JP2016087859A - 液体吐出装置、ヘッドユニット、集積回路、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、ヘッドユニット、集積回路、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不適切な液体吐出動作を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】液体(Id)の吐出状態を表す吐出状態信号SG1に従って吐出部210による液体(Id)の吐出状態を制御するための吐出制御回路220の動作状態には、吐出部210により液体(Id)を吐出させる吐出許可状態(ST3)と、吐出部210による液体(Id)の吐出を停止させる吐出停止状態(ST0〜ST2)と、が含まれる。吐出状態信号SG1を吐出制御回路220へ伝達するための信号線L0に接続された伝達回路250は、吐出制御回路220との接続状態を確認するための接続確認信号SG2を信号線L0に出力する。吐出制御回路220は、吐出停止状態(ST0〜ST2)において信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を吐出許可状態(ST3)に切り替える。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体吐出装置、ヘッドユニット、集積回路、及び、液体吐出装置の制御方法に関する。
液体吐出装置として、例えば、ノズルと連通する圧力発生室を圧電素子により変形させてノズルからインク滴を吐出させるヘッドユニットを有するインクジェットプリンターが知られている。ヘッドユニットには、インク滴を吐出するか否かを表す信号に従ってノズルからのインク滴の吐出状態を制御するためのIC(集積回路)が組み込まれている。
また、高速度で印刷を行うため、被印刷物の搬送方向と交差する幅方向のほぼ全体に亘って配置したノズルを有するラインヘッドユニットを移動させず被印刷物を搬送して印刷画像を形成するラインプリンターが知られている。高解像度化のため、特許文献1に示されるように、ラインヘッドユニットの各ノズル列を被印刷物の搬送方向に対して傾斜するように被印刷物の全幅に亘って並列することも提案されている。
特開2012−143956号公報
ラインヘッドユニットは、被印刷物の幅方向のほぼ全体に亘る多数のノズルを必要とし、高解像度化するほどノズル数が増える。ノズル数が増えるほど、インク滴吐出を制御する回路も多くなる。ラインヘッドユニットに多くの回路を配置するため、回路にプリンター本体側のICと末端側のICとを設けることが考えられる。ここで、プリンター本体側のICと末端側のICとを接続する信号線はラインヘッドユニットの内部にあるため、この信号線に例えばオープンやショートといった不具合があると、この不具合が検知されず、例えば不適切な印刷物が形成される等、プリンターが不適切な印刷動作をする可能性がある。
尚、上述した問題は、ラインプリンターに限らず、さらにインクジェットプリンターに限らず、種々の液体吐出装置について同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、不適切な液体吐出動作を抑制することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部と、
前記液体の吐出状態を表す吐出状態信号に従って前記吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための吐出制御回路と、
前記吐出状態信号を前記吐出制御回路へ伝達するための信号線に接続された伝達回路と、を備え、
前記吐出制御回路の動作状態には、前記吐出部により前記液体を吐出させる吐出許可状態と、前記吐出部による前記液体の吐出を停止させる吐出停止状態と、が含まれ、
前記伝達回路は、前記吐出制御回路との接続状態を確認するための接続確認信号を前記信号線に出力し、
前記吐出制御回路は、前記吐出停止状態において前記信号線から前記接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、態様を有する。
上述した態様は、不適切な液体吐出動作を抑制することが可能な技術を提供することができる。
さらに、本発明は、液体吐出装置に組み込まれるヘッドユニット、吐出部による液体の吐出状態を制御するための集積回路、液体吐出装置を含む複合装置、上述した各部に対応した工程を含む制御方法、この制御方法を含む複合装置用の処理方法、上述した各部に対応した機能をコンピューターに実現させる液体吐出プログラム、この液体吐出プログラムを含む複合装置用の処理プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
液体吐出装置の構成例を模式的に示す機能ブロック図。 液体吐出ヘッドの電気的な構成例を示すブロック図。 ヘッドユニットの構成例を示す分解斜視図。 液体吐出ヘッドの例を示す図。 各駆動パルスと印字データの転送タイミング等との関係の例を示す図。 液体吐出装置に設けられる各種基板の接続関係の例を模式的に示すブロック図。 ヘッドユニットの電気的な構成例を示すブロック図。 接続確認信号のシーケンスの例を示すタイミングチャート。 吐出制御回路の動作の例を模式的に示す図。 制御部で行われる処理の例を示すフローチャート。 液体吐出装置の処理状態の例を模式的に示す図。 (a)〜(c)は制御部から伝達回路に接続確認指示を出す例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜12を参照して本技術の概要を説明する。分かり易く示すため、各図は整合していないことがある。
図7等に例示される液体吐出装置(例えばプリンター1)は、液体(例えばインク滴Id)を吐出する吐出部210、吐出制御回路220、伝達回路250、を有する。前記吐出制御回路220は、前記液体(Id)の吐出状態を表す吐出状態信号SG1に従って前記吐出部210による前記液体(Id)の吐出状態を制御するための回路である。前記伝達回路250は、前記吐出状態信号SG1を前記吐出制御回路220へ伝達するための信号線L0に接続されている。前記吐出制御回路220の動作状態には、前記吐出部210により前記液体(Id)を吐出させる吐出許可状態(例えば吐出許可ステータスST3)と、前記吐出部210による前記液体(Id)の吐出を停止させる吐出停止状態(例えば吐出停止ステータスST0〜ST2)と、が含まれている。前記伝達回路250は、前記吐出制御回路220との接続状態を確認するための接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力する。前記吐出制御回路220は、前記吐出停止状態(ST0〜ST2)において前記信号線L0から前記接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態(ST3)に切り替える。
伝達回路250と吐出制御回路220との間の配線が外部からアクセス不能な配線である場合、この配線にオープン、ショート、等があっても、検知することは容易ではない。一方、記録される画像を高解像度化する要求があり、ヘッドユニットが大型化しないようにヘッドユニットを高密度化する要求もある。高解像度化によりノズル数が増え、ヘッドユニットが高密度化されると、故障や不具合等の問題が発生する可能性が増える懸念がある。ラインヘッドユニットは、記録される媒体の幅全体に亘ってノズルを配置する必要があり、特に、ノズル数が増え、前述の懸念への対応が重要となる。本技術では、オープン、ショート、等により吐出状態信号SG1を伝達するための信号線L0を通る接続確認信号SG2が変わってしまう不具合があるとき、伝達回路250が接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力しても、吐出停止状態(ST0〜ST2)にある吐出制御回路220は接続確認信号SG2が入力されたと判断しない。これにより、吐出制御回路220が吐出停止状態(ST0〜ST2)から吐出許可状態(ST3)に切り替わらず、伝達回路が吐出状態信号(SG1)を信号線L0に出力しても、吐出部210から液体(Id)が吐出されない。従って、本技術は、不適切な液体吐出動作(例えば誤印字)を抑制することが可能となる。
ここで、液体の吐出状態には、液滴を吐出するか否かの状態、液滴を吐出しないか小さい液滴を吐出するか大きい液滴を吐出するかの状態、等が含まれる。吐出状態信号には、液滴を吐出するか否かを表す信号、液滴を吐出するか否かを表し且つ吐出する場合に液滴の大きさを表す信号、等が含まれ、圧縮された信号、暗号化された信号、といった変換された信号等も含まれる。
伝達回路は、液体吐出装置の本体に取り付けられるヘッドユニットに含まれてもよいし、液体吐出装置の本体に含まれてもよい。
吐出状態信号を伝達するための信号線は、パラレル通信用の信号線でもよいが、シリアル通信用の信号線であると少ない本数で済む。
吐出部による液体の吐出を停止させるとは、液体を吐出する機能が吐出部にあるのに液体を吐出させないことを意味し、処理開始時から液体を吐出させないこと、及び、処理の途中から液体を吐出させないことが含まれる。
ところで、前記伝達回路250は、前記吐出部210からの前記液体(Id)による記録を開始する前に前記接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力してもよい。この態様は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたか否かの判断が記録開始前に行われるので、不適切な記録動作をさらに抑制することが可能となる。
ここで、吐出部からの液体による記録には、印刷、被記録物に対する凹凸形成、等が含まれる。
記録を開始する前には、電源オンから最初の記録開始前のみならず、スリープ状態(節電状態)解除からの記録開始前、吐出部交換からの記録開始前、等が含まれる。
前記伝達回路250は、電源がオンにされてから最初に前記吐出部210からの前記液体(Id)による記録を開始する前に前記接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力してもよい。この態様は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたか否かの判断が電源オンから最初の記録開始前に行われるので、不適切な記録動作をさらに抑制することが可能となる。
前記液体吐出装置(1)の動作状態には、前記吐出部210への通電を停止する節電状態(例えばスリープ状態)が含まれてもよい。前記伝達回路250は、前記節電状態が解除されてから前記吐出部210からの前記液体(Id)による記録を開始する前に前記接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力してもよい。本態様は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたか否かの判断が節電状態解除からの記録開始前に行われるので、不適切な記録動作をさらに抑制することが可能となる。
前記伝達回路250は、前記吐出部210が交換されてから前記吐出部210からの前記液体(Id)による記録を開始する前に前記接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力してもよい。この態様は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたか否かの判断が吐出部交換からの記録開始前に行われるので、不適切な記録動作をさらに抑制することが可能となる。
ここで、吐出部の交換には、吐出部とともに吐出制御回路と伝達回路の少なくとも一方を交換すること等が含まれる。
前記伝達回路250は、該伝達回路250に印加される電圧(VDD)が動作電圧に立ち上がったとき(例えば図8に示すタイミングt1)に前記接続確認信号SG2を前記信号線L0に出力してもよい。この態様は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたか否かの判断が伝達回路250への印加電圧の立ち上がり時に行われるので、不適切な記録動作をさらに抑制することが可能となる。
前記信号線L0は、シリアル通信により前記吐出状態信号SG1を伝達するためのクロックライン(SCK)及びシリアルデータライン(D1,D2)を含んでもよい。前記接続確認信号SG2には、前記シリアルデータライン(D1,D2)の電圧の状態変化に合わせて前記クロックライン(SCK)の電圧の状態が読み取られる信号が含まれてもよい。本態様は、吐出状態信号SG1を伝達するための信号線L0を通る接続確認信号SG2が変わってしまう不具合の検出精度が向上するので、吐出状態信号が変わってしまうことによる不適切な液体吐出動作をさらに抑制することが可能となる。
ここで、シリアルデータラインは、1本でもよいし、2本以上でもよい。
前記吐出部210は、前記液体(Id)を吐出する第1吐出部211、及び、前記液体(Id)を吐出する第2吐出部212を含んでもよい。前記吐出制御回路220は、前記液体(Id)の吐出状態を表す第1吐出状態信号SG11に従って前記第1吐出部211による前記液体(Id)の吐出状態を制御するための第1吐出制御回路221、及び、前記液体(Id)の吐出状態を表す第2吐出状態信号SG12に従って前記第2吐出部212による前記液体(Id)の吐出状態を制御するための第2吐出制御回路222を含んでもよい。前記信号線L0は、前記第1吐出状態信号SG11を前記第1吐出制御回路221へ伝達するための第1信号線L1、及び、前記第2吐出状態信号SG12を前記第2吐出制御回路222へ伝達するための第2信号線L2を含んでもよい。前記伝達回路250は、前記接続確認信号SG2を前記第1信号線L1及び前記第2信号線L2に出力してもよい。前記第1吐出制御回路221は、前記吐出停止状態(ST0〜ST2)において前記第1信号線L1から前記接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態(ST3)に切り替えてもよい。前記第2吐出制御回路222は、前記吐出停止状態(ST0〜ST2)において前記第2信号線L2から前記接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態(ST3)に切り替えてもよい。
本態様は、一つの伝達回路に複数の吐出制御回路が接続されている場合に好適な例を提供することができる。
尚、上述した「第1」及び「第2」は、同様の構成要素が複数有る場合にこれら複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するために使用している。従って、吐出部の数が3以上あること、吐出制御回路の数が3以上あること、信号線の数が3以上あること、吐出状態信号の数が3以上あること、等も本技術に含まれる。
(2)液体吐出装置の構成の具体例:
図1は、プリンター(液体吐出装置)1としてインクジェットプリンターの一種であるラインプリンターの構成例を模式的に示している。このプリンター1は、ルーター機能及びスキャン機能を有する複合機である。尚、本技術を適用可能なプリンターは、インク滴を吐出する記録ヘッドを搭載したキャリッジを備えるシリアルプリンター等でもよく、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機、等でもよい。カラー画像を形成するインクジェットプリンターで使用されるインクには、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのインクが含まれる。むろん、インクには、さらに、オレンジ、グリーン、画質向上用の無着色インク、等が含まれてもよい。
図2は、プリンター1に組み込まれる記録ヘッド(液体吐出ヘッド)100の電気的な構成例を示している。ここで、第3シフトレジスター60、制御ロジック57、及び、レベルシフター58の図示を省略している。図3は、ラインヘッドユニット、すなわち、ラインプリンター用のヘッドユニット3の構成例を分解して示している。図4は、ヘッドユニット3の記録ヘッド100の例を示している。ヘッドユニット3は、プリンター1の本体2に取り付けられ、電気的にはフレキシブルフラットケーブル(FFC)160を介して本体2に接続される。尚、図1に示すFFC160は、図3に示すFFC160A,160Bを総称している。図3において、X方向は被印刷物M1の搬送方向であり、Y方向は被印刷物M1の幅方向であり、Z方向は被印刷物M1の厚み方向である。X,Y,Z方向は、互いに直交するものとするが、互いに異なる方向であれば直交していなくても本技術に含まれる。
まず、図1,2を参照してプリンター1の電気的構成を説明する。
プリンター1の本体2は、電源供給部32、通信部36、スキャン部38、紙送り機構41、インターフェイス43,49、RAM(Random Access Memory)44、ROM(Read Only Memory)45、発振回路47、CPU(Central Processing Unit)を含む制御部46、駆動信号生成回路48、等を備えている。
電源供給部32は、電源スイッチ33がオンにされるとプリンター1の各部に電力を供給し、電源スイッチ33がオフにされるとプリンター各部への電力供給を停止する。スリープ機能を有するプリンターの場合、電源スイッチオンにおいてスリープ状態(節電状態)になると、電源供給部32は、プリンター1の一部への電力供給を停止する。
通信部36は、無線LAN(Local Area Network)ルーターとして機能し、また、印刷を実行させるためのデータである印刷データDT1をホスト装置H1から無線受信することが可能である。ホスト装置H1には、パーソナルコンピューターといったコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンといった携帯電話、等が含まれる。通信部36は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct方式の無線通信、Bluetooth(登録商標)規格の無線通信、等といった1対1(ピアツーピア)の直接通信を行ってもよい。尚、ホスト装置H1からの印刷データDT1は、有線の外部I/F43で受信してもよい。
スキャン部38は、例えば、光源からの光を原稿に当てて原稿の画像を読み取る。スキャン部には、原稿台ガラスと原稿カバーとの間に原稿を配置するフラットベット式のスキャナー、原稿送り装置付きのスキャナー、等を用いることができる。
紙送り機構41は、例えば、紙送りモーターと紙送りローラーを備え、被印刷物M1の搬送方向であるX方向へ被印刷物M1を搬送する。
RAM44は、入力バッファー、出力バッファー、ワークメモリー、等として利用される。入力バッファーには、受信した印刷データDT1が一時的に記憶される。出力バッファーには、印刷データDT1から展開された印字データSIが一時的に記憶される。
ROM45には、制御部46によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ、グラフィック関数、各種手続き、等が書き込まれている。
発振回路47は、所定周波数のクロック信号(CK)を生成する。
制御部46は、ROM45内のフォントデータやグラッフィック関数等を参照して入力バッファー内の印刷データDT1を複数ビットの印字データSIに展開して出力バッファーに格納する。この印字データSIは、内部I/F49を介してヘッドユニット3へ送信される。尚、印字データSIは、本体2で圧縮処理と暗号化処理の少なくとも一方が行われてヘッドユニット3へ送信されてもよい。この場合、ヘッドユニット3は、解凍処理と復号化処理の少なくとも一方を行ってから印字データSIに対して後述の処理を行えばよい。また、制御部46は、例えば、発振回路47からのクロック信号(CK)に基づいてラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を生成し、内部I/F49を通じてヘッドユニット3に供給する。
駆動信号生成回路48は、例えば、図5に示すように、印刷周期TA毎に駆動パルスDP1〜DP4を配置した駆動信号(COM)を生成し、I/F49を通じてヘッドユニット3に供給する。ここで、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3は、中ドットを形成するインク滴(例えば約13pl)を吐出(噴射)するための駆動パルスである。第2駆動パルスDP2は、小ドットを形成するインク滴(例えば約6pl)を吐出するための駆動パルスである。第4駆動パルスDP4は、インク滴を吐出させずにノズル21(図4参照)付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための駆動パルスである。
ヘッドユニット3は、駆動素子51、シフトレジスター52,53,60、ラッチ回路54,55、制御ロジック57、デコーダー56、レベルシフター58、スイッチ回路59、等を備えている。これらの回路51〜60の組合せは、図2に示唆するように、印刷に使用するノズル21の数の分、設けられている。
駆動素子51は、図4に示すノズル21に連通する圧力室内のインクに圧力を加えるピエゾ素子(圧電素子)であるものとするが、熱により圧力室内に気泡を発生させてノズルからインク滴を吐出させる駆動素子等も用いることができる。駆動素子51は、供給される駆動信号(COM)の電圧に応じて変形することにより圧力室の壁を変形させ、ノズル21からインク滴(液体)Idを吐出させて被印刷物M1にドットを形成させる。被印刷物M1にドットパターンが形成されることにより、印刷が行われる。尚、本具体例において、駆動素子51は、圧力室及びノズル21とともにインク滴Idを吐出する吐出部210を構成する。
本体2からの印字データSIは、クロック信号(CK)に同期して、I/F49からシフトレジスター52,53,60にシリアル伝送される。例えば、図5に示すように、印字データSIには、2ビットデータの上位ビットSIH、2ビットデータの下位ビットSIL、及び、パターンデータSPが含まれている。2ビットデータは、ドット無し(00)、小ドット形成(01)、中ドット形成(10)、及び、大ドット形成(11)の4階調を表している。第1シフトレジスター52には下位ビットSILが伝送され、第2シフトレジスター53には上位ビットSIHが伝送され、第3シフトレジスター60にはパターンデータSPが伝送される。パターンデータSPは、2ビットデータを各駆動パルスDP1〜DP4に対応するパルス選択情報に変換するためのデータである。
第1ラッチ回路54は、本体2からラッチ信号(LAT)が入力されると、第1シフトレジスター52に伝送された下位ビットSILをラッチする。第2ラッチ回路55は、本体2からラッチ信号(LAT)が入力されると、第2シフトレジスター53に伝送された上位ビットSIHをラッチする。
制御ロジック57は、第3シフトレジスター60に伝送されたパターンデータSPをラッチし、本体2からのチャンネル信号(CH)とともにデコーダー56に供給する。
デコーダー56は、制御ロジック57からのパターンデータSP、ラッチ信号(LAT)、及び、チャンネル信号(CH)に基づいて、ラッチ回路54,55にラッチされた2ビットデータを各駆動パルスDP1〜DP4に対応するパルス選択情報に変換する。例えば、図5に示すように、ドット無し(00)を第4駆動パルスDP4のみ選択するパルス選択情報(0001)に変換し、小ドット形成(01)を第2駆動パルスDP2のみ選択するパルス選択情報(0100)に変換し、中ドット形成(10)を第1駆動パルスDP1のみ選択するパルス選択情報(1000)に変換し、大ドット形成(11)をパルス選択情報(1010)に変換する。2ビットデータが(11)である場合、各駆動パルスDP1,DP3による中ドット相当のインク滴が被印刷物M1に着弾し、合体して大ドットが形成される。デコーダー56は、パルス選択情報に対応する吐出状態信号SG1をレベルシフター58に出力する。吐出状態信号SG1は、インク滴の吐出状態を表す信号である。パルス選択情報「1」に相当する吐出状態信号SG1は対応する駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給させる信号であり、パルス選択情報「0」に相当する吐出状態信号SG1は対応する駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給させない信号である。
レベルシフター58は、デコーダー56からの吐出状態信号SG1に基づいて、スイッチ回路59を駆動するための電圧を生成する。
スイッチ回路59は、レベルシフター58からの駆動電圧に基づいて、各駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給するか否かを切り替える。
尚、本具体例において、吐出状態信号SG1を出力するための回路52〜56,60は伝達回路250を構成し、吐出状態信号SG1に従って駆動素子51によるインク滴の吐出を制御するための回路58,59は吐出制御回路220を構成する。
図3に示すヘッドユニット3は、複数の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)100、ヘッド固定基板102、中継基板150A、及び、分配基板150Bを備えている。図3に示す4個の記録ヘッド100は、被印刷物M1の幅方向であるY方向へ並べられ、ヘッド固定基板102に保持されている。
記録ヘッド100は、複数のヘッド本体110、COF(Chip On Film)98、流路部材145、配線基板140、保持部材120、及び、固定板130を備えている。図3に示す6個のヘッド本体110は、Y方向へ並べられ、流路部材145に接着されている。
図4に示すヘッド本体110は、インクが満たされる圧力室に連通する開口がノズル21として複数形成されたノズルプレート20を有している。各ノズルプレート20には、Z方向と直交しY方向と異なるがX方向から傾斜したXa方向へ複数のノズル21が並べられたノズル列22が複数形成されている。このため、Y方向におけるノズル21同士の間隔DS1は、Xa方向におけるノズル21同士の間隔DS2よりも狭い。従って、ノズル数が多くなり、ノズルが高密度化され、高解像度の印刷画像が形成される。多くのノズルが高密度化されると、ノズルからのインク滴吐出を制御する回路が増えて高密度化される。特に、ラインヘッドユニットは、多くのノズルからのインク滴吐出を制御する必要があり、また、これらの多くのノズル及び制御回路を製品として組み立てる必要がある一方、ノズル数が増えるほど故障や不具合等の問題が発生する可能性が増える懸念がある。そこで、吐出制御回路220に伝達回路250との間の配線の不具合を自己診断する機能を設けている。
尚、X方向とXa方向とは、0°よりも大きく45°以下の角度で交差することが好ましいが、45°よりも大きく90°未満の角度で交差することも本技術に含まれる。
また、図4に二点鎖線Lで示すように、Y方向において隣り合うノズルプレート20同士でノズル列22の一部のノズル21がX方向へ重なるように配置されている。ここで、複数のノズル21がX方向へ重なっているとは、これら複数のノズル21のY方向における位置が同じであることを意味する。従って、被印刷物M1の幅方向(Y方向)のほぼ全体に亘って複数のヘッド本体110が並べられたヘッドユニット3は、被印刷物M1の幅方向のほぼ全体に亘って複数のノズル21が前記幅方向において間隔DS1で配置されていることになる。
各ヘッド本体110には、COF98が接続されている。COF98は、駆動素子51を駆動する吐出制御回路220を有するフレキシブル基板であり、ヘッド本体110から流路部材145の開口部146を通って配線基板140に接続されている。COF98に設けられた吐出制御回路220は、IC(集積回路)である。
流路部材145は、各ヘッド本体110にインクを供給する流路が設けられ、COF98をZ方向へ通す開口部146が複数形成されている。
配線基板140は、配線が形成された形成された基板であり、保持部材120と流路部材145との間に配置されている。配線基板140は、COF98をZ方向へ通す貫通部141が複数形成され、各貫通部141を通ったCOF98が接続されている。また、配線基板140には、駆動系信号(COM等)が入力される駆動系接続コネクター143A、及び、制御系信号(SI等)が入力される制御系外部接続コネクター143Bが設けられている。図3には、制御系外部接続コネクター143Bが被印刷物M1の搬送方向の上流側X1に配置され、駆動系接続コネクター143Aが被印刷物M1の搬送方向の下流側X2に配置されていることが示されている。
保持部材120は、溝状の空間を形成する保持部121、該保持部121のX方向両側に形成された足部122,122、中継基板150Aの接続部151AをZ方向へ通す貫通部123、及び、分配基板150Bの接続部をZ方向へ通す貫通部124を有している。保持部121内には、配線基板140、流路部材145、及び、複数のヘッド本体110が収容される。
固定板130は、ヘッド本体110のノズルプレート20側に配置されるベース部131、及び、このベース部131のY方向における両端部から保持部材120側へ延出した折曲部132,132を備えている。固定板130は、例えば、金属等の板状部材を折り曲げることにより形成される。ベース部131には、各ヘッド本体110のノズル列22を露出させる露出開口部133が形成されている。ベース部131は、例えば、保持部材120の足部122の端面に接着剤で接合される。
中継基板150Aは、プリンター本体2から駆動系信号を入力するためのコネクター152A、及び、記録ヘッド100に駆動系信号を出力するための複数の接続部151Aを備えている。コネクター152Aとプリンター本体2との間には、FFC160Aが接続されている。各接続部151Aは、保持部材120の貫通部123を通って配線基板140の駆動系接続コネクター143Aに接続される。
分配基板150Bは、プリンター本体2から制御系信号を入力するためのコネクター152B、伝達回路250、及び、記録ヘッド100に制御系信号を出力するための複数の接続部151Bを備えている。コネクター152Bとプリンター本体2との間には、FFC160Bが接続されている。伝達回路250は、プリンター本体2からの制御系信号に基づく吐出状態信号SG1を複数の記録ヘッド100に伝達するための回路であり、例えば、ICで形成される。図3では伝達回路250が2個のICに分けられていることが示されているが、ICの数は1個又は3個以上でもよい。各接続部151Bは、保持部材120の貫通部124を通って配線基板140の制御系接続コネクター143Bに接続される。
以上より、プリンター本体2からの駆動系信号(COM等)は、FFC160A、中継基板150A、配線基板140、COF98、を順に通ってヘッド本体110に供給される。プリンター本体2からの制御系信号(CK,SI,LAT,CH)は、FFC160B、分配基板150B、を順に通って伝達回路250に供給される。伝達回路250で変換された制御系信号(図7に示すSCK,D1,D2)は、配線基板140を通って各COF98の吐出制御回路220に供給される。印字データSIは、各吐出制御回路220に伝達される吐出状態信号SG1を統合したデータである。
次に、図5を参照して、印字データSIに含まれるパターンデータSPについて、説明する。パターンデータSPは、例えば、ノズル数分の2ビットデータ(Nビットの上位ビットSIHとNビットの下位ビットSIL)に組み合わされる16ビットのデータとすることができる。図5に示すパターンデータSPは、「TOP」から「BOTTOM」までの順に駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給するか否かを表している。パターンデータSPの最初の4ビットは、第4駆動パルスDP4を駆動素子51に供給するか否かを表し、最上位ビットから順に「大ドット形成」、「中ドット形成」、「小ドット形成」、及び、「ドット無し」における第4駆動パルスDP4の供給有無を表している。次の4ビットは、第3駆動パルスDP3を駆動素子51に供給するか否かを表し、同様に最上位ビットから順に「大ドット形成」、「中ドット形成」、「小ドット形成」、及び、「ドット無し」における第3駆動パルスDP3の供給有無を表している。次の4ビットは、第2駆動パルスDP2を駆動素子51に供給するか否かを表し、同様に最上位ビットから順に「大ドット形成」、「中ドット形成」、「小ドット形成」、及び、「ドット無し」における第2駆動パルスDP2の供給有無を表している。最後の4ビットは、第1駆動パルスDP1を駆動素子51に供給するか否かを表し、同様に最上位ビットから順に「大ドット形成」、「中ドット形成」、「小ドット形成」、及び、「ドット無し」における第1駆動パルスDP1の供給有無を表している。
図2は、図5に示す印字データSIを使用してインク滴を吐出するための記録ヘッド100の電気的な構成例を示している。上述したように、第3シフトレジスター60、制御ロジック57、及び、レベルシフター58の図示を省略している。印字データSIに含まれるNビットの上位ビットSIHは、第2シフトレジスター53に伝送される。印字データSIに含まれるNビットの下位ビットSILは、第1シフトレジスター52に伝送される。印字データSIに含まれる16ビットのパターンデータSPは、第3シフトレジスター60に伝送される。各第2シフトレジスター53の上位ビットSIHは、ラッチ信号(LAT)入力時に第2ラッチ回路55でラッチされ、デコーダー56に入力される。各第1シフトレジスター52の下位ビットSILは、ラッチ信号(LAT)入力時に第1ラッチ回路54でラッチされ、デコーダー56に入力される。第3シフトレジスター60のパターンデータSPは、ラッチ信号(LAT)入力時に制御ロジック57でラッチされ、チャンネル信号(CH)とともにデコーダー56に入力される。デコーダー56は、入力される2ビットデータを各駆動パルスDP1〜DP4に対応するパルス選択情報に変換し、対応する吐出状態信号SG1をレベルシフター58に出力する。レベルシフター58は、パルス選択情報「1」に相当する吐出状態信号SG1については対応する駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給させるようにスイッチ回路59を駆動し、パルス選択情報「0」に相当する吐出状態信号SG1については対応する駆動パルスDP1〜DP4を駆動素子51に供給させないようにスイッチ回路59を駆動する。
以上より、2ビットデータが00(ドット無し)である場合には第4駆動パルスDP4のみ駆動素子51に供給され、2ビットデータが01(小ドット形成)である場合には第2駆動パルスDP2のみ駆動素子51に供給され、2ビットデータが10(中ドット形成)である場合には第1駆動パルスDP1のみ駆動素子51に供給され、2ビットデータが11(大ドット形成)である場合には駆動パルスDP1,DP3が駆動素子51に供給される。
図6は、プリンター1に設けられる各種基板の接続関係の例を模式的に示している。
プリンター1の本体2には、制御部46、駆動信号生成回路48、等を有する本体基板30が配置されている。本体基板30は、複数の基板に分けられてもよい。制御部46、駆動信号生成回路48、等は、電源供給部32からの電力供給により動作する。
ヘッドユニット3には、駆動系信号(COM等)を中継する中継基板150A、伝達回路250を有する分配基板150B、及び、記録ヘッド100毎の配線基板140が配置されている。中継基板150Aは、駆動信号生成回路48にFFC160Aで接続され、各配線基板140に接続部151Aで接続されている。分配基板150Bは、制御部46にFFC160Bで接続され、各配線基板140に接続部151Bで接続されている。各配線基板140は、複数のCOF98の吐出制御回路220に接続されている。従って、伝達回路250には、吐出制御回路220及び吐出部210の組合せが複数接続されていることになる。
図7は、複数の吐出部210に少なくとも第1吐出部211と第2吐出部212が含まれ、複数の吐出制御回路220に少なくとも第1吐出制御回路221と第2吐出制御回路222が含まれているとして、ヘッドユニット3の電気的な構成例を示している。
プリンター本体2から伝達回路250には、少なくとも、電源電圧(VDD)、クロック信号(CK)、印字データ(SI)、ラッチ信号(LAT)、チャンネル信号(CH)、及び、グランド電位(GND)が入力される。伝達回路250と第1吐出制御回路221との間には、少なくとも、電源ライン(VDD)、クロックライン(SCK)、シリアルデータライン(D1,D2)、及び、グランドライン(GND)が接続されている。ここでのクロックライン(SCK)及びシリアルデータライン(D1,D2)は、第1吐出状態信号SG11を第1吐出制御回路221へ伝達するための第1信号線L1を構成する。また、伝達回路250と第2吐出制御回路222との間には、少なくとも、電源ライン(VDD)、クロックライン(SCK)、シリアルデータライン(D1,D2)、及び、グランドライン(GND)が接続されている。ここでのクロックライン(SCK)及びシリアルデータライン(D1,D2)は、第2吐出状態信号SG12を第2吐出制御回路222へ伝達するための第2信号線L2を構成する。吐出状態信号SG1は吐出状態信号SG11,SG12を総称し、信号線L0は信号線L1,L2を総称している。伝達回路250は、クロック信号(CK)、印字データ(SI)、ラッチ信号(LAT)、及び、チャンネル信号(CH)に基づいて吐出状態信号SG11,SG12を生成してシリアル通信により吐出制御回路221,222に送信する。すなわち、これらの信号(CK,SI,LAT,CH)は、複数の吐出状態信号SG1を統合した信号である。吐出状態信号SG11,SG12のシリアル通信は、クロックライン(SCK)の電圧の状態変化に合わせてシリアルデータをシリアルデータライン(D1,D2)において送受信することにより行われる。
また、伝達回路250は、電源電圧監視回路252及び接続確認信号出力回路254を有している。電源電圧監視回路252は、伝達回路250に印加される電源電圧(VDD)が所定の動作電圧(例えば3.3V)に立ち上がったか否かを検出して検出結果を出力する回路である。接続確認信号出力回路254は、電源電圧(VDD)が動作電圧に立ち上がったことを表す検出結果が入力されたときに後述する接続確認信号SG2を各吐出制御回路220に出力する回路である。
第1吐出制御回路221は、第1吐出状態信号SG11に従って第1吐出部211によるインク滴の吐出状態を制御する回路である。また、第1吐出制御回路221は、第1記憶部231及び第1接続確認部241を有している。第1記憶部231は、第1吐出制御回路221のステータス(動作状態)STxを記憶している。第1接続確認部241は、吐出停止ステータス(吐出状態停止)ST0〜ST2において第1信号線L1から接続確認信号SG2が入力されたか否かを判断する。ステータスSTxが吐出許可ステータス(吐出許可状態)ST3である場合、第1接続確認部241は、第1吐出部211により第1吐出状態信号SG11に従ってインク滴を吐出させる。ステータスSTxが吐出停止ステータスST0〜ST2である場合、伝達回路250が第1吐出状態信号SG11を第1信号線L1に出力しても、第1接続確認部241は第1吐出部211によるインク滴の吐出を停止させる。すなわち、停止するのは、インク滴の吐出であり、信号の通信ではない。
第2吐出制御回路222は、第2吐出状態信号SG12に従って第2吐出部212によるインク滴の吐出状態を制御する回路である。また、第2吐出制御回路222は、第2記憶部232及び第2接続確認部242を有している。第2記憶部232は、第2吐出制御回路222のステータスSTxを記憶している。第2接続確認部242は、吐出停止ステータスST0〜ST2において第2信号線L2から接続確認信号SG2が入力されたか否かを判断する。ステータスSTxが吐出許可ステータスST3である場合、第2接続確認部242は、第2吐出部212により第2吐出状態信号SG12に従ってインク滴を吐出させる。ステータスSTxが吐出停止ステータスST0〜ST2である場合、伝達回路250が第2吐出状態信号SG12を第2信号線L2に出力しても、第2接続確認部242は第2吐出部212によるインク滴の吐出を停止させる。
尚、図7では、記憶部231,232を記憶部230と総称し、接続確認部241,242を接続確認部240と総称している。記憶部230は、例えば、揮発性半導体メモリー等で構成することができる。
(3)伝達回路と吐出制御回路との接続状態を確認する例:
図8は、接続確認信号SG2のシーケンスの例を電源電圧(VDD)、ステータスSTx、及び、内部イネーブル信号ENの変化とともに示している。電源電圧(VDD)が動作電圧に立ち上がった直後は、各吐出制御回路220のステータスSTxが第1吐出停止ステータスST0であり、内部イネーブル信号ENが吐出部210によるインク滴の吐出を停止させるロー状態(ディセーブル状態)である。このタイミングt1〜t2における接続確認信号SG2は、SCKラインの電圧の状態変化に合わせてD1,D2ラインの電圧の状態が読み取られる信号とされている。D1,D2ラインの電圧の状態が正しく読み取られた時、各吐出制御回路220のステータスSTxが第2吐出停止ステータスST1に変わる。直後のタイミングt2〜t3における接続確認信号SG2は、D1ラインの電圧の状態変化に合わせてSCK,D2ラインの電圧の状態が読み取られる信号とされている。SCK,D2ラインの電圧の状態が正しく読み取られた時、各吐出制御回路220のステータスSTxが第3吐出停止ステータスST2に変わる。直後のタイミングt3〜t4における接続確認信号SG2は、D2ラインの電圧の状態変化に合わせてSCK,D1ラインの電圧の状態が読み取られる信号とされている。SCK,D1ラインの電圧の状態が正しく読み取られた時、各吐出制御回路220のステータスSTxが吐出許可ステータスST3に変わり、内部イネーブル信号ENが第2吐出部212により第2吐出状態信号SG12に従ってインク滴を吐出させるハイ状態(イネーブル状態)に変わる。
以上より、伝達回路250が能動的に特定シーケンスの接続確認信号SG2を信号線L0に出力し、この接続確認信号SG2を受信する吐出制御回路220は、正規シーケンスであることを確認したならば、駆動素子51の駆動をイネーブルする。信号線切断、ショート、等により正規シーケンスであることを確認することができない場合、駆動素子51の駆動はディセーブルのままである。
図9は、接続確認信号SG2を入力する吐出制御回路220の動作の例を模式的に示している。図9では、データを読み取るタイミングを各パルスP1〜P9の電圧の立ち上がり時点にした例を示している。むろん、データを読み取るタイミングは、各パルスの電圧の立ち下がり時点でもよいし、各パルスの電圧の立ち上がりと立ち下がりの両時点でもよい。以下、図8,9を参照して、電源がオンにされてからの各吐出制御回路220の動作の例を説明する。むろん、第1吐出制御回路221と第2吐出制御回路222の両方が以下に示すように動作することになる。
図6等に示す電源スイッチ33がオンにされると、プリンター本体2から供給される電源電圧(VDD)が立ち上がる(タイミングt1)。電源電圧監視回路252が電源電圧(VDD)の立ち上がりを検出して該検出結果を出力すると、接続確認信号出力回路254が接続確認信号SG2を信号線L0に出力する。すなわち、接続確認信号SG2は、印刷(記録)前、より具体的には、電源がオンにされてから最初に吐出部210からのインク滴Idによる印刷を開始する前に出力される。各吐出制御回路220は、立ち上がった電源電圧(VDD)が供給されると、記憶部230に第1吐出停止ステータスST0を表す情報を格納し、内部イネーブル信号ENをロー状態にする。タイミングt1〜t2において伝達回路250が図8に示す接続確認信号SG2を信号線L0に出力すると、各吐出制御回路220は、パルスP1,P2,P3の立ち上がり時にD1ラインの電圧が順にハイ、ハイ、ローであり、且つ、D2ラインの電圧が順にロー、ロー、ハイであるか否かを判断する。図9に示す動作表の通りにD1,D2ラインの電圧が読み取られると、吐出制御回路220は、記憶部230に第2吐出停止ステータスST1を表す情報を格納する。タイミングt2〜t3において伝達回路250が図8に示す接続確認信号SG2を信号線L0に出力すると、各吐出制御回路220は、パルスP4,P5,P6の立ち上がり時にSCKラインの電圧が順にハイ、ロー、ローであり、且つ、D2ラインの電圧が順にロー、ハイ、ローであるか否かを判断する。図9に示す動作表の通りにSCK,D2ラインの電圧が読み取られると、吐出制御回路220は、記憶部230に第3吐出停止ステータスST2を表す情報を格納する。タイミングt3〜t4において伝達回路250が図8に示す接続確認信号SG2を信号線L0に出力すると、各吐出制御回路220は、パルスP7,P8,P9の立ち上がり時にSCKラインの電圧が順にハイ、ハイ、ローであり、且つ、D1ラインの電圧が順にハイ、ロー、ローであるか否かを判断する。図9に示す動作表の通りにSCK,D1ラインの電圧が読み取られると、吐出制御回路220は、記憶部230に吐出許可ステータスST3を表す情報を格納し、内部イネーブル信号ENをハイ状態にする。
ここで、伝達回路250と第1吐出制御回路221との間の配線にオープン、ショート、等の不良があり、これにより第1吐出状態信号SG11を伝達するための第1信号線L1を通る接続確認信号SG2が変わってしまう不具合があるとする。この場合、伝達回路250が接続確認信号SG2を第1信号線L1に出力しても、吐出停止ステータスST0〜ST2の第1吐出制御回路221は接続確認信号SG2が入力されたと判断しない。正しい接続確認信号SG2が伝達されないため、第1吐出制御回路221は接続確認信号SG2の入力の判断そのものを行うことができないこともある。
以上より、第1吐出制御回路221が吐出許可ステータスST3に切り替わらず、第1吐出部211からインク滴Idが吐出されない。従って、伝達回路250から第1吐出制御回路221に伝達される第1吐出状態信号SG11が変わってしまうことによる不適切なインク滴吐出動作(例えば誤印字)が抑制され、また、ヘッドユニット3の安全性がさらに向上する。尚、第2吐出制御回路222が接続確認信号SG2の入力を確認すると、第2吐出制御回路222は吐出許可ステータスST3に切り替わることになる。
また、伝達回路250と第2吐出制御回路222との間の配線に不良があり、これにより第2吐出状態信号SG12を伝達するための第2信号線L2を通る接続確認信号SG2が変わってしまう不具合があるとする。この場合も上述と同様、伝達回路250が接続確認信号SG2を第2信号線L2に出力しても、吐出停止ステータスST0〜ST2の第2吐出制御回路222は接続確認信号SG2が入力されたと判断しない。従って、伝達回路250から第2吐出制御回路222に伝達される第2吐出状態信号SG12が変わってしまうことによる不適切なインク滴吐出動作が抑制され、また、ヘッドユニット3の安全性がさらに向上する。特に、本技術は、多くのノズルを有するラインプリンターにおいて、ヘッドユニット単体で自己の不具合を効果的且つ効率的に自己判断することができ、誤印字、誤動作、等といった不適切な動作を抑制してより高品質の印刷物を提供することができる。
尚、伝達回路250と吐出制御回路220とで接続確認信号SG2による接続確認が終了すると、各ノズル21からのインク滴の吐出に異常があるか否かを検出する処理を行うことができる。この処理は、例えば、圧力室の壁面の一部を構成する振動板の残留振動に基づいてノズル21からのインク滴の吐出に異常があるか否かを検出する処理とすることができる。インク滴の吐出異常が発生する原因には、圧力室内への気泡の混入、ノズル付近でのインクの増粘ないし乾燥、ノズル付近への紙粉付着、等が挙げられる。残留振動に基づいて圧力室内への気泡の混入が検出された場合、例えば、記録ヘッド100においてノズル21のある面を負圧ポンプで負圧にしてインクを吸い出すポンプ吸引処理を行ってもよい。残留振動に基づいてノズル付近でのインクの増粘ないし乾燥が検出された場合、例えば、インク滴を予備的に吐出するフラッシング処理を行い、ノズル付近でのインクの増粘ないし乾燥が解消されなければポンプ吸引処理を行ってもよい。残留振動に基づいてノズル付近への紙粉付着が検出された場合、例えば、記録ヘッド100においてノズル21のある面をワイパーにより拭き取るワイピング処理を行ってもよい。
(4)接続状態を確認する各種タイミングの例:
ところで、上述した接続状態の確認は、電源がオンにされてから繰り返される印刷の途中における印刷開始前でもよく、電源がオンにされてから最初に吐出部210からのインク滴Idによる印刷を開始する前に限定されない。
まず、図10を参照して、電源がオンにされてから制御部46が行う処理の例を説明する。この処理は、電源スイッチ33がオンにされている最中に記録ヘッドが新たな記録ヘッドに交換される等、記録ヘッド100が取り外されてから取り付けられたことが検出されたときにも行われるものとする。尚、記録ヘッド100の交換には、以下の態様等が含まれる。
1.ヘッド固定基板102から記録ヘッドを取り外して該ヘッド固定基板102に新たな記録ヘッドを取り付けること。
2.複数の記録ヘッド100及びヘッド固定基板102を中継基板150A及び分配基板150Bから取り外して該基板150A,150Bに新たな複数の記録ヘッド100及びヘッド固定基板102を取り付けること。
3.FFC160A,160Bからヘッドユニット3を取り外してFFC160A,160Bに新たなヘッドユニット3を取り付けること。
4.ヘッドユニット3及びFFC160A,160Bを本体基板30から取り外して該本体基板30に新たなヘッドユニット3及びFFC160A,160Bを取り付けること。
電源スイッチ33がオンにされると、電源供給部32から制御部46等の各部に電力が供給され、制御部46は、まず、初期化処理を行う(ステップS102。以下、「ステップ」の記載を省略)。初期化処理には、通信部36、スキャン部38、紙送り機構41、駆動信号生成回路48、等に供給される電圧が安定するまで待つ処理、印刷に必要なパラメーターに初期値を代入する処理、ヘッドユニット3の状態(例えば温度)が安定するまで待つ処理、等が含まれる。初期化処理時には、伝達回路250に供給される電源電圧(VDD)が動作電圧に立ち上がるので、吐出停止ステータスST0〜ST2の吐出制御回路220に伝達回路250から接続確認信号SG2が入力され、吐出制御回路220が吐出許可ステータスST3に切り替わる。S104では、通信部36、I/F43、等から指示が入力されているか否かを判断する。
指示が入力されていない場合、制御部46は、通電状態を維持しながら待機する(S106)。この待機期間におけるプリンター1の動作状態は、非節電状態である。S108では、待機期間となってから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していない場合、制御部は、処理をS104に戻す。所定時間が経過した場合、プリンター1の動作状態を、例えば、紙送り機構41、駆動信号生成回路48、ヘッドユニット3、等のプリンター1の一部への通電を停止するスリープ状態に移行させ(S110)、処理をS104に戻す。スリープ状態は、少なくとも吐出部210への通電を停止する節電状態である。ルーター機能を有する通信部36がスリープ状態において通電されていれば、通信部36によりホスト装置H1から指示を受け付けることができる。I/F43がスリープ状態において通電されていれば、I/F43によりホスト装置H1から指示を受け付けることができる。
S104において指示が入力されていると判断した場合、制御部46は、指示に応じた処理を行う。印刷指示が入力された場合、制御部46は、現在の動作状態に応じて処理を分岐させる(S112)。現在の動作状態がスリープ状態である場合、制御部46は、通電を停止していた紙送り機構41、駆動信号生成回路48、ヘッドユニット3、等の各部への通電を再開しこれら各部の状態が安定するまで待つ等のスリープ状態を解除する復帰処理を行う(S114)。その後、制御部46は、指示に応じて印刷処理を行い(S116)、処理をS104に戻す。一方、S112において現在の動作状態が非節電状態であると判断した場合、制御部46は、S114の処理を行わずに印刷処理を行い(S116)、処理をS104に戻す。尚、印刷処理では、ホスト装置H1から受信された印刷データDT1が印字データSIに展開され、この印字データSIがプリンター本体2からヘッドユニット3の伝達回路250に送信され、吐出状態信号SG1に変換される。この吐出状態信号SG1が伝達回路250から吐出制御回路220に伝達されると、吐出状態信号SG1に従って吐出部210からインク滴Idが吐出され、被印刷物M1にインク滴Idのドットによる印刷画像が形成される。
次に、図11を参照して、プリンター1の電源がオンにされてから様々なタイミングでユーザーから指示されたときのプリンター1の動作を説明する。
電源スイッチ33がオンにされると(タイミングt11)、上述した初期化処理が行われる。また、初期化処理期間801に、伝達回路250が接続確認信号SG2を信号線L0に出力し、吐出停止ステータスST0〜ST2の吐出制御回路220が信号線L0から接続確認信号SG2の入力を確認したときに吐出許可ステータスST3に切り替わる。初期化処理期間801に指示が無ければ、待機期間802となる。ここで、プリンター1に印刷指示が入力されると(タイミングt12)、印刷処理が行われる。印刷処理期間803に指示が無ければ、待機期間804となる。ここで、プリンター1に印刷指示が入力されると(タイミングt13)、印刷処理が行われる。印刷処理期間805に指示が無ければ、待機期間806となる。待機期間806となってから所定時間経過すると、プリンター1の動作状態が非節電状態からスリープ状態に切り替わる。スリープ期間807においてプリンター1に印刷指示が入力されると(タイミングt14)、図10のS114の復帰処理が行われる。復帰処理期間808の後、印刷処理が行われる。印刷処理期間809に指示が無ければ、待機期間810となる。ここで、記録ヘッド100が交換されると(タイミングt15)、上述した初期化処理が行われる。ヘッドユニット3が交換された場合には、伝達回路250に供給される電源電圧(VDD)が動作電圧に立ち上がるので、伝達回路250と吐出制御回路220との間で接続確認信号SG2による接続確認が行われる。初期化処理期間811に指示が無ければ、待機期間812となる。ここで、プリンター1に印刷指示が入力されると(タイミングt16)、印刷処理が行われる(印刷期間813)。
伝達回路250と吐出制御回路220との接続確認信号SG2による接続確認は、電源電圧の立ち上がり時に限定されない。例えば、初期化処理期間801以外の期間802,804,806,807,808,810,811,812のいずれかにおいて、制御部46が伝達回路250に対して接続確認信号SG2による接続確認を実行させる指示を出力し、この指示を伝達回路250が入力すると吐出制御回路220との接続確認信号SG2による接続確認を行ってもよい。このようにすると、印刷処理期間以外の期間801,802,804,806,807,808,810,811,812のいずれにおいても伝達回路250と吐出制御回路220との接続確認信号SG2による接続確認を行うことが可能となる。ここで、印刷開始前(印刷を開始する前)には、電源がオンにされてからの最初の印刷を開始する前である電源オン時の期間801,802、電源がオンにされてから2回目以降の印刷を開始する前である印刷間の期間804,806,810、スリープ状態が解除されてから初めての印刷を開始する前である節電状態解除時の期間808、記録ヘッド100が交換されてから初めての印刷を開始する前であるヘッド交換時の期間811,812、等が含まれる。
図12(a)は、接続確認信号SG2による接続確認を実行させる接続確認指示を電源オン直後の初期化処理期間801に制御部46から伝達回路250へ出力する例を示している。この例の制御部46は、S102の初期化処理を行っている間に接続確認指示を出している。この接続確認指示を入力した伝達回路250は、接続確認信号SG2を信号線L0に出力する(S202)。吐出停止ステータスST0〜ST2の吐出制御回路220は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を吐出許可ステータスST3に切り替える。信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと吐出制御回路220が判断しなければ、吐出部210によるインク滴の吐出が抑制される。従って、電源オン直後の初期化処理期間801に伝達回路250から吐出制御回路220に伝達される吐出状態信号SG1が変わってしまうことによる不適切な印刷動作が抑制される。尚、制御部46は、図10で示したS104〜S116の処理を初期化処理後に行う。
図12(b)は、接続確認指示を復帰処理期間808に制御部46から伝達回路250へ出力する例を示している。この例の制御部46は、図10で示したS102〜S110の少なくとも一部の処理を行い、S112において現在の動作状態がスリープ状態であると判断した場合、S114の復帰処理を行っている間に接続確認指示を出している。この接続確認指示を入力した伝達回路250は、接続確認信号SG2を信号線L0に出力する(S202)。吐出停止ステータスST0〜ST2の吐出制御回路220は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を吐出許可ステータスST3に切り替える。信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと吐出制御回路220が判断しなければ、吐出部210によるインク滴の吐出が抑制される。従って、スリープ状態直後の復帰処理期間808に伝達回路250から吐出制御回路220に伝達される吐出状態信号SG1が変わってしまうことによる不適切な印刷動作が抑制される。尚、制御部46は、図10で示したS116の印刷処理を復帰処理後に行う。
図12(c)は、接続確認信号SG2による接続確認を実行させる接続確認指示をヘッド交換直後の初期化処理期間811に制御部46から伝達回路250へ出力する例を示している。この例の制御部46は、電源スイッチ33がオンにされている最中に記録ヘッド100が交換されたことが検出されたときにおけるS102の初期化処理を行っている間に接続確認指示を出している。この接続確認指示を入力した伝達回路250は、接続確認信号SG2を信号線L0に出力する(S202)。吐出停止ステータスST0〜ST2の吐出制御回路220は、信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと判断したときに動作状態を吐出許可ステータスST3に切り替える。信号線L0から接続確認信号SG2が入力されたと吐出制御回路220が判断しなければ、吐出部210によるインク滴の吐出が抑制される。従って、ヘッド交換直後の初期化処理期間801に伝達回路250から吐出制御回路220に伝達される吐出状態信号SG1が変わってしまうことによる不適切な印刷動作が抑制される。尚、制御部46は、図10で示したS104〜S116の処理を初期化処理後に行う。
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、ラインヘッドユニットのノズル列は、被印刷物の搬送方向から傾斜したXa方向へ複数のノズルが並べられたノズル列以外にも、被印刷物の幅方向へ複数のノズルが並べられたノズル列等でもよい。また、ヘッドユニットは、ラインヘッドユニット以外にも、シリアルプリンター用のヘッドユニット等でもよい。
伝達回路は、分配基板150Bに配置される以外にも、配線基板140、ヘッド固定基板102、FFC160B、本体基板30、等に配置されてもよい。また、伝達回路に接続される吐出制御回路の数は、限定されず、複数のみならず、単数でもよい。むろん、プリンター本体から吐出制御回路に至る回路を形成する基板は、特に限定されない。例えば、中継基板150Aと分配基板150Bを共通の基板にすること、分配基板150Bを省略し配線基板140とFFC160Bを接続して伝達回路250を分配基板150B以外に配置すること、等も可能である。
プリンターのスリープ状態は、切り替わらない単一の動作状態以外にも、2段階以上に切り替わる動作状態でもよい。
吐出制御回路の吐出停止状態は、吐出停止ステータスST0〜ST2のように3段階に切り替わる以外にも、2段階や4段階以上に切り替わってもよいし、切り替わらない単一の動作状態でもよい。
本技術を適用可能な吐出状態信号は、パルス選択情報を表す信号以外にも、パルス選択情報に変換される前の印字データ等でもよい。また、吐出状態信号の伝達は、上述した実施形態に限らず、圧縮、暗号化、等の変換を行う等、いかなる方法で行ってもよい。
伝達回路から第1信号線に出力される接続確認信号と、伝達回路から第2信号線に出力される接続確認信号とは、異なるシーケンスとされてもよい。
吐出部から吐出される液体は、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体吐出ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレーやFED(電界放出ディスプレイ)等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等の液体吐出装置に搭載可能である。
むろん、液体吐出装置に吐出部と吐出制御回路と伝達回路があれば、ルーター機能、スキャン機能、スリープ機能、等が無くても、本発明の基本的な効果が得られる。
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、不適切な液体吐出動作を抑制することが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…プリンター(液体吐出装置)、2…本体、3…ヘッドユニット、20…ノズルプレート、21…ノズル、22…ノズル列、30…本体基板、32…電源供給部、33…電源スイッチ、46…制御部、51…駆動素子、100…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、102…ヘッド固定基板、110…ヘッド本体、120…保持部材、130…固定板、140…配線基板、150A…中継基板、150B…分配基板、160,160A,160B…FFC(フレキシブルフラットケーブル)、210,211,212…吐出部、220,221,222…吐出制御回路、230,231,232…記憶部、240,241,242…接続確認部、250…伝達回路、252…電源電圧監視回路、254…接続確認信号出力回路、Id…インク滴(液体)、L0,L1,L2…信号線、M1…被印刷物、SG1,SG11,SG12…吐出状態信号、SG2…接続確認信号、ST0,ST1,ST2,ST3…ステータス。

Claims (11)

  1. 液体を吐出する吐出部と、
    前記液体の吐出状態を表す吐出状態信号に従って前記吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための吐出制御回路と、
    前記吐出状態信号を前記吐出制御回路へ伝達するための信号線に接続された伝達回路と、を備え、
    前記吐出制御回路の動作状態には、前記吐出部により前記液体を吐出させる吐出許可状態と、前記吐出部による前記液体の吐出を停止させる吐出停止状態と、が含まれ、
    前記伝達回路は、前記吐出制御回路との接続状態を確認するための接続確認信号を前記信号線に出力し、
    前記吐出制御回路は、前記吐出停止状態において前記信号線から前記接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、液体吐出装置。
  2. 前記伝達回路は、前記吐出部からの前記液体による記録を開始する前に前記接続確認信号を前記信号線に出力する、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記伝達回路は、電源がオンにされてから最初に前記吐出部からの前記液体による記録を開始する前に前記接続確認信号を前記信号線に出力する、請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体吐出装置の動作状態には、前記吐出部への通電を停止する節電状態が含まれ、
    前記伝達回路は、前記節電状態が解除されてから前記吐出部からの前記液体による記録を開始する前に前記接続確認信号を前記信号線に出力する、請求項2又は請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記伝達回路は、前記吐出部が交換されてから前記吐出部からの前記液体による記録を開始する前に前記接続確認信号を前記信号線に出力する、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記伝達回路は、該伝達回路に印加される電圧が動作電圧に立ち上がったときに前記接続確認信号を前記信号線に出力する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記信号線は、シリアル通信により前記吐出状態信号を伝達するためのクロックライン及びシリアルデータラインを含み、
    前記接続確認信号には、前記シリアルデータラインの電圧の状態変化に合わせて前記クロックラインの電圧の状態が読み取られる信号が含まれる、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記吐出部は、前記液体を吐出する第1吐出部、及び、前記液体を吐出する第2吐出部を含み、
    前記吐出制御回路は、前記液体の吐出状態を表す第1吐出状態信号に従って前記第1吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための第1吐出制御回路、及び、前記液体の吐出状態を表す第2吐出状態信号に従って前記第2吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための第2吐出制御回路を含み、
    前記信号線は、前記第1吐出状態信号を前記第1吐出制御回路へ伝達するための第1信号線、及び、前記第2吐出状態信号を前記第2吐出制御回路へ伝達するための第2信号線を含み、
    前記伝達回路は、前記接続確認信号を前記第1信号線及び前記第2信号線に出力し、
    前記第1吐出制御回路は、前記吐出停止状態において前記第1信号線から前記接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替え、
    前記第2吐出制御回路は、前記吐出停止状態において前記第2信号線から前記接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 液体吐出装置に組み込まれるヘッドユニットであって、
    液体を吐出する吐出部と、
    前記液体の吐出状態を表す吐出状態信号に従って前記吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための吐出制御回路と、
    前記吐出状態信号を前記吐出制御回路へ伝達するための信号線に接続された伝達回路と、を備え、
    前記吐出制御回路の動作状態には、前記吐出部により前記液体を吐出させる吐出許可状態と、前記吐出部による前記液体の吐出を停止させる吐出停止状態と、が含まれ、
    前記伝達回路は、前記吐出制御回路との接続状態を確認するための接続確認信号を前記信号線に出力し、
    前記吐出制御回路は、前記吐出停止状態において前記信号線から前記接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、ヘッドユニット。
  10. 液体の吐出状態を表す吐出状態信号が伝達回路から伝達される信号線に接続され、前記吐出状態信号に従って吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための集積回路であって、
    前記集積回路の動作状態には、前記吐出部により前記液体を吐出させる吐出許可状態と、前記吐出部による前記液体の吐出を停止させる吐出停止状態と、が含まれ、
    前記吐出停止状態において前記信号線から前記伝達回路との接続状態を確認するための接続確認信号が入力されたと判断したときに動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、集積回路。
  11. 液体を吐出する吐出部と、
    前記液体の吐出状態を表す吐出状態信号に従って前記吐出部による前記液体の吐出状態を制御するための吐出制御回路と、
    前記吐出状態信号を前記吐出制御回路へ伝達するための信号線に接続された伝達回路と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記吐出制御回路の動作状態には、前記吐出部により前記液体を吐出させる吐出許可状態と、前記吐出部による前記液体の吐出を停止させる吐出停止状態と、が含まれ、
    前記伝達回路から前記吐出制御回路との接続状態を確認するための接続確認信号を前記信号線に出力し、
    前記吐出停止状態において前記信号線から前記接続確認信号が前記吐出制御回路に入力されたと判断したときに前記吐出制御回路の動作状態を前記吐出許可状態に切り替える、液体吐出装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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