JP2016088155A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御部にかかる負荷を低減することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。【解決手段】マイコン21は、電流指令値演算部23と、補償制御部24と、モータ制御信号出力部28とを有している。補償制御部24は、各センサを通じて入力される車速Vおよび回転角θに基づいて、制御パラメータ(たとえばPI値)を更新する。補償制御部24は、車速Vの前回値と車速Vの今回値の差分値を演算する差分演算部25と、回転角θから操舵速度ωを計算する操舵速度演算部26と、車速の該差分値と操舵速度ωとに基づきPI値を判定するPI切換え判定部27とを有している。PI切換え判定部27は、差分演算部25により演算される差分値dV、および操舵速度演算部26により演算される操舵速度ωを用いてPI値を切り替えるか否かを判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置(EPS)は、検出される操舵トルクに基づいてモータを駆動することにより、車両の操舵をアシストする。アシスト力を付与するモータは、実際に供給される電流が目標の電流値へ到達するようにPI制御が行われている。PI制御の応答性を高めることにより、速やかにアシスト力を付与することや、良好な操舵フィーリングを実現することができる。しかし、PI制御の応答性を高めると、ブレーキ操作を行った際に発生するブレーキ振動まで運転者のハンドル操作と同様にアシストしてしまうため、ハンドル側へ振動が伝わりやすくなる。
そこで、たとえば特許文献1のEPSでは、ブレーキ時にPI制御の応答性を低くすることで、操舵フィーリングを犠牲にしてでもブレーキ振動を抑制することが行われている。
しかし、特許文献1のEPSでは、操舵トルク、操舵角速度、車速、操舵トルク信号の周波数などの様々な指標に基づいて、PI制御の応答性を切換える契機となるブレーキの判定を行っている。このため、PI制御の応答性を変えるか否かを判定するための演算が複雑である。したがって、制御部の演算負荷が大きく、予めマッピングすることも困難である。
本発明の目的は、制御部の演算負荷を低減することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成しうる電動パワーステアリング装置の制御装置は、操舵を補助するアシスト力の発生源であるモータと、前記モータに対する給電をフィードバック制御する制御部と、を有している。前記制御部は、ブレーキ操作の有無を判定し、ブレーキ操作が行われている旨判定されるとき、前記フィードバック制御を実行する際のフィードバックゲインを通常用の第1のフィードバックゲインからブレーキ振動抑制用の第2のフィードバックゲインに変更する。
この構成によれば、ブレーキ操作の有無を判定して、ブレーキ操作が有りのときのみ第1のフィードバックゲインからブレーキ振動抑制用の第2のフィードバックゲインへと変更する。これによって、フィードバック制御の応答性を変化させることができるため、制御系の振動特性(共振周波数など)を変更することができ、ブレーキ振動がハンドルへと伝達する特性を変化させることができる。ブレーキ操作の有無を判定して、ブレーキ操作が行われている旨判定されたときは、フィードバックゲインへと切り替えるのみであるため、制御部の演算負荷は軽減される。
上記電動パワーステアリングの制御装置は、前記制御部は、一定のサンプリング周期で車速を取り込み、当該車速の前回値と今回値との差分値を演算し、前記車速の差分値が一定値以上負の方向へ変化した場合にブレーキ操作が行われていると判定することが好ましい。
この構成によれば、簡単な演算によってブレーキの有無を判定することができるため、制御部の負荷を軽減することができる。急ブレーキ時には、特にブレーキ振動によるハンドルの振動が懸念される。このため、振動抑制する意義がある。
上記電動パワーステアリングの制御装置において、前記第2のフィードバックゲインは、前記第1のフィードバックゲインよりも小さな値に設定されることが好ましい。
この構成によれば、ブレーキ時には、通常時よりも小さなフィードバックゲインに設定されるため、フィードバック制御の応答性を低くすることができる。このため、通常時は操舵フィーリングの高い状態に設定し、ブレーキ時はフィードバック制御の応答性を低くして、ブレーキ振動がハンドルへ伝達されることを抑制できる。
この構成によれば、ブレーキ時には、通常時よりも小さなフィードバックゲインに設定されるため、フィードバック制御の応答性を低くすることができる。このため、通常時は操舵フィーリングの高い状態に設定し、ブレーキ時はフィードバック制御の応答性を低くして、ブレーキ振動がハンドルへ伝達されることを抑制できる。
上記電動パワーステアリングの制御装置において、前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、復帰条件を満足した場合、前記フィードバック制御を実行する際のフィードバックゲインを前記第1のフィードバックゲインへ戻すことが好ましい。
上記電動パワーステアリングの制御装置において、前記復帰条件は、前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、一定時間だけ経過することを含む電動パワーステアリング装置の制御装置。
これらの構成によれば、たとえば一定時間の経過などの一定の復帰条件を達成した場合には、第1のフィードバックゲインに戻すことによって、通常時の操舵フィーリングの高い状態に戻すことができる。
上記電動パワーステアリングの制御装置において、前記復帰条件は、前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、操舵速度が閾値以下であることを含むことが好ましい。
この構成によれば、第1のフィードバックゲインへと戻すステップが操舵中に行われることにより、操舵中に操舵フィーリングが変わることを抑制することができる。すなわち、第1のフィードバックゲインへと戻すステップは直進中(操舵なし)などに行われる。
本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、制御部にかかる負荷を低減することができる。
以下、制御装置を車両の電動パワーステアリング装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1は、操舵機構(図示しない)にアシスト力を付与するモータ13、および車載される各種センサの検出結果に基づきモータ13を制御するECU20を有している。モータ13としては、たとえば3相ブラシレスモータが採用される。また、各種のセンサとしては、車両の操舵機構に加えられる操舵トルクτを検出するトルクセンサ10と、車両の走行速度(車速)Vを検出する車速センサ11と、モータ13の回転角θを検出する回転角センサ12とを含む。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1は、操舵機構(図示しない)にアシスト力を付与するモータ13、および車載される各種センサの検出結果に基づきモータ13を制御するECU20を有している。モータ13としては、たとえば3相ブラシレスモータが採用される。また、各種のセンサとしては、車両の操舵機構に加えられる操舵トルクτを検出するトルクセンサ10と、車両の走行速度(車速)Vを検出する車速センサ11と、モータ13の回転角θを検出する回転角センサ12とを含む。
ECU20は、車載される各種のセンサを通じて検出される車両の状態量(τ,V,θ)に基づいて、操舵機構に付与すべき目標アシスト力を決定し、当該目標アシスト力を発生させるための駆動電力をモータ13へ供給する。
ECU20は、モータ制御信号を生成するマイコン(マイクロコンピュータ)21と、そのモータ制御信号に基づいてモータ13に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
マイコン21は、電流指令値演算部23と、補償制御部24と、モータ制御信号出力部28とを有している。
電流指令値演算部23は、トルクセンサ10および車速センサ11を通じて取得される、操舵トルクτおよび車速Vに基づき、アシスト力の目標値である目標アシスト力を演算する。電流指令値演算部23は、操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな電流指令値I*(正確には、その基礎成分)を演算する。
電流指令値演算部23は、トルクセンサ10および車速センサ11を通じて取得される、操舵トルクτおよび車速Vに基づき、アシスト力の目標値である目標アシスト力を演算する。電流指令値演算部23は、操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな電流指令値I*(正確には、その基礎成分)を演算する。
モータ制御信号出力部28は、電流指令値I*、実電流値I、および回転角θを取り込み、これら電流指令値I*、実電流値I、および回転角θに基づき、目標アシスト力に対応する電流指令値I*に実電流値Iを追従させるためフィードバック制御を実行することにより、モータ制御信号を演算する。
モータ制御信号出力部28は、電流指令値I*と実電流値Iとの差である電流偏差ΔIを演算する。モータ制御信号出力部28は、この電流偏差ΔIとPI値(PIゲインともいう)に基づいて、電流フィードバック制御を実行する。
具体的には、モータ制御信号出力部28は、電流偏差ΔIにPI値を乗ずることにより、電圧指令値V*を演算する。そのため、PI値が大きい程、電流偏差ΔIに対する電圧指令値V*の値が大きくなり、フィードバック制御の応答性が高くなる。一方、PI値が小さい程、電流偏差ΔIに対する電圧指令値V*の値が小さくなり、フィードバック制御の応答性が低くなる。このように演算された電圧指令値V*に基づいてモータ制御信号は生成される。
モータ制御信号出力部28は、第1のPI値(第1のフィードバックゲイン)および第2のPI値(第2のフィードバックゲイン)を記憶している。モータ制御信号出力部28は、通常の車両走行時には、第1のPI値を使用して電流フィードバック制御を行う。モータ制御信号出力部28は外部からの指令を受け取ると、第1のPI値から第2のPI値に切り替えて電流フィードバック制御を行う。ここで、第1のPI値は第2のPI値よりも大きい値である。
補償制御部24は、車速Vおよび回転角θをそれぞれ定められたサンプリング周期で取り込み、これら車速Vおよび回転角θに基づいて、PI制御を行う際の制御パラメータであるPI値を切り替える旨の指令Cを生成する。この指令Cは、モータ制御信号出力部28に対するものである。具体的には、補償制御部24は、車速Vの前回値と車速Vの今回値の差分値dVを演算する差分演算部25と、回転角θから操舵速度ωを計算する操舵速度演算部26と、車速の差分値dVと操舵速度ωとに基づきPI値を判定するPI切換え判定部27とを有している。
差分演算部25は、メモリ等に記憶した車速Vの今回値と、車速Vの前回値との差分値dVを演算することにより車速Vの変化量を検出する。
操舵速度演算部26は、回転角センサ12を通じて取得される回転角θを微分することにより操舵速度ωを演算する。
操舵速度演算部26は、回転角センサ12を通じて取得される回転角θを微分することにより操舵速度ωを演算する。
PI切換え判定部27は、差分演算部25により演算される差分値dV、および操舵速度演算部26により演算される操舵速度ωを用いてPI値を切り替えるか否かを判定する。PI切換え判定部27は、差分値dVと規定値−dV0の大小関係に基づき急ブレーキの有無を検出し、急ブレーキが検出されるとき、第1のPI値から第2のPI値へ切り替える旨の指令Cをモータ制御信号出力部28へ出力する。急ブレーキが検出されないときには、第1のPI値のままで制御を継続する旨の指令Cをモータ制御信号出力部28へ出力する。なお、規定値−dV0は、設計想定上急ブレーキと考えられる値である。
急ブレーキ時に、PI値を切り替えるのは、つぎの理由による。すなわち、急ブレーキ時にはブレーキパッドのムラ等が原因となって、ブレーキ振動が発生し、フィードバック制御に基づいてブレーキ振動を運転者のハンドル操作と誤認識してアシストしてしまうため、ハンドル側に振動となって伝わる。これによって、操舵フィーリングが低下するおそれがある。特に、フィードバック制御の応答性が良い場合、すなわちPI値が高い場合にはブレーキ振動に対してもアシスト力を付与してしまうことが懸念される。そのため、本実施形態では、急ブレーキである旨が判定されるとき、第1のPI値を使用する通常制御から第2のPI値を使用するブレーキ振動抑制制御へと移行される。
つぎに、図2に示すフローチャートを参照しつつ、マイコン21によるブレーキ振動抑制制御の処理手順を説明する。前提として、通常走行時は、第1のPI値が使用される。
まず差分演算部25によって演算される差分値dVが、規定値−dV0を基準として負の方向に大きく変化しているか否かが判定される(ステップ101)。負の方向で判定するのは、急ブレーキ時には速度の変化率は負になるためである。差分値dVが一定値以上の負の値であれば、急ブレーキだと判定できる。
まず差分演算部25によって演算される差分値dVが、規定値−dV0を基準として負の方向に大きく変化しているか否かが判定される(ステップ101)。負の方向で判定するのは、急ブレーキ時には速度の変化率は負になるためである。差分値dVが一定値以上の負の値であれば、急ブレーキだと判定できる。
ステップ101において、差分値dVが規定値−dV0を負の方向へ超えていないとき(ステップ101でNO)、すなわち規定値−dV0の絶対値よりも差分値dVの絶対値が小さいとき、急ブレーキではないと判定される(ステップ102)。そのため、ブレーキ振動抑制制御は実行されず、第1のPI値が使用される通常制御が継続して実行される(ステップ103)。第1のPI値はPI値として比較的高い値であり(高ゲイン)、フィードバック制御の応答性が高いため、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
ステップ101において、差分値dVが規定値−dV0を負の方向へ超えているとき(ステップ101でYES)、すなわち規定値−dV0の絶対値よりも差分値dVの絶対値が大きいとき、急ブレーキである旨が判定される(ステップ104)。急ブレーキである旨判定されるとき、ブレーキ振動抑制制御が実行される(ステップ105)。すなわち、使用されるPI値が第1のPI値から第2のPI値へと切り替えられ、当該第2のPI値を使用して、電流フィードバック制御が実行される。第2のPI値はPI値として比較的低い値であり(低ゲイン)、フィードバック制御の応答性が低いため、操舵フィーリングは悪化方向へとむかう。しかし、フィードバック制御の応答性が低いため、電流偏差ΔIの絶対値に対する電圧指令値V*の値が小さくなる。つまり、モータ13に付与される電圧の変化が遅くなるため、ブレーキ振動によってアシスト力を付与してしまう場合であっても、ハンドルへブレーキ振動が伝達されることが抑制される。
ステップ105において、ブレーキ振動抑制制御が実行されてから一定時間T0だけ経過したとき(ステップ106)、ステップ107へ処理が移行される。一定時間T0は急ブレーキを開始して車速Vが一定になる時間、すなわち加速度が小さくなると考えられる時間であり、設計上考えられる事項を考慮して決定される。
ステップ107では、操舵速度演算部26で演算される操舵速度ωと、限界操舵速度ω0とが比較されることにより、操舵中か否か(ハンドル操作をしているか否か)が判定される。ここで、限界操舵速度ω0は、設計段階で予め設定される値であり、この操舵速度以上であれば運転者が操舵していると考えられる値である。
操舵速度ωが限界操舵速度ω0よりも大きい場合(ステップ107でNO)、運転者が操舵している(操舵あり)と判定される(ステップ108)。この場合は第2のPI値を使用するフィードバック制御が継続され(ステップ109)、ステップ106へ処理が移行される。すなわち、運転者が操舵中であるにもかかわらず、第2のPI値から第1のPI値へと変化させると、操舵フィーリングの変化によりハンドル操作が不安定になるおそれがある。そのため、操舵中には第2のPI値を使用したフィードバック制御を継続する。
操舵速度ωが限界操舵速度ω0より小さい場合(ステップ107でYES)、運転者が操舵していない(操舵なし)と判定される(ステップ110)。この場合、第2のPI値から第1のPI値へと戻され(ステップ111)、処理が終了される。操舵されていない場合には、操舵フィーリングの変化があっても、運転者のハンドル操作に影響を与える心配がないためである。そして、第1のPI値に戻ると、通常時と同様に良好な操舵フィーリングで、運転者はハンドル操作をすることができる。
ところで、PI値を変更することは、制御系の側から共振周波数を変更しているともいえる。PI値が変化すると、モータ13に供給される電流はPI値に対して直接的に変化し、その電流の周波数特性も直接的に変化する。すなわち、PI値を変更することにより、制御系の側でハンドルへの振動の伝達のし難さ(共振周波数)を変更することができる。そのため、急ブレーキ時のブレーキ振動の発生周波数を予め調べておいて、ブレーキ振動抑制制御の実行時にのみPI値を変更して、ハンドル側へブレーキ振動が伝達し難いような共振周波数へ変更していると説明できる。物理的にブレーキ振動がハンドルへ伝達しないように設定するには、たとえばハンドルの重さを変えるなどの方法があるが、本実施形態では制御的にブレーキ振動がハンドルへと伝達されることを抑制することができる。
第2のPI値での制御では、フィードバック制御の応答性が低いため、操舵フィーリングが良くない。しかし、急ブレーキ時という頻繁に起こらないような事態にのみ、第2のPI値での制御を実行するため、操舵フィーリングが良くないことによる悪影響を低減することができる。また、急ブレーキ時にのみPI値を切り替えるために、フィードバック制御の応答性が頻繁に変わることが抑制されるため、制御としての安定性は高くなる。フィードバック制御の応答性を頻繁に切り替えることが抑制されれば、生産する上での背反(制御としての安定性や運転者の操舵フィーリングなど)をクリアする課題は少なくなる。
また、本実施形態の急ブレーキの判定は簡単な演算によって行われる。すなわち、車速センサ11から得られる車速Vの今回値と前回値の差分値dVを演算して、予め設定される規定値−dV0とを比較するのみである。そのため、急ブレーキの判定におけるマイコン21の演算負荷は小さい。また、急ブレーキの判定は簡単な演算であるため、処理時間を短縮することも期待できる。さらに、規定値−dV0の設定においては、変数が少ないためにそのマッピングも容易であり、決定するのも容易である。
本実施形態の効果について説明する。
(1)急ブレーキである旨が判定された場合には、ブレーキ振動抑制制御を実行してブレーキ振動を抑制することができる。本実施形態では、急ブレーキを判定する際に、車速センサ11から得られる車速Vから、一定のサンプリング時間ごとに車速Vの今回値と前回値との差分値dVを演算して、規定値−dV0と比較するのみである。すなわち、簡単な演算によって急ブレーキである旨を判定することができるため、マイコン21の演算負荷を軽減することができる。また、急ブレーキ判定の処理時間を短縮することや、マッピングが容易になることが期待できる。
(1)急ブレーキである旨が判定された場合には、ブレーキ振動抑制制御を実行してブレーキ振動を抑制することができる。本実施形態では、急ブレーキを判定する際に、車速センサ11から得られる車速Vから、一定のサンプリング時間ごとに車速Vの今回値と前回値との差分値dVを演算して、規定値−dV0と比較するのみである。すなわち、簡単な演算によって急ブレーキである旨を判定することができるため、マイコン21の演算負荷を軽減することができる。また、急ブレーキ判定の処理時間を短縮することや、マッピングが容易になることが期待できる。
(2)ブレーキ振動抑制制御では、PI値を通常時よりも小さく設定することにより、フィードバック制御の応答性を低くしている。これによって、急ブレーキ時にブレーキ振動抑制制御が実行されることにより、制御系の側からブレーキ振動がハンドルへと伝達されることを抑制することができる。これは制御系によって、共振周波数を変更したとも説明することができ、物理的に共振周波数を変更する場合と比較してコストを低減することが期待できる。
(3)本実施形態では、ブレーキ振動抑制制御から通常時の制御へと戻る場合に、操舵中か否かを判定している。そのため、操舵中にPI値が変更されることを抑制でき、操舵中の操舵フィーリングの変化を抑制することができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。なお、以下の他の実施の形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・本実施形態では、第1のPI値および第2のPI値の2段階のPI値を設定したが、たとえば、3段階以上のPI値を設定してもよい。この場合、たとえば、差分値dVに基づき、各PI値を切り替える。
・本実施形態では、第1のPI値および第2のPI値の2段階のPI値を設定したが、たとえば、3段階以上のPI値を設定してもよい。この場合、たとえば、差分値dVに基づき、各PI値を切り替える。
・本実施形態では、差分値dVを規定値−dV0と比較して急ブレーキを判定したが、差分値dVはたとえば加速度であってもよい。すなわち、単位時間あたりの車速Vの変化量と規定値を比較することで急ブレーキを判定してもよい。
・本実施形態では、車速センサ11を設けたが、加速度センサを設けてもよい。この場合、差分演算部25は設けなくてもよい。
・本実施形態では、ブレーキ振動抑制制御から通常の制御へ戻す際に、操舵中でないかを判定したが、この判定はなくてもよい。この場合、操舵速度演算部26は設けられなくてもよい。第2のPI値から第1のPI値へと戻す際に操舵フィーリングの変化はあるが、運転者は操舵フィーリングの変化に注意をして操舵を継続する。
・本実施形態では、ブレーキ振動抑制制御から通常の制御へ戻す際に、操舵中でないかを判定したが、この判定はなくてもよい。この場合、操舵速度演算部26は設けられなくてもよい。第2のPI値から第1のPI値へと戻す際に操舵フィーリングの変化はあるが、運転者は操舵フィーリングの変化に注意をして操舵を継続する。
・本実施形態では、ブレーキ振動抑制制御が実行されてから、一定時間T0だけ経過した後に操舵速度ωを判定したが、たとえば車速の変化がなくなったときに(加速度が一定のときに)、操舵速度を判定して第1のPI値へと戻すようにしてもよい。また、車両が停止したときに(IGオフなど)、第1のPI値へと戻すような構成であってもよい。この場合、操舵速度演算部26は設けられなくてよく、より演算を簡単化することができる。この場合、図2のステップ107は省略してもよく、ステップ106が完了すると処理は終了する。
・本実施形態では、フィードバック制御としてPI制御を行ったが、これに限らない。たとえば、非線形制御であってもよいし、ロバスト制御であってもよい。
・本実施形態では、第1のPI値は第2のPI値よりも大きく設定されたが、第1のPI値は第2のPI値よりも小さく設定されてもよい。その場合、操舵する際に大きなPI値に切り替えることで、操舵フィーリングを向上させる。
・本実施形態では、第1のPI値は第2のPI値よりも大きく設定されたが、第1のPI値は第2のPI値よりも小さく設定されてもよい。その場合、操舵する際に大きなPI値に切り替えることで、操舵フィーリングを向上させる。
・本実施形態では、車速によって急ブレーキを判定したが、それに限らない。たとえば、運転者がブレーキを踏んだ量を機械的に検出できるようにしてもよいし、GPS等によって、車両の走行状態の変化を判定してもよい。
・本実施形態では、急ブレーキ時のブレーキ振動を抑制したが、それに限らない。たとえば、通常のブレーキ時においても、ブレーキ振動抑制制御を実行してもよい。この場合、PI値が頻繁に変化するため、PI制御の安定性の点で懸念されるものの、これが問題にならないのであれば、採用してもよい。
1…EPS、10…トルクセンサ、11…車速センサ、12…回転角センサ、13…モータ、20…ECU(制御部)、21…マイコン、22…駆動回路、23…電流指令値演算部、24…補償制御部、25…差分演算部、26…操舵速度演算部、27…PI切換え判定部、28…モータ制御信号出力部、29…電流センサ。
Claims (6)
- 操舵を補助するアシスト力の発生源であるモータと、
前記モータに対する給電をフィードバック制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、ブレーキ操作の有無を判定し、ブレーキ操作が行われている旨判定されるとき、前記フィードバック制御を実行する際のフィードバックゲインを通常用の第1のフィードバックゲインからブレーキ振動抑制用の第2のフィードバックゲインに変更する電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記制御部は、一定のサンプリング周期で車速を取り込み、当該車速の前回値と今回値との差分値を演算し、前記車速の差分値が一定値以上負の方向へ変化した場合にブレーキ操作が行われていると判定する電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記第2のフィードバックゲインは、前記第1のフィードバックゲインよりも小さな値に設定される電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、復帰条件を満足した場合、前記フィードバック制御を実行する際のフィードバックゲインを前記第1のフィードバックゲインへ戻す電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記復帰条件は、前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、一定時間だけ経過することを含む電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 請求項4または5に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記復帰条件は、前記第1のフィードバックゲインから前記第2のフィードバックゲインへの変更後、操舵速度が閾値以下であることを含む電動パワーステアリング装置の制御装置。
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