JP2016089095A - 燃料油及びその製造方法 - Google Patents

燃料油及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016089095A
JP2016089095A JP2014227168A JP2014227168A JP2016089095A JP 2016089095 A JP2016089095 A JP 2016089095A JP 2014227168 A JP2014227168 A JP 2014227168A JP 2014227168 A JP2014227168 A JP 2014227168A JP 2016089095 A JP2016089095 A JP 2016089095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fuel oil
derived
raw material
zeolite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014227168A
Other languages
English (en)
Inventor
透 高塚
Toru Takatsuka
透 高塚
晴久 太田
Haruhisa Ota
晴久 太田
五百里 嶋田
Iori Shimada
五百里 嶋田
鈴木 健吾
Kengo Suzuki
健吾 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinshu University NUC
Euglena Co Ltd
Original Assignee
Shinshu University NUC
Euglena Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinshu University NUC, Euglena Co Ltd filed Critical Shinshu University NUC
Priority to JP2014227168A priority Critical patent/JP2016089095A/ja
Publication of JP2016089095A publication Critical patent/JP2016089095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P30/00Technologies relating to oil refining and petrochemical industry
    • Y02P30/20Technologies relating to oil refining and petrochemical industry using bio-feedstock

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる燃料油及び燃料油の製造方法を提供する。【解決手段】原料油を流動接触分解反応により分解して化学品を製造する燃料油の製造方法であって、前記流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、前記原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、燃料油及びその製造方法に関するものである。
近年、石油等の化石資源の枯渇が懸念されていることや、エネルギー需要が増大していることを背景として、代替資源の開発が求められており、例えば、植物等のバイオマスを原料として、石油に代替する輸送用燃料の合成手法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の含酸素化合物の流動接触分解法は、石油から誘導された原料とともに、バイオマス由来の原料を同時に供給して流動接触分解反応させることにより、オレフィン、芳香族化合物、ガス等を含有する化学品を製造する方法である。
しかしながら、特許文献1に記載の流動接触分解法により、オレフィン、芳香族化合物、ガス等を含有する化学品を製造することはできるが、製造された化学品における三環以上の多環芳香族化合物の含有割合が高い場合、このような化学品を例えばジェット燃料として用いることができないという問題があった。
特表2010−500464号公報
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、バイオマス由来の原料を用いて製造された化学品において、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる燃料油及び燃料油の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料油の製造方法は、原料油を流動接触分解反応により分解して燃料油を製造する燃料油の製造方法であって、前記流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、前記原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂であることを特徴とする。
本発明の燃料油の製造方法においては、前記原料油が、ココヤシの種子由来のココナッツ油、アブラヤシの種子由来のパーム核油、ババスヤシの種子由来のババス油及びアブラヤシの種子由来のパーム油を分別したパームステアリンのうちの少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の燃料油の製造方法においては、前記原料油が、ユーグレナ由来のワックスエステルであることが好ましい。
本発明の燃料油の製造方法においては、前記ゼオライトがFAU型ゼオライトを含んで構成されていることが好ましい。
本発明の化学品の製造方法においては、前記ゼオライトが、FAU型ゼオライトと、MFI型ゼオライト及びBEA型ゼオライトの少なくとも一方と、を含んで構成されていることが好ましい。
本発明の燃料油は、本発明の燃料油の製造方法で製造されたことを特徴とする。
本発明の燃料油は、ジェットエンジン、ディーゼルエンジンに用いられる燃料とすることができる。
本発明の燃料油の製造方法によれば、流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂であることから、流動接触分解反応において容易にカルベニウムイオンが生成し難くなり、環化反応が進行し難くなることから、多環芳香族化合物の生成が少なくなる。従って、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる。
一方、本発明の燃料油は、本発明の燃料油の製造方法で製造されていることから、多環芳香族化合物の生成が少なくなるため、単環芳香族化合物を主体とする炭素数が10−15の炭化水素化合物を得ることができる。
[燃料油の製造方法]
本発明の燃料油の製造方法は、原料油を流動接触分解反応により分解して燃料油を製造する燃料油の製造方法であって、前記流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、前記原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂であることを特徴とする。
本発明の燃料油の製造方法は、石油化学品が原料として用いられる製品の原料として用いることができ、具体的には、航空機のジェットエンジンや自動車等のディーゼルエンジン等の燃料及び燃料油基材、オレフィン原料等に適用することができる。また、プロピレンや炭素数が5−10の炭化水素化合物等の副生成物を自動車等のガソリンエンジン等の燃料及び燃料油基材、BTX及びオレフィン等の化学品原料として用いることができる。
本発明における原料油は、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂を用いることができる。なお、本発明において、「飽和脂肪酸エステルを主体とする」の記載は、油脂に含まれる脂肪酸エステルのうち、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、不飽和脂肪酸である化合物よりも飽和脂肪酸である化合物の割合が高い油脂であることを示す。また、本発明に用いる原料油には、生物由来の油脂に含まれる飽和脂肪酸エステルの割合がおよそ6割以上の油脂を用いることができ、8割以上の油脂が好ましく、9割以上の油脂がより好ましい。具体的には、原料油が、ココヤシ由来のココナッツ油、アブラヤシの種子由来のパーム核油、ババスの種子由来のババス油及びアブラヤシの種子由来のパーム油を分別したパームステアリンのうちの少なくとも1種であることが好ましく、ユーグレナ由来のワックスエステルであることがより好ましい。
本発明におけるユーグレナ由来のワックスエステルは、光合成微生物であるユーグレナ(Euglena)を培養して得られた細胞より抽出することにより得ることができ、既存の方法(例えば、特開2011−246605号公報に記載の方法)を用いて製造することができる。ユーグレナ由来のワックスエステルは、炭素数24〜32程度の直鎖状の飽和脂肪酸エステルを主成分とし、炭素数14(C14)のミリスチン酸と炭素数14(C14)のミリスチルアルコールとのエステルである炭素数28(C28)のミリスチルミリステートが主成分である。
流動接触分解反応とは、石油精製技術の一つであり、FCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスとも称される。流動接触分解反応は、反応系(原料油分解及び触媒再生)と分解生成物の分離精製系の二つに大別される。前記反応系において、原料油は、350℃〜600℃程度(好ましくは、490℃〜540℃)の温度において、微粉状固体酸触媒と接触して分解される。まず、固体酸触媒上の活性点である酸点において、中間体であるカルベニウムイオンを経てオレフィンが生成される。さらに、環化反応や水素移行反応が進行することにより、芳香族化合物が生成される。この原料油分解反応において触媒上にはコークが生成されるため、反応後の触媒は、再生塔において500℃〜800℃程度(好ましくは、650℃〜780℃)の高温で燃焼されてコークが除去されることにより再生される。また、触媒の活性を一定に保つために、再生された触媒の一部が抜き出され、新しい触媒が補給される。以上のようにして流動接触分解反応の反応系が進行する。
本発明の流動接触分解反応には、触媒としてゼオライトが用いられる。また、前記流動接触分解反応に用いるゼオライトは、細孔の大きさや細孔内における触媒活性のある酸点の密度を考慮して、FAU型ゼオライトを含むことが好ましく、FAU型ゼオライトと、MFI型ゼオライト及びBEA型ゼオライトの少なくとも一方と、を含むことがより好ましい。なお、FAU型ゼオライト、MFI型ゼオライト、BEA型ゼオライトにおけるFAU型、MFI型、BEA型とは、国際ゼオライト学会により分類されたゼオライト骨格構造の構造コードを示す。なお、本発明の燃料油の製造方法において、得られた燃料油中に二環芳香族化合物や多環芳香族化合物が含まれていてもよく、許容できる含有割合は、得られた燃料油が使用される目的により適宜設定される。
燃料油の製造方法において、前記流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、前記原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂であることにより、多環芳香族化合物の生成が少なくなり、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる。すなわち、ゼオライト細孔内の酸点で反応が進行する場合、オレフィンが生成され、さらに環化反応が進行して生成される多環芳香族化合物は立体障害により生成反応が規制される。不飽和脂肪酸エステルは、カルベニウムイオンが生成されやすいため、立体障害のないゼオライト細孔外の活性が弱い酸点においても反応が進行しやすく、多環芳香族化合物の生成反応が進行してしまい、製造された化学品における多環芳香族化合物の割合が高くなってしまう。一方、飽和脂肪酸エステルは、活性が弱いゼオライト細孔外の酸点では反応が進行し難いため、多環芳香族化合物が生成され難く、製造された化学品における多環芳香族化合物の割合を低くすることができる。
また、原料油として、ココヤシの種子由来のココナッツ油、アブラヤシの種子由来のパーム核油、ババスヤシの種子由来のババス油及びアブラヤシの種子由来のパーム油を分別したパームステアリンのうちの少なくとも1種を用いることにより、流動接触分解反応において容易にカルベニウムイオンが生成し難くなり、環化反応が進行し難くなることから、多環芳香族化合物の生成が少なくなり、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる。
また、原料油として、ユーグレナ由来のワックスエステルを用いることにより、ワックスエステルは飽和脂肪酸エステルを主体とすることから、流動接触分解反応において容易にカルベニウムイオンが生成し難くなり、環化反応が進行し難くなることから、多環芳香族化合物の生成が少なくなり、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる。また、ユーグレナ由来のワックスエステルは、直鎖状の飽和脂肪酸エステルを主体とすることから、立体障害が少なく、ゼオライトの細孔に拡散しやすくなり、より効率的に流動接触分解反応をさせることができる。このことから、飽和脂肪酸エステルを主体とする油脂でも、炭素数が10−15の炭化水素化合物を効率よく製造できる。以上のことから、ユーグレナ由来のワックスエステルを用いることにより、炭素数が10−15の炭化水素化合物を効率よく製造でき、かつ、炭素数が10−15の炭化水素化合物のうち単環芳香族化合物を効率よく製造することができる。
また、本発明の流動接触分解反応の触媒が、触媒活性のある酸点の密度が比較的高いFAU型ゼオライト含んで構成されることから、接触分解反応を効率よく進行させることができる。
また、本発明の流動接触分解反応の触媒として、FAU型ゼオライトと、MFI型ゼオライト及びBEA型ゼオライトの少なくとも一方と、を用いることにより、単環構造を有する化合物の割合を高くすることができる。すなわち、流動接触分解反応の触媒は、再生されて何度も用いられるため、本来のゼオライトの細孔よりも細孔の大きさが大きくなったメゾポアが形成されている。このことから、流動接触分解反応の触媒としてFAU型ゼオライトのみを用いた場合に比べて、FAU型ゼオライトよりも細孔の大きさが小さいMFI型ゼオライト又はBEA型ゼオライトを併用することにより、生成される芳香族化合物における単環芳香族化合物の割合を高くすることができる。
[燃料油]
本発明の燃料油は、本発明の燃料油の製造方法で製造されたことを特徴とする。また、燃料油は、石油化学品が原料として用いられる製品の原料として用いることができ、具体的には、航空機のジェットエンジンや自動車等のディーゼルエンジン等の燃料及び燃料油基材、オレフィン原料等に適用することができる。また、プロピレンや炭素数が5−10の炭化水素化合物等の副生成物を自動車等のガソリンエンジン等の燃料及び燃料油基材、BTX及びオレフィン等の化学品原料として用いることができる。
本発明の燃料油は、本発明の燃料油の製造方法で製造されることから、多環芳香族化合物の生成が少なくなるため、単環芳香族化合物を主体とする炭素数が10−15の炭化水素化合物を得ることができる。
また、本発明の燃料油は、単環芳香族化合物を主体とする炭素数が10−15の炭化水素化合物であることから、ジェットエンジンやディーゼルエンジンの燃料として好適に用いることができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、触媒としてFAU型ゼオライトを含有するFCC触媒がFCC装置内で平衡化されたFCC平衡触媒(E−Cat)を用いた。FCC触媒はFAU型ゼオライト、バインダー(シリカゾル、アルミナゾル)、フィラー(カオリンなどの粘土鉱物)から構成される。特に、FCC装置内において、原料中の不純物(メタルなど)の蓄積や触媒再生時の高温水熱処理を繰り返すことで劣化が進行したFCC触媒はFCC平衡触媒と呼ばれ、使用前のFCC触媒と比較して触媒活性が十分に低下している。
<流動接触分解反応>
流動接触分解反応には、マイクロ型FCC特定検定装置(株式会社大倉理研製)を用いた。まず、反応管内に原料を供給しての触媒と接触させて450℃において分解反応を進行させた。次に、分解反応による生成物を冷却して回収し、各生成物の成分をGC−FID(ガスクロマトグラフGC−2014、島津製作所株式会社製)により分析して、炭素数10−15の炭化水素成分の原料油に対する質量収率(C10−15成分収率)(%)、炭素数10−15の炭化水素成分における各化合物の割合(%)を算出した。
本実施例においては、原料油としてココナッツ油(食用やし油、金田商事株式会社製)を用いて、FCC平衡触媒を用いた流動接触分解反応を行った。反応条件、C10−15成分収率及び炭素数10−15の炭化水素成分における各化合物の割合は表1に示した通りである。
(実施例2)
実施例1の工程において、原料油をココナッツ油からユーグレナ由来のワックスエステルに代えたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行った。反応条件、C10−15成分収率及び炭素数10−15の炭化水素成分における各化合物の割合は表1に示した通りである。
(比較例1)
実施例1の工程において、原料油をココナッツ油からヒマワリ種子由来のヒマワリ油(食用ひまわり油(ハイオレイック)、昭和産業株式会社製)に代えたこと以外は、全て実施例1と同様の操作を行った。反応条件、C10−15成分収率及び炭素数10−15の炭化水素成分における各化合物の割合は表1に示した通りである。なお、本実施例のヒマワリ油は、不飽和脂肪酸エステルを主体とする油脂であり、具体的には、不飽和脂肪酸であるオレイン酸のトリグリセリド体を約80%、不飽和脂肪酸であるリノール酸のトリグリセリド体を約10%含有する油脂である。
Figure 2016089095
ココナッツ油を原料油とする実施例1においては、炭素数10−15の炭化水素成分収率が4.06%、そのうち、単環芳香族化合物が36.5%、多環芳香族化合物が19.2%含有されていた。ユーグレナワックスエステルを原料油とする実施例2においては、炭素数10−15の炭化水素成分収率が12.7%、そのうち、単環芳香族化合物が40.0%、多環芳香族化合物が30.5%含有されていた。また、ヒマワリ油を原料油とする比較例1においては、炭素数10−15の炭化水素成分収率が15.9%、そのうち、単環芳香族化合物が30.3%、多環芳香族化合物が50.9%含有されていた。
<結果の考察>
以上の結果より、本発明の例示的態様である実施例1、2の燃料油においては、比較例1の燃料油に比べて、炭素数10−15の炭化水素成分における単環芳香族化合物の含有割合が高く、かつ、多環芳香族化合物の含有割合が低いことから、単環芳香族化合物を効率よく生成することができた。また、実施例1よりも実施例2において、炭素数10−15の炭化水素成分を効率よく生成することができることが示された。
(実施例3)
実施例1の工程において、流動接触分解反応に用いた原料油及び平衡触媒以外は、全て実施例1と同様の操作を行った。本実施例では、FAU型ゼオライトを含有するFCC触媒とMFI型ゼオライトとを混合したものを触媒として用いた。MFI型ゼオライトはテトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製)10.9g、シリカ(CX−200、東ソー・シリカ株式会社製)62.7g、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)25.5gを原料に用いて、50℃で24時間、180℃で48時間水熱処理を施し、洗浄、乾燥後に550℃で3時間焼成することにより調製した。さらに、調製したMFI型ゼオライト8.1gをアルミナゾル(カタロイドAP−1、日揮触媒化成株式会社製)8.7g及びFCC触媒43.2gと混合・成型することで触媒とした。MFI型ゼオライトとFCC触媒を混合成型して調製した触媒を石英管内に充填し、100%水蒸気雰囲気下800℃で12時間処理を施して擬平衡化した。この擬平衡化処理はFCC触媒がFCC装置内で劣化し平衡化するのを模擬したものであり、この処理を施した擬平衡化触媒を用いることにより、FCC装置内での反応を模擬的に示すことができる。さらに、原料油としてココナッツ油(食用やし油、金田商事株式会社製)1.33g、調製した擬平衡化触媒4.02gを用いて流動接触分解反応を行った。本実施例においては、原料油の質量と、生成物における単環芳香族化合物の質量及び多環芳香族化合物の質量と、を用いて、単環芳香族化合物の収率及び多環芳香族化合物の収率をそれぞれ算出した。
(実施例4)
実施例3の工程において、触媒としてMFI型ゼオライトを原料として調製した擬平衡触媒を用いたこと以外は、全て実施例3と同様の操作を行った。MFI型ゼオライトは、実施例3に記載の方法と同じ方法により調製した。調製したMFI型ゼオライト12.8g、アルミナゾル(カタロイドAP−1、日揮触媒化成株式会社製)13.4g及びカオリン(Fisher Scientific社製)33.6gを混合・成型することで触媒とした。触媒の擬平衡化処理は実施例3に記載の方法と同じ方法で行った。本実施例においては、原料油としてココナッツ油(食用やし油、金田商事株式会社製)1.33g、調製した擬平衡化触媒4.02gを用いて流動接触分解反応を行った。
<結果及び考察>
実施例3においては、単環芳香族化合物の収率が13.0%、多環芳香族化合物の収率が10.2%であった。また、実施例4においては、単環芳香族化合物の収率が4.1%であり、多環芳香族化合物の収率が7.6%であった。以上の評価結果より、本発明の例示的態様である実施例3,4においては、単環芳香族化合物を効率よく製造することができることが示された。また、触媒としてFAU型ゼオライト及びMFI型ゼオライトを併用することにより、単環芳香族化合物をより効率よく製造することができることが示された。

Claims (7)

  1. 原料油を流動接触分解反応により分解して燃料油を製造する燃料油の製造方法であって、
    前記流動接触分解反応における触媒がゼオライトであり、
    前記原料油が、飽和脂肪酸エステルを主体とする生物由来の油脂である
    ことを特徴とする燃料油の製造方法。
  2. 前記原料油が、ココヤシの種子由来のココナッツ油、アブラヤシの種子由来のパーム核油、ババスヤシの種子由来のババス油及びアブラヤシの種子由来のパーム油を分別したパームステアリンのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の燃料油の製造方法。
  3. 前記原料油が、ユーグレナ由来のワックスエステルであることを特徴とする請求項1に記載の燃料油の製造方法。
  4. 前記ゼオライトがFAU型ゼオライトを含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料油の製造方法。
  5. 前記ゼオライトが、FAU型ゼオライトと、MFI型ゼオライト及びBEA型ゼオライトの少なくとも一方と、を含んで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料油の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とする燃料油。
  7. 前記燃料油が、ジェットエンジン、ディーゼルエンジンに用いられる燃料であることを特徴とする請求項6に記載の燃料油。
JP2014227168A 2014-11-07 2014-11-07 燃料油及びその製造方法 Pending JP2016089095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014227168A JP2016089095A (ja) 2014-11-07 2014-11-07 燃料油及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014227168A JP2016089095A (ja) 2014-11-07 2014-11-07 燃料油及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016089095A true JP2016089095A (ja) 2016-05-23

Family

ID=56018801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014227168A Pending JP2016089095A (ja) 2014-11-07 2014-11-07 燃料油及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016089095A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2806584C1 (ru) * 2023-02-22 2023-11-01 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Ордена Трудового Красного Знамени Институт нефтехимического синтеза им. А.В. Топчиева Российской академии наук (ИНХС РАН) Способ гидроконверсии рапсового масла

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153925A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon Oil Corp 流動接触分解を用いたバイオマスの処理方法
JP2007153939A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon Oil Corp 液化燃料ガス組成物
JP2007177193A (ja) * 2005-11-30 2007-07-12 Nippon Oil Corp 流動接触分解を用いたバイオマスの処理方法
JP2010505994A (ja) * 2006-10-05 2010-02-25 ユーオーピー エルエルシー バイオリニューアブル供給原料からのオレフィンの製造
JP2010539300A (ja) * 2007-09-18 2010-12-16 サファイア エナジー,インコーポレイティド 炭化水素原料を精製する方法
WO2011024997A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 航空燃料油組成物
WO2011025002A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 航空燃料油基材の製造方法及び航空燃料油組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153925A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon Oil Corp 流動接触分解を用いたバイオマスの処理方法
JP2007153939A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon Oil Corp 液化燃料ガス組成物
JP2007177193A (ja) * 2005-11-30 2007-07-12 Nippon Oil Corp 流動接触分解を用いたバイオマスの処理方法
JP2010505994A (ja) * 2006-10-05 2010-02-25 ユーオーピー エルエルシー バイオリニューアブル供給原料からのオレフィンの製造
JP2010539300A (ja) * 2007-09-18 2010-12-16 サファイア エナジー,インコーポレイティド 炭化水素原料を精製する方法
WO2011024997A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 航空燃料油組成物
WO2011025002A1 (ja) * 2009-08-31 2011-03-03 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 航空燃料油基材の製造方法及び航空燃料油組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2806584C1 (ru) * 2023-02-22 2023-11-01 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Ордена Трудового Красного Знамени Институт нефтехимического синтеза им. А.В. Топчиева Российской академии наук (ИНХС РАН) Способ гидроконверсии рапсового масла
RU2806584C9 (ru) * 2023-02-22 2024-01-19 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Ордена Трудового Красного Знамени Институт нефтехимического синтеза им. А.В. Топчиева Российской академии наук (ИНХС РАН) Способ гидроконверсии рапсового масла

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107001217B (zh) 用于生物材料的酮化的方法
KR101673597B1 (ko) 니켈 및 몰리브덴에 기초한 촉매를 사용하며, 탈카르복실화 전환이 제한되는, 재생 가능한 공급원으로부터 유래하는 공급물의 수소화탈산소화 방법
JP5317644B2 (ja) 航空燃料油基材の製造方法
US8324439B2 (en) Method of converting feedstocks from renewable sources to good-quality diesel fuel bases using a zeolite type catalyst
US20090326290A1 (en) Method of converting feedstocks from renewable sources to good-quality diesel fuel bases using a zeolite catalyst without intermediate gas-liquid separation
KR20110097931A (ko) 제올라이트 표면적/기질 표면적의 비가 높은 촉매를 사용하는 바이오공급물의 분해 방법
CN109575978A (zh) 一种生物油脂的加工方法
CA2593277A1 (en) Method for the manufacture of hydrocarbons
BRPI0811661B1 (pt) Processo de hidrotratamento de uma alimentação líquida e processos de hidrodesoxigenação de um recurso renovável
Wang et al. Kaolin-based catalyst as a triglyceride FCC upgrading catalyst with high deoxygenation, mild cracking, and low dehydrogenation performances
JP5435856B2 (ja) 接触分解方法
KR20100075841A (ko) 생물학적 연료를 제조하기 위한 에너지 효율적인 방법
CN101423451A (zh) 一种从生物油脂制取低碳烯烃和芳烃的催化转化方法
JP2008050359A (ja) 球状ボールの形状を呈するマクロ細孔質触媒の存在下でのプロピレン生成方法
JP2009019175A (ja) 炭化水素油の製造方法
Widayat et al. Synthesis H-Zeolite catalyst by impregnation KI/KIO3 and performance test catalyst for biodiesel production
Bala et al. Production of renewable aviation fuel range alkanes from algae oil
JP2016089095A (ja) 燃料油及びその製造方法
WO2023126563A1 (en) A method for producing renewable c3-c8 hydrocarbons
ES2820840T3 (es) Un método de obtención de biohidrocarburos líquidos a partir de aceites de origen natural
Banga et al. Optimization of parameters for purification of jatropha curcas based biodiesel using organic adsorbents
JP2011519344A (ja) バイオマスから短鎖カルボン酸とエステルを生産する方法並びにその生成物
JP2008169355A (ja) 液体燃料の製造方法
FI130374B (en) Process for producing renewable C3 hydrocarbons and renewable aromatic hydrocarbons
JP7530097B2 (ja) 液体炭化水素燃料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170818

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180326

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181030