JP2016087485A - テイラー反応装置 - Google Patents

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【課題】所望の粒子径と粒度分布が得られるテイラー反応装置を提供する。
【解決手段】外筒1と内筒2との間に形成された隙間空間10で複数本のテイラー渦Tが発生するテイラー反応装置Aであって、隙間空間10には、テイラー渦T間の流動を抑制するラビリンス通路7が設けられている。ラビリンス通路7は、外筒1の内周面から内方に突出するように形成された環状の外側遮蔽板6aと、内筒2の外周面から外方に突出するように形成された環状の内側遮蔽板6bとを、軸方向の間隔をあけて設け、通路が屈曲するように形成されている。ラビリンス通路7によりテイラー渦T同士間のショートパスが抑制されるので、滞留時間の短いまま流出する粒子の割合を低減することができ、同じテイラー渦Tの中で粒子が所望の径まで成長してから、次のテイラー渦Tへ移るので、最終的には所望の粒子径の粒子と粒子径分布の小さい粒子が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、テイラー反応装置に関するものである。さらに詳しくは、微粒子を製造するためのテイラー反応装置に関する。
粒度分布に特徴を有するミクロンメートルスケールの微粒子を製造するためには、ガスや溶液の化学反応を利用する“成長法”が一般的に用いられる。この成長法は2段階の工程を踏むものであり、第1段階で微粒子の核を生成させ、第2段階で核を成長させ、所望の粒子径にするものである。この溶液同士の“成長法”では、供給液同士が化学反応を起こす局所的な場所での濃度変化を制御することが重要である。
しかるに、従来から成長法によく利用されている撹拌槽では、ア)撹拌槽内にデッドゾーンが生じる、イ)せん断が弱い、ウ)滞留時間が不均一等、の原因により化学反応の引き起こされる撹拌槽内部の領域において供給液の濃度が不均一となるという欠点があり、そのため所望の粒子径と粒度分布を有する微粒子が得られないことがあった。
このような欠点を解消するため、特許文献1の従来技術ではテイラー反応装置を2台用いることで粒子の成長を制御する方法が提案された。
上記従来技術は、供給液同士を反応させ、核を生成させる第1段目のテイラー反応装置と粒子の結晶成長を行う第2段目のテイラー反応装置の2台を備えている。第1段目のテイラー反応装置における流動状態は、やや斜めのドーナツ状の擬似管路が形成され、供給液は螺旋状に併走して化学反応が引き起こされる。この結果、化学反応の生成箇所における濃度変化を制御し、良好な微粒子の製造を可能としたと説明されている。
しかしながら、特許文献1の従来技術では、テイラー反応装置を2台用いるので、設置スペースが大きくなるとか、2台のテイラー反応装置の間で順序よく化学反応させることが困難とかの問題があり、現実には所望の粒子径や粒度分布を得ることが困難であった。
さらに、上記従来例に限らず、一般にテイラー反応装置では、つぎのような問題があった。
図7に示すように、一般的なテイラー反応装置は、静止させた外筒101と回転させる内筒102を有し、外筒101と内筒102との間の隙間空間である槽110の一端に供給管103を取付け、他端に排出口104を設けている。槽110に溶液を入れて内筒102を回転させると、回転数が一定の範囲内のとき槽110内にテイラー渦が発生する。図8(A)に示すように、テイラー渦Tはドーナツ状の旋回する流体であり、一つ一つのテイラー渦Tは独立した流動体である。そして、隣接するテイラー渦Tに対しては、内筒まわりの旋回方向も逆であり、同図(B)に示すように、各テイラー渦Tの断面内の流れも互いに逆向きである。
こうしたテイラー渦が槽110内で隣接して何本も発生し、溶液自体は少しづつ隣のテイラー渦に移っていって、溶液同士が撹拌され少しづつ粒子が成長していって最終的には所望の粒径の粒子が排出される。
しかしながら、なかには充分に成長しきらない粒子が次々と隣接するテイラー渦に移っていく、いわゆるショートパスが発生し、所望の粒径に至らない粒子が発生することがあった。
この結果、粒度分布が広がり均一な粒子が得られない等の問題が生じていた。
特開2011−83768号公報
本発明は上記事情に鑑みショートパスを抑制して、所望の粒子径と粒度分布が得られるテイラー反応装置を提供することを目的とする。
第1発明のテイラー反応装置は、外筒と、該外筒内で回転する内筒とを備え、前記外筒と前記内筒との間に形成された隙間空間が複数本のテイラー渦が発生するテイラー渦発生領域であるテイラー反応装置であって、前記隙間空間には、テイラー渦間の流動を抑制するラビリンス通路が設けられていることを特徴とする。
第2発明のテイラー反応装置は、第1発明において、前記ラビリンス通路は、前記外筒の内周面から内方に突出するように形成された環状の外側遮蔽板と、前記内筒の外周面から外方に突出するように形成された環状の内側遮蔽板とを、軸方向の間隔をあけて配置して形成されていることを特徴とする。
第3発明のテイラー反応装置は、第2発明において、前記外側遮蔽板と前記内筒の外周面との間の内側通路における半径方向の通路間隔、および前記内側遮蔽板と前記外筒の内周面との間の外側通路における半径方向の通路間隔が、0.5mm以上、2mm以下であり、前記外側遮蔽板と前記内側遮蔽板との間の縦通路における軸方向の通路間隔は、0.5mm以上であり前記外筒と内筒との間の間隔より小さいことを特徴とする。
第1発明によれば、ラビリンス通路によりテイラー渦同士間のショートパスが抑制されるので、滞留時間の短いまま流出する粒子の割合を低減することができる。このため同じテイラー渦の中で粒子が所望の径まで成長してから、次のテイラー渦へ移るので、最終的には所望の粒子径の粒子と粒子径分布の小さい粒子が得られる。
第2発明によれば、外側遮蔽板と内側遮蔽板との間の縦通路が隣接するテイラー渦間での接触を抑制するが、その細い通路を通じて粒子移動を可能にもするので、ショートパスを抑制しつつ複数本のテイラー渦による連続撹拌を実施できる。
第3発明によれば、内側通路と外側通路の通路間隔が0.5〜2mmであり、縦通路の通路間隔が0.5mm以上であって、外筒と内筒との間の間隔より小さいとテイラー渦間での接触を抑制しながら、粒子移動を可能とし、しかも外側遮蔽板と内側遮蔽板も必要以上の厚さを有しないのでテイラー渦の生成を邪魔せずテイラー渦発生領域を狭めることもない。このため、複数本のテイラー渦による連続撹拌を効率よく実施できる。
本発明の一実施形態に係るテイラー反応装置Aの断面図である。 図1に示すラビリンス通路の拡大図である。 ラビリンス通路の作用説明図である。 実施例1の計算モデルの説明図である。 実施例1における濃度堆移を示すグラフである。 実施例1と比較例1のテイラー渦内の平均滞留時間を示すグラフである。 従来より一般的なテイラー反応装置の説明図である。 テイラー渦の説明図であって、(A)はドーナツ状流動の説明図、(B)は断面流れの説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1に基づき、本実施形態におけるテイラー反応装置Aの基本構造を説明する。
1は外筒で、2は内筒である。外筒1は外板1aと内板1bとから二重筒に構成されており、空洞1cは加温媒体を通すために利用される。また、この外筒1は静止状態で用いられる。
内筒2は中実または中空の軸状物であって外筒1内に同心状で挿入されている。そして、モータ等の駆動源に接続されて、回転可能となっている。外筒1の内壁面と内筒2の外表面との間には隙間空間10が形成されており、その隙間空間10は筒軸方向に延びている。すなわちドーナツ状の隙間空間10が長く延びた形状となっている。そして、この隙間空間10がテイラー渦発生領域であり撹拌槽として機能する。
外筒1の長手方向一端部(図面中の右端部)には供給口3が設けられている。図示のように、フランジ5に形成してもよく、外筒1に設けてもよい。供給口3は外部から隙間空間10に反応前溶液を供給する導入口である。
外筒1の長手方向他端部(図面中の左端部)には、排出口4が設けられている。排出口4からは隙間空間10内の反応後溶液が排出される。
本実施形態のテイラー反応装置Aでは、隙間空間10内に反応溶液を充填した状態で内筒2を適当な回転数で回転させることにより、隙間空間10内の溶液にテイラー渦Tを生成させ撹拌することができる。
テイラー渦Tは、図7および図8に基づき既述したように、隙間空間10内において生ずるドーナツ状の流動体であって、内筒2のまわりで周方向に流動し、周方向の流れの向きが隣接するテイラー渦T間で逆向きである。また、各テイラー渦T,Tの断面内でも渦状に流動しているが、その向きも隣接するテイラー渦T,T間で逆向きである。
つぎに、本発明に係るテイラー反応装置Aの特徴を説明する。
本発明では、隙間空間10にテイラー渦T間の流動を抑制するラビリンス通路7が設けられたことが特徴である。図1および図2の実施形態では、ラビリンス通路7は外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bとで迷路状通路に構成されたものである。
外側遮蔽板6aは外筒1(1b)の内周面から内方に突出するように形成された環状のリブで構成されており、内側遮蔽板6bは内筒2の外周面から外方に突出するように形成された環状のリブで構成されている。
この外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bとは、いずれも隙間空間10内に存在しており、内外筒の軸方向における小さな間隔をあけて設けられている。このため、外側遮蔽板6aの内端と内筒2の外周面との間には内側環状通路7iができ、内側遮蔽板6bの外端と外筒1(1b)の内周面との間には外側環状通路7oができる。さらに外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bとの間には縦通路7vができる。これらの内側環状通路7iと外側環状通路7oと縦通路7vとで、2ヵ所でクランク状に屈折する迷路状の通路を構成している。この迷路状通路を本明細書では、ラビリンス通路7という。
ラビリンス通路7の好ましい寸法を図2に基づき説明する。
(半径方向寸法)
外側遮蔽板6aの内端と内筒2の外周面との間の先端間隔、つまり内側通路7iの半径方向における通路間隔d1は0.5〜2mmが好ましい。また、内側遮蔽板6bの外端と外筒1(1b)の内周面との間の先端隙間、つまり外側通路7oの半径方向における通路間隔d1も、0.5〜2mmが好ましい。通路間隔d1が0.5mmより小さいと、機械的な工作精度から、内筒2を回転させた際に通路間隔d1が小さくなりすぎて、隣接するテイラー渦Tからの溶液の流動が過小になって、粒子成長に時間がかかったり、ひどい場合には内外筒と対向する遮蔽板が接触して、テイラー反応装置が故障してしまうなどの不都合が発生する。一方2mmより大きいと隣接するテイラー渦T間のショートパスが発生しやすくなって、均一な粒子が得られなくなるという不都合が生ずる。これに対し上記範囲だと、上述した不都合は生じず、しかも適量の溶液流動が許容され、連続的なテイラー反応を生じさせることができる。
(軸方向寸法)
外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bとの間の縦通路7vの間隔d2、つまり内外筒における軸方向の距離d2は、0.5mm以上であって外筒1と内筒2との間の間隔d3より小さいことが好ましい。
通路間隔d2が0.5mmより小さいと、機械的な工作精度から、内筒2を回転させた際に通路間隔d2が小さくなりすぎて、隣接するテイラー渦Tからの溶液の流動が過小になって、粒子成長に時間がかかったり、ひどい場合には、外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bが接触して、テイラー反応装置が故障してしまうなどの不都合が発生する。一方、通路間隔d2が外筒1と内筒2間の間隔より大きいと、通路間隔d2間に一対のテイラー渦が発生してしまい、結果として隣接するテイラー渦T間のショートパスが発生しやすくなって、均一な粒子が得られなくなるという不都合が生ずる。これに対し上記範囲だと、上述した不都合は生じず、しかも適量の溶液流動が許容され、連続的なテイラー反応を生じさせることができる。
(リブ厚さ)
外側遮蔽板6aも内側遮蔽板6bも、その厚さt1は0.5〜3mmが好ましい。
外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bの厚さt1が0.5mmより薄いと強度が不足するため好ましくなく、一方、3mm以上だとテイラー渦発生領域を狭くしてしまうため好ましくない。これに対し、上記範囲だと強度も充分でテイラー渦発生領域を充分に確保できる。
(適用範囲)
上記寸法は、内筒2の外径が80〜90mm、外筒1の内径が90〜100mmの装置において、最も望ましい数値であるが、内筒2外径が90〜100mm位、外筒1内径が100〜110mm位までの大型の装置にも適用でき、さらに、内筒2外径が70〜80mm位、外筒1内径が80〜90mm位までの小型の装置にも適用できる。
すなわち、大きさに極端な違いがない限り、前記寸法を好適範囲として適用することができる。
上記した迷路状のラビリンス通路は流体の通過抵抗が大きいので、図3で示すようにテイラー渦Tを構成している大部分の流体がラビリンス通路7によって隣接するテイラー渦T,T間の接触を抑制しながら、わずかの流体は隙間を通って隣接するテイラー渦Tに流れ込むので、溶液が供給口3から排出口4に至る複数段のテイラー渦Tを順々に移っていくことが可能となる。この移動によって、粒子を順々に成長させていくことができる。
図1〜図3に示すラビリンス通路7は、2枚の遮蔽板(外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6b)とで構成したものであったが、これを3枚の遮蔽板で構成してもよい。
たとえば、2枚の外側遮蔽板6aの間に内側遮蔽板6bを配置した構造や、2枚の内側遮蔽板6bの間に外側遮蔽板6bを配置した構造を用いることができる。
さらに、外側遮蔽板6aと内側遮蔽板6bを交互に配置して4枚以上の環状リブでラビリンス通路を構成してもよい。ただし、遮蔽板の枚数が多い構造では遮蔽板の厚さを薄くして、ラビリンス通路7の軸方向幅を必要以上に大きくしないようにして、テイラー反応領域を狭くしないようにする配慮が必要となる。
図1〜図3に示すラビリンス通路7は1ヵ所に設けたものであるが、隙間空間10内で2ヵ所以上に設けてもよい。また、その形成位置は隙間空間10における軸方向において特に制約はなく、性能上好適とされる位置を選択することでよい。
つぎに、実施例に基づき、本発明の効果の実証実験を説明する。
Microsoft社製の表計算ソフトExcelとAnsys社製の3次元流体解析ソフトCFXを用いて、厚み2mmの環状遮蔽板6aと環状遮蔽板6bを距離2mmをあけて設けたときの滞留時間分布を計算した。Ansys社製の流体解析ソフトCFXを用いて図4に示す4分の一短縮モデルを作成した。この4分の一短縮モデルはテイラー管の円断面の4分の一、つまり90°断面を取り出したモデルである。4分の一短縮モデルの寸法は長さ60mm,容量100ml外筒1の内径は96mm、内筒2の外径は84mmとした。この短縮モデルを用いて流入口にトレーサー粒子を投入して4箇所の測定点おけるトレーサー濃度を10s間、測定した。4個所の測定点は流入口3と流出口4との間で略均等間隔で配置され、ラビリンス通路7の前後で入側2カ所(測定点1,2)出側2カ所(測定点3,4)とされている。
つぎにMicrosoft社製の表計算ソフトExcelを用いて、テイラー反応装置内部の濃度推移を計算できるモデルを構築した。各々のテイラー渦内部での混合は急激に進行するため、各々のテイラー渦を完全混合状態とした。測定点におけるこの解析モデルを用いて10s間のトレーサー濃度推移を説明するテイラー渦間の拡散流量Q , 遮蔽板導入箇所での拡散流量Q’を調査した。
図5に示すようにテイラー渦間の拡散流量Q=7[L/min]、導入箇所でのテイラー渦間の拡散流量Q’=0.14[L/min]であれば、測定点1〜4における濃度推移は図6に示すように測定点1,2はほぼ一致し、測定点3,4もほぼ一致するが、測定点1,2と測定点3,4との間の濃度は明確に異なることがわかった。
(実施例1)
これらのパラメーターを用いて外筒1と内筒2の間の空間体積V=100[ml],長さ60[mm]での滞留時間分布を実施例1として計算した。
(比較例1)
内筒2にラビリンス通路7を設置せず、外筒1に厚み10mmの環状リブを1枚のみを設置したものを比較例1とし、滞留時間分布を計算した。比較例1でのテイラー渦間の拡散流量Q’を実施例1と同様に計算すると実施例1と同じ0.14[L/min]となった。
(1)拡散流量
外側遮蔽板6a,内側遮蔽板6b内のラビリンス通路7を流体が通過する長さを比較すると、実施例1では、軸方向に6mm、半径方向に3.5mm(外筒1と内筒2のクリアランス5.5mmから 外側遮蔽板導入箇所の隙間1mmを2か所差し引いた値)を足し合わせて9.5mmとなった。比較例1では、外側遮蔽板の厚みと同様に10mmである。つまり、遮蔽板前後でのテイラー渦の間を通過する流体の長さが等しいために拡散流量Q’の値が等しくなったと考えられる。
(2)平均滞留時間
容積を流入量で除した平均滞留時間を比較する。実施例1において4.03minであるが、比較例1では3.58minまで減少した。比較例1では、厚み10mmの環状リブの設置のために混合領域が実施例1よりも減少したためである。実施例1,比較例1での滞留時間分布を図6に示す。初期流出の割合として、0〜1minまでの滞留時間割合で比較する。
比較例1ではこの領域でピークが高く滞留時間曲線で囲まれた面積が大きいので、初期に流出する量が多いことが分かる。これに対しラビリンス通路7を外筒1と内筒2に導入した実施例1では、ピークが低く滞留時間曲線で囲まれた面積が小さいので初期に流出する量が少ないことが分かる。つまり、実施例1と比較例1では実施例1の方が後半(3min以降)に行くほどグラフの傾斜が緩くなっていることから、粒子の滞留時間が増加するので初期流出が減少する、と理解できる。
具体的に1minまでの初期割合を比較すると、比較例1では16.8%はであったのに対して実施例1では13.1%まで減少した。つまり、ラビリンス通路7を導入した実施例1では、混合領域の減少を抑制しつつ0〜1minまでの初期流出を3〜4%低減した。このことによりショートパスの抑制に効果のあることが分かる。
A テイラー反応装置
T テイラー渦
1 外筒
2 内筒
3 供給口
4 排出口
7 ラビリンス通路
6a 外側遮蔽板
6b 内側遮蔽板
10 隙間空間

Claims (3)

  1. 外筒と、該外筒内で回転する内筒とを備え、前記外筒と前記内筒との間に形成された隙間空間が複数本のテイラー渦が発生するテイラー渦発生領域であるテイラー反応装置であって、
    前記隙間空間には、テイラー渦間の流動を抑制するラビリンス通路が設けられている
    ことを特徴とするテイラー反応装置。
  2. 前記ラビリンス通路は、前記外筒の内周面から内方に突出するように形成された環状の外側遮蔽板と、前記内筒の外周面から外方に突出するように形成された環状の内側遮蔽板とを、軸方向の間隔をあけて配置して形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のテイラー反応装置。
  3. 前記外側遮蔽板と前記内筒の外周面との間の内側通路における半径方向の通路間隔、および前記内側遮蔽板と前記外筒の内周面との間の外側通路における半径方向の通路間隔が、0.5mm以上、2mm以下であり、
    前記外側遮蔽板と前記内側遮蔽板との間の縦通路における軸方向の通路間隔は、0.5mm以上であり前記外筒と内筒との間の間隔より小さい
    ことを特徴とする請求項2記載のテイラー反応装置。
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