JP2016087533A - 粉体塗装ブースの清掃方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗装ブース21の床下に設置した回収ダクト25の清掃を、塗装ブース21の外部に粉体塗料を漏れ出すことなく、効果的に清掃することができる粉体塗装ブースの清掃方法を提供する。【解決手段】 塗装ブース21の床面22の床下に、オーバースプレー粉を吸引する回収ダクト25を設置し、前記床面22に、床下の回収ダクト25に沿って開口する吸引スリット26を設け、この吸引スリット26を通じて塗装ブース21内のオーバースプレー粉を回収ダクト25に吸引する粉体塗装ブースの清掃方法において、前記回収ダクト25内の清掃を、塗装ブース21内の床面の吸引スリット26から回収ダクト25内にエアーブローノズル31を差し込んで行うようにしたものである。【選択図】 図2
Description
この発明は、粉体塗装ブースの清掃方法、特に、床面の床下にオーバースプレー粉を回収装置に送る回収ダクトが設置されている粉体塗装ブースの清掃方法に関するものである。
粉体塗装は、有機溶剤を含まず、環境にやさしい塗装として、多方面で使用されている。当初は、ガードレール、門扉、フェンスなど、主に屋外に使用する製品に多く使用されていたが、その後、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンの室外機、鋼製家具、パーテーションなど、家庭、事務所で用いられる製品にも多く使用されている。また、日本の基幹産業の一つである自動車の部品へも多く用いられている。例えば、ワイパー、アルミホイール、ブレーキパッド、オイルフィルター、コイルスプリングなどの塗装の他、自動車のボディー塗装にも採用されている。特に、近年無公害という特徴から学童の椅子、机等にも採用されている。
粉体塗装は、有機溶剤を含まず、無公害で、被塗物に付着しなかったオーバースプレー粉の再使用が可能であるが、溶剤塗装に比べて、色替えが問題である。
溶剤塗料の場合は、例えば、A色にB色が少し混入しても混色は見られないが、粉体塗料粒子に別の色の粉体塗料が混ざると、その混ざった粉体塗料がそのまま硬化し、コンタミとして塗膜に現れる。
したがって、粉体塗装では、色替えの際に、コンタミが生じないように、塗装ブースの清掃を十分に行わななければならない。
ところで、粉体塗装を行う粉体塗装ブースとして、従来、図7に示すように、塗装ブース1の床面2の床下に、オーバースプレー粉を回収装置であるサイクロン3に供給する回収ダクト5を設置したものがある。
この塗装ブース1の床面2には、床下の回収ダクト5に沿って開口する吸引スリット6が床面2と壁面9との間のコーナー部に設けられ、この吸引スリット6を通じて塗装ブース1内のオーバースプレー粉を回収ダクト5に吸引し、吸引したオーバースプレー粉をサイクロン3によって回収している。サイクロン3の排気は、カートリッジフィルター8を備える集塵機4に供給される。
また、塗装ブース1の床面2の中央には、床面2に溜まったオーバースプレー粉を吸引スリット6に向かって送るエアーブローノズル7を設置している。
塗装ブース1のエアーの流れと、回収ダクト5のエアーの流れは、図7に矢印で示している。
上記のような床下に回収ダクト5を設置した塗装ブース1を色替えの際に、清掃する場合、塗装ブース1の床面2と壁面9と共に、回収ダクト5内を清掃する必要がある。
従来、床下の回収ダクト5内の清掃は、図8の概略図に示すように、塗装ブース1の外部から床下の回収ダクト5の吸引方向の上流側端部を開き、塗装ブース1の外部から回収ダクト5内にエアーブロー装置10を差し入れ、エアーブロー装置10を台車等に載せて回収ダクト5内を移動させ、エアーブローによって回収ダクト5内を清掃している(特許文献1)。
なお、図8において、符号11は被塗装物、12は被塗装物の搬送ハンガーを示している。
ところが、上記のように、塗装ブース1の外部から回収ダクト5の一端を開いて、エアーブロー装置10を差し入れてエアーブローを行った場合、塗装ブース1の外部に、回収ダクト5内の粉体塗料が漏れ出し、作業環境を汚染するという問題がある。
また、塗装ブース1の外部から回収ダクト5内にエアーブロー装置10を差し入れてエアーブローを行うと、塗装ブース1の床面の吸引スリット6からオーバースプレー粉が塗装ブース1内に逆流し、清掃した床面2や壁面11に付着し、床面2や壁面11の清掃を再度行う必要があり、清掃作業に時間がかかり、色替え時間が長くなるという問題がある。
そこで、この発明は、塗装ブースの床下に設置した回収ダクトの清掃を、塗装ブースの外部に粉体塗料を漏れ出すことなく、効果的に清掃しようとするものである。
この発明は、上記の課題を解決するために、粉体塗装ブースの床面の床下に、オーバースプレー粉を吸引する回収ダクトを設置し、前記床面に、床下の回収ダクトに沿って開口する吸引スリットを設け、この吸引スリットを通じて塗装ブース内のオーバースプレー粉を回収ダクトに吸引する粉体塗装ブースの清掃方法において、前記回収ダクト内の清掃を、塗装ブース内の床面の吸引スリットから回収ダクト内にエアーブローノズルを差し込んで行うようにしたものである。
前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込むエアーブローノズルは、フレキシブルエアーホースによって構成することができる。フレキシブルエアーホースは、エアーの噴出によって振動するため、この振動によって回収ダクト内に付着するオーバースプレー粉が効果的に取り除くことができる。
前記エアーブローノズルは、吸引方向の上流側から下流側に向かって移動させながらエアーブローを行うことが望ましい。
前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込むエアーブローノズルを長さは、回収ダクトの内壁に達する長さに設定することが望ましい。
前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込むエアーブローノズルは、回収ダクトの内面に対向する大きさ形成し、吸引スリットに挿し込む際に、回収ダクトの内面に対向する大きさのエアーブローノズルを吸引スリットの長さ方向に向け、吸引スリットから回収ダクトに挿し込んだ後に、エアーブローノズルを回収ダクトの内面に対向するように回転させるようにしてもよい。
前記エアーブローノズルからのエアーの噴出は、間欠的に行うようにしてもよい。
前記回収ダクト内に吸引スリットからエアーブローノズルを差し込んでエアーブローを行う前後に、回収ダクト内に吸引スリットからモップ、ブラシ、ウエス等の清掃器具を差し入れて前記回収ダクト内を清掃してもよい。
この発明によれば、塗装ブースの床下の回収ダクト内に、塗装ブース内の床面の吸引スリットからエアーブローノズルを差し込んでエアーを供給することにより、塗装ブースの外部に粉体塗料を漏れ出さずに、塗装ブースの床下の回収ダクトを効果的に清掃することができる。
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明によって清掃を行う塗装ブース21の一例を示している。
図1において、塗装ブース21は、部分断面で示しており、床面22の床下に、オーバースプレー粉をサイクロン23によって回収する回収ダクト25が設置されている。
この塗装ブース21の床面22には、床下の回収ダクト25に沿って開口する吸引スリット26が床面22と壁面27との間のコーナー部に設けられ、この吸引スリット26を通じて塗装ブース21内のオーバースプレー粉を回収ダクト25に吸引し、吸引したオーバースプレー粉をサイクロン23によって回収している。サイクロン23の排気は、カートリッジフィルター28を備える集塵機29に供給される。
また、塗装ブース21の床面22の中央には、床面22に溜まったオーバースプレー粉を吸引スリット26に向かって送るエアーブローノズル30を設置している。
塗装ブース21内のエアーの流れと、回収ダクト25のエアーの流れは、図1に矢印で示している。
塗装ブース21の床面22と壁面27は、樹脂パネルによって形成されており、回収ダクト25は、ステンレススチールによって形成されている。
上記塗装ブース21の清掃は、床面22と壁面27を清掃した後、サイクロン23と集塵機29を駆動させた状態で、即ち、回収ダクト25内を吸引状態のまま、図2に示すように、塗装ブース21の内部から床下の回収ダクト25に、床面22の吸引スリット26からエアーブローノズル31を差し込んで、エアーを回収ダクト25内に供給することにより行う。
床面22の吸引スリット26に差し込むエアーブローノズル31は、フレキシブルエアーホースによって構成することができる。
エアーブローノズル31をフレキシブルエアーホースによって構成すると、エアーの噴出によってフレキシブルエアーホースが回収ダクト25内で振動し、この振動によって回収ダクト25内に付着するオーバースプレー粉が効果的に取り除かれ、サイクロン23に吸引される。
前記エアーブローノズル31は、吸引方向の上流側から下流側に向かって移動させながらエアーブローを行うことによって、床下の回収ダクト25の内壁を綺麗に清掃することができる。
前記回収ダクト25内に吸引スリット26から差し込むエアーブローノズル31の長さは、図3に示すように、回収ダクト25の内壁に達する長さに設定することが望ましい。
エアーブローノズル31の長さが、回収ダクト25の内壁に達する長さに設定されていると、フレキシブルエアーホースがエアーの噴出によって回収ダクト25内において踊るように揺れ動いて回収ダクト25の内壁に衝突し、回収ダクト25の内壁に付着した粉体塗料を効果的に剥離する。
回収ダクト25内に吸引スリット26からエアーブローノズル31を差し込んでエアーを供給すると、エアーの流れが吸引スリット26から回収ダクト25に向かう方向になるため、吸引スリット26から塗装ブース21への逆流は起こり難い。
吸引スリット26から塗装ブース21への逆流をより効果的に防止するために、図4に示すように、エアーブローノズル31に、吸引スリット26と回収ダクト25との間の空間を、ゴムブッシュ32によって埋めるようにしてもよい。
仮に、吸引スリット26から塗装ブース21への逆流が起こっても、塗装ブース21内であるため、塗装ブース21の外部に粉体塗料が漏れ出さないので、作業環境を汚染することはない。
前記回収ダクト25内に吸引スリット26から差し込むエアーブローノズル31は、幅が吸引スリット26の幅よりも小さければ、先端が回収ダクト25の内面に対向するような大きさのリング状に形成されていてもよい。この場合、リング状の先端部を吸引スリット26と平行にして、回収ダクト25内に差し込み、差し込んだ後にリング状の先端部を回収ダクト25の内面に対向するように回転させることにより、差し込むことができる。
前記エアーブローノズル31からのエアーの噴出を間欠的に行うことにより、回収ダクト25内に付着する粉体塗料をより効果的に剥離することができる。
前記回収ダクト25内に吸引スリット26からエアーブローノズル31を差し込んでエアーブローを行う前後に、図5に示すように、回収ダクト25内に吸引スリット26からモップ、ブラシ、ウエス等の清掃器具33を差し入れて、回収ダクト25内を清掃してもよい。
清掃器具33の径が、吸引スリット26の幅よりも大きい場合には、図6に示すように、清掃器具33を吸引スリット26と平行にして、回収ダクト25内に差し込み、差し込んだ後に、清掃器具33を回転させればよい。
図2に示す実施形態では、作業員Aが塗装ブース21内に入って手動によってエアーブローノズル31を吸引スリット26内に差し込んでいるが、吸引スリット26へのエアーブローノズル31の差し込みを機械的に行ってもよい。
21 :塗装ブース
22 :床面
23 :サイクロン
25 :回収ダクト
26 :吸引スリット
27 :壁面
28 :カートリッジフィルター
29 :集塵機
30 :エアーブローノズル
31 :エアーブローノズル
32 :ゴムブッシュ
33 :清掃器具
22 :床面
23 :サイクロン
25 :回収ダクト
26 :吸引スリット
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32 :ゴムブッシュ
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Claims (7)
- 粉体塗装ブースの床面の床下に、オーバースプレー粉を吸引する回収ダクトを設置し、前記床面に、床下の回収ダクトに沿って開口する吸引スリットを設け、この吸引スリットを通じて塗装ブース内のオーバースプレー粉を回収ダクトに吸引する粉体塗装ブースの清掃方法において、前記回収ダクト内の清掃を、塗装ブース内の床面の吸引スリットから回収ダクト内にエアーブローノズルを差し込んで行うことを特徴とする粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込んだエアーブローノズルを、フレキシブルエアーホースによって構成し、フレキシブルエアーホースをエアーの噴出によって振動させ、この振動によって回収ダクト内に付着するオーバースプレー粉を取り除くことを特徴とする請求項1記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記エアーブローノズルを回収ダクトの吸引方向の上流側から下流側に向かって移動させながらエアーブローを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込むエアーブローノズルを長さが、回収ダクトの内壁に達する長さに設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記回収ダクト内に吸引スリットから差し込むエアーブローノズルが、回収ダクトの内面に対向する大きさ形成され、吸引スリットに挿し込む際に、回収ダクトの内面に対向する大きさのエアーブローノズルを吸引スリットの長さ方向に向け、吸引スリットから回収ダクトに挿し込んだ後に、エアーブローノズルを回収ダクトの内面に対向するように回転させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記エアーブローノズルからのエアーの噴出を間欠的に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
- 前記回収ダクト内に吸引スリットからエアーブローノズルを差し込んでエアーブローを行う前後に、回収ダクト内に吸引スリットからモップ、ブラシ、ウエス等の清掃器具を差し入れて前記回収ダクト内を清掃することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粉体塗装ブースの清掃方法。
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