JP5571888B2 - ヘッド基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ - Google Patents

ヘッド基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ Download PDF

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Description

本発明はヘッド基板、記録ヘッド、及びヘッドカートリッジに関する。本発明は特に、記録に必要な熱エネルギーを発生する電気熱変換素子とそれを駆動するスイッチング素子を同一基板上に形成したヘッド基板、そのヘッド基板を用いた記録ヘッド、及びその記録ヘッドを用いたヘッドカートリッジに関する。
従来インクジェット記録ヘッドの電気熱変換素子(ヒータ)と、ヒータ駆動を切換えるスイッチング素子は、特許文献1に示されているように半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成される。ヒータとスイッチング素子とがヘッド基板上に一体形成されたレイアウト構成はこれまでにも多く提案されている。スイッチング素子としてNMOSトランジスタを採用した場合、ヘッド基板にロジック回路の電源電圧であるVDD電圧を昇圧するレベル変換回路(LVC)が実装される。これは、NMOSトランジスタの駆動能力を向上させるためである。LVCアレイの構成については、特許文献2の構成が知られている。レベル変換回路の他の構成として、特許文献3の構成や、特許文献4の構成がある。
図13はヒータ203、ドライバトランジスタ204を含んだ等価回路の一例を示す図である。
ヒータの駆動信号は、シフトレジスタ(S/R)(不図示)やデコーダ(不図示)などのロジック回路で処理を行なう。この後、3.3V程度のロジック電圧(VDD電圧)の振幅をもって、ロジック回路の最終段にあたるANDゲート206から出力される。図13では便宜上、ロジック回路部の出力をANDゲートからの出力で表現している。次に、ANDゲートからの出力信号はレベル変換回路205でVDD電圧よりも高い電源電圧である第2の電源電圧(VHT)の振幅にレベル変換する。そして、この出力電圧でヒータを駆動するためのスイッチング素子としてのドライバトランジスタ204のゲートを駆動する。
このようにして、ドライバトランジスタ204のゲートをVDD電圧よりも高い電圧で駆動することで、ヒータ203を駆動する時のドライバトランジスタでの実効的な抵抗を小さくしている。
図13には、同様の回路が複数アレイ状に配置された回路ブロック210がさらに複数配置され、多数の記録素子とそのスイッチング素子が同一基板上に形成される。
図14は従来のレベル変換回路205の一例を示す回路図である。
図14において、301a〜301jはレベル変換回路を構成する要素である。即ち、301aは素子駆動信号回路(不図示)やブロック選択回路(不図示)などからなるロジック回路からの信号を入力するIN端子である。301bはIN端子301aからの信号を受け、その反転信号を出力するためのインバータである。301c〜301hは信号の電圧振幅を変換するためのレベル変換部を構成するMOSトランジスタ、301iはレベル変換回路の出力信号をバッファリングするためのインバータである。301jはレベル変換された信号を出力するOUT端子である。
IN端子301aに入力された信号は、PMOSトランジスタ301gとNMOSトランジスタ301fとのゲート、及びインバータ301bに入力される。インバータ301bにより反転された信号はPMOSトランジスタ301dとNMOSトランジスタ301cのゲートへそれぞれ入力される。なお、IN端子301aに印加される入力信号とインバータ301bの出力信号の振幅電圧はVDD電圧である。
ここで、IN端子301aに入力される信号がハイレベル(H)(=VDD電圧)のときの回路動作について考える。
MOSトランジスタ301cと301dのゲートには入力信号の反転信号が印加されるため、ローレベル(L)の電圧(=0V)が印加される。一方、NMOSトランジスタ301fとPMOSトランジスタ301gのゲートには入力信号がそのまま印加されるため、ハイレベルの電圧(H)が印加される。このとき、NMOSトランジスタ301fはオン状態となる。このため、NMOSトランジスタ301fのドレイン端子はGNDと低インピーダンスで接続されていることとなる。
図14に示されているように、NMOSトランジスタ301fのドレイン端子はPMOSトランジスタ301eのゲートへ接続されている。そのため、PMOSトランジスタ301eのゲートはGNDに低インピーダンスで接続されることとなり、PMOSトランジスタ301eはオン状態となる。一方、PMOSトランジスタ301eに直列接続されているPMOSトランジスタ301dはゲートにインバータ301bの出力が印加されているのでそのゲート電圧は0Vとなる。このとき、PMOSトランジスタ301eがオン状態でPMOSトランジスタ301dのソース電位がVDD電圧よりも高いVHT電圧であるため、PMOSトランジスタ301dはVDD電圧が印加されていても0Vが印加されていてもオン状態である。
さらに直列接続されているNMOSトランジスタ301cはゲート電圧が0Vであるため、オフ状態となる。また、PMOSトランジスタ301e、301dがオンでNMOSトランジスタ301cがオフである。このため、PMOSトランジスタ301dとNMOSトランジスタ301cのドレインが接続されPMOSトランジスタ301hのゲートへ接続されているノードの電位はレベル変換回路の電源電位であるVHTとなる。
そのため、PMOSトランジスタ301hはオフ状態となる。PMOSトランジスタ301hがオフでNMOSトランジスタ301fはオンである。このため、PMOSトランジスタ301gとNMOSトランジスタ301fのドレインが接続され、PMOSトランジスタ301eのゲートに接続されたノード電圧は0Vに確定する。このノードの電位がインバータ301iに入力され、インバータ301iの出力信号がレベルコンバータの出力信号となる。ここで、インバータ301iに入力される信号は0Vであるため、出力信号はハイレベルとなり、VHT電圧がOUT端子301jに出力される。
一方、IN端子301aに入力される信号がローレベル(0V)の時の回路動作はすべての論理が反転し、OUT端子に0Vが出力される。
図15は従来のヘッド基板のヒータ駆動のタイミングにおけるレベル変換回路の入力信号とドライバトランジスタのゲート電圧を含んだタイミングチャートである。
ヒータ203に通電するタイミングを規定するロジック回路206からの出力パルス(HEAT)はレベル変換回路205のIN端子に0VからVDD電圧の振幅で印加される。
その出力パルス(HEAT)のタイミングに応じ、ドライバトランジスタ204の駆動電源で消費される電流(IHT)は出力パルス(HEAT)の立ち上がりと立下りのタイミングで過渡的に電流が流れる。選択駆動されるヒータ203に対応するドライバトランジスタ204には、レベル変換回路205の出力が接続されており、信号(VG_on)に示す0VからVHT電圧の振幅が印加される。つまり、信号(VG_on)はパルス信号(HEAT)がレベル変換された信号である。
信号(VG_on)が印加されたドライバトランジスタ204は閾値Vth以上のゲート電圧が印加されている間はオン状態となり、ヒータ203に電流(IH_on)が流れる。一方、選択駆動されないヒータ203に対応するドライバトランジスタ204には信号(VG_off)(=0V)が印加され、ヒータ電流が流れることはない。これを図15では、電流(IH_off)として図示している。
特開平5−185594号公報 特開平10−34898号公報 米国特許出願公開第2006/0139412号明細書 特開2005―169868号公報
さて、近年になり、以上述べてきたようなヘッド基板を用いた記録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置ではインクを吐出するノズルの高密度化が進められている。これはヒータを高密度に配置することを意味する。このため、対応するドライバトランジスタ、レベル変換回路(LVC)、ロジック回路を高密度に配置する必要がある。最近のノズル高密度化に対応するためには回路を数十μmから十数μm程度のピッチに配置することが求められる。ロジック回路については半導体製造プロセスにおいて製造される回路を微細化することで、そのような高密度化にある程度は対応可能である。
一方、レベル変換回路などのようにロジック電圧などに比べ高電圧により動作させる必要がある回路は高電圧に対する耐圧を確保する必要があるため、高耐圧の素子構造を採用しなければならない。しかしながら、高耐圧の素子構造は微細プロセスによる集積化には限界があり、高密度化が難しい。
このように素子の微細化による対応が困難なため素子数(トランジスタ数)を削減することによる高密度化への対応が考えられる。
従来のレベル変換回路の構成要素であるトランジスタは、レベル変換回路に通電する電流をスイッチング後に遮断するために必要なものである。このトランジスタ数を削減すると、その論理状態によって電流が通電しつづけることとなり、レベル変換回路にて消費する電流が大きなものとなってしまう。
図16は抵抗負荷にNMOSトランジスタを直列に接続したレベル変換回路の原理的な回路構成を示す図である。このレベル変換回路ではIN端子に入力される論理信号がVHT電圧の振幅で反転してOUT端子へ出力される。
図16に示すような構成では、素子数は従来例として示したレベル変換回路に比べて削減できる。しかしながら、ハイレベルの論理を入力する(ローレベルの論理を出力する)状態では、常に抵抗とNMOSトランジスタを通して電源電流を供給しつづけることとなる。
このため高密度に多数のノズルとスイッチング素子を配置した最近の記録ヘッドでは、1ノズル(ヒータ)あたりの消費電流のわずかな増加も全体としては大きな電流となり、ヘッドの温度が上昇することとなる。ヘッドの温度上昇により、特に、吐出特性が大きな影響を受け、最終的には記録品位の劣化を招いてしまうという大きな問題となることもある。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、消費電力を抑制しつつ、レベル変換回路の素子数を削減した上で安定的に高品位な記録が可能なヘッド基板を提供することを目的としている。また、そのヘッド基板を用いた記録ヘッド、及びヘッドカートリッジを提供することも目的としている。
上記目的を達成するために本発明のヘッド基板は、以下のような構成からなる。
即ち、複数の電気熱変換素子と、前記複数の電気熱変換素子をそれぞれ駆動するための複数のスイッチング素子とを有する複数の回路ブロックと、前記複数の回路ブロックとは独立して配置され、前記複数のスイッチング素子を時分割で駆動するための時分割信号の振幅を、基準電圧と該基準電圧より高い第1の電圧との間で電圧が変化する振幅から前記基準電圧と前記第1の電圧より相対的にい第2の電圧との間で電圧が変化する振幅へと変換し、前記複数の回路ブロックへ供給するレベル変換回路とを備えるヘッド基板であって、前記複数の回路ブロックそれぞれは、前記複数のスイッチング素子それぞれに対応して設けられ、前記レベル変換回路から供給された前記時分割信号に応じて前記基準電圧と前記第2の電圧間で電圧が変化する振幅の駆動信号を前記複数のスイッチング素子のそれぞれに印加する複数の印加回路と、当該それぞれの回路ブロックの有効・無効を選択する、前記基準電圧と前記第1の電圧間で電圧が変化する振幅のイネーブル信号に基づいて、前記駆動信号の印加が可能な期間を定める、前記基準電圧より高くかつ前記第2の電圧より低い所定電圧と前記第2の電圧間で電圧が変化する振幅のバイアス信号を前記複数の印加回路に共通に供給するバイアス回路とを有し、前記複数の印加回路それぞれは、直列に接続されたNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジスタで構成され、前記PMOSトランジスタのゲートに前記バイアス信号が供給され、前記NMOSトランジスタのゲートに前記時分割信号が供給され、前記2つのMOSトランジスタの接続点より前記時分割信号に応じて前記バイアス信号により定められた期間、前記駆動信号を出力することを特徴とする。
また他の発明によれば、上記構成のヘッド基板を用いた記録ヘッドを備える。
さらに他の発明によれば、上記記録ヘッドとその記録ヘッドに供給するインクを収容したインクタンクとを一体化したヘッドカートリッジを備える。
本発明によれば、費電力を小さくすることができる。これにより、ッド基板での発熱を抑えることができ、記録ヘッドの温度上昇を抑えることができる。
特に、ヒータ数の多いヘッド基板においては消費電力の削減効果は大きなものとなり、これにより記録ヘッドの発熱を抑える効果も大きなものとなる。例えば、インクジェット記録ヘッドの場合、これにより、安定したインク吐出を達成でき、高品位な記録が可能となる。
また、路規模が小さくなり、ヘッド基板全体の小型化にも貢献する。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3をキャリッジ2に搭載している。キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行う。記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能である。そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、電気熱変換体を備えている。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。この画像データは、例えば、ラスタ形式で入力される。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
なお、図1に示す構成は、インクカートリッジ6と記録ヘッド3とが分離可能な構成であるが、これらが一体的に形成されて交換可能なヘッドカートリッジを構成しても良い。
図3は、インクタンクと記録ヘッドとが一体的に形成されたヘッドカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。図3において、点線KはインクタンクITと記録ヘッドIJHの境界線である。ヘッドカートリッジIJCにはこれがキャリッジ2に搭載されたときには、キャリッジ2側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられている。この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
なお、図3において、500はインク吐出口列である。
図4は記録ヘッド3が実装するヒータとスイッチング素子とが一体形成したヘッド基板のレイアウト構成を示す図である。
図4に示すように、ヘッド基板100上の中央付近に基板裏面からインクを導入するためのインク供給口102が形成される。そして、インク供給口102を挟んで対向するようにヒータアレイ103、ドライバトランジスタアレイ104、LVCアレイ105、ロジック回路106が配置される。
また、ヒータやロジック回路との電気的接続を外部に引き出す電源端子や信号端子のパッド101はヘッド基板100の短辺側に配置されていて、そこから内部回路へアルミニウム(Al)配線で接続されている。
LVCアレイ105は、ヒータのスイッチング素子としてNMOSトランジスタを採用した構成である。この構成において、NMOSトランジスタの駆動能力を向上させるためにロジック回路106の電源電圧VDDを昇圧し、NMOSトランジスタのゲートに昇圧された電圧を印加する。なお、ロジック回路の電源電圧であるVDD電圧として、例えば3.3Vや5Vなどが採用されている。
次に、以上の構成の記録装置と記録ヘッドに用いられるヘッド基板のいくつかの実施例について説明する。
図5は実施例1に従うヘッド基板に実装されるレベル変換回路、ヒータ、ドライバトランジスタを含んだ等価回路を示す図である。なお、図5において、既に従来例において説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
このヘッド基板も従来例と同様に、ヒータを駆動する信号をロジック回路の一部を構成するヒータ選択回路としてのANDゲート206で処理した後、ロジック電圧(VDD電圧)の振幅で出力する。この出力電圧がレベル変換回路205でVDD電圧よりも高い電源電圧である第2の電源電圧(VHT)の振幅に昇圧され、この昇圧電圧でドライバトランジスタ204のゲートを駆動する。
図5と図13とを比較すると分かるように、この実施例に従うヘッド基板にはレベル変換回路205の動作を制御するためのバイアス回路401を備える。
バイアス回路401はバイアス制御信号(不図示)をCHARGE端子で受け、その端子に印加される信号のタイミングでBIAS OUT端子からの出力電圧を変化させて、バイアス信号としている。BIAS OUT端子からの出力電圧は各レベル変換回路205のBIAS端子に印加され、レベル変換回路の動作状態が制御される。つまり、レベル変換回路205が昇圧を行うことが可能な期間を設定するバイアス信号を出力することになる。
図6は実施例1に従うレベル変換回路205の構成を示す回路図である。
この実施例のレベル変換回路は、NMOSトランジスタ701にIN端子からレベル変換するVDD電圧の振幅をもつ入力信号を印加し、レベル変換された信号を出力信号としてOUT端子より出力する。
図6に示されているように、レベル変換回路205はNMOSトランジスタ701と直列にPMOSトランジスタ702を介してレベル変換する電源電圧であるVHT電源に接続されている。一方、PMOSトランジスタ702のゲートにはバイアス回路401から出力されるバイアス電圧がBIAS端子を介して印加される。
図7はレベル変換回路205でVDD電圧振幅からこれより高い第2の電圧振幅に変換するか否かの動作を制御するためのバイアス回路401の構成を示す回路図である。
バイアス回路401はNMOSトランジスタ801とPMOSトランジスタ803と電流制限抵抗(電流制限素子)802とから構成されている。NMOSトランジスタ801のゲートは外部からVDD電圧の振幅をもつ信号を入力するCHARGE端子と接続される。PMOSトランジスタ803のソースはVHT電源電圧に接続され、そのゲートとドレインとを短絡したノードはBIAS OUT端子に接続される。電流制限抵抗802の一端は、BIAS OUT端子のノードに接続され、他端はNMOSトランジスタ801のドレインに接続される。
ここで、電流制限抵抗802はバイアス回路に流れる電流を制限するために付加されたものであり、同様に電流を制限するものであればトランジスタなどにより構成させてもよい。なおバイアス回路401からの出力(BIAS OUT)は、図示するように複数のレベル変換回路に共通に接続されている。
次に、レベル変換回路205の動作について説明する。
VHT電圧の振幅をもつパルスをOUT端子から出力させないとき(ヒータに電流を流さないとき)には、IN端子にはVDD電圧が常に印加される。レベル変換回路205を動作させ、OUT端子からVHT電圧を出力させるとき(ヒータに電流を流すとき)には、バイアス回路401のCHARGE端子にVDD電圧を印加し、NMOSトランジスタ801をON状態とする。このとき、電流制限抵抗802の抵抗値に従って流れる電流によりPMOSトランジスタ803のゲート電圧が決定される。このゲート電圧がBIAS_OUT端子から各レベル変換回路205のBIAS端子に印加される。
BIAS端子にPMOSトランジスタ702がオンする電圧が印加された状態で、VHT電圧を出力させたいレベル変換回路のIN端子に、0Vを印加する。これにより、NMOSトランジスタ701はオフ状態となる。ここで、直列に接続されたPMOSトランジスタ702はオン状態であるためOUT端子はVHT電圧とほぼ等しくなる。
図8は各端子の電圧と電源電流の変化を示すタイミングチャートである。
まず、VHT電圧の振幅をもつ信号を出力させたいレベル変換回路のIN端子に信号IN_onに示すようなパルス(負論理)を印加する(図8の801a)。一方、信号IN_onの変化に少し先立ち、CHARGE端子に正論理のパルス信号CHARGEを印加する(図8の802a)。ここで、バイアス回路401はCHARGE信号に応じてBIAS_OUT端子から電圧を出力する。即ち、CHARGE端子にVDD電圧が印加されている間はBIAS_OUT端子にPMOSトランジスタ702をオンさせる電圧を出力する(図8の803a)。
このとき、複数のレベル変換回路205のBIAS端子に同様のBIAS_OUT端子からの出力電圧が印加される。即ち、VHT電圧の振幅をもつパルスを出力するレベル変換回路と0Vを出力しつづけるレベル変換回路の共通にBIAS_OUT端子からの出力電圧が印加される。
0Vを出力しつづける(即ち、ヒータを駆動しない)レベル変換回路では、PMOSトランジスタ702とNMOSトランジスタ701がともにオン状態となる。そのため、0Vを出力しつづけるレベル変換回路ではCHARGE信号パルスが印加されている間、VHT電源からの電流IHTが流れることとなる。このタイミングチャートでは他のレベル変換回路で流れる電流を合わせてIHTとして表記している。しかしながら、この場合には、バイアス回路401により制限されたわずかな電流が各レベル変換回路に流れるだけであり、一定の電流値以下に抑えることが可能である(図8の804)。
また、図5からも分かるように、バイアス回路401は回路ブロック210毎に配置されている。そのため、ヒータを駆動しない回路ブロックではレベル変換回路を駆動しないことでVHT電源による電流消費が生じることはない。従って、記録ヘッド全体としてのVHT電源による電流IHTの消費を抑制することが可能である。
一方、ヒータを駆動するドライバトランジスタに対応するレベル変換回路では、CHARGE信号が印加されているタイミングでPMOSトランジスタ702がオン状態となる。ここで、信号IN_onが印加されていないタイミングではPMOSトランジスタ702、NMOSトランジスタ701ともにオン状態となる。従って、それぞれのトランジスタによる分圧比でOUT端子の電位が決まる。一方、PMOSトランジスタ702はBIAS_OUT端子からの信号により制限されたオン状態である。このため、レベル変換回路のOUT端子から出力OUT_onは、接続されるドライバトランジスタ204の閾値電圧Vthよりも低い電圧となる(図8の805a)。
続いて、信号IN_onがレベル変換回路205のIN端子に印加されるとNMOSトランジスタ701はオフ状態となる。これにより、OUT端子からの出力OUT_onはPMOSトランジスタ702のみがオン状態となり、ドライバトランジスタ204のゲートに電流が流れる。この結果、出力OUT_onからの電圧は増加し、VHT電位程度まで上昇することとなる(図8の805b)。
出力OUT_onの電圧がドライバトランジスタ204の閾値電圧Vth以上の間、ドライバトランジスタ204に直列に接続されているヒータ203に電流IH_onが流れる(図8の806a)。電流IH_onによりヒータ203が発熱、インクが発泡してインクが吐出される。
一方、同じ回路ブロック210の中の他のレベル変換回路にはヒータ203を駆動しない状態のものも存在する。そのようなレベル変換回路のIN端子にはVDD電圧が印加されつづける(不図示)。このレベル変換回路では、NMOSトランジスタ701、PMOSトランジスタ702がともにオン状態で、かつPMOSトランジスタ702はBIAS_OUT端子からの出力電圧により制限されたオン状態となる。このため、そのOUT端子の出力電圧OUT_offは、次段のドライバトランジスタ204をオンさせることのない電圧(即ち、閾値電圧Vthよりも低い)が出力される(図8の807)。従って、ヒータに電流(IH_off)が流れることはない(図8の808)。
ヒータに供給する電流をオフするときには、まず信号IN_onをVDD電位とし(図8の801b)、レベル変換回路205のNMOSトランジスタ701をオン状態とする。そして、PMOSトランジスタ702、NMOSトランジスタ701ともにオン状態とすることでOUT端子からの出力OUT_onの電圧を閾値電圧Vth以下の値とする(図8の805c)。出力OUT_onが閾値電圧Vth以下となることでドライバトランジスタ204はオフ状態となりヒータへの電流IH_onがオフとなる(図8の806b)。その後、CHARGE信号を0Vとして(図8の802b)、BIAS_OUT端子からの出力電圧をVHT電圧とする(図8の803b)。これにより、レベル変換回路205のPMOSトランジスタ702はオフ状態となるため、OUT端子からの出力OUT_onは0Vとなる。
以上述べてきたように、本発明では、バイアス回路401によりレベル変換回路205のPMOSトランジスタ702を制御する。このようにすることでレベル変換回路の消費電流を抑制しつつ、従来と比較して少ないトランジスタ数でレベル変換回路を構成することが可能となる。
図9はより消費電流を抑制した駆動を実現する信号変化を示すタイミングチャートである。
図9に示すタイミングチャートと図8に示したタイミングチャートと異なる点を以下に述べる。図9では、CHARGE信号をドライバトランジスタ204のゲートに印加する出力OUT_onの電圧が高くなり安定したタイミングでオフとする(図9の904)。このタイミングとは、ドライバトランジスタ204のゲートにチャージされたタイミングである。
即ち、OUT端子に接続されるドライバトランジスタ204のゲートに電荷が蓄えられる。その電圧が閾値Vthよりも十分高い値(?VHT)となった時点でPMOSトランジスタ702、NMOSトランジスタ701の両方をオフ状態とするのである。これにより、両方のトランジスタはフローティングノードとなる。その結果、VHT電圧が出力されない他のレベル変換回路で消費されるVHT電流は、CHARGE端子にVDD電流が印加されて、ヒータに電流が流れる期間(IN_onが0Vとなる期間)より早くオフされる。VHT電圧が出力されないとは、ヒータに電源を供給しないことに等しい。VHT電流とはIHTのことである。
図8に示した例では、BIAS_OUT端子からの出力が、信号IN_onを包含する期間、BIAS_OUT端子からの出力はアクティブとなっている。即ち、BIAS端子に入力される電圧が印加されている間、電流IHTが流れつづける構成である。これに比較して、図9に示した例では電流IHTが流れる期間が短く(デューティが低く)なる。その結果、図8に示した例よりもさらにレベル変換回路での消費電流を抑制することが可能となる。これにより、記録ヘッドの昇温が抑えられ、インクの吐出特性を良好なものとすることができる。
図10は実施例2に従うヘッド基板に実装されるレベル変換回路、ヒータ、ドライバトランジスタを含んだ等価回路を示す図である。なお、図10において、既に従来例において説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
このヘッド基板も従来例と同様に、ヒータを駆動する信号をロジック回路206で処理した後、ロジック電源電圧(VDD電圧)の振幅で出力する。この出力電圧がレベル変換回路205の2つある入力端子IN1、IN2に印加される。
図5と図10とを比較すると分かるように、この実施例に従うヘッド基板に備えるレベル変換回路205には複数のロジック信号が入力される。そして、レベル変換回路205はこれら入力する複数のロジック信号に対して論理演算と信号振幅の変換を同時に行うことを特徴としている。なお、この実施例で用いるバイアス回路401は実施例1と同じ図7に示す回路である。
図11は実施例2に従うレベル変換回路の構成を示す回路図である。
このレベル変換回路は、レベル変換するVDD電圧の振幅をもつ信号を、NMOSトランジスタ701に対しては端子IN1から、NMOSトランジスタ703に対しては入力端子IN2から、それぞれ印加し、その出力信号をOUT端子より出力する。
レベル変換回路のOUT端子は、並列に接続されたNMOSトランジスタ701、703と接続される一方、直列にPMOSトランジスタ702を介してレベル変換する電源電圧であるVHT電源に接続されている。PMOSトランジスタ702のゲートにはバイアス回路401から出力されるバイアス電圧が印加される。
この回路の動作は、実施例1と同様であるが、ヒータに電流を流すためには入力端子IN1、IN2に印加するVDD電圧の振幅をもつ信号をともに0Vとする必要がある
即ち、入力端子IN1、IN2のいずれか一方(あるいは両方)にVDD電圧が印加されている場合、次のようになる。レベル変換回路のOUT端子からの出力電圧は0Vとなり、入力端子IN1、IN2の両方が0Vとなる場合のみ、OUT端子からはVHT電圧を出力する。このような構成をもつことにより、この実施例のレベル変換回路は入力端子IN1、IN2を入力とする2入力NORゲートとして機能する。
従って以上説明した実施例に従えば、NORゲートによる論理演算結果を次段のドライバトランジスタの駆動制御に用いることが可能であるため、前段のロジック回路の構成を簡略化することが可能となる。また、レベル変換回路内で並列接続するNMOSトランジスタの数と入力信号の数とを増加させることで2入力以上のNORゲートを実現することができる。
図12は実施例3に従うヘッド基板に実装されるレベル変換回路、ヒータ、ドライバトランジスタを含んだ等価回路を示す図である。この実施例では、各ヒータをブロックに応じて時分割駆動する回路を示している。なお、図12において、既に従来例や実施例1において説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。従って、バイアス回路401は実施例1で図7を参照して説明したものと同じであり、レベル変換回路205は実施例1で図6を参照して説明したものと同じである。
図12には複数の回路ブロック210が図示されているが、その各々に論理回路(不図示)からデータ信号DATAをシリアルに入力するシフトレジスタ(S/R)1305が1ビット分ずつ配置されている。シフトレジスタ(S/R)1305には、それを含む回路ブロックを選択するか否かを示すデータ信号DATAがクロック信号(不図示)に同期して転送され、ラッチ信号(不図示)により保持される。各ブロック内のシフトレジスタ(S/R)の出力はバイアス回路401のCHARGE端子へと印加される。
図12において、破線1301で囲まれたシフトレジスタ(S/R)1305を含む回路はVDD電圧により動作している。そのため、CHARGE端子へ印加される信号の振幅はVDD電圧の振幅となる。この信号は各ブロックの有効・無効を選択するイネーブル信号としての機能を持っている。
一方、論理回路(不図示)から入力されるブロックイネーブル信号は、デコーダ1304によりデコードされる。ブロック210内の任意のヒータを選択するデコーダ1304の出力信号が、複数のレベル変換回路205の入力端子INへとそれぞれ接続されている。ここで、デコーダ1304からの出力はレベル変換回路1303により、その振幅をVHT電圧まで増幅した上でIN端子へと供給されている。この信号は任意のタイミングで任意の1ヒータを選択する時分割信号としての機能を持っている。
レベル変換回路1303によりVHT電圧の振幅に増幅された時分割信号1306は複数ある回路ブロック210に共通に印加される。
回路ブロック210の動作については実施例1と同様である。この実施例ではバイアス回路401の動作をVDD電圧の振幅をもつイネーブル信号で制御する一方、時分割信号をVHT電圧の振幅をもつ信号により制御する。これら振幅の異なる信号をバイアス回路401および各ヒータに対応したレベル変換回路205にて論理合成し、ドライバトランジスタ204のゲートへVHT電圧の振幅をもつ信号を印加する構成となっている。
なお、図12において、本発明のレベル変換回路205は、図示された点線部分の回路であるが、レベル変換回路1303は、図14に示したような従来のレベル変換回路の回路構成を有するものとする。この実施例では、ヒータ数に等しい数のレベル変換回路205と、時分割数の数だけのレベル変換回路1303を備えた構成になっている。この実施例の、従来のレベル変換回路1303は、時分割数の数だけ配置されるものであり、記録ヘッドのノズル列方向の素子の高密度配置を制限することはない。時分割信号生成部のレベル変換回路1303は、消費電流を抑制する目的で、従来のレベル変換回路数(ヒータ数に等しい)より少ない時分割数の数だけ備えれば良い。
この実施例の構成によれば、各ビットのレベル変換回路205のサイズをより小さくすることが可能となる。具体的には、レベル変換回路205のNMOSトランジスタ701のサイズを縮小することが可能となる。
実施例1と実施例2では、レベル変換回路のNMOSトランジスタのゲートにはVDD電圧の振幅をもつ信号を印加していた。このとき、バイアス回路401のCHARGE端子にハイレベル(H)の信号が印加されている場合にはPMOSトランジスタ702がオン状態となる。ここで、ヒータに電流を流さないレベル変換回路205は、NMOSトランジスタ701がオン状態であるためOUT端子からの出力電圧がドライバトランジスタ204の閾値Vth以下であればヒータに電流が流れない。しかしながら、OUT端子からの出力をドライバトランジスタ204の閾値Vth以下とするためにはNMOSトランジスタ701を一定以上の大きさとする必要がある。さらにPMOSトランジスタ702から供給される電流を閾値Vth以下のドレイン電圧で流す必要がある。
これに対して、この実施例では、NMOSトランジスタ701のゲート電圧をVDD電圧よりも高いVHT電圧としている。これにより、より小さいゲート幅のNMOSトランジスタでも十分低いドレイン電圧でPMOSトランジスタ702から供給される電流を流すことが可能となる。更なるサイズの縮小が達成される。
また、VHT電圧の振幅をもつ時分割信号1306は複数のブロック210に対し共通に印加される。そのため、時分割の数と同数のレベル変換回路1303を配置すればよく、レベル変換回路1303は高密度配置が要求されるヒータごとに配置が必要な回路とは独立して配置が可能である。
この実施例に従えば、VHT電圧の振幅をもつデコーダからの時分割信号と、VDD電圧の振幅をもつシフトレジスタからのイネーブル信号とを、レベル変換回路で論理演算と信号振幅変換とを行って、ヒータの選択駆動を行うことができる。これにより、レベル変換回路の回路サイズをさらに縮小することができる。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備える。その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置の形態を取るものであっても良い。さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明のインクジェット記録装置の概要を示す外観斜視図である。 本発明の記録装置の制御回路ブロック図である。 ヘッドカートリッジの構成を示す外観斜視図である。 ヘッド基板のレイアウト構成を示す図である。 実施例1におけるヘッド基板に実装される等価回路を示す図である。 実施例1におけるレベル変換回路の構成を示す回路図である。 実施例1におけるバイアス回路の構成を示す回路図である。 実施例1におけるレベル変換回路とバイアス回路の入出力信号タイミングチャートである。 消費電流を抑制したレベル変換回路とバイアス回路の入出力信号タイミングチャートである。 実施例2におけるヘッド基板の等価回路を示す図である。 実施例2におけるレベル変換回路の構成を示す回路図である。 実施例3におけるヘッド基板の等価回路を示す図である。 従来のヘッド基板の等価回路を示す図である。 従来のレベル変換回路の構成の一例を示す回路図である。 従来のヘッド基板のヒータ駆動のタイミングにおけるタイミングチャートである。 抵抗負荷にNMOSトランジスタを直列に接続したレベル変換回路を示す図である。
符号の説明
100 ヘッド基板
101 パッド
102 インク供給口
103 ヒータアレイ
104 ドライバトランジスタアレイ
105 レベル変換回路(LVC)アレイ
106 ロジック回路
204 ドライバトランジスタ
205 レベル変換回路(LVC)
206 ロジック回路
401 バイアス回路
701、703 NMOSトランジスタ
702 PMOSトランジスタ
801 NMOSトランジスタ
802 バイアス電流制限抵抗
803 PMOSトランジスタ
1303 レベル変換回路(LVC)
1304 デコーダ
1305 シフトレジスタ

Claims (5)

  1. 複数の電気熱変換素子と、前記複数の電気熱変換素子をそれぞれ駆動するための複数のスイッチング素子とを有する複数の回路ブロックと、
    前記複数の回路ブロックとは独立して配置され、前記複数のスイッチング素子を時分割で駆動するための時分割信号の振幅を、基準電圧と該基準電圧より高い第1の電圧との間で電圧が変化する振幅から前記基準電圧と前記第1の電圧より相対的にい第2の電圧との間で電圧が変化する振幅へと変換し、前記複数の回路ブロックへ供給するレベル変換回路とを備えるヘッド基板であって、
    前記複数の回路ブロックそれぞれは、
    前記複数のスイッチング素子それぞれに対応して設けられ、前記レベル変換回路から供給された前記時分割信号に応じて前記基準電圧と前記第2の電圧間で電圧が変化する振幅の駆動信号を前記複数のスイッチング素子のそれぞれに印加する複数の印加回路と、
    当該それぞれの回路ブロックの有効・無効を選択する、前記基準電圧と前記第1の電圧間で電圧が変化する振幅のイネーブル信号に基づいて、前記駆動信号の印加が可能な期間を定める、前記基準電圧より高くかつ前記第2の電圧より低い所定電圧と前記第2の電圧間で電圧が変化する振幅のバイアス信号を前記複数の印加回路に共通に供給するバイアス回路とを有し、
    前記複数の印加回路それぞれは、直列に接続されたNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとからなる2つのMOSトランジスタで構成され、前記PMOSトランジスタのゲートに前記バイアス信号が供給され、前記NMOSトランジスタのゲートに前記時分割信号が供給され、前記2つのMOSトランジスタの接続点より前記時分割信号に応じて前記バイアス信号により定められた期間、前記駆動信号を出力することを特徴とするヘッド基板。
  2. 前記複数の回路ブロックそれぞれは、前記イネーブル信号を生成する生成回路をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のヘッド基板。
  3. 請求項1又は2に記載のヘッド基板を備えた記録ヘッド。
  4. 前記記録ヘッドはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項に記載の記録ヘッド。
  5. 請求項に記載のインクジェット記録ヘッドと該インクジェット記録ヘッドにインクを供給するためのインクが貯留されたインクタンクとを有することを特徴とするヘッドカートリッジ。
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