JP2018196864A - 塗料回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイクロン容器内における塗料の堆積を解消することができる塗料回収装置を提供する。【解決手段】 塗料回収装置10は、吸気口11aと、吸気口11aから吸気した塗料ミストMを塗料Nと空気Aとに遠心分離するための処理空間11dと、処理空間11dから空気を排気する排気口11bと、を有するサイクロン容器11と、サイクロン容器11の処理空間11dに吸気口11aから排気口11bに向かう気流を発生させる送風装置としての排気ファン20と、サイクロン容器11の処理空間11dに設けられた掻き取り部材21と、掻き取り部材21がサイクロン容器11の内壁に堆積した塗料を掻き取るようにこの掻き取り部材21を駆動する駆動装置としての電動機22と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、塗料を回収する塗料回収装置に関する。
下記の特許文献1には、製品に塗装を施すための塗装ブース装置が開示されている。この塗装ブース装置は、塗装後に残留する噴霧状の塗料ミストから塗料を回収するためのサイクロン容器を備えている。このサイクロン容器は、塗料ミストを容器内で旋回させて塗料と空気とに遠心分離する機能を有する。このサイクロン容器によれば、遠心分離後の塗料が回収タンクに回収され、遠心分離後の空気が排気ダクトから排気される。
特開2015−205228号公報
ところで、上記の塗装ブース装置では、遠心分離後の塗料の一部がサイクロン容器の内壁に付着して堆積する。このとき、サイクロン容器における塗料の堆積量が増えると、圧力損失が増加して排気風量が低下する。そして、排気風量が低下すると、塗装ブース内の圧力バランスが崩れるため、製品不良の発生要因になり得る。
そこで、定期的に設備を停止し、サイクロン容器を分解して内部の清掃作業を行うことによってこのような不具合に対処できるが、その場合には設備の維持管理コストが高くなるという問題が生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、サイクロン容器内における塗料の堆積を解消することができる塗料回収装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
吸気口と、上記吸気口から吸気した塗料ミストを塗料と空気とに遠心分離するための処理空間と、上記処理空間から空気を排気する排気口と、を有するサイクロン容器と、
上記サイクロン容器の上記処理空間に上記吸気口から上記排気口に向かう気流を発生させる送風装置と、
上記サイクロン容器の上記処理空間に設けられた掻き取り部材と、
上記掻き取り部材が上記サイクロン容器の内壁に堆積した塗料を掻き取るように上記掻き取り部材及び上記サイクロン容器の少なくとも一方を駆動する駆動装置と、
を備える、塗料回収装置、
にある。
上記の塗料回収装置によれば、送風装置が作動した状態でサイクロン容器の処理空間に吸気口から排気口に向かう気流が発生し、この気流によって吸気口から塗料ミストが吸気される。この塗料ミストは、処理空間で気流にしたがって旋回することによって塗料と空気とに遠心分離される。このサイクロン容器において、遠心分離後の空気が排気口から排気される一方で、遠心分離後の塗料の一部が内壁に付着して堆積する。そこで、駆動装置によって掻き取り部材及びサイクロン容器の少なくとも一方が駆動される。これにより、サイクロン容器の内壁に堆積した塗料を掻き取り部材によって掻き取ることができる。
以上のごとく、上記の各態様によれば、塗料回収装置においてサイクロン容器内における塗料の堆積を解消することが可能になる。
実施形態1にかかる塗装ブース装置の全体図。 図1中のサイクロン容器周辺の斜視図。 実施形態1にかかる掻き取り部材の斜視図。 図2のサイクロン容器において塗料ミストが塗料と空気とに遠心分離されて回収される様子を模式的に示す図。 図4のV-V線断面矢視図。 実施形態2にかかる掻き取り部材の斜視図。
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
上記の塗料回収装置において、上記サイクロン容器は、円形断面を有する筒状に構成され、上記掻き取り部材は、上記サイクロン容器の中心軸線を中心に上記内壁に沿うように螺旋状に延在しており、上記駆動装置の作動時に上記サイクロン容器に対して上記中心軸線を中心に相対回転するのが好ましい。
この塗料回収装置によれば、サイクロン容器の内壁に堆積した塗料を、このサイクロン容器に対する掻き取り部材の相対回転動作を利用して掻き取ることができる。しかも、掻き取り部材が螺旋状に延在しているため、掻き取った後の塗料をこの掻き取り部材の動作に伴って中心軸線に沿った方向に搬送することができる。
上記の塗料回収装置において、上記掻き取り部材は、上記サイクロン容器の上記処理空間で気流が旋回する方向に螺旋状に延在しているのが好ましい。
この塗料回収装置によれば、サイクロン容器の処理空間で旋回する気流が掻き取り部材によって邪魔されにくく、旋回ミストを塗料と空気とに遠心分離する効果がこの掻き取り部材によって低下するのを防ぐことができる。
上記の塗料回収装置において、上記掻き取り部材は、上記駆動装置の作動時に上記サイクロン容器の上記処理空間で気流が旋回する方向に回転するように構成されているのが好ましい。
この塗料回収装置によれば、サイクロン容器の処理空間で旋回する気流が掻き取り部材によって邪魔されにくく、旋回ミストを塗料と空気とに遠心分離する効果がこの掻き取り部材によって低下するのを防ぐことができる。特に、掻き取り部材が気流の旋回方向に螺旋状に延在する構成を前提とした場合には、このような作用効果を更に向上させることができる。
上記の塗料回収装置において、上記サイクロン容器は、大径筒部と、上記大径筒部を下回る内径を有する小径筒部と、上記大径筒部と上記小径筒部との間に設けられた円錐筒部と、を有し、上記円錐筒部のうち上記小径筒部側が上記大径筒部側よりも低所となるように中心軸線が水平方向に対して傾斜しており、上記大径筒部に上記吸気口が設けられ、上記小径筒部に遠心分離後の塗料を回収するための塗料回収口が設けられているのが好ましい。
この塗料回収装置によれば、遠心分離後の塗料と、掻き取り部材によって掻き取られた塗料のいずれも、重力にしたがって円錐筒部の内壁を大径筒部側から小径筒部側へと移動させて、塗料回収口を通じてサイクロン容器から連続的に回収することができる。
上記の塗料回収装置において、上記サイクロン容器は、塗料に対する非粘着特性を有するコーティング層が内壁に施されているのが好ましい。
この塗料回収装置によれば、サイクロン容器の内壁に堆積している塗料に対して掻き取り部材が接触したときに、該塗料が内壁から剥離し易い。
以下、塗装ブース装置に設けられる塗料回収装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
この実施形態を説明するための図面において、特にことわらない限り、塗装ブース装置の幅方向を矢印Xで示し、奥行方向を矢印Yで示し、上下方向(高さ方向)を矢印Zで示すものとする。
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1にかかる塗装ブース装置1は、自動車ボディであるワークWの噴霧塗装を行うための装置である。この塗装ブース装置1は、塗装室2と、給気室3と、排気室4と、を備えている。
塗装室2は、塗装対象であるワークWを導入可能な空間を有する。この塗装室2には、空間に導入されたワークWに向けて両側から塗料Pを噴霧するための塗装ノズル7,7が設けられている。各塗装ノズル7から噴霧された塗料Pは、当該塗装ノズル7から噴出する圧縮エアーにしたがってワークWに塗布される。
給気室3は、塗装室2の上方に配置されている。この給気室3には、温度及び湿度の調整が行われた空気Aを作り出すための空調装置(図示省略)と、この空気Aを吸入して吐出する給気ファン5と、が設けられている。給気ファン5から吐出された空気Aは、塗装室2に向けて下向きに流れる下降流を形成する。
排気室4は、塗装室2の下方に配置されている。この排気室4には、塗装室2において塗装後に残留する噴霧状の塗料ミストMから塗料Nを回収するための塗料回収装置10が設けられている。
塗料回収装置10は、2つのサイクロン容器11,11と、送風装置としての2つの排気ファン20,20と、回収タンク23と、を備えている。1つのサイクロン容器11に対して1つの排気ファン20が設けられ、2つのサイクロン容器11,11に対して1つの回収タンク23が兼用されている。
なお、2つのサイクロン容器11,11は同一の構造を有しており、以下の説明では、便宜上、一方のサイクロン容器11に関連する構造についてのみ記載する。
サイクロン容器11は、自らの回転を伴わない固定式の容器であり、主に金属材料からなる。このサイクロン容器11は、塗料ミストMを液状又は固形状の塗料(「塗料残渣」或いは「塗料粕」ともいう。)Nと空気Aとに遠心分離する機能を有する。このサイクロン容器11は、吸気部15、排気部16及び回収部17を備えている。
吸気部15には、塗料ミストMを空気Aとともに吸入するための吸気口11aが設けられている。この吸気口11aは、塗装室2に連通している。
排気部16には、塗料ミストMから遠心分離された空気Aを排気するための排気口11bが設けられている。この排気口11bは、排気ファン20を介して排気ダクト6に連通している。
回収部17には、塗料ミストMから遠心分離された塗料Nを回収するための塗料回収口11cが設けられている。この塗料回収口11cは、回収タンク23に連通している。
排気ファン20は、その吸入側がサイクロン容器11の排気部16に接続されている。このため、排気ファン20が作動することによって、この排気ファン20に対応したサイクロン容器11の後述の処理空間11dに吸気口11aから排気口11bに向かう気流が発生するようになっている。
また、この排気ファン20は、その吐出側が対応した排気ダクト6に接続されている。このため、排気ファン20が作動することによって、塗料ミストMから遠心分離された空気Aが排気口11bを通じて排気ダクト6に吐出される。このとき、空気Aは、塗装ブース装置1の圧力バランスにしたがって、給気室3から塗装室2を通り、排気室4のサイクロン容器11を経由して再び給気室3へと戻るような循環流を形成する。或いは、この空気Aは、循環せずに屋外へ排気される。
一方で、塗料ミストMから遠心分離された塗料Nは、塗料回収口11cを通じて回収タンク23に流入して回収されるようになっている。このとき、塗料Nは回収タンク23の貯留空間24に貯留される。
図2に示されるように、サイクロン容器11は、内部に処理空間11dを有する円形断面の中空容器である。処理空間11dは、排気ファン20が作動したときに吸気口11aから吸気した塗料ミストMを処理するための空間であり、塗料回収口11cに連通している。
このサイクロン容器11は、最大内径を有する円筒部分である大径筒部12と、大径筒部12の筒径を下回る最小内径を有する円筒部分である小径筒部13と、大径筒部12と小径筒部13との間に設けられた円錐筒部14と、を有する。このサイクロン容器11は、円錐筒部14のうち小径筒部13側の底面が大径筒部12側の底面よりも低所となるように、横断面の中心を通る中心軸線Lが水平方向に対して傾斜している。図2及び図4では、サイクロン容器11の傾斜角度をθで示している。
吸気部15は、大径筒部12に設けられている。この吸気部15は、排気ファン20によって気流が大径筒部12の内壁に沿って周方向に形成されるような位置に配置されている。これにより、処理空間11dに吸気口11aから排気口11bに向かう気流が発生する。具体的には、サイクロン容器11の処理空間11dを小径筒部13側から視たとき、左回り方向(反時計回り方向)に旋回する気流が形成される。
排気部16は、吸気部15と同様に大径筒部12に設けられている。この排気部16は、大径筒部12の内部と外部とにわたって中心軸線L上に延在している。
円錐筒部14は、大径筒部12から小径筒部13に向けて内径が漸減するように、また小径筒部13から大径筒部12に向けて内径が漸増するように構成されたテーパー形状を有する。
サイクロン容器11は、大径筒部12のフランジ12aと円錐筒部14のフランジ14aとを互いに突き合わせてボルト部材で締結固定することによって一体化されている。一方で、この締結固定を解除することによってサイクロン容器11が分解状態になる。
サイクロン容器11の処理空間11dには、図3に示される掻き取り部材21が設けられている。この掻き取り部材21は、サイクロン容器11の内壁に堆積した塗料Nを掻き取るための部材である。この掻き取り部材21は、サイクロン容器11の分解状態で処理空間11dに挿入されることによって組付けられる。この掻き取り部材21を「スクレーパー」ということもできる。
掻き取り部材21は、円形断面形状を有するワイヤ状の部材によって構成されており、サイクロン容器11に組付けられた状態で、その中心軸線Lを中心に内壁に沿うように螺旋状に延在している。具体的には、サイクロン容器11を例えば小径筒部13側から視たとき、掻き取り部材21は、大径筒部12側から左回り方向(反時計回り方向)に旋回しながら小径筒部13側に向けて螺旋状に延在している。
なお、この掻き取り部材21は、金属材料、セラミック材料、樹脂材料、ゴム材料などによって構成され得る。また、この掻き取り部材21の断面形状は、円形以外に、楕円形、三角形、四角形、多角形などであってもよい。
この掻き取り部材21は、小径筒部13側の端部が、駆動装置としての電動機22の駆動軸22aに接続されている。駆動軸22aは、中心軸線L上に延在し且つ回収タンク23の壁を貫通するように構成されており、この壁との間に設けられた軸受部22bによって回転自在に支持されている。また、この駆動軸22aは、電動機22の作動状態で、中心軸線Lを中心に所定の回転方向Rに回転するように構成されている。ここで、駆動軸22aの回転方向Rは、小径筒部13側から見て左回り方向(反時計回り方向)であり、大径筒部12側から見て右回り方向(時計回り方向)である。
なお、必要に応じて掻き取り部材21と電動機22の駆動軸22aとの間に、駆動軸22aの回転速度を減速して掻き取り部材21の伝達するための減速機構が介装されてもよい。
本構成によれば、掻き取り部材21は、電動機22によって駆動されて、駆動軸22aと同方向である回転方向Rに回転する。即ち、この掻き取り部材21は、中心軸線Lを中心に小径筒部13側から見て左回り方向(反時計回り方向)に回転する。従って、この掻き取り部材21は、サイクロン容器11の処理空間11dで気流が旋回する方向に延在しており、且つこの方向と同方向に回転するようになっている。
この掻き取り部材21は、その外周部分がサイクロン容器11の内壁に接触してもよいが、回転時の内壁との接触抵抗を低く抑えるためにはその外周部分が内壁に接触しないように構成されるのが好ましい。この場合、掻き取り部材21の外周部分とサイクロン容器11の内壁との間に形成されるクリアランスをなるべく小さく抑えるのが好ましい。これにより、サイクロン容器11の内壁に堆積している塗料Nの残留量を少なくすることができる。
以下に、上記の塗装ブース装置1の動作について説明する。
図1に示されるように、塗装ブース装置1において、給気ファン5及び排気ファン20がともに作動することによって、空調された空気Aは、給気室3から塗装室2を通り、排気室4のサイクロン容器11を経由して再び給気室3へと戻るように循環する。或いは、この空気Aは、循環することなく屋外へ排気される。
また、電動機22が起動されて、サイクロン容器11に設けられている掻き取り部材21が駆動される。
その後、塗装室2の塗装ノズル7からワークWに向けて塗料Pが噴霧される。このとき、塗装ノズル7から噴出する圧縮エアーの流れによって、塗料PがワークWに塗布される。これにより、ワークWに塗装が施される。また、塗装後に残留した塗料ミストMは、空気Aの下降流によって排気室4に流れる。
排気室4には、塗料回収装置10を構成するサイクロン容器11及び排気ファン20がそれぞれ準備されている。ここで、排気ファン20が作動しているため、サイクロン容器11の処理空間11dに吸気口11aから排気口11bに向かう気流が発生する。これにより、排気室4に流入した塗料ミストMは、この気流によってサイクロン容器11の吸気口11aから処理空間11dに吸気される。
このとき、図4及び図5に示されるように、塗料ミストMは、吸気口11aから排気口11bに向かう気流にしたがって処理空間11dにおいて旋回する。この塗料ミストMは、サイクロン容器11の内壁に沿って旋回流Saを形成し、流速を高めながら円錐筒部14を大径筒部12側から小径筒部13側へと流れる。これにより、サイクロン容器11による通常処理によって、塗料ミストMが塗料Nと空気Aとに遠心分離される。
サイクロン容器11の処理空間11dにおける空気Aの流速は、旋回流Saの中心付近の領域の方がその周りの領域よりも小さい。このため、この領域においては排気ファン20による吸引力の影響を受け易い。従って、塗料ミストMから遠心分離された後の空気Aは、旋回流Saの中心付近の領域を排気口11bに向けて直線的に流れる直進流Sbを形成する。これにより、遠心分離後の空気Aは、排気ファン20によって吸引されて排気口11bから排気される。
また、塗料ミストMから遠心分離された後の塗料Nは、サイクロン容器11の径方向外方へと向かう遠心力を受けることにより、サイクロン容器11の内壁に付着する。このとき、遠心分離後の塗料Nは、その一部が円錐筒部14の内壁に堆積し、残りは円錐筒部14の内壁をその傾斜(図4中の傾斜角度θを参照)にしたがって塗料回収口11cに向けて移動する。この塗料Nは、塗料回収口11cを通じて回収タンク23の貯留空間24に貯留される。これにより、この塗料Nをサイクロン容器11から回収することができる。
なお、図5に示されるように、サイクロン容器11の内壁は、コーティング層18によって被覆されているのが好ましい。このコーティング層18は、非粘着特性を有する素材(典型的には、フッ素材料やセラミック材料など)によって形成されている。ここでいう非粘着特性を、撥水撥油性、離型性、防汚性などということもできる。このようなコーティング層18は、塗料Nが付着しにくいという効果、或いは塗料Nが付着しても剥がれやすいという効果を有する。
ここで、遠心分離後にサイクロン容器11の内壁に堆積した塗料Nは、中心軸線Lを中心に回転する掻き取り部材21によって掻き取られる。即ち、掻き取り部材21の外周部分が塗料Nに接触して、この塗料Nを周方向に擦る力が作用する。これにより、塗料Nが内壁から剥離する。
また、図4に示されるように、螺旋状に延在する掻き取り部材21が回転方向R(図3参照)に回転するとき、塗料Nに対しては掻き取られる過程で或いは掻き取られた後で、中心軸線Lに沿った方向の力Fが付与される。この力Fは、大径筒部12側から内壁に沿って小径筒部13側に向かう方向の荷重である。このため、掻き取り後の塗料Nをこの力Fによって擦りながら塗料排出口11cに向けて搬送することができる。このようにして、掻き取り後の塗料Nは、掻き取り部材21によって物理的に押し出されながら、円錐筒部14の内壁をその傾斜にしたがって塗料回収口11cに向けて移動して回収タンク23に回収される。
また、この掻き取り部材21は、塗料ミストMの遠心分離処理時に連続的に回転することによって、サイクロン容器11の内壁に既に堆積している塗料Nを掻き取る効果に加えて、内壁に付着しようとする塗料Nを邪魔する効果も発揮する。
上述の実施形態1によれば、以下のような作用効果が得られる。
上記の塗料回収装置10において、排気ファン20が作動した状態でサイクロン容器11の処理空間11dに吸気口11aから排気口11bに向かう気流が発生し、この気流によって吸気口11dから塗料ミストMが吸気される。この塗料ミストMは、処理空間11dで気流にしたがって旋回することによって塗料Nと空気Aとに遠心分離される。このサイクロン容器11において、遠心分離後の空気Aが排気口11bから排気される一方で、遠心分離後の塗料Nの一部が内壁に付着して堆積する。
そこで、電動機22によって掻き取り部材21が駆動される。これにより、サイクロン容器11の内壁に堆積した塗料Nを掻き取り部材21によって掻き取ることができる。特に、塗料Nの掻き取りのために、サイクロン容器11に対する掻き取り部材21の回転動作を利用することができる。しかも、掻き取り部材21が螺旋状に延在しているため、掻き取った後の塗料Nをこの掻き取り部材21の動作に伴って内壁に沿って小径筒部13側に向けて搬送することができる。
その結果、塗料回収装置10においてサイクロン容器11内における塗料Nの堆積を解消できる。この場合、掻き取り部材21を使用することによって、サイクロン容器11の定期的な分解清掃を行わなくてすむため、塗料回収装置10の維持管理コストを低く抑えることが可能になる。
なお、通常処理であるサイクロン容器11による遠心分離処理の終了後に、電動機22によって掻き取り部材21を駆動してサイクロン容器11の清掃処理を行うこともできる。この場合には、内壁に堆積している塗料Nを掻き取り部材21によって除去することができる。
要するに、サイクロン容器11の通常処理時と通常処理後の少なくとも一方のタイミングで、掻き取り部材21を使用した清掃処理を実行することができる。
また、上述の実施形態1によれば、掻き取り部材21が、サイクロン容器11の処理空間11dで気流が旋回する方向に螺旋状に延在しており、且つ気流が旋回する方向に回転するため、この気流が掻き取り部材21によって邪魔されにくく、旋回ミストMを塗料Nと空気Aとに遠心分離する効果がこの掻き取り部材21によって低下するのを防ぐことができる。
また、上述の実施形態1によれば、サイクロン容器11は円錐筒部14のうち小径筒部13側が大径筒部12側よりも低所となるように傾斜している。これにより、遠心分離後の塗料Nと、掻き取り部材21によって掻き取られた塗料Nのいずれも、重力にしたがって円錐筒部14の内壁を大径筒部12側から小径筒部13側へと移動させて、塗料回収口11cを通じてサイクロン容器11から連続的に回収することができる。
上述の実施形態1に関連した変更例として、掻き取り部材21を、大径筒部12側から右左回り方向(時計回り方向)に旋回しながら小径筒部13側に向けて螺旋状に延在するように構成してもよい。
また、サイクロン容器11の内壁を被覆するコーティング層18を必要に応じて省略することもできる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
(実施形態2)
図6に示されるように、実施形態2の塗料回収装置110は、掻き取り部材121の構成が実施形態1の塗料回収装置10の掻き取り部材21と相違している。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
掻き取り部材121は、電動機22の駆動軸22aに接続される軸部121aと、この軸部121から放射方向に延出する複数の回転羽根(フィン)121bと、を備えている。回転羽根121bは、平板部の中央に開口部121cを有する枠状部材として構成されている。開口部121cは、掻き取り部材121の回転時に気流の邪魔をしにくくするためのものである。
各回転羽根121bは、その延出先端面121dとサイクロン容器11の内壁との間に、掻き取り部材21の場合と同様にクリアランスを形成するように寸法設定されている。各回転羽根121bは、その延出先端面121dを径方向外方から視たときの平面形状が、中心軸線L方向に細長状に延びる四角形(即ち、中心軸線L方向を長辺とし周方向を短辺とした四角形)となるように構成されている。
本実施形態では、軸部121aの異なる6箇所のそれぞれから4つの回転羽根121bが互いに等間隔で放射方向に延出している。また、中心軸線L方向に互いに隣接する2つの回転羽根121b,121bは、同一平面上に延在するように配置されている。
なお、この掻き取り部材121において、回転羽根121bの数、形状、寸法等は図6に示される形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に変更可能である。
上述の実施形態2によれば、電動機22が掻き取り部材121を駆動したとき、その回転羽根121bの延出先端面121dが塗料Nに接触して、この塗料Nを周方向に擦る力が作用する。これにより、塗料Nが内壁から剥離する。このため、サイクロン容器11の内壁に堆積した塗料Nを、掻き取り部材121の複数の回転羽根121bを利用して掻き取ることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
上述の実施形態2に関連した変更例として、中心軸線L方向に互いに隣接する2つの回転羽根121b,121bが重なり合うようにしてもよい。また、前述の力Fのように掻き取り後の塗料Nを搬送するための力を発生させるために、各回転羽根121bが中心軸線L方向に対して傾斜した構造や、湾曲した構造や、捩じられた構造などを採用することもできる。
本発明は、上述の実施形態1,2のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、各実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の各実施形態では、掻き取り部材21,121を駆動する場合について例示したが、これに代えて、サイクロン容器11を固定式の掻き取り部材21,121に対して回転させてもよいし、或いはサイクロン容器11及び掻き取り部材21,121の双方を回転させてもよい。要するに、サイクロン容器11及び掻き取り部材21,121の少なくとも一方を駆動することができる。
上記の各実施形態では、サイクロン容器11の処理空間11aに気流を発生させるために、サイクロン容器11の排気部16に接続された排気ファン20(送風装置)を用いる場合について例示したが、サイクロン容器11の吸気部15及び排気部16の少なくとも一方に送風装置を接続して、この送風装置を用いてサイクロン容器11の処理空間11dに気流を発生させるようにすることができる。
上記の各実施形態では、大径筒部12と、小径筒部13と、円錐筒部14と、を有するサイクロン容器11を用いる場合について例示したが、このサイクロン容器11の構造はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜に変更可能である。例えば、円錐筒部14に相当する部位のみを有する構造や、大径筒部12及び小径筒部13の少なくとも一方に相当する部位のみを有する構造などを採用することもできる。また、サイクロン容器11の断面形状は、円形以外に、楕円形、三角形、四角形、多角形などであってもよい。
上記の各実施形態では、サイクロン容器11の中心軸線Lが水平方向に対して傾斜している場合について例示したが、塗料Nの回収が可能な場合には、サイクロン容器11の中心軸線Lが水平方向に延在するように構成されてもよい。
上記の各実施形態では、サイクロン容器11の外部に設置した回収タンク23を利用して塗料Nの回収を行う場合について例示したが、これに代えて或いは加えて、サイクロン容器11の内部に貯留空間を設け、この貯留空間に塗料Nを一時的に回収するような構造を採用することもできる。
上記の各実施形態では、2つのサイクロン容器11,11を使用する場合について例示したが、サイクロン容器11の数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて1つ或いは3つ以上のサイクロン容器11を使用することもできる。
上記の各実施形態では、自動車ボディの塗装設備に使用される塗料回収装置について例示したが、この塗料回収装置を、自動車以外の他の分野の塗装設備に適用することもできる。
10,110 塗料回収装置
11 サイクロン容器
11a 吸気口
11b 排気口
11c 塗料回収口
11d 処理空間
12 大径筒部
13 小径筒部
14 円錐筒部
18 コーティング層
20 排気ファン(送風装置)
21,121 掻き取り部材
22 電動機(駆動装置)
A 空気
L 中心軸線
M 塗料ミスト
N 塗料

Claims (6)

  1. 吸気口と、上記吸気口から吸気した塗料ミストを塗料と空気とに遠心分離するための処理空間と、上記処理空間から空気を排気する排気口と、を有するサイクロン容器と、
    上記サイクロン容器の上記処理空間に上記吸気口から上記排気口に向かう気流を発生させる送風装置と、
    上記サイクロン容器の上記処理空間に設けられた掻き取り部材と、
    上記掻き取り部材が上記サイクロン容器の内壁に堆積した塗料を掻き取るように上記掻き取り部材及び上記サイクロン容器の少なくとも一方を駆動する駆動装置と、
    を備える、塗料回収装置。
  2. 上記サイクロン容器は、円形断面を有する筒状に構成され、上記掻き取り部材は、上記サイクロン容器の中心軸線を中心に上記内壁に沿うように螺旋状に延在しており、上記駆動装置の作動時に上記サイクロン容器に対して上記中心軸線を中心に相対回転する、請求項1に記載の塗料回収装置。
  3. 上記掻き取り部材は、上記サイクロン容器の上記処理空間で気流が旋回する方向に螺旋状に延在している、請求項2に記載の塗料回収装置。
  4. 上記掻き取り部材は、上記駆動装置の作動時に上記サイクロン容器の上記処理空間で気流が旋回する方向に回転するように構成されている、請求項2または3に記載の塗料回収装置。
  5. 上記サイクロン容器は、大径筒部と、上記大径筒部を下回る内径を有する小径筒部と、上記大径筒部と上記小径筒部との間に設けられた円錐筒部と、を有し、上記円錐筒部のうち上記小径筒部側が上記大径筒部側よりも低所となるように中心軸線が水平方向に対して傾斜しており、上記大径筒部に上記吸気口が設けられ、上記小径筒部に遠心分離後の塗料を回収するための塗料回収口が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料回収装置。
  6. 上記サイクロン容器は、塗料に対する非粘着特性を有するコーティング層が内壁に施されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料回収装置。
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CN112871494A (zh) * 2021-01-19 2021-06-01 郭振宇 一种汽车零配件加工用环保型喷漆装置
CN117225621A (zh) * 2023-09-20 2023-12-15 温州众彩汽车零部件有限公司 一种汽车注塑开关按钮生产的喷涂设备

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