される複数の凹凸単位を含み、
前記凹凸単位は、線状の凹部と、その周縁に設けられ、前記凹凸付与領域以外のフィルム面よりも突出している凸部とで構成されており、
前記凹部の長さは、2mm以上である、熱可塑性樹脂フィルム。
[2] 前記凹部は、直線部分を含む、[1]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[3] 前記凹凸単位は、レーザー光の照射により形成されたものである、[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[4] 前記凹部は、任意の対称線に関して非対称な形状を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[5] 前記凹凸付与領域以外のフィルム面を基準とする前記凸部の高さが1〜20μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[6] 前記凹凸付与領域の幅が、片端部あたり1〜20mmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを巻回してなるフィルムロール。
[8] 長尺の偏光フィルムと、その少なくとも一方の面上に積層される[1]〜[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムと、を含む、偏光板。
[9] 前記熱可塑性樹脂フィルムの幅は、前記偏光フィルムの幅よりも大きく、
前記熱可塑性樹脂フィルムにおける前記凹凸付与領域以外の領域に前記偏光フィルムが積層される、[8]に記載の偏光板。
[10] [8]又は[9]に記載の偏光板を巻回してなる偏光板ロール。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム及びフィルムロールによれば、十分なナーリング効果と凹凸付与領域(ナーリング加工領域)の狭幅化とを両立させることができる。当該効果は、換言すれば、凹凸付与領域の幅が従来と同等である場合、ナーリング効果を高めることができることを意味する。
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの一例を一部拡大して示す概略上面図である。 図1に示される熱可塑性樹脂フィルムが有する凹凸単位を拡大して示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 凹凸単位の他の一例を示す概略上面図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの他の一例を一部拡大して示す概略上面図である。 本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの他の一例を一部拡大して示す概略上面図である。
<熱可塑性樹脂フィルム>
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの一例を一部拡大して示す概略上面図である図1を参照して、本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムは、その少なくとも一方の面(主面)における幅方向端部、通常は両端部に凹凸付与領域(ナーリング加工領域)Aを有する長尺のフィルムである。凹凸付与領域Aは、熱可塑性樹脂フィルムの両面に設けられていてもよい。凹凸付与領域Aは、複数の凹凸単位10が配置されている領域であり、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムの長手方向において凹凸単位10の複数は、互いに接点を持たず非連続に配置される。熱可塑性樹脂フィルムの幅方向においても凹凸単位10の複数を非連続に配置してもよい。
図2を併せ参照して、図1に示される熱可塑性樹脂フィルム1について詳細に説明すると、この例において個々の凹凸単位10は直線形状を有しており、その直線方向が熱可塑性樹脂フィルム1の幅方向と平行になるように配置されている。凹凸単位10は、直線状の凹部20と、凹部20の周縁に設けられる凸部30とで構成されている。凸部30は、凹凸付与領域A以外のフィルム面よりも突出している部分であり、ナーリング効果を発揮する部分である。
図1及び図2の例のように本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムは、フィルム長手方向において非連続に配置される複数の凹凸単位10を含む凹凸付与領域Aを有し、凹凸単位10は、例えば直線状であってもよい線状の凹部20と、凹部20の周縁に設けられる凸部30とで構成される。そしてさらに、図2を参照して、凹部20の長さLは2mm以上とされる。
凹部20の長さLを2mm以上にすることにより、凹凸付与領域Aの面積が同じであっても、例えば特許文献1に記載のナーリング加工のように小サイズの凹凸単位を数多く形成する場合に比べて、凹凸単位10とその上に巻き重ねられるフィルム表面との接触面積を大きくすることができるので、ナーリング効果を高めることができる。換言すれば、同程度のナーリング効果を確保したうえで、凹凸付与領域Aの面積、従って凹凸付与領域Aの幅を狭くすることができる。
凹凸付与領域Aにおける凹凸単位10の数密度は特に限定されないが、1000個/cm2以下であることが好ましく、200個/cm2以下であることがより好ましい。1000個/cm2を超えると、凹凸付与領域Aでの破断が発生し易くなる場合がある。本発明においては個々の凹凸単位10を長くすることによって接触面積を増大を実現しているので、必ずしも凹凸付与領域Aにおける凹凸単位10の数密度を大きくする必要がない。本発明において当該数密度は、凹凸付与領域A 1cm2あたり、例えば1〜9個程度であってもよい。
上記接触面積を増大させる観点から、凹部20の長さLは、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは4mm以上である。一方、凹凸付与領域Aの狭幅化の観点から、長さLは、10mm以下とすることが好ましく、8mm以下とすることがより好ましい。なお、凹部20の長さLとは、凹部20の長手方向における一端と他端とを、凹部20に沿って結ぶ行程距離をいい、ルーペや光学顕微鏡などの観察手段などによって測定される。
凹凸付与領域A以外の領域のフィルム面を基準とする凸部30の高さは、1〜20μm程度であることができる。上述のようにナーリング効果は凸部30の高さに依存し、高さを大きくすればナーリング効果も大きくなる傾向にあるが、本発明によれば個々の凹部20(凹凸単位10)を特定形状にすることによってナーリング効果を高めることができるので、ナーリング効果を高めるために凸部30を高くする必要が必ずしもなく、凸部30の高さは15μm以下、さらには10μm以下であってもよい。また凹凸単位10は、レーザー光の照射によって容易に形成することができるが、この方法により凸部30を高くしようとすると、レーザーの出力を高くする必要がある。この場合、ヒュームの発生量が多くなってフィルムへの異物付着といった不具合を生じるおそれがある。従って、凸部30を極度に高くすることよりもむしろ、接触面積を増大させることによりナーリング効果を高めることが好ましい。
一方、凸部30があまりに低いとナーリング効果の発現自体が困難になるため、凸部30の高さは1μm以上とすることが好ましく、3μm以上とすることがより好ましく、5μm以上とすることがさらに好ましい。
なお、凸部30の高さは、当該凸部におけるフィルム厚みと、上記基準となるフィルム面でのフィルム厚みとを、例えば(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH−15M」のような膜厚計を用いて測定し、これらの差を算出することによって求めることができる。
線状の凹部20と、凹部20の周縁に設けられる凸部30とで構成される凹凸単位10は、レーザー光の照射によって容易に形成することができる。すなわち、図2に示される軌跡40のように、熱可塑性樹脂フィルム1の表面に、線状にレーザー光をあてることによって、レーザー光照射部が凹部20となり、レーザー光照射部の周縁が盛り上がることにより凸部30となった形状(凹凸単位10)を付与することができる。凸部30の高さ及び凹部20の幅はそれぞれ、レーザー光の出力及び集光径の調整によって制御できる。レーザー光照射部(凹部20)において、溶融による貫通穴が形成されてもよいが、フィルム強度を考慮すると、貫通しない程度の出力でレーザー光を照射することが好ましい。
レーザー光としては、例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー、YAGレーザー;YLF、YVO4等の固体レーザー;Ti:Sレーザー;半導体レーザー;ファイバーレーザー;炭酸ガスレーザー等を用いることができる。
レーザー光の集光径は、凹部20の幅に応じて適宜設定され得る。従って、集光径を調節することにより、凹部20の幅の制御が可能になる。集光径は、100〜500μmであることが好ましく、200〜300μmであることがより好ましい。集光径が100μm未満であると、凹部20のピッチ間隔が大きくなり過ぎて、ナーリング効果が低減する場合がある。また、集光径が500μmを超えると、凹凸付与領域Aでの破断が発生し易くなる場合がある。
個々の凹部20(凹凸単位10)を特定形状にする本発明によれば、上述のように、十分なナーリング効果を確保したうえで、凹凸付与領域Aの幅を狭くすることができる。凹凸付与領域Aの幅は、具体的には、片端部あたり20mm以下とすることができ、さらに15mm以下、なおさらに13mm以下とすることもできる。一方、凹凸付与領域Aの幅は、凹凸単位10の形成を可能とするために、通常1mm以上であり、好ましく2mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7mm以上である。凹凸付与領域Aの幅とは、フィルム幅方向端面から、最もフィルム内側に位置する凹凸単位10の内側端までの距離である。凹凸付与領域Aの幅Wは、熱可塑性樹脂フィルム1の全幅に対し1〜5%の範囲内であることが好ましく、1〜2%の範囲内であることがより好ましい。1%未満であると、凹凸付与領域Aの幅が狭すぎるために、ナーリング効果が低減する場合がある。また、5%を超えると、光学特性を発揮させる有効部分が狭くなり、製造コストが上昇する場合がある。なお、熱可塑性樹脂フィルム1の全幅は、通常300〜2500mm程度であり、より典型的には500〜2000mm程度である。
次に、凹凸単位10の形状についてより詳細に説明する。凹凸単位10の形状は、線状の凹部20とその周縁に設けられる凸部30とで構成され、凹部20の長さLが2mm以上である限り、図2に示されるような直線形状に限定されず、また、個々の凹凸単位10を凹凸付与領域A内に配置する際の配向(向き)も、図1に示されるようなフィルム幅方向に対して平行な方向に限定されない。上記「線状」とは、連続した線分であることを意味し、直線状のみを意味するものではなく、例えば曲線状や、直線部分及び/又は曲線部分を含む折れ曲がり形状であってもよい。凹凸単位10を上からみたときの形状は、直線状のほか、円弧状のような曲線状、記号や文字形状、又はこれらの組み合わせ等であり得る。
図面を参照して、凹凸単位10が有し得る図1以外の他の形状例を挙げると、図3(半円弧状)、図4(折れ曲がり状)、図5(波状)、図6(折れ曲がり状)及び図7(複数回折れ曲がり状)に示される凹凸単位はいずれも一画からなるものであり、直線部分及び/又は曲線部分を含んでいる。各図(後述の図8〜19についても同様。)における矢印は、図2と同様、レーザー光の軌跡を表す。また図3〜図7に示される凹凸単位はいずれも、凹部20が交差点(十字路のようになっている部分)を有しておらず、また凹部20の一端と他端とが離れており、末端開放型である。
図8(六角形状)、図9(四角形状)及び図10(三角形状)に示される凹凸単位もまた、一画からなり、凹部20は交差点を有していないが、凹部20の一端と他端とが連結されており、末端閉鎖型である点で図3〜図7とは異なっている。
図11及び図12に示される凹凸単位は、一画かつ末端開放型で、凹部20が交差点を有する例である。図13(8字形状)及び図14(ハート形状)に示される凹凸単位は、一画かつ末端閉鎖型で、凹部20が交差点を有する例である。一方、図15〜図19に示される凹凸単位はいずれも多画かつ末端開放型であり、図15〜17は凹部20が交差点を有しない例、図18〜19は凹部20が交差点を有する例である。
凹凸単位10の端部や折れ曲がり部分は、図2〜図19に示される凹凸単位の多くがそうであるように丸みを帯びていてもよいし、角度を有する角部として構成されていてもよい。また、凹凸付与領域Aに含まれる凹凸単位10はすべて同じ形状であってもよいし、形状の異なる2種以上の凹凸単位10が含まれていてもよい。
次に、凹凸付与領域Aにおける複数の凹凸単位10の配置態様について説明する。図1に示されるように複数の凹凸単位10は、熱可塑性樹脂フィルム1の長手方向において非連続に配置される。ナーリング加工を施したフィルムロール製品は、保管倉庫の状態により外気温の影響を常に受ける。ナーリング加工を施したことにより、巻き重ねられたフィルム間に一定の空気層を保持しているフィルムロールにおいては、外気温の変化に応じて空気層が膨張・収縮する。この体積変化は製品品質に悪影響を及ぼし得るため極力抑制されることが望ましいが、フィルム長手方向に配列された複数の凹凸単位10が非連続であると、フィルムロール側面からの空気の流出入が可能となるため、上記体積変化を効果的に抑制することができる。同様の効果が、飛行機によるフィルムロール製品輸送時等における気圧変化の場合にも期待できる。
熱可塑性樹脂フィルム1の長手方向に沿って配置される複数の凹凸単位10は、上述した空気の流出入の観点からは、ある一定の間隔で周期的に配列されていてもよいしランダムな間隔で配列されてもよいが、フィルム巻き取りの安定性の観点からは、周期的に配置されることが好ましい。周期的に配列される複数の凹凸単位10とランダムな間隔で配列される複数の凹凸単位10と組み合わせて、フィルム長手方向に沿って複数の凹凸単位10を配置してもよい。
凹凸付与領域Aは、図1に示されるように、熱可塑性樹脂フィルム1の長手方向に配列される凹凸単位群を、フィルム幅方向に2列以上含んでいてもよい。この場合、上述した空気の流出入の観点からは、それぞれの凹凸単位群において複数の凹凸単位10は、フィルム長手方向において非連続に配置されることが好ましい。2列以上の凹凸単位群は、これらを構成する凹凸単位10の形状が同じであってもよいし異なっていてもよい。フィルム長手方向に配置される複数の凹凸単位10の周期性(ランダム性)についても同じであってもよいし異なっていてもよい。1つの凹凸単位群を構成する凹凸単位10と他の凹凸単位群を構成する凹凸単位10とは、フィルム長手方向に関して同じ位置に配置されていてもよいし、例えば千鳥状のようにずらした形で異なる位置に配置されてもよい。上記2列以上の凹凸単位群もまた、互いに非連続に配置されることが好ましい。
なお、上記においては、図15〜図17に示される凹凸単位を、多画かつ交差点を有しない1つの凹凸単位として取り扱ったが、フィルム長手方向又は幅方向に配列された2つの凹凸単位とみなすこともできる。
凹凸付与領域A全体をみたとき、凹凸単位10の数密度に疎密があってもよいが、フィルム巻き取りの安定性の観点からは、均一又は略均一な数密度を有することが好ましい。
上述のように、個々の凹凸単位10を凹凸付与領域A内に配置する際の凹凸単位10の配向(向き)は特に制限されないが、例えば図20に示されるように、ある任意の対称線に関して非対称な形状を有する凹部20を持った凹凸単位10を、上記対称線がフィルム幅方向と平行又は略平行になるような配向(向き)で配置すれば、凹凸単位10を目印として熱可塑性樹脂フィルム2の前後の向きを判別することが容易となる。また図21に示されるように、凹凸単位10を、上記対称線がフィルム長手方向と平行又は略平行になるような配向(向き)で配置すれば、凹凸単位10を目印として熱可塑性樹脂フィルム3の左右の向きを判別することが容易となる。熱可塑性樹脂フィルムの片面にのみ凹凸付与領域Aを形成すれば、当該フィルムの裏表の判別が容易となる。なお、図20及び図21はそれぞれ図3及び図10に示される凹凸単位を用いた例である。
熱可塑性樹脂フィルムの一方の端部に設けられる凹凸付与領域Aと他方の端部に設けられる凹凸付与領域Aとの間、あるいは熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に設けられる凹凸付与領域Aと他方の面に設けられる凹凸付与領域Aとの間で、凹凸単位10の形状や配列パターン等を異ならせることもできる。
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの好適な適用例は、光学フィルムである。光学フィルムとは、光学装置の部材として用いられるなど、光学用途に用いられるフィルムをいう。光学装置としては、液晶表示装置や有機EL表示装置等を挙げることができる。中でも、本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムは、偏光板の構成部材の1つである保護フィルム(偏光フィルム用の保護フィルム)、位相差フィルム、偏光フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルム、集光フィルム、反射フィルム、防眩フィルム等であることが好ましく、保護フィルム、位相差フィルムであることがより好ましい。
例えば保護フィルムや位相差フィルムのような光学フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。
位相差フィルムにおいては、熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与される。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。
ポリエステル系樹脂はエステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としてはジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしてはジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなる。ポリカーボネート系樹脂は、ポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムは、溶融押出法、溶剤キャスト法のような公知の方法により熱可塑性樹脂をフィルム化し、幅方向端部、通常は両端部に凹凸付与領域Aを設けることによって得ることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤のような添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、通常100μm以下であり、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、強度及び取扱性の観点から、通常5μm以上である。熱可塑性樹脂フィルムの長さは通常、数百m〜8000m程度であり、より典型的には1500〜4000m程度である。
熱可塑性樹脂フィルムは、長尺物として連続生産され、凹凸付与領域Aが形成された後、通常は巻芯に巻回される。熱可塑性樹脂フィルムを巻回してなる本発明のフィルムロールは、良好なナーリング効果を示すことができるとともに、狭幅化された凹凸付与領域Aを有することができるため、有効幅(使用可能な幅)を大きくすることができる。
<偏光板>
本発明に係る偏光板は、長尺の偏光フィルムと、その少なくとも一方の面上に積層される上で説明した長尺の熱可塑性樹脂フィルムとを含むものである。この場合、熱可塑性樹脂フィルムは、上述した保護フィルムであることができ、あるいは位相差フィルムであってもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、偏光フィルムの片面に積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。両面に積層される場合においては、少なくとも一方の熱可塑性樹脂フィルムが上記本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムであればよいが、両方の熱可塑性樹脂フィルムが本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムであってもよい。また、一方の熱可塑性樹脂フィルムが本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムである場合、他方の熱可塑性樹脂フィルムは、凹凸付与領域Aを有していなくてもよい。
偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させ、所定の偏光特性が得られるようにしたものである。二色性色素として典型的には、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。すなわち、偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向しているヨウ素系偏光フィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性有機染料が吸着配向している染料系偏光フィルムがであってもよい。
偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルや、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体として、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等も使用することができる。
偏光フィルムは例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水中に浸漬することにより水分を調整する調湿工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素を含む溶液中で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、ホウ酸処理後、表面に付着している遊離のホウ酸等を洗い落とす水洗工程、及び水洗後に乾燥する工程を経て、製造される。
一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理前やホウ酸処理中に行ってもよい。これら複数の段階で一軸延伸してもよい。一軸延伸は、周速の異なるロール間で行ってもよいし、熱ロールを用いて行ってもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、水や溶剤中で膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。一軸延伸と染色が施され、さらにホウ酸処理、水洗及び乾燥が施されて得られるポリビニルアルコール系偏光フィルムは、その厚さを例えば、約1〜50μm程度とすることができるが、好ましくは10〜35μmである。
熱可塑性樹脂フィルムは通常、接着剤を用いて偏光フィルムに積層貼合される。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等の水系接着剤を用いることができる。水系接着剤は通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。
また接着剤として、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂等を接着剤成分とする硬化型接着剤を用いることもできる。硬化型接着剤は、紫外硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等であることができる。好ましく用いられる接着剤の一つは、無溶剤型の接着剤である。無溶剤型の接着剤は、有意量の溶剤を含まず、加熱又は活性エネルギー線(例えば、紫外線、可視光、電子線、X線等)の照射により反応硬化する硬化性成分(モノマー又はオリゴマー)を含み、当該硬化性成分の硬化により接着剤層を形成するものであり、典型的には、加熱や活性エネルギー線の照射により反応硬化する硬化性成分と、重合開始剤とを含んで構成される。無溶剤型接着剤のなかでは、反応性の観点から、カチオン重合で硬化するものが好ましい。
偏光フィルム及び熱可塑性樹脂フィルムの少なくともいずれか一方に接着剤を塗工し、両フィルムを貼り合わせることにより偏光板を得ることができる。フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。塗工する方法に特別な限定はなく、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。また、硬化型接着剤を用いる場合、各塗工方式には各々最適な粘度範囲があるため、少量の溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このために用いる溶剤は、偏光フィルムの光学性能を低下させることなく、硬化型接着剤を良好に溶解するものであればよく、例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤が使用できる。
フィルムの貼り合わせに先立って、偏光フィルム21及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの貼合面には、コロナ放電処理のような、物理的又は物理化学的な易接着処理を施しておくことが好ましい。易接着処理を施すことにより、偏光フィルムとその片面又は両面に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとの接着力を高めることができる。コロナ放電処理とは、電極間に高電圧をかけて放電し、電極間に配置された樹脂フィルムを活性化する処理である。コロナ放電処理の効果は、電極の種類、電極間隔、電圧、湿度、使用する樹脂フィルムの種類等によっても異なるが、例えば、電極間隔を1〜5mm程度、移動速度を3〜20m/分程度に設定することが好ましい。易接着処理を施した場合は、その処理面を貼合面として、接着剤を介して偏光フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとが貼り合わされる。
水系接着剤を用いる場合には、貼り合わせ後、乾燥処理を実施する。乾燥後の接着剤層の厚みは、通常30〜1000nm程度である。硬化型接着剤を用いる場合には、必要に応じて乾燥処理を実施した後、活性エネルギー線を照射するか、又は加熱することにより、接着剤層を硬化させ、熱可塑性樹脂フィルムを偏光フィルム上に固着させる。活性エネルギー線の照射により硬化させる場合、好ましくは紫外線が用いられる。具体的な紫外線光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。活性エネルギー線、例えば紫外線の照射強度や照射量は、重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や偏光フィルム、熱可塑性樹脂フィルムに悪影響を与えないように適宜選択される。また、加熱により硬化させる場合は、一般的に知られた方法で加熱することができ、そのときの温度や時間も、重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や偏光フィルム、熱可塑性樹脂フィルムに悪影響を与えないように適宜選択される。
偏光板において、偏光フィルムの幅と熱可塑性樹脂フィルムの幅とは、同じであってもよいし、熱可塑性樹脂フィルムの幅が偏光フィルムの幅より狭くてもよいが、通常は、熱可塑性樹脂フィルムの幅を偏光フィルムの幅よりも広くする。これにより、偏光フィルムを有効に保護することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの幅を偏光フィルムの幅よりも広くする場合、熱可塑性樹脂フィルムにおける凹凸付与領域A以外の領域に偏光フィルムが積層されるように両フィルムを貼合することが好ましい。凹凸付与領域Aは、偏光板として有効には使用できない領域であるところ、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの使用によれば、この凹凸付与領域Aを狭くできるので、上記のように貼合することで、有効に使用できない凹凸付与領域Aに偏光フィルムが重なることを防止して、偏光板として使用できる面積を大きくすることができる。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの使用によれば、同じ幅を有する他の熱可塑性樹脂フィルムを使用する場合と比較して、偏光板としての有効幅を広くすることができる。
本発明の偏光板は長尺物であり、通常はこれを巻芯に巻回して偏光板ロールとして提供される。本発明の偏光板ロールは、本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムを用いているため、巻きズレや巻き緩み、ゲージバンド、ブロッキング、引っ掻き傷等の不具合を抑制して良好なナーリング効果を示すことができるとともに、上述のとおり、有効幅を大きくすることができる。
1,2,3 熱可塑性樹脂フィルム、10 凹凸単位、20 凹部、30 凸部、40 レーザー光の軌跡、A 凹凸付与領域。

Claims (10)

  1. 少なくとも一方の面における幅方向端部に凹凸付与領域を有する長尺の熱可塑性樹脂フィルムであって、
    前記凹凸付与領域は、前記熱可塑性樹脂フィルムの長手方向において非連続に配置される複数の凹凸単位を含み、
    前記凹凸単位は、線状の凹部と、その周縁に設けられ、前記凹凸付与領域以外のフィルム面よりも突出している凸部とで構成されており、
    前記凹部の長さは、2mm以上である、熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 前記凹部は、直線部分を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 前記凹凸単位は、レーザー光の照射により形成されたものである、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 前記凹部は、任意の対称線に関して非対称な形状を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 前記凹凸付与領域以外のフィルム面を基準とする前記凸部の高さが1〜20μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  6. 前記凹凸付与領域の幅が、片端部あたり1〜20mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルムを巻回してなるフィルムロール。
  8. 長尺の偏光フィルムと、その少なくとも一方の面上に積層される請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂フィルムと、を含む、偏光板。
  9. 前記熱可塑性樹脂フィルムの幅は、前記偏光フィルムの幅よりも大きく、
    前記熱可塑性樹脂フィルムにおける前記凹凸付与領域以外の領域に前記偏光フィルムが積層される、請求項8に記載の偏光板。
  10. 請求項8又は9に記載の偏光板を巻回してなる偏光板ロール。
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