JP2016089007A - 焼結含油軸受用潤滑油組成物 - Google Patents

焼結含油軸受用潤滑油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016089007A
JP2016089007A JP2014223978A JP2014223978A JP2016089007A JP 2016089007 A JP2016089007 A JP 2016089007A JP 2014223978 A JP2014223978 A JP 2014223978A JP 2014223978 A JP2014223978 A JP 2014223978A JP 2016089007 A JP2016089007 A JP 2016089007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
amine
oil composition
content
impregnated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014223978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6358563B2 (ja
Inventor
大 小山内
Dai Osanai
大 小山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Klueber Co Ltd
Original Assignee
Nok Klueber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Klueber Co Ltd filed Critical Nok Klueber Co Ltd
Priority to JP2014223978A priority Critical patent/JP6358563B2/ja
Priority to TW104135989A priority patent/TWI579373B/zh
Priority to CN201510740629.4A priority patent/CN105567381B/zh
Publication of JP2016089007A publication Critical patent/JP2016089007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6358563B2 publication Critical patent/JP6358563B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】低摩擦特性、優れた耐摩耗特性を有するとともに、優れた酸化防止特性を有する焼結含油軸受用潤滑油組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る焼結含油軸受用潤滑油組成物は、基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩を含む焼結含油軸受用潤滑油組成物であって、前記アミン系酸化防止剤の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.1〜2.9重量%であり、かつ、前記モリブデン酸アミン塩の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.025〜9.0重量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、焼結含油軸受用の潤滑油組成物に関する。
鉄鋼、自動車、精密機械、一般機械等の様々な産業分野において、潤滑油による潤滑性は省エネルギーの点で重要性を増している。近年、潤滑油に対する要求は複雑かつ高度になってきている。具体的には、1種類の潤滑油で、潤滑性を向上させるだけでなく、金属や樹脂等のさまざまな部材との安定性も向上させるという要求が大きくなっている。
例えば、焼結含油軸受は、複数の金属材料の粉末を焼き固め、生成させた無数の油孔に含浸油を含浸させて使用する軸受である。軸受の材質は主に鉄および銅からなり、さらに複数の金属から構成される。これらの金属成分と含浸させた含浸油とが、非常に大きな表面積で接触する。金属成分は触媒として働き、含浸油の酸化劣化を促進する作用がある。含浸油の酸化劣化によって、油量不足やスラッジ発生が引き起こされ、さらには油孔のつまりが引き起こされる場合がある。このような状態では金属同士の接触が起こりやすくなり、ノイズやトルクの増大が生じる。このため、含浸油の酸化防止特性を高めることが重要な課題となっている。
また、焼結含油軸受に含浸される含浸油は、低摩擦特性、優れた耐摩耗特性等、潤滑油としての機能も併せ持つ必要がある。
特許文献1には、合成炭化水素油をベースとし、リン酸エステルと多価アルコール脂肪酸エステルを含有させ、良好な金属相性および樹脂相性、ならびに耐摩耗特性および低摩擦特性を兼ね備えた潤滑油組成物が提案されている。しかしながら、酸化防止特性については、不十分であった。
特許第4946868号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、低摩擦特性、優れた耐摩耗特性を有するとともに、優れた酸化防止特性を有する焼結含油軸受用潤滑油組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の焼結含油軸受用潤滑油組成物を提供する。
(1)基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩を含む焼結含油軸受用潤滑油組成物であって、前記アミン系酸化防止剤の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.1〜2.9重量%であり、かつ、前記モリブデン酸アミン塩の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.025〜9.0重量%であることを特徴とする焼結含油軸受用潤滑油組成物。
(2)前記アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミンであることを特徴とする、(1)に記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
(3)前記アミン系酸化防止剤の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.5〜2.5重量%であり、かつ、前記モリブデン酸アミン塩の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.125〜5重量%であること特徴とする、(1)又は(2)に記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
(4)前記モリブデン酸アミン塩は、モリブデン酸と炭素数6〜24のアルキルアミンとから形成される塩であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
本発明に係る焼結含油軸受用潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤とモリブデン酸アミン塩との相乗効果により、酸化防止特性を大きく向上させることができる。また、本発明に係る焼結含油軸受用潤滑油組成物は、低温時にも析出することなく、かつ、粘度が上昇することなく、潤滑油としての機能を発揮することができる。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。
本発明に係る潤滑油組成物は、基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩を含む。
本発明において、基油としては特に限定されないが、例えば、合成炭化水素油、鉱油等が挙げられる。これらの基油は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは混合して用いてもよい。合成炭化水素油としては、例えば、ポリα−オレフィン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が挙げられる。これらの合成炭化水素油は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
合成炭化水素油の動粘度(40℃)は、1〜1000mm/sであることが好ましい。
本発明において、アミン系酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、フェノチアジン、アルキル化-α-ナフチルアミン、アルキル化フェノチアジンが挙げられる。この中でも、特にアルキル化ジフェニルアミンが好ましい。アルキル化ジフェニルアミンとしては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン;p,p’−ジブチルジフェニルアミン、p,p’−ジペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジヘキシルジフェニルアミン、p,p’−ジヘプチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのテトラアルキルジフェニルアミンが挙げられる。
潤滑油組成物におけるアミン系酸化防止剤の含有量は、0.1〜2.9重量%であり、より好ましくは、0.5〜2.5重量%である。アミン系酸化防止剤の含有量が0.1重量%未満であると、酸化安定性の効果が得られない。一方、アミン系酸化防止剤の含有量が2.9重量%を超えると、低温環境下でアミン系酸化防止剤の基油への溶解性が低下し、アミン系酸化防止剤が溶解しきれず析出するおそれがある。アミン系酸化防止剤が析出することによって焼結軸受の孔が詰まり、オイルが出にくくなり、その結果潤滑性が落ちる。
本発明において、モリブデン酸アミン塩としては特に限定されないが、例えば、モリブデン酸と炭素数6〜24のアルキルアミンとから形成される塩である。アルキルアミンとしては、具体的に、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、イソノニルアミン、デシルアミン、イソデシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、イソドデシルアミン、トリデシルアミン、イソトリデシルアミン、テトラデシルアミンなどの一級アルキルアミン;ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジトリデシルアミンなどの二級アルキルアミンが挙げられる。この中でも、特に二級アルキルアミンが好ましい。
潤滑油組成物におけるモリブデン酸アミン塩の含有量は、0.025〜9.0重量%であり、より好ましくは、0.125〜5重量%である。モリブデン酸アミン塩の含有量が0.025重量%未満であると、酸化安定性の効果が得られない。一方、モリブデン酸アミン塩の含有量が9.0重量%を超えると、低温時に粘度が上昇するおそれがある。粘度が高いと焼結軸受に含浸された油が出にくくなり、起動時に金属が接触しやすくなる恐れがある。
本発明に係る潤滑油組成物には、基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩以外に、エステル油、リン酸エステル、および多価アルコールの脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を、目的が損なわれない範囲で適宜添加することができる。
エステル油としては、例えば、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、芳香族エステル、炭酸エステルが挙げられ、特にジエステルが好ましい。ジエステルは、二塩基酸とアルコールとから合成される化合物である。二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの炭素数4〜8の二塩基酸が挙げられ、アルコールとしては、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、イソトリデカノール、イソステアリルアルコールなどの炭素数8〜20のアルコールが挙げられる。ジエステルは、具体的に、アジピン酸ジトリデシルであることが好ましい。潤滑油組成物におけるエステル油の含有量は、3〜10重量%であることが好ましい。
リン酸エステルとしては、特に芳香族リン酸エステルが好ましい。芳香族リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジブロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェートが挙げられる。潤滑油組成物におけるリン酸エステルの含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましい。
多価アルコールの脂肪酸エステルは、多価アルコールと脂肪酸とから合成される化合物である。多価アルコールとしては、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビタンが挙げられ、脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。具体的に、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステルが特に好ましい。潤滑油組成物における多価アルコールの脂肪酸エステルの含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましい。
また、本発明に係る潤滑油組成物には、さらに、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、金属不活性化剤などが含まれていてもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がより好ましく、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、アルキルホスファイト類、アルキルアリールホスファイト類およびアリールホスファイト類が挙げられ、この中でアリールホスファイト類がより好ましい。アリールホスファイト類としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが挙げられる。
金属不活性化剤としては、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミンなどのトリアゾール類、N,N−ビス(2−エチルへキシル)−(4又は5)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミンなどのベンゾトリアゾール類、2,5−ジアルキルメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどのチアジアゾール類が挙げられる。
本発明に係る潤滑油組成物は、基油に、アミン系酸化防止剤、モリブデン酸アミン塩および必要な添加剤を所定量配合し、3本ロールミルまたは高圧ホモジナイザーで十分に混練することにより得られる。混練に用いられる3本ロールミルとしては、一般に油圧式のものが用いられる。
本発明に係る潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤とモリブデン酸アミン塩を含有し、これらの相乗効果によって、優れた酸化防止特性を有する。特に、鉄の存在下で酸化防止特性を大きく向上させることができる。焼結含油軸受は、複数の金属材料の粉末を焼き固め、生成させた無数の油孔に潤滑油を含浸させて使用する軸受であるため、複数の金属成分と含浸油とが非常に大きな表面積で接触することになり、一般に酸化劣化しやすい。本発明に係る潤滑油組成物は、低摩擦特性、優れた耐摩耗特性を有するとともに、優れた酸化防止特性を有するため、焼結含油軸受に対して好適に使用することができる。
また、本発明に係る潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.1〜2.9重量%であり、かつ、モリブデン酸アミン塩の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.025〜9.0重量%であるため、低温時にも析出することなく、かつ、粘度が上昇することなく、潤滑油としての機能を発揮することができる。
以下、本発明を、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)試料油の調製方法
以下の各成分を使用し、表1及び表2で示す配合量(重量%)で攪拌機により混合することにより、潤滑油組成物(試料油)を調製した。
合成炭化水素油:ポリ−α−オレフィン(DURASYN168(イネオス社製)、40℃粘度:46mm/s)
アミン系酸化防止剤:オクチル化ジフェニルアミン(ノクラックAD−F(大内新興化学社製))
モリブデン酸アミン塩:モリブデン酸とジトリデシルアミンとから形成される塩(サクラルーブ700(ADEKA社製)の含有量25重量%)
フェノール系酸化防止剤:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(SONGNOX1076PW(SONGWONG社製))
リン系酸化防止剤:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(Irganox168(BASF社製))
リン酸エステル:トリクレジルホスフェート(TCP(大八化学社製))
多価アルコールの脂肪酸エステル:ソルビタントリオレエート(エマゾールO−30V(花王社製))
鉱油:(サクラルーブ700(ADEKA社製)の含有量45重量%)
ポリオレフィンアミドアルケンアミン:(サクラルーブ700(ADEKA社製)の含有量30重量%)
(2)評価方法
(2−1)酸化防止特性
φ37のアルミ皿に試料油0.3g、鉄粉0.3gを採取し、均一になるように混合した。アルミ皿を140℃の恒温槽に入れ、24時間経過するごとに混合物の重量を測定し、蒸発損失率を算出した。蒸発損失率が50%を初めて超えたときの時間を、表1に示す。
150時間以上である場合には○、150時間未満である場合には×と評価した。
(2−2)低温特性(溶解性)
20mlスクリュー管に試料油10ml採取しスクリュー管を−5℃の恒温槽に入れ、1週間静置させた。1週間経過後に析出の有無を目視で観察した。析出がない場合には○、析出がある場合には×とした。
(2−3)低温特性(粘度)
Anton Paar社製粘弾性測定装置を用いて、試料油の見掛け粘度を測定した。φ25、コーン角度1°のコーンプレートを用い、温度−40℃の条件下、剪断速度0s−1から350S−1まで180秒で上昇させ、シェアレートが300s−1のときのせん断粘度を見掛け粘度とした。軸受トルクの上昇を抑えるため、見掛け粘度が25000mPa・s以下である場合には○、25000mPa・sを超える場合には×と評価した。
(3)評価結果
各潤滑油組成物の酸化防止特性および低温特性(溶解性)に関する評価結果を、表1および表2に示し、低温特性(粘度)に関する評価結果を表3に示す。
表1より、実施例1〜5では、基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩を含み、アミン系酸化防止剤の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.1〜2.9重量%であり、かつ、モリブデン酸アミン塩の含有量が潤滑油組成物全体に対して0.025〜9.0重量%であるため、酸化防止特性および低温特性(溶解性)に優れていることが分かった。
一方、表2に示すように、比較例1、2、8では、アミン系酸化防止剤が含まれていないため、酸化防止特性に劣ることが分かった。比較例3、6、7では、モリブデン酸アミン塩が含まれていないため、酸化防止特性に劣ることが分かった。比較例4、5では、アミン系酸化防止剤の含有量が多いため、低温で析出することが分かった。表3に示すように、比較例9では、モリブデン酸アミン塩の含有量が多いため、低温で粘度が上昇することが分かった。
本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油としての基本性能が優れており、かつ、優れた酸化防止特性を有することから、焼結含油軸受に適用するだけでなく、種々の産業分野における機器・部品等に適用することができる。
具体的には、転がり軸受、すべり軸受、その他軸受、チェーン、ブッシュ、金属加工用部品等の潤滑性が要求される部品が挙げられる。また、ギヤ、バルブ、コック、オイルシール、電気接点部分等の摺動部(固体間接触部)の潤滑及び保護を目的としても使用することができる。
より詳細には、次のような各種機器・機械・装置の各種部位に好適に適用することができる。
自動車では、電動ラジエータファンモータ、ファンカップリング、電制EGR、電子制御スロットバルブ、オルタネータ、アイドラプーリ、電動ブレーキ、ハブユニット、ウォーターポンプ、パワーウィンドウ、スライドドア、ワイパ、電動パワーステアリング等の潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受又はギヤ;自動変速機用コントロールスイッチ、レバーコントロールスイッチ、プッシュスイッチ等の潤滑性が要求される電気接点部分;ビスカスカップリングのXリング部分、排気ブレーキのOリング等の潤滑性が要求されるゴムシール部分;ヘッドライト、シート、ABS、ドアロック、ドアヒンジ、クラッチブースタ、2分割フライホイール、ウィンドレギュレータ、ボールジョイント、クラッチブースタ等の潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受、ギヤ又は摺動部が挙げられる。
事務用機器では、複写機、レーザービームプリンタ等の定着ロール、定着ベルトの潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受、樹脂フィルムの摺動部又はギヤが挙げられる。
樹脂製造装置では、フィルムテンター、フィルムラミネータ、バンバリーミキサの潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受、ピン、オイルシール又はギヤが挙げられる。
製紙装置では、コルゲートマシンの潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受、ピン、オイルシール、ギヤ又はチェーンが挙げられる。
木材加工装置では、コンチプレスの潤滑性が要求される転がり軸受、すべり軸受、ピン、オイル、ギヤ又はチェーンが挙げられる。
食品用機械では、パン焼器、オーブン等のリニアガイドの潤滑性が要求される転がり軸受が挙げられる。
工作機械では、スピンドル、サボモータの潤滑性が要求される転がり軸受又はすべり軸受が挙げられる。
半導体製造装置、液晶製造装置、電子顕微鏡では、真空ポンプの転がり軸受、ギヤが挙げられ、電子制御装置では、遮断機の転がり軸受が挙げられる。
家電・情報機器では、パソコンの冷却ファン、掃除機、洗濯機等の転がり軸受、すべり軸受又はオイルシール等が挙げられる。
また、時計、カメラ、携帯電話等携帯機器、精密機器部品、屋外で使用される建設機械、電動工具、チェーンソー、遮断機、リミットスイッチ等に使用される各部品にも適用することができる。

Claims (4)

  1. 基油、アミン系酸化防止剤およびモリブデン酸アミン塩を含む焼結含油軸受用潤滑油組成物であって、
    前記アミン系酸化防止剤の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.1〜2.9重量%であり、かつ、前記モリブデン酸アミン塩の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.025〜9.0重量%であることを特徴とする焼結含油軸受用潤滑油組成物。
  2. 前記アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミンであることを特徴とする、請求項1に記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
  3. 前記アミン系酸化防止剤の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.5〜2.5重量%であり、かつ、前記モリブデン酸アミン塩の含有量は潤滑油組成物全体に対して0.125〜5重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
  4. 前記モリブデン酸アミン塩は、モリブデン酸と炭素数6〜24のアルキルアミンとから形成される塩であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の焼結含油軸受用潤滑油組成物。
JP2014223978A 2014-11-04 2014-11-04 焼結含油軸受用潤滑油組成物 Active JP6358563B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014223978A JP6358563B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 焼結含油軸受用潤滑油組成物
TW104135989A TWI579373B (zh) 2014-11-04 2015-11-02 A lubricating oil composition for sintering an oil bearing
CN201510740629.4A CN105567381B (zh) 2014-11-04 2015-11-04 烧结含油轴承用润滑油组合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014223978A JP6358563B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 焼結含油軸受用潤滑油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089007A true JP2016089007A (ja) 2016-05-23
JP6358563B2 JP6358563B2 (ja) 2018-07-18

Family

ID=55878019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014223978A Active JP6358563B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 焼結含油軸受用潤滑油組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6358563B2 (ja)
CN (1) CN105567381B (ja)
TW (1) TWI579373B (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001734A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Nok Kluber Kk 潤滑油組成物
JP2008056876A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Idemitsu Kosan Co Ltd 内燃機関用潤滑油組成物
JP2008255273A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Nok Kluber Kk 潤滑油組成物
JP2010060118A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp 焼結含油軸受
WO2014136973A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 出光興産株式会社 潤滑油組成物

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3282838A (en) * 1960-05-10 1966-11-01 Texaco Inc Petroleum liquids containing amine salts of molybdic acid
WO2004072498A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. 焼結含油軸受
ES2380691T3 (es) * 2003-04-22 2012-05-17 R.T. Vanderbilt Company, Inc. Composiciones de aceite lubricante que comprenden wolframato de di-tridecilamonio
JP2007137951A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物、軸受油及びそれを用いた軸受
JP4946868B2 (ja) * 2006-05-16 2012-06-06 Nokクリューバー株式会社 潤滑油組成物
US9677024B2 (en) * 2012-06-06 2017-06-13 Vanderbilt Chemicals, Llc Fuel efficient lubricating oils
SG11201505109QA (en) * 2012-12-27 2015-08-28 Jx Nippon Oil & Energy Corp System lubricant composition for crosshead diesel engines
CN103319539B (zh) * 2013-05-31 2016-06-01 太平洋联合(北京)石油化工有限公司 一种油溶性非硫磷有机钼化合物、其制备方法及应用
CN103497806A (zh) * 2013-08-29 2014-01-08 中国石油化工股份有限公司 一种浸油轴承润滑脂组合物及制备方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001734A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Nok Kluber Kk 潤滑油組成物
JP2008056876A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Idemitsu Kosan Co Ltd 内燃機関用潤滑油組成物
JP2008255273A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Nok Kluber Kk 潤滑油組成物
JP2010060118A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp 焼結含油軸受
WO2014136973A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 出光興産株式会社 潤滑油組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CN105567381A (zh) 2016-05-11
TW201627492A (zh) 2016-08-01
CN105567381B (zh) 2019-04-30
JP6358563B2 (ja) 2018-07-18
TWI579373B (zh) 2017-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5450935B2 (ja) グリース組成物
KR101931511B1 (ko) 식품 산업용 고온 윤활제
JP4946868B2 (ja) 潤滑油組成物
DE112009005504B4 (de) Verwendung einer fluorhaltigen Diamid-Verbindung als Rostschutzzusatz einer Schmiermittelzusammensetzung
CN107406791B (zh) 高温润滑剂
JP5188248B2 (ja) グリース組成物およびそのグリース組成物を用いた直動装置
JP5672631B2 (ja) 潤滑油組成物
JP2018168356A (ja) 潤滑油組成物及びその製造方法
US11905484B2 (en) Fullerene-containing lubricating oil composition and method for producing same
KR20130118936A (ko) 그리스 조성물
JP6799585B2 (ja) 潤滑油組成物及びそれを使用した精密減速機
JP2006182923A (ja) 潤滑グリース組成物
JP2012102157A (ja) 潤滑剤組成物
JP5141079B2 (ja) 潤滑油組成物
JP2008274190A (ja) ギヤ油組成物
JP2007145899A (ja) 軸受油組成物
JP6358563B2 (ja) 焼結含油軸受用潤滑油組成物
EP2873718A1 (en) Lubricating oil composition
JP4942443B2 (ja) 潤滑油組成物
JP6218127B2 (ja) 潤滑剤組成物
JP6857985B2 (ja) リチウム複合石けん系グリース組成物
JP2008001734A (ja) 潤滑油組成物
JP2005330328A (ja) オイル性能の改善方法
CN111684055A (zh) 润滑脂组合物
WO2017171020A1 (ja) 潤滑油組成物及びそれを使用した精密減速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6358563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180610

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250