本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.実施形態:
A1.遊技機の構造:
A2.下皿の構成:
B.他の実施形態
C.変形例:
D.上記実施形態および変形例から抽出される発明群について:
A.実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の正面図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット18aが配置されており、開口された窓部18がガラスユニット18aによって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット18aを介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿19と下皿20とが設けられている。上皿19は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球など、払出手段から払い出された遊技用媒体としての遊技球を貯留する。上皿19に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿19から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。
下皿20は、上皿19の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿20は、上皿19で余剰となった遊技球を貯留する。下皿20の底部には、下皿20に貯留された遊技球をドル箱に排出するための排出口22(図5参照)が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿20から外部に排出される。下皿20の詳細については後述する。
上皿19の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように、遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と上記閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1結果表示部37aと、第2結果表示部37bとを備えている。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1結果表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1結果表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。第2結果表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2結果表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種別に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備えている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1結果表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2結果表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.下皿の構成:
次に、パチンコ機10が備える下皿20の構成について説明する。図1において説明したように、下皿20は、上皿19において余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
図5は、下皿20の構成を示す説明図である。なお、この図5には、下皿20とともに、装飾部26が示されている。図5(a)は、下皿20を上から示す斜視図である。下皿20は、装飾部26と組み合わされた状態で、パチンコ機本体12に取り付けられる。図示するように、下皿20は、上方に開口部、下方に底部220が形成されるとともに、側面に側壁210が形成されている。下皿20の開口部とは、下皿20の側壁210の最も上方の周縁とパチンコ機本体12とで囲まれた部分を言う。側壁210は、複数の壁部材211〜217が上下に配置されることによって構成されている。壁部材211〜217は、回動軸230によって回動可能に支持されている。
図5(b)および図5(c)は、下皿20の壁部材211〜217を回動軸を基点として回動させた様子を示す説明図である。図5(b)は、下皿20を上から示す斜視図であり、図5(c)は、下皿20を下から示す斜視図である。図示するように、下皿20は、回動軸230を基点として壁部材211〜217を回動させることによって、下皿20の貯留容積を拡大および縮小させることができる。具体的には、図5(b)において、壁部材211〜217を紙面手前方向に回動させることによって貯留容積が拡大し、壁部材211〜217を紙面奥方向に回動させることによって貯留容積が縮小する。下皿20は、貯留容積を拡大前の状態(縮小した状態)および拡大させた状態で維持することが可能である。貯留容積とは、下皿20の底部220、側壁210およびパチンコ機本体12によって囲まれた空間であって、下皿20が遊技球を貯留可能な空間の容積である。
また、図5(c)に示すように、下皿20の底部220には、下皿20に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されており、排出口22の下方にはレバー23が設けられている。遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。
図6は、下皿20の詳細を示す斜視図である。図6(a)は、貯留容積を縮小した状態を示しており、図6(b)は、貯留容積を拡大した状態を示している。図示するように、下皿20の貯留容積を縮小させた状態においては、側壁210を構成する複数の壁部材211〜217は、上下に重畳して収納されている。パチンコ機10の遊技者が、側壁210をパチンコ機10の手前側(遊技者側)に引き出すように側壁210の一部に力を付与すると、上下に重畳して収納されていた各壁部材211〜217が回動軸230を基点として所定の角度ずつパチンコ機10の手前側(遊技者側)に回動し、下皿20の貯留容積は拡大する。一方、貯留容積が拡大した状態において、パチンコ機10の遊技者が、側壁210をパチンコ機10の奥側(遊技者から見てパチンコ機10側)に押すように側壁210の一部に力を付与すると、遊技者側に引き出されていた各壁部材211〜217は、回動軸230を基点としてパチンコ機10の奥側に回動し、上下に重畳して収納され、下皿20の貯留容積は縮小する。なお、本実施形態の下皿20は、貯留容積が拡大した状態においては、貯留容積の水平断面積は、当該水平断面積よりも底部220に近い側における水平断面積以上である関係を維持する。
このように、下皿20は、貯留容積を拡大させることができるので、下皿20に貯留された遊技球が取り出しやすくなる。また、貯留容積を拡大および縮小させることができるので、払出手段から払い出される遊技球の量に応じて、貯留容積を任意に変更することができる。さらに、下皿20の貯留容積は、回動軸230を基点とした側壁210の回動といった簡易な操作によって拡大および縮小させることができる。
図7は、側壁210を上から見た分解斜視図である。図8は、側壁210を下から見た分解斜視図である。上述のように、側壁210は、7つの壁部材から構成されており、具体的には、側壁210の下から順に、壁部材211、壁部材212、壁部材213、壁部材214、壁部材215、壁部材216、壁部材217が重畳して構成されている。各壁部材211〜217は、長辺部211a〜217aと短辺部211b〜217bとから成るL字形状に形成されている。各長辺部211a〜217aの端部には、軸穴部211c〜217cが形成されており、壁部材211〜217を重畳した状態で、軸穴部211c〜217cに回動軸230が連通させることによって、側壁210が構成されている。以下、各壁部材211〜217について、詳細に説明する。
図9は、壁部材217を示す斜視図である。図9(a)は、壁部材217を上から示す斜視図であり、図9(b)は、壁部材217を下から示す斜視図である。壁部材217は、側壁210の開口部に最も近い側(上側)に配置される。壁部材217は、長辺部217aと短辺部217bとから成るL字形状に形成されている。長辺部217aの端部には、軸穴部217cが形成されており、壁部材217が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部217cに回動軸230が連通する。長辺部217aは、ロックボタン機構217uを有している。ロックボタン機構217uについては、後述する。図9(b)に示すように、壁部材217は、長辺部217aの裏側に背面機構部217tを備える。背面機構部217tには、凹状のレール受部217fが形成されている。レール受部217fの機能については後述する。また、短辺部217bには、凹状の溝部217sが形成されている。
図10は、壁部材217の分解斜視図である。壁部材217は、長辺部217aと背面機構部217tとが嵌合して構成されており、長辺部217aと背面機構部217tとが嵌合することによって形成される空間に、ロックボタン機構217uが内装される。ロックボタン機構217uは、ボタン機構部217u1と、バネ217u5とを有している。ボタン機構部217u1には、操作部217u2と、ロック部217u3と、軸部217u4とが形成されている。背面機構部217tには軸受部217t1が形成されており、長辺部217aと背面機構部217tとが嵌合することによって形成される空間にロックボタン機構217uが内装される際には、軸受部217t1に軸部217u4が回動可能に支持されるとともに、ボタン機構部217u1と背面機構部217tとの間にバネ217u5が配置される。バネ217u5の弾性力は、軸部217u4を基点として操作部217u2を上方に押し上げる方向、ロック部217u3を下方に押し下げる方向に作用する。
図11は、壁部材217の背面図である。図示するように、ロックボタン機構217uが壁部材217に組み込まれた場合、ロック部217u3は、長辺部217aと背面機構部217tとが嵌合することによって形成される空間から溝部217sに露出した状態となる。また、図示するように、短辺部217bの溝部217sには、凸状のT字突出部217saが形成されている。T字突出部217saの機能については、後述する。
図12は、壁部材216を示す斜視図である。図12(a)は、壁部材216を上から示す斜視図であり、図12(b)は、壁部材216を下から示す斜視図である。壁部材216は、側壁210の一部として壁部材217の下方に配置される。壁部材216は、長辺部216aと短辺部216bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部216aの端部には、軸穴部216cが形成されており、壁部材216が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部216cに回動軸230が連通する。図12(a)に示すように、長辺部216aは、板状の長辺基部216dと、長辺基部216dから垂直方向に突出したレール部216eとを有する。壁部材216が、側壁210として組み込まれた際には、レール部216eは、壁部材217のレール受部217f(図11参照)に遊嵌される。レール部216eの機能については後述する。また、図2(b)に示すように、長辺部216aの裏側には、凹状のレール受部216fが形成されている。
短辺部216bは、板状の短辺基部216gと、短辺基部216gから垂直方向に形成された立壁部216hと、立壁部216hから水平方向に形成されたヘリ部216jとを有する。ヘリ部216jには、可撓性を有する可撓部216kが形成されている。可撓部216kの先端には、突出部216mが形成されている。可撓部216kおよび突出部216mについては後述する。
図13は、壁部材215を示す斜視図である。図13(a)は、壁部材215を上から示す斜視図であり、図13(b)は、壁部材215を下から示す斜視図である。壁部材215は、側壁210の一部として壁部材216の下方に配置される。壁部材215は、長辺部215aと短辺部215bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部215aの端部には、軸穴部215cが形成されており、壁部材215が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部215cに回動軸230が連通する。図13(a)に示すように、長辺部215aは、板状の長辺基部215dと、長辺基部215dから垂直方向に突出したレール部215eとを有する。壁部材215が、側壁210として組み込まれた際には、レール部215eは、壁部材216のレール受部216f(図12参照)に遊嵌される。レール部215eの機能については後述する。また、図13(b)に示すように、長辺部215aの裏側には、凹状のレール受部215fが形成されている。
短辺部215bは、板状の短辺基部215gと、短辺基部215gから垂直方向に形成された立壁部215hと、立壁部215hから水平方向に形成されたヘリ部215jとを有する。ヘリ部215jには、可撓性を有する可撓部215kが形成されている。可撓部215kの先端には突出部215mが形成されている。可撓部215kおよび突出部215mについては後述する。
図14は、壁部材214を示す斜視図である。図14(a)は、壁部材214を上から示す斜視図であり、図14(b)は、壁部材214を下から示す斜視図である。壁部材214は、側壁210の一部として壁部材215の下方に配置される。壁部材214は、長辺部214aと短辺部214bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部214aの端部には、軸穴部214cが形成されており、壁部材214が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部214cに回動軸230が連通する。図14(a)に示すように、長辺部214aは、板状の長辺基部214dと、長辺基部214dから垂直方向に突出したレール部214eとを有する。壁部材214が、側壁210として組み込まれた際には、レール部214eは、壁部材215のレール受部215f(図13参照)に遊嵌される。レール部214eの機能については後述する。また、図14(b)に示すように、長辺部214aの裏側には、凹状のレール受部214fが形成されている。
短辺部214bは、板状の短辺基部214gと、短辺基部214gから垂直方向に形成された立壁部214hと、立壁部214hから水平方向に形成されたヘリ部214jとを有する。ヘリ部214jには、可撓性を有する可撓部214kが形成されている。可撓部214kの先端には、突出部214mが形成されている。また、短辺基部214gの裏側には、T字突出部214haが形成されている。可撓部214k、突出部214mおよびT字突出部214haについては後述する。
図15は、壁部材213を示す斜視図である。図15(a)は、壁部材213を上から示す斜視図であり、図15(b)は、壁部材213を下から示す斜視図である。壁部材213は、側壁210の一部として壁部材214の下方に配置される。壁部材213は、長辺部213aと短辺部213bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部213aの端部には、軸穴部213cが形成されており、壁部材213が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部213cに回動軸230が連通する。図15(a)に示すように、長辺部213aは、板状の長辺基部213dと、長辺基部213dから垂直方向に突出したレール部213eとを有する。壁部材213が、側壁210として組み込まれた際には、レール部213eは、壁部材214のレール受部214f(図14参照)に遊嵌される。レール部213eの機能については後述する。また、図15(b)に示すように、長辺部213aの裏側には、凹状のレール受部213fが形成されている。
短辺部213bは、板状の短辺基部213gと、短辺基部213gから垂直方向に形成された立壁部213hと、立壁部213hから水平方向に形成されたヘリ部213jとを有する。短辺基部213gには、可撓性を有する可撓部213kが形成されている。可撓部213kの先端には、突出部213mが形成されている。可撓部213kおよび突出部213mについては後述する。
図16は、壁部材212を示す斜視図である。図16(a)は、壁部材212を上から示す斜視図であり、図16(b)は、壁部材212を下から示す斜視図である。壁部材212は、側壁210の一部として壁部材213の下方に配置される。壁部材212は、長辺部212aと短辺部212bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部212aの端部には、軸穴部212cが形成されており、壁部材212が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部212cに回動軸230が連通する。図16(a)に示すように、長辺部212aは、板状の長辺基部212dと、長辺基部212dから垂直方向に突出したレール部212eとを有する。壁部材212が、側壁210として組み込まれた際には、レール部212eは、壁部材213のレール受部213f(図15参照)に遊嵌される。レール部212eの機能については後述する。また、図16(b)に示すように、長辺部212aの裏側には、凹状のレール受部212fが形成されている。
短辺部212bは、板状の短辺基部212gと、短辺基部212gから垂直方向に形成された立壁部212hとを有する。短辺基部212gには、可撓性を有する可撓部212kが形成されるとともに、短辺部212bの長手方向に延びるとともに短辺基部212gから垂直に突出した延伸突出部212pが形成されている。可撓部212kの先端には、突出部212mが形成されている。可撓部212k、突出部212mおよび延伸突出部212pについては後述する。
図17は、壁部材211を示す斜視図である。図17(a)は、壁部材211を上から示す斜視図であり、図17(b)は、壁部材211を下から示す斜視図である。壁部材211は、側壁210の一部として壁部材212の下方に配置される。壁部材211は、長辺部211aと短辺部211bとから成るL字形状に形成されている。
長辺部211aの端部には、軸穴部211cが形成されており、壁部材211が側壁210として組み込まれる際には、軸穴部211cに回動軸230が連通する。図17(a)に示すように、長辺部211aは、板状の長辺基部211dと、長辺基部211dから垂直方向に突出したレール部211eとを有する。壁部材211が、側壁210として組み込まれた際には、レール部211eは、壁部材212のレール受部212f(図16参照)に遊嵌される。レール部211eの機能については後述する。
短辺部211bは、板状の短辺基部211gと、短辺基部211gから垂直方向に形成された立壁部211hとを有する。短辺基部211gには、短辺部211bの長手方向に延びるとともに短辺基部211gから垂直に突出した延伸突出部211pが形成されている。延伸突出部211pについては後述する。
以上説明した各壁部材211〜217によって構成される側壁210の特性について以下に説明する。
図18および図19は、下皿20の貯留容積を拡大および縮小させた際の、側壁210の状態遷移図である。図18および図19に示す実線の矢印は貯留容積を拡大させる場合の側壁210の状態遷移方向を示し、破線の矢印は貯留容積を縮小させる場合の側壁210の状態遷移方向を示す。[状態A]から[状態G]の方向の状態遷移として示すように、貯留容積を拡大させる場合には、最初に、重畳している壁部材212〜217が、壁部材211に対して相対的に所定の可動域だけ拡大方向に移動(回動)し、次に、重畳している壁部材213〜217が、壁部材212に対して相対的に所定の可動域だけ拡大方向に移動(回動)するといったように、側壁210を構成する各壁部材は、下皿20の底部220に近い側から順に拡大方向に移動(回動)する。すなわち、下皿20は、貯留容積を拡大させる場合には、底部220に近い側から拡大するように構成されている。
一方、[状態G]から[状態A]の方向の状態遷移として示すように、貯留容積を縮小させる場合には、最初に、壁部材217が、壁部材211〜216に対して相対的に所定の可動域だけ縮小方向に移動(回動)して壁部材217と壁部材216とが重畳し、次に、重畳した壁部材216〜217が、壁部材211〜215に対して相対的に所定の可動域だけ縮小方向に移動(回動)するといったように、側壁210のうち下皿20の開口部に近い側から順に縮小方向に移動(回動)する。すなわち、下皿20は、貯留容積を縮小させる場合には、開口部に近い側から縮小するように構成されている。
上記説明から、下皿20は、以下の2つの特徴を備える。
(特徴1)上下に重畳されている各壁部材が拡大方向または縮小方向へ移動する場合には、上の壁部材は下の壁部材に対して相対的に所定の可動域だけ移動(回動)する。
(特徴2)貯留容積を拡大させる場合には、下皿20の底部220に近い側から拡大し、貯留容積を縮小させる場合には、下皿20の開口部に近い側から縮小する。
以下、特徴1および特徴2を実現するために下皿20が備える構成について説明する。先に、特徴1について説明し、その後、特徴2について説明する。
図20は、上の壁部材が下の壁部材に対して相対的に所定の可動域だけ移動(回動)する原理について説明する説明図である。図20(a)は貯留容積が縮小した状態における側壁210を模式的に示し、図20(b)は貯留容積が拡大した状態における側壁210を模式的に示している。図20の左上に示したように、図20(a)および図20(b)のハッチング部分は、側壁210(壁部材211〜217)のA‐A断面を示している。
上記の各壁部材211〜217の説明(図9〜図17)で述べたように、レール部211eはレール受部212fに遊嵌され、レール部212eはレール受部213fに遊嵌され、レール部213eはレール受部214fに遊嵌され、レール部214eはレール受部215fに遊嵌され、レール部215eはレール受部216fに遊嵌され、レール部216eはレール受部217fに遊嵌されている。側壁210に対して、貯留容積を拡大させる方向または縮小させる方向に力が付与され、上の壁部材が下の壁部材に対して相対的に拡大方向または縮小方向に移動(回動)する際には、上の壁部材のレール受部の凹形状の内側を下の壁部材のレール部が相対的に移動する。この場合、下の壁部材のレール部は上の壁部材のレール受部の凹形状によって可動域が規制される。従って、上の壁部材が下の壁部材に対して相対的に拡大方向または縮小方向に所定の可動域だけ移動(回動)することとなる。
上の壁部材が下の壁部材に対して相対的に拡大方向に所定の可動域だけ移動(回動)した後に、さらに、側壁210に対して、貯留容積を拡大させる方向に力が付与された場合には、当該拡大させる方向の力が、上の壁部材のレール受部と当接している下の壁部材のレール部に伝達し、下の壁部材に対して貯留容積を拡大させる方向の力が付与され、下の壁部材が、さらにその下の壁部材に対して相対的に拡大方向に移動(回動)する。
一方、上の壁部材が下の壁部材に対して相対的に縮小方向に所定の可動域だけ移動(回動)した後に、さらに、側壁210に対して、貯留容積を縮小させる方向に力が付与された場合には、当該縮小させる方向の力が、上の壁部材のレール受部と当接している下の壁部材のレール部に伝達し、下の壁部材に対して貯留容積を縮小させる方向の力が付与され、下の壁部材が、さらにその下の壁部材に対して相対的に縮小方向に移動(回動)する。以上、上記特徴1について説明した。
次に、上記特徴2について説明する。先に、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理について説明し、その後、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理について説明する。以下、貯留容積を拡大させる場合の原理について2つの態様(態様A1、態様A2)を用いて説明し、貯留容積を縮小させる場合の原理についても2つの態様(態様B1、態様B2)を用いて説明する。
図21は、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理(態様A1)について説明する説明図である。図21(a)は、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からX段目(Xは2以上の整数)の壁部材(以下、壁部材[X]とも呼ぶ)に形成された可撓部[X]kと、突出部[X]mとを示している。可撓部[X]kは可撓性を備える。本説明においては、壁部材[X]を基準として説明する。なお、以下の説明において、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からX−1段目、X+1段目の壁部材を、それぞれ、壁部材[X−1]、壁部材[X+1]とも呼ぶ。
図21(b)は、側壁210を構成する壁部材のうち、壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]について、貯留容積を拡大させる場合の状態遷移を示す状態遷移図である。図は、[状態A]から[状態C]の方向に、貯留容積が拡大される様子を示している。図の[状態A]に示すように、壁部材[X]が有する突出部[X]mは、壁部材[X+1]側に突出している。壁部材[X+1]は、突出部[X]mと係止する第1の係止部[X+1]raを有する。第1の係止部[X+1]raは、突出部[X]mと係止することで、突出部[X]mと協働して、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。図21(b)においては、貯留容積を拡大させる方向を、黒塗りの矢印で示している。突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとは、協働して壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動を規制していることから、突出部[X]mを第1の拡大規制手段、第1の係止部[X+1]raを第2の拡大規制手段とも呼ぶ。
壁部材[X−1]には、延伸突出部[X−1]pが形成されている。延伸突出部[X−1]pは、突出部[X]mを含む可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを抑制することによって、突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとの係止を維持させて、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制を有効としている。延伸突出部[X−1]pは、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを抑制することから抑制部とも呼ぶ。
[状態A]において、貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[X]は、壁部材[X−1]に対して相対的に移動(回動)し、[状態B]に遷移する。このとき、上述したように、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動は、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって規制されているので、壁部材[X+1]は、壁部材[X]と一体となって壁部材[X−1]に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、各壁部材が有するレール部とレール受部によって、壁部材[X−1]に対する壁部材[X]の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。
[状態B]に示すように、貯留容積を拡大させる方向に壁部材[X]を壁部材[X−1]に対して相対的に移動させると、壁部材[X−1]の延伸突出部[X−1]pは、可撓部[X]kの背面に位置しなくなる。可撓部[X]kの背面には、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを許容する空間である許容部[X−1]vが形成されている。許容部[X−1]vは、壁部材[X−1]における延伸突出部[X−1]pの終端である終端部[X−1]paから先端方向に形成される空間を言う。[状態B]において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]は、[状態C]に遷移する。
[状態C]に示すように、[状態B]から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、第1の係止部[X+1]raが、先端に曲面を有する突出部[X]mを押し下げ、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓む。すなわち、許容部[X−1]vが突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとの係止が外れることを許容して、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部[X]m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部[X+1]raによって規制されていた壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材[X−1]が有する抑制部としての延伸突出部[X−1]pと、許容部[X−1]vとは、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段による規制(壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、拡大規制切替手段とも呼ぶ。
このように、貯留容積を拡大させる方向に壁部材[X]を壁部材[X−1]に対して相対的に移動させると、有効であった規制(壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制)が拡大規制切替手段によって無効となり、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって規制されていた壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となる。以上、態様A1について説明した。
図22は、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理(態様A2)について説明する説明図である。態様A2と態様A1との主な差異点は、態様A2の壁部材[X−1]が、態様A1の壁部材[X−1]が備える延伸突出部[X−1]pに替えて、平面部[X−1]wを備える点である。
図22(a)は、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からX段目(Xは2以上の整数)の壁部材に形成された可撓部[X]kと、突出部[X]mとを示している。可撓部[X]kは可撓性を備える。上記した態様A1と同様に、本説明においても、壁部材[X]を基準として説明する。
図22(b)は、側壁210を構成する壁部材のうち、壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]について、貯留容積を拡大させる場合の状態遷移を示す状態遷移図である。図は、[状態A]から[状態C]の方向に、貯留容積が拡大される様子を示している。図の[状態A]に示すように、壁部材[X]が有する突出部[X]mは、壁部材[X+1]側に突出している。壁部材[X+1]は、突出部[X]mと係止する第1の係止部[X+1]raを有する。第1の係止部[X+1]raは、突出部[X]mと係止することで、突出部[X]mと協働して、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。図22(b)においては、貯留容積を拡大させる方向を、黒塗りの矢印で示している。上記した態様A1と同様に、突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとは、協働して壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動を規制していることから、突出部[X]mを第1の拡大規制手段、第1の係止部[X+1]raを第2の拡大規制手段とも呼ぶ。
壁部材[X−1]には、平面部[X−1]wが形成されている。平面部[X−1]wは、突出部[X]mを含む可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを抑制することによって、突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとの係止を維持させて、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制を有効としている。平面部[X−1]wは、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを抑制することから抑制部とも呼ぶ。
[状態A]において、貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[X]は、壁部材[X−1]に対して相対的に移動(回動)し、[状態B]に遷移する。このとき、上述したように、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動は、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって規制されているので、壁部材[X+1]は、壁部材[X]と一体となって壁部材[X−1]に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、各壁部材が有するレール部とレール受部によって、壁部材[X−1]に対する壁部材[X]の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。
[状態B]に示すように、貯留容積を拡大させる方向に壁部材[X−1]に対して相対的に壁部材[X]を移動させると、壁部材[X−1]の平面部[X−1]wは、可撓部[X]kの背面に位置しなくなる。可撓部[X]kの背面には、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓むことを許容する空間である許容部[X−1]vが形成されている。許容部[X−1]vは、壁部材[X−1]における平面部[X−1]wの終端である終端部[X−1]waから先端方向に形成される空間を言う。[状態B]において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]は、[状態C]に遷移する。
[状態C]に示すように、[状態B]から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁に力を付与すると、第1の係止部[X+1]raが、先端に曲面を有する突出部[X]mを押し下げ、可撓部[X]kが壁部材[X−1]側に撓む。すなわち、許容部[X−1]vが突出部[X]mと第1の係止部[X+1]raとの係止が外れることを許容して、壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部[X]m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部[X+1]raによって規制されていた壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材[X−1]が有する抑制部としての平面部[X−1]wと、許容部[X−1]vとは、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段による規制(壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、拡大規制切替手段とも呼ぶ。
このように、貯留容積を拡大させる方向に壁部材[X]を壁部材[X−1]に対して相対的に移動させると、有効であった規制(壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動の規制)が拡大規制切替手段によって無効となり、第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって規制されていた壁部材[X]に対する壁部材[X+1]の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となる。
態様A1および態様A2として説明したように、壁部材が、第1の拡大規制手段、第2の拡大規制手段、および、拡大規制切替手段を備えることにより、下皿20の貯留容積を拡大させる際に、上下に配置された複数の壁部材211〜217を、底部に近い側から順に、段階的に貯留容積を拡大させる方向に移動(回動)させることができる。したがって、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能となる。また、第1の拡大規制手段、第2の拡大規制手段、および、拡大規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
次に、貯留容積を縮小させる場合の原理について、2つの態様(態様B1、態様B2)を用いて説明する。なお、以下で説明する例では、態様B1に示す構造は、態様A1に示す構造と同一であり、態様B2に示す構造は、態様A2に示す構造と同一である。
図23は、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理(態様B1)について説明する説明図である。図23(a)は、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からY段目(Yは2以上の整数)の壁部材(以下、壁部材[Y]とも呼ぶ)に形成された可撓部[Y]kと、突出部[Y]mとを示している。可撓部[Y]kは可撓性を備える。本説明においては、壁部材[Y]を基準として説明する。なお、以下の説明において、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からY−1段目、Y+1段目の壁部材を、それぞれ、壁部材[Y−1]、壁部材[Y+1]とも呼ぶ。
図23(b)は、側壁210を構成する壁部材のうち、壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]について、貯留容積を縮小させる場合の状態遷移を示す状態遷移図である。図は、[状態A]から[状態C]の方向に、貯留容積が縮小される様子を示している。図の[状態A]に示すように、壁部材[Y]が有する突出部[Y]mは、壁部材[Y+1]側に突出している。突出部[Y]mを含む可撓部[Y]kの端部には、端部[Y]nが形成されている。
壁部材[Y+1]は、突出部[Y]mと当接する当接部[Y+1]qを有する。当接部[Y+1]qは、突出部[Y]mと当接することによって、可撓部[Y]kを壁部材[Y−1]側に撓ませている。可撓部[Y]kが壁部材[Y−1]側に撓んだ場合に、壁部材[Y−1]の延伸突出部[Y−1]pの終端に位置する終端部[Y−1]paは、端部[Y]nと係止する。終端部[Y−1]paを、第2の係止部とも呼ぶ。第2の係止部(終端部[Y−1]pa)は、端部[Y]nと係止することによって、端部[Y]nと協働して、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部[Y+1]qが、可撓部[Y]kを壁部材[Y−1]側に撓ませることによって、端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]pa)とを係止させ、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制を有効としている。図23(b)においては、貯留容積を縮小させる方向を、黒塗りの矢印で示している。端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]pa)とは、協働して壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部[Y]nを第1の縮小規制手段、第2の係止部(終端部[Y−1]pa)を第2の縮小規制手段とも呼ぶ。
[状態A]において、貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y+1]は、壁部材[Y]に対して相対的に移動(回動)し、[状態B]に遷移する。このとき、上述したように、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動は、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。なお、図20で説明したように、各壁部材が有するレール部とレール受部によって、壁部材[Y]に対する壁部材[Y+1]の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。
[状態B]に示すように、貯留容積を縮小させる方向に壁部材[Y+1]を壁部材[Y]に対して相対的に移動させると、当接部[Y+1]qと当接していた突出部[Y]mは、壁部材[Y+1]が有する凹状の空間である解除部[Y+1]rbに移動する。すなわち、解除部[Y+1]rbは、突出部[Y]mと当接部[Y+1]qとの当接を解除させる。そして、解除部[Y+1]rbは、可撓部[Y]kの壁部材[Y−1]側への撓みを取り除くとともに、端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]pa)との係止を解除して、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制を無効とする。
その結果、第1の縮小規制手段としての端部[Y]n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部[Y−1]pa)によって規制されていた壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材[Y+1]が有する当接部[Y+1]qと、解除部[Y+1]rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、縮小規制切替手段とも呼ぶ。[状態B]において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]は、[状態C]に遷移する。
[状態C]に示すように、[状態B]から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y]は、壁部材[Y−1]に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。なお、この例では、解除部[Y+1]rbと突出部[Y]mとが係止しており、壁部材[Y+1]と壁部材[Y]とが、一体となって壁部材[Y−1]に対して相対的に移動する。
このように、貯留容積を縮小させる方向に壁部材[Y+1]を移動させると、有効であった規制(壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制)が縮小規制切替手段によって無効となり、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されていた壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。
図24は、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理(態様B2)について説明する説明図である。態様B2と態様B1との主な差異点は、壁部材[Y−1]が備える第2の係止部としての機能を、態様B1の終端部[Y−1]paに替えて、態様B2の終端部[Y−1]waが備える点である。
図24(a)は、上下に複数配置された壁部材のうち下皿20の底部220に近い側からY段目(Yは2以上の整数)の壁部材(以下、壁部材[Y]とも呼ぶ)に形成された可撓部[Y]kと、突出部[Y]mとを示している。可撓部[Y]kは可撓性を備える。上記した態様B1と同様に、本説明においても、壁部材[Y]を基準として説明する。
図24(b)は、側壁210を構成する壁部材のうち、壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]について、貯留容積を縮小させる場合の状態遷移を示す状態遷移図である。図は、[状態A]から[状態C]の方向に、貯留容積が縮小される様子を示している。図の[状態A]に示すように、壁部材[Y]が有する突出部[Y]mは、壁部材[Y+1]側に突出している。突出部[Y]mを含む可撓部[Y]kの端部には、端部[Y]nが形成されている。
壁部材[Y+1]は、突出部[Y]mと当接する当接部[Y+1]qを有する。当接部[Y+1]qは、突出部[Y]mと当接することによって、可撓部[Y]kを壁部材[Y−1]側に撓ませている。可撓部[Y]kが壁部材[Y−1]側に撓んだ場合に、壁部材[Y−1]の終端に位置する終端部[Y−1]waは、端部[Y]nと係止する。終端部[Y−1]waを、第2の係止部とも呼ぶ。第2の係止部(終端部[Y−1]wa)は、端部[Y]nと係止することによって、端部[Y]nと協働して、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部[Y+1]qが、可撓部[Y]kを壁部材[Y−1]側に撓ませることによって、端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]wa)とを係止させ、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制を有効としている。図24(b)においては、貯留容積を縮小させる方向を、黒塗りの矢印で示している。端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]wa)とは、協働して壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部[Y]nを第1の縮小規制手段、第2の係止部(終端部[Y−1]wa)を第2の縮小規制手段とも呼ぶ。
[状態A]において、貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y+1]は、壁部材[Y]に対して相対的に移動(回動)し、[状態B]に遷移する。このとき、上述したように、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動は、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。なお、図20で説明したように、各壁部材が有するレール部とレール受部によって、壁部材[Y]に対する壁部材[Y+1]の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。
[状態B]に示すように、貯留容積を縮小させる方向に壁部材[Y+1]を壁部材[Y]に対して相対的に移動させると、当接部[Y+1]qと当接していた突出部[Y]mは、壁部材[Y+1]が有する空間である解除部[Y+1]rbに移動する。すなわち、解除部[Y+1]rbは、突出部[Y]mと当接部[Y+1]qとの当接を解除させる。そして、解除部[Y+1]rbは、可撓部[Y]kの壁部材[Y−1]側への撓みを取り除くとともに、端部[Y]nと第2の係止部(終端部[Y−1]wa)との係止を解除して、壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制を無効とする。
その結果、第1の縮小規制手段としての端部[Y]n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部[Y−1]wa)によって規制されていた壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材[Y+1]が有する当接部[Y+1]qと、解除部[Y+1]rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、縮小規制切替手段とも呼ぶ。[状態B]において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]は、[状態C]に遷移する。
[状態C]に示すように、[状態B]から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁に力を付与すると、壁部材[Y]は、壁部材[Y−1]に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。なお、この例では、解除部[Y+1]rbと突出部[Y]mとが係止しており、壁部材[Y+1]と壁部材[Y]とが、一体となって壁部材[Y−1]に対して相対的に移動する。
このように、貯留容積を縮小させる方向に壁部材[Y+1]を移動させると、有効であった規制(壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動の規制)が縮小規制切替手段によって無効となり、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されていた壁部材[Y−1]に対する壁部材[Y]の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。
態様B1および態様B2として説明したように、壁部材が、第1の縮小規制手段、第2の縮小規制手段、および、縮小規制切替手段を備えることにより、下皿20の貯留容積を縮小させる際に、上下に配置された複数の壁部材211〜217を、開口部に近い側から順に、段階的に貯留容積を縮小させる方向に移動(回動)させることができる。したがって、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能となる。また、第1の縮小規制手段、第2の縮小規制手段、および、縮小規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
なお、図21に示した壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]は、それぞれ、図23に示した壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]と同一の構成である。また、図22に示した壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]は、それぞれ、図24に示した壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]と同一の構成である。従って、図21および図23に示した壁部材によれば、態様A1と態様B1の機能を同時に実現することが可能であり、図22および図24に示した壁部材によれば、態様A2と態様B2の機能を同時に実現することが可能である。
以上、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理、および、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理について説明した。
本実施形態においては、側壁210を構成する壁部材211〜217のうちの連続して重畳された3つの壁部材に、態様A1(図21)および態様A2(図22)で説明した連続して重畳された3つの壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]の関係が適用される。すなわち、壁部材211〜217のそれぞれが、壁部材[X−1]、壁部材[X]、壁部材[X+1]の少なくとも1つの壁部材の機能を備えることにより、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する。また、本実施形態においては、側壁210を構成する壁部材211〜217のうちの連続して重畳された3つの壁部材に、態様B1(図23)および態様B2(図24)で説明した連続して重畳された3つの壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]の関係が適用される。すなわち、壁部材211〜217のそれぞれは、壁部材[Y−1]、壁部材[Y]、壁部材[Y+1]の少なくとも1つの壁部材の機能を備えることにより、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する。
以下、態様A1(図21)および態様A2(図22)を用いて説明した原理、すなわち、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理が、壁部材211〜217の構造として具体的にどのように適用されるかについて説明する。その後、態様B1(図23)および態様B2(図24)を用いて説明した原理、すなわち、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理が、壁部材211〜217の構造として具体的にどのように適用されるかについて説明する。
図25〜図31は、貯留容積を拡大させる場合に、壁部材211〜217の状態が遷移する様子を模式的に示す説明図である。なお、図25から図31に進むに従って貯留容積が拡大していく様子を示している。図25は、貯留容積を完全に縮小させた場合の壁部材211〜217の状態を示し、図31は、貯留容積を完全に拡大させた場合の壁部材211〜217の状態を示している。図25〜図31には、貯留容積を拡大させる方向を、黒塗りの矢印で示している。
図25に示すように、貯留容積を完全に縮小させた状態においては、壁部材211〜217は上下に重畳して収納されている。壁部材213に形成された第1の係止部213raは、壁部材212が備える可撓部212kの先端部に形成された突出部212mと係止することで、突出部212mと協働して、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。すなわち、突出部212mは、上記した第1の拡大規制手段として機能し、第1の係止部213raは、上記した第2の拡大規制手段として機能する。
壁部材211には、延伸突出部211pが形成されている。延伸突出部211pは、突出部212mを含む可撓部212kが壁部材211側に撓むことを抑制することによって、突出部212mと第1の係止部213raとの係止を維持させて、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制を有効としている。壁部材211の延伸突出部211pは、可撓部212kが壁部材211側に撓むことを抑制することから、上記した抑制部として機能する。
壁部材214に形成された第1の係止部214raは、壁部材213が備える可撓部213kの先端部に形成された突出部213mと係止することで、突出部213mと協働して、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。すなわち、突出部213mは、上記した第1の拡大規制手段として機能し、第1の係止部214raは、上記した第2の拡大規制手段として機能する。
壁部材212には、延伸突出部212pが形成されている。延伸突出部212pは、突出部213mを含む可撓部213kが壁部材212側に撓むことを抑制することによって、突出部213mと第1の係止部214raとの係止を維持させて、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制を有効としている。壁部材212の延伸突出部212pは、可撓部213kが壁部材212側に撓むことを抑制することから、上記した抑制部として機能する。
壁部材215に形成された第1の係止部215raは、壁部材214が備える可撓部214kの先端部に形成された突出部214mと係止することで、突出部214mと協働して、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。すなわち、突出部214mは、上記した第1の拡大規制手段として機能し、第1の係止部215raは、上記した第2の拡大規制手段として機能する。
壁部材213には、平面部213wが形成されている。平面部213wは、突出部214mを含む可撓部214kが壁部材213側に撓むことを抑制することによって、突出部214mと第1の係止部215raとの係止を維持させて、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制を有効としている。壁部材213の平面部213wは、可撓部214kが壁部材213側に撓むことを抑制することから、上記した抑制部として機能する。
壁部材216に形成された第1の係止部216raは、壁部材215が備える可撓部215kの先端部に形成された突出部215mと係止することで、突出部215mと協働して、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。すなわち、突出部215mは、上記した第1の拡大規制手段として機能し、第1の係止部216raは、上記した第2の拡大規制手段として機能する。
壁部材214には、平面部214wが形成されている。平面部214wは、突出部215mを含む可撓部215kが壁部材214側に撓むことを抑制することによって、突出部215mと第1の係止部216raとの係止を維持させて、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制を有効としている。壁部材214の平面部214wは、可撓部215kが壁部材214側に撓むことを抑制することから、上記した抑制部として機能する。
壁部材217が有するT字突出部217sa(図11参照)の先端に形成された第1の係止部217raは、壁部材216が備える可撓部216kの先端部に形成された突出部216mと係止することで、突出部216mと協働して、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する。すなわち、突出部216mは、上記した第1の拡大規制手段として機能し、第1の係止部217raは、上記した第2の拡大規制手段として機能する。
壁部材215には、平面部215wが形成されている。平面部215wは、突出部216mを含む可撓部216kが壁部材215側に撓むことを抑制することによって、突出部216mと第1の係止部217raとの係止を維持させて、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動の規制を有効としている。壁部材215の平面部215wは、可撓部216kが壁部材215側に撓むことを抑制することから、上記した抑制部として機能する。
また、ロックボタン機構217uが備えるロック部217u3は、可撓部216kの上方にせり上がった状態で維持されている。図10で説明したように、ロックボタン機構217uが備えるバネ217u5の弾性力は、軸部217u4を基点として操作部217u2を上方に押し上げる方向、ロック部217u3を下方に押し下げる方向に作用している。
図25に示す状態において、貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材212は、壁部材211に対して相対的に移動(回動)し、図26に示す状態に遷移する。このとき、壁部材212〜217の各壁部材が備える第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって、壁部材213〜217は、壁部材212と一体となって壁部材211に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、壁部材211が有するレール部211eと壁部材212が有するレール受部212fによって、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。
図26に示すように、貯留容積を拡大させる方向に壁部材211に対して相対的に壁部材212を移動させると、壁部材211の延伸突出部211pは、可撓部212kの背面に位置しなくなる。可撓部212kの背面には、可撓部212kが壁部材211側に撓むことを許容する空間である許容部211vが形成されている。許容部211vは、壁部材211における延伸突出部211pの終端である終端部211paから先端方向に形成される空間を言う。図26に示す状態において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、図27に示す状態に遷移する。
図27に示すように、図26に示す状態から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、第1の係止部213raが、先端に曲面を有する突出部212mを押し下げ、可撓部212kが壁部材211側に撓む。すなわち、許容部211vが突出部212mと第1の係止部213raとの係止が外れることを許容して、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部212m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部213raによって規制されていた壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となり、壁部材213は、壁部材212に対して相対的に移動(回動)し、図27に示す状態となる。このとき、壁部材213〜217の各壁部材が備える第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって、壁部材214〜217は、壁部材213と一体となって壁部材212に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、壁部材212が有するレール部212eと壁部材213が有するレール受部213fによって、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。また、壁部材211が有する抑制部としての延伸突出部211pと、許容部211vとは、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した拡大規制切替手段として機能する。
また、貯留容積を拡大させる方向に壁部材212に対して相対的に壁部材213を移動させると、壁部材212の延伸突出部212pは、可撓部213kの背面に位置しなくなる。可撓部213kの背面には、可撓部213kが壁部材212側に撓むことを許容する空間である許容部212vが形成されている。許容部212vは、壁部材212における延伸突出部212pの終端である終端部212paから先端方向に形成される空間を言う。図27に示す状態において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材211〜217は、図28に示す状態に遷移する。
図28に示すように、図27に示す状態から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、第1の係止部214raが、先端に曲面を有する突出部213mを押し下げ、可撓部213kが壁部材212側に撓む。すなわち、許容部212vが突出部213mと第1の係止部214raとの係止が外れることを許容して、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部213m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部214raによって規制されていた壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となり、壁部材214は、壁部材213に対して相対的に移動(回動)し、図28に示す状態となる。このとき、壁部材214〜217の各壁部材が備える第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって、壁部材215〜217は、壁部材214と一体となって壁部材213に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、壁部材213が有するレール部213eと壁部材214が有するレール受部214fによって、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。また、壁部材212が有する抑制部としての延伸突出部212pと、許容部212vとは、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した拡大規制切替手段として機能する。
また、貯留容積を拡大させる方向に壁部材213に対して相対的に壁部材214を移動させると、壁部材213の平面部213wは、可撓部214kの背面に位置しなくなる。可撓部214kの背面には、可撓部214kが壁部材213側に撓むことを許容する空間である許容部213vが形成されている。許容部213vは、壁部材213における平面部213wの終端である終端部213waから先端方向に形成される空間を言う。図28に示す状態において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材211〜217は、図29に示す状態に遷移する。
図29に示すように、図28に示す状態から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、第1の係止部215raが、先端に曲面を有する突出部214mを押し下げ、可撓部214kが壁部材213側に撓む。すなわち、許容部213vが突出部214mと第1の係止部215raとの係止が外れることを許容して、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部214m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部215raによって規制されていた壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となり、壁部材215は、壁部材214に対して相対的に移動(回動)し、図29に示す状態となる。このとき、壁部材215〜217の各壁部材が備える第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって、壁部材216〜217は、壁部材215と一体となって壁部材214に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、壁部材214が有するレール部214eと壁部材215が有するレール受部215fによって、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。また、壁部材213が有する抑制部としての平面部213wと、許容部213vとは、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した拡大規制切替手段として機能する。
また、貯留容積を拡大させる方向に壁部材214に対して相対的に壁部材215を移動させると、壁部材214の平面部214wは、可撓部215kの背面に位置しなくなる。可撓部215kの背面には、可撓部215kが壁部材214側に撓むことを許容する空間である許容部214vが形成されている。許容部214vは、壁部材214における平面部214wの終端である終端部214waから先端方向に形成される空間を言う。図29に示す状態において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材211〜217は、図30に示す状態に遷移する。
図30に示すように、図29に示す状態から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、第1の係止部216raが、先端に曲面を有する突出部215mを押し下げ、可撓部215kが壁部材214側に撓む。すなわち、許容部214vが突出部215mと第1の係止部216raとの係止が外れることを許容して、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部215m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部216raによって規制されていた壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となり、壁部材216は、壁部材215に対して相対的に移動(回動)し、図30に示す状態となる。このとき、壁部材216〜217の各壁部材が備える第1の拡大規制手段および第2の拡大規制手段によって、壁部材217は、壁部材216と一体となって壁部材215に対して相対的に移動する。なお、図20で説明したように、壁部材215が有するレール部215eと壁部材216が有するレール受部216fによって、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動(回動)は、所定の可動域に制限される。また、壁部材214が有する抑制部としての平面部214wと、許容部214vとは、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した拡大規制切替手段として機能する。
また、貯留容積を拡大させる方向に壁部材215に対して相対的に壁部材216を移動させると、壁部材215の平面部215wは、可撓部216kの背面に位置しなくなる。可撓部216kの背面には、可撓部216kが壁部材215側に撓むことを許容する空間である許容部215vが形成されている。許容部215vは、壁部材215における平面部215wの終端である終端部215waから先端方向に形成される空間を言う。図30に示す状態において、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材211〜217は、図31に示す状態に遷移する。
図31に示すように、図30に示す状態から、さらに貯留容積を拡大させる方向に側壁210に力を付与すると、第1の係止部217raが、先端に曲面を有する突出部216mを押し下げ、可撓部216kが壁部材215側に撓む。すなわち、許容部215vが突出部216mと第1の係止部217raとの係止が外れることを許容して、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動の規制を無効とする。そして、第1の拡大規制手段としての突出部216m、および、第2の拡大規制手段としての第1の係止部217raによって規制されていた壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となり、壁部材217は、壁部材216に対して相対的に移動(回動)し、図31に示す状態となる。なお、壁部材215が有する抑制部としての平面部215wと、許容部215vとは、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動の規制の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した拡大規制切替手段として機能する。
また、貯留容積を拡大させる方向に壁部材216に対して相対的に壁部材217を移動させると、平面部216wはロック部217u3の下方に位置しなくなる。ロック部217u3の下方には、ロックボタン機構217uが備えるバネ217u5の弾性力によってロック部217u3が押し下がることを許容する空間である許容部216vが形成されている。許容部216vは、壁部材216における平面部216wの終端である終端部216waから先端方向に形成される空間を言う。ロック部217u3は、バネ217u5の弾性力によって、許容部216vに押し下がる。このようにして、貯留容積を拡大させる場合に、壁部材211〜217は、図25から図31に示す状態に遷移する。
以上、態様A1(図21)および態様A2(図22)を用いて説明した原理、すなわち、貯留容積を拡大させる場合に下皿20の底部220に近い側から拡大する原理が、壁部材211〜217の構造として適用されることを具体的に説明した。次に、態様B1(図23)および態様B2(図24)を用いて説明した原理、すなわち、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理が、壁部材211〜217の構造として具体的にどのように適用されるかについて説明する。
図32〜図38は、貯留容積を縮小させる場合に、壁部材211〜217の状態が遷移する様子を模式的に示す説明図である。なお、図32から図38に進むに従って貯留容積が縮小していく様子を示している。図32は、貯留容積を完全に拡大させた場合の壁部材211〜217の状態を示し、図38は、貯留容積を完全に縮小させた場合の壁部材211〜217の状態を示している。図32〜図38には、貯留容積を縮小させる方向を、黒塗りの矢印で示している。
図32に示すように、壁部材213は、壁部材212が有する突出部212mと当接する当接部213qを有する。当接部213qは、突出部212mと当接することによって、壁部材212が有する可撓部212kを壁部材211側に撓ませている。壁部材211の延伸突出部211pの終端に位置する終端部211paは、可撓部212kの端部である端部212nと係止する。すなわち、終端部211paは、上記した第2の係止部として機能する。第2の係止部(終端部211pa)は、端部212nと係止することによって、端部212nと協働して、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部213qが、可撓部212kを壁部材211側に撓ませることによって、端部212nと第2の係止部(終端部211pa)とを係止させ、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動の規制を有効としている。端部212nと第2の係止部(終端部211pa)とは、協働して壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部212nは上記した第1の縮小規制手段として機能し、第2の係止部(終端部211pa)は上記した第2の縮小規制手段として機能する。
壁部材214は、壁部材213が有する突出部213mと当接する当接部214qを有する。当接部214qは、突出部213mと当接することによって、壁部材213が有する可撓部213kを壁部材212側に撓ませている。壁部材212の延伸突出部212pの終端に位置する終端部212paは、可撓部213kの端部である端部213nと係止する。すなわち、終端部212paは、上記した第2の係止部として機能する。第2の係止部(終端部212pa)は、端部213nと係止することによって、端部213nと協働して、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部214qが、可撓部213kを壁部材212側に撓ませることによって、端部213nと第2の係止部(終端部212pa)とを係止させ、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制を有効としている。端部213nと第2の係止部(終端部212pa)とは、協働して壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部213nは上記した第1の縮小規制手段として機能し、第2の係止部(終端部212pa)は上記した第2の縮小規制手段として機能する。
壁部材215は、壁部材214が有する突出部214mと当接する当接部215qを有する。当接部215qは、突出部214mと当接することによって、壁部材214が有する可撓部214kを壁部材213側に撓ませている。壁部材213における終端部213waは、可撓部214kの端部である端部214nと係止する。すなわち、終端部213waは、上記した第2の係止部として機能する。第2の係止部(終端部213wa)は、端部214nと係止することによって、端部214nと協働して、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部215qが、可撓部214kを壁部材213側に撓ませることによって、端部214nと第2の係止部(終端部213wa)とを係止させ、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制を有効としている。端部214nと第2の係止部(終端部213wa)とは、協働して壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部214nは上記した第1の縮小規制手段として機能し、第2の係止部(終端部213wa)は上記した第2の縮小規制手段として機能する。
壁部材216は、壁部材215が有する突出部215mと当接する当接部216qを有する。当接部216qは、突出部215mと当接することによって、壁部材215が有する可撓部215kを壁部材214側に撓ませている。壁部材214における終端部214waは、可撓部215kの端部である端部215nと係止する。すなわち、終端部214waは、上記した第2の係止部として機能する。第2の係止部(終端部214wa)は、端部215nと係止することによって、端部215nと協働して、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部216qが、可撓部215kを壁部材214側に撓ませることによって、端部215nと第2の係止部(終端部214wa)とを係止させ、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制を有効としている。端部215nと第2の係止部(終端部214wa)とは、協働して壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部215nは上記した第1の縮小規制手段として機能し、第2の係止部(終端部214wa)は上記した第2の縮小規制手段として機能する。
壁部材217は、壁部材216が有する突出部216mと当接する当接部217qを有する。当接部217qは、T字突出部217sa(図11)に形成されている。当接部217qは、突出部216mと当接することによって、壁部材216が有する可撓部216kを壁部材215側に撓ませている。壁部材215における終端部215waは、可撓部216kの端部である端部216nと係止する。すなわち、終端部215waは、上記した第2の係止部として機能する。第2の係止部(終端部215wa)は、端部216nと係止することによって、端部216nと協働して、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。換言すれば、当接部217qが、可撓部216kを壁部材215側に撓ませることによって、端部216nと第2の係止部(終端部215wa)とを係止させ、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制を有効としている。端部216nと第2の係止部(終端部215wa)とは、協働して壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制していることから、端部216nは上記した第1の縮小規制手段として機能し、第2の係止部(終端部215wa)は上記した第2の縮小規制手段として機能する。
ロックボタン機構217uが備えるロック部217u3は、端部にロック端部217u6を有する。ロックボタン機構217uが備えるバネ217u5の弾性力によってロック部217u3が押し下がり、ロック端部217u6と、壁部材216における終端部216waとが係止する。ロック端部217u6は、終端部216waと係止することによって、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する。また、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜216が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。したがって、下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で維持することが可能である。
ロック端部217u6と、終端部216waとが係止する力は、バネ217u5の弾性力に依存している。ロック端部217u6における終端部216waと係止する面には角度がついており、バネ217u5の弾性力に起因するロック部217u3を押し下げる力よりも、壁部材216に対する壁部材217の相対的な力であって貯留容積を縮小させる方向の力の方が大きい場合には、ロック部217u3が平面部216wの上方にせり上がり、ロック端部217u6と、終端部216waとの係止は解除される。すなわち、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動の規制が解除される。また、操作部217u2が操作され、ロック部217u3が上方に押し上げられた場合にも、ロック端部217u6と、終端部216waとの係止は解除され、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動の規制が解除される。
図32に示す状態において、操作部217u2が操作されロック部217u3が上方に押し上げられた状態で貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与した場合、または、バネ217u5の弾性力に起因するロック部217u3を押し下げる力よりも大きい力であって貯留容積を縮小させる方向の力を側壁210に付与した場合には、ロック部217u3が平面部216wの上方にせり上がり、ロック端部217u6と終端部216waとの係止が解除され、壁部材217は、壁部材216に対して相対的に移動(回動)し、図33に示す状態に遷移する。このとき、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜216が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。
図33に示すように、貯留容積を縮小させる方向に壁部材217を壁部材216に対して相対的に移動させると、当接部217qと当接していた突出部216mは、ロック端部217u6とT字突出部217saの先端との間の空間である解除部217rbに移動する。すなわち、解除部217rbは、突出部216mと当接部217qとの当接を解除させる。そして、解除部217rbは、可撓部216kの壁部材215側への撓みを取り除くとともに、端部216nと第2の係止部(終端部215wa)との係止を解除して、壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制を無効とする。その結果、第1の縮小規制手段としての端部216n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部215wa)によって規制されていた壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材217が有する当接部217qと、解除部217rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材215に対する壁部材216の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した縮小規制切替手段として機能する。図33において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、図34に示す状態に遷移する。
図34に示すように、図33に示す状態から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材216は、壁部材215に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。この際、壁部材217と壁部材216とが、一体となって壁部材215に対して相対的に移動(回動)し、図34に示す状態となる。このとき、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜215が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。
また、貯留容積を縮小させる方向に壁部材216を壁部材215に対して相対的に移動させると、当接部216qと当接していた突出部215mは、壁部材216が有する空間である解除部216rbに移動する。すなわち、解除部216rbは、突出部215mと当接部216qとの当接を解除させる。そして、解除部216rbは、可撓部215kの壁部材214側への撓みを取り除くとともに、端部215nと第2の係止部(終端部214wa)との係止を解除して、壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制を無効とする。その結果、第1の縮小規制手段としての端部215n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部214wa)によって規制されていた壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材216が有する当接部216qと、解除部216rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材214に対する壁部材215の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した縮小規制切替手段として機能する。図34において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、図35に示す状態に遷移する。
図35に示すように、図34に示す状態から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材215は、壁部材214に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。この際、壁部材217〜215が、一体となって壁部材214に対して相対的に移動(回動)し、図35に示す状態となる。このとき、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜214が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。
また、貯留容積を縮小させる方向に壁部材215を壁部材214対して相対的に移動させると、当接部215qと当接していた突出部214mは、壁部材215が有する空間である解除部215rbに移動する。すなわち、解除部215rbは、突出部214mと当接部215qとの当接を解除させる。そして、解除部215rbは、可撓部214kの壁部材213側への撓みを取り除くとともに、端部214nと第2の係止部(終端部213wa)との係止を解除して、壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制を無効とする。その結果、第1の縮小規制手段としての端部214n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部213wa)によって規制されていた壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材215が有する当接部215qと、解除部215rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材213に対する壁部材214の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した縮小規制切替手段として機能する。図35において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、図36に示す状態に遷移する。
図36に示すように、図35に示す状態から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材214は、壁部材213に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。この際、壁部材217〜214が、一体となって壁部材213に対して相対的に移動(回動)し、図36に示す状態となる。このとき、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜213が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。
また、貯留容積を縮小させる方向に壁部材214を壁部材213対して相対的に移動させると、当接部214qと当接していた突出部213mは、壁部材214が有する空間である解除部214rbに移動する。すなわち、解除部214rbは、突出部213mと当接部214qとの当接を解除させる。そして、解除部214rbは、可撓部213kの壁部材212側への撓みを取り除くとともに、端部213nと第2の係止部(終端部212pa)との係止を解除して、壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制を無効とする。その結果、第1の縮小規制手段としての端部213n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部212pa)によって規制されていた壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材214が有する当接部214qと、解除部214rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材212に対する壁部材213の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した縮小規制切替手段として機能する。図36において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、図37に示す状態に遷移する。
図37に示すように、図36に示す状態から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材213は、壁部材212に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。この際、壁部材217〜213が、一体となって壁部材212に対して相対的に移動(回動)し、図37に示す状態となる。このとき、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動は、各壁部材211〜212が備える第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段によって規制されている。
また、貯留容積を縮小させる方向に壁部材213を壁部材212対して相対的に移動させると、当接部213qと当接していた突出部212mは、壁部材213が有する空間である解除部213rbに移動する。すなわち、解除部213rbは、突出部212mと当接部213qとの当接を解除させる。そして、解除部213rbは、可撓部212kの壁部材211側への撓みを取り除くとともに、端部212nと第2の係止部(終端部211pa)との係止を解除して、壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動の規制を無効とする。その結果、第1の縮小規制手段としての端部212n、および、第2の縮小規制手段としての第2の係止部(終端部211pa)によって規制されていた壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となる。なお、壁部材213が有する当接部213qと、解除部213rbとは、第1の縮小規制手段および第2の縮小規制手段による規制(壁部材211に対する壁部材212の相対的な移動の規制)の有効・無効を切り替える機能を有することから、上記した縮小規制切替手段として機能する。図37において、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、図38に示す状態に遷移する。
図38に示すように、図37に示す状態から、さらに貯留容積を縮小させる方向に側壁210に力を付与すると、壁部材212は、壁部材211に対する相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動をする。この際、壁部材217〜212が、一体となって壁部材211に対して相対的に移動(回動)し、図38に示す状態となる。このようにして、貯留容積を縮小させる場合に、壁部材211〜217は、図32から図38に示す状態に遷移する。
以上、態様B1(図23)および態様B2(図24)を用いて説明した原理、すなわち、貯留容積を縮小させる場合に下皿20の開口部に近い側から縮小する原理が、壁部材211〜217の構造として適用されることを具体的に説明した。
このように、下皿20は、貯留容積を拡大させる場合には、底部220に近い側から拡大するように構成されているので、開口部に近い側から拡大する場合と比較して、貯留容積を拡大させる初期の段階における貯留容積の増加量が多く、下皿20に貯留されている遊技用媒体(遊技球)がこぼれにくい。また、下皿20は、貯留容積を縮小させる場合には、開口部に近い側から縮小するように構成されているので、底部220に近い側から縮小する場合と比較して、貯留容積を少量ずつ縮小させることができる。この場合、底部220に近い側から縮小させる場合と比較して、貯留容積を縮小させる初期の段階における貯留容積の減少量が少ない。従って、縮小される空間から下皿20の奥側に向けて押し込まれる遊技球の量が少なく、貯留容積を縮小させるために側壁210に付与する力を小さくすることができる。結果として、軽い力で貯留容積を縮小させることができる。
次に、パチンコ機10における下皿20の取付け位置について説明する。本実施形態における下皿20は、その回動軸である回動軸230の取付け位置に特徴を有する。以下、詳しく説明する。
図39は、パチンコ機10における下皿20の取付け位置について説明する説明図である。図39(a)は、パチンコ機10を模式的に示した説明図である。図示するように、パチンコ機10は、パチンコ機10を遊技ホールなどの外部施設に固定するための外枠11と、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12とを備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿19と下皿20とが設けられている。図示した下皿20の貯留容積は、完全に縮小した状態として示している。図39(a)におけるハッチング部分は、下皿20が備える側壁210(壁部材211〜217)を示す。壁部材211〜217は、回動軸230によって回動可能に支持されている。
図39(b)は、ヒンジ16を基点として、内枠13に対して前扉枠14を回動させた様子を示している。図示するように、ヒンジ16を基点として内枠13に対して前扉枠14を回動させることは、外枠11に対して下皿20を相対的に回動させることとなる。なお、図39(b)においては、下皿20の貯留容積は完全に拡大した状態として示している。
図39(c)は、ヒンジ15を基点として、外枠11に対してパチンコ機本体12を回動させた様子を示している。図示するように、ヒンジ15を基点として外枠11に対してパチンコ機本体12を回動させることは、外枠11に対して下皿20を相対的に回動させることとなる。なお、図39(c)においては、下皿20の貯留容積は完全に拡大した状態として示している。
パチンコ機10が備えるヒンジ15やヒンジ16など、外枠11に対して下皿20を相対的に回転させる機能を有する回動軸を第1の回動軸とも呼ぶ。また、下皿20において、側壁210(壁部材211〜217)の少なくとも一部を回動させる回動軸230を第2の回動軸とも呼ぶ。本実施形態のパチンコ機10では、第2の回動軸(回動軸230)を基点として側壁210(壁部材211〜217)の少なくとも一部を回動させることによって、貯留容積を拡大および縮小させることができる。
図39(a)に示すように、パチンコ機10を正面視した場合において、ヒンジ15やヒンジ16などの第1の回動軸は、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線CL1より左側に設けられており、第2の回動軸(回動軸230)は、下皿20の横幅を二等分する中心線CL2より左側に設けられている。以下、その理由について説明する。
図40は、パチンコ機10が遊技ホールに設置されている状態を示す模式図である。図40(a)は、パチンコ機10と、パチンコ機10の左に隣接して設置されたパチンコ機10exとを示している。パチンコ機10が備える下皿20の貯留容積は完全に拡大された状態である。
図40(b)は、下皿20の貯留容積を拡大させた状態のパチンコ機10において、ヒンジ16(第1の回動軸)を基点として前扉枠14が開く方向に回動した様子を示している。図示するように、所定の角度以上に前扉枠14を開く方向に回動させると、貯留容積を拡大させた状態の下皿20の側壁210が、隣接するパチンコ機10exと接触する。このとき、下皿20の側壁210は、パチンコ機10exから貯留容積を縮小させる方向の外部力を受ける。下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けると、貯留容積が縮小する。
図40(c)は、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けた下皿20の貯留容積が縮小する様子を示している。本実施形態においては、図32において説明したように、下皿20の壁部材217はロックボタン機構217uを有しているので、貯留容積を縮小させる方向の外部力の大きさ、すなわち、壁部材216に対する壁部材217の相対的な力であって貯留容積を縮小させる方向の外部力の大きさが、バネ217u5の弾性力に起因するロック部217u3を押し下げる力よりも大きい場合に、ロック部217u3が平面部216wの上方にせり上がり、ロック端部217u6と、終端部216waとの係止が解除され、下皿20の開口部から近い側の壁部材から順に(壁部材217、壁部材216・・・の順に)貯留容積を縮小させる方向に移動し、貯留容積が縮小する。
このように、下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で貯留容積を縮小させる方向の外部力を受けると、貯留容積が縮小するように構成されているので、外部力を緩衝し、下皿20に外部力を与えた対象物であるパチンコ機10exおよびパチンコ機10の下皿20への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。より具体的には、下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けると、貯留容積が縮小するように構成されているので、下皿20が外枠11に対する相対的な回動によって外部力を受けたときに、外部力を緩衝し、下皿20に外部力を与えた対象物であるパチンコ機10exおよびパチンコ機10の下皿20への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。
上述したように、本実施形態においては、下皿20に対する外部力の大きさが、バネ217u5の弾性力に起因するロック部217u3を押し下げる力よりも大きい場合には、ロック端部217u6と、終端部216waとの係止が解除され、下皿20の貯留容積が縮小する方向に移動するので、バネ217u5の弾性力を小さくする、または、バネ217u5を備えない構成とすることで、下皿20が外枠11に対する相対的な回動によって外部力を受けたときに、外部力をさらに緩衝し、下皿20に外部力を与えた対象物であるパチンコ機10exおよびパチンコ機10の下皿20への外部力による影響(損傷)をより一層抑制することができる。
例えば、貯留容積が拡大された状態で固定され、外部力によって貯留容積が縮小しない構成の下皿の場合、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けると、下皿に外部力を与えた対象物およびパチンコ機10の下皿に、外部力がそのまま作用してしまい、互いに損傷してしまうことがあるが、本実施形態における下皿20は、そのような事象を回避することができる。
また、図39で説明したように、パチンコ機10を正面視した場合において、ヒンジ15やヒンジ16などの第1の回動軸は、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線CL1より左側に設けられており、第2の回動軸(回動軸230)は、下皿20の横幅を二等分する中心線CL2より左側に設けられている。このようにすることで、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした回動に伴なって下皿20が受ける外部力の方向と、貯留容積を縮小させる際の第2の回動軸(回動軸230)を基点とした側壁210の回動の方向とを近づけることができる。したがって、下皿20が、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けたときに、第2の回動軸(回動軸230)を基点として下皿20の側壁210を円滑に回動させて貯留容積を縮小させることができる。よって、下皿20に外部力を与えた対象物であるパチンコ機10exおよびパチンコ機10の下皿20への外部力による影響(損傷)を、さらに抑制することができる。
例えば、パチンコ機10を正面視した場合において、ヒンジ15やヒンジ16などの第1の回動軸が、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線CL1より左側に設けられており、第2の回動軸(回動軸230)が、下皿20の横幅を二等分する中心線CL2より右側に設けられている構成の場合、第1の回動軸を基点とした回動に伴なって下皿20が受ける外部力の方向と、貯留容積を縮小させる際の第2の回動軸(回動軸230)を基点とした側壁210の回動の方向とが大きく異なるため、下皿20が、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けたときに、第2の回動軸(回動軸230)を基点として下皿20の側壁210を回動させることができず、貯留容積を縮小させることができない。結果として、下皿20に外部力を与えた対象物であるパチンコ機10exおよびパチンコ機10の下皿20に外部力がそのまま作用してしまい、互いに損傷してしまうことがある。一方、本実施形態におけるパチンコ機10は、そのような事象を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態の下皿20は、貯留容積を拡大・縮小させることができるので、払出手段から払い出される遊技球の量に応じて、貯留容積を任意に変更することができる。上皿と下皿とを備える一般的なパチンコ機の中には、下皿に貯留されている遊技球を取り出す際に、上皿を構成する筐体における外側の底面部と、下皿の開口部との間隔が狭く、下皿の遊技球が取り出しにくいパチンコ機が存在する。本実施形態の下皿20は、構造上、開口部が拡大するので、仮に上皿を構成する筐体における外側の底面部と、下皿の開口部との間隔が狭い場合であっても、下皿20に貯留されている遊技用媒体を容易に取り出すことができる。また、下皿20は、第2の回動軸(回動軸230)を基点として側壁210の少なくとも一部を回動させることによって貯留容積が拡大および縮するように構成されているので、第2の回動軸(回動軸230)を基点とした側壁210の回動といった簡易な操作によって貯留容積を拡大および縮小させることができる。
さらに、下皿20の貯留容積が拡大するので、一般に流通しているパチンコ機よりも多くの遊技球を下皿に貯留することができる。したがって、下皿に貯留した遊技球をドル箱に移す頻度を低減することができる。
貯留容積を拡大させる場合には、底部220に近い側から拡大するように構成されているので、開口部に近い側から拡大する場合と比較して、下皿20に貯留されている遊技用媒体(遊技球)がこぼれにくい。側壁210を構成する壁部材211〜217は、第1の拡大規制手段、第2の拡大規制手段、拡大規制切替手段を備えるので、下皿20の貯留容積を拡大させる際に、上下に配置された複数の壁部材211〜217を、底部220に近い側から順に、段階的に貯留容積を拡大させる方向に移動させることができる。したがって、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能となる。
図25〜図31において説明したように、第1の拡大規制手段は突出部、第2の拡大規制手段は第1の係止部、拡大規制切替手段は抑制部と許容部とによって実現することができる。したがって、第1の拡大規制手段、第2の拡大規制手段、および、拡大規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
貯留容積を縮小させる場合には、開口部に近い側から縮小するように構成されているので、底部220に近い側から縮小する場合と比較して、貯留容積を少量ずつ縮小させることができる。側壁210を構成する壁部材211〜217は、第1の縮小規制手段、第2の縮小規制手段、縮小規制切替手段を備えるので、下皿20の貯留容積を縮小させる際に、上下に配置された複数の壁部材211〜217を、開口部に近い側から順に、段階的に貯留容積を縮小させる方向に移動させることができる。したがって、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能となる。
図32〜図38において説明したように、第1の縮小規制手段は突出部を含む可撓性部材の端部、第2の縮小規制手段は第2の係止部、縮小規制切替手段は当接部と解除部とによって実現することができる。したがって、第1の縮小規制手段、第2の縮小規制手段、および、縮小規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
また、下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で貯留容積を縮小させる方向の外部力を受けると縮小するように構成されているので、外部力を緩衝し、下皿20に外部力を与えた対象物および下皿20への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。本実施形態においては、下皿20は、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした回動に伴なって外部力を受けると、貯留容積が縮小するように構成されているので、下皿20が外枠に対する相対的な回動によって外部力を受けたときに、外部力を緩衝し、下皿20に外部力を与えた対象物および下皿20への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。
さらに、下皿20は、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)がパチンコ機10の横幅を二等分する中心線CL1より左側に設けられ、第2の回動軸(回動軸230)が下皿20の横幅を二等分する中心線CL2より左側に設けられているので、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした回動に伴なって下皿20が受ける外部力の方向と、貯留容積を縮小させる際の第2の回動軸(回動軸230)を基点とした側壁210の回動の方向とを近づけることができる。したがって、下皿20が、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした回動に伴なって外部力を受けたときに、第2の回動軸(回動軸230)を基点として下皿20の側壁210を円滑に回動させて貯留容積を縮小させることができる。よって、下皿20に外部力を与えた対象物および下皿20への外部力による影響(損傷)を、さらに抑制することができる。
また、従来は、パチンコ機の設計上、遊技者の手が入るように、上皿19を形成する筐体の外壁の底面部と下皿20の開口部との離間をある程度の長さ確保する必要があったが、本実施形態におけるパチンコ機10は、下皿20の側壁210を手前側(遊技者側)へ移動させることで手を入れる開口を確保できるため、側壁をこれまで以上に高くすることができる。したがって、下皿の貯留容積をさらに増加させることができる。すなわち、縮小した状態であっても、下皿20の貯留容積を、一般的なパチンコ機の下皿より、大きくすることができる。さらに、製造上および設置上問題となってくるパチンコ機本体の制約を超えた領域までも貯留領域とすることができる。
さらに、本実施形態における下皿20は貯留容積を拡大することができるので、パチンコ機を正面視した場合の横幅方向の長さが、従来のパチンコ機の下皿よりも短い場合であっても、従来と同等またはそれ以上の貯留容積を確保することができる。従って、パチンコ機の横幅方向に下皿20の長さを確保後にも、横幅方向の余剰長を確保することができ、その余剰長のスペースに、例えば、装飾部、スピーカー、制御機器、役物など、構造物を設置することができ、余剰長のスペースを有効利用することができる。
また、図39(a)に示すように、上皿19は、パチンコ機10の横幅方向の中心に近い部分が、左右の両端部分よりも、パチンコ機10を正面視して手前側にせり出している。本実施形態においては、下皿20の第2の回動軸(回動軸230)は、下皿20の横幅を二等分する中心線CL2より左側であって、さらに、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線CL1より左側(左端)に設けられているので、貯留容積を拡大させた場合には、パチンコ機10の横幅方向の中心に近い部分ほど、パチンコ機10を正面視して手前側にせり出す。すなわち、上皿19の手前へのせり出しが大きい部分ほど、貯留容積を拡大させた場合の下皿20の手前へのせり出しが大きくなる構造であるので、遊技者が上皿19の底面と下皿20の開口部との間に手を入れて下皿20に貯留されている遊技球を取る場合に、下皿20の左端から中心部分に亘るいずれの場所からでも下皿20に手を入れやすい。
B.他の実施形態:
図41および図42は、他の実施形態としてのパチンコ機が備える下皿20zの構成を説明する説明図である。図41は、操作ハンドル25zを含む下皿20zの全体を示し、図42(a)は、下皿20zの貯留容積(貯留空間)が縮小された状態を示し、図42(b)は、下皿20zの貯留容積(貯留空間)が拡大された状態を示している。図示するように、下皿20zは、上方に開放部、下方に底部220zが形成されるとともに、側面に側壁210zが形成されている。側壁210zは、複数の壁部材211z〜217zが上下に配置されることによって構成されている。壁部材211z〜217zは、回動軸230zによって回動可能に支持されている。下皿20zは、回動軸230zを基点として壁部材211z〜217zを回動させることによって、下皿20zの貯留容積(貯留空間)を拡大および縮小させることができる。
本実施形態におけるパチンコ機と、上記実施形態のパチンコ機10との主な差異点は、パチンコ機本体から下皿20zへ遊技球を放出する放出口240に、遊技球を下皿20zに分散して放出するための迂回路機構242を備える点と、下皿20zに貯留された遊技球をドル箱に排出するための排出口22zの閉状態と開状態とを切り替えるレバー23zが、下皿20zの側面であって操作ハンドル25zの近くに設けられている点である。また、下皿20zは、本実施形態におけるパチンコ機に対して正面視した場合に、左右の横幅の長さが、上記実施形態の下皿20より長い。すなわち、下皿20zは、上記実施形態の下皿20と比較して、貯留容積(貯留空間)が大きく、より多くの遊技球を貯留することが可能である。
図41に示すように、迂回路機構242は、放出口240から外側に向かって広がりをもった形状をしており、放出口240から放出された遊技球が下皿20zへ流れ出る経路を分散させる迂回路としての機能を有する。迂回路機構242を有さない一般的なパチンコ機の場合、放出口から放出された遊技球は、図41に示す破線の矢印である経路RT1を流れて下皿に貯留される。一方、本実施形態におけるパチンコ機は、迂回路機構242を備えることにより、放出口240から放出された遊技球が下皿20zに流れ出る経路が分散され、例えば、経路RT2や、経路RT3などの複数の迂回路を通って下皿20zに流れ出ることが可能である。
その結果、放出口240から放出された遊技球が、下皿20zの底部220zに局所的に停滞することを抑制することができる。また、仮に、短期間に大量の遊技球が放出口240から放出され、多くの遊技球が経路RT1を通って下皿20zへ流れ出て、遊技球が経路RT1の先に局所的に停滞し遊技球の山ができた場合であっても、その後に放出口240から放出される遊技球が下皿20zへ流れ出る経路が、迂回路機構242によって分散的に複数確保されている。したがって、遊技球は、例えば経路RT2や経路RT3を通って下皿20zに流れ出ることが可能であり、放出口240付近に停滞した遊技球によって放出口240が塞がれてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機では、レバー23zが、下皿20zの側面であって操作ハンドル25zの近くに設けられている。このようにすることによって、下皿20zの貯留容積(貯留空間)を拡大させるために側壁210z(壁部材211z〜217z)が手前側に引き出された場合であっても、遊技者がレバー23zを視認しやすくなる。また、遊技者は操作ハンドル25zを握りながら、右手の指(例えば親指)でレバー23zを操作することが可能となる。
さらに、上述したように、下皿20zは、本実施形態におけるパチンコ機に対して正面視した場合に、左右の横幅の長さが、上記実施形態の下皿20より長い。下皿20zをこのような形状とすることによって、下皿20zの貯留容積(貯留空間)を拡大または縮小させる際に、遊技者が側壁210zを握りやすく、貯留容積(貯留空間)を拡大または縮小させる操作が行ないやすくなる。
この他、迂回路機構242を、遊技球が経路RT2に優先的に流れるように、経路RT2に対応する部分に、傾斜を付してもよい。具体的には、放出口240を基点として、経路RT2の方向に離れるにつれて下り傾斜となるように迂回路機構242に傾斜を形成する。このようにすることで、下皿20zの貯留容積(貯留空間)を拡大させた場合に、貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域、すなわち、本実施形態においては下皿20zの貯留空間のうち回動軸230zから遠い領域に、優先的に遊技球が流れるようになるので、放出口240から放出された遊技球が、底部220zのうち放出口240に近い領域に停滞することをさらに抑制することができる。
この他、迂回路機構を備えるパチンコ機として他の態様を採用することができる。以下、具体的に説明する。
図43は、複数の迂回路機構(迂回路機構242および迂回路機構243)を備えるパチンコ機の一例を示す説明図である。迂回路機構243は、樹脂製のフィルムによって構成されており、迂回路機構242と側壁210zの内壁とを接続している。本実施形態では、具体的には、迂回路機構243は、迂回路機構242と壁部材216zの内壁とを接続している。迂回路機構243は、下皿20zの貯留容積(貯留空間)が縮小されているときには、下皿20zの内部で撓んだ状態で収納されており、下皿20zの貯留容積(貯留空間)が拡大されたときには、貯留容積(貯留空間)の拡大方向への壁部材216zの移動(回動)に伴う張力によって、図に示すように、張った状態となる。
このように、迂回路機構243が張った状態になると、経路RT3に流れた遊技球は、図示するように、迂回路機構243を経由した後、壁部材216z〜211zの長辺基部216d〜211dを流れ、下皿20zの貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域に流れる。このようにすることで、下皿20zの貯留空間のうち遊技球の停滞しやすい領域を迂回して、下皿20zの貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域に遊技球を流通させることができるので、遊技球が下皿20zに局所的に停滞することを抑制するとともに、局所的に停滞した遊技球が下皿20zから溢れ出すことを抑制することができる。また、迂回路機構243は、構造上、下皿20zの貯留空間の拡大に伴って構成されるので、払出手段から下皿20zへ遊技球が流通する経路を、分散的に確保することができる。さらに、図43に示す下皿20zにおいて、遊技球が流通する迂回路は、迂回路機構242、迂回路機構243に加え、側壁210zの一部である壁部材216z〜211zの長辺基部216d〜211dによって構成されている。このように、本実施形態では、側壁210zの一部が遊技球の迂回路の一部として構成されているので、貯留空間が拡大する機能を有する下皿20zを、迂回路として有効利用することができる。
図44は、迂回路機構を備えるパチンコ機の他の例を説明する説明図である。図示するように、本実施形態のパチンコ機は、迂回路機構242から垂直に突出するとともに、パチンコ機の横幅方向を長手方向とした壁部である迂回路用壁部244を備える。迂回路用壁部244は、図41において図示した経路RT1の方向への遊技球の流通を抑制する。また、図示するように、迂回路用壁部244の上面および底面は三角形に形成されている。すなわち、迂回路用壁部244は三角柱の形状に形成されている。従って、放出口240から放出された遊技球は、迂回路用壁部244に接触した後、経路RT2と経路RT3とを比較した場合、経路RT2に流通しやすい。このようにすることで、下皿20zの貯留空間のうち遊技球の停滞しやすい領域を迂回して、下皿20zの貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域に遊技球を流通させることができるので、遊技球が下皿20zに局所的に停滞することを抑制するとともに、局所的に停滞した遊技球が下皿20zから溢れ出すことを抑制することができる。さらに、迂回路用壁部244は、下皿20zの貯留空間の拡大に伴って構成されるとしてもよい。
図45は、下皿20zの貯留空間の拡大に伴って構成される迂回路用壁部244を説明する説明図である。図45(a)は、下皿20zの貯留空間を縮小させた状態における迂回路用壁部244を示し、図45(b)は、下皿20zの貯留空間を拡大させた状態における迂回路用壁部244を示している。図45(a)に示すように、下皿20zの貯留空間を縮小させた状態における迂回路用壁部244は、迂回路機構242の内部に収納されており、迂回路用壁部244の上面と迂回路機構242の上面とが同じ高さとなっている。換言すれば、迂回路用壁部244の上面が、迂回路機構242の上面の一部を構成している。よって、図45(a)に示すように、下皿20zの貯留空間を縮小させた状態においては、放出口240から放出された遊技球が流通する経路として、例えば、経路RT1、経路RT2、経路RT3など、複数の経路が構成される。
そして、下皿20zの貯留空間を、縮小させた状態から拡大させると、図45(b)に示すように、迂回路機構242の内部に収納されていた迂回路用壁部244が垂直に上昇し、迂回路機構242から垂直に突出した壁部となる。下皿20zの貯留空間を、縮小させた状態から拡大させることによって迂回路用壁部244が垂直に上昇する機構は、例えば、下皿20zの回動軸230zと迂回路用壁部244とを、ギアやシャフトなどの動力を伝搬する部材で接続することによって実現することができる。
このように、下皿20zの貯留空間を縮小させている場合には、迂回路用壁部244が収納されているので、遊技球が流通する経路として、経路RT1、経路RT2、経路RT3が確保されており、一方、下皿20zの貯留空間を拡大させた場合には、貯留空間の拡大に伴って迂回路用壁部244が上昇するので、経路RT3に遊技球が優先的に流通するようになる。従って、払出手段から下皿20zへ遊技球が流通する経路を分散させることができる。
図46および図47は、迂回路機構を備えるパチンコ機の他の例を説明する説明図である。図46に示すように、本実施形態のパチンコ機は、迂回路機構242の上面に、放出口240から放出された遊技球が流入する流入開口部245が形成されている。なお、本実施形態では、図46に示すように、下皿20zの貯留空間が縮小している状態においては、流入開口部245は、蓋部246によって塞がれている。また、迂回路機構242の垂直面には、遊技球を下皿20zに放出する放出開口部247が形成されている。そして、迂回路機構242の内部には、流入開口部245と放出開口部247とを連通する貫通孔248が形成されている。貯留空間を縮小させた状態においては、流入開口部245が蓋部246によって塞がれているため、放出口240から放出された遊技球が流通する経路として、例えば、経路RT1、経路RT2、経路RT3など、複数の経路が構成される。
そして、下皿20zの貯留空間を、縮小させた状態から拡大させると、図47に示すように、蓋部246が移動し、迂回路機構242の上面の流入開口部245が開状態となる。結果として、迂回路機構242の内部の貫通孔248に、遊技球が流通する迂回流路RT4が形成される。下皿20zの貯留空間を、縮小させた状態から拡大させることによって蓋部246が移動する機構は、例えば、下皿20zの回動軸230zと蓋部246とを、ギアやシャフトなどの動力を伝搬する部材で接続することによって実現することができる。
このようにすることで、放出口240から放出された遊技球は、例えば経路RT1の方向に流通した場合には、流入開口部245に流入し、迂回流路RT4を流通して底部220zに流れる。従って、下皿20zの貯留空間のうち遊技球の停滞しやすい領域を迂回して、下皿20zの貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域に遊技球を流通させることができるので、遊技球が下皿20zに局所的に停滞することを抑制するとともに、局所的に停滞した遊技球が下皿20zから溢れ出すことを抑制することができる。また、迂回流路RT4は、構造上、下皿20zの貯留空間の拡大に伴って形成される。よって、迂回路が下皿20zの貯留空間の拡大に伴って構成され、払出手段から下皿20zへ遊技球が流通する経路を、分散的に確保することができる。
なお、上記の実施形態においては、迂回路は、下皿20zの貯留空間における遊技球の停滞しやすい領域(第1の領域とも呼ぶ)を迂回し、下皿20zの貯留容積(貯留空間)の拡大量が多い領域(第2の領域とも呼ぶ)に遊技用媒体を誘導するものとして説明したが、迂回路が迂回する第1の領域、および、迂回路が遊技球を誘導する第2の領域を、他の領域に設定してもよい。また、下皿に限らず上皿が迂回路を備えてもよい。すなわち、遊技機において遊技用媒体を貯留する貯留皿であれば、迂回路を備えることによって、払出手段から貯留皿へ遊技用媒体が流通する経路を、分散的に確保することができる。
C.変形例:
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施形態における各壁部材211〜217に、さらに、塵埃の付着を抑制する機能を付加してもよい。
図48は、塵埃の付着や積層を抑制する機能の一例を説明する説明図である。図48(a)に示したように、各壁部材211〜217の各長辺基部211d〜216dには、多数の貫通孔が形成されている。各貫通孔の大きさは、遊技球が通り抜けできない大きさであり、各長辺基部211d〜216dを遊技球が流通した場合に、遊技球の流通を阻害しない大きさである。本例の場合、各貫通孔が六角形から成るハニカム構造を形成している。従って、各壁部材211〜217の強度は確保されている。このような構成とすることで、各長辺基部211d〜216dに塵埃が付着しにくい。また、仮に各長辺基部211d〜216dに塵埃が付着した場合であっても、各長辺基部211d〜216dに形成された貫通孔から塵埃は落下し除去される。
この他、図48(b)に示すように、各壁部材212〜217のレール受部212f〜217fの壁部に、ブラシが設けられてもよい。図48(b)は、一例として、壁部材215におけるレール受部215fの壁部にブラシ215brが付された構成を示している。このような構成とすることで、下皿20の貯留容積の拡大・縮小動作の度に、各ブラシ212br〜217brは、その下方に位置する各長辺基部211d〜216dを掃くことができ、各長辺基部211d〜216dに付着した塵埃を除去することができる。
各長辺基部211d〜216dに多数の貫通孔が形成された構成と(図48(a))と、レール受部212f〜217fの壁部にブラシ212br〜217brが設けられた構成とを組み合わせることで、塵埃の付着の抑制効果をさらに高めることができる。
また、上記説明した貫通孔およびブラシを備える構成は、互いに当接し合う2つの部材であって、相対的に移動をする種々の部材に適用することができる。なお、貫通孔の形状は、六角形や円形に限らず、長方形や、スリットのように細い形状を採用してもよい。また、ブラシに替えて、ラバーフィルムや布部材など、塵埃を掃くことのできる種々の部材を採用してもよい。
C2.変形例2:
図39で説明したように、上記実施形態のパチンコ機10においては、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)は、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線より左側に設けられ、第2の回動軸(回動軸230)は、下皿20の横幅を二等分する中心線より左側に設けられているとしたが、そのような構成に限らず、他の構成を採用することも可能である。例えば、パチンコ機10を正面視した場合において、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)が、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線より右側に設けられ、第2の回動軸(回動軸230)が、下皿20の横幅を二等分する中心線より右側に設けられているとしてもよい。すなわち、パチンコ機10を正面視した場合において、パチンコ機10の横幅を二等分する中心線に対する第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)と、下皿20の横幅を二等分する中心線に対する第2の回動軸(回動軸230)とが、左右同じ側に設けられていればよい。このようにすることで、上記実施形態と同様に、第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした開く方向の回動に伴なって下皿20が受ける外部力の方向と、貯留容積を縮小させる際の第2の回動軸(回動軸230)を基点とした側壁210の回動の方向とを近づけることができる。したがって、下皿20が、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸(ヒンジ15やヒンジ16)を基点とした回動に伴なって外部力を受けたときに、第2の回動軸(回動軸230)を基点として下皿20の側壁210を円滑に回動させて貯留容積を縮小させることができる。よって、下皿20に外部力を与えた対象物および下皿20への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。
C3.変形例3:
上記実施形態に記載した貯留皿としての下皿20が備える特徴を、払出手段から払い出される遊技用媒体としての遊技球を貯留する貯留皿としての上皿19が備えるとしてもよい。この場合、上皿19の貯留容積を拡大・縮小させることができるので、払出手段から払い出される遊技球の量に応じて、上皿19の貯留容積を任意に変更することができる。上皿19の貯留容積が拡大するので、一般に流通しているパチンコ機以上に遊技球を上皿に貯留することができる。なお、上記実施形態に記載した貯留皿が備える特徴を、下皿20のみが備えるとしてもよいし、上皿19と下皿20との両方が備えるとしてもよいし、上皿19のみが備えるとしてもよい。
C4.変形例4:
上記実施形態においては、上記した下皿20の側壁210は、複数の壁部材211〜217が上下に配置されることによって構成されていたが、それに限らず他の構成を採用するとしてもよい。例えば、下皿の側壁は、蛇腹状に成形されたシリコン製樹脂によって構成されるとしてもよい。このようにしても、下皿の貯留容積を拡大させることが可能であるとともに、拡大前の状態および拡大させた状態で維持することが可能である。また、上皿に、同様の構成を採用するとしてもよい。
また、上記実施形態においては、下皿20は、回動軸230を基点として壁部材211〜217が回動する構成であったが、そのような構成に限らず、他の構成を採用するとしてもよい。例えば、下皿は、複数の壁部材が遊技者側にスライドして引き出される構成であってもよい。
すなわち、下皿は、貯留容積を拡大させることが可能であるとともに、拡大前の状態および拡大させた状態で維持することが可能であり、拡大させた状態で貯留容積を縮小させる方向の外部からの力である外部力を受けると、貯留容積が縮小するように構成されていればよい。また、下皿は、貯留容積を拡大させることが可能であるとともに、拡大前の状態および拡大させた状態で維持することが可能であり、貯留容積を拡大させる場合には、底部に近い側から拡大するように構成されていればよい。
C5.変形例5:
上記実施形態においては、壁部材217が備えるロックボタン機構217uはバネ217u5を有するとしたが、ロックボタン機構217uはバネ217u5を有さないとしてもよい(図10、図32参照)。ロックボタン機構217uがバネ217u5を有さない場合、ロックボタン機構217uのロック部217u3を押し下げる力がロック部217u3の重力に起因する力のみとなるので、ロック端部217u6と、壁部材216における終端部216waとが係止する力を軽減することができる。したがって、ロック端部217u6と、終端部216waとの係止によって、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動であって貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する力が軽減される。すなわち、下皿20が完全に拡大している状態で、壁部材216に対する壁部材217の相対的な移動をさせて下皿20の貯留容積を縮小させる場合には、壁部材216に対する壁部材217の相対的な力であって貯留容積を縮小させる方向の力として必要な力は、上記実施形態における下皿20と比較して小さい力でよいこととなる。よって、遊技者は、軽い力で壁部材217を押すことによって、下皿20の貯留容積を縮小させることができる。
C6.変形例6:
例えば、図5や図42で示したように、上記実施形態においては、パチンコ機10を正面視した場合において、排出口22(または排出口22z)が、下皿20(下皿20z)の底部220(底部220z)の右側に配置される構成を採用したが、そのような構成に限定されることはない。排出口22(または排出口22z)が底部220(底部220z)の左側に配置されるなど、排出口22(または排出口22z)が底部220(底部220z)の他の位置に配置されていてもよい。また、上記実施形態において、底部220(底部220z)が、排出口22(または排出口22z)側に向かって傾斜していたのと同様に、本例のように、例えば、排出口22(または排出口22z)が底部220(底部220z)の左側に配置される場合においても、底部220(底部220z)が、排出口22(または排出口22z)側に向かって傾斜していてもよい。
特に、図41〜図47で説明したように、下皿の貯留空間の拡大に伴って迂回路が構成されるパチンコ機の場合、排出口22(または排出口22z)が底部220(底部220z)の左側に配置され、かつ、底部220(底部220z)が排出口22(または排出口22z)側に向かって傾斜している構成を採用することによって、以下の効果を得ることができる。すなわち、貯留空間を縮小させている場合には、迂回路は構成されていないため、放出口240から放出された遊技球は迂回せずに排出口22(排出口22z)に向かって直接的に流通する。一方、貯留空間を拡大させた場合には、迂回路が構成されるので、放出口240から放出された遊技球は、迂回して排出口22(排出口22z)の無い底部220(底部220z)の右側に流通する。結果として、このような構成とすることで、放出口240から放出された遊技球を下皿20(下皿20z)に満遍なく溜めることができる。
C7.変形例7:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば、特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機等、遊技用媒体としての遊技球が払い出される払出手段を備えるパチンコ機にも本発明を適用することができる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、スロットマシンにも本発明を適用することができる。すなわち、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、遊技用媒体としてのメダルが投入されスタートレバーが操作されると、リールの回転を開始するとともに、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールを停止させ、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用することができる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に遊技用媒体を貯留する貯留皿と、遊技用媒体を取り込む取込装置と、遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す払出手段とを備え、貯留皿に貯留されている所定数の遊技用媒体が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用することができる。
すなわち、遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す払出手段と、上方に開口部、下方に底部が形成され、遊技用媒体を貯留する貯留皿とを備える遊技機に対して本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
D.上記実施形態および変形例から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態および変形例から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す遊技機が知られている。例えば、このような遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、遊技領域を備えているとともに、その下方に貯留皿としての上皿を備えている。上皿に貯留された遊技用媒体としての遊技球は、遊技球発射機構へ案内され、遊技者によって発射操作がされることにより遊技領域へ打ち出される。そして、例えば遊技領域に設けられた入賞口に遊技球が入球することにより、払出手段から上皿に所定数の遊技球が払い出される。
パチンコ遊技機には、上皿の下方に貯留皿としての下皿が設けられており、上皿に遊技球が満杯になっている状態で遊技球の払い出しが行われた場合には、その余剰球が下皿に排出されるようになっている。そして、遊技者は、上皿の遊技球の貯留状況に応じて、上皿と下皿との間に手を入れて、下皿に貯留されている遊技球を取り出し、上皿に補充する。
ところで、近年、遊技機の意匠的な観点からの改良、開発が進んでいる。その結果、遊技機の意匠が優先され、貯留皿が小さく設計される場合がある。この場合、貯留皿の貯留容積が小さくなるとともに、遊技者が貯留皿から手で遊技球を取りにくくなるおそれがある。貯留皿が小さくなる傾向を踏まえた上で、貯留皿の利便性の向上を図る必要がある。
このような問題は、遊技用媒体を貯留する貯留皿を備える遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴A1]
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す払出手段と、
上方に開口部、下方に底部が形成され、前記遊技用媒体を貯留する貯留皿と、
を備える遊技機であって、
前記貯留皿は、
貯留容積を拡大させることが可能であるとともに、拡大前の状態および拡大させた状態で維持することが可能であり、前記拡大させた状態で前記貯留容積を縮小させる方向の外部からの力である外部力を受けると、前記貯留容積が縮小するように構成されているものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、貯留皿の貯留容積を拡大させることができるので、貯留皿に貯留された遊技用媒体が取り出しやすくなるとともに、払出手段から払い出される遊技用媒体の量に応じて、貯留容積を任意に変更することができる。また、貯留容積を拡大させた状態で貯留容積を縮小させる方向の外部力を受けると縮小するように構成されているので、外部力を緩衝し、貯留皿に外部力を与えた対象物および貯留皿への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、さらに、
前記遊技機を外部施設に固定するための外枠と、
前記外枠に対して前記貯留皿を相対的に回動させる第1の回動軸とを備え、
前記貯留皿は、前記拡大させた状態で前記第1の回動軸を基点とした回動に伴なって前記外部力を受けると、前記貯留容積が縮小するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、貯留皿は、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けると、貯留容積が縮小するように構成されているので、貯留皿が外枠に対する相対的な回動によって外部力を受けたときに、外部力を緩衝し、貯留皿に外部力を与えた対象物および貯留皿への外部力による影響(損傷)を抑制することができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、
側壁と、
前記側壁の少なくとも一部を回動させる第2の回動軸とを有し、
前記第2の回動軸を基点として前記側壁の少なくとも一部を回動させることによって前記貯留容積を拡大および縮小させるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、第2の回動軸を基点とした側壁の回動といった簡易な操作によって貯留容積を拡大および縮小させることができる。
[特徴A4]
特徴A2に従属する特徴A3に記載の遊技機であって、
前記遊技機を正面視した場合において、
前記第1の回動軸が前記遊技機の横幅を二等分する中心線より左側に設けられている場合には、前記第2の回動軸は、前記貯留皿の横幅を二等分する中心線より左側に設けられており、
前記第1の回動軸が前記遊技機の横幅を二等分する中心線より右側に設けられている場合には、前記第2の回動軸は、前記貯留皿の横幅を二等分する中心線より右側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、第1の回動軸を基点とした回動に伴なって貯留皿が受ける外部力の方向と、貯留容積を縮小させる際の第2の回動軸を基点とした側壁の回動の方向とを近づけることができる。したがって、貯留皿が、貯留容積を拡大させた状態で第1の回動軸を基点とした回動に伴なって外部力を受けたときに、第2の回動軸を基点として貯留皿の側壁を円滑に回動させて貯留容積を縮小させることができる。よって、貯留皿に外部力を与えた対象物および貯留皿への外部力による影響(損傷)を、さらに抑制することができる。
[特徴A5]
特徴A1から特徴A4のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記貯留皿よりも上方に設けられ、前記払出手段から払い出される前記遊技用媒体を貯留する上皿を備え、
前記貯留皿は、
前記上皿にて余剰となった前記遊技用媒体を貯留する下皿であることを特徴とする遊技機。
上皿と下皿とを備える遊技機の場合、下皿に貯留されている遊技用媒体を取り出す際に、上皿と下皿との間が狭く、取り出しにくい場合がある。
特徴A5によれば、貯留皿としての下皿が拡大するので、下皿に貯留されている遊技用媒体を容易に取り出すことができる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す遊技機が知られている。例えば、このような遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、遊技領域を備えているとともに、その下方に貯留皿としての上皿を備えている。上皿に貯留された遊技用媒体としての遊技球は、遊技球発射機構へ案内され、遊技者によって発射操作がされることにより遊技領域へ打ち出される。そして、例えば遊技領域に設けられた入賞口に遊技球が入球することにより、払出手段から上皿に所定数の遊技球が払い出される。
パチンコ遊技機には、上皿の下方に貯留皿としての下皿が設けられており、上皿に遊技球が満杯になっている状態で遊技球の払い出しが行われた場合には、その余剰球が下皿に排出されるようになっている。そして、遊技者は、上皿の遊技球の貯留状況に応じて、上皿と下皿との間に手を入れて、下皿に貯留されている遊技球を取り出し、上皿に補充する。
ところで、近年、遊技機の意匠的な観点からの改良、開発が進んでいる。その結果、遊技機の意匠が優先され、貯留皿が小さく設計される場合がある。この場合、貯留皿の貯留容積が小さくなるとともに、遊技者が貯留皿から手で遊技球を取りにくくなるおそれがある。貯留皿が小さくなる傾向を踏まえた上で、貯留皿の利便性の向上を図る必要がある。
このような問題は、遊技用媒体を貯留する貯留皿を備える遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴B1]
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す払出手段と、
上方に開口部、下方に底部が形成され、前記遊技用媒体を貯留する貯留皿と、
を備える遊技機であって、
前記貯留皿は、
貯留容積を拡大させることが可能であるとともに、拡大前の状態および拡大させた状態で維持することが可能であり、
前記貯留容積を拡大させる場合には、前記底部に近い側から拡大するように構成されているものであることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、貯留皿の貯留容積を拡大させることができるので、貯留皿に貯留された遊技用媒体が取り出しやすくなるとともに、払出手段から払い出される遊技用媒体の量に応じて、貯留容積を変更することができる。さらに、貯留容積を拡大させる場合には、底部に近い側から拡大するように構成されているので、開口部に近い側から拡大する場合と比較して、貯留容積を拡大させる初期の段階における貯留容積の増加量が多く、貯留皿に貯留されている遊技用媒体がこぼれにくい。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、複数の壁部材が上下に配置されることによって構成された側壁を有しており、
前記複数の壁部材のうち、
前記底部に近い側からX(Xは2以上の整数)段目の壁部材には、第1の拡大規制手段が設けられており、
前記底部に近い側からX+1段目の壁部材には、前記第1の拡大規制手段と協働して、前記X段目の壁部材に対する当該X+1段目の壁部材の相対的な移動であって前記貯留容積を拡大させる方向の移動を規制する第2の拡大規制手段が設けられており、
前記底部に近い側からX−1段目の壁部材には、前記第1の拡大規制手段および前記第2の拡大規制手段による前記規制の有効・無効を切り替える拡大規制切替手段が設けられており、
前記貯留容積を拡大させる方向に前記X段目の壁部材を移動させると、
有効であった前記規制が前記拡大規制切替手段によって無効となり、
前記第1の拡大規制手段および前記第2の拡大規制手段によって規制されていた前記X段目の壁部材に対する前記X+1段目の壁部材の相対的な移動であって前記貯留容積を拡大させる方向の移動が可能となるものであることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、貯留皿の貯留容積を拡大させる際に、上下に配置された複数の壁部材を、底部に近い側から順に、段階的に貯留容積を拡大させる方向に移動させることができる。したがって、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能となる。
[特徴B3]
特徴B2に記載の遊技機であって、
前記第1の拡大規制手段は、前記X+1段目の壁部材側に突出した突出部であり
前記第2の拡大規制手段は、前記突出部と係止することによって、前記X+1段目の壁部材の前記移動を規制する第1の係止部であり、
前記拡大規制切替手段は、
前記突出部を含む可撓性部材が前記X−1段目の壁部材側に撓むことを抑制することによって、前記突出部と前記第1の係止部との前記係止を維持させて、前記規制を有効とする抑制部と、
前記貯留容積を拡大させる方向に前記X段目の壁部材を移動させた場合に、前記可撓性部材が前記X−1段目の壁部材側に撓むことを許容することによって、前記突出部と前記第1の係止部との前記係止が外れることを許容して、前記規制を無効とする許容部と
を有するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第1の拡大規制手段、第2の拡大規制手段、および、拡大規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に拡大させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
[特徴B4]
特徴B1から特徴B3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、
前記貯留容積を縮小させる場合には、前記開口部に近い側から縮小するように構成されているものであることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、貯留容積を縮小させる場合には、開口部に近い側から縮小するように構成されているので、底部に近い側から縮小する場合と比較して、貯留容積を少量ずつ縮小させることができる。
[特徴B5]
特徴B4に記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、複数の壁部材が上下に配置されることによって構成された側壁を有しており、
前記複数の壁部材のうち、
前記底部に近い側からY(Yは2以上の整数)段目の壁部材には、第1の縮小規制手段が設けられており、
前記底部に近い側からY−1段目の壁部材には、前記第1の縮小規制手段と協働して、前記Y−1段目の壁部材に対する前記Y段目の壁部材の相対的な移動であって前記貯留容積を縮小させる方向の移動を規制する第2の縮小規制手段が設けられており、
前記底部に近い側からY+1段目の壁部材には、前記第1の縮小規制手段および前記第2の縮小規制手段による前記規制の有効・無効を切り替える縮小規制切替手段が設けられており、
前記貯留容積を縮小させる方向に前記Y+1段目の壁部材を移動させると、
有効であった前記規制が前記縮小規制切替手段によって無効となり、
前記第1の縮小規制手段および前記第2の縮小規制手段によって規制されていた前記Y−1段目の壁部材に対する前記Y段目の壁部材の相対的な移動であって前記貯留容積を縮小させる方向の移動が可能となるものであることを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、貯留皿の貯留容積を縮小させる際に、上下に配置された複数の壁部材を、開口部に近い側から順に、段階的に貯留容積を縮小させる方向に移動させることができる。したがって、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能となる。
[特徴B6]
特徴B5に記載の遊技機であって、
前記第1の縮小規制手段は、前記Y+1段目の壁部材側に突出した突出部を含む可撓性部材の端部であり、
前記第2の縮小規制手段は、前記可撓性部材が前記Y−1段目の壁部材側に撓んだ場合に、前記可撓性部材の端部と係止することによって、前記Y段目の壁部材の前記移動を規制する第2の係止部であり、
前記縮小規制切替手段は、
前記突出部に当接することによって、前記可撓性部材を前記Y−1段目の壁部材側に撓ませるとともに、前記可撓性部材の端部と前記第2の係止部とを係止させて、前記規制を有効とする当接部と、
前記貯留容積を縮小させる方向に前記Y+1段目の壁部材を移動させた場合に、前記当接部と前記突出部との前記当接を解除させることによって、前記可撓性部材の前記Y−1段目の壁部材側への撓みを取り除くとともに、前記可撓性部材の端部と前記第2の係止部との係止を解除して前記規制を無効とする解除部と、
を有するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、第1の縮小規制手段、第2の縮小規制手段、および、縮小規制切替手段を、簡易な構造によって実現することができる。すなわち、貯留容積を多段的に縮小させる調整が可能な構成を、簡易な構造によって実現することができる。
[特徴B7]
特徴B1から特徴B6のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記貯留皿よりも上方に設けられ、前記払出手段から払い出される前記遊技用媒体を貯留する上皿を備え、
前記貯留皿は、
前記上皿にて余剰となった前記遊技用媒体を貯留する下皿であることを特徴とする遊技機。
上皿と下皿とを備える遊技機の場合、下皿に貯留されている遊技用媒体を取り出す際に、上皿と下皿との間が狭く、取り出しにくい場合がある。
特徴B7によれば、貯留皿としての下皿が拡大するので、下皿に貯留されている遊技用媒体を容易に取り出すことができる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、上述した実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。そして、以下の課題の少なくとも一部を解決することができる。
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す遊技機が知られている。例えば、このような遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、遊技領域を備えているとともに、その下方に貯留皿としての上皿を備えている。上皿に貯留された遊技用媒体としての遊技球は、遊技球発射機構へ案内され、遊技者によって発射操作がされることにより遊技領域へ打ち出される。そして、例えば遊技領域に設けられた入賞口に遊技球が入球することにより、払出手段から上皿に所定数の遊技球が払い出される。
パチンコ遊技機には、上皿の下方に貯留皿としての下皿が設けられており、上皿に遊技球が満杯になっている状態で遊技球の払い出しが行われた場合には、その余剰球が下皿に排出されるようになっている。そして、遊技者は、上皿の遊技球の貯留状況に応じて、上皿と下皿との間に手を入れて、下皿に貯留されている遊技球を取り出し、上皿に補充する。
払出手段から貯留皿に遊技用媒体が払い出された際、貯留皿の底部に局所的に遊技用媒体が停滞してしまうことがある。この場合、その後にさらに遊技用媒体が払い出されると、払出手段から貯留皿へと遊技用媒体を放出する放出口を、停滞した遊技用媒体が塞いでしまう虞があった。また、停滞して山積された遊技用媒体が貯留皿から溢れ出してしまう虞があった。
このような問題は、遊技用媒体を貯留する貯留皿を備える遊技機全般においても同様に発生する。
[特徴C1]
遊技結果に応じて遊技用媒体を払い出す払出手段と、
上方に開口部、下方に底部が形成され、前記遊技用媒体を貯留する貯留皿と、
前記遊技用媒体が流通する迂回路であって、前記払出手段と前記貯留皿の底部との間に形成され、前記貯留皿の貯留空間における第1の領域を迂回し、前記貯留空間における第2の領域に前記遊技用媒体を誘導する迂回路と、
を備えるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、迂回路を備えるので、払出手段から払い出された遊技用媒体を迂回路を経由して第2の領域に流通させることができる。従って、払い出された遊技用媒体が貯留皿に局所的に停滞することを抑制することができる。また、貯留皿から遊技用媒体が溢れ出すことを抑制することができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、前記貯留空間を拡大させることが可能であり、
前記第2の領域は、前記拡大された貯留空間であることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、迂回路は、貯留皿における拡大された貯留空間である第2の領域に遊技用媒体を誘導するので、遊技用媒体が貯留皿に局所的に停滞することをさらに抑制するとともに、貯留皿から遊技用媒体が溢れ出すことをさらに抑制することができる。
[特徴C3]
特徴C2に記載の遊技機であって、
前記迂回路は、前記貯留空間の拡大に伴って構成されるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、迂回路は、貯留皿の貯留空間の拡大に伴って構成されるので、貯留空間の拡大の前後で遊技用媒体が貯留皿へ流通する経路が異なる。よって、払出手段から貯留皿へ遊技用媒体が流通する経路を、分散的に確保することができる。
[特徴C4]
特徴C2または特徴C3に記載の遊技機であって、
前記貯留皿は、側壁を備え、前記側壁の少なくとも一部を移動させることによって前記貯留空間を拡大および縮小させるように構成されており、
前記側壁の一部は、前記迂回路の一部として構成されているものであることを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、貯留空間が拡大する貯留皿を、迂回路として有効利用することができる。
以下に、上記の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。